滝沢市(たきざわし)は、岩手県の県央部・盛岡市の北西に隣接する人口53,492人の市です。北西に秀峰・岩手山がそびえ、麓には牧場や果樹畑が広がります。
滝沢市の魅力を5つに凝縮すると、こうなります:
- ✅ チャグチャグ馬コ発祥の地──鬼越蒼前神社から盛岡へ約14kmを馬が行進する初夏の風物詩
- ✅ 岩手山──日本百名山に数えられる「南部片富士」、馬返し登山口は表玄関
- ✅ 滝沢スイカ──岩手県内一の出荷量を誇る夏の特産品
- ✅ かつて日本一人口の多い「村」──2014年に単独市制で市へ昇格
- ✅ 岩手県立大学を擁する「知の拠点」かつ盛岡のベッドタウン
「初夏の伝統行事を生で見たい旅行者」「岩手山に登りたい人」「盛岡近郊でゆとりある暮らしを探している移住希望者」に向いた市です。序盤で観光・特産・歴史を、中盤で文化や食を、終盤でアクセス情報まで地元目線で紹介します。
| 人口 | 53,492 人 ※2026年5月1日時点(推計人口) |
|---|---|
| 面積 | 182.46 km² |
| 人口密度 | 293 人/km² |
地理的には、東から南は盛岡市、西は雫石町、北は八幡平市に接しています(出典:滝沢市公式サイト)。市域の北西にそびえる岩手山は、滝沢市・雫石町・八幡平市の境界に位置します。東端を北上川、南端を雫石川が流れます。
鉄道はJR田沢湖線とIGRいわて銀河鉄道が通り、東北自動車道の滝沢ICと滝沢中央スマートICが利用できます。盛岡市中心部までは車でおよそ30分。馬・火山・果樹・大学と、小さくない市域にいくつもの顔が詰まっています。ひとつずつ見ていきましょう。
滝沢市の推しポイント

滝沢市を語るうえで外せないのが、初夏に馬が行進する「チャグチャグ馬コ」です。発祥の地はこの市内にある神社で、鈴の音は国の選定を受けています。そして市のシンボルである岩手山、夏の食卓を彩る滝沢スイカ、かつて「日本一の村」だった珍しい歴史。ここでは異なる顔を順に紹介していきます。
チャグチャグ馬コ──馬に感謝する初夏の行進
農耕馬に感謝する伝統行事で、色鮮やかな装束をまとった約70頭の馬が、滝沢市の鬼越蒼前神社から盛岡市の盛岡八幡宮まで約14kmを行進します。歩くたびに「チャグチャグ」と鳴る鈴の音が名前の由来です。2026年は6月13日(土)に開催されました(出典:滝沢市公式サイト)。鈴の音は1996年に環境省「残したい日本の音風景100選」に選ばれています。
岩手山──南部片富士と呼ばれる名峰
市の北西にそびえる岩手山は、深田久弥の日本百名山のひとつ。なだらかにすそ野を引く姿から「南部片富士」とも呼ばれます。市内の馬返し登山口は岩手山の表玄関として知られ、十和田八幡平国立公園に含まれています(出典:滝沢市観光物産協会)。麓には牧場や農林試験研究機関が広がります。
滝沢スイカ──県内一の出荷量を誇る夏の味
岩手山の火山灰が広がる水はけのよい土壌と、昼夜の大きな寒暖差。この条件が糖度の高いスイカを育てます。滝沢市はスイカの出荷量で岩手県内一を誇ります(出典:JA新いわて)。夏になると沿道の直売所にずらりと並び、全国にファンを持つ夏の風物詩です。
日本一だった「村」──2014年に市へ
滝沢はかつて人口5万人を超える、日本一人口の多い村でした。2000年に5万人を突破し、2014年1月1日に単独で市制を施行して滝沢市になりました。現行の地方自治法のもとで村が単独で市になった例としては全国2例目で、岩手県内では55年ぶりの単独市制でした。
滝沢市の歴史

滝沢の歩みは大きく三段階に分けられます。古くは南部馬を育てる放牧地として知られた時代、用水路を引いて新田を拓いた近世の開拓、そして盛岡のベッドタウンとして人口を増やし市へと昇格した現代です。馬の文化と開拓の精神が、今の市の土台になっています。
近世の開拓──岩手県最古の堰
篠木の百姓・綾織越前広信は、岩手山麓の沢をつないで水を集め、灌漑に利用することを考えました。私財を投じて1576年(天正4年)から34年もの歳月をかけ、親子二代で約36kmにおよぶ「越前堰」を開削したと伝えられています。これは岩手県で最も古い堰といわれます(出典:滝沢市観光物産協会)。
近代──町村制から岩手郡滝沢村へ
1889年(明治22年)の町村制施行により、滝沢村・鵜飼村・大沢村・篠木村・大釜村が統合され、南岩手郡滝沢村が誕生しました。その後1897年(明治30年)の郡制施行で岩手郡に属することになりました。長く純農村地帯でしたが、1970年代以降、盛岡に隣接する立地から宅地開発が進みます。
現代──「日本一の村」から市へ
1984年に人口3万人、2000年2月15日に人口5万人を超え、日本一人口の多い村となりました。盛岡市との合併案は村民の反対で実現せず、単独市制への道を選びます。2014年1月1日、岩手郡滝沢村は滝沢市となりました。市制前から立地していた岩手県立大学(1998年開学)の存在もあり、研究学園地域としての性格も強めています。
滝沢市の文化・風習

方言と話し方の特徴
滝沢で耳にする言葉は、盛岡を中心とした南部弁(盛岡弁)の系統です。語尾の柔らかさと温かさが特徴で、初めて聞くと意味を取りにくい言葉もあります。代表的なものをいくつか挙げてみますね。
めんこい(かわいい)、だべ(だろう・でしょう)、〜さ(〜へ。「山さ行く」で「山へ行く」)、ちょす(触る・いじる)、ひゃっこい(冷たい)、けっぱれ(がんばれ)といった言い回しが使われます。語尾を伸ばして「んだべ〜」(そうだよね)と相づちを打つと、ぐっと地元らしくなります。
食卓と季節の暮らし
夏は、なんといってもスイカが食卓の主役。冷蔵庫で冷やしたひと玉を切り分けて、家族でかぶりつくのが定番です。秋になると今度はりんごの季節。岩魚の塩焼きや、岩手山の伏流水で育った清流の幸も、この土地ならではのごちそうですよ。
馬とともにある暮らし
古くから南部馬の放牧地だったこの地では、馬は単なる家畜ではなく、暮らしを支える大切なパートナーでした。チャグチャグ馬コが「馬に感謝する祭り」であることに、その気質がよく表れています。市内には馬と触れ合える施設もあり、馬と人との距離の近さは今も受け継がれています。宮沢賢治も岩手山や鞍掛山の自然を愛し、たびたびこの地を訪れ、作品の舞台にしました。
滝沢市の特産品・食

特産品1:滝沢スイカ
夏の滝沢といえばこれ。シャキッとした食感と、ぎゅっと濃縮された甘い果汁が魅力です。旬は7月から8月ごろ。岩手山の火山灰土壌と昼夜の寒暖差が、糖度の高さを生んでいます。滝沢市はスイカの出荷量が岩手県内一で、シーズンには市内の産直や直売所にずらりと並びます(出典:滝沢市公式サイト)。よく冷やしてかぶりつけば、夏の暑さも吹き飛びます。
特産品2:りんご「はるか」
滝沢にりんごが導入されたのは大正のころ。なかでも「はるか」は、平成14年に岩手大学農学部で生まれ、滝沢の農場で育まれた品種です。淡いレモンイエローの肌で、蜜がたっぷり。糖度は平均15度以上と高く、なかには20度を超えるものもあります(出典:滝沢市公式サイト)。旬は晩秋。ふじや王林など何十種類ものりんごが沿道の直売所を彩ります。
特産品3:岩魚(イワナ)
岩手山の麓では、豊富な湧き水を使った岩魚の養殖が古くから行われてきました。澄んだ水で育った岩魚は臭みがなく、塩焼きはもちろん、刺身や寿司でもおいしくいただけます。串に刺してじっくり焼いた塩焼きは、ほくほくと身がほぐれて格別。清流の恵みを、ぜひ現地で味わってみてください。
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滝沢市の観光スポット

序盤で触れたとおり、滝沢市の見どころは「馬」と「岩手山」に集約されます。馬と触れ合える施設、岩手山と鞍掛山という二つの山、そして産直や図書館が集まる交流拠点。市内に鉄道駅はありますが、見どころは点在しているので、車があると回りやすいですよ。まずはスポットを種類ごとに見ていきましょう。
岩手山と鞍掛山──二つの山を楽しむ
- 岩手山(馬返しキャンプ場) – 標高2,038mの「南部片富士」、その表玄関が市内の馬返し登山口です。麓の馬返しキャンプ場は水場や水洗トイレを備えますが、11月上旬から冬期は炊事場と水洗トイレが使用休止になります(出典:滝沢市公式サイト)。登山口近くには湧き水「鬼又清水」があり、見上げる岩手山の大きさに圧倒されます。
- 鞍掛山 – 岩手山の南東麓にある標高897mの里山で、宮沢賢治が愛し、国の名勝「イーハトーブの風景地」に指定されています。毎年3万人を超える登山者が訪れ、毎年4月29日には山開きが行われます(出典:滝沢市公式サイト)。初心者でも登りやすく、山頂からの岩手山の眺めは格別です。
- 相の沢キャンプ場 – 鞍掛山の登山口にある無料のキャンプ場。目の前に牧野が広がり、放牧された牛がのんびり草を食む光景が見られます。隣接する「たきざわ自然情報センター」では登山や自然の情報がもらえます(出典:滝沢市観光物産協会)。賢治の詩碑「くらかけの雪」が静かに佇んでいます。
馬と触れ合えるスポット
- 馬っこパーク・いわて – ポニーや乗用馬、ヤギやウサギと触れ合える、馬の町ならではの公園です。入園料・駐車場は無料で、引き馬はポニー300円・馬500円など。営業時間は10:00〜16:00、休園日は月曜日です(出典:滝沢市観光物産協会)。芝生の広場もあり、馬を眺めながらのんびり過ごせます。
- 鬼越蒼前神社(おにこしそうぜんじんじゃ) – 序盤で紹介した「チャグチャグ馬コ」の出発地となる、馬の守り神を祀る神社です。馬の安全と無病息災を願う信仰の地で、毎年6月になると着飾った馬たちがここから盛岡へと旅立ちます。行事のない日は静かで、馬産地の歴史を感じられる場所です。
交流と産直の拠点
- ビッグルーフ滝沢 – 市役所の向かいにある交流拠点複合施設。図書館「湖山図書館」、産直・物販の「たきざわキッチン」、ホールなどが集まります。図書館は9:00〜18:00、たきざわキッチンは9:00〜19:00、休館日は毎月第2・第4火曜日です(出典:いわての旅(岩手県観光協会))。屋上テラスからは岩手山が見晴らせて、ドライブの休憩にもぴったりです。
滝沢市の観光ルート

滝沢市は盛岡市にぴたりと隣接しているので、盛岡駅を起点にすると動きやすいですよ。市内をぎゅっと回る半日コースと、岩手山麓の自然をたっぷり味わう1日コース、そして盛岡まで足をのばす広域コースの3つを組んでみました。いずれも車での移動を前提にしています。
【車・半日】馬と交流拠点をめぐるルート
9:00 盛岡駅 → 9:30 ビッグルーフ滝沢 → 10:30 馬っこパーク・いわて → 12:00 鬼越蒼前神社
①ビッグルーフ滝沢(60分)→ まずは産直で岩手山を眺めながらお土産チェック。屋上テラスで空気を吸い込んでからスタートするのが気持ちいいんですよ。
②馬っこパーク・いわて(80分)→ ポニーや馬と触れ合って、引き馬を体験。午前中は馬たちも元気で、のんびりした空気に癒されます。
③鬼越蒼前神社(30分)→ チャグチャグ馬コの出発地でお参り。行事のない日は静かで、馬の町の原点をじっくり感じられます。
【車・1日】岩手山麓 自然満喫ルート
9:00 盛岡駅 → 9:40 相の沢キャンプ場 → 11:00 鞍掛山ハイク → 14:00 馬返しキャンプ場
①相の沢キャンプ場(40分)→ 牧野で草を食む牛を眺めて深呼吸。たきざわ自然情報センターで山の情報をもらってから歩き出すと安心です。
②鞍掛山(往復3時間)→ 山頂を目指して初心者向けハイク。賢治が見た岩手山の姿を、自分の足で登って確かめてみてください。
③馬返しキャンプ場(60分)→ 岩手山の表玄関で、湧き水「鬼又清水」を味わって締めくくり。見上げる岩手山の迫力に言葉を失います。
【車・1日】滝沢+盛岡 広域ルート
9:00 盛岡駅 → 9:30 ビッグルーフ滝沢 → 11:00 馬っこパーク・いわて → 13:30 盛岡市内(盛岡八幡宮など)
①ビッグルーフ滝沢(60分)→ 滝沢の特産品をひととおり見て、岩手山ビューで気分を上げます。
②馬っこパーク・いわて(90分)→ 馬と触れ合い、ランチも兼ねてゆっくり。子ども連れにも向いています。
③盛岡市内(午後)→ チャグチャグ馬コのゴール地・盛岡八幡宮へ。滝沢から盛岡へと続く馬の道を、逆からたどる形で旅を締めくくれます。
ここまで見てきたとおり、見どころが少し離れた場所に点在していることもあります。気になるスポットをまとめて回るなら、レンタカーがあると一気に動きやすくなりますよ。料金は会社や時期でけっこう変わるので、まとめて比較できるサイトでサッと見ておくのがおすすめです。
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滝沢市の年間イベント

滝沢市のイベントは、やはり「馬」と「夏の味」が二枚看板です。初夏のチャグチャグ馬コに始まり、真夏の早朝に賑わうスイカ市、夏の終わりの産業まつりへと続きます。季節ごとに、その時期ならではの楽しみがあるんですよ。
春:鞍掛山の山開き
登山シーズンの幕開けを告げるのが「鞍掛山山開き」。毎年4月29日に行われます(出典:いわての旅(岩手県観光協会))。冬の名残を残した山に、今年も登れる季節が来たとハイカーたちが集まります。気軽に登れる山なので、ここから一年の山歩きを始める人も多いですよ。
初夏:チャグチャグ馬コとふれあいまつり
市を代表する伝統行事「チャグチャグ馬コ」は毎年6月の第2土曜日に開催されます(出典:滝沢市公式サイト)。同じ日にはビッグルーフ滝沢で「チャグチャグ馬コふれあいまつりin滝沢」も開かれ、装束をまとった馬との撮影や、郷土芸能の披露を楽しめます。鈴の音と馬の足音が響くこの日は、市全体が華やぎます。
真夏:滝沢スイカまつり
夏の名物が「滝沢スイカまつり」。毎年8月ごろ、ビッグルーフ滝沢で開かれ、生産者から直接スイカを買えるのが魅力です(出典:ビッグルーフ滝沢公式サイト)。早朝から始まる「朝市」スタイルで、夏休みの子どもたちも大勢訪れます。採れたての滝沢スイカを朝いちばんで味わう、ぜいたくな時間ですよ。
夏の終わり:滝祭(滝沢市産業まつり)
夏の締めくくりは「滝祭(たきさい)」。滝沢市商工会が主催し、毎年8月下旬ごろにビッグルーフ滝沢で開かれます(出典:いわての旅(岩手県観光協会))。地元企業の出店や飲食、物販が並び、夜には打上花火も上がります。市民総出で賑わう、地域のお祭りらしい熱気にあふれた二日間です。
滝沢市のエリア別の顔

滝沢市は、もともと滝沢村・鵜飼村・大釜村などが統合してできた経緯があり、地域ごとに表情が違います。市役所や産直が集まる中心部、大学が立地する学園エリア、田沢湖線沿いの里、そして岩手山麓の自然地帯。旅する視点で、それぞれの顔を見ていきましょう。
鵜飼・市役所周辺エリア──滝沢の玄関口
市役所やビッグルーフ滝沢、IGRいわて銀河鉄道の滝沢駅が集まる、市の中心エリアです。産直で特産品を買ったり、図書館で休んだりと、旅の起点にちょうどいい場所。チャグチャグ馬コの行進もこのあたりを通ります。まず最初に立ち寄るのにおすすめのエリアですよ。
巣子エリア──大学が集まる学園の顔
市の東部にあたる巣子地区は、岩手県立大学や盛岡大学が立地する「知の拠点」。若い学生たちが行き交い、研究機関も集まる活気あるエリアです。観光地という雰囲気ではありませんが、都市化が進んだ滝沢のもう一つの顔を感じられます。盛岡からのアクセスもよい地域です。
大釜・小岩井エリア──田沢湖線沿いの里
市の南西部、JR田沢湖線が走るエリアです。あの小岩井農場の一部もこの市域に含まれます。のどかな田園と果樹畑が広がり、滝沢スイカやりんごの直売所が点在します。ドライブがてら、季節の味を探しながら走るのが楽しいエリアです。
岩手山・鞍掛山麓エリア──自然と登山の入口
市の北西、岩手山と鞍掛山のすそ野に広がる自然地帯です。相の沢キャンプ場や馬返しキャンプ場、牧野が点在し、登山やキャンプ、トレッキングを目当てに訪れる人が集まります。市街地とはまるで違う、雄大な山の懐に抱かれる時間を過ごせます。アウトドア好きにはたまらないエリアですよ。
滝沢市の気候・季節の暮らし

滝沢市は内陸性の気候で、夏と冬の寒暖差がはっきりしています。隣接する盛岡の観測点では、年平均気温10.6℃、年間の降雪量の合計は209cm、最深積雪の平年値は36cmです(出典:気象庁)。雪国ではありますが、日本海側の豪雪地帯ほどは積もりません。岩手山を眺めながら四季がくっきり移ろう、そんな土地なんですよ。
夏──6月〜8月の暮らし
最も暑い8月でも平均気温は23.5℃ほど(出典:気象庁)。日中は暑くても、朝晩は涼しく過ごしやすいのが内陸の夏です。この寒暖差こそが、甘い滝沢スイカを育てる立役者。夏の早朝に開かれるスイカ市は、涼しいうちに行くのがおすすめですよ。
秋──9月〜11月の暮らし
秋は空気が澄んで、岩手山や鞍掛山の紅葉が美しい季節です。りんごをはじめ果樹の収穫も最盛期を迎えます。11月になると平均気温は6℃台まで下がり、朝には初霜や初雪の便りも。一枚羽織るものが手放せなくなる頃です。
冬──12月〜3月の暮らし
冬の寒さは本格的で、1月の平均気温は-1.6℃、日最低気温の平均は-5.2℃です(出典:気象庁)。雪かきは冬の日課になりますし、車は冬タイヤが必需品です。それでも豪雪地ほどではないので、雪に慣れれば暮らしのリズムはつかみやすいと考えられます。
春──4月〜5月の暮らし
春の訪れはゆっくりで、4月でようやく雪が解けていきます。岩手山の雪形が見え始め、4月29日の鞍掛山山開きが登山シーズンの合図。5月には新緑が一気に芽吹き、農作業も本格化します。長い冬を越えたあとの春は、ひときわ待ち遠しく感じられますよ。
滝沢市の移住・暮らし情報

滝沢市の暮らしを一言でいえば「盛岡に近い、ほどよい郊外」です。盛岡市にぴたりと隣接し、買い物も通勤も盛岡圏で完結できる利便性がありながら、岩手山麓の自然もすぐそば。都市と田舎のいいとこ取りができる土地として、人口を伸ばしてきました。
通勤・通学
多くの市民が、隣の盛岡市へ通勤・通学しています。市役所付近から盛岡市中心部までは車でおよそ30分。鉄道やバスも使え、盛岡のベッドタウンとして発展してきた経緯がそのまま暮らしに表れています。
住宅環境
家賃は盛岡市内よりも抑えめで、ファミリー向けの2LDKでおよそ5〜6万円前後が目安です(出典:SUUMO)。巣子地区や鵜飼地区を中心に住宅地が広がり、宅地もくらべて手に入れやすいのが魅力。庭付きの一戸建てを構える人も多いエリアです。
買い物環境
国道4号沿いを中心に、スーパーやドラッグストア、ホームセンターなどロードサイド店が揃っています。日常の買い物は市内でほぼ事足りますし、足りないものは車で盛岡市街へ。市役所向かいのビッグルーフ滝沢の産直で、地場の野菜や特産品を買うのも楽しみのひとつです。
子育て・教育
市内には複数の小・中学校があり、2019年には滝沢中央小学校も開校しました(出典:滝沢市公式サイト)。岩手県立大学や盛岡大学が立地する学園都市でもあり、教育環境への関心が高い土地柄です。東京圏からの移住者を対象とした移住支援補助金などの制度も用意されています。
医療環境
市内には診療所やクリニックが点在し、日常的な通院に対応できます。より高度な医療や総合病院については、隣接する盛岡市の医療機関が近く、車で短時間でアクセスできるのが心強いところです。盛岡圏全体で医療を支え合う形になっています。
エリア別の暮らし視点
中盤では旅の視点で各エリアを紹介しましたが、暮らす目線で見ると顔がまた変わります。鵜飼・市役所周辺は行政・買い物が揃う生活の中心。巣子は大学があり若い世代が多い学園エリア。大釜・小岩井は田沢湖線沿いののどかな里。山麓部は自然と隣り合わせの暮らしと、好みに応じて選べます。
滝沢市へのアクセス

滝沢市は盛岡市の北西に隣接しているので、まず盛岡を目指すのが基本です。東京方面からは東北新幹線で盛岡へ、そこから車やIGRいわて銀河鉄道で市内へ。空路を使う場合はいわて花巻空港が玄関口になります。順に見ていきましょう。
車でのアクセス
東北自動車道の滝沢ICと滝沢中央スマートICが市内にあり、車でのアクセスは良好です。盛岡ICからも近く、盛岡市街からは30分前後で市内に入れます。見どころが点在しているので、市内をめぐるなら車が最も便利ですよ。
鉄道+バスでのアクセス
東京駅から盛岡駅までは東北新幹線「はやぶさ」で約2時間10分、片道15,000円前後(普通車指定席)です(出典:駅探)。盛岡からはIGRいわて銀河鉄道で滝沢駅まで約15分、運賃は片道410円です(出典:IGRいわて銀河鉄道)。田沢湖線沿いの大釜・小岩井方面へはJRが便利です。
飛行機でのアクセス
空路の玄関はいわて花巻空港です。盛岡バスセンターと空港を結ぶアクセスバスは所要約60分、運賃1,600円です(出典:いわて花巻空港)。盛岡まで出れば、そこから滝沢市内へは車や鉄道で短時間。関西・中部方面からは空路も選択肢になります。
町内移動の現実的アドバイス
市内は鉄道駅こそありますが、岩手山麓の自然スポットや馬っこパークなどは駅から離れています。観光で回るなら、盛岡駅でレンタカーを借りてから入るのが現実的です。冬場は路面の凍結に備えて、時間に余裕を持って動くと安心ですよ。
交通手段ごとに見てきましたが、「結局いちばん安く行くにはどうすれば?」と迷う方も多いはず。飛行機で向かうなら、航空券は予約のタイミングや会社によって料金が大きく変わります。複数の航空会社・LCCをまとめて比較できるサイトで、いちど最安値をチェックしておくと安心ですよ。
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【地元住民に直撃!】滝沢市の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。
スイカ農家をやっています。この土地は岩手山の火山灰が積もった水はけのいい畑で、昼と夜の寒暖差も大きい。だから甘いスイカが育つんですよ。
夏になると早朝から収穫して、産直やスイカ市に並べます。県内一の出荷量と言われるのは、先人がこの土地と向き合ってきたおかげだと思っています。
Q2.滝沢市に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?
やっぱり岩手山と鞍掛山ですね。馬返しの登山口から見上げる岩手山の大きさは圧巻だし、鞍掛山は気軽に登れて山頂からの眺めがいい。宮沢賢治が愛したのも分かります。
あとは地元の人間としては、相の沢のあたり。牧野で牛が草を食む景色を眺めながらぼうっとする時間が、何とも言えず気持ちいいんですよ。
Q3.滝沢市でお土産を買うとしたらなんですか?
夏なら断然、滝沢スイカ。これは胸を張っておすすめできます。秋はりんご、それと岩手山の伏流水で育った岩魚もいい。市役所向かいの市民の交流拠点にある産直で、たいてい揃いますよ。
地元の人間がよく買うのは、産直に並ぶ手作りの漬物や干し芋。素朴だけど、これが土地の味なんです。
Q4.外から人が来たときに、滝沢市でまず連れていく店はどこですか?
店というより、まず市役所前の交流拠点に連れて行きますね。産直で地のものを見てもらって、屋上テラスから岩手山を眺めてもらう。ここで滝沢の空気を感じてもらうのが一番です。
そのあとは、地元の野菜をたっぷり使った定食を出すような、飾らない食事処へ。観光地らしさはないですが、それがいい。
Q5.滝沢市はどんな気質だと思いますか?
馬とともに生きてきた土地だからか、穏やかで辛抱強い人が多いですね。チャグチャグ馬コが「馬に感謝する祭り」だというのが、この土地の人柄をよく表していると思います。
派手に自己主張はしないけれど、いざとなると地域で助け合う。開拓で苦労してきた歴史が、根っこにある気がします。
Q6.昔に比べて、滝沢市の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?
昔は純粋な農村でしたが、盛岡に近いこともあって宅地がどんどん増えました。大学ができて若い人も増え、村から市になった。変わったなと正直思います。
ただ、便利になった一方で、農地は少しずつ減っている。賑わいと引き換えに失うものもあって、そこは複雑な気持ちですね。
Q7.滝沢市のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?
市長も力を入れていますが、市役所周辺に中心となる市街地をつくっていく動きがあります。これまではっきりした中心部がなかったので、人が集まる場所になればと期待しています。
個人的には、若い世代が新しい農業に挑戦し始めているのが嬉しい。スイカやりんごの里を、次の世代につないでいきたいですね。

