【北海道日高町】ってどんなとこ?樹海と門別競馬場の町

北海道日高町の競走馬:日高町は「優駿のふるさと」と呼ばれ、数多くの名馬を輩出する国内屈指のサラブレッド生産・育成の街です。

日高町(ひだかちょう)は、北海道日高振興局北部に位置し、内陸の山岳地域と太平洋沿岸地域に分かれた飛び地構造の町です。札幌から門別地区まで車で約1時間、日高地区まで約2時間。面積は約992km²と広大で、町の約95%を森林が占めています。

日高町の魅力を5つに凝縮すると、こうなります:

  • 門別競馬場──道内唯一のナイター開催のホッカイドウ競馬の本拠地
  • 道の駅 樹海ロード日高──国道274号「石勝樹海ロード」沿いの交通要衝
  • 日高山脈襟裳十勝国立公園──2024年指定の国内最大の国立公園に町域が含まれる
  • 日高昆布太平洋沿岸の本ししゃも──日本固有種ししゃもの数少ない産地
  • ✅ サラブレッドの牧場が点在する「優駿のふるさと」日高地方の玄関口

「ドライブ旅で峠越えの拠点を探している人」「競馬・馬産地に興味がある人」「本物のししゃもや日高昆布を味わいたい人」に特におすすめの町。本記事では、観光・特産・歴史から、地元の暮らしぶり、アクセス情報まで地元目線で紹介します。

人口10,645 人 ※2026年3月31日時点(住民基本台帳)
面積992.07 km²
人口密度10.7 人/km²

日高町は2006年に旧日高町と旧門別町が合併して誕生した、全国でも珍しい「飛び地」の町です。2つの地域の間には平取町があり、両地区は沙流川でつながっています。

地理的には、内陸の日高地区が東で新得町清水町芽室町(十勝管内)、北で占冠村南富良野町(上川管内)、西で平取町、南で新冠町に接します。沿岸の門別地区は西でむかわ町(胆振管内)、北で平取町、東で新冠町、南は太平洋に面しています。新千歳空港から門別地区へは車で約50分、日高地区へは道央自動車道経由で約2時間。鉄道は廃止され、現在は自動車・バスがメインです。

山・川・海と競馬場まで揃った、ひと言で語れない町。さっそく中身を見ていきましょう。

目次

日高町の推しポイント

日高町の魅力は、内陸と沿岸の二つの顔がそのまま観光資源になっている点にあります。山側には日高山脈の懐に抱かれた森と渓流、スキー場、温泉。海側にはサラブレッドの放牧地、ホッカイドウ競馬の門別競馬場、ししゃもが遡上する沙流川河口。さらに2024年には町域の一部が国内最大の国立公園「日高山脈襟裳十勝国立公園」に組み込まれました。「峠越えの休憩地」というイメージを越えた、立ち寄り価値の高い町です。

推しポイント1:門別競馬場──ナイター開催のホッカイドウ競馬

門別地区にある門別競馬場は、1997年に開設された地方競馬「ホッカイドウ競馬」の本拠地です。ガラス張りのスタンドから、ライトアップされたコースを駆け抜けるサラブレッドを見ることができます。馬産地の真ん中で見るナイター競馬は、なまら(とても)幻想的なんですよ。

推しポイント2:道の駅 樹海ロード日高と国道274号「石勝樹海ロード」

1996年オープンの道の駅 樹海ロード日高は、札幌と帯広を結ぶ国道274号と、旭川・苫小牧方面の国道237号の分岐点にあります。両脇を森林に囲まれた国道274号は別名「石勝樹海ロード」と呼ばれ、まさに樹海の中を抜けるドライブが楽しめます。日勝峠のリアルタイム映像も施設内で確認できます。

推しポイント3:日高山脈襟裳十勝国立公園の玄関口

2024年6月25日、日高山脈一帯が国内35番目、北海道では37年ぶりとなる新国立公園に指定されました。陸域面積24万5,668haは大雪山国立公園を抜いて国内最大。日高町の内陸部、沙流川上流域もこの公園に含まれており、町は山岳観光の新たな玄関口となっています。

推しポイント4:太平洋沿岸の本ししゃも漁

沿岸の門別地区は、北海道太平洋沿岸のごく一部でしか獲れない日本固有種本ししゃもの貴重な産地。10月下旬には「ししゃも祭り」が開かれ、焼きたての一夜干しが並びます。スーパーで売られているカペリン(カラフトシシャモ)とは別物の、本物のししゃもに出会える町です。

推しポイント5:沙流川と日高山岳ビラパーク

町内を貫く沙流川は、上流域の原始林が指定された清流。ラフティングや渓流釣りの名所として知られています。日高地区には日高山岳ビラパーク日高国際スキー場、沙流川オートキャンプ場、沙流川温泉が集まっており、アウトドア派にはたまらないエリアです。

日高町の歴史

日高町は、内陸の山林地域と太平洋沿岸地域という性格の異なる2町が、時間をかけて1つの自治体になった町です。明治期の開拓から、戦中・戦後の地名再編、そして2006年の飛び地合併まで、複雑な経緯をたどっています。

明治・大正──開拓と分村

1881年(明治14年)、岩根牧場が開設され、内陸部の開拓が本格化しました。1919年(大正8年)、沙流郡幌去村(現在の平取町)から分村し、沙流郡右左府村(うさっぷむら)が発足。これが旧日高町の前身です。1923年(大正12年)に二級町村制が施行されました。

昭和──「日高」への改称と町制施行

1943年(昭和18年)、右左府村は「日高村」に改称されました。同時に村内の地名再編が行われ、右左府→日高、岡春部→富岡、千呂露→千栄などに整理されました。1962年(昭和37年)に町制が施行され、日高町が誕生しました。

平成──飛び地合併で現在の日高町へ

2002年、山間部の旧日高町は自治体経営の困難から、平取町・門別町との合併研究会を立ち上げました。しかし平取町が単独町政継続を選んで協議会を離脱し、結果的に飛び地となる旧日高町と旧門別町の2町で合併が決定。2006年(平成18年)3月1日、両町の廃置分合により現在の日高町が誕生しました。新町役場は旧門別町域に置かれ、両地区を結ぶ移動には平取町を通る必要があるという、全国的にも珍しい構成となっています。同年3月19日には日高自動車道日高富川ICが開通し、札幌方面とのアクセスが大きく改善されました。

日高町の文化・風習

方言と話し方の特徴

日高町は北海道方言が日常的に使われるエリアです。「しばれる」(とても寒い)は冬の挨拶代わり。氷点下が当たり前の山間部・日高地区では、朝のあいさつが「今朝はしばれるねぇ」から始まることもあります。会話の締めに「したっけ」(それじゃあ・じゃあね)と言うのも道民らしい言い回しで、軽い別れの挨拶として日々飛び交っています。

食卓と季節の暮らし

朝晩の寒暖差が大きく、内陸の日高地区では冬に氷点下20度を下回ることもあります。一方で夏は7〜8月の平均最高気温が25度前後と過ごしやすく、家庭の食卓には沙流川で釣れたヤマベ(ヤマメ)や、地元産のジンギスカン、日高昆布のだしを効かせた味噌汁が並びます。秋にはししゃもの一夜干しが食卓に上り、なまら(すごく)うまい焼きししゃもにご飯がすすむんですよ。

馬と暮らす日常

沿岸の門別地区を車で走ると、放牧されているサラブレッドの姿が当たり前のように目に入ります。「馬横断注意」の看板が出ているのもこの地方ならでは。地元の人にとって馬は、観光資源というより「ご近所さん」の感覚に近い存在です。ホッカイドウ競馬の開催日には、町に活気が戻ります。

森と峠とともにある人の気質

町域の95%が森林、しかも内陸と沿岸が物理的に離れている町なので、地区ごとに独自のコミュニティ意識があります。日高地区は峠越えのドライバーや登山客を受け入れる「玄関口」気質、門別地区は馬産と漁師町の混じった港町気質。同じ町でも顔つきが違うのが面白いところです。

日高町の特産品・食

本ししゃも──日本固有種の希少な秋の味

本ししゃもは、北海道太平洋沿岸の一部でしか獲れない日本固有種です。旬は10〜11月。日高町の沿岸地区は、隣接するむかわ町と並ぶ主要な漁場で、町内には太平洋沿岸で獲れたししゃもを薄い塩水に漬けて加工する水産業者が複数あります。焼くと身がふっくらして、子持ちのメスは卵がぷちっとはじけるんですよね。スーパーで一般的に売られているカペリン(カラフトシシャモ)とはまったく別物の魚なので、現地で食べる価値があります。10月下旬の「ししゃも祭り」も外せません。

日高昆布(ミツイシコンブ)──だしにも煮物にも使える万能昆布

正式和名は「ミツイシコンブ」。日高地方で採れるものが日高昆布として全国に流通しています。日高町の沿岸地区にあるひだか漁業協同組合が産地の一つで、富浜・厚賀などの浜で天日干しされています。すべて天然物で養殖はなし。漁期は7月上旬〜9月下旬の限られた期間です。肉厚なのに柔らかく煮上がるので、昆布巻きやおでん、味噌汁のだしまで幅広く使える万能タイプ。関東以北では出汁用としても人気があります。

サラブレッド関連の馬肉・ジンギスカン

馬産地らしく、町内では羊肉のジンギスカンも名物。門別競馬場でも人気の厚切り羊肉を特製ダレに漬け込んだ「ジンギスカン」や、豚肉版の「ジンギストン」など、地元加工業者がオリジナル商品を作っています。バーベキューや家庭の鉄板焼きでガッツリ食べる、北海道らしい食文化です。

日高乳業の乳製品──モッツァレラとヨーグルッペ

沿岸の富川地区には北海道日高乳業の工場があり、「3.6牛乳」「ヨーグルッペ」「北海道日高モッツァレラ」などを製造しています。とくに日高モッツァレラは北海道産生乳を使った国産チーズとして人気。地元のスーパーやアンテナショップで購入できます。

沙流川の清流で育つヤマベ(ヤマメ)

道の駅 樹海ロード日高内のそば処「そば太郎」では、沙流川で育ったヤマベの天ぷらを乗せた「やまべ天そば」が名物。手打ちの太めの平打ち麺と、川魚らしい上品な脂が合うんですわ。峠越えのドライブ途中に立ち寄って食べる一杯は格別。したっけ(それでは)、次は移住・アクセスの話に進みましょう。

日高町の観光スポット

日高町は、内陸の山岳エリアと太平洋沿岸エリアという2つの顔を持つ町。観光スポットも自然系・地学系・競馬・温泉・キャンプと幅広く揃っています。日帰りでサクッと回ってもよし、温泉宿に泊まってじっくり過ごしてもよし。山と海の両方を1日で味わえるのが、この町ならではの楽しみ方です。

馬と地方競馬を楽しむスポット

  • 門別競馬場 – 北海道営の地方競馬「ホッカイドウ競馬」の本拠地で、右回り1,600mの地方競馬最大級コース。全レースがナイター開催で、愛称は「グランシャリオナイター」。照明に照らされたコースを駆けるサラブレッドはなまら(とても)幻想的なんですよ。レース開催は4月中旬〜11月上旬の主に火・水・木曜。入場無料・駐車場無料(1,000台)。札幌から無料送迎バス(要予約)あり。
  • とねっこ広場 – 門別競馬場の入場門を抜けてすぐの芝生広場。当歳馬(とねっこ)をイメージした名前のとおり、子ども連れでも遊べる遊具エリアがあります。名物「バケツジンギスカン」を芝生で食べながらレースを待つ時間が、馬産地らしくていいんですよね。

日高山脈の自然と地学を学ぶスポット

  • 日高山脈博物館 – 道の駅 樹海ロード日高に隣接する、日高山脈をテーマにした全国的にも珍しいジオ・ミュージアム。地上4階建てで、2階の岩石展示は実際に磨かれた表面に触ることができます。氷河に覆われた当時の山脈ジオラマや、日高ヒスイの原石、ナキウサギの剥製も見どころ。入館料は一般200円、小中高生100円。4〜10月は10:00〜17:00、11〜3月は10:00〜15:00。月曜休館(祝日の場合は翌日)。
  • 道の駅 樹海ロード日高 – 国道274号と237号の分岐点にある「峠の玄関口」。建物内には観光案内所、特産品直売所、リカーショップ、そば処「そば太郎」、喫茶店、理髪店までそろう異色の道の駅です。日勝峠のリアルタイム映像が見られるので、冬の峠越え前にはぜひ立ち寄りたいスポット。沙流川で育ったヤマベ(ヤマメ)の天ぷらが乗った「やまべ天そば」が名物です。
  • 沙流川源流原始林 – 国の天然記念物に指定された原生林。日高山脈襟裳十勝国立公園のなかでも特に手つかずの自然が残るエリアで、トドマツやエゾマツ、ダケカンバの巨木が織りなす森の静けさは別世界。森林浴目的なら春〜秋の晴れた朝が気持ちいいですよ。

アウトドア・温泉・スキーを楽しむスポット

  • 沙流川温泉 ひだか高原荘 – 日高山脈襟裳十勝国立公園内に位置する町営の温泉宿で、2025年4月にリニューアル再開しました。泉質は単純硫黄冷鉱泉でミネラル豊富。日帰り入浴は朝風呂6:00〜(最終受付9:00)と通常10:00〜20:00(最終受付19:30)。星空の下で入る露天風呂がなまら気持ちいいんですよ。日高国際スキー場や沙流川オートキャンプ場とすぐ近くで、四季を通じてアウトドア拠点になります。
  • 日高国際スキー場 – 日高管内唯一の本格的なスキー場で、北日高岳のふもとに広がります。コースバラエティが豊富で、初級者から上級者まで楽しめます。シーズンは12月〜3月頃。沙流川温泉ひだか高原荘に隣接しており、滑った後そのまま温泉に直行できる動線が魅力です。
  • 日高沙流川オートキャンプ場 – 清流・沙流川のほとりに広がるオートキャンプ場。テントサイトやコテージがあり、川釣りやラフティングの拠点にもなります。夏は涼しく、夜は満天の星。日中はカヌーで沙流川を下る人の姿も見かけます。
  • 門別温泉とねっこの湯 – 沿岸の門別地区にある日帰り温泉。1999年開湯の比較的新しい温泉ですが、馬産地らしいゆったりした雰囲気で、地元の人と観光客が混ざり合う「町の銭湯」感が落ち着くんですわ。門別競馬場帰りの一風呂にもちょうどいい立地です。

日高町の観光ルート

日高町は内陸と沿岸が物理的に離れた飛び地構造の町なので、観光ルートも「日高地区(山側)」「門別地区(海側)」と分けて考えるのが基本。さらに札幌・帯広・苫小牧方面と組み合わせる広域ルートもおすすめです。車があれば、1日でかなり濃い体験ができますよ。

【車・1日】日高地区まるごとルート:樹海ロード〜温泉〜花火

札幌方面から国道274号で日高地区に入る、山と渓流を楽しむルートです。

9:00 札幌駅 → 11:00 道の駅 樹海ロード日高(車120分)

①道の駅 樹海ロード日高・日高山脈博物館(滞在90分)
→ 道の駅で休憩しつつ、隣接の博物館で日高山脈の成り立ちをじっくり学ぶ。岩石を実際に触れる2階の展示は、地学好きにはなまら(とても)刺さるんですよ。お昼は「そば太郎」のやまべ天そばで。

12:30 道の駅 → 12:35 沙流川温泉(車5分)

②日高沙流川オートキャンプ場・沙流川散策(滞在60分)
→ キャンプ場を抜けて沙流川沿いを散歩。清流の音と森の匂いを浴びる時間。夏なら水遊びもOK。

13:35 オートキャンプ場 → 13:45 沙流川温泉(車10分)

③沙流川温泉 ひだか高原荘(滞在120分)
→ 単純硫黄冷鉱泉の湯にゆっくり浸かる。サウナや休憩スペースも備えていて、午後はここで体を緩めるのがちょうどいい。

15:45 ひだか高原荘 → 17:00 富良野方面 or 帯広方面(車経由地)

【車・半日】門別地区競馬&海ルート:ナイター競馬と海岸ドライブ

新千歳空港・苫小牧方面から日高自動車道で南下し、夕方〜夜の門別を楽しむルートです。

14:00 新千歳空港 → 15:00 富川駅周辺(車60分)

①富川市街地で昼食(滞在60分)
→ 日高町役場のある富川エリアで、地元のジンギスカンや日高乳業の乳製品をチェック。お土産買出しもここで済ませると効率がいい。

16:00 富川 → 16:10 門別競馬場(車10分)

②門別競馬場(滞在3〜4時間)
→ ナイター開催のホッカイドウ競馬を観戦。とねっこ広場のバケツジンギスカンを食べながらレースを待つ時間が最高。夕暮れから夜への景色の変化がなまらきれいなんですよ。

20:00 門別競馬場 → 20:30 門別温泉とねっこの湯(車5分)

③門別温泉とねっこの湯(滞在60分)
→ レース後の興奮を、ゆっくり湯に浸かりながらクールダウン。地元のおじさんたちと挨拶を交わすだけでも旅の記憶になります。

【車・1日】広域ルート:日高山脈と馬産地横断

日高町を起点に、隣接する平取町のアイヌ文化と新冠町のサラブレッド銀座まで回る欲張りルートです。

9:00 道の駅 樹海ロード日高 → 9:40 日高山脈博物館見学

①日高山脈博物館(滞在60分)
→ まずは日高山脈の成り立ちを頭に入れる。これがあるとあとのドライブの景色の見え方が変わります。

10:40 日高地区 → 12:00 平取町・二風谷(車80分)

②平取町・二風谷アイヌ文化博物館(滞在90分)
→ 日高地方とアイヌ文化は切り離せない関係。隣町の博物館で文化背景を学ぶと、日高エリアの地名の意味まで腑に落ちてきます。

13:30 平取町 → 14:30 新冠町・サラブレッド銀座(車60分)

③サラブレッド銀座駐車公園(滞在60分)
→ 約8kmの牧場ロードを車でゆっくり走り、放牧されたサラブレッドを眺める。日高地方を訪れたらぜひ立ち寄りたい絶景ポイントです。

15:30 新冠町 → 16:30 門別競馬場(車60分)

④門別競馬場(滞在3時間〜)
→ 馬産地を一日かけて見て回った締めくくりに、ナイター競馬で実際に走るサラブレッドを観戦。馬たちの背景を知ってから見るレースは、ぜんぜん違って見えるんですよね。

日高町の年間イベント

日高町のイベントは、山側と海側で性格がはっきり分かれているのが面白いところ。夏は内陸の日高地区で森の祭り、秋は沿岸の門別地区で海の祭り、冬はスキー場のフェスティバル──と、季節ごとに会場と内容が変わっていきます。狙いを定めて訪れると、その時期にしか味わえない景色に出会えますよ。

春〜夏:日高味覚フェア(5月上旬・8月上旬)/ひだか樹魂まつり(7月下旬)

春・夏の日高味覚フェアは、5月上旬と8月上旬を中心に開催され、地元の山菜や水産加工品が並ぶ味覚イベントです。地元のおばちゃんたちが手作りの惣菜を売っていたりして、観光案内所では味わえない素朴な空気感が魅力なんですよ。

7月下旬には、内陸の日高地区で「ひだか樹魂まつり」が開かれます。日高国際スキー場駐車場が会場で、地元グルメやキッチンカー、木こりさん競争・流送レースといった山の町ならではの競技が並びます。フィナーレを飾る「沙流川花火大会」では、スキー場のゲレンデから打ち上がる花火がほぼ真上に開いて、音と光が体に響くなまら(すごい)迫力ですよ。

秋:門別ししゃも祭り(10月下旬)/とねっこカーニバル(10月上旬)/日高味覚フェア(10月上旬)

10月下旬の「門別ししゃも祭り」は、町を代表するイベントです。会場は門別競馬場で、太平洋沿岸でしか獲れない本ししゃもが格安販売され、朝早くから長蛇の列ができます。会場内には大型の炭火台や席で焼けるスペースが用意されていて、買ったその場で焼きたてを頬張れるのが最高なんです。生ししゃものつかみ取り(有料)やすだれ干し早作り大会など、漁師町らしい催しも盛り上がります。

同じ10月上旬には、門別地区で「とねっこカーニバル」も開催されます。馬産地の町ならではの名前で、子ども向けの催しや地元グルメが並びます。10月上旬の日高味覚フェアも合わせれば、秋の日高町は「食と馬」尽くしの月になります。

冬:日高国際スキー場フェスティバル(12月下旬・2月中旬・3月上旬)

冬は内陸の日高国際スキー場が舞台。12月下旬、2月中旬、3月上旬と、シーズン中に複数回フェスティバルが開催されます。スキーやスノーボードの講習会、子ども向けのそりイベント、地元食材の屋台などが並びます。滑り終わったら沙流川温泉ひだか高原荘で温まる──このゴールデンルートが冬の日高町の定番です。しばれる(とても寒い)日ほど、温泉の気持ちよさが体に染みるんですよね。

日高町のエリア別の顔

日高町は2006年の飛び地合併で生まれた町なので、エリアごとの性格がはっきり分かれているのが特徴です。内陸の「日高地区」(旧日高町)と沿岸の「門別地区」(旧門別町)の間には平取町があり、両地区は車で約1時間離れています。さらに門別地区内も「富川」「門別本町」「厚賀」などの集落単位で違う表情を見せます。旅する視点でエリアを押さえておくと、回り方が決めやすくなりますよ。

日高地区(旧日高町域)──山岳と峠の玄関口

町の北側、日高山脈のふもとに広がる山間エリアです。約95%が森林で、日高町役場日高総合支所、道の駅 樹海ロード日高、日高山脈博物館、沙流川温泉、日高国際スキー場が集まっています。空気が澄んでいて、夜は天の川がくっきり見えるレベル。アウトドアと地学に興味がある人、峠越えドライブが好きな人にぴったりの「山の顔」です。したっけ(それじゃあ)、ここを起点に1泊2日でのんびり過ごすのが正解。

門別本町エリア──町役場と沿岸産業の中心

町の南側、太平洋に面した門別地区の中心部です。日高町役場本庁舎、門別郵便局、ひだか漁業協同組合があり、行政・漁業の機能が集まっています。日高昆布やししゃもの加工業者が点在しており、秋の漁期には町全体に魚の匂いが漂います。観光客には地味に映るかもしれませんが、本物の北海道の海辺町を体感したい人にはなまら面白いエリアです。

富川エリア──日高自動車道の玄関口

門別地区の西寄り、沙流川河口近くにある町の交通拠点。日高自動車道「日高富川IC」、JR日高本線富川駅(鵡川以南は廃止済み)、ホクレンショップやスーパーが集まる商業エリアでもあります。北海道日高乳業の工場もここ。札幌・新千歳空港から日高町に入る最初の窓口になるので、買い出しやランチ拠点として便利です。

門別競馬場・厚賀エリア──馬と海と国道235号

町の東寄り、新冠町に向かう国道235号沿いのエリア。門別競馬場、厚賀漁港、ししゃも加工業の集積地が並びます。サラブレッド銀座方面へ抜ける動線でもあるので、馬産地を巡る旅人にとっては絶好の中継地点。夕方になると競馬場の照明が点り、町全体に「いよいよナイターが始まるな」というワクワク感が漂います。

樹海ロード沿線(国道274号)──ドライブ旅人の通り道

日高地区を東西に貫く国道274号沿いのエリア。両脇を森林に囲まれた「石勝樹海ロード」と呼ばれるドライブルートで、札幌〜帯広間の重要な通り道です。沿線にはあえて寄りたくなる派手な観光地は少ないですが、樹海の中を走る独特の静けさと、道の駅 樹海ロード日高での休憩時間が、ドライブ旅にちょうどいい間(ま)を作ってくれます。

日高町の気候・季節の暮らし

日高町は内陸の日高地区と沿岸の門別地区で気候が大きく異なる町です。気象庁の平年値(1991〜2020年)によると、内陸の日高観測点の年平均気温は6.3℃、海沿いの日高門別観測点では7.6℃。日高地区は内陸気候圏で冬には1m前後の積雪が見られる一方、門別地区は海洋性気候で積雪が少なく比較的温暖です。同じ町内でも、北と南で「別の北海道」を感じられるのが特徴なんですよ。

夏──6月〜8月の暮らし

日高地区の8月平均最高気温は25.5℃、日平均は20.2℃。本州のような蒸し暑さはなく、湿度が低くカラッとしています。夜は20℃を下回ることが多く、エアコンなしで眠れる夜が大半です。

門別地区も8月の平均最高気温は24.1℃で、海風が涼しさを運びます。沙流川での川遊び、オートキャンプ、サラブレッド見物がベストシーズン。夏の日高町は、北海道らしい爽やかさを体感できる時期です。

秋──9月〜11月の暮らし

9月になると朝晩がぐっと冷え込み、10月には日高地区の平均最低気温が3.2℃まで下がります。山側では紅葉が9月下旬から10月中旬にピークを迎え、沙流川沿いのドライブが見事な時期。

沿岸の門別地区では、10月から本ししゃも漁が始まります。漁師町に魚の香りが漂い、町全体が「秋の収穫モード」に入る季節。10月下旬の門別ししゃも祭りに合わせて訪れるのもおすすめです。

冬──12月〜3月の暮らし

冬は内陸と沿岸の差がはっきり出ます。日高地区の1月日平均気温は−7.6℃、平均最低気温は−13.6℃。過去には−27.8℃を記録した日もあり、冬はしばれる(厳しく冷え込む)日が続きます。積雪は1m前後と多めで、12月〜3月は日高国際スキー場がオープン。

一方、門別地区の1月日平均気温は−4.9℃、平均最低気温は−10.3℃と、日高地区よりかなり穏やか。年間降雪量も少なく、太平洋沿岸特有の「冬でも雪が少ない北海道」を体感できます。同じ町内でも、住むエリアで冬の暮らしの厳しさが大きく変わるんですよね。

春──4月〜5月の暮らし

4月になっても日高地区の平均最低気温は−1.4℃と、まだ氷点下に冷え込む朝があります。雪解けは内陸ほど遅く、ゴールデンウィーク頃にようやく桜のつぼみが膨らみ始めます。

5月にはラフティングのベストシーズンに突入。雪解け水で水量が増す沙流川は、ラフティングや渓流釣りの人気スポットになります。新緑と山桜が一気に芽吹くこの時期は、町中が「やっと春が来た」という空気に包まれます。

日高町の移住・暮らし情報

日高町は人口10,645人(2026年3月時点)の小さな町。「山か海か」「内陸か沿岸か」でライフスタイルが大きく変わる町なので、住むエリア選びがとても重要です。町としては移住体験(ちょっと暮らし)、公営住宅の提供、出産祝い金、満15歳までの医療費無料など、子育て世帯にやさしい支援を行っています。

通勤・通学

町内には日高町役場本庁舎(門別地区)と日高総合支所(日高地区)があり、両地区の間は車で約65km・1時間の距離があります。同じ町内とはいえ、両地区を日常的に行き来する人は少なく、それぞれのエリアで生活が完結しているのが現実です。

門別地区からは、日高自動車道経由で苫小牧へ約1時間、新千歳空港へ約50分。苫小牧方面に通勤する人も一定数いると考えられます。日高地区は周辺市町村への通勤距離が長いため、町内での就業が中心になります。

住宅環境

大手不動産サイト(SUUMO・アパマンショップ等)には日高町の賃貸物件はほとんど掲載されていません。住まい探しは町の公営住宅、地元の不動産業者、移住相談窓口経由が中心となります。

町では「移住体験(ちょっと暮らし)」が利用可能で、ペット可の体験施設もあります。実際に住んでみてから決めたい人には心強い制度です。詳細は日高総合支所地域経済課(TEL:01457-6-2008)で確認できます。

買い物環境

沿岸の門別地区・富川エリアにはホクレンショップ富川ルシナ店、ダイソーが入る複合店舗、コンビニ(セイコーマート等)があり、日常の買い物には困りません。日高自動車道で苫小牧まで約1時間なので、大きな買い物は苫小牧のイオン等へ出る人が多いと考えられます。

内陸の日高地区は、道の駅 樹海ロード日高エリアにセイコーマート、スーパー、郵便局、薬局が集中。日常品はここで揃いますが、選択肢は限られるため、まとめ買いが基本のスタイルになります。

子育て・教育

日高町では、満15歳までの医療費無料、出産祝い金、保育料補助制度などが整備されています。町内には保育所が3か所(日高保育所、門別わかば保育所、厚賀すずらん保育所)、小学校・中学校に加え、日高地区には北海道日高高等学校もあります。

子どもが少ない分、一人ひとりに目が行き届く環境です。自然学習や乗馬体験など、この町ならではの教育機会があるのも特徴です。

医療環境

町内には門別国民健康保険病院(門別地区)と日高国民健康保険診療所(日高地区)があり、両地区で基本的な医療を受けられます。専門医療が必要な場合は、苫小牧市立病院や王子総合病院(苫小牧市)まで車で約1〜1時間半。

救急時の対応を考えると、日高地区よりも門別地区のほうが医療アクセスは安心です。高齢の家族と移住する場合は、エリア選びの重要な判断材料になります。

エリア別の暮らし視点

中盤で旅する視点から紹介した各エリアを、今度は「住む視点」で見てみます。

門別本町・富川エリアは、行政・医療・買い物・高速ICがそろう町内で最も暮らしやすいエリアです。新千歳空港への近さもあり、通勤・出張がある人に向いています。

厚賀エリアは漁業従事者の暮らすエリア。海と直結した暮らしを送りたい人、本ししゃもや昆布の漁師町文化を体感したい人に。

日高地区は、自然と静けさを最優先したい人、山岳・スキー・地学好きに向いています。ただし冬の厳しさ(−20℃台、積雪1m)への覚悟は必要。逆に夏の涼しさはなまら(とても)快適なんですよ。テレワーク中心ならアリの選択肢です。

日高町へのアクセス

日高町は飛び地構造の町なので、目的地が「門別地区」か「日高地区」かでアクセスルートが大きく変わります。新千歳空港・札幌からの所要時間も、門別地区なら1時間以内、日高地区なら2時間前後と差があります。事前にどちらに行くか決めてから経路を選びましょう。

車でのアクセス

札幌から門別地区(富川IC)まで、道央自動車道〜日高自動車道経由で約1時間30分。新千歳空港から門別地区までは約50分です。日高自動車道の日高富川IC日高門別IC日高厚賀ICが町内に3か所あり、目的地に応じて使い分けられます。

日高地区へは札幌から国道274号(石勝樹海ロード)経由で約2時間。道東自動車道占冠ICからは国道237号で約15分です。帯広方面からは国道274号で日勝峠を越えて約2時間。冬季は峠の積雪・凍結に注意が必要で、道の駅 樹海ロード日高でリアルタイムの峠映像を確認できます。

鉄道+バスでのアクセス

JR日高本線は2021年4月に鵡川以南が廃止されたため、現在日高町内には鉄道駅がありません。JR富川駅も同時に廃止されています。

門別地区へは、JR札幌駅から道南バス「高速ペガサス号」(予約制)で「門別競馬場前」まで約1時間50分。ホッカイドウ競馬の開催日には、JR札幌駅北口から無料送迎バス「ほっとバス」(予約制)も運行されます。

日高地区へは、JR札幌駅バスターミナルから道南バス日高ターミナル行きが1日1往復、所要時間約2時間50分、片道2,550円。占冠駅からは日高町営バスで日高町役場前まで約25分、片道560円という選択肢もあります。

飛行機でのアクセス

最寄り空港は新千歳空港。羽田から新千歳まで約1時間35分、関西国際空港から約2時間です。新千歳空港から門別地区へはレンタカーで約50分、日高地区へは約1時間20分。新千歳空港からの直行バスは設定がないため、車を借りるのが現実的です。

町内移動の現実的アドバイス

町内の2地区(門別と日高)は約65km離れており、間に平取町を挟みます。両方を1日で回るならレンタカー必須です。公共交通だけでは1日完結は厳しいので、観光なら必ず車を確保してください。

町内には日高町営バス(広富線・豊郷線・清畠線・厚賀富川線・厚賀太陽線)が走っていますが、本数は限られます。生活で使うには時刻表確認が必須。タクシーは富川・門別・厚賀・日高の各地区にハイヤー事業者がありますが、流しのタクシーはないため事前予約が基本です。

【地元住民に直撃!】日高町の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。

競走馬の生産牧場で働いています。種付けから出産、子馬の世話、馴致(じゅんち)まで、馬の一生の最初の部分に関わる仕事です。

朝は5時前から始まって、夜遅くまで馬と向き合う毎日。しばれる(厳しく冷え込む)冬の出産シーズンは本当に大変なんですけど、無事に元気な子馬が産まれた瞬間の感動は、何年やっても変わらないんですよね。

Q2.この街に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?

日高町観光のド定番はやっぱり門別競馬場ですね。ナイターで照明に照らされたコースを走る馬たちを間近で見られるのは、ほかの競馬場にはない迫力なんですよ。とねっこ広場でバケツジンギスカンを食べながら観戦するのが地元流です。

あと地元民おすすめは、日高地区の日高町運動公園のあたり。沙流川の日高町水源にもなっている清流のせせらぎが聞こえて、夏でも空気がひんやり。観光客はあまり来ないけど、夕方の風がたまらないんです。

Q3.この市町村でお土産を買うとしたらなんですか?

オーソドックスなところでいうと日高昆布と本ししゃもの一夜干しですね。日高町の有名なものといえばやっぱりこの2つ。道の駅 樹海ロード日高や町内の水産業者さんで買えます。

地元民推しなのは、北海道日高乳業さんのモッツァレラチーズと、ばばの台所さんの青ナンバン入りトマトソース。あと富川の高柳商店さんの「ジンギストン」っていう豚のジンギスカン風、これがご飯泥棒でうまいんですわ。

Q4.外から人が来たときにまず連れていく店はどこですか?

道の駅 樹海ロード日高の中にある「そば太郎」さんですね。沙流川で育ったヤマベの天ぷらが乗った「やまべ天そば」が看板メニュー。太めの手打ち麺にコシがあって、川魚の香りがふわっと立つんです。

夜に来た人なら、門別競馬場のとねっこ広場で焼き肉を一緒に。芝生に座って馬を見ながらビール飲むだけで、もう日高町観光のハイライトみたいなもんですよ。

Q5.この市町村はどんな気質だと思いますか?

飛び地で2つの地区が離れてるせいか、住んでる人の気質も山側と海側でちょっと違うんですよ。日高地区は山仕事や峠を行き来する人たちで、寡黙だけど芯が強い感じ。門別地区は漁師と馬産家が混ざってて、よく言えば豪快、悪く言うと声が大きい(笑)。

でも共通してるのは、馬と自然が当たり前にある暮らしを大事にしてるところ。よそ者にも一度懐に入れたらすごく面倒見がいいんです。

Q6.昔に比べて、街の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?

人口はずっと減り続けています。私が子どもの頃と比べて、商店街の店も明らかに少なくなったし、2021年にJR日高本線も無くなってしまって、寂しさは感じますね。

ただ、2024年に日高山脈襟裳十勝国立公園が誕生したことで、登山客やジオツアーで内陸を訪れる人が少し増えてきた手応えはあります。日高町長さんも観光と馬産で町を盛り上げようとしていて、町の市町村民センター的な施設でのイベントも増えてますよ。

Q7.これから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?

2025年4月に沙流川温泉ひだか高原荘がリニューアル再開したのは大きかったです。長いこと休館してたので、また地元の人も観光客も気軽に入れる温泉が戻ってきて、町に灯りが点ったような感じ。

日高町のおすすめスポットとしてもう一度発信したい場所が増えたのは嬉しいですね。あとは国立公園に絡んだジオツーリズムが本格化して、内陸の日高地区にもっと人が来てくれたらいいなぁと思ってます。

日高町の関連リンク

【この町を愛する皆様へ】
この記事は、どのサイトよりも詳しく、正確に、そして魂を込めて執筆しています。町の魅力を最大限に引き出すため、今後も肉付けを続けていきます。ご期待ください。

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