【青森県今別町】ってどんなとこ?青函トンネルと荒馬の町【地元民のリアルな声あり】

北海道今別町にある青函トンネル入口広場:青森県今別町にあり、新幹線や貨物列車が青函トンネルへ出入りする大迫力の瞬間を間近で見られる広場。

今別町(いまべつまち)は、青森県・津軽半島の北端、三厩湾に面した人口1,799人の小さな町です。青森市から車で約1時間15分、本州側の青函トンネル入口があり、北海道とつながる「玄関口」として知られています。

今別町の魅力を5つに凝縮すると、こうなります:

  • 青函トンネルの本州側入口──全長53.85kmの海底トンネルで北海道とつながる町
  • 奥津軽いまべつ駅──青森県内で唯一の新幹線駅「日本一小さい新幹線のまち」
  • 荒馬まつり──約450年の歴史を持つ青森県無形民俗文化財
  • 袰月海岸・高野崎──津軽国定公園の絶景、赤い太鼓橋と津軽海峡の大パノラマ
  • ✅ 幻の黒毛和牛「いまべつ牛」と糖度13度超の「一球入魂かぼちゃ」

「鉄道や海底トンネルに興味がある人」「人の少ない最果ての海と岬を歩きたい人」「義経伝説や古い港町の歴史を訪ねたい人」に向いた町です。本記事では、観光・歴史・文化・特産を、地元の言葉や暮らしの空気も交えながら紹介していきます。

人口1,799 人 ※2026年5月1日時点(推計人口)
面積125.27 km²
人口密度14.4 人/km²

地理的には、津軽半島の付け根に向かう南側で五所川原市(旧市浦村域の飛地)と接し、それ以外の東・西・南西は外ヶ浜町に囲まれています(出典:今別町(Wikipedia 行政区分))。外ヶ浜町は今別町を挟んで町域が二つに分かれる飛地構造になっているため、今別町は東西の両隣をどちらも外ヶ浜町と接する、津軽半島でも独特な位置にあります。鉄道はJR津軽線と北海道新幹線(奥津軽いまべつ駅)が通り、車なら青森市から約1時間15分です。

海底トンネル・新幹線・荒馬・義経伝説・昆布と、面積125km²ほどの町に「本州の北の果て」ならではの要素が詰まっています。ひとつずつ見ていきましょう。

目次

今別町の推しポイント

今別町といえば、まず「本州と北海道をつなぐ町」という顔があります。昭和63年に開通した青函トンネルの本州側入口がここにあり、北海道新幹線も足元を走っています。そしてもうひとつの顔が、約450年続く荒馬まつりや、津軽国定公園の岬といった「最果ての海と祭り」。鉄道好きにも、静かな海を求める旅人にも刺さる町なんですよ。ここからは5つの推しポイントを、カテゴリーを分けて紹介します。

青函トンネル入口──本州と北海道をつなぐ海底の玄関

今別町には、青函トンネルの本州側入口があります。ここから全長53.85kmの海底トンネルで北海道へとつながっています(出典:今別町公式サイト)。入口上部には「青函隧道」の題字が掲げられ、整備された展望台からは新幹線がトンネルに出入りする様子を間近で見られます。鉄道ファンにとっては、なかなか他では味わえない景色だと思います。なお、入口広場は例年12月から3月中旬まで冬季閉鎖となります。

奥津軽いまべつ駅──青森県で唯一の新幹線駅

北海道新幹線の奥津軽いまべつ駅は、青森県内で唯一の新幹線停車駅であり、青森県内にありながらJR北海道が管轄する駅でもあります。本州最北端の新幹線駅で、今別町は「日本一小さい新幹線のまち」を名乗っています。駅の出入口近くには、町に伝わる「荒馬」を描いた石碑も立っています。こんな小さな町に新幹線が停まる、というギャップがまた面白いんですよね。

荒馬まつり──約450年続く青森県無形民俗文化財

毎年8月上旬に開かれる荒馬まつりは、約450年の歴史を持つ伝統行事で、青森県の無形民俗文化財に指定されています(出典:青森県観光情報サイト Amazing AOMORI)。馬に扮した男性と手綱を取る女性が一組になり、太鼓と笛のリズムに合わせて勇壮に跳ね踊ります。大川平地区の荒馬には、20年ほど前に通い始めた京都の大学生たちが今も毎年「帰って」くる、という温かい物語もあります。

袰月海岸・高野崎──津軽国定公園の絶景の岬

袰月海岸とその先端の高野崎は、津軽国定公園に指定された景勝地です(出典:今別町公式サイト)。岬の先には赤白の灯台と、岩場をつなぐ「潮騒橋」「渚橋」という2本の赤い太鼓橋。橋を渡って岩の先端まで歩けば、北に北海道、西に龍飛崎、東に下北半島まで見渡せます。夜は沖合にイカ釣り船の漁火がともり、本州の北の果てに来たという実感がわく場所です。

いまべつ牛と一球入魂かぼちゃ──冷涼な気候が育てる味

食の推しは、幻の黒毛和牛「いまべつ牛」と、1株に1個だけ実らせる「一球入魂かぼちゃ」です。寒暖差の大きい気候が、肉のうま味やかぼちゃの甘さを引き出しています。どちらも道の駅いまべつで味わえます。詳しくは後半の特産の章で紹介します。

今別町の歴史

今別町の歴史は、大きく3つの段階で捉えられます。源義経の北行伝説が残る中世、弘前藩の港町として栄えた江戸時代、そして青函トンネルと新幹線で「本州と北海道をつなぐ町」となった近現代です。最果ての小さな町でありながら、つねに「北へ渡る人々」の通り道であり続けてきました。

地名の由来と義経北行伝説

地名の由来には伝承があり、源義経一行が北上した際、大雨のあとに川の水量が増えて淵になったのを見て「今淵(いまぶち)」と名づけ、それが訛って「今別」になったとされています。戦後にはアイヌ語起源とする異説も唱えられています。隣接する旧三厩村域には、義経が海峡を渡るため三頭の龍馬を得たという伝説の残る義経寺があり、このあたり一帯が「義経北行伝説」の舞台として語り継がれてきました。

江戸時代──弘前藩の港町として

江戸時代の今別は弘前藩に属し、津軽郡田舎庄のもとに今別村が置かれました。今別港は木材の積出港として重視され、町奉行が置かれたため「今別町」と称されることもありました。藩が指定した「領内九浦」の一つにも数えられ、津軽半島東岸の蟹田とともに重要な港でした。また明暦3年(1657年)には浄土宗の本覚寺が開かれ、津軽半島で最古ともいわれる寺として今に残っています(出典:始覚山本覚寺)。同寺の青銅塔婆は青森県の重宝に指定されています。

近現代──青函トンネルがもたらした転機

1955年(昭和30年)に今別村と一本木村が合併し、今別町が誕生しました。町の現在を決定づけたのが、昭和63年(1988年)の青函トンネル完成です。本州側の入口の町として一躍脚光を浴び、2016年の北海道新幹線開業では奥津軽いまべつ駅が開業しました。古くから「北へ渡る人の通り道」だった町が、海底トンネルと新幹線という形で、その役割を現代まで引き継いでいるわけです。

今別町の文化・風習

方言と話し方の特徴

今別町を含む津軽地方では、いわゆる津軽弁が話されています。口をあまり開かず、短く、濁音が多いのが特徴で、青森県内でも特に聞き取りが難しい方言として知られています。みなさんが旅先で耳にするかもしれない言葉を、いくつか標準語訳とともに紹介しますね。

代表的なものでは、(私)、(あなた・君/親しい間柄で使う)、けやぐ(友達)、まいね(だめ)、めやぐ(ありがとう・恐縮です)などがあります。理由を表すときは「〜だから」を〜はんで(〜だから)と言い、心地よさを表すあずましい(居心地がいい・気持ちがいい)も津軽らしい言葉です。ちなみにおめは初対面の相手に使うと「おまえ」に近い響きになるので、親しくなってから使うのがよいとされています。

食卓と季節の暮らし

三厩湾に面した今別町の食卓には、海の恵みが欠かせません。昆布やもずく、夏のイカなど、津軽海峡の荒波で育った海産物が日常に並びます。冬は12月中旬から3月上旬まで雪が積もり、最深積雪は平均111〜113cmほど(出典:今別町公式サイト)。特別豪雪地帯に指定された雪深い土地で、長い冬を越えるための保存食や温かい鍋物が、暮らしに根づいています。

祭りがつなぐ人の縁

今別町の人の気質を語るうえで外せないのが、荒馬まつりです。約20年前に大川平地区を訪れた京都の大学生が祭りに参加し、住民の温かさに惹かれて毎年通うようになり、今では全国から学生やOB・OGが「帰って」くる場所になりました。過疎が進む小さな集落が、祭りを通じて遠くの人々と家族のような絆を結んでいる──そんな人と人の距離の近さが、この町らしさだと思います。

今別町の特産品・食

いまべつ牛──冷涼な気候が育てる黒毛和牛

幻の黒毛和牛と呼ばれる「いまべつ牛」は、きめ細かな肉質とバランスのよい霜降りが自慢です(出典:今別町公式サイト)。赤身に程よくサシが入り、繊細ながらしっかりとした旨味があります。道の駅いまべつ半島プラザアスクルのレストランでステーキが味わえるので、ドライブの締めに立ち寄って、ジューシーな一皿を頬張る場面を想像してみてください。

一球入魂かぼちゃ──1株に1個だけの濃厚な甘さ

一球入魂かぼちゃ」は、その名のとおり1株に実をたった1個だけ残して栽培するかぼちゃです。品種は「ダークホース」で、1個に養分とうま味を凝縮させるため、糖度は13〜15度にもなります(出典:青森のうまいものたち(青森県))。深い緑の果皮に、やまぶき色のホクホクした果肉。寒暖差の大きい今別の気候が甘みをぐっと引き出しています。秋に出回るので、煮物やポタージュにすると、その濃厚な甘さがよく分かりますよ。

今別昆布──名僧が根付かせた海の恵み

今別の昆布には、ちょっとした物語があります。江戸時代、本覚寺の名僧・貞伝上人が、漁師の暮らしを案じて経を書いた石を海に投じ、昆布を根付かせたと伝えられ、地元では今別昆布は貞伝上人の賜り物とされてきました(出典:始覚山本覚寺)。津軽海峡の荒波にもまれた昆布は、だしの旨味がしっかり。「ただ取るだけでなく育てる漁業」の先駆けともいわれる歴史が、この海の味の背景にあります。

もずく・もずくうどん──津軽海峡が育てる磯の味

津軽海峡の荒波で育った今別産のもずくも、町を代表する海の幸です。ミネラルやカルシウムを多く含み、地元では加工品としても親しまれてきました。なかでも、もずくを粉末にして麺に練り込んだ「もずくうどん」は、ツルツルとした食感とコシ、そしてほのかな磯の香りが楽しめる一品(出典:今別町公式サイト)。健康志向の食品として、お土産にもおすすめです。


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今別町の観光スポット

序盤で触れた青函トンネルや高野崎を、ここからは一つずつ深掘りしていきます。今別町の見どころは、大きく「鉄道・トンネルの絶景」と「津軽国定公園の海と岬」の2つに分けられます。本州の北の果てならではの、どこか旅情をそそるスポットが揃っているんですよ。

鉄道とトンネルを楽しむスポット

  • 青函トンネル入口広場 – 青函トンネルの本州側入口で、ここから全長53.85kmの海底トンネルが北海道へと延びています。入口上部には当時の中曽根首相による「青函隧道」の題字が掲げられ、整備された展望台からはトンネルに出入りする北海道新幹線を間近に見られます。なお、例年12月から翌3月中旬までは冬季閉鎖となります(出典:今別町公式サイト)。列車がトンネルに吸い込まれていく瞬間は、鉄道好きでなくても思わず声が出るほどの迫力ですよ。
  • 奥津軽いまべつ駅 – 青森県内で唯一の新幹線停車駅であり、青森県内にありながらJR北海道が管轄する駅でもあります。本州最北端の新幹線駅で、今別町は「日本一小さい新幹線のまち」を名乗っています。駅の出入口近くには、町に伝わる「荒馬」を描いた石碑も立っています。静かな山あいに突然タワー型の駅舎が現れる光景は、ちょっと不思議で印象に残ります。
  • 道の駅いまべつ 半島プラザアスクル – 北海道新幹線「奥津軽いまべつ駅」とJR津軽線「津軽二股駅」に隣接した道の駅で、営業時間は4月から11月の9:00〜19:00です(出典:今別町公式サイト)。レストランでは幻の黒毛和牛「いまべつ牛」のステーキや、もずくを練り込んだ「もずくうどん」が味わえます。物販コーナーには地元の海産物加工品も並ぶので、観光の拠点にぴったりです。

津軽国定公園の海と岬

  • 高野崎(袰月海岸) – 津軽国定公園に指定された景勝地で、岬の先端には赤白の灯台と、岩場をつなぐ「潮騒橋」「渚橋」という2本の赤い太鼓橋があります(出典:今別町公式サイト)。橋を渡って岩の先端まで歩けば、北に北海道、西に龍飛崎、東に下北半島まで一望。夜になると沖合にイカ釣り船の漁火がともり、本州の北の果てに来たという実感がじわじわ湧いてきます。
  • 高野崎キャンプ場 – 高野崎の岬に整備されたキャンプ場で、営業期間はおおむね6月1日から9月30日です(出典:今別町公式サイト)。目の前が海というロケーションで、津軽海峡に沈む夕焼けを眺めながら過ごす夜は格別。海辺で夕日が好きな人には、ぜひ泊まりで訪れてほしい場所です。
  • 鋳釜崎キャンプ場 – 袰月海岸に面した芝生のキャンプ場で、磯遊びや釣りの絶好のスポットとして知られています。「鬼の形のトイレ」が目印という、ちょっとユニークな場所でもあります。荒馬まつりの花火大会を、シルエットになった岩越しに眺める穴場としても町がおすすめしている場所なんですよ。
  • だるま滝 – 達磨に似た形の岩塊を流れ落ちる小さな滝で、緑に囲まれた静かな渓流瀑です。観光地化されていない分、ひっそりとした自然のなかで水音に耳を澄ませたい人に向いています。

歴史と祈りにふれるスポット

  • 本覚寺 – 明暦3年(1657年)に開かれた浄土宗の寺院で、津軽半島で最古ともいわれます(出典:始覚山本覚寺)。境内には青森県の重宝に指定された青銅塔婆があり、太宰治の小説「津軽」にも登場します。今別昆布を根付かせたと伝わる名僧・貞伝上人ゆかりの寺で、港町の歴史を静かに伝えています。
  • 海峡の家「ほろづき」 – 廃校になった袰月中学校の校舎をリノベーションした町営の宿泊施設で、炭酸カルシウムの人工温泉も備えています(出典:海峡の家ほろづき)。高野崎まで歩いて5分の小高い丘にあり、晴れた日には津軽海峡に沈む夕陽が一望できます。木造校舎の温もりが残る空間は、どこか懐かしくて落ち着きますよ。

今別町の観光ルート

計算中…

今別町は端から端まで車で30分ほどの小さな町なので、半日あれば主要スポットをぐるりと回れます。ここでは新幹線で訪れる人向けの半日プランと、青森市から車で足を延ばす1日プランを紹介しますね。なお、JR津軽線の蟹田〜三厩間(今別駅など)は運休中のため、鉄道で来るなら新幹線の奥津軽いまべつ駅が玄関口になります。

【車・半日】奥津軽いまべつ駅発・トンネルと岬めぐり

9:00 奥津軽いまべつ駅 → 9:05 道の駅いまべつ(隣接) → 9:25 青函トンネル入口広場(車15分) → 10:30 高野崎(車30分) → 12:00 海峡の家ほろづき(車5分)

道の駅いまべつ(30分)→ まずは観光情報を仕入れつつ、いまべつ牛やもずくうどんで腹ごしらえ。レンタカーやレンタサイクルもここで調達できます。

青函トンネル入口広場(40分)→ 展望台から新幹線がトンネルに出入りする瞬間を狙います。本数は多くないので、時刻を調べてから向かうのがおすすめ。

高野崎(60分)→ 赤い太鼓橋を渡って岬の先端へ。北海道まで見渡せる大パノラマは、晴れた午前中ほど空気が澄んでいて気持ちいいんですよ。

海峡の家ほろづき(昼食・休憩)→ 高野崎のすぐ近くなので、締めに人工温泉でひと風呂。丘の上から海を眺めてのんびりできます。

【車・1日】青森市発・津軽半島北端ドライブ

8:30 青森市 → 9:40 青函トンネル入口広場(車約1時間10分) → 11:00 道の駅いまべつ(車15分・昼食) → 13:00 高野崎(車30分) → 14:30 袰月海岸・鋳釜崎キャンプ場(車10分) → 15:30 本覚寺(車25分)

青函トンネル入口広場(60分)→ 国道280号を北上してまずはトンネルの入口へ。海底へ消えていく新幹線を見届けます。

道の駅いまべつ(昼食・60分)→ いまべつ牛のステーキで、ドライブの中休み。お土産の海産物加工品もここで。

高野崎(90分)→ 午後の光を受けた津軽海峡を眺めながら、岩場の先端まで散策。潮風がとにかく心地よいです。

袰月海岸・鋳釜崎キャンプ場(60分)→ 海沿いをゆっくり歩いて磯の景色を楽しみます。夏ならそのまま夕焼けまで粘るのもいいですね。

本覚寺(40分)→ 締めは港町の歴史を伝える古刹へ。太宰も訪れた境内で、静かに旅を振り返ります。


ここまで見てきたとおり、見どころが少し離れた場所に点在していることもあります。気になるスポットをまとめて回るなら、レンタカーがあると一気に動きやすくなりますよ。料金は会社や時期でけっこう変わるので、まとめて比較できるサイトでサッと見ておくのがおすすめです。

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そして遠方から訪れるなら、思いきって一泊するのもおすすめです。日帰りでは通り過ぎてしまう夜や朝の時間に、その町ならではの静けさや表情に出会えます。お祭りやイベントの時期は宿が一気に埋まるので、早めの確保が安心ですよ。

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今別町の年間イベント

今別町のイベントといえば、なんといっても夏の荒馬まつり。約450年続く伝統行事で、町じゅうが一年でいちばん熱気に包まれる季節です。冬は雪深い土地ならではの静けさが広がり、四季のコントラストがはっきりした町でもあります。

夏:荒馬まつり

ぜひ訪れてほしいのが、毎年8月上旬に開かれる荒馬まつりです。約450年の歴史を持ち、青森県の無形民俗文化財に指定されています(出典:青森県観光情報サイト Amazing AOMORI)。馬に扮した男性と手綱を取る女性が一対になり、太鼓と笛の激しいリズムに合わせて勇壮に跳ね踊ります。

開催期間中の土日いずれかに行われる合同運行では、町内の各保存会が海峡さざなみ公園の特設会場に集結し、数百人規模の荒馬と囃子が大集結します(出典:青森県無形文化財 荒馬)。地区ごとに衣装や跳ね方が異なる「今別荒馬」「大川平荒馬」「二股荒馬」を見比べられるのも見どころです。

合同運行のしめくくりには、津軽海峡を背景にした海峡花火大会が打ち上げられます。太鼓と笛の余韻が残るなか、夜空と海に花火が映る光景は、今別の短い夏のクライマックス。汗ばむ夜気と火薬の匂い、地響きのような囃子が一体になった熱量は、現地でしか味わえません。

冬:雪と静けさの季節

今別町は特別豪雪地帯に指定されており、12月中旬から3月上旬まで雪が積もります。最深積雪は平均111〜113cmほど(出典:今別町公式サイト)。この時期は青函トンネル入口広場の展望台も冬季閉鎖となり、町は深い雪と静けさに包まれます。

大きな観光イベントは夏に集中しますが、雪に覆われた高野崎や、白い校舎が映える海峡の家ほろづきなど、冬ならではの澄んだ景色を求めて訪れる人もいます。荒馬の熱気とは正反対の、しんと静まった津軽の冬を味わいたい人向けの季節ですね。

今別町のエリア別の顔

小さな町ながら、今別町は地区ごとに少しずつ表情が違います。役場や港のある中心部の今別地区、新幹線駅と荒馬の里・大川平地区、そして海と岬の袰月地区。旅する視点で見ると、それぞれ訪れる目的が変わってくるんですよ。

今別地区──港町の中心、歴史を歩くエリア

今別地区は町役場や港のある中心部で、経済的・政治的な核となるエリアです。本覚寺や今別八幡宮といった歴史ある寺社が点在し、荒馬まつりの運行ルートにもなっています。海沿いに古い港町の面影が残り、町の成り立ちをたどりながらのんびり歩きたい人に向いています。江戸時代に弘前藩の重要な港だった頃の空気を、今も少しだけ感じられる場所です。

大川平地区──新幹線と荒馬の玄関口エリア

大川平地区は、北海道新幹線の奥津軽いまべつ駅と道の駅いまべつがある、町の交通の玄関口です。そして荒馬まつりで全国から学生やOB・OGが「帰って」くる、荒馬文化の中心地でもあります。鉄道やトンネルを目当てに訪れるなら、まずこのエリアが拠点になります。山あいに新幹線駅が現れるギャップを楽しめる、旅の起点にぴったりのエリアですよ。

袰月地区──海と岬を楽しむ景勝エリア

袰月地区は、津軽国定公園に指定された袰月海岸と高野崎を擁する、町いちばんの景勝エリアです。赤い太鼓橋やキャンプ場、海峡の家ほろづきがこの一帯に集まっています。夏は海水浴やキャンプ、夕日鑑賞と、海をめいっぱい楽しめます。津軽弁の方言詩人・高木恭造の詩碑も置かれており、海の景色とあわせて立ち寄るのにおすすめのエリアです。

今別町の気候・季節の暮らし

今別町は、寒暖の差が大きい大陸性気候で、年平均気温は10.0℃です(出典:今別町(気象庁平年値 1991〜2020年に基づく))。夏日は年に40日ほどある一方、真冬日も20日前後あり、季節のメリハリがはっきりしています。降雪量が多く、特別豪雪地帯に指定された土地でもあるんですよ。

夏──6月〜8月の暮らし

夏は、オホーツク海の冷気を含んだ偏東風(やませ)の影響で、低温の日が出やすいのが特徴です。猛暑日はほぼなく、真夏日も年に3日ほど(出典:今別町(気象庁平年値))。本州にいながら涼しく過ごせる夏で、海沿いを歩くと潮風が心地よい季節です。荒馬まつりで町がいちばん熱気づくのも、この時期ですね。

冬──12月〜3月の暮らし

冬は西風が吹きつけ、12月中旬から3月上旬まで雪が積もります。最深積雪は平均111〜113cmと比較的多めです(出典:今別町公式サイト)。真冬日は年に20日前後、冬日は100日を超えます(出典:今別町(気象庁平年値))。除雪と暖房は冬の暮らしに欠かせず、車中心の生活では雪道運転への備えも必要です。

春・秋──移ろいの季節

春は雪解けとともに風が強い日が続き、海沿いでは特にそれを感じます。秋は短く、津軽海峡を渡る風が一気に冷たくなっていくのを肌で感じられる季節です。雪に閉ざされる前の澄んだ空気のなか、高野崎から海を眺めるのは、地元の人にとっても特別な時間だと思います。

今別町の移住・暮らし情報

人口1,799人の今別町での暮らしは、「最果ての静けさ」と「新幹線で本州・北海道とつながる利便」が同居しているのが面白いところです。買い物や通院の選択肢はかぎられますが、その分、海と山に囲まれた環境でゆったり過ごせます。ここでは住む視点で町の現実を見ていきますね。

通勤・通学

町内には今別小学校と今別中学校があり、日常生活は車移動が基本です。新幹線の奥津軽いまべつ駅を使えば新青森方面へも出られますが、駅は町の中心部から少し離れた大川平地区にあります。高校や専門的な医療・買い物は青森市方面に頼る場面が多く、車があるかどうかで暮らしやすさが大きく変わります。

住宅環境

今別町は移住・定住の支援に力を入れており、町独自の「定住促進家賃補助金」や「定住促進住宅取得等補助金」が用意されています(出典:今別町公式サイト)。また、奥津軽いまべつ駅から車で5分ほどの場所に「お試し暮らし住宅」も整備されています。中心部の今別地区は生活拠点が比較的まとまっており、初めての移住ならこのあたりが動きやすいと考えられます。

買い物環境

大型商業施設はなく、日常の買い物は町内の小規模な店舗や、道の駅いまべつでの地元産品が中心になります。まとめ買いや専門品は、車で青森市方面のスーパーやロードサイド店へ出るのが現実的です。「足りないものは週末にまとめて買いに出る」という暮らし方が基本になると考えられます。

子育て・教育

今別町は子育て支援に取り組んでおり、町の窓口は町民福祉課が担っています(出典:今別町公式サイト)。町内唯一の今別小学校は準へき地学校に認定された小規模校で、少人数ならではの目の行き届いた環境が特徴です。支援制度の最新の内容や金額は変わることがあるため、検討する際は町の公式情報で直接確認するのが確実です。

医療環境

町の中核となる医療機関は、町営の「今別町国民健康保険今別診療所」です。内科・外科・小児科に対応し、診療時間は午前8時15分〜11時30分、午後1時〜4時となっています(出典:今別町国民健康保険今別診療所)。専門的な検査や入院が必要な場合は青森市方面の病院に頼ることになるため、いざというときの移動手段の確保が暮らしの前提になります。

エリア別の暮らし視点

住む視点で見ると、役場・診療所・小学校が集まる今別地区が最も生活導線が短く、暮らしの拠点になりやすいエリアです。大川平地区は新幹線駅と道の駅があり、町外への移動を重視する人に向いています。袰月地区は海と岬に近い静かな環境で、自然のそばで暮らしたい人向けと考えられます。

今別町へのアクセス

今別町へのアクセスは、北海道新幹線の奥津軽いまべつ駅と、車での移動が中心です。なお、JR津軽線の蟹田〜三厩間(今別駅・津軽浜名駅を含む)は2022年8月の大雨被害で運休が続いており、2027年4月に廃止してバス・乗合タクシーへ転換することが決まっています(出典:津軽線(JR東日本・沿線自治体の基本合意に基づく))。鉄道で訪れるなら、新幹線が玄関口になります。

新幹線でのアクセス

北海道新幹線の奥津軽いまべつ駅は、新青森駅から約15分です。東京方面からは、東北・北海道新幹線「はやぶさ」で東京から奥津軽いまべつ駅まで、乗り換えなしでおよそ3時間半前後。本州最北端の新幹線駅で、青森県内で唯一の新幹線停車駅でもあります。1日の停車本数はかぎられるため、事前に時刻を調べてから動くのが安心です。

車でのアクセス

車の場合、青森市方面から国道280号経由でおよそ1時間〜1時間15分です(出典:青森県観光情報サイト Amazing AOMORI)。海沿いの道を北上していくルートで、津軽海峡の景色を眺めながら向かえます。町内のスポットは点在しているため、現地での移動も車があると格段に動きやすくなります。

町内移動の現実的アドバイス

町内の移動には、今別町巡回バスや乗合タクシー「わんタク」が使えます。奥津軽いまべつ駅から海沿いの袰月地区などへは、これらを乗り継ぐ形になります。ただし本数はかぎられるので、観光で効率よく回るならレンタカーが現実的です。道の駅いまべつではレンタカーやレンタサイクルも用意されているので、新幹線で来てそこから車を借りる、という動き方もできますよ。


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【地元住民に直撃!】今別町の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。

津軽海峡で昆布を獲って暮らしています。今別の昆布は、荒い波にもまれて育つから、出汁の旨味がしっかりしているんですよ。

夏場は朝早くから船を出して、採った昆布を浜に広げて干す。昔ながらのやり方を、親父の代から受け継いでやっています。

Q2.今別町に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?

まずは高野崎ですね。津軽国定公園の岬で、赤い太鼓橋を渡って岩場の先まで歩くと、北海道や下北半島まで見渡せる。あの開けた景色は、一度立ってみてほしいです。

あと地元の人間としては、青函トンネルの入口広場かな。新幹線が海の下に吸い込まれていくのを見ると、本州の北の果てに来たって実感がわきますよ。

Q3.今別町でお土産を買うとしたらなんですか?

やっぱり昆布や、もずくですね。津軽海峡で揉まれた海藻は香りが違うので、定番だけど間違いないです。

地元の人間が推すなら、もずくを練り込んだうどん。あのつるっとした喉ごしと磯の風味は、知っている人だけが買っていく一品ですよ。

Q4.外から人が来たときに、今別町でまず連れていく店はどこですか?

新幹線の駅に隣り合った道の駅へ連れていきます。地元の黒毛和牛のステーキや、海産物が並んでいて、ここで腹ごしらえするのが定番なんです。

窓の外を新幹線が通る景色を眺めながら、津軽の海の幸を食べてもらう。それだけで、この町の空気がだいたい伝わると思います。

Q5.今別町はどんな気質だと思いますか?

口数は多くないけど、根は温かい人ばかりです。荒馬まつりの時期になると、遠くから通い続けてくれる若い人たちを、家族みたいに迎えるんですよ。

海と雪の厳しい土地で生きてきたから、見栄を張らず、淡々と助け合う。そういう気質が染みついている町だと思います。

Q6.昔に比べて、今別町の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?

正直、人は減りました。子どもの頃に比べると静かになったし、漁師の数も少なくなって、跡を継ぐ人を探すのが難しい時代です。

ただ、新幹線の駅ができてから、外から訪ねてくる人の顔ぶれは変わりました。鉄道や海を目当てに来てくれる人がいるのは、励みになりますね。

Q7.今別町のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?

大きな施設がどんどんできる町ではないですが、廃校を活かした海沿いの宿のように、あるものを工夫して使う動きには期待しています。

あとは、荒馬まつりで生まれた人と人とのつながり。あれを糸口に、この町を第二のふるさとと思ってくれる人が増えてくれたらと願っています。

今別町の関連リンク

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