大樹町(たいきちょう)は、北海道・十勝地方の南部、太平洋に面した人口5,160人の町です。帯広市の南およそ60kmに位置しています。
大樹町の魅力を5つに凝縮すると、こうなります:
- ✅ 北海道スペースポート(HOSPO)──ロケット打ち上げに対応する国内有数の民間宇宙港
- ✅ 民間単独で初めて宇宙へ到達した観測ロケット「MOMO」の打ち上げ地
- ✅ 歴舟川──源流から河口まで大樹町だけを流れ、何度も「日本一の清流」に選ばれた川
- ✅ ミニバレー発祥の地──1972年にこの町で考案された生涯スポーツ
- ✅ 乳牛が人口の約3.5倍。雪印メグミルク大樹工場を抱える酪農の町
「ロケットや宇宙開発にわくわくする人」「カヌーや川遊び・砂金掘りを楽しみたい人」「澄んだ空気の中でゆったり暮らせる移住先を探している人」に特におすすめの町です。本記事では観光・歴史・文化から、特産のチーズや海の幸まで地元目線で紹介します。
| 人口 | 5,160 人 ※2026年4月30日時点(住民基本台帳) |
|---|---|
| 面積 | 815.67 km² |
| 人口密度 | 6.33 人/km² |
地理的には、南は広尾町、北は豊頃町・幕別町・更別村・中札内村、西は日高山脈を境に浦河町・新ひだか町と接し、東は太平洋に開けています(出典:大樹町基本計画(経済産業省))。とかち帯広空港からは車でおよそ40分。1987年に国鉄広尾線が廃止され、現在は鉄道が通っていません。
宇宙・清流・酪農と、人口5,160人の小さな町に「日本初」「日本一」がいくつも詰まっています。ひとつずつ見ていきましょう。
大樹町の推しポイント

大樹町を語るうえで外せないのが「宇宙」と「水」です。広い土地と、東・南に海が開けた地形を生かしてロケットが飛び立つ一方、町を貫く歴舟川は何度も日本一に輝いた清流。さらにミニバレー発祥の地であり、太平洋を望む珍しいヨード泉もあります。ここでは4つの顔を順に見ていきましょう。
北海道スペースポート──ロケットが宇宙へ飛び立つ町
大樹町は東と南に海が広がる地形を生かし、1985年から約40年にわたって航空宇宙産業の誘致を進めてきました(出典:インターステラテクノロジズ)。現在は商業宇宙港「北海道スペースポート(HOSPO)」を核に、JAXAや大学の実験も行われる「宇宙のまち」です。新しい衛星打ち上げ用の発射場「LC1」の整備が進み、ロケット「ZERO」の打ち上げが目指されています。
歴舟川──源流から河口まで大樹町だけを流れる清流
歴舟川は日高山脈を源とし、全長およそ64kmすべてが大樹町内を流れる珍しい川です。環境省(旧環境庁)の水質測定で、これまでに何度も「日本一の清流」と評価されてきました(出典:大樹町公式サイト)。古くは砂金が採れたことから「宝の川」とも呼ばれ、今もカヌーや砂金掘り体験が楽しめます。冬には川面にダイヤモンドダストが舞うこともあるんですよ。
ミニバレー発祥の地
柔らかい専用ボールと低いネットで、年齢や性別を問わず楽しめる「ミニバレー」。実はこのスポーツ、1972年に大樹町で考案されたもので、町技にも指定されています(出典:大樹町公式サイト)。今では全国に広がり、町内では小中学生の交流大会も開かれています。
晩成温泉と十勝海岸湖沼群──太平洋を望むヨード泉
海沿いにある晩成温泉は、全国でも珍しい茶褐色のヨード泉。大浴場からは太平洋を一望できます。周辺には生花苗沼(オイカマナイトー)やホロカヤントウ沼など、海跡湖が点在する十勝海岸湖沼群が広がり、環境省の「生物多様性の観点から重要度の高い湿地」に選ばれています(出典:環境省)。湯上がりに原生花園や渡り鳥を眺める時間は、ここでしか味わえません。
大樹町の歴史

大樹町の歴史は、川とともに歩んできました。江戸期には砂金を求めて人が集まり、明治には開拓者が大地を拓き、昭和には酪農と鉄道が町を支えました。そして現代、町は「宇宙のまち」として新たな歴史を刻んでいます。砂金から宇宙へ──そのつながりを見ていきましょう。
砂金とアイヌ──「ノミの多いところ」とゴールドラッシュ
町名はアイヌ語の「タイキウシイ」(ノミ・多い・ところ)に由来すると伝えられています。一方、江戸時代の寛永年間にはアイボシマ地区で砂金が見つかり、砂金掘りが始まりました。1900年以降には掘り手が200人を超えるゴールドラッシュとなり、集落が形づくられていきました。
明治の開拓──依田勉三と大樹の農業
1883年(明治16年)には「大樹農業の先駆者」と呼ばれる依田勉三らが入植し、本格的な開拓が始まりました。その後、1928年(昭和3年)に広尾村から分かれて大樹村が成立し、1951年(昭和26年)に町制を施行して大樹町が誕生しました。
鉄道の記憶と「宇宙のまち」へ
1930年(昭和5年)には国鉄広尾線が延伸して大樹駅が開業し、町は鉄道とともに発展しました。しかし1987年(昭和62年)に広尾線は廃止されています。一方で、1985年からの航空宇宙産業の誘致が実を結び、2019年には町内から打ち上げられた観測ロケット「MOMO」3号機が、日本の民間単独開発ロケットとして初めて宇宙空間に到達しました。
大樹町の文化・風習

方言と話し方の特徴
大樹町を含む十勝・道東では、北海道弁が日常に溶け込んでいます。たとえばしばれる(厳しく冷え込む)は、最低気温が氷点下20度を下回ることもあるこの町にぴったりの言葉。ほかにもなげる(捨てる)、なまら(とても・すごく)、めんこい(かわいい)、したっけ(それじゃあ/じゃあね)などがよく使われます。「ゴミなげといて」と言われても、投げ飛ばすのではなく捨てればOK。旅先で耳にすると、ちょっとほっこりしますよね。
川と海と火のある一年
春、歴舟川にかかる大樹橋には幅いっぱいに鯉のぼりが泳ぎ、初夏には砂金掘りのシーズンが始まります。そして夏の一大行事が、平成元年から続く歴舟川清流まつり。会場では宇宙のまちらしいペットボトルロケットコンテストが開かれ、夜には高さ20mを超える柱たいまつを燃やして豊作・豊漁を占う「ペルプネ火祭り」と花火が夜空を彩ります(出典:北海道大樹町観光WEB)。川と海、そして火。自然の恵みに感謝する暮らしが、季節ごとに息づいています。
宇宙が日常にある町の気質
ロケットの打ち上げや実験が身近で、子どもたちが宇宙を「将来の進路」として語れる──そんな環境はこの町ならではです。一次産業で支え合ってきた土地らしく、人との距離は近く、初めて訪れても声をかけてもらえる温かさがあります。広い空の下、のびのびと暮らせる空気感が大樹町の魅力なんですよ。
大樹町の特産品・食

チーズと乳製品──雪印メグミルク大樹工場と半田ファーム
大樹町の基幹産業は酪農で、人口の約3.5倍にあたるおよそ21,000頭の乳牛が飼われ、年間約12万トンの生乳が生産されています(出典:JA大樹町)。その生乳は町内の雪印メグミルク大樹工場でチーズなどに加工されます。さらに半田ファームのナチュラルチーズも人気で、ミルクの香りが濃く、そのまま食べてもパスタに溶かしても美味しいんですよ。お土産には道の駅コスモール大樹限定のカマンベール「大樹物語」もおすすめです。
大樹チーズサーモン丼──秋鮭とチーズの天丼
大樹のご当地グルメといえば、2013年に登場した「大樹チーズサーモン丼」。大樹で水揚げされた秋さけと、さけるチーズの天ぷらを、3種類の味付けで楽しめる天丼です(出典:大樹町公式サイト)。さくっと揚がった鮭の旨みと、とろけるチーズの塩気が相性抜群。町内の数店舗で食べられるので、お店ごとの味付けを食べ比べるのも楽しいですよ。
大樹産ミルクのアイスとシジミ
夏に味わいたいのが、大樹産の牛乳と野菜を使ったカウベルアイス。じゃがいもやかぼちゃなど、酪農と畑作の町ならではのフレーバーがそろいます。また、海沿いの沼で育つ特大サイズのシジミも知られ、濃厚なだしが楽しめます。澄んだ水と豊かな大地が、そのまま食卓の味になっているんですね。
現地に行くのはなかなか難しい方もいますよね。でもふるさと納税なら、実質2,000円の自己負担で全国の特産品が返礼品として届きます。
会社員ならワンストップ特例で確定申告も不要。
返礼品は数万点あるので、迷ったらAmazonの【今みんなが選んでいる人気返礼品ランキング】から見るのが失敗しないコツですよ。
大樹町の観光スポット

大樹町の見どころは、大きく「宇宙」「清流」「海と温泉」の3つに分かれます。ロケットの実物に出会える施設から、カヌーや砂金掘りが楽しめる川辺、太平洋を望むヨード泉まで、1日では回りきれないほど。まずは外せないスポットから紹介していきますね。
宇宙を体感するスポット
- 大樹町宇宙交流センターSORA – 多目的航空公園のなかにある、宇宙のまちの玄関口です。開館期間は4月1日から11月30日まで(冬期休館)、時間は午前10時〜午後4時(11月は午後3時まで)で、入場は無料です(出典:北海道大樹町公式サイト)。日本初の民間単独で宇宙に到達した観測ロケット「MOMO」の模型や、町から打ち上げられた小型ロケットの実物が並び、ロケット発射時の爆音体験もできます。子どもの「行ってみたい」がそのまま将来の夢になりそうな場所なんですよ。
- 北海道スペースポート(HOSPO)/大樹町多目的航空公園 – 美成地区にある商業宇宙港で、2021年4月から本格稼働しています(出典:北海道大樹町公式サイト)。タイミングが合えば、滑走路を背景に実験施設の様子を遠目に眺められることも。空の広さと、ここから本当にロケットが飛ぶという事実に、胸が高鳴ります。
歴舟川と水辺のスポット
- カムイコタン公園キャンプ場 – 「神の集落」を意味するアイヌ語が名の由来で、奇岩奇勝が連なる歴舟川中流の景勝地です。2026年度の開設期間は4月24日から9月27日のチェックアウトまでとなっています(出典:北海道大樹町観光WEB)。日本一に何度も選ばれた清流のほとりで、カヌーやニジマス・ヤマベ釣り、川遊び、そして砂金掘り体験まで楽しめます。森と川の音に包まれる時間は、なんともぜいたくですよ。
- 坂下仙境 – 歴舟川上流の拓進地区にある景勝地で、新緑から紅葉まで季節ごとに表情を変えます。深い緑と澄んだ流れのコントラストは、写真に収めたくなる美しさです。
海と温泉のスポット
- 晩成温泉 – 十勝で唯一、湯船から太平洋を眺められる温泉です。泉質は国内でも有数の濃度を誇るヨード泉で、茶褐色のお湯は保温効果が高く湯冷めしにくいのが特徴。2025年3月にリニューアルし、海を一望できる大型ガラスやサウナ、外気浴バルコニーが整いました(出典:北海道大樹町観光WEB)。入浴時間は9:00〜21:00、料金は大人500円・中学生300円・小学生200円です(出典:とかち晴れ(十勝観光連盟))。館内の食堂では大樹チーズサーモン丼も味わえます。
- 生花苗沼・十勝海岸湖沼群 – 海沿いに点在する海跡湖で、環境省の「生物多様性の観点から重要度の高い湿地」に選ばれています(出典:環境省)。渡り鳥が羽を休め、初夏には近くの晩成原生花園でハマナスが咲きます。海と沼と花が一度に楽しめる、静かな散策スポットです。
買って帰るスポット
- 道の駅コスモール大樹 – 国道236号沿いにある町の特産品基地。半田ファームのナチュラルチーズや、ここでしか買えない雪印大樹工場のカマンベール「大樹物語」が人気です。さらに宇宙食やJAXA・インターステラテクノロジズのグッズなど、宇宙のまちならではの土産がそろいます(出典:北の道の駅)。旅の最後にここへ寄れば、お土産選びはばっちりですよ。
大樹町の観光ルート

大樹町は南北に広く、市街地・山側の川辺・海沿いと表情が変わります。1日あれば「宇宙と清流」をぐるりと回れますし、半日なら海と温泉に絞るのもおすすめ。隣町まで足を延ばす広域ルートもあわせて紹介しますね。
【車・1日】宇宙と清流ルート
9:30 道の駅コスモール大樹 → 10:00 宇宙交流センターSORA(車約20分)→ 11:30 カムイコタン公園 → 14:00 柏林公園 → 15:30 晩成温泉(車約40分)
①道の駅コスモール大樹(30分)→ まずは情報収集と、帰りに買うお土産の下見を。宇宙グッズを眺めるだけでも気分が上がります。
②宇宙交流センターSORA(60分)→ ロケットの実物と爆音体験で、宇宙のまちの実力を体感。午前中は比較的すいていて見学しやすいですよ。
③カムイコタン公園(90分)→ 歴舟川のほとりでお弁当を広げ、川遊びや砂金掘りに挑戦。水の透明度に驚くはずです。
④晩成温泉(90分)→ 1日の締めくくりは太平洋を望むヨード泉で。夕方は海に沈む光を眺めながら、ゆっくり疲れを流せます。
【車・半日】海と温泉ルート
13:00 晩成温泉 → 14:30 生花苗沼・十勝海岸湖沼群 → 15:30 晩成原生花園 → 16:30 道の駅コスモール大樹
①晩成温泉(60分)→ 海沿いの温泉でまずはひと息。茶褐色のお湯は、初めてだと少し驚くかもしれません。
②生花苗沼・十勝海岸湖沼群(45分)→ 海と沼を隔てる細い砂州を歩き、渡り鳥を探します。風の音しか聞こえない静けさが心地よいです。
③晩成原生花園(30分)→ 初夏ならハマナスのピンクが点々と。海風に揺れる花を眺めながらの散策はおすすめです。
④道の駅コスモール大樹(30分)→ 帰り道にチーズやお土産を調達して、旅を締めくくりましょう。
【車・1日】広域ルート:南十勝・道の駅めぐり
9:30 道の駅コスモール大樹 → 10:30 忠類(幕別町・車約30分)→ 13:00 広尾町(黄金道路・フンベの滝)→ 16:00 大樹へ戻る
①道の駅コスモール大樹(30分)→ 大樹のチーズを仕入れて出発。南十勝は道の駅が車で15〜20分圏内に集まっています。
②忠類エリア(幕別町・60分)→ ナウマン象の化石が見つかった土地として知られ、記念館で太古のロマンに触れられます。
③広尾町(120分)→ 断崖を貫く「黄金道路」をドライブし、道路脇に流れ落ちるフンベの滝へ。海岸線の迫力に圧倒されます。
④大樹へ戻る → 夕方は晩成温泉、または市街の食堂でチーズサーモン丼を。1日たっぷり南十勝を味わえます。
大樹町の年間イベント

大樹町のイベントは、清流と海、そして宇宙のまちらしさが詰まっています。春は川に泳ぐ鯉のぼり、夏は火祭りと花火、秋は山海の味覚まつり。季節ごとに町が一番にぎわう瞬間を、順に見ていきましょう。
春〜夏:歴舟川清流鯉のぼりと夏まつり
春にまず訪れるのが、歴舟川にかかる大樹橋いっぱいに鯉のぼりを泳がせる「歴舟川清流鯉のぼり」。毎年4月下旬から5月上旬にかけて行われ、5月5日には子ども向けのミニイベントも開かれます(出典:とかち晴れ(十勝観光連盟))。青空に色とりどりの鯉が泳ぐ光景は、まさに春の風物詩です。
夏には、1971年から続く「町民大盆踊大会」が毎年8月に開かれ、商工まつりとあわせて市街がにぎわいます(出典:北海道大樹町公式サイト)。やぐらを囲む踊りの輪に、旅行者も気軽に加われる温かさがあるんですよ。
そして夏の主役が「歴舟川清流まつり」。平成元年から毎年8月に開催され、宇宙のまちらしいペットボトルロケットコンテストや、高さ20mを超える柱たいまつを燃やす「ペルプネ火祭り」、花火大会でクライマックスを迎えます(出典:北海道大樹町公式サイト)。炎と火の粉が夜空を焦がす迫力は、一度見たら忘れられません。
秋:柏林公園まつり
秋にぜひ行ってみてほしいのが、町のシンボル・カシワに囲まれた柏林公園で毎年9月に開かれる「柏林公園まつり」です(出典:北海道大樹町観光WEB)。大樹産和牛の即売や焼肉、大きな秋サケのつかみどりなど、山も海もある大樹町ならではの味覚まつり。香ばしい煙の匂いのなか、地元の人と肩を並べて頬張る肉は格別ですよ。
冬:太平洋の初日の出とダイヤモンドダスト
冬の大樹町は、連日氷点下20度近くまで冷え込む厳しさですが、その寒さが生む絶景があります。元日には海沿いの晩成温泉が「正月営業」を行い、太平洋から昇る初日の出を湯船から拝めます(出典:北海道大樹町観光WEB)。澄んだ朝には歴舟川沿いでダイヤモンドダストが舞うことも。寒さを忘れて見入ってしまう、冬だけのごほうびです。
大樹町のエリア別の顔

大樹町は東西に長く、海から日高山脈まで地形がぐっと変わります。商店や役場が集まる市街地、ロケットが飛ぶ美成地区、清流と山が迫る上流域、そして太平洋に開けた海沿い。旅の目的に合わせて、訪ねるエリアを選んでみてください。
市街地エリア──旅の拠点になる町の中心
かつて大樹駅があった東本通を中心に、役場や商店、道の駅コスモール大樹、柏林公園が集まるエリアです。食堂でチーズサーモン丼を味わったり、お土産を調達したりと、旅の補給基地にぴったり。コンパクトにまとまっているので、車を停めて歩くのにも向いていますよ。
美成エリア──ロケットが飛び立つ宇宙のまち
多目的航空公園と北海道スペースポートが広がる、宇宙のまちの心臓部です。宇宙交流センターSORAもこのエリアにあります。広大な敷地と開けた空は、ここが本当にロケットの発射場であることを実感させてくれます。宇宙好きなら、まっさきに訪れたい場所ですね。
歴舟川上流・拓進エリア──清流とアウトドアの世界
市街地から山側へ向かうと、カムイコタンや坂下仙境など、歴舟川の清流と森が織りなす景勝地が続きます。カヌー、釣り、砂金掘り、紅葉狩りと、季節ごとに遊び方が変わるのがこのエリアの魅力。自然のなかで思いきり体を動かしたい人に向いています。
晩成・生花苗エリア──海と温泉と原生花園
太平洋に面した海沿いのエリアには、晩成温泉や十勝海岸湖沼群、原生花園が広がります。波の音と海風に包まれながら、温泉や散策でのんびり過ごせる場所。慌ただしい旅程をひと休みして、ゆったり時間を取りたいときに訪れるのがおすすめですよ。
大樹町の気候・季節の暮らし

大樹町は太平洋に面していますが、冬の冷え込みは厳しく、年平均気温は5.6℃、1月の日平均気温は氷点下8.8℃です(出典:気象庁)。一方で夏は涼しく、最も暑い8月でも日平均は18.8℃ほど。寒暖の差が大きいのが特徴です。海沿いらしく晴れの日が多く、その澄んだ空がロケットの打ち上げにも向いているんですよ。
夏──7月〜8月の暮らし
夏は本州のような蒸し暑さがなく、過ごしやすいのが魅力です。太平洋沿岸のため海霧が出やすく、ひんやりした朝もあります。歴舟川での川遊びやカムイコタンでのキャンプなど、外で過ごすのが気持ちいい季節。日中でも木陰に入ると涼しく、夜は窓を閉めたくなるほどです。
秋──9月〜10月の暮らし
秋は短く、足早に深まります。坂下仙境やカムイコタンの渓谷が色づき、町は柏林公園まつりの和牛や秋サケでにぎわいます。朝晩の冷え込みが一気に進むので、9月でも上着が手放せません。澄んだ空気のなか、味覚と紅葉を一度に楽しめる季節です。
冬──11月〜3月の暮らし
冬は厳しく、1月の平均最低気温は氷点下16.8℃まで下がります(出典:気象庁)。朝はしばしば氷点下20度近くまで冷え込み、歴舟川沿いではダイヤモンドダストが舞うことも。内陸の豪雪地帯ほど雪は多くなく、晴れる日が多いのが救いです。暖房と防寒着はしっかり備えておきたい季節ですね。
春──4月〜5月の暮らし
春の訪れはゆっくりで、雪解けとともに歴舟川に鯉のぼりが泳ぎはじめます。風の強い日が多いものの、日差しはやわらかく、町全体がほっと緩む時期。冬の長さを越えたぶん、待ちわびた春のありがたみがひとしおなんですよ。
大樹町の移住・暮らし情報

人口5,160人の大樹町は、酪農と農業を土台に、近年は宇宙関連の仕事も生まれている町です。町は移住相談に力を入れており、移住コーディネーターによるオンライン相談やLINEの移住ホットラインも用意されています(出典:北海道大樹町公式サイト)。暮らしの現実を順に見ていきましょう。
通勤・通学
働く場所は、役場や酪農・農業、雪印メグミルク大樹工場、そしてインターステラテクノロジズなどの宇宙関連企業と、町内で完結する人が多いのが特徴です。帯広市へ通う場合は車でおよそ1時間。高校は道立の北海道大樹高等学校が町内にあり、高校まで地元で通えます。
住宅環境
賃貸はオール電化や駐車場無料、礼金不要の木造アパートが中心で、ファミリー向けの一戸建て賃貸も見られます(出典:SUUMO)。家賃は都市部よりかなり抑えめと考えられます。町は空き家活用の相談にも対応しているので、移住前にのぞいてみる価値がありますよ。
買い物環境
日々の買い物は、市街地のショッピングセンターや道の駅コスモール大樹で済ませられます。地元のチーズや農産物が手に入るのはうれしいところ。まとめ買いや専門店での買い物は、車で約1時間の帯広まで足を延ばす人が多いです。
子育て・教育
町内には尾田認定こども園「おひさま」をはじめとする認定こども園があり、大樹小学校・大樹中学校・北海道大樹高等学校と、就学前から高校まで地元でそろっています(出典:北海道大樹町公式サイト)。ロケットや実験が身近にある環境は、子どもの好奇心を育てる土壌になりそうですね。
医療環境
中核となるのは一般病床50床の大樹町立国民健康保険病院で、内科・外科・整形外科・眼科・泌尿器科に加え小児科の診療も行われています(出典:北海道大樹町公式サイト)。ほかに大庭医院や森クリニックなどの診療所もあり、日常の医療は町内で受けられます。高度・専門医療が必要なときは帯広市の病院が選択肢になります。
エリア別の暮らし視点
暮らしの利便を重視するなら、役場や商店・病院が集まる市街地が安心です。静かにのんびり暮らしたいなら、晩成など海沿いのエリア。広い土地で農や酪農に関わりたい人には郊外の農村部が向いています。同じ町でも、エリアで暮らしの色合いがずいぶん変わるんですよ。
大樹町へのアクセス

大樹町は、空の玄関口・とかち帯広空港から車でおよそ40分の場所にあります。1987年に国鉄広尾線が廃止されて以来、町内に鉄道は通っていないため、移動の基本は車かバスです。主要ルートを整理しておきましょう。
車でのアクセス
新千歳空港からは道東自動車道などを経由しておよそ3時間。帯広市街からは国道236号で約1時間(約58km)です。帯広広尾自動車道の忠類大樹インターチェンジが最寄りで、ICから市街までは10〜20分ほど。雪道に不慣れな場合は、冬の運転に余裕を持っておくと安心です。
鉄道+バスでのアクセス
鉄道で向かう場合は、新千歳空港方面からJR特急で帯広駅へ(最短2時間程度)、そこから十勝バスの広尾線に乗り継ぎます。帯広から大樹まではバスでおよそ1時間45分です(出典:北海道大樹町観光WEB)。本数が限られるので、出発前に時刻を確認しておくのがおすすめです。
飛行機でのアクセス
東京方面からは、羽田空港からとかち帯広空港まで約1時間30分(出典:北海道大樹町観光WEB)。空港から帯広駅へは十勝バスの連絡バスで結ばれています(出典:十勝バス)。空港でレンタカーを借りれば、そのまま大樹まで約40分でアクセスできます。
町内移動の現実的アドバイス
町は南北に広く、宇宙交流センターのある美成地区や海沿いの晩成までは距離があります。バスだけで観光地を回るのは難しいので、レンタカーを用意するのが現実的です。空港か帯広で車を借り、1〜2日かけてゆっくり回るプランが組みやすいですよ。
【地元住民に直撃!】大樹町の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。
うちは代々の酪農家で、わたしも牛と一緒に暮らしてきました。早朝の搾乳から始まって、餌やりに畑仕事と、一年中休みらしい休みはありません。
それでも、ここで搾った生乳が町の工場でチーズになって全国に出ていくと思うと、誇らしい気持ちになりますよ。大樹町の酪農は、この町の土台そのものなんです。
Q2.大樹町に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?
やっぱり宇宙交流センターに行って、本物のロケットを見てほしいですね。広い航空公園に立つと、ここから本当に宇宙へ飛んでいくんだと実感できます。
あとは地元の人間として推したいのが、町の水源でもある歴舟川。カムイコタンのあたりは水の透明度が違って、夏は川の音と冷たい風が本当に気持ちいいんです。
Q3.大樹町でお土産を買うとしたらなんですか?
無難なところだと、道の駅で買える雪印のカマンベール「大樹物語」。チーズはこの町の有名なものですから、間違いがないです。
でも地元の人間がこっそり買うのは、半田ファームのナチュラルチーズですね。牛乳の香りがしっかり残っていて、あれを知ると他のが物足りなくなりますよ。
Q4.外から人が来たときに、大樹町でまず連れていく店はどこですか?
海沿いの晩成温泉に連れていって、食堂で大樹チーズサーモン丼を食べてもらいます。太平洋を眺めながら入る茶色いお湯は、よそにはない体験なんですよ。
観光で来た人はたいてい驚きますね。湯上がりに海を見ながらのんびりする時間は、この町ならではだと思います。
Q5.大樹町はどんな気質だと思いますか?
一次産業で支え合ってきた町なので、人との距離が近くて世話好きな人が多いですね。困っていると、頼まなくても手を貸してくれる。
その一方で、宇宙の事業を40年も粘り強く続けてきたように、こうと決めたら地道にやり抜く頑固さもあります。派手ではないけれど、芯の強い土地だと思いますよ。
Q6.昔に比べて、大樹町の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?
正直に言えば、子どもの数も酪農の戸数もずいぶん減りました。鉄道もなくなって、買い物は車で帯広まで、というのが当たり前になりましたね。
ただ、ロケットの話題で町の外から若い人や研究者が来るようになって、空気が明るくなったのは感じます。観光で立ち寄る人も、昔よりずっと増えました。
Q7.大樹町のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?
やはり新しい発射場ですね。本格的な衛星打ち上げが始まれば、町民センターでの催しや交流も、もっとにぎやかになるんじゃないかと期待しています。
町長をはじめ、みんなが「宇宙のまち」に賭けているところがあります。酪農の現場は変わらず大変ですが、若い人が戻ってこられる町になってほしいと願っていますよ。

