大間町(おおままち)は、青森県下北半島の北端にある本州最北端の町です。人口は約4,000人。津軽海峡を挟んで、対岸の北海道・函館市までは約17.5kmしか離れていません。
大間町の魅力を5つに凝縮すると、こうなります:
- ✅ 本州最北端の地──大間崎に「こゝ本州最北端の地」の碑が立つ突端の町
- ✅ 大間まぐろ──2026年初競りで1本5億1030万円(243kg)の史上最高値
- ✅ マグロ一本釣り──ソナーで群れを探し、巨大なマグロを1匹ずつ釣り上げる漁
- ✅ 大間牛・おこっぺいも──マグロ以外の隠れた特産も豊富
- ✅ 天妃様(媽祖)行列──台湾とつながる、海の日の珍しい神事
「最果ての地に立ってみたい旅行者」「本物のマグロを味わいたい食通」「静かな漁師町の暮らしに惹かれる人」におすすめの町です。序盤では大間崎や大間まぐろの見どころを、中盤以降では町の歴史・方言・特産品まで、地元目線で紹介していきます。
| 人口 | 4,091 人 ※2026年5月1日時点(推計人口) |
|---|---|
| 面積 | 52.09 km² |
| 人口密度 | 78.5 人/km² |
地理的には、東を風間浦村、南をむつ市と佐井村に接し、三方を津軽海峡に開いた半島の突端にあります(出典:大間町公式サイト)。町域の約7割を国有林が占め、人が暮らすのは海沿いのわずかな平地です。鉄道は通っておらず、最寄り駅はむつ市の大湊駅。北海道へは函館市行きフェリーで約90分です。
マグロと最果ての風景を軸に、小さな港町の素顔を見ていきましょう。
大間町の推しポイント

大間町の顔は、なんといっても「本州最北端」という立地と「大間まぐろ」のブランド力です。でも、それだけじゃありません。一本釣り漁の文化、台湾とつながる珍しい神事、マグロ以外の特産品まで、この港町には見どころが詰まっています。ここからは、その代表格を5つ取り上げてご紹介します。
大間崎──本州最北端の地に立つ
大間崎は、本州でいちばん北にある岬です。「こゝ本州最北端の地」と刻まれた碑が立ち、晴れた日には津軽海峡の向こうに北海道がくっきり見えます。突端の約600m沖には弁天島が浮かび、大間埼灯台が建っています(出典:大間町観光協会)。最果てまで来たな、と実感できる場所ですよ。
大間まぐろ──5億円超えの黒いダイヤ
大間沖で獲れる天然クロマグロは「大間まぐろ」のブランドで全国に知られています。2026年1月の豊洲市場の初競りでは、243kgの1本に史上最高値となる5億1030万円が付きました(出典:大間町観光協会)。大間産が初競りで最高値を取るのは、これで15年連続です。
マグロ一本釣り──1匹ずつ向き合う漁
大間のマグロ漁は、ソナーで群れを探し、餌を落として1匹ずつ釣り上げる一本釣りで有名です。昼は一本釣り、夜は延縄(はえなわ)漁。巨大なマグロと格闘する漁師の姿は、映画や小説の題材にもなりました。大間崎には、1994年に獲れた440kgの大物をモデルにした「マグロ一本釣りモニュメント」も立っています。
大間牛とおこっぺいも──マグロだけじゃない
実は、マグロ以外の特産も豊富なんですよ。津軽海峡を望む牧場で育つ「大間牛」は、地元で“陸(おか)マグロ”とも呼ばれる赤身のうまい和牛。畑では、希少品種の馬鈴薯「おこっぺいも」も作られています。海の幸も山の幸も、この小さな町でしっかり育っています。
天妃様(媽祖)行列──台湾とつながる海の神事
大間稲荷神社には、台湾でも厚く信仰される海の女神・媽祖(まそ)=天妃様が祀られています。海の日には、台湾文化と融合した「天妃様(媽祖)行列」が行われます(出典:大間町観光協会)。台湾・雲林県虎尾鎮とは姉妹都市の縁もあり、海を介した国際交流が今も続いています。
大間町の歴史

大間町の歩みは、つねに海とともにありました。江戸時代の漂着事件をきっかけに牛の飼育が根づき、近代には漁業と港の町として発展します。昭和17年に町制を施行し、平成以降は「大間まぐろ」のブランド化と原子力発電所の建設計画が、町の歩みを大きく動かしてきました。ここでは、その流れを時代ごとに見ていきます。
海が運んだ牛と漁の文化
元治元年(1864年)、暴風雨で大間崎沖の弁天島にイギリス商船が乗り上げた際、地元の漁民が赤ウシを提供しました。これが下北地方における牛飼育の始まりと伝えられ、以来、大間では肉牛の飼育が盛んになりました。周辺の海はイカ・カレイ・タイなどが獲れる好漁場で、古くから漁業が町の基盤でした。
大奥村から大間町へ
1942年(昭和17年)11月3日、それまでの大奥村が大間町となり、青森県内で29番目の町制を施行しました(出典:大間町公式サイト)。旧村名の「大奥」は、中心集落の大間と奥戸(おこっぺ)から一文字ずつ取ったものです。現在の町は、大間・奥戸・材木の3集落から成り立っています。1964年には函館とを結ぶフェリーが就航し、北海道との結びつきが一段と強まりました。
現代──マグロのブランド化と原発計画
2000年放送のNHK連続テレビ小説をきっかけに「大間のマグロ」が全国に知られ、2007年には「大間まぐろ」が地域団体商標に登録されました。一方、町内では電源開発(J-POWER)による大間原子力発電所が2008年に着工し、現在も建設中です(出典:J-POWER 電源開発)。運転開始の時期は見通せておらず、町の将来を左右するテーマであり続けています。
大間町の文化・風習

方言と話し方の特徴
大間町を含む下北半島では「下北弁」が話されています。津軽弁と南部弁の中間のような響きで、海を通じた交流の歴史から、北海道の言葉と似た面もあるんですよ。たとえばんだ(そうだ)、けっぱる(頑張る)、しゃっこい(冷たい・つめたい)、語尾の〜はんで(〜だから)など。
人を招くときの言い方にも段階があり、大間あたりでは来せ(来て)と、より丁寧な来さいん(おいでください)を使い分けてきました。短い言葉のなかに、相手への気づかいがにじむ言葉づかいです。
食卓と季節の暮らし
港町だけあって、食卓には魚介がよく並びます。マグロはもちろん、イカやウニ、地元で穫れるもずく(おこっぺもじゅく)も身近な味。冬は雪が多く、海が時化(しけ)る日も多いので、干物や塩蔵品など保存のきく一品も活躍します。みなさんが想像する「毎日マグロ」とまではいかなくても、新鮮な海の幸が当たり前にある暮らしです。
人の気質と海とのつながり
自然が厳しく、漁という危険と隣り合わせの仕事を続けてきた土地だけに、人と人の助け合いが濃い町です。「カモメが時化を告げる」と言われるほど、人々は海の表情を読みながら暮らしてきました。よそから来た人を温かく迎える気質も、海を介して各地と交流してきた歴史と、どこかでつながっているのかもしれませんね。
大間町の特産品・食

特産品1:大間まぐろ
言わずと知れた主役、大間まぐろ。津軽海峡の速い潮にもまれた天然クロマグロで、引き締まった赤身と、口でとろける上質な脂が自慢です。旬は秋から冬、おおよそ8月から翌1月ごろで、この時期のマグロは大型で脂のりも格別なんですよ(出典:大間町観光協会)。地元の食堂なら、都会よりずっと手の届く値段で本物の味に出会えます。
特産品2:大間牛(陸マグロ)
津軽海峡を望む牧場で育つ大間牛は、赤身のうまみが濃い和牛で、地元では“陸(おか)マグロ”の愛称で親しまれています。春まつりでは、この陸マグロの焼肉会も恒例です。脂で押すより噛むほどに味が出るタイプなので、焼肉やステーキでシンプルに食べるのがおすすめ。海のマグロと陸のマグロ、両方を味わえるのが大間ならではです。
特産品3:おこっぺいも・おこっぺもじゅく
奥戸(おこっぺ)地区の名を冠した特産も見逃せません。「おこっぺいも」は希少な馬鈴薯品種で、ほくほくとした食感が魅力。海では天然の「おこっぺもじゅく」(もずく)も穫れ、太くて歯ごたえがあるのが特徴です。素朴だけれど、この土地でしか出会えない味わい。マグロの陰に隠れがちですが、ぜひ探してみてくださいね。
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大間町の観光スポット

本州の突端まで来たなら、まず味わいたいのは「最果ての景色」です。大間町の観光は、本州最北端・大間崎を軸に、海越しの北海道を望む展望台、信仰の場、そして下北ジオパークの大地へと広がっていきます。ここでは、テーマごとに代表的なスポットを紹介します。歩く順番を思い浮かべながら読んでみてくださいね。
本州最北端の突端を味わうスポット
- 大間崎(おおまざき) – 「こゝ本州最北端の地」の碑が立つ、本州のいちばん北。津軽海峡を挟んで函館市の汐首岬まではわずか17.5kmで、晴れた日には五稜郭タワーまで肉眼で見えることもあります。そばには440kgのマグロをモデルにした一本釣りモニュメントがあり、2024年7月には「一番マグロの謳」の歌碑も建ちました(出典:大間町観光協会)。観光案内所の大間崎レストハウスは例年4月下旬〜10月31日の営業で、「本州最北端大間崎到着証明書」がもらえます(出典:大間町観光協会)。最北端に立った実感が、じわっと込み上げてくる場所ですよ。
- 弁天島・大間埼灯台 – 大間崎の沖、約600mに浮かぶ小島と白い灯台です。津軽海峡の速い潮にもまれながら島が残ったのは、海底火山が生んだ硬い岩でできているから。大間崎一帯は下北ジオパークのジオサイトの一つに数えられています(出典:下北ジオパーク)。波音とカモメの声を聞きながら眺めると、地球の時間を感じます。
海と夜景を見渡すスポット
- 西吹付山(にしふつけやま)展望台 ~シーサイドキャトルパーク~ – 牛馬が放牧される町営牧場の丘に立つ展望スポット。北に津軽海峡と函館市、南に津軽半島まで見渡せます(出典:大間町公式サイト)。海を挟んで横から見る函館の夜景は、地元で「横やげ」と呼ばれる名物。大間崎からは車で約15分、明治の文人・大町桂月の歌碑も立っています。夕暮れから夜にかけてが、いちばんのおすすめ時間帯なんですよ。
- 赤石海岸 – 大間崎から海沿いを進んだ先にある、眺めの良い海岸です。観光客の喧騒から離れて、ただ波の音を聞きたいときにぴったり。夏の青い海も、冬の荒れた海峡も、どちらも大間らしい表情を見せてくれます。
文化・信仰にふれるスポット
- 大間稲荷神社 – 海の女神・媽祖(まそ)=天妃様が祀られた神社で、天妃様を祀るのは東北地方ではここだけといわれます(出典:大間町観光協会)。台湾とのつながりを感じられる、この町ならではの信仰の場。夏の祭りの時期に訪れると、その熱気にふれられます。
- 北通り総合文化センター「ウイング」 – 大間町・風間浦村・佐井村が共同で使う複合文化施設で、ホールや図書室、屋内プールなどを備えています。雨の日や、地域の暮らしぶりをのぞいてみたいときの立ち寄り先として覚えておくと便利です。
大間町の観光ルート

町内はコンパクトなので、半日あれば突端の見どころをひと回りできます。時間があれば、夜景や隣町の絶景までつなげて1日たっぷり楽しむのもおすすめ。ここでは車での移動を前提に、3つのモデルルートを組んでみました(所要時間はいずれも目安です)。
【車・半日】本州最北端ぐるりルート
9:00 大間港 → 9:15 大間崎(車約15分)→ 11:00 西吹付山展望台 → 12:00 大間中心部
①大間崎(60分)→ 本州最北端の碑とマグロモニュメントで記念撮影。朝のうちは人も少なく、海の空気が澄んでいます。
②弁天島・大間埼灯台(20分)→ 沖に浮かぶ灯台を眺めて、最果ての地形を体感。
③西吹付山展望台(40分)→ 高台から津軽海峡と北海道を一望。昼前は光がやわらかく、写真も撮りやすい時間です。
④大間中心部(昼食)→ 食堂でマグロ丼を味わって締めくくり。半日でも満足度は十分ですよ。
【車・1日】大間まるごと満喫ルート
9:00 大間崎 → 10:30 大間稲荷神社 → 12:00 奥戸エリア → 14:00 赤石海岸 → 18:00 西吹付山展望台
①大間崎(90分)→ 朝いちばんの最北端を独り占め。「一番マグロの謳」の歌碑もじっくり。
②大間稲荷神社(30分)→ 天妃様にお参りして、台湾とのつながりに思いをはせます。
③奥戸(おこっぺ)エリア(昼食・90分)→ 漁港を眺めつつ、地元の海の幸でお昼を。
④赤石海岸(40分)→ 静かな海岸で波音に耳をすませる、ゆったりの時間。
⑤西吹付山展望台(夜)→ 日が落ちたら、函館の「横やげ」夜景でフィナーレ。1日の締めにぴったりです。
【車・1日】広域ルート:下北半島の突端をめぐる
9:00 大間崎 → 10:00 佐井村・仏ヶ浦(車約40分)→ 13:00 むつ市・恐山(車約90分)→ 夕方 大間へ戻る
①大間崎(朝)→ 本州最北端から旅をスタート。
②佐井村・仏ヶ浦(90分)→ 隣の佐井村にある、海底火山が生んだ奇岩の連なり。同じ下北ジオパークの大地が、まったく違う表情を見せます。
③むつ市・恐山(90分)→ さらに足を延ばして、日本有数の霊場へ。硫黄の匂いと荒涼とした風景が忘れがたい印象を残します。
④大間へ戻ってマグロで一日を締める、というのも贅沢な過ごし方ですよね。なお函館市へはフェリーで約90分なので、北海道とつなぐ旅も組めます。
ここまで見てきたとおり、見どころが少し離れた場所に点在していることもあります。気になるスポットをまとめて回るなら、レンタカーがあると一気に動きやすくなりますよ。料金は会社や時期でけっこう変わるので、まとめて比較できるサイトでサッと見ておくのがおすすめです。
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大間町の年間イベント

大間町のイベントは、やっぱりマグロと海が主役。春の焼肉会から、夏の花火、台湾とつながる珍しい神事、秋の特産品まつりまで、季節ごとに港町の熱気が立ち上がります。毎年いつごろ行われているかを、季節順にご紹介しますね。
春〜夏:春まつりとブルーマリンフェスティバル
春の訪れを告げるのが、毎年4月ごろに開かれる本州最北端・大間町の春まつり。名物は、大間牛を“陸(おか)マグロ”として味わう焼肉会です(出典:大間町観光協会)。
夏のハイライトは、毎年8月に大間港で開かれる大間町ブルーマリンフェスティバル(出典:大間町公式サイト)。伝統の舟競争大会やマグロ解体ショー、歌謡ショーで盛り上がり、夜は大曲の花火師が打ち上げる花火が津軽海峡の夜空を彩ります。ぜひ味わってほしいのが、炸裂音が海面に響くあの一体感なんですよ。
夏の神事:天妃様(媽祖)行列
大間稲荷神社に祀られた海の女神・天妃様(媽祖)にちなみ、夏には神楽や山車とともに行列が町を練り歩きます。日本と台湾の文化が融合した、全国的にも珍しい神事です(出典:大間町観光協会)。銅鑼の音や威勢のいい掛け声が響くなか、異国の女神が町をめぐる光景は、ここでしか見られないもの。海とともに生きてきた町の信仰を、肌で感じられます。
秋〜冬:産業祭とマグロの最盛期
秋には、毎年11月ごろに大間町産業祭が開かれます。大間牛やおこっぺいもなど、普段は手に入りにくい特産品が並び、抽選会や千本くじでにぎわう地域恒例のイベントです(出典:Amazing AOMORI(青森県観光情報サイト))。
そして秋から冬は、大間まぐろがいちばん脂をのせる最盛期。年明けの初競りに向けて、漁師たちが大物を狙う、町がもっとも活気づく季節です。冬に訪れるなら、旬のマグロを目当てにするのが正解ですよ。
大間町のエリア別の顔

大間町は、大間・奥戸(おこっぺ)・材木の3つの集落から成り立っています(出典:大間町公式サイト)。それぞれに港があり、暮らしの色合いも少しずつ違います。旅する視点で、エリアごとの顔を見ていきましょう。
大間崎・突端エリア──最果ての絶景が集まる
本州最北端の碑、マグロモニュメント、弁天島と灯台が集まる、この町いちばんの見どころエリアです。観光客でにぎわう一方、少し離れれば波音だけの静けさも。初めての大間なら、まずここを目指すのがおすすめですよ。
大間中心部エリア──港と食の拠点
大間港やフェリーターミナル、役場、食堂が集まる町の中心。函館市行きのフェリーもここから出ます。マグロ丼を出す店が点在し、旅の腹ごしらえに困りません。グルメ目的なら、このエリアを拠点にするのが便利です。
奥戸(おこっぺ)エリア──漁村の素顔と祭り
奥戸漁港を中心とした、昔ながらの漁村の風景が残るエリア。おこっぺいもやおこっぺもじゅく(もずく)の名の由来にもなった土地です。奥戸春日神社の山車行事は2016年に青森県無形民俗文化財に指定されており(出典:大間町観光協会)、観光地化されていない暮らしの空気を味わいたい人に向いています。
材木エリア──静かに歩きたい集落
材木漁港を擁する、こぢんまりとした集落。祭りでは神楽が家々を回り、獅子舞で無病息災を祈る風習が残っています。派手な観光スポットはありませんが、突端の町の日常をゆっくり散策したいときにこそ、足を向けたいエリアです。
大間町の気候・季節の暮らし

大間町の年平均気温は10.2℃。いちばん暖かい8月でも平均21.7℃、いちばん寒い1月で平均0.0℃です(出典:気象庁)。三方を海に開いた立地のため、夏は涼しく冬は雪と風が厳しい、海沿いらしい気候です。季節ごとの暮らしを見ていきましょう。
夏(6〜8月)──涼しくて過ごしやすい
真夏でも日最高気温の平年値は25℃前後で、30℃を超える真夏日は年に1日あるかないか、猛暑日はゼロです(出典:気象庁)。海風が抜けるので、夜は涼しいくらい。本州にいながら、避暑地のような夏を過ごせるんですよ。
秋(9〜11月)──風が立ち、マグロが動き出す
秋が深まると気温がぐっと下がり、津軽海峡の風が日に日に強くなります。大間まぐろが脂をのせ始めるのもこの季節。漁港に活気が戻り、町全体がそわそわと冬に向けて動き出す時期です。
冬(12〜3月)──雪と風の季節
冬日(最低気温0℃未満)は年におよそ87日、真冬日(最高気温0℃未満)はおよそ16日。年間の降雪量は208cmにのぼり、豪雪地帯に指定されています(出典:気象庁)。
ただ、最深積雪の平年値は31cmほどで、内陸の豪雪地帯ほど積もり続けるわけではありません。雪より手ごわいのは、海峡を渡ってくる強い風。冬の暮らしには、しっかりした防寒と冬タイヤが欠かせません。
春(4〜5月)──遅い雪解けと強い風
春先はまだ風が冷たく、4月でも雪が残る年があります。それでも日が長くなり、海の色が明るくなってくると、最果ての町にも確かに春が来たと感じられます。本格的なあたたかさはゴールデンウィーク明けごろからですね。
大間町の移住・暮らし情報

大間町は人口4,000人台の小さな漁師町。暮らしの中心は港に近い大間地区で、ここに役場・病院・学校・商店が集まっています。最果ての町ですが、日常生活に必要なものはコンパクトにまとまっているのが特徴です。住む視点で、各ポイントを見ていきましょう。
通勤・通学
勤め先は漁業・水産加工をはじめ町内が中心で、行政や医療の用事では隣のむつ市まで出る人もいます。子どもは町内の学校に通えるため、通学のために遠くまで出る必要が少ないのは、小さな町ながら心強いところです。
住宅環境
持ち家が多い土地柄で、民間の賃貸物件は数が限られます。移住を考えるなら、町営住宅や空き家バンクが現実的な入り口になります(出典:大間町公式サイト)。物件数が少ないぶん、早めの情報収集がカギになりそうです。
買い物環境
大間地区にはスーパーや商店があり、日々の食料品や生活用品はそろいます。家電やまとまった買い物、専門店での用事はむつ市まで車で向かうのが一般的。海の幸については、むしろ町なかのほうが豊かなんですよ。
子育て・教育
町内には大間幼稚園とうみの子保育園、大間小学校・奥戸小学校、大間中学校がそろっています(出典:大間町公式サイト)。さらに、本州最北端の高校である青森県立大間高等学校もあり、高校まで地元で通えます(出典:青森県立大間高等学校)。フェリーを大漁旗で見送る高校生の活動も、この町ならではの光景です。
医療環境
町内には入院・外来に対応する大間病院があり、日常的な体調管理はここで完結します(出典:大間町公式サイト)。より高度な医療が必要なときは、むつ市のむつ総合病院が下北地域の拠点になります。最果ての町としては、医療の足場は整っているほうだと考えられます。
エリア別の暮らし視点
大間地区は生活利便がもっとも高く、はじめての移住ならここが無難。奥戸(おこっぺ)・材木の各地区は、漁港中心の静かな暮らしが好きな人に向いています。突端の大間崎周辺は観光の色が濃いので、住まいというより「訪ねる場所」と考えるとよいでしょう。
大間町へのアクセス

大間町は本州の北の端にあるため、本州側からの陸路は時間がかかります。一方で、海を渡れば北海道・函館市はすぐそこ。交通手段ごとに、現実的なアクセスを整理します(所要時間はいずれも目安です)。
車でのアクセス
東北自動車道・青森東ICからは車で約3時間、八戸自動車道・八戸ICからも約3時間、七戸十和田駅からは約2時間30分が目安です(出典:大間町観光協会)。大間町には高速道路がなく、終盤はむつ市方面から海沿いの国道を走ります。冬は路面状況に余裕を見ておくと安心です。
鉄道+バスでのアクセス
鉄道なら、東北新幹線から青い森鉄道・JR大湊線を乗り継いで下北駅へ。そこから下北交通の佐井線(下り)バスに乗り、大間や大間崎へ向かいます(出典:大間町観光協会)。下北駅から大間まではおよそ100分以上を見ておくとよいでしょう。本数が限られるので、時刻表の事前確認をおすすめします。
飛行機でのアクセス
空路を使う場合、最寄りは三沢空港または青森空港。そこからレンタカーでむつ市方面を経由して向かうのが現実的で、車でおよそ3時間以上が目安です。空港でレンタカーを借りておくと、町内や下北半島の移動もスムーズですよ。
フェリー(北海道から)でのアクセス
北海道側からなら、津軽海峡フェリー「大函丸」で函館市から約90分。通常期は1日2往復が運航されています(出典:大間町観光協会)。本州最北端へ「北海道から南下して入る」という、ちょっと変わった旅程も組めるのが大間ならではです。
町内移動の現実的アドバイス
町内に鉄道はなく、路線バスの本数も多くありません。観光でも移住の下見でも、車を用意しておくのが現実的です。フェリーターミナルや函館側にはレンタカーもあるので、北海道とセットで計画すると動きやすくなります。
交通手段ごとに見てきましたが、「結局いちばん安く行くにはどうすれば?」と迷う方も多いはず。飛行機で向かうなら、航空券は予約のタイミングや会社によって料金が大きく変わります。複数の航空会社・LCCをまとめて比較できるサイトで、いちど最安値をチェックしておくと安心ですよ。
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【地元住民に直撃!】大間町の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。
大間で鮮魚店をやっていて、市場ではマグロの仲買もしています。漁師さんが命がけで釣り上げた一本を、目利きして値を付ける仕事です。
津軽海峡の魚を見続けて長くなりますが、いまだに同じ顔の魚は一本もありません。脂の乗り、身の締まり、その日その日が真剣勝負。大間の有名なものを支える、裏方のような仕事だと思っています。
Q2.大間町に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?
やっぱり大間崎ですね。本州最北端の碑とマグロのモニュメントは、観光で来たなら外せません。海の向こうに北海道が見えると、本当に端まで来たんだと実感します。
地元の人間としては、西吹付山の展望台もおすすめです。牧場の丘から海峡を見下ろして、夜は函館の灯りが横から光る。あの静けさは、住んでいても特別なんですよ。
Q3.大間町でお土産を買うとしたらなんですか?
無難なのは、やっぱりマグロですね。観光で来た方には、町なかで売っている本マグロの加工品が間違いないです。家でも大間の味を思い出せますから。
地元の人間が買うのは、おこっぺいもみたいな畑のものや、太くて歯ごたえのあるもずく。マグロの陰に隠れていますが、これがまた滋味深い。知る人ぞ知る、大間の有名なものです。
Q4.外から人が来たときに、大間町でまず連れていく店はどこですか?
気取らない地元の食堂に連れていきます。その日水揚げされた魚を、惜しげもなく出してくれるような店です。出汁と醤油の匂いがして、海の近さがそのまま味になっている。
都会の値段を知っている人ほど、ここの安さと旨さに驚きますね。観光地のごちそうというより、私たちが普段食べているものを味わってほしいんです。
Q5.大間町はどんな気質だと思いますか?
海が荒れる町ですから、人は気っ風がよくて、面倒見がいいですね。漁という命がけの仕事を続けてきた土地だけあって、助け合いが体に染みついています。
昔から海を通じて北海道や台湾ともつながってきたせいか、よそ者を珍しがらず、すっと受け入れる。突端の町なのに、不思議と閉じていないんですよ。
Q6.昔に比べて、大間町の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?
マグロの名前が全国に知られて、観光のお客さんはずいぶん増えました。初競りの高値が話題になるたび、町が誇らしい気持ちになります。
ただ正直に言えば、人は減って高齢化も進んでいます。漁師の後継ぎも簡単ではない。賑わいと、静かに進む過疎と、その両方が今の大間の本当の姿だと思います。
Q7.大間町のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?
大間町長や役場には、若い人が残れる仕事づくりに、もっと力を入れてほしいと思っています。立派な施設より、暮らしの土台のほうが大事ですから。
町民が集まれる場や運動公園のような場所が、もっと気軽に使えるといいですね。海の神事や昔ながらの祭りを次の世代へつなぐ。そういう地道な活動にこそ期待しています。

