外ヶ浜町(そとがはままち)は、青森県北部・津軽半島の北東部にある人口4,372人の町です。本州最北の岬のひとつ「竜飛崎」を抱え、青森市から車でおよそ1時間。
外ヶ浜町の見どころを5つに凝縮すると、こうなります:
- ✅ 竜飛崎──津軽半島最北端の岬。「津軽海峡・冬景色」の歌謡碑とごう音が名物
- ✅ 階段国道339号──車が通れない、日本で唯一の「階段になった国道」(362段)
- ✅ 青函トンネル記念館──ケーブルカーで海面下140mの体験坑道へ下りられる
- ✅ 大平山元遺跡──世界文化遺産。北東アジア最古級の土器が出土した縄文の地
- ✅ 蟹田は太宰治「津軽」ゆかりの港町。陸奥湾のホタテと春のシロウオが旬
「本州の北の果てに立ってみたい人」「鉄道や土木のスケールに興奮する人」「縄文や歴史をたどる旅が好きな人」に特におすすめの町です。この記事では、観光・歴史から、津軽弁や雪国の暮らし、特産の海の幸まで、町の素顔を順番に紹介します。
| 人口 | 4,372 人 ※2026年5月1日時点(推計人口) |
|---|---|
| 面積 | 230.30 km² |
| 人口密度 | 19 人/km² |
地理的には、南で蓬田村と接し、西は中山山脈(津軽山地)を隔てて中泊町・五所川原市と隣り合っています。最北端の三厩地区は今別町をまたいだ飛地で、海をはさんだ北側は陸奥湾。さらに青函トンネル(海峡線・北海道新幹線)の中では海底で北海道の福島町ともつながっています(出典:外ヶ浜町公式サイト)。
縄文・海・トンネル・歌の舞台と、この小さな町には本州の北の果てならではの見どころが詰まっています。ひとつずつ見ていきましょう。
外ヶ浜町の推しポイント

外ヶ浜町の魅力は、「北の果て」という立地に集約されています。津軽半島最北端の竜飛崎には、日本で唯一の階段国道や、海面下まで下りられる青函トンネルの記念館が集まり、旅情をかき立てます。一方で蟹田側には、世界遺産になった縄文遺跡や、太宰治が歩いた港町の風景が残ります。気になるポイントを順に見ていきましょう。
竜飛崎──津軽半島最北端、歌の舞台になった岬
竜飛崎は津軽半島の最北端にあり、津軽国定公園に含まれる景勝地です。岬の高台には、石川さゆりさんの「津軽海峡・冬景色」のヒットを記念して1996年に建てられた歌謡碑があり、ボタンを押すと曲の2番が大音量で流れます(出典:青森県観光情報サイト Amazing AOMORI)。海峡からの強い風に歌声が半分かき消されるのも、この場所ならではの体験ですよ。
階段国道339号──車が通れない、日本で唯一の「階段の国道」
竜飛崎を通る国道339号線は、岬下から灯台までが362段の階段になっています。これは日本で唯一の「階段国道」で、総延長は388.2メートル。車は通れませんが、歩いて上り下りできます(出典:外ヶ浜町公式サイト)。国の地図上では立派な「国道」なのに、実際は急な石段──という珍しさが、訪れる人を笑顔にします。
青函トンネル記念館──海面下140mへ下りる体験坑道
本州と北海道を結ぶ青函トンネルの工事を記念して建てられた施設です。目玉は、ケーブルカーで海面下140メートルの展示ゾーンへ下りる「体験坑道」。実際に工事で使われた作業坑を見学できます(出典:外ヶ浜町公式サイト)。トンネルの真上に立つと、足の下を新幹線が走っていると思うだけで不思議な気持ちになります。
大平山元遺跡──世界遺産になった縄文のはじまりの地
蟹田川沿いの段丘にある大平山元遺跡は、2021年7月に世界文化遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産として登録されました。ここから出土した無文土器は、放射性炭素年代測定でおよそ1万5,500〜1万6,500年前のものとされ、北東アジア最古級の土器として知られています(出典:世界遺産 北海道・北東北の縄文遺跡群)。旧石器時代から縄文時代へ移る「はじまり」を伝える、貴重な場所です。
蟹田と太宰治「津軽」──風の港町の文学散歩
蟹田は、太宰治が紀行小説「津軽」で訪れた港町として知られています。彼が友人と滞在した竜飛の奥谷旅館は、現在「龍飛岬観光案内所 龍飛館」として保存され、当時の部屋が再現されています。蟹田は風が強い土地でもあり、太宰が記した「風の町」という言葉は、いまも町のシンボルとして親しまれています。文学に触れながら歩くと、海風の冷たさまで物語の一部に思えてきますよ。
外ヶ浜町の歴史

外ヶ浜町の歴史は、大きく3つの時代に分けられます。約1万6千年前にさかのぼる縄文のはじまりの時代、海防の最前線となった江戸時代、そして3つの町村が一つになった平成の合併です。本州最北の地が、時代ごとにどんな役割を担ってきたのかを見ていきます。
縄文のはじまりを告げた大平山元遺跡
町の歴史は旧石器時代の終わりごろに始まります。蟹田川沿いの大平山元遺跡では、石器とともに北東アジア最古級の土器片が見つかり、人々が定住生活へ移っていく様子を今に伝えています。この遺跡は2013年に国の史跡に指定されました(出典:外ヶ浜町公式サイト)。サケやマスが遡上する川と、石器に適した石材が採れる立地が、人々の暮らしを支えました。
海を守った平舘台場と弘前藩の時代
江戸時代後期、津軽海峡に異国船が現れるようになると、この地は海防の最前線となりました。弘前藩は竜飛崎や高野崎などに台場(砲台)を築き、嘉永2(1849)年には平舘台場を構えました。平舘台場は青森県内では珍しく平地に造られた西洋風の台場で、2004年に県の史跡に指定されています(出典:外ヶ浜町公式サイト)。北の海を見張った人々の緊張が、土塁の跡からしのばれます。
現代──三町村合併で生まれた「外ヶ浜町」
1889(明治22)年の町村制施行で、蟹田村・平舘村・三厩村が誕生しました。その後、蟹田村は1941(昭和16)年に町制を施行して蟹田町となります。1988年には青函トンネルが開通し、海底を通る鉄路で北海道と結ばれました。そして2005(平成17)年3月28日、蟹田町・平舘村・三厩村が合併して現在の外ヶ浜町が発足します。三厩地区が飛地となっているのは、この合併の経緯によるものです。
外ヶ浜町の文化・風習

方言と話し方の特徴
このあたりで話されているのは、津軽地方の方言「津軽弁」です。初めて聞くと外国語のように感じる人も多いのですが、慣れると短くて温かい言葉なんですよ。たとえばわ(私)、な(あなた)、たげ(とても・すごく)、まいね(だめ)、せばだば(それじゃあ)、なげる(捨てる)、んだ(そうだ)など。なかでもあずましい(くつろげて心地よい)は標準語にぴったりの訳がない言葉で、温泉につかったときなどに「は〜、あずましい」と使います。意味を知って耳をすますと、町の会話がぐっと近く感じられますよ。
風とともにある食卓
食卓の主役は、なんといっても海の幸です。陸奥湾でとれるホタテは刺身でも焼いても甘みがあり、地元の市場や食事処で気軽に味わえます。春になると蟹田川にシロウオがのぼってきて、季節限定の料理が楽しめるのも、この町ならでは。冬は雪と風が厳しいぶん、温かい鍋や汁物を囲む時間が、家族の暮らしの中心になります。
雪国の暮らしと人の気質
外ヶ浜町は豪雪地帯に指定されていて、冬の寒さと雪は本州でも屈指です。一年の気温差・一日の気温差がどちらも大きい、大陸性の気候が特徴です。厳しい自然のなかで暮らしてきたぶん、人と人の距離が近く、声をかけ合って助け合う空気が残っています。海風の強い土地だからこそ、家の中の温かさやおしゃべりの時間が、よりいっそう大切にされているように感じられますよね。
外ヶ浜町の特産品・食

特産品1:陸奥湾産ホタテ
外ヶ浜の食といえば、まず陸奥湾で育つホタテです。冷たくきれいな海で育つので、貝柱は厚くて甘みが濃く、刺身にすると口の中でとろけます。旬は産地によって幅がありますが、焼いてしょうゆをたらせば香ばしく、フライにすればジューシー。地元の駅前市場や食事処では、ホタテを使った加工品もそろっています(出典:外ヶ浜町公式サイト)。新鮮なホタテをその場で頬張る贅沢は、海辺の町ならではですよ。
特産品2:シロウオ(春の風物詩)
春先になると、蟹田川にシロウオ(白魚に似た小さな半透明の魚)がのぼってきます。透き通った姿がなんとも涼やかで、地元では季節限定の料理として親しまれています(出典:外ヶ浜町公式サイト)。つるりとした口当たりとほのかな甘みは、まさに春そのものの味。雪どけの季節に町を訪ねたら、ぜひ味わってほしい一品です。
特産品3:米(まっしぐら・もち米)
海の印象が強い町ですが、川沿いの平地では米づくりも盛んです。青森を代表する品種「まっしぐら」をはじめ、もち米やもち米粉なども作られていて、地元市場ではもちあられや米粉の加工品が並びます。あっさりとした甘みのご飯は、濃いめの味の海の幸とよく合います。ホタテやシロウオをおかずに、炊きたてのご飯をかき込む――そんな食卓が目に浮かびますよね。
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外ヶ浜町の観光スポット

外ヶ浜町の見どころは、旧三町村にあたる蟹田・平舘・三厩の3エリアに、性格を変えながら散らばっています(出典:外ヶ浜町公式サイト)。北の果ての絶景もあれば、世界最古級の土器に出会える遺跡もある。まずはエリアごとに、押さえておきたいスポットを見ていきましょう。
三厩エリア──竜飛崎の絶景と物語
- 竜飛崎 – 津軽半島最北端の岬で、津軽国定公園に含まれます。晴れた日には海の向こうに北海道が見えます。風の強さは本州屈指で、岬に立つと「ここが北の果てなんだ」と体ごと実感できますよ。
- 階段国道339号 – 岬下から灯台までの362段が階段になった、日本で唯一の階段国道です。総延長は388.2メートル(出典:外ヶ浜町公式サイト)。地図上は立派な「国道」なのに実際は急な石段、というギャップに思わず笑ってしまいます。両脇のアジサイが咲く初夏が特におすすめです。
- 青函トンネル記念館 – ケーブルカー「もぐら号」で海面下140メートルの体験坑道へ下りられます。記念館入館料は大人400円・小人200円、体験坑道乗車券は大人1,200円・小人600円、セットは大人1,500円・小人750円。例年春〜秋の季節営業で、2026年度は4月17日に営業を再開しました(出典:青函トンネル記念館)。地下坑道のひんやりした空気と機械の重厚感は、ここでしか味わえません。
- 津軽海峡冬景色歌謡碑 – 竜飛崎の高台にあり、石川さゆりさんの「津軽海峡・冬景色」のヒットを記念して1996年に建てられました(出典:青森県観光情報サイト Amazing AOMORI)。ボタンを押すと曲の2番が大音量で流れます。海風に歌声が半分かき消されるのも、この場所ならではの体験です。
- 龍飛岬観光案内所「龍飛館」 – 太宰治が滞在した奥谷旅館を活用した施設で、当時の部屋が再現されています。太宰の足跡をたどりながら、北の港町の空気にひたれます。
- 義経寺(ぎけいじ) – 源義経が蝦夷地を目指したという「義経北行伝説」が残る浄土宗の寺です。長い石段を上ると、眼下に厩石と津軽海峡が広がります。すぐそばの厩石は、義経が祈ると現れた3頭の龍馬を繋いだ岩とされ、「三厩」という地名の由来になりました(出典:青森県観光情報サイト Amazing AOMORI)。
蟹田エリア──縄文と文学に出会う港町
- 大平山元遺跡・展示施設「むーもん館」 – 世界文化遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産で、北東アジア最古級の土器が出土した場所です。出土品は併設の「むーもん館」で見学でき、開館は9時から16時、月曜休館です(出典:外ヶ浜町公式サイト)。約1万6千年前の土器を前にすると、人類の暮らしの始まりに触れたような気持ちになりますよ。
- 風のまち交流プラザ「トップマスト」 – 地上30メートルの展望タワーから、陸奥湾と町並みを一望できます。館内では特産品やお土産を販売し、下北半島へ渡るむつ湾フェリーの乗船券も買えます(出典:外ヶ浜町公式サイト)。海から吹き上げる風の強さが、「風の町」蟹田を物語っています。
- 観瀾山公園(太宰碑公園) – 太宰治の文学碑が立つ、陸奥湾を見下ろす公園です。太宰が紀行小説「津軽」で蟹田を訪れた縁にちなんだ場所で、町民の憩いの場にもなっています。散歩しながら文学に思いをはせるのにぴったりですよ。
平舘エリア──松並木と灯台が続く歴史街道
- 松前街道松並木 – 江戸時代に松前藩が参勤交代で通った街道沿いに、樹齢約300年の黒松並木が約1キロメートル続きます。防風・防砂のために植えられ、今もその役割を果たしています(出典:青森県観光情報サイト Amazing AOMORI)。海沿いの老松の下を歩くと、当時の旅人の気分になれます。
- 平舘灯台 – 明治32年に点灯した西洋式の白い灯台で、高さは23メートル。かつて青函連絡船を見守ってきました(出典:青森県観光情報サイト Amazing AOMORI)。対岸の下北半島まではわずか10kmほどで、晴れた日は海越しの景色が気持ちいいですよ。
- 平舘台場跡 – 嘉永2(1849)年に弘前藩が海防のために築いた砲台跡で、2004年に青森県の史跡に指定されました(出典:外ヶ浜町公式サイト)。県内では珍しい平地の西洋風台場で、扇形の土塁が今も残ります。北の海を見張った緊張感が伝わってきます。
外ヶ浜町の観光ルート

外ヶ浜町は南北に長く、飛地もあるので、エリアを絞って回るのがコツです。竜飛崎をじっくり楽しむ三厩ルート、蟹田の縄文と文学を巡る半日ルート、そして津軽半島の海沿いをたどる広域ルートの3つを紹介しますね。
【車・1日】竜飛崎をめぐる三厩ルート
9:30 三厩駅 → 9:45 義経寺(車・徒歩5分)
① 義経寺(約40分)→ 長い石段を上って、津軽海峡と厩石を見下ろします。義経北行伝説に思いをはせる、静かなスタートです。
10:40 厩石(車・徒歩5分)
② 厩石(約15分)→ 「三厩」の地名の由来になった伝説の岩。海辺に立つ姿は意外と迫力があります。
11:10 青函トンネル記念館(車25分)
③ 青函トンネル記念館(約100分)→ もぐら号で海面下140mへ。館内のレストランで昼食も取れるので、ここでお昼にするのがおすすめです。
14:00 竜飛崎周辺(車5分)
④ 竜飛崎・階段国道・歌謡碑(約120分)→ 階段国道を下って、歌謡碑のボタンを押し、龍飛埼灯台へ。龍飛館で太宰の足跡もたどれます。風の強い午後は防寒をお忘れなく。
【車・半日】蟹田の縄文と文学ルート
9:00 蟹田駅 → 9:10 大平山元遺跡・むーもん館(車10分)
① 大平山元遺跡・むーもん館(約60分)→ 世界最古級の土器に出会う朝。月曜は休館なので注意してくださいね。
10:30 観瀾山公園(車・徒歩10分)
② 観瀾山公園(太宰碑公園)(約30分)→ 太宰治の文学碑と陸奥湾の眺めを楽しみます。
11:15 トップマスト(車5分)
③ トップマスト(約40分)→ 30mの展望タワーから町と海を一望。特産品のお土産選びもここで。
12:00 蟹田駅前で昼食 → 春ならしろうお料理、通年ならホタテ料理で締めくくります。
【車・1日】広域ルート:津軽半島の海沿いをたどる
9:00 蟹田 → 9:30 平舘(車30分)
① 平舘エリア(約70分)→ 松前街道松並木を歩き、平舘灯台と平舘台場跡へ。陸奥湾と下北半島の眺めが続きます。
11:00 三厩・竜飛方面へ北上(車60分)
② 竜飛崎(約120分)→ 岬の絶景と階段国道を堪能。昼食は三厩や竜飛の海鮮で。
15:00 竜泊ライン(国道339号)で中泊町方面へ(車60分)
③ 隣接する中泊町の小泊・十三湖を経て、五所川原市方面へ抜けるドライブ。竜泊ラインは津軽海峡を見下ろす絶景続きで、半島をぐるりと感じられます。
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外ヶ浜町の年間イベント

外ヶ浜町のイベントは、海の幸と季節の風物詩が主役です。春は川にのぼる小魚、夏は漁港のにぎわい、冬は歌に描かれた雪景色。それぞれの季節の楽しみ方を紹介しますね。
春:蟹田川「しろうお祭り」
春になると、産卵のために蟹田川をのぼるシロウオを目当てに、河口近くの特設店「かにた川」が店を開きます。毎年春(4月〜5月上旬ごろ)に開催されます(出典:外ヶ浜町公式サイト)。ぜひ味わってほしいのが、生きたシロウオに酢じょうゆをかける“踊り食い”。口の中でぴちぴち跳ねる感覚は、ここでしか体験できません。卵とじや天ぷらもありますよ。
夏:外ヶ浜町港まつり
夏の蟹田漁港を舞台にした、町いちばんのにぎわいイベントです。毎年夏(7月〜8月ごろ)に開催され、ホタテ焼きや棒パン焼き、活ホタテのつかみ取り、縄文のまが玉づくり体験などが並びます(出典:外ヶ浜町公式サイト)。ステージでは地元の太鼓やよさこいが披露され、漁港全体が潮の匂いと歓声に包まれます。焼きたてのホタテをほお張りながら歩く時間は、夏の津軽そのものですよ。
冬:竜飛崎で味わう「津軽海峡・冬景色」
外ヶ浜町は豪雪地帯で、冬は海も空も鉛色に沈みます。けれどこの季節こそ、竜飛崎の歌謡碑が本領を発揮します。雪まじりの強風のなかでボタンを押すと、「ごらんあれが竜飛岬…」のメロディーが、歌詞そのままの荒れた海へ溶けていきます。観光客の少ない静かな岬で、歌の世界に立ってみる――そんな冬の旅も、この町ならではです。
外ヶ浜町のエリア別の顔

外ヶ浜町は、2005年に合併した旧蟹田町・旧平舘村・旧三厩村が、そのまま3つのエリアの個性になっています(出典:外ヶ浜町公式サイト)。中心の蟹田、街道の平舘、最北端の三厩。旅の目的によって、訪ねるエリアを選ぶのがおすすめですよ。
蟹田エリア──町の玄関口、縄文と文学の港町
JR蟹田駅や役場本庁があり、町の中心となるエリアです。世界遺産の大平山元遺跡や太宰治ゆかりの観瀾山公園、展望タワーのトップマストが集まり、半日の散策にちょうどいい密度です。歴史や文学に触れながらのんびり過ごしたい人に向いています。
平舘エリア──松並木と灯台が続く歴史街道
陸奥湾沿いに松前街道の松並木が続き、白い平舘灯台や台場跡が点在する、落ち着いたエリアです。夏は海水浴場やキャンプ場にも人が集まります。江戸時代の街道の空気を感じながら、海沿いをドライブ・散策したい人にぴったりですよ。
三厩エリア──本州の北の果て、竜飛崎の絶景
今別町をまたいだ飛地で、竜飛崎・階段国道・青函トンネル記念館が集まる、町いちばんの観光エリアです。義経伝説や太宰文学の舞台でもあります。絶景とスケールの大きな物語を求める人、北の果てに立ってみたい人には、ここを目的地にした旅がおすすめです。
外ヶ浜町の気候・季節の暮らし

外ヶ浜町は、寒暖差の大きい気候で、豪雪地帯に指定されています。蟹田の年平均気温は9.6℃ほどで、真冬日(最高気温が0℃未満の日)は年に20日前後、冬日(最低気温が0℃未満の日)は年に126日ほどあります(出典:気象庁)。津軽海峡から吹きつける風が強く、夏は涼しく冬は厳しい――そんな町なんですよ。
夏──6月〜8月の暮らし
夏は本州のなかでも涼しいエリアです。海風が通るので、蒸し暑さでぐったりする日は多くありません。陸奥湾を眺めながら過ごす夕方は、ほどよくひんやりして気持ちいいですよ。海水浴やキャンプが楽しめるのもこの季節です。
秋──9月〜11月の暮らし
秋は短く、駆け足で過ぎていきます。10月にはもう朝晩の冷え込みが始まり、11月下旬には根雪が近づきます。冬支度を早めに済ませておくのが、この町の暮らしの定番です。
冬──12月〜3月の暮らし
冬が一年の主役と言ってもいい季節です。積雪期間は例年11月下旬から4月上旬まで続きます(出典:外ヶ浜町公式サイト)。雪かきは生活の一部で、車の運転には冬タイヤが欠かせません。竜飛崎では地吹雪で視界が真っ白になることもあり、防寒と安全運転が暮らしの基本になります。
春──4月〜5月の暮らし
雪どけとともに、蟹田川にシロウオがのぼってくる春が訪れます。雪国の人にとって、長い冬の終わりを告げる季節はひときわうれしいものです。桜と海が同時に楽しめる時季は短いので、見逃さないようにしたいですね。
外ヶ浜町の移住・暮らし情報

外ヶ浜町での暮らしは、海と山に囲まれた静かな環境が基本です。人口は4,372人の小さな町ですが、子育て世帯への支援が手厚いのが特徴です。実際に暮らすイメージを、項目ごとに見ていきましょう。
通勤・通学
町内に勤め先がある人のほか、青森市方面へ通う人もいます。中心の蟹田から青森市までは車で1時間ほどが目安です。冬は雪道で時間が読みにくくなるので、余裕をもった移動が安心ですよ。
住宅環境
賃貸物件の流通はごく少なく、移住の住まい探しは一戸建てや空き家が中心になります。青森県全体では家賃の安い市部でも2万円台からという水準で、五所川原市などが県内では低めです(出典:SUUMO)。町ではリフォーム費用の一部補助もあるので、空き家を直して住む選択肢も現実的です。
買い物環境
日常の買い物は、蟹田地区のスーパーや商店が中心になります。蟹田駅前には地元の食材が並ぶ市場もあり、新鮮な魚や野菜が手に入ります。まとめ買いで青森市まで足を延ばす人も多いので、車があると暮らしやすいですよ。
子育て・教育
子育て支援は町の力の入れどころです。18歳になる年度末まで医療費を助成し、小・中学校の給食費を無料化、第2子・第3子以降には出産祝金もあります(出典:外ヶ浜町公式サイト)。2024年7月には「外ヶ浜町こども家庭センター」が開設され、妊娠期から子育て期まで切れ目なく相談できる体制が整いました。
医療環境
町の中核は、蟹田地区にある外ヶ浜町国民健康保険外ヶ浜中央病院です。内科・外科・小児科・整形外科・リハビリテーション科があり、三厩地区には附属の三厩診療所もあります(出典:外ヶ浜町公式サイト)。高度な専門医療は青森市の病院に頼る場面もあるので、その点は念頭に置いておきたいですね。
エリア別の暮らし視点
暮らしの拠点として現実的なのは、役場本庁・病院・学校・スーパーが集まる蟹田エリアです。平舘エリアは海沿いの落ち着いた住環境、三厩エリアは飛地で最北端のため利便性は下がりますが、その分、雄大な自然がすぐそばにあります。生活の便を取るなら蟹田、静けさを取るなら平舘・三厩、という選び方になりますよ。
外ヶ浜町へのアクセス

外ヶ浜町へは、青森市を起点にするのが基本です。中心の蟹田までは鉄道が通っていますが、最北端の竜飛・三厩方面は交通事情が変わりつつあるので、最新情報の確認が大切です。交通手段ごとに見ていきましょう。
車でのアクセス
東北自動車道の青森ICが起点になります。青森ICから竜飛崎までは車で約90分が目安です(出典:青森県観光情報サイト Amazing AOMORI)。蟹田地区まではもっと近く、青森市から1時間ほど。町は南北に長いので、移動の自由がきく車がいちばん便利ですよ。
鉄道+バスでのアクセス
JR津軽線で青森駅から蟹田駅まで向かうのが鉄道ルートです。ただし蟹田駅〜三厩駅間は、2022年8月の大雨被害で運休が続いており、2027年4月に廃止して代行バスや乗合タクシーへ転換することが決まっています(出典:外ヶ浜町公式サイト)。三厩・竜飛方面へは、代行バスやデマンド型乗合タクシー「わんタク」を乗り継ぐ形になります。本数が限られるので、行く前に時刻を調べておくと安心です。
飛行機でのアクセス
遠方からは青森空港が玄関口です。空港から蟹田方面へは車で1時間前後が目安になります。レンタカーを借りて北上するルートが、町内をめぐるうえでもいちばん動きやすいですよ。
町内移動の現実的アドバイス
町内、特に飛地の三厩・竜飛エリアは公共交通の本数が少なめです。観光で竜飛崎まで足を延ばすなら、レンタカーや自家用車を前提に計画するのが現実的です。冬は雪道になるので、時間に余裕をもった行程をおすすめします。
交通手段ごとに見てきましたが、「結局いちばん安く行くにはどうすれば?」と迷う方も多いはず。飛行機で向かうなら、航空券は予約のタイミングや会社によって料金が大きく変わります。複数の航空会社・LCCをまとめて比較できるサイトで、いちど最安値をチェックしておくと安心ですよ。
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【地元住民に直撃!】外ヶ浜町の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。
蟹田で、しろうお料理を出す店の手伝いをしています。春になると、川をのぼってくる小さな魚を、踊り食いや天ぷらでお出しするんです。
この時期は県外からもお客さんが来てくれて、にぎわいます。短い春を、この一皿で感じてもらえたらと思って働いていますね。
Q2.外ヶ浜町に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?
まずは竜飛崎ですね。最北端の岬で、風が強くて、晴れた日には海の向こうに北海道が見えるんです。観光の方には外せない場所だと思います。
地元の者としては、義経寺の長い石段を上ったところからの津軽海峡の眺めも好きです。観光地のにぎわいとは違う、静かで厳かな空気が流れているんですよ。
Q3.外ヶ浜町でお土産を買うとしたらなんですか?
定番だと、やっぱり陸奥湾のホタテですね。新鮮なものや一夜干しは、誰に渡しても喜ばれます。
地元の人間がよく買うのは、ホタテを使った辛みそや、地元の米粉で作ったお菓子なんかですよ。素朴だけど、ここの味だなと思える品です。
Q4.外から人が来たときに、外ヶ浜町でまず連れていく店はどこですか?
春なら、迷わず川沿いのしろうお料理のお店に連れていきます。生きたままの小魚が口の中で跳ねる感覚は、ここでしか味わえませんから。
季節が違えば、漁港近くで海の幸を出してくれる食事処へ。ホタテやイカを焼く匂いと、潮の香りがする店で食べてもらいたいんです。
Q5.外ヶ浜町はどんな気質だと思いますか?
厳しい冬と強い風のなかで暮らしてきた土地なので、人と人の距離が近いですね。声をかけ合って助け合う空気が、今も残っています。
口数は多くないけれど、根は温かい人が多いと思います。一度受け入れると、家族みたいに気にかけてくれる。そういう土地柄なんですよ。
Q6.昔に比べて、外ヶ浜町の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?
正直に言うと、人は減りました。鉄道も一部が止まってしまって、不便になった面は確かにあります。子どもの数も少なくなりましたね。
それでも、世界遺産になった縄文の遺跡や、夏の港のお祭りには人が集まります。静かになったぶん、自然や歴史のよさが見直されてきた気もするんですよ。
Q7.外ヶ浜町のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?
鉄道が止まった区間を、これからどう人が行き来できるようにしていくか。地元では新しい交通の仕組みづくりが進んでいて、そこに期待しています。
あとは、縄文遺跡や竜飛の景色を目当てに来てくれる方が増えてほしいですね。この町の暮らしと食を、もっと多くの人に知ってもらえたらうれしいです。

