えりも町(えりもちょう)は、北海道南東端・日高振興局管内に位置する、北海道主部の最南端の町です。1町で幌泉郡をなし、町名はアイヌ語の「エンルム」(岬の意)に由来します。札幌から高速バスで約4時間半。
えりも町の魅力を5つに凝縮すると、こうなります:
- ✅ 襟裳岬──風速10m/s以上の日が年間269日。森進一の名曲「襟裳岬」の舞台
- ✅ 日高昆布の主産地──えりも岬周辺の浜で水揚げされる100%天然昆布
- ✅ ゼニガタアザラシ約1,000頭が定住する日本最大の生息地
- ✅ 豊似湖(ハート型の湖)──石屋製菓「白い恋人」CMで一躍有名に
- ✅ えりも短角牛──潮風を浴びて育つ赤身肉の名牛
「自然のスケール感を体感したい旅行者」「漁師町の食文化に触れたい人」「人とほどよい距離感で暮らせる移住先を探している人」に特におすすめの町。本記事では、観光・特産・歴史から、地元住民への電話ヒアリングで聞いた生の声、移住・アクセス情報まで地元目線で紹介します。
| 人口 | 3,872 人 ※2026年4月30日時点(住民基本台帳) |
|---|---|
| 面積 | 284.00 km² |
| 人口密度 | 13.6 人/km² |
地理的には、えりも町は北側で様似町に、東側で十勝総合振興局管内の広尾町に接しています。日高山脈の南端が太平洋に落ち込む位置にあり、町の海岸線は約53.8kmに及びます。
鉄道は通っておらず、2021年の日高本線(鵡川駅~様似駅間)廃止以降、最寄り駅は鵡川駅となっています。アクセスは国道336号と高速バス「高速えりも号」(札幌~えりも)が主軸です。
火山・温泉といった派手な観光資源はありません。けれど「日本一の風」「日本最大のアザラシ生息地」「天然100%の日高昆布」と、この小さな町にしかない要素が浜と山に詰まっています。ひとつずつ見ていきましょう。
えりも町の推しポイント

えりも町を一言で言えば「風と昆布とアザラシの町」。日高山脈の南端が海に消える地形が、強風・好漁場・独特の生態系を同時に生み出しています。岬の劇的な景色だけでなく、ハート型の湖、潮風で育つ短角牛、戦後の砂漠化から町ぐるみで森を取り戻した「えりも式緑化」のドラマまで、ここでしか味わえない要素がぎゅっと詰まっています。順番に深掘りしていきます。
推しポイント1:襟裳岬──風速10m/s以上が年間269日
日高山脈が太平洋にそのまま沈み込む岬で、岩礁が約2km沖まで続きます。襟裳岬では風速10m/s以上の日が平均で年間269.0日と、日本でも屈指の強風地帯。展望施設「風の館」では風速25mのえりも風を体験できるコーナーもあって、立っているだけでなまら(とても)足腰にきますよ。
推しポイント2:日高昆布の主産地
えりも岬周辺の浜で水揚げされる日高昆布は100%天然もの。波がダイナミックで養殖に向かない太平洋沿岸で、1~2人乗りの小舟が日の出とともに出港し、家族総出で干場に並べていきます。スーパーの昆布売り場で見かける「日高昆布」の多くは、この町の浜から来ています。
推しポイント3:ゼニガタアザラシ約1,000頭の楽園
日本沿岸で唯一定住しているアザラシで、襟裳岬には約1,000頭が暮らしています。風の館の展望台から望遠鏡で一年中観察でき、岩礁の上で日向ぼっこする姿は、見ていて飽きないですよ。日本最大の生息地です。
推しポイント4:ハート型の湖「豊似湖」
日高山脈の山中にひっそりと佇む、上から見るとハート型をした周囲約1kmの湖。石屋製菓「白い恋人」のCMで一躍有名になりました。日高山脈襟裳十勝国立公園内にあり、希少な生物も多く生息しています。
推しポイント5:えりも短角牛──潮風を浴びる赤身肉
襟裳岬を望む放牧地で、太平洋からの潮風を浴びて育つ日本短角種。脂が少なく赤身の旨味が濃いのが特徴です。ファームレストラン「守人(まぶりっと)」では牛丼・ステーキ・焼肉と幅広く味わえます。
えりも町の歴史

えりも町の歴史は、江戸期の松前藩による商場(あきないば)の設置から始まり、明治の町村制施行、そして昭和の「えりも式緑化」と、海と山に翻弄され続けた歩みです。砂漠化した岬を町民と林野庁が半世紀かけて緑に戻したストーリーは、NHK「プロジェクトX」でも放送されました。時代を3つに分けて見ていきます。
江戸期──昆布漁場としての始まり
1669年(寛文9年)、松前藩士の蛎崎蔵人がこの地に商場を置きました。その後、昆布の漁場として栄え、現在まで続く日高昆布産地の基礎が形成されました。住吉神社や襟裳神社の境内には、江戸時代建立の石碑群が今も残っています。
明治・大正──町の骨格ができた時代
1880年(明治13年)に戸長役場が設置され、行政機構が整いました。1889年(明治22年)には襟裳岬灯台が点灯。1906年(明治39年)には二級町村制が施行され、幌泉村役場が設置されました。村の名前は江戸期の地名「幌泉」を継承したものです。
昭和・現代──緑化と町名改称
1959年(昭和34年)1月1日、幌泉町として町制を施行。林野庁は1953年から襟裳岬の治山事業を開始し、伐採と放牧で砂漠化した山に「ゴダ」と呼ばれる雑海藻を敷き詰めて牧草を生やす独自の緑化を進めました。1970年(昭和45年)10月1日、町名をえりも町に改称。1974年には森進一の楽曲「襟裳岬」が日本レコード大賞を受賞し、町の名が全国区となりました。2001年(平成13年)、緑化の取り組みがNHK「プロジェクトX〜挑戦者たち〜」で放送されています。
えりも町の文化・風習

方言と話し方の特徴
えりも町の言葉は、北海道海岸部に広がる「浜言葉」の流れを汲んでいます。津軽弁にも近い独特の語尾と、微妙な濁点・促音が混ざるのが特徴。漁師町らしく語気は強めですが、聞き慣れるとなまら(とても)温かい響きなんですよ。別れ際の「したっけ(それじゃあ・じゃあね)」は道民共通のあいさつで、えりもでも普通に使われています。
食卓と季節の暮らし
夏は8月の平均最高気温が19.9℃と、本州の感覚からするとびっくりするほど涼しいんですよ。海霧(じり)が日常的に発生するため、観測史上の最高気温ですら28.5℃。一方で冬は北海道にしては温和で、-10℃以下を観測しない年もあります。食卓には日高昆布を使った昆布巻きやだし、秋には秋サケ、春にはえりもうにと、季節ごとに浜のごちそうが並びます。
人の気質と地域のつながり
漁師町らしく、人と人の距離が近いのがえりもの空気感。出生率は1.91人(北海道内トップクラス)と道内でも子どもが多い町で、「浜の母さん料理教室」のように世代間で食文化を継承する取り組みも活発です。地元の人いわく、初めて会った人にも「飯食ってけ」と言いたくなる気質らしいですよ。
祭りと年中行事
4月下旬の「えりもうに祭り」、8月14日~16日の「えりもの灯台まつり」、10月第1日曜日の「えりも海と山の幸フェスティバル」が町の三大行事です。とくにうに祭りと海山フェスは、地元の海産物・短角牛・農産物が一堂に揃う日。したっけ(それじゃあ)、次は特産品の話にいきましょう。
えりも町の特産品・食

特産品1:日高昆布
えりも岬の東から西にかけて23の浜で水揚げされる、100%天然の日高昆布。漁期は7月解禁、9月まで続きます。長いもので13mにもなる昆布を1人~2人乗りの小舟で引き上げ、小石を敷き詰めた干場(かんば)で1枚ずつ天日干しに。細すぎず広すぎないちょうどいい幅と、やわらかく出汁がよく出る性質で、関東を中心に「昆布巻き」「おでん」「煮物」の定番として親しまれています。出汁を取った後の「出汁がら」も使いやすいのが、料理する側からするとなまら(とても)ありがたいんですよ。
特産品2:えりも短角牛
日本短角種を、襟裳岬の放牧地で潮風を浴びさせながら育てるのがえりもスタイル。赤身の旨味が濃く、脂はあっさり甘めで胃にもたれません。旬は通年で楽しめますが、放牧から戻る秋から冬にかけてが脂のりが最高。ファームレストラン「守人(まぶりっと)」では、牛丼・ステーキ・ハンバーグ・焼肉と全方位で味わえます。「短角」という言葉は東北のお国言葉で放牧管理人を指す「守人(まぶりっと)」と結びついており、店名の由来にもなっています。
特産品3:えりもうに(エゾバフンウニ)
4月下旬の「えりもうに祭り」が解禁の合図。襟裳岬周辺は日高昆布が豊富に育つ海で、その昆布を食べて育つウニは身が濃く、甘みが強いんですよ。生で軍艦巻きにするのもいいですし、塩水パックを開けてそのままご飯にどさっとのせる「うに丼」は、地元ならではの贅沢な食べ方。シーズン中はうに祭りで生うに丼を求めて行列ができます。
特産品4:秋サケ
えりもの定置網漁の主役。9月~11月が旬で、町の港にはこの時期、銀色に輝くサケが次々と水揚げされます。地元では塩焼き・ちゃんちゃん焼き・サケの昆布巻き(日高昆布と合体!)と食べ方も多彩。秋鮭の卵で作るいくらの醤油漬けも、家庭の保存食として欠かせません。「浜の母さん」たちが小学校で料理教室を開き、世代を超えて食文化が受け継がれています。
えりも町の観光スポット

えりも町の観光は、岬・浜・湖・牧場と「自然のテーマパーク」みたいな構成になっています。襟裳岬を中心に半径20km圏内に主要スポットが集まっているので、車があれば1日で巡りきれるのが嬉しいところ。ゼニガタアザラシ、ハート型の湖、日本最長クラスのトンネルがある国道と、「ここでしか体験できない」要素を順番にご案内します。
絶景と自然を体感するスポット
- 襟裳岬 – 日高山脈が太平洋に沈み込む岬で、岩礁が約2km沖まで続きます。風速10m/s以上の日が年間269.0日と、日本屈指の強風地帯。岬に立つと髪が真横に流れ、耳のそばで風がうなる音が止まりません。2010年に国指定名勝「ピリカ・ノカ(美しい形)」にも指定された絶景スポットで、初日の出を見に来る人も多いんですよ。岩礁の上で日向ぼっこするゼニガタアザラシも双眼鏡で確認できます。
- 襟裳岬 風の館 – 強風地帯の風をテーマにした博物館で、灯台の灯りを遮らないよう地下に埋め込まれた独特な構造。風速25m/sの風を体験できるコーナーはなまら(すごく)強烈で、まっすぐ立つことすらできません。所要時間は約1時間。営業時間は5月~8月が9:00~18:00、3月~4月と9月~11月が9:00~17:00、12月~2月は冬期休館。入館料は大人・大学生300円、小・中・高校生200円、幼児無料。展望室の望遠鏡でゼニガタアザラシを観察できるのもここの魅力です。
- 豊似湖 – 日高管内で唯一の自然湖で、上から見るとハート型をした周囲約1kmの神秘的な湖。標高約260mに位置し、針葉混交林の巨木に囲まれています。湖畔を一周する約1kmの散策路は夏は深緑、秋は紅葉が湖面に映り込んで息をのむ美しさ。石屋製菓「白い恋人」のCMで一躍有名になりました。アクセスは国道336号から猿留川沿いの林道に入りますが、未舗装の砂利道で冬期は除雪されないため、訪問は雪のない5月~11月頃がおすすめです。
- 百人浜 – 襟裳岬から東に約7kmの位置に広がる、えりも町まで続く長大な砂浜。南部藩の御用船が難破して百人が亡くなった伝説が地名の由来で、駐車場横には供養のための「一石一字塔」があります。砂浜の風紋、緑化事業の観察塔から見る360°パノラマ、悲恋沼の静けさと、寂しさと壮大さが同居する場所。風の強い日に歩くと砂が顔に当たりますが、ここでしか味わえない孤独感がいいんですよ。
味と暮らしを感じるスポット
- えりも短角王国 守人(まぶりっと) – 襟裳岬を望む高橋牧場が運営するファームレストラン&ファームイン。潮風を浴びて育つえりも短角牛の牛丼・ステーキ・ハンバーグが味わえます。併設の焼肉ハウス「短々」では焼肉も。窓の外に短角牛の放牧地と太平洋が広がる席で食べる赤身肉は、脂のあっさり感と肉の旨味のバランスが絶妙。宿泊用の部屋もあるので、夕方に岬を眺めながら短角牛を堪能するプランもおすすめです。
- えりも岬観光センター – 襟裳岬の駐車場に隣接する観光・お土産・食事の複合施設。活ウニ丼、焼き魚定食、お刺身定食、そして日高昆布のだしが効いた「えりもラーメン」が名物。大型観光バスも立ち寄る広い館内には生け簀もあり、新鮮な魚介をその場で楽しめます。海産物の地方発送も可能なので、岬を見たあとお土産まで完結する便利スポット。営業時間は夏期8:00~18:00、冬期9:00~17:00。
- 郷土資料館ほろいずみ・水産の館 – えりも町本町にある資料館で、町の歴史・文化・日高昆布漁の道具などを展示。コンブの生態や町の自然について学べる施設で、地元の子どもたちが学習で訪れることも多いです。観光客向けにも分かりやすく構成されていて、岬を見る前に立ち寄ると襟裳岬の景色がいっそう深く見えるんですよ。
ドライブで通る道そのものが観光資源
- 黄金道路 – えりも町庶野から十勝総合振興局広尾町に至る国道336号の通称。日高山脈と太平洋に挟まれた断崖絶壁に沿って走る道路で、「黄金を敷き詰めるかのごとく建設費用がかかった」ことが名前の由来です。途中にあるえりも黄金トンネルは延長4,941mで、北海道内の道路トンネルでは最長。海と崖がせまる景色は、運転する側も助手席側もずっと窓に張り付いて見ていたくなるドラマチックさです。
- 襟裳岬灯台 – 1889年(明治22年)に点灯した、岬のシンボル。風の館の隣に立つ白い灯台は、襟裳岬の写真にほぼ必ず写り込む存在です。背景に岩礁と水平線、頭上に高い空。シンプルな構図ながら、ここで撮った写真が一番「えりもらしい」一枚になります。日没前後の光のなかで撮るのが特におすすめ。
えりも町の観光ルート

えりも町は鉄道がなく、観光の主役は完全に「車」。襟裳岬を中心に、北は本町市街、東は庶野・黄金道路、内陸は豊似湖、と道筋が分かれます。半日でサクッと巡るか、丸1日かけて広域まで足を伸ばすかで全然違う旅になるので、3パターン用意しました。
【車・半日】岬と風と海の幸ルート
札幌や帯広から来た日に、夕方までで岬周辺だけを押さえたい人向けの王道半日コース。
13:00 えりも町本町市街 → 13:20 襟裳岬・風の館(車20分)→ 14:30 えりも岬観光センターでうに丼ランチ → 15:30 襟裳岬灯台 → 16:00 出発地点へ戻る
①襟裳岬・風の館(滞在60分)
→ まず屋外で岬の風を体感してから、風の館で風速25m/sの強風体験へ。屋内展望室の望遠鏡でゼニガタアザラシを探すのも忘れずに。アザラシは午前中より昼以降の方が岩礁に上がっていることが多いと考えられます。
②えりも岬観光センター(滞在45分)
→ 岬を見たあとに食べる活ウニ丼や日高昆布だしのえりもラーメンは、海の風で冷えた体になまら(とても)しみますよ。お土産もここで購入。
③襟裳岬灯台(滞在15分)
→ 食後に夕方の柔らかい光のなかで写真撮影。岬・灯台・海・空が一枚に収まる構図はここでしか撮れません。
【車・1日】えりも町まるごと1日ルート
本町市街を起点に町内のハイライトを順に巡る、1日コース。
9:00 えりも町本町市街 → 9:30 郷土資料館ほろいずみ・水産の館(車5分)→ 10:30 豊似湖(車50分・林道)→ 12:30 短角王国 守人で短角牛ランチ(車40分)→ 14:00 襟裳岬・風の館 → 15:30 百人浜(車20分)→ 16:30 黄金道路ドライブ → 17:30 庶野エリア到着
①郷土資料館ほろいずみ・水産の館(滞在60分)
→ 朝のうちにえりも町の予習。日高昆布漁の道具と緑化事業の歴史を頭に入れておくと、後で見る景色の意味がぐっと深まります。
②豊似湖(滞在90分)
→ 林道は未舗装なので車高に注意。湖畔の散策路を一周しながら、北海道で最も静かな水面のひとつをのんびり眺めます。午前中の方が湖面が穏やかで、紅葉や緑が鏡のように映り込みます。
③短角王国 守人(滞在60分)
→ 牧場・太平洋・短角牛が全部視界に入る贅沢ランチ。赤身の濃さをしたっけ(じゃあ)次の岬で消費するぞ、という気持ちになります。
④襟裳岬・風の館(滞在90分)
→ 昼下がりは光が斜めに入って岩礁の陰影が美しく、ゼニガタアザラシの観察にもベストタイム。
⑤百人浜&黄金道路(滞在合計60分)
→ 締めくくりは長大な砂浜を歩いてから、断崖に沿う黄金道路をドライブ。延長4,941mのえりも黄金トンネルを抜ければ、十勝へと続く広尾町方面の海岸線が広がります。
【車・1日】広域ルート:日高沿岸・アポイ岳ジオパーク連携
えりも町と隣接する様似町・浦河町を1日で巡る、日高南部ぐるり広域ルート。
9:00 浦河駅前 → 9:50 アポイ岳ジオパークビジターセンター・様似町(車50分)→ 11:30 えりも町本町 → 12:00 短角王国 守人でランチ → 13:30 襟裳岬・風の館 → 15:00 百人浜 → 16:00 黄金道路 → 17:00 広尾町到着
①アポイ岳ジオパークビジターセンター(滞在60分)
→ 様似町のアポイ岳は、日高山脈の高山植物が低標高で見られる世界ジオパーク認定エリア。えりも町の襟裳岬と地続きの「日高山脈の南端」を、内陸側と海側の両方から味わえます。
②えりも町中心部・短角王国 守人(滞在60分)
→ ジオパーク学習のあとに食べる短角牛は格別。海と山の対比がそのままお皿に乗ってくる感じです。
③襟裳岬・風の館(滞在90分)
→ 「日高山脈の南端が太平洋に沈み込む」スケールを実感。アポイ岳の山並みが続いた先がここだ、と思うとひと味違って見えます。
④百人浜~黄金道路(滞在合計90分)
→ 砂浜を歩いてから黄金道路で広尾町方面へ。広尾町からはJR北海道バス日勝線で帯広方面、または逆方向で帰路に。
えりも町の年間イベント

えりも町の年間イベントは、海の恵みを軸にきれいに3つに分かれます。春のうに、夏の灯台まつり、秋の海と山の幸。どれも漁協・町・地元住民が一体で作り上げる行事で、観光客と町民の距離がなまら(とても)近いのが特徴です。日程は年により変動するため、訪問前に公式サイトで確認してください。
春:えりも うに祭り(4月下旬)
日高昆布を食べて育った甘み濃厚な「春うに」を主役にした、えりも漁業協同組合主催の大型イベント。例年4月下旬の日曜日に、えりも町スポーツ公園運動広場で開催されます。会場は朝9時前から殻付きうにを求める行列ができ、整理券配布の合図が出るとあちこちから「来たぞ来たぞ!」の声。うに丼、つぶ焼き、魚々(とと)ラーメン、タコ飯と「浜の母さん」の屋台が並び、ミニバーベキュー台の有料貸し出しもあるので、買った海産物をその場で炙って食べられます。じゃんけん大会で勝つと「うにのつかみ取り」の権利が得られるなど、参加型企画が多いのも魅力です。
夏:えりもの灯台まつり(8月中旬)
例年8月14日~16日のお盆期間に開催される、町最大の夏祭り。襟裳岬灯台にちなんだ名前で、お盆で帰省した町民と観光客が入り混じってお祭り広場が膨らみます。屋台の日高昆布だしの焼きそばや海鮮串、夜空を彩る花火(2025年は8月15日に第50回開催)と、潮の匂いと火薬の匂いが混じる夏の夜はしたっけ(それじゃあ)忘れがたい一夜になりますよ。漁師町ならではの威勢の良いかけ声も健在です。
秋:えりも海と山の幸フェスティバル(10月第1日曜日)
毎年10月の第1日曜日に開催される、町の収穫感謝祭。会場には生鮭などの海の幸、えりも産の黒毛和牛・短角牛・エゾシカ肉、野菜などの山の幸が一堂に並び、市価より格安で販売されます。一番人気は特設いけすの「サケのつかみどり大会」。先着500名に抽選券が配られ、当選100名が長靴を履いていけすに入り、暴れる鮭と格闘する姿は見ているだけで盛り上がります(参加費1人500円)。景品が当たる無料の餅まき、えりも高校生による伝統芸能「駒踊り」、町民吹奏楽団の演奏と、町の人の顔がよく見える1日です。
冬・初日の出:襟裳岬で迎える元旦(1月1日)
えりも町の冬は雪が少なく-10℃以下になることも稀。観光イベントとしては、毎年1月1日の早朝、襟裳岬で初日の出を拝むのが恒例です。普段は冬期休館の風の館も、この日のために午前5時から午前8時まで臨時オープン。岩礁の先からのぼる荘厳な初日の出を、ガラス張りの展望室から暖かく眺めることができます。岬の先端で風に煽られながら待つか、館内でぬくぬく待つかは好みで選べるのが嬉しいところ。
えりも町のエリア別の顔

えりも町は1町で幌泉郡をなしており、町内はおおきく「本町・新浜エリア(中心市街)」「えりも岬エリア(観光の核)」「庶野・目黒エリア(東部・黄金道路の入口)」「笛舞・東洋エリア(漁村集落)」の4つに分かれます。それぞれ顔つきがまったく違うので、目的に合わせて立ち寄り方を変えるのが旅のコツです。
本町・新浜エリア──町の心臓部、グルメと買い物の拠点
えりも町役場、えりも漁業協同組合、郵便局、商店、寿司屋や居酒屋が集まる中心市街。えりも町を訪れる人がまず通るのがこのエリアです。ラーメンの百番、銀寿し、いさみ寿し、味処一條、瓢六、春香園など、地元客と観光客が入り混じる夜の小路は、漁師町らしい威勢のいい声が聞こえてきます。えりも うに祭りの会場「スポーツ公園運動広場」もこのエリア。観光の起点・補給拠点として使うのにちょうどいいですよ。
えりも岬エリア──観光の主役舞台
町の南端、襟裳岬を抱える観光の核心エリア。襟裳岬、風の館、襟裳岬灯台、えりも岬観光センター、短角王国 守人、ファームイン、旅館などが集まり、観光客にとっての「えりも」はほぼここを指します。日中は風と海の音、夜は満天の星と灯台の光のリズムだけ。「自然のスケールに圧倒されに行く」のが目的の人は、ここに最低1泊して朝の岬・夕方の岬・夜の岬を全部味わうのがおすすめです。
庶野・目黒エリア──黄金道路の起点、桜と海の景観
町の東部に位置し、国道336号「黄金道路」の起点となる集落。庶野には推定樹齢300年といわれる「夫婦桜」があり、春には桜目当てに片道何時間もかけて訪れる人もいます。目黒は集落としては小さいですが、廃校になった目黒小中学校の旧校舎を活用した飲食店(豊似湖の情報発信拠点を兼ねる)など、町の文化的な再生プロジェクトの舞台にもなっています。漁村の静けさと、断崖に挑む土木の壮大さを同時に味わえる、ちょっと玄人向けのエリアです。
笛舞・東洋エリア──暮らしと漁業の現場
笛舞、東洋、苫別、近浦といった集落が点在する、町の日常が息づくエリア。笛舞小・東洋小といった地域の小学校で「浜の母さん料理教室」が開かれたり、定置網漁の学習が行われたりと、漁業と教育が直結しています。観光名所が並ぶエリアではありませんが、海岸沿いをドライブすると、干場(かんば)に日高昆布がずらりと並ぶ夏の風景に出会えるかもしれません。漁師町の「素」の暮らしを覗きたい人にはこのエリアの散策がおすすめですよ。
えりも町の気候・季節の暮らし

えりも町の気候はひとことで言えば「夏は冷たく、冬は穏やか、風はいつでも強い」。ケッペンの気候区分では西岸海洋性気候(Cfb)に属し、北海道の中でも年較差が小さい特殊な地域です。8月の平均最高気温は19.9℃と、富士山頂を除く全国の気象官署・アメダスでは釧路町知方学と並んで日本一低く、観測史上最高でも28.5℃(2023年8月27日)。一方、冬はマイナス10℃以下を一度も観測しない年もあります。襟裳岬は風速10m/s以上の日が年間269.0日と、風はとにかく強いんですよ。
春(3月〜5月)──桜と海霧、うにの季節
3月~4月は道内では雪解けが早い方で、5月上旬~下旬には庶野さくら公園で桜が満開を迎えます。風はまだ冷たく、4月下旬のえりも うに祭りの日も上着が手放せません。5月以降は海霧(じり)が日常的に出始め、町全体がふわっと白く包まれる朝が増えます。霧の中から漁船が出ていく姿は、えりもらしい春の風景です。
夏(6月〜8月)──ストーブ不要だが扇風機も不要
本州が猛暑でうだっている時期、えりもの8月の平均最高気温は19.9℃。なまら(とても)涼しいというより、肌寒い日すらあります。海霧が頻発するため、日差しを期待しての海水浴向きではありません。ただし湿度が低く風が強いので、室内で扇風機を回す必要もほぼなし。長袖と薄手のウインドブレーカーがあると安心です。日高昆布漁が解禁される7月以降は、町中の干場(かんば)に昆布が並ぶ夏らしい風景が広がります。
秋(9月〜11月)──秋鮭と紅葉、風と長い夕暮れ
9月~11月はえりもが最も穏やかで景色が美しい季節。豊似湖の紅葉は10月中旬~下旬がピークで、湖面に朱や黄金が映り込みます。秋鮭の定置網漁が最盛期を迎え、町の港に銀色のサケが次々と水揚げされる時期。10月第1日曜日のえりも海と山の幸フェスティバルは、町民総出の収穫祭です。日没が早まり、岬で夕日を見ると風の冷たさで一気に冬支度モードに切り替わります。
冬(12月〜2月)──雪は少ないが、風が容赦ない
北海道らしくない冬、というのが移住者の正直な感想として多く語られています。-10℃以下を観測しない年もあり、雪も内陸の旭川や帯広に比べれば圧倒的に少なめ。ただし風は容赦なく、襟裳岬の風速10m/s以上の日は冬期間に集中します。雪自体が少なくても、横殴りの風で体感温度が一気に下がるため、防風性の高いアウターは必須です。「しばれる(厳しく冷え込む)」というよりは「風で冷やされる」感覚の冬なんですよ。
えりも町の移住・暮らし情報

えりも町は人口3,872人(2026年4月30日時点)、面積284.00km²、人口密度13.6人/km²の小さな漁業の町。出生率1.91人と北海道トップクラスで、子育て世帯にとってのポテンシャルは数字に表れています。漁業・水産加工・観光・短角牛畜産が暮らしと仕事の中心。札幌までは高速バスで約4時間と、都会の便利さからは距離がある町です。それでも、ここで暮らす人の表情は穏やかなんですよね。
通勤・通学
町内に鉄道は通っておらず、通勤・通学は車が基本。多くの町民が漁業協同組合、水産加工場、町役場、JAひだか東、医療機関などに勤務しており、通勤時間は10〜20分程度と短いのが特徴です。高校は町立えりも高校が1校、中学校1校、小学校5校(えりも・えりも岬・庶野・東洋・笛舞)と、小さい町ながら教育機関は地域ごとに揃っています。隣の様似町、浦河町まで通う人もいますが、その場合は車で30分〜1時間ほどかかります。
住宅環境
賃貸物件は大手ポータルサイト(SUUMO、LIFULL HOME’S)にもほとんど掲載がなく、家賃4万円以下の物件は見つからないことも多いです。住宅の確保ルートとして頼りになるのがえりも町が管理する「公営住宅」「町営住宅」「目黒町営住宅」「みなし特定公共賃貸住宅」。町営住宅については収入制限がなく、単身でも入居可能というのが大きな特徴です。空き家活用や地元不動産との直接交渉も移住者の現実的な選択肢になります。
買い物環境
町の中心市街・本町エリアにスーパー、コンビニ、ドラッグストア、商店が集まっています。日常の食料・日用品は町内で完結しますが、家電・家具・ファッションなどの専門店は隣接の様似町、浦河町、さらに帯広市まで足を延ばす人が多い印象です。逆に魚介類はえりも漁業協同組合直営の販売や港の朝市でなまら(とても)新鮮なものが手に入るので、ここに住む醍醐味のひとつ。
子育て・教育
出生率1.91人は北海道No.1で、子育て支援制度も手厚いのが特徴です。具体的には、第1子出産時に3万円・第2子以降に5万円が支給される「すこやか赤ちゃん誕生祝金」、中学3年生以下の医療費負担分を地域商品券で還元する制度、乳幼児医療費助成、妊婦健診費用助成、健診・出産時の交通費助成などがあります(詳細はえりも町公式サイトで要確認)。小さい町ならではの世代を越えた見守りもあり、町ぐるみで子どもを育てる雰囲気が残っています。
医療環境
町内にはえりも町国民健康保険診療所があり、日常の医療はここで対応します。専門治療や入院が必要な場合は、浦河町の浦河赤十字病院や帯広市の総合病院に通うのが現実的。緊急時の搬送体制は日高東部消防組合えりも支署が担っています。「すぐに大病院」という都市の感覚ではなく、「かかりつけ+必要に応じて隣町へ」というスタイルに慣れる必要があると考えられます。
エリア別の暮らし視点
住むエリアの選び方は、求める生活感によって変わります。利便性重視なら本町・新浜エリア。役場・スーパー・診療所・郵便局が徒歩圏内で、町営住宅の選択肢も多めです。自然との距離重視ならえりも岬・東洋エリア。観光客の動線上にあり、岬・牧場・海が日常風景に入る贅沢な暮らしが可能です。漁業に関わるなら笛舞・近浦・庶野エリアがしっくりきます。漁村集落の人付き合いが濃く、子どもがいる世帯は世代間の見守りに恵まれます。内陸の目黒エリアは集落としては小さいですが、廃校活用カフェなど町の文化的再生の現場で、静かに暮らしたい人向きです。
えりも町へのアクセス

えりも町は鉄道が通っていないため、外からのアクセスは「車」または「高速バス」が2大ルートです。札幌からは高速バスで約4時間、新千歳空港から車で約3時間30分、苫小牧から車で約1時間と、決して近くはありませんが、ルート選びさえ間違えなければスムーズに到達できます。
車でのアクセス
札幌方面からは、道央自動車道苫小牧東IC経由で日高自動車道日高厚賀ICへ。そこから国道235号・国道336号を南下してえりも町本町市街地まで、所要時間は約3時間20分(距離約235km)です。新千歳空港からは約200km・約3時間30分。苫小牧からは約1時間。本町市街地から襟裳岬・風の館までは道道34号(襟裳公園線)で車約20分です。日高自動車道は伸長中で、年々アクセスが改善されています。
高速バスでのアクセス
札幌からはジェイ・アール北海道バス「高速えりも号」が1日1往復、所要時間約4時間、運賃4,040円。札幌駅前発15:00→えりも着19:22、えりも発6:00→札幌駅前着10:15(冬期12月~3月は10:35着)が基本ダイヤです。苫小牧方面からは「特急とまも号」が運行しており、苫小牧駅発14:00→えりも着17:50、運賃3,190円。いずれも予約制で、予約はJR北海道バス様似営業所(TEL 0146-36-3432・受付10:00~17:00)または札幌駅前北三条店で受付しています(ネット予約不可)。
鉄道+バスでのアクセス
2021年4月1日に日高本線(鵡川駅~様似駅間)が廃止されたため、最寄りのJR駅は鵡川駅になりました。鉄道で行く場合は、苫小牧駅から日高本線で鵡川駅へ向かい、そこからジェイ・アール北海道バス日勝線でえりも町へ。乗り換えが複数発生するため、所要時間は5時間以上かかることもあり、高速バス利用の方が現実的です。様似駅(バス停)から襟裳岬・風の館までは日勝線で約50分、「えりも岬」バス停下車徒歩5分です。
飛行機でのアクセス
最寄りの空港は新千歳空港。空港からえりも町本町市街地までは車で約3時間30分(約200km)。空港でレンタカーを借りて南下するのが定番ルートで、道中の道の駅や太平洋沿岸の景色も楽しめます。バス利用の場合は、新千歳空港→札幌駅または苫小牧駅でいったん「高速えりも号」「特急とまも号」に乗り継ぐ必要があるため、空路+陸路の組み合わせなら車(レンタカー)が断然便利です。
町内移動の現実的アドバイス
町内には日交ハイヤーえりも営業所のタクシーがありますが、観光客が複数スポットを巡るならレンタカーが圧倒的に便利です。とくに豊似湖までの林道は未舗装で冬期通行止め、黄金道路は長距離ドライブで景色が連続的に変わるため、自分のペースで止まれる車移動が向いています。したっけ(それじゃあ)、岬・湖・砂浜・牧場と1日で巡るプランも、車があれば余裕で組めますよ。バスで来た人向けには、襟裳岬まではえりもバスターミナルからタクシーで15分程度の選択肢もあります。
【地元住民に直撃!】えりも町の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。
もう40年近く、この町で昆布漁師やってます。えりも町のえりも岬周辺の浜で、夏場は日高昆布を採ってますよ。
うちは親父の代からの家業でね。1~2人乗りの小舟で日の出と一緒に沖に出て、岩に張り付いた昆布を引っこ抜く。なまら(とても)重労働だけど、これが代々続いてきた仕事だわ。
息子もいま手伝ってくれてて、家族総出で干場に並べてます。「浜の母さん」って言葉あるけども、まさにそれで一族郎党動かないと回らんのよ。
Q2.この街に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?
まずはえりも町観光の顔である襟裳岬と、その隣の風の館だべな。風速25m/sの体験ができる施設だけど、外に出りゃ普段からあれくらい吹いてっから、まあ町民にとっちゃ「日常」だ。
地元の人間がしみじみ好きなのは百人浜。長い砂浜と緑化の観察塔があってさ。風紋の上を歩いてると、昔ここが砂漠だったって信じられんよ。先人が緑戻してくれたんだなと毎度しみるね。
あとはえりも町のおすすめスポットとして、内陸の豊似湖。ハート型でCMで有名になったけど、漁師仲間で紅葉時期に行くと、湖面に山が映ってまあ静かなもんですよ。
Q3.この市町村でお土産を買うとしたらなんですか?
そりゃまずえりも町の有名なものといえば日高昆布よ。岬観光センターで買えるし、出汁取ったあとの「がら」まで使えるから、料理する人には喜ばれる土産だね。
あとは短角牛のジャーキーとか加工品。襟裳岬の放牧地で潮風浴びて育った牛だから、赤身の旨味が濃いんだわ。ふるさと納税の返礼品にもなってる。
地元の人間が買うとしたら、漁協で売ってる「魚々(とと)ラーメン」って袋麺ね。昆布だしが効いてて、観光客はあんまり知らんけど、家でも食卓に出てくる味だよ。
Q4.外から人が来たときにまず連れていく店はどこですか?
岬の方まで来てくれた人なら、迷わず「守人(まぶりっと)」だな。高橋牧場がやってるレストランで、短角牛の牛丼やステーキ食わせてくれる。窓の外に放牧地と太平洋が広がる席があってね、肉と景色が一緒に来るのよ。
町中に泊まる人なら、いさみ寿しか銀寿し。地元の海で揚がったネタばっかり握ってくれる。観光価格じゃなくて漁師町の値段だから、これがありがたい。
ラーメンなら「ラーメンの百番」。昆布だしの効いたあっさり系で、ドライブ帰りの一杯にちょうどいいんだわ。
Q5.この市町村はどんな気質だと思いますか?
漁師町だから声はでかいし、酒もよく飲む。でも根は世話焼きでね。初めて来た人にも「飯食ってけ」ってすぐ言いたくなる人間が多いよ。
町長も町民もみんな顔見知りみたいなもんで、市町村民センターみたいな集会所に行きゃ誰かしらいる。情報が早いというか、隠し事できない町だわ。
子どもの出生率が道内トップだってのも、こういう距離感のおかげかもしれんね。えりも町運動公園で子ども走り回らせて、親同士はベンチで井戸端会議、みたいなのが普通の光景。
Q6.昔に比べて、街の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか
正直人は減ったね。わしらが若い頃は5,000人超えてたけど、いまは3,800人くらいだ。漁師の後継ぎも、昔ほど自動的にはつながらん。
ただ、緑が戻ったのは目に見えてる変化だ。えりも町の水源にもなってる山々がね、わしらが子どもの頃は禿げてて、砂が海に降って昆布がだめになってた。それを町ぐるみで戻したのは誇りだよ。
日高本線も2021年に廃止されて、駅もなくなった。寂しいけども、高速バスと車で何とか繋がってる。これからどうするかは、若いもんが考えていく番だな。
Q7.これから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?
一番期待してるのは日高自動車道の延伸ね。これが完成すりゃ、札幌・苫小牧との距離がぐっと縮まる。観光客も来やすくなるし、ウチらの海産物の出荷も楽になる。
あと豊似湖のヘリ遊覧みたいな、襟裳岬以外の魅力を売り出す動きが少しずつ出てきてるね。岬だけ見て帰っちゃう「瞬間通過型」を、町に泊まる旅に変えたいって町長も言ってるよ。
うち昆布屋としては、若い人が浜に戻ってきて欲しいねえ。漁協の女性部の料理教室みたいに、町の食を次の世代に渡す動きが続けばいいなと思ってる。

