【北海道幌延町】ってどんなとこ?28基の風車とトナカイの町

北海道幌延町のトナカイ:幌延町には、フィンランド生まれのトナカイに会える日本唯一の専門牧場があり、約11,000頭が飼育されています。

幌延町(ほろのべちょう)は、北海道北部・宗谷地方の南西部にあり、日本海に面した人口1,999人の町です。町の中心を北緯45度線が東西に横切っています。

幌延町の魅力を5つに凝縮すると、こうなります:

  • オトンルイ風力発電所──日本海沿いに28基の風車が南北3.1kmに並ぶ絶景
  • トナカイ観光牧場──フィンランド生まれのトナカイに会える日本で唯一の専門牧場
  • ✅ 幻の花「青いケシ(ブルーポピー)」──6〜7月に咲く夏だけの青い花畑
  • サロベツ原野──ラムサール条約登録湿地、利尻富士を望む大湿原
  • ✅ 基幹産業は酪農──乳牛・トナカイ約11,000頭、雪印メグミルク幌延工場のバター

「絶景ドライブが好きな人」「珍しい動物や花に会いたい人」「静かな最北の自然に浸りたい人」におすすめの町です。この記事では、推しスポットや歴史から、暮らしや方言、特産品の味わいまで、序盤・中盤・終盤と地元目線で紹介していきます。

人口1,999 人 ※2026年4月30日時点(住民基本台帳)
面積574.10 km²
人口密度3.48 人/km²

地理的には、東は浜頓別町中頓別町、南は中川町天塩町、北は猿払村豊富町と接し、西は日本海に面しています(出典:幌延町公式サイト)。町の南西端には北海道で2番目に長い天塩川の河口があり、天塩町との境になっています。

JR宗谷本線が町を縦貫し、東部の山地の多くは北海道大学の天塩研究林です。風車・トナカイ・湿原・酪農と、最北の小さな町には個性的な見どころが詰まっています。順番に見ていきましょう。

目次

幌延町の推しポイント

幌延町の魅力は、「最北らしい風景」と「珍しい生きもの・花」に凝縮されています。日本海沿いに延々と並ぶ風車群、フィンランド由来のトナカイ、初夏に咲く青いケシ、そしてラムサール条約に登録されたサロベツの大湿原。さらに、町の経済を支える酪農の現場も見どころです。ここからは代表的な5つを少しずつ深掘りしていきます。

推しポイント1:オトンルイ風力発電所──28基が並ぶ日本海の風車列

道道106号線沿いに、高さ99mの風車が南北3.1kmにわたって28基並ぶ姿は圧巻です。総出力は21,000kWで、2003年から稼働してきました。設備更新のため運転は2027年3月までとされ、その後は大型風車5基へ建て替えられる予定です。28基ずらりと並ぶ光景を見られるのは、今のうちかもしれません。

推しポイント2:トナカイ観光牧場──日本で唯一の専門牧場

フィンランドから渡ってきたトナカイに会える、日本で唯一のトナカイ専門観光牧場です(出典:北海道公式観光サイト HOKKAIDO LOVE!)。現在は約30頭が暮らし、入場は無料で、エサやりや冬のトナカイそり体験もできます(出典:幌延町公式サイト)。5〜6月にはめんこい(かわいい)赤ちゃんトナカイにも会えます。

推しポイント3:幻の青いケシ──6〜7月だけのブルーポピー

トナカイ観光牧場に併設された庭園「ノース・ガーデン」では、6〜7月に「幻の青いケシ」と呼ばれるヒマラヤのブルーポピーが咲きます。日本での栽培が難しいことで知られる花で、冷涼な気候の幌延だからこそ育ちます(出典:幌延深地層研究センター ゆめ地創館)。澄んだ青が一面に広がる、夏限定の風景です。

推しポイント4:サロベツ原野──ラムサール条約の大湿原

町の西部に広がるサロベツ原野(下サロベツ原野)は、利尻礼文サロベツ国立公園の一部で、2005年にラムサール条約の登録湿地となりました。幌延ビジターセンターやパンケ沼園地には木道が整備され、晴れた日には湿原越しに利尻富士を望めます。渡り鳥のバードウォッチングの名所としても知られています。

推しポイント5:酪農と雪印メグミルク──町を支える乳の産業

幌延町の基幹産業は酪農で、町内では乳牛やトナカイなど約11,000頭が飼育されています。市街には雪印メグミルクの幌延工場があり、道北各地の生乳からバターや脱脂粉乳を生産する、同社のバター製造の主力拠点のひとつです。乳の町ならではの産業風景が広がっています。

幌延町の歴史

幌延町の歴史は、大きく三つの段階で捉えられます。アイヌの人々が暮らした時代、明治期に和人が入植して原野を開いた開拓の時代、そして昭和以降に酪農へと産業を切り替え、エネルギーや研究の町へと姿を変えた現代です。地名はアイヌ語に由来し、開拓・鉄道・酪農・原子力をめぐる議論まで、北の小さな町が歩んできた道のりは変化に富んでいます。

地名の由来とアイヌ語

「幌延」はアイヌ語に由来し、「大きい・野の出っ張り(川の湾曲)」を意味する「ポロヌタプ」、または「大きい・野原」を意味する「ポロヌプ」が語源と考えられています。当初は「ほろのぶ」と呼ばれていましたが、1925年に開業した幌延駅が「ほろのべ」の読みだったことから、町名ものちに現在の読みへと転じたとされています。

明治の入植と開基

1899年、下サロベツ原野に福井県からの団体15戸が入植し、本願寺・天塩・法華宗の各農場が設けられました。幌延町はこの年を開基としています(出典:幌延町公式サイト)。1909年には戸長役場が置かれ、当時は292戸・人口1,297人と記録されています。その後、1919年に二級町村制が施行され、天塩郡幌延村が誕生しました。

現代──鉄道・酪農から「幌延問題」、そして研究の町へ

大正期に鉄道が延び、1925年に幌延駅が開業しました。冷害に悩まされた畑作から、戦後は酪農への転換が進み、1938年には酪連(のちの雪印)の工場が操業を始めます。1960年に町制を施行し、天塩郡幌延町となりました。一方、1980年代から2000年ごろにかけては、高レベル放射性廃棄物施設の誘致をめぐる「幌延問題」で町や周辺が長く揺れました。2001年に核を扱わない研究施設として幌延深地層研究センターが開所し、問題は一応の決着をみています。

幌延町の文化・風習

方言と話し方の特徴

幌延町を含む北海道では、独特の言い回しが日常に溶け込んでいます。たとえば厳しく冷え込むことをしばれる(凍えるほど寒い)と言い、冬の朝の挨拶がわりに使われるんですよ。何かを強調したいときはなまら(とても・すごく)を付けます。

ゴミを「捨てる」ことを投げる(捨てる)と言うのも北海道ならでは。最初は驚くかもしれませんが、慣れると温かみのある言葉なんです。したっけ(それじゃあ)、次の話にいきましょう。

食卓と季節の暮らし

11月から4月まで雪に覆われる幌延では、冬の食卓が一年の中心と言ってもいいくらいです。冷え込む夜には、地元の牛乳やバターをたっぷり使った温かい料理が並びます。みなさんも一度、雪景色を眺めながら濃厚な乳製品を味わってみてください。

人の気質と地域のつながり

人口2千人ほどの小さな町だけあって、人と人との距離が近いのが幌延の魅力です。酪農や工場、研究施設で働く人たちが支え合って暮らしていて、よそから来た人にも気さくに声をかけてくれます。トナカイ飼育を岐阜県出身の青年の提案から町ぐるみで育ててきたように、新しいことを面白がって受け入れる空気があるんですよね。

幌延町の特産品・食

特産品1:乳製品(牛乳・バター)

幌延といえば、まずは乳製品です。基幹産業の酪農で生まれた生乳は、雪印メグミルク幌延工場でバターや脱脂粉乳に加工されます。しぼりたてに近い牛乳はなまら(すごく)濃厚で、ソフトクリームにすると最高なんですよ。旬を問わず一年中楽しめるのも、酪農の町ならではの強みです。

特産品2:トナカイ肉

全国でも珍しいトナカイ肉を味わえるのも幌延ならでは。トナカイ観光牧場のレストランでは、トナカイのソーセージなどを食べられます。クセが少なく、ジューシーでさっぱりした赤身が特徴と言われています。ここでしか出会えない一皿なので、訪れたらぜひ試してみてください。

特産品3:幌延産ナラ材のお酒

近年は、幌延産のナラ材を使って香りづけしたワインや日本酒が、ふるさと納税の返礼品として登場しています(出典:幌延町公式サイト)。豊かな森林に恵まれた町ならではの新しい特産品で、木の香りをまとったお酒はお土産にもぴったりです。

幌延町の観光スポット

幌延町を旅するなら、まず押さえたいのは「日本海沿いの絶景」と「珍しい生きもの・花」です。風車の列、トナカイ、青いケシ、そしてラムサール条約のサロベツ湿原。どれも町の中心から車で20〜40分圏内にまとまっているので、1日あればぐるりと回れますよ。エリアごとに代表的なスポットを紹介していきます。

日本海沿いの絶景スポット

  • オトンルイ風力発電所 – 道道106号線(日本海オロロンライン)沿いに、高さ99mの風車が南北3.1kmにわたって28基立ち並びます。総出力は21,000kWで、2003年から稼働してきました。運転は2027年3月まで続いたのち、大型風車5基へ建て替えられる予定です。28基が一直線に並ぶ姿を見られるのは今のうち。海側の「サロベツ原野パーキング」に車を停めれば、風車越しに利尻山も望めます。羽根が風を切る音だけが響く一本道は、なまら(とても)北海道らしい光景なんですよ。
  • 北緯45度モニュメント – 道道106号線沿いなど、北緯45度線が通る町内数か所に置かれた記念碑です。赤道と北極のちょうど中間にあたる緯度で、記念撮影スポットになっています。何もない直線道路にぽつんと立つ赤い印を見ると、最果てに来たという実感がじわっと湧いてきます。

トナカイと幻の花に出会えるスポット

  • 幌延町トナカイ観光牧場 – フィンランドからやってきたトナカイに会える、日本で唯一のトナカイ専門観光牧場です(出典:北海道公式観光サイト HOKKAIDO LOVE!)。現在は約30頭が暮らし、入場は無料。トナカイ鑑賞は9:00〜16:30、管理棟は9:00〜17:00で、定休日は月曜・火曜と年末年始です(出典:幌延町公式サイト)。有料のエサやりや、冬にはトナカイそり体験も。手のひらにそっと顔を寄せてくるめんこい(かわいい)姿に、大人もつい夢中になります。
  • ノース・ガーデン – トナカイ観光牧場に併設された見学無料の庭園です。6月中旬から7月中旬にかけて、「幻の青いケシ」と呼ばれるヒマラヤのブルーポピーが見頃を迎えます(出典:幌延深地層研究センター ゆめ地創館)。澄んだ湖水のような青がひと面に広がり、北方系の花々と一緒に楽しめます。短い夏だけのごほうびのような風景です。

サロベツ原野の自然を歩くスポット

  • 幌延ビジターセンター – 利尻礼文サロベツ国立公園の南端、下サロベツ原野にある環境省設置の施設です。開館期間は5月〜10月(期間中無休)、開館時間は9:00〜17:00で、入館は無料です(出典:環境省 北海道地方環境事務所)。1階の展示で湿原の成り立ちを学び、2階の展望室からは利尻山と地平線まで広がる湿原を一望できます。建物から長沼を周回する約1kmの木道も整備されています。
  • パンケ沼園地 – サロベツ原野で最大の沼、パンケ沼に隣接する園地です。「パンケ」はアイヌ語で「川下」を意味します。木道や野鳥観察舎が整備され、渡り鳥のバードウォッチングが楽しめます。風に揺れる草原と水面が広がる、静かな時間が流れる場所です。
  • サロベツ権左衛門の名水 – JR下沼駅のすぐそばで湧き出る、口当たりのやわらかな軟水の湧水です。コーヒーや紅茶にも合うと言われ、ドライブの途中に立ち寄って一口飲むと、最北の旅でほっと一息つけます。

幌延町の観光ルート

計算中…
計算中…

幌延町はJR宗谷本線も通っていますが、見どころが日本海沿いや郊外に点在しているので、旅するなら車が便利です。半日で要点だけ回るコースから、1日かけておとなりの町まで足を延ばす広域コースまで、いくつか組んでみました。

【車・1日】幌延まるごと満喫ルート

9:00 幌延駅 → 9:20 トナカイ観光牧場(車約20分)

トナカイ観光牧場(90分)
朝いちでトナカイに会いに。午前は牧場ものんびりしていて、エサやりやノース・ガーデンの花巡りをゆっくり楽しめます。

11:00 トナカイ観光牧場 → 11:40 オトンルイ風力発電所(車約40分)

オトンルイ風力発電所(40分)
日本海オロロンラインへ。28基の風車が並ぶ直線道路は、なまら(とても)爽快ですよ。サロベツ原野パーキングで一枚どうぞ。

12:40 市街地へ戻る(車約40分)

市街地でランチ(60分)
地元の牛乳やソフトクリームで一休み。乳の町ならではの濃厚な味を堪能しましょう。

14:30 幌延ビジターセンター(車約20分)

幌延ビジターセンター(90分)
午後は下サロベツ原野へ。木道を1km歩けば、湿原越しに利尻山。夕方前のやわらかい光が原野を照らします。

【車・半日】サロベツ湿原と日本海ドライブ

13:00 幌延駅 → 13:25 幌延ビジターセンター(車約25分)

幌延ビジターセンター(60分)
まずは湿原の成り立ちを予習。2階展望室からの眺めを目に焼き付けてから木道へ出ましょう。

14:30 → 14:45 パンケ沼園地(車約15分)

パンケ沼園地(40分)
サロベツ最大の沼のほとりを散策。運がよければ渡り鳥に出会えます。

15:40 → 16:00 北緯45度モニュメント(車約20分)

北緯45度モニュメント(20分)
赤道と北極の中間地点で記念撮影。最果て感がじわっと込み上げます。

16:30 → 16:40 オトンルイ風力発電所(車約10分)

オトンルイ風力発電所(30分)
夕日を背に並ぶ風車のシルエットがしめくくり。日本海に沈む夕陽もねらい目です。

【車・1日】広域ルート:幌延とおとなり豊富温泉

北は豊富町と接していて、車で30〜40分ほど。個性的な湯で知られる豊富温泉とあわせると、1日が充実します。

9:30 幌延駅 → 9:50 トナカイ観光牧場(車約20分)

トナカイ観光牧場(80分)
朝のトナカイとふれあいタイム。すぐ隣の「ゆめ地創館」で地層研究の展示をのぞくのもおすすめです。

11:30 → 12:10 オトンルイ風力発電所(車約40分)

オトンルイ風力発電所(40分)
オロロンライン名物の風車列。海沿いの直線道路を走り抜けます。

13:00 → 13:40 豊富温泉(豊富町・車約40分)

豊富温泉(120分)
石油のような独特の香りが特徴の温泉で、湯あがりはぽかぽか。ランチもこのあたりで。

16:00 → 16:40 幌延ビジターセンター(戻りながら散策)

幌延ビジターセンター(60分)
帰り道に下サロベツの夕景を。一日の締めくくりにぴったりです。

幌延町の年間イベント

幌延町のイベントは、短い夏と長い冬にメリハリよく集まっています。夏は町をあげての大きな祭り、冬はトナカイと雪を楽しむお祭りが名物です。季節ごとに見ていきましょう。

春〜夏:トナカイの赤ちゃんと青いケシの季節

5月から6月にかけては、トナカイ観光牧場で赤ちゃんトナカイが生まれる季節です。母さんトナカイに寄り添ってよちよち歩く姿は、思わず頬がゆるみます。

6月中旬から7月中旬には、ノース・ガーデンで幻の青いケシが見頃に。冷涼な幌延だからこそ咲く、夏の風物詩です。

夏:ほろのべ名林公園まつり

町最大のイベントが、毎年8月第2週の土日に開かれる「ほろのべ名林公園まつり」です。幌延町観光協会が主催し、名林公園・山村広場を会場に行われます(出典:幌延町公式サイト)。

ステージショーや子ども向けのキャラクターショー、市街地を練り歩く「幌延ど真ん中踊り」、盆踊り大会、そしてフィナーレの打ち上げ花火まで盛りだくさん。JA幌延町による牛乳の無料配布もあって、乳の町らしさが顔をのぞかせます。比較的涼しい中で楽しめるのも、最北の夏祭りならではですよ。

冬:トナカイホワイトフェスタ

冬の名物が、12月にトナカイ観光牧場で開かれる「トナカイホワイトフェスタ」です(出典:幌延町公式サイト)。入場無料で、クリスマスシーズンを彩るイベントとして親しまれています。

トナカイのそり乗車体験や、スノーモービルが引くバナナボート、長靴飛ばし選手権など、雪国ならではのアトラクションがそろいます。雪印メグミルク幌延工場やJA幌延町による乳製品・ホットミルクの無料配布もあって、体の芯から温まります。しばれる(凍えるほど寒い)季節こそ、外で遊ぶのが北海道流なんですよね。

幌延町のエリア別の顔

幌延町は、コンパクトな市街地と、その周りに広がる原野・牧場・山村で表情が大きく変わります。旅する視点で見ると、ざっくり4つのエリアに分けて回ると分かりやすいですよ。それぞれの顔を紹介します。

市街地エリア──町の暮らしと玄関口

JR幌延駅や役場、名林公園が集まる町の中心です。樹齢100〜300年の木々が茂る名林公園は町民の憩いの場で、夏祭りの会場にもなります。雪印メグミルクの工場もこのエリアにあり、乳の町らしい風景が広がります。旅の起点として、まず立ち寄りたいエリアです。

日本海・サロベツエリア(下沼・浜里方面)──絶景と湿原

町の西部、日本海に面したエリアです。オトンルイ風力発電所の風車列、北緯45度モニュメント、そして下サロベツ原野とビジターセンターが集まります。観光のハイライトが詰まっていて、絶景ドライブを楽しみたい人にぴったり。空と海と湿原の青に包まれる時間は格別ですよ。

北進エリア──トナカイと科学のエリア

市街地の北に位置し、トナカイ観光牧場とノース・ガーデン、そして幌延深地層研究センターのPR施設「ゆめ地創館」が並びます。動物とのふれあいと、地層研究という幌延ならではのテーマを一度に味わえる、好奇心が刺激されるエリアです。家族連れにもおすすめ。

問寒別エリア(東部)──森と酪農の山村

町の東部、問寒別川沿いに広がる山村エリアです。一帯の多くは北海道大学の天塩研究林で、その面積はおよそ22,000ha。深い森と牧草地が続き、静かな最北の酪農風景に出会えます。喧騒を離れてのんびり過ごしたい人に向いたエリアです。したっけ(それじゃあ)、中盤はここまで。終盤では暮らしの情報をお届けします。

幌延町の気候・季節の暮らし

幌延町の気候は、夏は冷涼で、冬は西よりの季節風が強い乾燥した寒さが特徴です。平均気温は5℃前後と低く、積雪期間は11月下旬から4月上旬まで、平野部の積雪は1メートル前後になります(出典:ニッポン移住・交流ナビ JOIN)。北緯45度の町だけあって、四季の振れ幅は大きめ。実際に暮らすとどんな一年になるのか、季節ごとに見ていきましょう。

夏──6月〜8月の暮らし

夏は涼しく、本州のような蒸し暑さとは無縁です。クーラーがなくても過ごせる日が多く、夜は窓を開けると肌寒いくらい。トナカイ観光牧場の青いケシも、この涼しさあってこそ咲きます。短い夏を惜しむように、町のお祭りもこの時期に集まります。

秋──9月〜10月の暮らし

秋は短く、駆け足で過ぎていきます。9月にはもう朝晩が冷え込み、10月には初雪の便りが届くことも。サロベツ原野の草紅葉が広がり、渡り鳥が行き交う、しっとりとした季節です。家々が冬支度を始める頃でもあります。

冬──11月〜3月の暮らし

冬は長く、11月下旬から雪に覆われます。日本海から吹きつける季節風が強く、地吹雪で視界が奪われる日もあります。しばれる(厳しく冷え込む)朝は空気がぴんと張りつめ、雪を踏む音だけが響きます。暖房と除雪は暮らしの必需で、車は冬タイヤと慎重さが欠かせません。

春──4月〜5月の暮らし

春の訪れは遅く、4月になっても雪が残ります。雪解けとともに原野が緑を取り戻し、5月のゴールデンウィークころにはトナカイの赤ちゃんが生まれます。長い冬を越えたぶん、春の光はなまら(とても)まぶしく感じられますよ。

幌延町の移住・暮らし情報

人口約2,000人の幌延町で暮らすとは、どういうことなのか。買い物や日常の通院は町内でまかなえますが、大きな用事は近隣の町や稚内市へ、という距離感です。家賃が抑えられ、自然がすぐそばにある暮らし。具体的に見ていきましょう。

通勤・通学

町内で働く人の多くは、酪農や雪印メグミルク幌延工場、JAや役場、研究施設などに勤めています。通勤は車が基本で、渋滞とは無縁。子どもたちは幌延小学校・幌延中学校などに通い、東部の問寒別地区には問寒別小中学校があります(出典:北海道幌延町)。

住宅環境

住まいは町営住宅や戸建てが中心で、家賃は都市部よりかなり抑えられると考えられます。民間の賃貸物件は数が限られるため、移住を考えるなら町の「空き家・空き地バンク」を活用するのが現実的です。

買い物環境

町内には食料品や日用品をそろえる商店やJAの店舗があり、日常の買い物はこなせます。まとまった買い物や専門店を求めるなら、車でおとなりの豊富町や、約1時間の稚内市まで足を延ばすのが一般的です。ネット通販も心強い味方になります。

子育て・教育

就学前は認定こども園「たんたん」、その後は幌延小学校・幌延中学校へと進みます。小さな町ならではの少人数で、目の届いた教育が受けられる環境です。高校進学時は町外へ通うか下宿するケースが多いと考えられます。

医療環境

町には幌延町立診療所があり、日常的な診療に対応しています。2011年に町立病院は診療所へと移行しました。入院や専門的な治療が必要な場合は、稚内市などの病院を利用する流れになります。いざという時の備えは、暮らす前に確認しておきたいポイントです。

エリア別の暮らし視点

中盤では旅する視点でエリアを紹介しましたが、暮らす視点だと印象は変わります。市街地エリアは役場・学校・商店・駅が徒歩圏にまとまり、生活がいちばんしやすいエリアです。

日本海・サロベツ側や問寒別の山村エリアは、自然と一体の暮らしができる反面、買い物や通院に車が欠かせません。静けさを取るか利便を取るかで、選ぶエリアが変わってきます。

幌延町へのアクセス

幌延町は北海道の北部にあり、都市部からはやや距離があります。鉄道ならJR宗谷本線、空からは稚内空港、車なら道央自動車道と国道40号が主なルートです。主要都市からの行き方を整理します。

車でのアクセス

札幌からは道央自動車道と国道40号を乗り継いで、おおむね4〜5時間ほどの道のりです。稚内空港からは車で約1時間です(出典:北海道公式観光サイト HOKKAIDO LOVE!)。町内は道道106号線(オロロンライン)など走りやすい道が多く、ドライブ自体が楽しめます。

鉄道+バスでのアクセス

JR宗谷本線が町を縦貫し、幌延駅が玄関口です。札幌駅からは稚内行きの特急宗谷(1日1往復)が幌延駅に停車し、所要は4時間半前後。旭川からは特急サロベツも利用できます(出典:JR北海道)。本数が限られるため、時刻表の事前確認が欠かせません。

飛行機でのアクセス

最寄りは稚内空港で、東京(羽田)からの便で空からアクセスできます。空港から幌延町までは車で約1時間。新千歳空港を使う場合は、そこからさらに鉄道や車で北上することになり、稚内空港利用のほうが時間を抑えられます。

町内移動の現実的アドバイス

見どころも生活施設も点在しているので、旅でも暮らしでも車があると断然便利です。鉄道は本数が少なく、バス路線も限られます。レンタカーを使うなら、稚内空港や稚内市内で借りて南下するのがおすすめですよ。冬は積雪・地吹雪に備え、時間に余裕を持った移動を心がけましょう。

【地元住民に直撃!】幌延町の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。

うちは代々この幌延で酪農をやっておりまして、わたしも嫁いでからずっと牛と一緒の暮らしです。朝も晩も牛舎、雪の日も牛舎。もう何十年もこの繰り返しでしてね。

ここいらは雪印さんの工場もあって、しぼった生乳がバターになるんだと思うと、なんも誇らしい気持ちになるんですよ。きつい仕事だけども、性に合ってるんでしょうね。

Q2.幌延に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?

やっぱりオロロンラインの風車でしょう。28基ずらっと並んでて、観光の人はみんなあそこで写真撮ってますわ。建て替えで数が減るって聞くから、今のうちに見てほしいの。

あとは地元の者だと、下沼のサロベツの木道。早朝にひとりで歩くと、霧の向こうに利尻山がぼうっと浮かんでね。鳥の声しかしない、あの静けさはここでしか味わえません。

Q3.幌延でお土産を買うとしたらなんですか?

無難なとこだと、やっぱり町の牛乳やバター、ソフトクリーム。乳の町ですからね、ここの乳製品ははずれがないですよ。

でも地元の人間が今おすすめするのは、町産のナラ材で香りづけしたお酒。幌延の有名なもののひとつになってきてて、木の香りがしておもしろいの。知らない人にはちょっと自慢できるお土産ですわ。

Q4.外から人が来たときに、幌延でまず連れていく店はどこですか?

まずトナカイ観光牧場のレストランに連れていきますね。トナカイのソーセージなんて、よそじゃ食べられんでしょ。みんなびっくりするのよ。

牧場のあとは、ぐるっと町を回って市民センターのあたりや名林公園で一服。お祭りもあそこでやるし、町の人の暮らしぶりがいちばん見えるとこなんです。

Q5.幌延はどんな気質だと思いますか?

小さい町だから、みんな顔見知りでね。困ってる人がいたら放っておけない、おせっかいなくらい世話焼きが多いと思いますよ。

それでいて、よそから来た人を妙に身構えたりしない。トナカイだって岐阜の若い人の話に乗っかって町ぐるみで育てたくらいで、新しいことをおもしろがる懐の深さがあるんです。

Q6.昔に比べて、幌延の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?

正直にいえば、人はずいぶん減りました。駅前もにぎやかだった時代を知ってるから、店が閉まっていくのは寂しいもんです。子どもの声も少なくなってね。

でもね、風力やら地層研究やら、町長さんはじめ新しいことに挑む流れは途切れてないの。しばれる冬を越してきた町だから、しぶといんですわ。簡単にはへこたれません。

Q7.幌延のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?

風車の建て替えがどうなるか、これは町の景色が変わる話だから気になってます。減っても、また新しい幌延の顔になってくれたらいいなと。

あとはナラ材のお酒づくり。幌延の水源になってる森を生かした取り組みで、観光にもつながればね。若い人が戻ってこられる仕事が増えてくれることを、いちばん願ってますよ。

幌延町の関連リンク

【この町を愛する皆様へ】
この記事は、どのサイトよりも詳しく、正確に、そして魂を込めて執筆しています。町の魅力を最大限に引き出すため、今後も肉付けを続けていきます。ご期待ください。

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