滝上町(たきのうえちょう)は、北海道オホーツク総合振興局管内の北部に位置する人口2,145人の小さな町です。旭川市と紋別市のちょうど中間、三方を山に囲まれた渓谷のまちです。
滝上町の魅力を5つに凝縮すると、こうなります:
- ✅ 芝ざくら滝上公園──丘一面を覆う約10万平方メートル、甲子園球場約7倍の日本最大級の大群落
- ✅ 和ハッカ生産日本一──国内生産量の約95%を占める「香りの里」
- ✅ 童話村のまちづくり──平成2年から続く、まち全体を童話の舞台に見立てた取り組み
- ✅ 錦仙峡(きんせんきょう)──市街地を流れる渚滑川の渓谷美と滝の連なり
- ✅ 冬は氷点下30℃台まで冷え込む特別豪雪地帯の本格的な雪国
「花や自然を目当てに旅したい人」「アロマやハーブなど香りの文化に興味がある人」「静かな山あいの暮らしに憧れる移住検討者」に特に向いた町です。序盤では観光・産業の推しポイントを、中盤以降では歴史・文化・特産品まで地元目線で紹介します。
| 人口 | 2,145 人 ※2026年4月30日時点(住民基本台帳) |
|---|---|
| 面積 | 766.89 km² |
| 人口密度 | 2.8 人/km² |
地理的には、滝上町は紋別市・士別市・遠軽町・興部町・上川町・下川町・西興部村の7市町村に接しています(出典:北海道新聞デジタル)。東側に開けた紋別市方面以外は境界が山中にあり、まさに山に抱かれた町です。
町内に鉄道は通っておらず、かつての渚滑線は1985年に廃止されました。現在は旭川紋別自動車道の浮島ICから車で約50分、オホーツク紋別空港からも約50分が目安です。花・香り・渓谷・雪と、四季の表情がくっきり分かれる町を、ひとつずつ見ていきましょう。
滝上町の推しポイント

滝上町を語るうえで外せないのが「花」と「香り」です。春は丘を埋め尽くす芝ざくら、初夏には日本一の和ハッカが畑を爽やかな香りで満たします。さらに市街地のすぐそばには渚滑川の渓谷・錦仙峡が広がり、まち全体が「童話村」をテーマにした景観づくりを進めています。ここからは4つの顔を少し掘り下げて紹介します。
推しポイント1:芝ざくら滝上公園──丘一面のピンクの絨毯
市街地北部の丘陵を約10万平方メートルにわたって芝ざくらが覆う、日本最大級の名所です。甲子園球場のおよそ7倍という広さで、見頃は例年5月中旬から6月上旬。芝ざくらを中心とした花の観光地づくりが評価され、平成18年(2006年)には「花の観光地づくり大賞」を受賞しています(出典:滝上町公式サイト)。斜面いっぱいのピンクと甘い香りは、写真で見る以上の迫力なんですよ。
推しポイント2:和ハッカ生産日本一の「香りの里」
滝上町は、国内の和ハッカ生産量の約95%を占める日本一の産地です(出典:滝上町公式サイト ハッカ博物館)。芝ざくらの花の香り、和ハッカの香り、主要産業である木の香り。季節ごとに違う香りが漂うことから「香りの里」と呼ばれています。
推しポイント3:童話村のまちづくり
滝上町は平成2年(1990年)から「童話村」たきのうえをコンセプトにしたまちづくりを進めています(出典:滝上町公式サイト)。既存の童話をまねたテーマパークではなく、森・渓谷・動植物と、その恵みを大切にする暮らしそのものを「童話の舞台」に見立てている点が特徴です。
推しポイント4:錦仙峡──市街地を流れる渓谷美
市街地の中央付近で渚滑川と支流のサクルー川が合流し、川幅が狭まって急流となり、大小の滝を生み出します。この一帯が景勝地・錦仙峡です。渚滑川沿いの遊歩道は「美しい日本の歩きたくなる道500選」にも選ばれており、ハーブガーデンと合わせてゆっくり散策できます。
滝上町の歴史

滝上町の歩みは、大正期の分村に始まります。林業を基幹産業として開けた山あいの村が、鉄道の開通とともに発展し、戦後に町となりました。やがて鉄道を失った後は、芝ざくらと和ハッカ、そして「童話村」という独自の路線で町の個性を育ててきた、という3段階で整理できます。
大正期の分村と発展
1918年(大正7年)、紋別郡渚滑村から分村して二級町村制の紋別郡滝上村が発足しました。1923年(大正12年)には渚滑線が開通し、町は鉄道とともに発展していきます。町名は、渚滑川とサクルー川の合流点のすぐ下にある滝の上流に市街が開けたことに由来します。
近代の開拓と公園の整備
滝上公園は大正8〜9年ごろ、市街地青年団の活動を契機に設立された期成会によって整備が進みました。大正11年には町内で木材業を営む飯田嘉吉氏から桜の苗木約1千本の寄付を受け、道内屈指の桜の名所として知られるようになりました。基幹産業は一貫して林業で、酪農や畑作も営まれてきました。
現代──鉄道廃止と「童話村」への転換
1947年(昭和22年)に町制を施行して滝上町となりました。1984年(昭和59年)には国道273号の浮島峠に浮島トンネルが開通し、冬季の上川方面への道路閉鎖が解消されます。一方、1985年(昭和60年)には渚滑線が廃止されました。その後1990年(平成2年)から「童話村」のまちづくりが始まり、同年には国土庁の「農村アメニティ・コンクール」で2位を獲得しています。
滝上町の文化・風習

方言と話し方の特徴
滝上町で耳にするのは、やわらかな北海道弁です。とても・すごくはなまら(とても・すごく)、別れ際や話の区切りにはしたっけ(それじゃあ・またね)が自然に出てきます。冬の朝に交わされるしばれる(厳しく冷え込む)という一言は、この町の気候そのものを表しています。
食卓と季節の暮らし
春になると山には山菜やきのこが芽吹き、清流ではヤマベやニジマスが釣れます。みなさん、採れたての山の恵みを囲む食卓はなまら(すごく)あたたかいんですよ。冬は氷点下30℃台を記録することも珍しくない特別豪雪地帯なので、暖かい部屋で過ごす時間が長く、家の中はとてもあずましい(居心地がよい)空気に包まれます。
人の気質と童話村のつながり
人口2,000人あまりの小さな町だからこそ、人と人の距離が近いのが滝上町です。「童話村」というまちづくりも、外から借りてきた物語ではなく、自分たちの暮らしを舞台に据えている点に温かさがあります。子どもたちが将来の町を粘土で描くワークショップなど、世代をこえてめんこい(かわいらしい)取り組みが続いています。したっけ(それでは)、次は食の話にいきましょう。
滝上町の特産品・食

特産品1:和ハッカとハッカ製品
滝上町でのハッカ栽培は明治43年(1910年)ごろに始まったとされ、今では国内生産量の約95%を占めています(出典:滝上町公式サイト ハッカ博物館)。栽培から精油の抽出まで町内で一貫して行う、希少な和ハッカの里です。なかでも人気のお土産が「ハッカようじ」。白樺材のつまようじの先にハッカ油が染み込んでいて、口に入れるとなまら(とても)爽やかな香りが広がるんですわ。焼肉や中華のあとにぴったりです。
特産品2:林業と木の恵み
三方を山に囲まれた滝上町の基幹産業は、開町以来の林業です。豊かな森は野生生物の宝庫でもあり、山菜やきのこ狩りも楽しめます。木そのものの香りも「香りの里」を構成する大切な要素で、暮らしの随所に木の存在を感じられる町です。
特産品3:酪農・畑作と渓流の恵み
林業とあわせて、酪農や畑作も町の暮らしを支えてきました。山あいの冷涼な気候は作物にメリハリを与え、清流の渚滑川ではヤマベやニジマスが育ちます。渓流釣りで釣り上げた魚を味わえば、この町の自然の豊かさが舌で分かります。したっけ(それでは)、ぜひ芝ざくらの季節にも、香りの季節にも足を運んでみてください。
滝上町の観光スポット

序盤で紹介した芝ざくらと和ハッカ、童話村、錦仙峡。滝上町の観光は、この「花・香り・渓谷」という3つの軸でめぐるのがいちばん気持ちいいんですよ。まずは町なかの定番スポットから、山あいの自然スポットまで、ジャンル別に押さえていきましょう。どれも市街地から車ですぐ、コンパクトに回れるのがこの町の旅のいいところです。
花と香りを楽しむスポット
- 芝ざくら滝上公園 – 丘一面を約10万平方メートルの芝ざくらが覆う、日本最大級の名所。開花期間中の入園料は大人500円、小人250円で、まつり期間中の営業時間は8:00〜18:00(最終入園17:00)です(出典:滝上町観光協会)。園内でいちばん高い展望スポットには「幸せの鐘」があり、ピンクの花の海と甘い香りに包まれながら鳴らす鐘の音はなまら(とても)心に残ります。
- 香りの里ハーブガーデン – 約4ヘクタールの園内に約300種類のハーブが育つ「香りの里」の中心施設。開園期間は5月1日〜10月31日(毎週火曜定休)、開園時間は9:00〜16:30(10月は〜16:00)、入園料は無料です(出典:滝上町公式サイト)。丘の上のフレグランスハウスでは、ハーブを使ったパスタやハッカソフトクリームが味わえます。風に乗ってミントの香りが流れてくる夏の午後が、いちばんあずましい(心地よい)時間帯です。
- 陽殖園(ようしょくえん) – 高橋武市さんがたった一人で60年以上かけて造り上げた私設庭園。開園期間は4月29日〜9月最終日曜日で、火・水・木曜が定休(祝日を除く)です(出典:滝上町公式サイト)。約8万平方メートルの敷地に季節の花々が咲き、園路は5キロ以上。一歩ずつ歩くほどに、ひとりの人間がつくった「庭の宇宙」に引き込まれていきます。
渓谷と山の自然を歩くスポット
- 錦仙峡(きんせんきょう) – 市街地のすぐそばを流れる渚滑川とサクルー川がつくる渓谷。両岸には足にやさしいウッドチップ舗装の遊歩道が整備され、大小の滝と新緑・紅葉が四季折々の景色を見せてくれます。市街地から歩いて行ける渓谷というのが、この町ならではの贅沢ですよね。
- 浮島湿原 – 滝上市街から約40キロ、上川町との境界付近の山中に広がる高層湿原。大小の沼が点在し、その一部には名前の由来となった「浮島」が浮かびます。エゾヒツジグサやモウセンゴケなど湿原特有の植物が見られ、俗世から切り離されたような静けさに包まれる場所です。
- 桜ヶ丘スキー場 – 町が運営するコンパクトなスキー場で、リフトとロープトウを備え、ナイター営業も行われます(出典:滝上町教育委員会)。氷点下30℃台までしばれる(厳しく冷え込む)日もある雪国だからこそ、雪質はさらさら。地元の子どもたちが放課後に通う、町の冬の遊び場です。
町の歴史と特産にふれるスポット
- 道の駅 香りの里たきのうえ – 国道273号沿い、童話の世界をイメージしたお城風の外観が目印。和薄荷の製品コーナーやハーブ加工品、木工品、農産物などが並びます。営業時間は9:00〜17:30です(出典:滝上町公式サイト)。チーズやケーキを試せる「ちょい食べコーナー」もあり、町に着いたらまずここで童話村の旅の情報を手に入れるのがおすすめです。
- 滝上町郷土館 – 明治期の開拓から町の発展までの歩みを、当時の民具や資料とともにたどれる施設。序盤で紹介した分村や林業、ハッカ栽培の歴史を、実物を見ながら振り返ることができます。芝ざくらや渓谷を歩く前に立ち寄ると、町の風景の見え方が変わります。
滝上町の観光ルート

滝上町はスポットがコンパクトにまとまっているので、半日でも花と渓谷をしっかり楽しめます。ここでは町内をぎゅっと回る王道ルートと渓谷さんぽルート、そして旭川やオホーツク海とつなぐ広域ルートを用意しました。したっけ(それじゃあ)、出発しましょう。
【車・1日】花と香りの王道ルート(町内完結)
9:00 道の駅 香りの里たきのうえ → 9:40 芝ざくら滝上公園 → 11:30 香りの里ハーブガーデン → 13:30 錦仙峡 → 15:00 陽殖園
①道の駅 香りの里たきのうえ(30分)
→ まずは旅の情報とお土産をチェック。和薄荷グッズを眺めて町の輪郭をつかみましょう。
②芝ざくら滝上公園(90分)
→ 朝の光のなかで見る芝ざくらは色が鮮やか。展望台の「幸せの鐘」までゆっくり登りたいので、混む前の午前が狙い目です。
③香りの里ハーブガーデン(90分)
→ フレグランスハウスでハーブのパスタやハッカソフトを味わうランチタイム。お昼どきに合わせるのが正解です。
④錦仙峡(60分)
→ 食後は渓谷の遊歩道を散策。川の音と木陰が、午後の眠気をなまら(とても)すっきりさせてくれます。
⑤陽殖園(60分)
→ 一日の締めくくりに、ひとりの庭師がつくった花の世界へ。夕方のやわらかな光が花々を引き立てます。
【車・半日】渓谷さんぽルート(町内完結)
13:00 道の駅 香りの里たきのうえ → 13:30 錦仙峡 → 14:40 香りの里ハーブガーデン → 15:50 芝ざくら滝上公園
①道の駅 香りの里たきのうえ(20分)
→ 午後発でも大丈夫。ここで飲み物を買って渓谷へ向かいます。
②錦仙峡(60分)
→ 市街地から歩いてアクセスできる渓谷をのんびり散策。木漏れ日のなかを歩く時間が気持ちいいんですよ。
③香りの里ハーブガーデン(60分)
→ 丘の上のガーデンでハーブティーを一杯。夕方前の静かな時間帯がおすすめです。
④芝ざくら滝上公園(60分)
→ 夕暮れどきの芝ざくらは、昼間とは違うしっとりした表情。一日の終わりにぴったりの締めくくりです。
【車・1日】広域ルート:旭川からオホーツク海へ
8:00 旭川市 → 9:30 浮島湿原 → 11:00 芝ざくら滝上公園 → 12:30 香りの里ハーブガーデン → 15:00 紋別市(オホーツク海)
①旭川市(出発)
→ 旭川紋別自動車道を北上。途中の浮島ICで一度高速を降ります。
②浮島湿原(60分)
→ 山あいの高層湿原で、沼と浮島が織りなす静かな世界へ。旅の最初に自然のスケールを体感できます。
③芝ざくら滝上公園(90分)
→ 滝上町のハイライト。丘いっぱいのピンクと甘い香りで一気にテンションが上がります。
④香りの里ハーブガーデン(90分)
→ ランチを兼ねてハーブの香りに包まれる時間。午後はオホーツク海方面へ向かいます。
⑤紋別市(自由)
→ 隣接する紋別市でオホーツク海の海の幸を堪能。山の町と海の町、両方を一日で味わえる欲張りルートです。
滝上町の年間イベント

滝上町のイベントは、季節の自然と深く結びついています。春は丘を染める芝ざくら、夏は渓谷を舞台にしたまつり、冬は雪と過ごす行事。どれも町の暮らしの延長線にある、素朴であたたかいお祭りなんですよ。
春〜初夏:童話村たきのうえ芝ざくらまつり
町を代表するイベントが、芝ざくら滝上公園で開かれる「童話村たきのうえ芝ざくらまつり」です。例年5月から6月上旬にかけて開催され、丘一面がピンクに染まります(出典:滝上町観光協会)。
期間中はヘリコプターによる遊覧飛行や、週末を中心にしたマルシェ、ミニライブなども。斜面いっぱいの花の海を眺めながら、甘い香りに包まれて歩く時間は、ぜひ一度体験してほしいんですよね。
夏:童話村たきのうえふるさとまつり
夏の町を締めくくるのが「童話村たきのうえふるさとまつり」。例年8月に2日間にわたって開催されます(出典:滝上町観光協会)。
名物は林業の町ならではの「丸太早切りチャンピオン大会」。ノコギリの音と歓声が広場に響きわたります。夜には花火大会と盆踊り、翌日には渚滑川の渓谷ウォークや魚つかみどり大会もあり、子どもから大人まで一日中楽しめます。
秋〜冬:紅葉と雪の季節
秋は錦仙峡の紅葉が見頃を迎え、渓谷の遊歩道が赤や黄に染まります。メープル収穫の体験会など、森の恵みを楽しむ催しも行われます。
冬になると桜ヶ丘スキー場がオープンし、町民スノーフェスティバルや「あったか冬物語」など、雪国らしい行事が続きます。しばれる(厳しく冷え込む)季節こそ、この町の人の温かさが身にしみる時期です。
滝上町のエリア別の顔

滝上町は、渚滑川沿いに開けた市街地を中心に、丘の上の花エリア、渓谷エリア、そして山あいの奥地へと表情が移り変わっていきます。旅の視点でざっくり分けると、4つの顔が見えてきます。どのエリアをどんな時に訪ねるといいか、順番に紹介しますね。
市街地エリア──旅の起点になる町の中心
渚滑川とサクルー川の合流点に開けた市街地は、役場や商店、道の駅が集まる町の玄関口です。コンビニ規模の店が点在するこぢんまりとした町並みですが、ここを拠点にすればどのスポットにも車ですぐ。旅の計画を立てたり、お土産を選んだりするのに向いたエリアです。
丘陵・花エリア──芝ざくらとハーブの主役舞台
市街地北部の小高い丘には、芝ざくら滝上公園と香りの里ハーブガーデンが広がります。滝上町観光のハイライトが集まる、いちばん華やかなエリアです。花の見頃に合わせて訪ねれば、丘を埋める色と香りに圧倒されますよ。
渓谷エリア──水と緑に癒される散策の場
市街地のすぐ脇を流れる錦仙峡一帯は、川音と滝、遊歩道が魅力の散策エリア。歩いてアクセスできる手軽さがあり、新緑や紅葉の季節は特にめんこい(愛らしい)風景に出会えます。のんびり自然に浸りたい人にぴったりです。
山間・奥地エリア──手つかずの自然に出会う場所
浮島湿原や陽殖園がある山あいの奥地は、人の手が届く範囲と手つかずの自然が静かに同居するエリア。市街地から車で走るほどに、深い森と静寂が広がっていきます。日常を離れてゆっくり自然と向き合いたい時に訪れたいエリアです。
滝上町の気候・季節の暮らし

滝上町は寒暖差の大きい内陸性の気候で、年平均気温は5.6℃、もっとも寒い1月の日平均は−8.3℃、もっとも暑い8月でも19.1℃です(出典:気象庁)。観測史上最低は−35.2℃を記録しており、特別豪雪地帯にも指定されています。夏は涼しく、冬は厳しい。そのメリハリが暮らしのリズムをつくっている町なんですよ。
夏──6月〜8月の暮らし
夏は8月の日平均でも19.1℃と涼しく、本州のような蒸し暑さとは無縁です(出典:気象庁)。日中は半袖でも、朝晩は一枚羽織りたくなる日が多くなります。
ハーブガーデンの香りがいちばん豊かになるのもこの季節。窓を開けて寝られる涼しさは、暑がりの人にはなまら(とても)ありがたい環境です。
秋──9月〜11月の暮らし
秋は錦仙峡の紅葉が見頃を迎え、町全体が赤や黄に色づきます。朝晩の冷え込みが日に日に強まり、10月には初雪を見る年も珍しくありません。
11月に入ると暖房の準備が本格化します。薪やストーブの灯油を備え、長い冬に向けて家じゅうが冬支度に入る時期です。
冬──12月〜3月の暮らし
冬は1月の日平均が−8.3℃まで下がり、朝には−30℃前後まで冷え込む日もあります(出典:気象庁)。特別豪雪地帯らしく雪も多く、除雪は冬の暮らしに欠かせない作業です。
朝、外に出ると鼻の奥がツンとするほどしばれる(厳しく冷え込む)日が続きます。ただ、家の中はしっかり暖房が効いていて、外の寒さとのギャップがこの町の冬の日常です。桜ヶ丘スキー場が開くのもこの季節です。
春──4月〜5月の暮らし
春は雪解けとともに一気に訪れます。4月下旬から5月にかけて雪が消え、5月中旬には芝ざくら滝上公園がピンクに染まります。
長い冬を越えた後に見る一面の花は、住んでいる人にとっても特別な景色。春の訪れを花の色で実感できるのが、この町の暮らしの楽しみです。
滝上町の移住・暮らし情報

人口2,145人の滝上町は、買い物も通院も町内でひと通り完結する、コンパクトな暮らしの町です。派手さはありませんが、子育て支援が手厚く、自然との距離が近い。「静かに、ていねいに暮らしたい」人に向いた環境なんですよね。ここでは住む視点で、暮らしの現実を見ていきましょう。
通勤・通学
町内に職場がある人が多く、役場・林業・農業・商店などが主な働き口です。鉄道が通っていないため、通勤・通学はもっぱら車。紋別市方面へ通う人も一定数いると考えられます。
住宅環境
民間の賃貸物件は数が非常に少なく、相場として公開できる明確な数値は見当たりません。住まいの中心は持ち家や公営住宅になると考えられます。
移住希望者向けには「ちょっと暮らし」住宅を使った移住体験などの仕組みも用意されています。まずは試しに住んでみてから判断できるのは安心ですよね。
買い物環境
町内にはスーパーや商店が点在し、日常の買い物は町内で済ませられます。まとまった買い出しや専門店を利用したいときは、紋別市や旭川市へ車で出かけるスタイルになると考えられます。
子育て・教育
子育て支援が手厚いのが滝上町の大きな特徴です。18歳までの子ども医療費を全額助成し、こども園の保育料は第2子が半額、第3子以降が無料です(出典:滝上町公式サイト)。
このほか出産準備金の助成や、商工会発行の商品券による子育て応援金、絵本のプレゼントなど、妊娠期から就学後まで切れ目のない支援が整っています(出典:滝上町公式サイト)。町内にはこども園と小学校、中学校があります。
医療環境
町内には滝上町国民健康保険診療所があり、日常の診療に対応しています。専門的な検査や入院が必要な場合は、紋別市や旭川市の医療機関を利用することになると考えられます。
エリア別の暮らし視点
中盤では旅の視点でエリアを紹介しましたが、住む視点で見ると、生活の中心はやはり役場や道の駅のある市街地エリアです。買い物や手続きの導線がここに集約されています。
丘陵や渓谷沿い、山間の奥地は自然が近い分、車での移動が前提になります。日々の利便性を取るなら市街地、自然との近さを取るなら周辺部、という選び方になりそうです。
滝上町へのアクセス

滝上町は旭川市と紋別市の中間に位置し、移動の基本は車です。鉄道は通っていませんが、高速道路と都市間バス、近隣の空港を組み合わせればアクセスは十分可能です。主要ルートを交通手段ごとに見ていきましょう。
車でのアクセス
旭川紋別自動車道の浮島ICから芝ざくら滝上公園まで車で約50分、オホーツク紋別空港からも約50分が目安です(出典:HOKKAIDO LOVE!)。旭川からは高速を使って北上するルートが分かりやすく、町に入ったら市街地を起点に各スポットを回るのがスムーズです。
鉄道+バスでのアクセス
町内に鉄道は通っていないため、公共交通で向かう場合はバスが中心になります。JR旭川駅からは滝上までバスで約140分が目安です(出典:HOKKAIDO LOVE!)。
旭川と紋別を結ぶ都市間バスが滝上を経由し、町内の路線バスは北紋バスが運行しています(出典:北紋バス株式会社)。本数は限られるので、時刻表は事前に確認しておくと安心です。
飛行機でのアクセス
最寄りの空港は、隣接する紋別市のオホーツク紋別空港で、滝上までは車で約50分です。新千歳空港や旭川空港から入る場合は、レンタカーや都市間バスを乗り継ぐルートになります。
町内移動の現実的アドバイス
町内のスポットは市街地から車ですぐの距離にまとまっていますが、バスの本数が少ないため、観光でも移住の下見でも車があると一気に動きやすくなります。空港でレンタカーを借りて入るのが、いちばん現実的で快適な方法だと考えられます。
【地元住民に直撃!】滝上町の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。
芝ざくら滝上公園で、花の手入れや植え替えをやってる者です。雑草取りから株分けまで、丘の芝ざくらを毎日いじってます。
春の見頃に合わせて冬から準備するんですわ。10万平方メートルの斜面、機械じゃ入れないとこも多くて、結局は手作業。地味だけど、咲いたときの景色見たら、やめられなくなるんですよ。
Q2.滝上町に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?
そりゃ芝ざくら滝上公園です。滝上観光の顔だし、丘の天辺の「幸せの鐘」まで登ると、ピンクの海と甘い香りに包まれてなまら(とても)いい眺めなんですわ。
あと地元の人間が好きなのは錦仙峡。市街地のすぐ脇なのに、川の音と木陰で空気がしんとしてて、夕方に歩くと心が落ち着くんですよ。滝上水源の清さがそのまま川に出てます。
Q3.滝上町でお土産を買うとしたらなんですか?
無難なとこだと、滝上で有名なものといえば和ハッカ。ハッカ油やハッカようじは道の駅でも観光のお客さんによう売れてます。
地元の人間がこっそり推すのは「月のチーズ」のクリームチーズですね。これがなまらうまくて、知らない人が多い。あと滝上観光の合間に、ハーブガーデンのハッカソフトも忘れずに食べてってほしいです。
Q4.外から人が来たときに、滝上町でまず連れていく店はどこですか?
ハーブガーデンの丘の上にあるフレグランスハウスですね。ハーブのパスタとかパン食べながら、窓から園内とミントの香りを楽しめる。あそこは外の人を連れてくと、まず喜ばれます。
がっつり腹減ってるときは道の駅のちょい食べコーナー。チーズやケーキを安く試せて、滝上のおすすめスポットの情報もそこで仕入れられるんですわ。
Q5.滝上町はどんな気質だと思いますか?
静かで、まじめな人が多いです。林業や農業で食ってきた町だから、コツコツ手を動かす気質が根っこにある。派手なことは苦手ですね。
そのぶん、よそから来た人にも構えずに接するあったかさがあります。町民センターや文化センターの行事に顔出すと、自然と名前覚えてもらえる。狭いからこそ、人の顔が見える町なんですよ。
Q6.昔に比べて、滝上町の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?
正直、人は減りました。2,000人ちょっとですからね。鉄道もとっくに無いし、店も昔より減って、子どもの声も少なくなった。寂しさは隠せないです。
ただ、芝ざくらと和ハッカっていう柱があるおかげで、観光のお客さんは来てくれる。町長はじめ、滝上観光をどう続けるか皆で本気で考えてる。萎んでくだけじゃないんですわ。
Q7.滝上町のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?
町が進めてる「童話村」のまちづくりですね。子どもらが将来の町を考えるワークショップとか、地に足ついた取り組みが続いてます。
新しいハコモノより、芝ざくら公園の夜間イルミネーションみたいな新しい見せ方に期待してます。運動公園や水源を生かした自然体験も含めて、この町らしさを残したまま人を呼べたら、それがいちばんですわ。

