【北海道上士幌町】ってどんなとこ?ナイタイ高原と熱気球の町【地元民のリアルな声あり】

タウシュベツ川橋梁:北海道上士幌町にある、季節によって湖底に沈んだり姿を現したりする「幻のコンクリート製アーチ橋」

上士幌町(かみしほろちょう)は、北海道十勝地方の北部・大雪山国立公園の東山麓に位置する人口4,606人の町です。面積694.23km²のうち約8割を山地と原野が占めています。

上士幌町の見どころを5つに凝縮すると、こうなります:

  • ナイタイ高原牧場──総面積約1,700ha(東京ドーム358個分)の日本一広い公共牧場
  • 北海道バルーンフェスティバル──1974年に始まった日本初の熱気球大会、「熱気球のまち」の象徴
  • タウシュベツ川橋梁──冬に現れ夏に沈む、糠平湖の「幻の橋」
  • 三国峠──標高1,139m、北海道の国道で最も標高が高い峠
  • ✅ ふるさと納税を子育て支援に集中投下し、半世紀ぶりに人口増へ転じた町

「雄大な景色のなかをドライブしたい旅行者」「廃線跡や産業遺産が好きな人」「子育て環境を重視して移住先を探している人」に向いた町です。この記事では、観光・歴史・暮らし・食を、一次ソースで確認した数字とともに紹介します。

人口4,606 人 ※2026年4月30日時点(住民基本台帳)
面積694.23 km²
人口密度6.63 人/km²

地理的には、東は足寄町本別町、西は鹿追町新得町、南は士幌町に接しています。さらに北部の山岳地帯では、上川総合振興局の上川町、オホーツク総合振興局の北見市置戸町とも境を接しています(出典:上士幌町公式サイト)。

町内に鉄道は通っておらず、最寄り駅はJR帯広市の帯広駅。国道241号・273号・274号が町を貫き、北へ向かう国道273号はやがて三国峠へと続きます。

日本一の牧場、日本初の熱気球大会、幻の橋──小さな町に「日本一」「日本初」が詰まっています。ひとつずつ見ていきましょう。

目次

上士幌町の推しポイント

上士幌町の魅力は、雄大なスケールと「変化する風景」に集約されます。日本一広い牧場、北海道の国道で最も高い峠、季節で姿を消す橋──どれもこの町ならではのものばかり。さらに「熱気球のまち」としての歴史と、子育て支援で人口を増やした取り組みも見逃せません。ここからは5つを少し掘り下げて紹介します。

ナイタイ高原牧場──日本一広い公共牧場

ナイタイ山の山麓に広がる総面積約1,700ha、東京ドーム358個分という日本一広い公共牧場です(出典:農林水産省)。1972年に国営事業で完成し、現在は乳牛を預かって育てる育成牛預託専門の牧場として運営されています。標高約800mの最上部からは十勝平野と遠く阿寒の山並みが一望でき、2019年オープンの「ナイタイテラス」で休憩もできますよ。

北海道バルーンフェスティバル──日本初の熱気球大会

上士幌町は「熱気球のふるさと」を自負する町。その原点が、1974年に日本で初めて開催された熱気球の大会「北海道バルーンフェスティバル」です(出典:北海道バルーンフェスティバル公式サイト)。毎年夏に町航空公園で開かれ、2025年には第52回を数えました。夜にバルーンが一斉にバーナーを焚く「バルーングロー」は、ぜひ一度見てほしい光景です。

タウシュベツ川橋梁──季節で消える「幻の橋」

糠平湖に架かる旧国鉄士幌線のコンクリートアーチ橋で、1937年に完成しました。発電用ダム湖の水位変動によって、水が少ない1月頃から凍結した湖面に姿を現し、水位が上がる初夏から夏には湖底に沈みます(出典:上士幌町公式サイト)。季節で見え隠れするこの姿から「幻の橋」と呼ばれているんですよ。老朽化が進んでいるので、見られるうちに訪れたいスポットです。

三国峠──北海道の国道で最も高い峠

上川町との境にある国道273号の峠で、標高1,139mは北海道の国道で最も高い地点です(出典:上士幌町観光協会)。眼下にはトドマツやエゾマツの大樹海が広がり、9月下旬から10月上旬の黄葉シーズンは特に人気。展望台脇の休憩所では、コーヒーやソフトクリームを楽しめます。

ふるさと納税×子育て支援で人口増へ

1955年の13,608人をピークに人口が減り続けていた町ですが、ふるさと納税の寄付金を子育て・少子化対策に集中させる方針へ転換。認定こども園の10年間無償化などが評判となり、2015年以降に半世紀ぶりの人口増へ転じました(出典:総務省「関係人口」ポータルサイト)。この取り組みが認められ、2021年度のSDGs未来都市にも選定されています。

上士幌町の歴史

上士幌の歴史は、大きく3つの段階で理解できます。十勝の奥地として開拓が後回しにされた明治期、鉄道の開通とともに人が増えた大正・昭和の発展期、そして鉄道廃止という痛手を経て、ふるさと納税と子育て支援で再び人口を増やした現代です。山深い土地ならではの苦労と工夫が、いまの町をかたちづくってきました。

開拓の始まり──十勝の奥地から

1896年(明治29年)から十勝の開拓が始まりましたが、上士幌地区は奥地で交通が不便なうえ、気候や地力が劣ると見られていたため、当初は開拓が行われませんでした。やがて広い土地を求める人々が入り、1907年(明治40年)に安村治高丸をはじめとする移転開拓者たちが原野の開拓を始めました(出典:上士幌町公式サイト)。

鉄道とともに発展した近代

1926年(大正15年)に帯広駅から上士幌駅までの士幌線が開通すると、入植者が一気に増えました。1931年(昭和6年)4月1日には士幌村から分村して上士幌村が誕生。1934年(昭和9年)には大雪山国立公園が指定され、1939年(昭和14年)には鉄道が十勝三股まで延びて、糠平など北部の森林・電力・観光開発が進みました。1954年(昭和29年)に町制を施行し、上士幌町となりました。

現代──廃線を遺産に、人口減を反転

1987年(昭和62年)に旧国鉄士幌線が全線廃止となりました。しかし残されたコンクリートアーチ橋梁群は、2001年(平成13年)に北海道遺産に選定され、タウシュベツ川橋梁を中心に観光資源として生まれ変わりました(出典:北海道遺産協議会)。さらに2015年以降は子育て支援策で人口が増加に転じ、町の歴史に新しいページが加わっています。

上士幌町の文化・風習

方言と話し方の特徴

上士幌町でも、北海道らしい言葉づかいが日常的に使われています。代表的なものを紹介しますね。

なまら(とても・すごく)、したっけ(そしたら/じゃあね)、こわい(疲れた・だるい)、めんこい(かわいい)、しばれる(厳しく冷え込む)といった言葉が、世代を問わず耳に入ってきます。語尾に「〜べ」「〜しょ」が付くのも北海道弁らしい特徴です。冬の冷え込みが厳しい上士幌では、「しばれる」は実感のこもった言葉ですよ。

食卓と季節の暮らし

酪農と畑作の町だけあって、食卓には地元の乳製品や十勝の野菜が並びます。夏は牧場のソフトクリーム、冬は鍋もので温まる──そんな季節のメリハリがはっきりしています。冬は-20℃を下回ることも珍しくない豪雪地帯なので、雪かきや冬支度は暮らしの一部。寒さが厳しいぶん、春の訪れの喜びもひとしおです。

人の気質と地域のつながり

移住者を「お試し移住制度」で受け入れてきた町だけに、外から来た人にも開かれた空気があります。首都圏から若い世代が移り住み、半世紀ぶりに人口が増えたことは、この町の懐の深さを物語っているように思います。小さな町ならではの顔の見える関係のなかで、子育て世代が安心して暮らせる環境づくりが続いています。

上士幌町の特産品・食

上士幌町の食を語るうえで外せないのが、酪農・畜産から生まれる味です。ブランド和牛、濃厚な乳製品、そして牧場の蜜から採れるはちみつ。広大な草地と冷涼な気候が育てた恵みを紹介します。

十勝ナイタイ和牛

町のブランド牛「十勝ナイタイ和牛」は、上士幌町で肥育された黒毛和牛のうち、5等級・4等級でオレイン酸55%以上という条件を満たしたものだけに与えられる称号です(出典:JA上士幌町)。霜降りでありながらしつこくなく、さっぱりとした口溶けが特徴。すき焼きやステーキで、その上品な甘みをじっくり味わってほしい一品です。

牧場の乳製品・アイス

日本一広い牧場を抱える町だけに、乳製品のおいしさは折り紙つき。ナイタイテラスで味わえる濃厚なミルクのソフトクリームは、地元でも評判です。広い草地でのびのび育った牛の生乳が原料なので、コクがありながら後味はすっきり。夏の高原で景色を眺めながら食べる一本は格別ですよ。

国産はちみつ

上士幌町は国産はちみつの産地としても知られ、ふるさと納税の返礼品でも人気を集めています。豊かな自然のなかで採れる蜜は、花の種類によって風味が変わるのが面白いところ。トーストやヨーグルトに添えれば、いつもの朝食が少し贅沢になります。牧場の町ならではの自然の甘みを、ぜひ持ち帰ってみてください。


現地に行くのはなかなか難しい方もいますよね。でもふるさと納税なら、実質2,000円の自己負担で全国の特産品が返礼品として届きます。

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上士幌町の観光スポット

序盤で紹介した日本一の牧場や幻の橋を、ここからじっくり掘り下げていきます。上士幌町の見どころは、大きく「高原の絶景」「鉄道遺産と糠平湖」「温泉と自然」の3つに分けられます。市街地から北へ向かうほど山が深くなり、風景がダイナミックに変わっていくのが面白いところ。まずは外せないスポットから押さえていきましょう。

高原と峠の絶景スポット

  • ナイタイ高原牧場・ナイタイテラス – 総面積約1,700ha、東京ドーム358個分の日本一広い公共牧場です(出典:農林水産省)。頂上付近のナイタイテラスは2026年は4月25日から10月31日まで、9:00〜17:00の営業です(出典:上士幌町観光協会)。ガラス張りの窓から十勝平野を見下ろしながら飲むコーヒーは格別。早朝はミルク色の霧、昼は地平線まで続く緑のじゅうたんと、時間帯で表情が変わります。
  • 三国峠 – 標高1,139m、北海道の国道で最も標高が高い峠です(出典:上士幌町観光協会)。眼下に広がるトドマツとエゾマツの大樹海と、樹海を渡る松見大橋の眺めは圧巻。展望台脇の三国峠cafeは2026年は4月下旬から営業しています。紅葉が色づく9月下旬から10月上旬は特に人気なので、ドライブで立ち寄るなら午前の澄んだ空気の時間帯がおすすめですよ。

鉄道遺産と糠平湖

  • タウシュベツ川橋梁 – 1937年に完成した旧国鉄士幌線のコンクリートアーチ橋で、糠平湖の水位変動によって冬に姿を現し、初夏から夏に湖底へ沈む「幻の橋」です(出典:上士幌町公式サイト)。林道は許可車両以外通行禁止のため、国道沿いの展望台から眺めるか、現地ガイドのツアーで近づくのが基本。氷結した湖面に立つ姿が見られる冬から早春が狙い目です。
  • 上士幌町鉄道資料館 – 1987年に廃止された士幌線の資料を展示する施設で、運転台からの展望映像やジオラマが見られます。開館は4〜10月の9:00〜16:00、入館料100円、月曜休館(7・8月は無休)です(出典:上士幌町観光協会)。夏は敷地内でトロッコも走り、昭和の鉄路の空気を体ごと感じられます。アーチ橋めぐりの前に立ち寄ると、橋の見え方が変わってきますよ。
  • 糠平湖 – 原生林に囲まれたダム湖で、初夏から秋はカヌーや釣り、森林浴が楽しめます。秋は湖面に映る紅葉が見事。冬は全面結氷し、氷上を歩くスノーシューや氷上釣りのフィールドに変わります。季節ごとにまったく違う遊び方ができるのが、この湖のすごいところなんですよ。

温泉と自然を学ぶスポット

  • ぬかびら源泉郷 – 市街地から北へ約23km、大雪山国立公園の森に抱かれた温泉街です。1919年(大正8年)に発見された歴史を持ち、すべての宿が源泉かけ流しの湯を提供しています(出典:上士幌町公式サイト)。泉質はナトリウム・塩化物−炭酸水素塩泉で、湯上がりは肌がすべすべ。湖と鉄道遺産の拠点にもなるので、1泊して周辺をめぐるのにぴったりの場所です。
  • ひがし大雪自然館 – 環境省ぬかびら源泉郷ビジターセンターと町の博物資料館からなる施設で、入館は無料です(出典:上士幌町公式サイト)。東大雪の山々の生態系をパネルや剥製で紹介し、世界の昆虫標本も展示。登山やタウシュベツ見学の前に、地域の自然を予習できる頼れる入口です。

上士幌町の観光ルート

計算中…

上士幌町は鉄道が通っていないため、観光は車が基本になります。市街地から北へ一本道で高原・温泉・峠がつながっているので、初めてでもルートが組みやすいんですよ。ここでは町内をしっかり回る1日コースと、温泉に絞った半日コース、そして帯広から足を延ばす広域コースを紹介します。

【車・1日】上士幌・東大雪まるごとルート

9:00 上士幌市街地 → 9:30 ナイタイ高原牧場(車30分)→ 11:30 ぬかびら源泉郷(車50分)→ 13:00 上士幌町鉄道資料館 → 14:00 タウシュベツ展望台 → 15:30 三国峠

ナイタイ高原牧場(90分)→ まずは朝の澄んだ空気のうちに高原へ。展望テラスで景色を眺めながら朝のコーヒーを。

ぬかびら源泉郷(昼食・60分)→ 温泉街で昼食をとり、午後の山岳ドライブに備えてひと休み。

上士幌町鉄道資料館(45分)→ 士幌線の歴史を学んでから橋を見ると、廃線跡の見え方が深まります。

タウシュベツ展望台(30分)→ 国道沿いの展望台から幻の橋を遠望。水位次第の一期一会を楽しんで。

三国峠(60分)→ 締めくくりは北海道一高い峠の大樹海。夕方の斜光が樹海を金色に染めます。

【車・半日】ぬかびら源泉郷ゆったりルート

13:00 上士幌市街地 → 13:45 ぬかびら源泉郷(車45分)→ 14:15 ひがし大雪自然館 → 15:00 糠平湖畔 → 16:00 日帰り温泉

ひがし大雪自然館(45分)→ 無料で東大雪の自然を予習。剥製や昆虫標本に子どもも夢中になります。

糠平湖(45分)→ 湖畔を散策。夏はカヌー、秋は紅葉、冬は氷上と季節で遊び方が変わります。

上士幌町鉄道資料館(30分)→ 自然館のすぐ近く。トロッコや運転台映像で鉄道気分に。

源泉かけ流しの湯(60分)→ 日帰り入浴ができる宿も多いので、最後は温泉で体を緩めて。

【車・1日】広域ルート:帯広から東大雪へ

9:00 帯広駅 → 10:00 上士幌市街地(車60分)→ 10:30 道の駅かみしほろ → 11:15 ナイタイ高原牧場 → 13:30 ぬかびら源泉郷 → 15:30 三国峠

道の駅かみしほろ(45分)→ 「バルーンのふるさと」をうたう道の駅で、地元の乳製品やお土産をチェック。

ナイタイ高原牧場(90分)→ 高原で景色とソフトクリームを満喫し、ランチもここで。

ぬかびら源泉郷(60分)→ 温泉街でひと息。鉄道遺産めぐりの拠点としても便利です。

三国峠(60分)→ 帰路は北へ抜けて層雲峡方面へ。大樹海を見下ろす絶景で旅を締めくくれます。

上士幌町の年間イベント

上士幌町のイベントといえば、やはり熱気球。夏と冬の年2回、空を彩るバルーンの大会が開かれ、町じゅうが熱気球一色になります。さらに冬は結氷した糠平湖が遊びの舞台に。季節ごとの楽しみ方を見ていきましょう。

夏の主役:北海道バルーンフェスティバル

毎年8月に町航空公園で開かれる、1974年に始まった日本初の熱気球大会です(出典:北海道バルーンフェスティバル公式サイト)。早朝と夕方の競技フライトのほか、夜にバルーンが一斉にバーナーを焚く「バルーングロー」は必見。会場には地元グルメが並ぶバルーン商店街も立ち、夏の上士幌は朝から夜までお祭りムードに包まれます。ぜひ早起きして、朝焼けに浮かぶ気球を見上げてほしいんですよ。

冬の風物詩:上士幌ウインターバルーンミーティング

毎年2月に町航空公園を中心に開かれる、冬の熱気球の大会です(出典:北海道バルーンフェスティバル公式サイト)。雪原に浮かぶ色とりどりのバルーンと、-20℃近い澄みきった空気のコントラストは、冬ならではの光景。氷点下の中で見るバルーングローは、夏とはまた違う幻想的な美しさがあります。防寒をしっかりして、雪上のバルーンを楽しんでみてください。

冬の糠平湖:氷上のアクティビティ

冬に全面結氷する糠平湖では、氷上を歩いてタウシュベツ川橋梁に近づくスノーシューツアーや、宿泊者向けの凍結湖上ナイト散策などが行われています。一面の氷と雪に覆われた湖を自分の足で歩く体験は、ここでしか味わえないもの。冷え込みが厳しい上士幌の冬だからこそ生まれる、特別なフィールドなんですよね。

上士幌町のエリア別の顔

上士幌町は、観光協会も市街地・ぬかびら源泉郷・三股周辺・農村部といったエリアで紹介しています(出典:上士幌町観光協会)。市街地から北へ進むほど標高が上がり、町・牧場・温泉・山岳と風景が段階的に変わっていくのが特徴。旅する視点で、それぞれの顔を見ていきましょう。

市街地(本町)エリア──旅の入口で食と買い物

役場や商店、道の駅かみしほろが集まる町の中心部です。旅の起点として、まずはここで地元の乳製品やお土産を仕入れるのがおすすめ。コンパクトにまとまっているので、給油や食事を済ませて山岳エリアへ向かう準備を整えるのに向いています。北へ向かう前のベースキャンプ、といった顔のエリアですよ。

ナイタイ高原・農村部エリア──牧場の大パノラマ

市街地の北西に広がる、酪農と畑作の田園地帯です。ナイタイ高原牧場へ続く道沿いは、地平線まで続く牧草地と十勝平野の大パノラマが広がります。写真を撮りながらのんびりドライブするのにぴったり。晴れた日の昼下がり、高原の風に吹かれながら景色を眺める時間は、この町の醍醐味です。

ぬかびら源泉郷エリア──温泉と湖の癒し

市街地から北へ約23km、大雪山国立公園の森に囲まれた温泉街です。源泉かけ流しの湯と糠平湖、鉄道遺産が徒歩圏に集まり、1泊して周辺をめぐる拠点に最適。湯けむりと森の静けさに包まれたいとき、ゆっくり滞在するのに向いたエリアです。アウトドアと温泉を両方味わいたい人にこそ訪れてほしい場所なんですよ。

三股・三国峠エリア──山岳ドライブの終着点

町の最北部、人家もまばらな山岳地帯です。十勝三股の盆地を抜けると、北海道一高い三国峠へ。大樹海を見下ろす絶景と峠のカフェが待っています。すれ違う車も少ない静かな道なので、運転そのものを楽しみたいドライブ好きにおすすめ。ヒグマの生息域でもあるので、車を降りる場所には気をつけて旅してくださいね。

上士幌町の気候・季節の暮らし

上士幌町は、寒暖差の大きい大陸性の気候です。年平均気温は5.8℃、年間の降雪量の合計は363cmにのぼります(出典:気象庁)。夏は涼しく、冬は厳しく冷え込む――その落差の大きさが、この町の暮らしのリズムをつくっています。季節ごとの体感を見ていきましょう。

夏(6〜8月)──涼しく過ごしやすい高原の夏

もっとも暑い8月でも平均気温は18.9℃、平均最高気温は23.9℃です(出典:気象庁)。本州のような蒸し暑さは少なく、朝晩はひんやりとするほど。熱気球が早朝に飛ぶのも、風が穏やかで空気が澄むこの季節ならではなんですよ。日中は牧場や峠のドライブが気持ちよく、夜は窓を開けると涼しい風が入ってきます。

冬(12〜2月)──氷点下20℃の世界

1月の平均気温は-7.7℃、平均最低気温は-13.4℃で、冷え込む朝は-20℃を下回ることも珍しくありません(出典:気象庁)。とはいえ十勝らしく晴天が多く、雪はさらさら。暖房と除雪は冬の必需ですが、凍りついた糠平湖を歩いたり、雪原のバルーンを眺めたりと、寒さがあるからこその楽しみも生まれます。防寒着と冬タイヤは欠かせません。

春と秋──短くも鮮やかな季節

春の訪れは本州より遅く、4月でも雪が残ることがあります。長い冬を越えた後の新緑は、ひときわまぶしく感じられますよね。秋は9月下旬から山が色づき始め、三国峠や糠平湖の紅葉が見頃に。朝霧が立つ高原の景色は、この季節だけの贈りものです。秋は冷え込みも早いので、薄手のダウンがあると安心して過ごせます。

上士幌町の移住・暮らし情報

上士幌町は、ふるさと納税を原資にした手厚い子育て支援で、十勝で唯一人口が増えたまちとして知られています。買い物や医療は町内である程度そろい、足りないものは車で帯広へ。コンパクトながら暮らしやすさを工夫してきた町の、住む視点での実情を見ていきましょう。

通勤・通学

町内に鉄道はないため、移動は車が基本です。役場や農業・酪農関連、観光関連の仕事に町内で従事する人が多く、帯広市や隣接の音更町方面へ車で通う人もいます。帯広市街までは約36kmで、車でおよそ1時間。通学は町内の小・中・高で完結できるのが、子育て世帯には心強いところです。

住宅環境

賃貸物件の数は都市部ほど多くなく、移住者向けには町が定住促進の住宅施策を整えています。中学生以下の子どもがいる世帯が新築する場合、子ども1人につき100万円、中古購入なら50万円が助成され、町内業者の施工ならさらに加算されます(出典:上士幌町公式サイト)。空き家や生活体験住宅もあるので、まずは試しに住んでみる選択もしやすい町です。

買い物環境

市街地にはAコープや地元商店があり、日常の食料品は町内でそろいます。2020年にオープンした道の駅かみしほろでは、地元の乳製品やナイタイ和牛関連の商品も手に入ります。まとめ買いや専門店は車で帯広へ出る人が多いものの、普段の暮らしは町内で十分回せる規模感ですよ。

子育て・教育

認定こども園「ほろん」の保育料は10年間の完全無料化が実施され、高校卒業までの医療費も全額無償です(出典:上士幌町公式サイト)。町内には小学校・中学校・高校がそれぞれあり、無料の夏期講習など教育面の支援も整っています。子育てを軸に移住先を探す人にとって、選択肢に入りやすい環境です。

医療環境

町内には診療所があり、日常の通院に対応しています。入院や専門的な高度医療が必要な場合は、車で約1時間の帯広市の総合病院が受け皿になります。前述のとおり高校卒業まで医療費が無償なので、子育て世帯の通院負担は軽くなっています。山間部にも暮らしがあるため、冬場の通院は時間に余裕を持つのがおすすめです。

エリア別の暮らし視点

市街地(本町)は商店・役場・学校が集まり、生活導線が短いのが魅力。買い物や通学の利便性を重視するなら、まずここが候補になります。ぬかびら源泉郷は温泉と自然に囲まれた山あいの集落で、観光業に関わる暮らしに向いた静かなエリア。農村部は牧場や畑作の担い手が暮らす広々とした環境で、就農・酪農を志す人に向いています。

上士幌町へのアクセス

上士幌町には鉄道が通っていないため、玄関口は十勝の中心都市・帯広になります。帯広までは空路・陸路でアクセスし、そこから車またはバスで北上するのが基本の流れです。主要なルートを整理します。

車でのアクセス

帯広市街地から上士幌町までは約36km、車でおよそ1時間です。道東自動車道を使う場合は音更帯広ICで降り、国道241号を北上します。新千歳空港方面からは、道東自動車道経由で帯広まで車で約2時間20分が目安。レンタカーがあれば、ナイタイ高原牧場や三国峠まで一気に回れるので、旅でも移住下見でも車が一番動きやすいですよ。

鉄道+バスでのアクセス

鉄道利用なら、最寄り駅はJR根室本線の帯広駅です。帯広駅バスターミナルから、十勝バスと北海道拓殖バスが運行する「上士幌線」で町内に入れます(出典:上士幌町公式サイト)。本数は都市部ほど多くないので、事前に時刻を確認しておくと安心。ぬかびら源泉郷方面へ向かう便もあり、温泉や鉄道遺産めぐりにも使えます。

飛行機でのアクセス

空路の玄関口はとかち帯広空港です。空港から帯広駅バスターミナル経由で上士幌までは、連絡バスと路線バスを乗り継いで約2時間40分、運賃は片道大人1,970円が目安です(出典:十勝バス)。乗り継ぎに時間がかかるため、現地での移動を考えると空港でレンタカーを借りてしまうほうがスムーズだと考えられます。

町内移動の現実的アドバイス

町内は市街地から北へ向かうほど山が深くなり、スポット間の距離も離れます。三国峠方面はガソリンスタンドが少ないので、市街地で給油を済ませてから北上するのが鉄則。冬は路面凍結や吹雪もあるため、時間に余裕を持ち、こまめに天候を確認しながら動くのがおすすめですよ。

【地元住民に直撃!】上士幌町の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。

酪農の仕事をしています。よその農家さんから預かった若い牛を、ナイタイ高原牧場で半年以上育てて、お産が近くなったら返す、という育成が主な役目です。夏は牛と一緒に高原で過ごす毎日ですね。

朝晩の冷え込みや天気を相手にする仕事なので楽ではないですけど、地平線まで草地が続く中で牛を見ていると、ここで働けてよかったなと素直に思います。

Q2.上士幌町に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?

やっぱりナイタイ高原牧場ですね。日本一広い公共牧場で、上の展望台から十勝平野を見下ろすと、自分の小ささを思い知らされます。早朝のミルク色の霧に包まれる時間は、地元の人間でも見惚れますよ。

あとは観光客は少ないですけど、糠平の方の水源に近い森の中の道。鳥の声しかしない時間が、上士幌町観光では味わえない静けさで好きなんです。

Q3.上士幌町でお土産を買うとしたらなんですか?

オーソドックスなのは町の有名なもの、牧場のアイスや乳製品ですね。道の駅や町民センター近くで手に入る、濃いのに後味すっきりのソフトクリーム系は外しません。

地元の人間がこっそり買うのは国産はちみつ。花によって味が変わるので、知り合いの分まで箱で買う人もいます。和牛も間違いないですけど、値が張りますね。

Q4.外から人が来たときに、上士幌町でまず連れていく店はどこですか?

まずは道の駅かみしほろに連れていきます。地元の食材を使ったカフェがあって、ここで一息つきながら今日どこを回るか相談するのが、うちの定番のはじまり方なんですよ。

時間があれば三国峠のカフェまで足を延ばします。北海道の国道で一番高い峠で飲むコーヒーは、景色込みで格別ですから。

Q5.上士幌町はどんな気質だと思いますか?

よそから来た人にわりと開かれている町だと思います。移住者を受け入れてきた歴史があるからか、新しい人を珍しがって遠ざけるような空気は薄いですね。

派手さはないけど、町長をはじめ町ぐるみで子育てや町づくりに本気で取り組んできた。地に足のついた、しぶとくて前向きな気質だと感じています。

Q6.昔に比べて、上士幌町の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?

正直、人口がずっと減っていた時期は寂しさもありました。それがふるさと納税と子育て支援で、若い世代が移ってくるようになって、こども園のあたりが賑やかになったんです。

ただ、店の数や山あいの集落の高齢化など、課題が消えたわけではないです。活気は戻りつつあるけど、まだ途中だなというのが本音ですね。

Q7.上士幌町のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?

町の運動公園や市民が集まれる場が少しずつ整ってきているので、子どもが伸び伸び遊べる場所がもっと増えるといいなと思っています。自動運転バスの取り組みも、車がない人には心強いはずです。

個人的には、牧場や酪農の現場を旅行者にもっと見てもらえる仕組みができたら、この町の本当の魅力が伝わると期待しています。

上士幌町の関連リンク

【この町を愛する皆様へ】
この記事は、どのサイトよりも詳しく、正確に、そして魂を込めて執筆しています。町の魅力を最大限に引き出すため、今後も肉付けを続けていきます。ご期待ください。

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