枝幸町(えさしちょう)は、北海道宗谷地方の南東部・オホーツク海に面する人口6,977人の町です。同じ「えさし」と読む道南の江差町と区別するため「北見枝幸(きたみえさし)」とも呼ばれます。
枝幸町の見どころを5つに絞ると、こうなります:
- ✅ 毛ガニのかご漁で水揚げ量日本一──流氷が育てた濃厚なカニ味噌
- ✅ 全国初のブランドホタテ「枝幸ほたて」の産地
- ✅ 乾燥ナマコ「枝幸産北海キンコ」は生産量日本一
- ✅ 国の重要文化財・目梨泊遺跡のオホーツク文化出土品(高校生が金の刀を発見)
- ✅ 明治のゴールドラッシュと1896年の皆既日食観測の歴史
「海の幸を思いきり味わいたい旅行者」「古代史やオホーツク文化に興味がある人」「静かな海辺の町への移住を考えている人」に向いた町です。序盤で町の顔を、中盤以降で歴史・文化・特産品を地元目線で掘り下げていきます。
| 人口 | 6,977 人 ※2026年4月30日時点(住民基本台帳) |
|---|---|
| 面積 | 1,115.62 km² |
| 人口密度 | 6.25 人/km² |
地理的には、北は浜頓別町・中頓別町、西は美深町・音威子府村、南は雄武町に接し、東はオホーツク海に面しています(出典:北海道(市町村データ))。海岸線は約58kmにおよびます(出典:北海道枝幸町ふるさと納税特設サイト)。2006年に旧枝幸町と歌登町が合併して現在の町域となり、面積は1,115.62km²と道内有数の広さを持ちます。
町内に鉄道は通っておらず、最寄り駅はJR宗谷本線の音威子府駅。森と海の恵みが暮らしの中心にある町です。海の幸、古代の遺跡、ゴールドラッシュの記憶と、小さな町に意外なほど多彩な顔が詰まっています。ひとつずつ見ていきましょう。
枝幸町の推しポイント

枝幸町といえば、まず毛ガニです。かご漁による水揚げ量は日本一を誇り、町の名前を全国に広めています。さらに全国初のブランドホタテ「枝幸ほたて」、乾燥ナマコ「北海キンコ」と、オホーツクの海の幸が揃います。海の魅力だけではありません。1700年前のオホーツク文化を伝える目梨泊遺跡、明治のゴールドラッシュ、そして二度の皆既日食観測という歴史も、この町ならではの顔です。
毛ガニ──かご漁の水揚げ量日本一
枝幸町は毛ガニのかご漁で水揚げ量日本一を誇ります(出典:北海道宗谷総合振興局)。冬季に南下してくる流氷が運ぶ豊富なプランクトンをエサに育つため身入りがよく、濃厚なカニ味噌が味わえます。甲長8cm以上の雄の「堅がに」だけを漁師が手の感覚で選別する、こだわりの漁です(出典:枝幸漁業協同組合)。
枝幸ほたて──全国初のブランドホタテ
「枝幸ほたて」は全国で初めてブランド認定されたホタテです(出典:北海道枝幸町ふるさと納税特設サイト)。夏でも冷たい海域で育つため貝毒の発生が少なく、貝柱が大きく肉厚に育ちます。国内向けだけでなく、中国・フランス・北米へも輸出されています。
目梨泊遺跡──高校生が金の刀を発見したオホーツク文化の里
神威岬のふもとにある目梨泊遺跡は、7〜8世紀を中心とするオホーツク文化の集落跡です。出土品は国の重要文化財に指定されています(出典:文化遺産オンライン(文化庁))。2018年には地元の高校生が金で覆われた「金銅装直刀」を発見し、東北以北で初の出土として注目を集めました(出典:枝幸町公式サイト)。
ウスタイベ千畳岩──流氷と奇岩の絶景
畳を敷き詰めたような岩が広がるウスタイベ千畳岩は、北オホーツク道立自然公園に指定された景勝地です(出典:宗谷観光連盟)。毎年7月の「枝幸かにまつり」の会場にもなり、冬には一面の流氷原と奇岩が織りなす光景が見られます。
枝幸町の歴史

枝幸町の歴史は、古代のオホーツク文化から始まります。やがて明治期には金と日食が町を世界とつなぎ、近代には漁業の町として発展しました。海を介して大陸や本州、そして世界とつながってきた点が、この町の歴史の大きな特徴です。
古代──オホーツク文化の交易拠点
目梨泊遺跡からは、7〜8世紀のオホーツク文化期を中心に約23万点もの遺物が出土しました(出典:文化遺産オンライン(文化庁))。大陸の靺鞨文化に由来する青銅製の帯飾りや、本州との交易で持ち込まれた蕨手刀が見つかっており、神威岬周辺が北東アジアの交易ネットワークの結節点だったことを物語っています。
明治──ゴールドラッシュと皆既日食
明治中期に町内で金鉱床が発見され、枝幸郡一帯はゴールドラッシュに沸きました。さらに1896年(明治29年)には皆既日食の観測のため、米国の天文学者デビッド・トッド博士をはじめ国内外の観測隊が枝幸を訪れました。当日は曇天で観測は失敗しましたが、住民の協力に感激したトッド夫妻は千冊余りの書籍を寄贈。これをきっかけに1903年(明治36年)、北海道で最初の公立図書館が枝幸に誕生しました。
現代──二つの町の合併
1947年(昭和22年)に枝幸村が町制を施行し、旧枝幸町が成立しました。その後2006年(平成18年)3月20日、旧枝幸町と歌登町が対等合併し、現在の枝幸町が誕生しました(出典:北海道宗谷総合振興局)。海の枝幸地区と森の歌登地区、二つの個性が一つの町になっています。
枝幸町の文化・風習

方言と話し方の特徴
みなさん、北海道の言葉って聞いたことありますか。枝幸町でも、道内で広く使われる方言が日常に根づいています。たとえば「とても」を意味するなまら(とても・すごく)。毛ガニを食べて「なまらうまい」なんて声が、浜のあちこちで聞こえてきそうです。
会話の区切りではしたっけ(それじゃあ/そうしたら)もよく使われます。「したっけ、また明日ね」といった具合に、別れ際のあいさつにもなる温かい言葉なんですよ。
食卓と季節の暮らし
枝幸の食卓は、季節がそのまま並びます。春は海明けの毛ガニ、秋は脂ののった鮭、そして一年を通じてホタテ。獲れたての魚介が当たり前のように食卓にのぼるのは、海とともに暮らすこの町ならではですよね。
冬は厳しい寒さがやってきます。内陸の歌登地区はとくに冷え込みが強く、道内の最低気温のニュースに地名が登場することもあるほど。それでも、雪と流氷に囲まれた静かな冬の暮らしには、独特の味わいがあります。
人の気質と地域のつながり
1896年の日食観測で訪れた外国人科学者に町ぐるみで協力した逸話が示すように、枝幸の人々はよそから来た人を温かく迎える気質があると考えられます。漁業集落ごとに小さな学校が形成されてきた歴史もあり、地域のつながりが今も色濃く残る町です。
枝幸町の特産品・食

毛ガニ
枝幸の毛ガニは、かご漁による水揚げ量が日本一です(出典:北海道宗谷総合振興局)。旬は春の海明けから。流氷の恵みで身がぎっしり詰まり、カニ味噌はなまら(すごく)濃厚なんですよ。茹でてそのまま身を頬張り、最後に甲羅でカニ味噌をすするのが王道の食べ方です。
枝幸ほたて
全国初のブランドホタテとして知られる枝幸ほたて(出典:北海道枝幸町ふるさと納税特設サイト)。冷たい海で育つため貝柱が大きく、繊維がきれいに揃ってシャキシャキの食感です。刺身でその甘みを味わうもよし、バターでさっと焼いて香ばしくいただくもよし。むっちり肉厚の貝柱は、一度食べたら忘れられませんよ。
鮭・いくら
枝幸の鮭の水揚げ量は日本で十指に数えられる規模です。遡上前の銀毛の鮭が多く、脂がのったメヂカ鮭や希少な鮭児(けいじ)も水揚げされます。旬は秋。焼き鮭はもちろん、はじける食感のいくらや濃厚な筋子まで、捨てるところがないと言われるほど全身が美味の塊なんです。
北海キンコ(乾燥ナマコ)
枝幸産の乾燥ナマコ「北海キンコ」は、生産量日本一として知られています(出典:※町史・日刊宗谷による)。中国で高級食材として珍重され、「黒いダイヤ」とも呼ばれる逸品です。なかなか地元の食卓には上がらない高級品ですが、枝幸の海の実力を物語る特産品といえます。
枝幸町の観光スポット

枝幸町の観光は、大きく分けて「海」と「歴史」と「森」の3つで楽しめます。オホーツク海に張り出した岬や奇岩、1700年前のオホーツク文化を伝えるミュージアム、そして内陸の歌登エリアに広がる森のリゾート。序盤で触れた町の顔を、ここからは一つひとつ歩いて回るように見ていきましょう。
海と岬を感じるスポット
- ウスタイベ千畳岩 – 畳を敷き詰めたような岩が波打ち際まで広がる、北オホーツク道立自然公園の景勝地です(出典:枝幸町観光協会)。岩場に降り立つと、すぐ目の前にオホーツクブルーの海が広がります。海を真っ赤に染める早朝の朝日は、ここでしか見られない光景。冬には一面の流氷原と奇岩のコントラストが楽しめて、夏と冬でまったく違う顔を見せてくれるんですよ。
- 北見神威岬 – 神威山の山すそが海に迫る岩礁の岬で、浜頓別町と枝幸町目梨泊にまたがります(出典:枝幸町公式サイト)。高山植物が豊富で、見渡す限りのオホーツク海が広がる最北の名勝。かつてオホーツク文化の人々が船の目印にした、歴史の舞台でもあります。
歴史と文化を学べるスポット
- オホーツクミュージアムえさし – 開館は9:00〜17:00、入館料は無料、休館日は毎週月曜・最終週の火曜と年末年始です(出典:枝幸町公式サイト)。目梨泊遺跡から出土した国指定重要文化財のオホーツク文化資料が見どころ。2018年に地元の高校生が発見した金銅装直刀の展示コーナーもあり、無料とは思えない充実ぶりになまら(とても)驚かされます。デスモスチルスの全身骨格も必見です。
- 目梨泊遺跡 – 北見神威岬のふもとに広がるオホーツク文化の集落跡。出土品は国の重要文化財に指定されています(出典:文化遺産オンライン(文化庁))。現地で出土品を見るならミュージアムへ、岬から海を眺めれば古代の交易の風景に思いを馳せられます。
森と高台で過ごすスポット
- 三笠山展望閣 – 標高172mの三笠山山頂にあり、オホーツク海・山・市街地を一望できます。営業は時期で変わり、5月は10:00〜18:00、6〜8月は10:00〜19:00、9〜10月は10:00〜17:00、冬期(11〜4月)は休館です(出典:枝幸町公式サイト)。併設のカフェは地元の人にも人気。夜間は閉まりますが、頂上から見上げる満天の星空はなまら(すごく)きれいで、都会では味わえない時間が流れています。
- 歌登健康回復村 – 内陸の歌登エリアにある、温泉付きホテルやコテージ、ゴルフ場などを備えた森のリゾートです(出典:北海道宗谷総合振興局)。中核のグリーンパークホテルでは、毛ガニ付きの食事と温泉でゆったりリフレッシュ。海の枝幸とはまた違う、深い緑に包まれた静けさが魅力です。
枝幸町の観光ルート

枝幸町は鉄道が通っていないので、旅は車が基本になります。海沿いの枝幸地区をぎゅっと巡る半日コースから、内陸の歌登まで足を延ばす1日コースまで。海と森、両方の顔を味わえるルートを組んでみましょう。
【車・半日】海と歴史をめぐる枝幸地区ルート
9:00 枝幸市街 → 9:05 オホーツクミュージアムえさし(車5分)→ 10:30 ウスタイベ千畳岩(車10分)→ 11:30 三笠山展望閣(車15分)
①オホーツクミュージアムえさし(90分)
→ まずは町の歴史をインプット。オホーツク文化の重要文化財と金の刀をじっくり見てから旅を始めると、このあと訪れる岬の見え方が変わってきますよ。
②ウスタイベ千畳岩(60分)
→ 岩場に降りてオホーツクブルーを間近に。磯の潮溜まりをのぞいたり、波の音を聞いたり、ゆっくり過ごしたいスポットです。
③三笠山展望閣(60分)
→ 締めは高台から町全体を見下ろして。カフェでひと息つきながら、巡ってきた海と町並みを一望できます。
【車・1日】森のリゾートまで足を延ばす歌登広域ルート
9:00 枝幸市街 → 9:10 ウスタイベ千畳岩(車10分)→ 11:00 北見神威岬(車30分)→ 13:30 歌登健康回復村(車60分)
①ウスタイベ千畳岩(60分)
→ 朝の澄んだ空気の中で奇岩と海を堪能。早起きできるなら、朝日の時間帯を狙うのがしたっけ(やっぱり)一番です。
②北見神威岬(60分)
→ オホーツク海に突き出す岬で、高山植物と大海原を。古代の交易拠点だった場所に立つと、不思議と時間の流れを感じます。
③昼食・枝幸市街(60分)
→ 市街地に戻って海の幸ランチ。毛ガニやホタテで、午前中歩いた体をしっかり満たしましょう。
④歌登健康回復村(120分)
→ 午後は内陸の森へ。温泉でゆっくり体をほぐして、海とはまるで違う深い緑の静けさに包まれて1日を締めくくります。
枝幸町の年間イベント

枝幸町のイベントは、なんといっても海の幸が主役です。夏は毛ガニ、秋はホタテと鮭。獲れたての味覚を求めて、町外からも大勢の人が集まります。季節ごとに違う恵みを味わえるのが、海の町ならではの楽しみですよね。
春〜夏:オホーツク枝幸うまいもん祭り
毎年7月の第一土曜に前夜祭、第一日曜に本祭が、ウスタイベ千畳岩を会場に開催されます(出典:枝幸町観光協会)。長く「枝幸かにまつり」の名で親しまれてきた、町を代表する一大イベントです。
ぜひ味わってほしいのが、水揚げ日本一の毛ガニ。会場には新鮮な海の幸の出店がずらりと並び、潮の香りと炭火の煙、人々の歓声が入り混じります。毎年約2万人が訪れる賑わいで、夜には花火も上がるんですよ。
春:枝幸海明け毛がにまつり
例年3月、毛ガニ漁が始まる「海明け」の時期に開催される、漁期序盤の旬を堪能できるイベントです(出典:枝幸町観光協会)。まだ寒さの残るオホーツクで、獲れたての毛ガニをいち早く味わえるのが醍醐味。夏の祭りとはまた違った、漁師町の活気を感じられます。
秋:よくばりフェスティバル
山海の幸が一堂に会する秋の祭りで、毎年10月に道の駅マリーンアイランド岡島の横スペースで開かれます(出典:北海道宗谷総合振興局)。ホタテの早剥き大会や鮭のつかみ取りなど、見て参加して楽しめる催しが盛りだくさん。秋の枝幸の実りを、まるごと味わえる一日です。
枝幸町のエリア別の顔

枝幸町は2006年に旧枝幸町と歌登町が合併して生まれた町で、大きく「海の枝幸地区」と「森の歌登地区」に分かれます(出典:枝幸町公式サイト)。同じ町でも顔がまるで違うので、旅の目的に合わせてエリアを選ぶのがおすすめですよ。
枝幸地区──オホーツクの海と港の町
約58kmの海岸線を持つ、町の中心エリアです。毛ガニやホタテが水揚げされる港があり、市街地には飲食店や宿が集まります。ウスタイベ千畳岩やオホーツクミュージアムえさしもこのエリア。海の幸を味わいたい人、岬や奇岩の絶景を巡りたい人にぴったりですよ。
歌登地区──四方を山に囲まれた森のエリア
内陸の山あいに広がる、緑深いエリアです。温泉やコテージ、ゴルフ場を備えた歌登健康回復村があり、海とは対照的にゆったりとした時間が流れます。森林浴や星空、温泉でのんびり過ごしたい人、アクティブにアウトドアを楽しみたい人に向いています。
岡島・目梨泊──海沿いの集落エリア
枝幸市街の南北に点在する漁業集落エリアです。岡島には道の駅マリーンアイランド岡島があり、秋のよくばりフェスティバルの舞台にもなります。目梨泊にはオホーツク文化の遺跡と北見神威岬が。古代史に触れたい人、静かな漁村の空気を味わいたい人が訪れるのにしたっけ(それなら)うってつけのエリアです。
枝幸町の気候・季節の暮らし

枝幸町(北見枝幸)の年平均気温は6.3℃、年間降水量は1,159.6mm、年間降雪量は562cmです(出典:気象庁)。真冬日は年間78.6日にのぼり、特別豪雪地帯に指定されています。
夏は涼しく、冬は雪と寒さが厳しい町です。海沿いは北海道で最も早く流氷が来る土地でもあります。実際に暮らすと、季節ごとの表情の違いがはっきり感じられるんですよ。
夏(6〜8月)──涼しく過ごしやすい季節
8月の平均気温は19.1℃で、本州のような猛暑はほとんどありません(出典:気象庁)。エアコンなしでも過ごせる日が多く、夜は窓を開けると涼しい風が入ってきます。海の幸が一番おいしい季節で、毛ガニまつりで町が賑わうのもこの時期です。
秋(9〜11月)──実りと冷え込みの始まり
9月でも朝晩はひんやりし、11月には最低気温が氷点下に下がり始めます。鮭やホタテの実りが食卓を彩る一方、暮らしのほうは少しずつ冬支度へ。タイヤ交換や暖房の準備を始める、慌ただしくも気持ちのいい季節ですよ。
冬(12〜3月)──しばれる雪国の暮らし
1月・2月の平均気温は約-5℃で、12〜3月は日平均気温が氷点下となります(出典:気象庁)。内陸の歌登エリアはとくにしばれる(厳しく冷え込む)日が続き、-15℃を下回ることもあります。除雪は暮らしの一部で、朝の雪かきから一日が始まります。それでも、流氷が接岸する2月のオホーツク海は他では見られない絶景なんです。
春(4〜5月)──雪解けと海明け
4月になると雪が解け始め、5月には平均気温が9.1℃まで上がります(出典:気象庁)。長い冬が明け、毛ガニ漁の「海明け」を迎えるのもこの頃。町全体がほっと一息つき、活気を取り戻す季節です。
枝幸町の移住・暮らし情報

枝幸町での暮らしは、海と森に囲まれた、ゆったりとしたものです。人口密度は1km²あたり約6人ととても低く、北海道らしい広々とした環境が魅力(出典:枝幸町公式サイト)。実際に住む現実を、項目ごとに見ていきましょう。
通勤・通学
鉄道が通っていないため、通勤・通学は車が基本です。町内の職場や学校へは車で十数分という人が多く、漁業・酪農・役場・病院などが主な勤め先と考えられます。冬の運転に慣れることが、暮らしの第一歩になりますよ。
住宅環境
枝幸市街と歌登市街に住宅が集まり、賃貸物件の数は都市部に比べると限られます。具体的な家賃相場の公表データは確認できませんでしたが、地方の小規模自治体らしく、都市部より抑えめの水準と考えられます。空き家バンクなど移住者向けの住まい情報は、町の窓口で相談するのが確実です。
買い物環境
枝幸市街には西條やホーマックニコットなどの店舗があり、日常の買い物は町内で済ませられます。大型のショッピングモールはないものの、食料品や生活用品は地元で揃う環境。海の幸が新鮮で安く手に入るのは、この町ならではの贅沢ですよね。
子育て・教育
町内には枝幸町認定こども園があり、教育・保育を担っています(出典:枝幸町公式サイト)。小学校・中学校に加え、高校は北海道枝幸高校があり、地元で高校まで進学できます。子育て世帯への支援情報は、町の子育てガイドで確認できます。
医療環境
中核となるのは枝幸町国民健康保険病院です。内科・外科・小児科・整形外科をはじめ複数の診療科を備えています(出典:枝幸町国民健康保険病院)。日常的な診療は町内で受けられ、専門的な治療が必要な場合は名寄や旭川などの都市部へ向かう形になります。
エリア別の暮らし視点
海沿いの枝幸地区は、買い物・病院・学校が集まる暮らしの中心。生活の便を重視するならこのエリアがなまら(とても)暮らしやすいですよ。内陸の歌登地区は、温泉や森に近く、より静かでのびやかな環境を求める人に向いています。
枝幸町へのアクセス

枝幸町はオホーツク海沿いの道北に位置し、鉄道は通っていません。札幌や旭川からは都市間バスか車でのアクセスが基本になります。少し時間はかかりますが、その分たどり着いたときの達成感もひとしおです。
車でのアクセス
道央自動車道などを使い、札幌からは約5時間、旭川からは約3時間半が目安と考えられます。国道238号(オホーツクライン)が町を南北に貫いており、海沿いのドライブそのものが旅の楽しみになります。冬季は路面凍結に十分な注意が必要です。
バスでのアクセス
宗谷バスの都市間バス「えさし号」が、枝幸〜札幌と枝幸〜旭川を結んでいます(出典:宗谷バス)。札幌行きは枝幸を7:00発で札幌12:25着、旭川行きは枝幸を8:15発で旭川11:50着というダイヤです。いずれも完全予約制なので、事前の電話予約を忘れずに。
飛行機でのアクセス
最寄りの空港は旭川空港で、空港から旭川駅へ出て「えさし号」に乗り継ぐルートが現実的です。新千歳空港からは札幌経由で「えさし号」に乗る形になります。本州から訪れるなら、飛行機+バスの組み合わせが基本になりますよ。
町内移動の現実的アドバイス
町内は公共交通が限られるため、観光でもレンタカーがあるとなまら(とても)便利です。海沿いの枝幸地区と内陸の歌登地区は車で1時間ほど離れているので、両方を巡るなら時間に余裕を持った計画がおすすめです。
【地元住民に直撃!】枝幸町の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。
毛ガニのかご漁をやっとる漁師でな、船を出す側の人間だわ。若い時分から海一本、もう50年以上になるかい。
枝幸は毛ガニの水揚げが日本一でな、これはなまら(とても)誇りだ。流氷がプランクトン運んでくるから、ここのカニは身もミソも詰まっとる。海明けの3月はまだしばれる(冷え込む)が、その時期のカニが一番うまいんだわ。
Q2.枝幸町に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?
まずはウスタイベ千畳岩だな。畳みたいな岩がずーっと海まで続いてて、観光客もよう来る。枝幸町観光の顔だわ。
地元の人間が好きなのは、早朝の千畳岩だ。オホーツクから昇る朝日が海も岩も真っ赤に染めてな、波の音しか聞こえん。三笠山の上から町を見下ろすのもいい。あれは住んどる者にしか分からん静けさだわ。
Q3.枝幸町でお土産を買うとしたらなんですか?
そりゃ毛ガニよ。枝幸の有名なものといったらこれだ。ボイルしたやつを持って帰れば、まず外さん。ホタテも全国初のブランドだから間違いない。
地元の人間が分かっとるのは「北海キンコ」っちゅう乾燥ナマコでな。これも生産量日本一だ。中国じゃ高級品で、普段は口に入らんが、これこそ枝幸の隠れた宝だわ。
Q4.外から人が来たときに、枝幸町でまず連れていく店はどこですか?
やっぱり地元の食堂で、その日揚がった魚介を食わせる店だな。毛ガニにホタテ、秋なら鮭といくら。獲れたてだから、よその街じゃこの味はなんも(まったく)出せん。
札幌あたりから来た連中は、ひと口食って黙りこむわ。値段も街中より優しいしな。枝幸観光で来たなら、まず腹いっぱい海のもん食わせるのが一番だと思っとる。
Q5.枝幸町はどんな気質だと思いますか?
漁師町だからな、口は荒いが情は厚い。困っとる人間を見たら放っておけん性分よ。昔、日食の観測で外国人が来た時も、町ぐるみで世話したっちゅう話が残っとる。
よそ者にも壁をつくらん。市町村民センターの集まりでも、新しく来た人をすぐ輪に入れてやる。そういう大らかさは、合併して町長が変わっても変わらんかったわ。
Q6.昔に比べて、枝幸町の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?
正直、人は減ったわ。昔は浜も市街地ももっと賑やかでな、漁師の数も今の比じゃなかった。鉄道も無くなって、若い者は街に出ていく。これは隠さず言うわ。
ただ、かにまつりの時期だけは別だ。今は「うまいもん祭り」と名前変わったが、2万人も来てな、町じゅうが活気づく。あの賑わいを見ると、まだまだ枝幸は元気だと思えるんだわ。
Q7.枝幸町のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?
2018年に高校生が金の刀を掘り当ててな、あれは町じゅう驚いたわ。オホーツク文化の遺跡がまだ眠っとる証拠だ。ミュージアムを軸に、枝幸のおすすめスポットとして売り出してほしいと思っとる。
あとは森と水だな。運動公園や水源のある内陸の自然を活かして、移住者をもっと呼べんかと。海と山、両方ある町だから、若い力が入ればまだ伸びると信じとるわ。

