本別町(ほんべつちょう)は、北海道十勝総合振興局管内・中川郡にある人口5,785人の内陸の町です。帯広と北見・釧路を結ぶ交通の要衝で、町の中央を利別川が南北に流れています。
本別町の魅力を5つに凝縮すると、こうなります:
- ✅ 町とJAが掲げる「日本一の豆のまち」──黒大豆「キレイマメ」など良質な豆の産地
- ✅ 甘納豆の老舗岡女堂本家や味噌・醤油の醸造所が集まる豆加工の集積地
- ✅ 義経伝説が残る義経の里本別公園──春はエゾムラサキツツジが一斉に咲く
- ✅ 大正期の「豆成金」と、十勝で最大の被害を受けた本別空襲の歴史
- ✅ 冬は氷点下25℃を下回る厳しい寒さ、晴天が多く畑作に向く内陸性気候
「豆や食文化に興味がある人」「歴史や平和学習に関心がある人」「自然のなかでゆったり過ごしたい旅行者」に向いた町です。本記事では、推しポイント・歴史・文化・特産品まで、確認できた一次情報をもとに序盤から終盤にかけて紹介します。
| 人口 | 5,785 人 ※2026年4月30日時点(住民基本台帳) |
|---|---|
| 面積 | 391.91 km² |
| 人口密度 | 14.8 人/km² |
地理的には、北は足寄町、北西は上士幌町、西は士幌町、南西は池田町、南東は浦幌町、東は釧路総合振興局の白糠町と、6つの町に接しています(出典:都道府県市区町村「市区町村隣接関係一覧」)。鉄道は通っておらず、最寄り駅はJR根室本線の池田駅。道東自動車道の本別JCTで北見方面と釧路方面に分岐する、十勝北東部の結節点です。
豆・公園・歴史と、この小さな町には語りどころが詰まっています。ひとつずつ見ていきましょう。
本別町の推しポイント

本別町といえば、まず「豆」です。町とJA本別町が「日本一の豆のまち」を掲げ、黒大豆や金時豆など良質な豆を育てています。さらに、甘納豆の老舗や醸造所が集まる豆加工の集積地でもあり、義経伝説の残る公園、戦争の記憶を伝える歴史と、見どころは多方面に広がります。ここからは代表的な4つを少し掘り下げて紹介します。
推しポイント1:日本一を掲げる「豆のまち」
本別町は、町とJA本別町がそろって「日本一の豆のまち」を掲げる豆の産地です(出典:JA本別町)。昼暑く夜涼しい寒暖差の大きい気候が、糖分をしっかり蓄えた味わい深い豆を育てると言われています。なかでも本別産中生光黒大豆を使った黒大豆ブランド「キレイマメ」が知られています(出典:本別町公式ホームページ)。
推しポイント2:豆加工が集まる「岡女堂本家」と醸造のまち
豆を育てるだけでなく、加工する事業者が密集しているのも本別町の特徴です。日本の甘納豆のルーツの一つとされる岡女堂本家をはじめ、味噌・醤油の醸造所「渋谷醸造」、手作り納豆の「やまぐち発酵食品」などが町内にそろっています。豆を植え、加工し、お菓子や調味料にして送り出すまでが一つの町で完結しているんですよ。
推しポイント3:義経伝説が残る「義経の里本別公園」
町のシンボルが、源義経の伝説が伝わる義経の里本別公園です。義経山や弁慶洞といった奇岩や、義経・弁慶の像があり、総合案内所「義経の館」を中心にキャンプ場やコテージも整っています(出典:北海道公式ホームページ「花の名所」)。春にはエゾムラサキツツジとエゾヤマザクラが一斉に咲き、町内外から多くの人が訪れます。
推しポイント4:十勝で最大の被害を受けた「本別空襲」の記憶
本別町は、1945年7月15日に米軍の空襲を受け、十勝で最大の被害を出した町でもあります(出典:本別町ホームページ 歴史民俗資料館)。資料館では毎年夏に企画展を開き、その記憶を後世へ伝え続けています。豆のまちの明るさの裏に、平和への祈りが根づいています。
本別町の歴史

本別町の歩みは、おおまかに三つの時代に分けられます。開拓者が豆とともに根を張った明治・大正期、複数の村が合併して町の形が整い、やがて戦争の傷を負った昭和期、そして高速道路や道の駅が整備され交通の要衝となった現代です。地名は、町内を流れる川のアイヌ語名「ポンペッ」(小さい・川)に由来します。
開拓と「豆成金」の時代
本別と豆の関係は開拓時代にさかのぼります。本州を離れて移り住んだ人々の暮らしを支えたのが、この地の適作物である豆でした。第一次世界大戦が始まった1914年(大正3年)には豆の輸出が急増し、「豆成金」と呼ばれる人が生まれるほどの黄金期を迎えます。相場が大きく動く小豆は「赤いダイヤ」とも呼ばれました(出典:本別町公式ホームページ)。
村の合併から町制施行へ
1915年(大正4年)、本別村など周辺の村が合併して本別村が成立しました。1921年(大正10年)には西足寄村(現在の足寄町)を分村し、1933年(昭和8年)に町制を施行して本別町となりました。2001年には開町100年を迎え、これに合わせて特産品の豆をモチーフにしたマスコット「元気くん」が公募で選ばれています。
本別空襲と現代の町
1945年(昭和20年)7月15日、本別町中心部はアメリカ軍の空襲を受け、十勝で最大の被害を出しました(出典:本別町ホームページ 歴史民俗資料館)。戦後は農業を基盤に復興し、2003年には道東自動車道の本別JCTなどが開通、2009年には道の駅ステラ★ほんべつがオープンして、交通と物流の要衝としての役割を担っています。
本別町の文化・風習

方言と話し方の特徴
本別町を含む北海道の言葉は、内陸部の方言で比較的なまりが少ないと言われますが、独特の表現もあります。たとえばしたっけ(それじゃあ/そうしたら)は接続詞にも別れのあいさつにも使える便利な言葉です。冬の厳しい冷え込みはしばれる(厳しく冷え込む)と表現し、強調したいときにはなまら(とても・すごく)、ひどい状態をわや(めちゃくちゃ・ひどい)と言います。語尾の〜だべさ(〜でしょ・〜だよね)も耳にする言い回しです。みなさんも本別を訪れたら、ぜひ聞き取ってみてください。
食卓と季節の暮らし
豆のまちだけあって、食卓には豆がよく登場します。納豆や味噌、甘納豆やようかんなど、地元の事業者がつくる豆製品が身近にある暮らしなんですよ。春のつつじの季節には、本別公園で開かれる本別山渓つつじ祭りで「ジャンボ義経鍋」がふるまわれ、家族や友人で出かける人も多いです(出典:本別町公式ホームページ)。
人の気質と地域のつながり
冬は氷点下25℃を下回ることもある厳しい寒さの土地です。だからこそ、近所どうしで助け合う温かさが残っています。1月下旬の「ほんべつ豆まかナイト」は、2022年に「わが村は美しく-北海道」コンクールで大賞に選ばれた、住民が主体となって育ててきた行事です。豆のまちらしい遊び心と、まちづくりへの熱意が伝わってきますよね。
本別町の特産品・食

特産品1:黒大豆「キレイマメ」
本別町を代表するのが、本別産中生光黒大豆を使った黒大豆ブランドキレイマメです(出典:本別町公式ホームページ)。黒大豆はつやのある黒い皮とふっくらした食感が魅力で、煮豆にすると上品な甘みが広がります。寒暖差の大きい気候で糖分を蓄えた豆ならではの濃い味わいで、お正月の煮豆としても親しまれています。一度味わうと、豆のまちの自負に納得してしまいますよ。
特産品2:甘納豆と豆菓子(岡女堂本家ほか)
豆を育てるだけでなく、お菓子にするところまでが本別の強みです。日本の甘納豆のルーツの一つとされる岡女堂本家をはじめ、ようかん・どらやき・最中など、豆を使ったお菓子が数多くつくられています(出典:本別町公式ホームページ)。やさしい甘さの甘納豆は、お茶うけやおみやげにぴったり。豆のうまみをそのまま閉じ込めた味です。
特産品3:味噌・醤油・納豆などの発酵食品
本別産の大豆は、発酵食品にも姿を変えます。十勝・本別産大豆を使った味噌や醤油を醸す「渋谷醸造」、こだわりの手作り納豆を続ける「やまぐち発酵食品」など、醸造のまちとしての顔も持っています。地元産の大豆でつくる味噌汁や納豆ごはんは、毎日の食卓に豆が溶け込んだ本別ならではの味。素朴だけれど飽きのこない、暮らしの味なんですよ。
特産品4:畑作と黒毛和牛
豆と並んで、小麦や甜菜(てんさい)、じゃがいもといった畑作も基幹産業です。さらに黒毛和種の生産・改良も盛んで、和牛の素牛を全国に供給しています(出典:JA本別町)。デンプン質の高いじゃがいもや、十勝ブランドとして評価される農作物がそろう、食の土台が厚い町です。豆だけでない、十勝らしい大地の恵みが詰まっています。
本別町の観光スポット

序盤で触れた「豆」「義経伝説」「戦争の記憶」は、それぞれ実際に訪ねられる場所として町に残っています。本別町はコンパクトな町なので、中心部の道の駅を起点にすれば、公園・資料館・豆の老舗を1日で回れます。まずは押さえておきたいスポットを、テーマごとに紹介しますね。
豆のまちを味わうスポット
- 道の駅「ステラ★ほんべつ」 – 2006年に廃線となった旧ふるさと銀河線・本別駅の跡地に建つ道の駅です。物産コーナーには黒大豆「キレイマメ」シリーズや味噌・醤油がそろい、パン工房では豆パンやマスコット「元気くん」印の食パンも並びます。季節によって営業時間が変わります(出典:本別町公式ホームページ)。隣には旧本別駅の跨線橋と線路の一部が残り、鉄道好きにはたまらない一角ですよ。
- 豆屋とかち岡女堂本家 – 安政2年(1855年)創業、160年余りの歴史を持つ豆菓子の老舗です。甘納豆や素焼き豆、豆ようかんなどを製造・販売し、国道242号線沿いの観光情報センター側からも立ち寄れます(出典:本別町公式ホームページ)。一粒一粒に存在感のある甘納豆は、おみやげにもお茶うけにもぴったり。品のある甘さに、豆のまちの実力を感じます。
義経伝説と自然を楽しむスポット
- 義経の里本別公園 – 源義経の伝説が伝わる、約25.8ヘクタールの広大な公園です。総合案内所「義経の館」を中心に、キャンプ場やコテージ、パークゴルフ場、ゴーカート、ボートまでそろっています(出典:北海道公式ホームページ「花の名所」)。春にはおよそ1万6,000株のエゾムラサキツツジと2,000本ほどのエゾヤマザクラが一斉に咲き、園内がピンクと紅紫に染まります。一日中いても飽きない、町自慢の森なんですよ。
- 義経山・弁慶洞 – 本別公園の中にある、かつて海底にあった岩壁が洗い出されてできた奇岩怪岩のスポットです。低い山ながら高山のようなおもむきがあり、義経・弁慶の像とあわせて義経伝説の世界に浸れます。遊歩道が整っているので、軽い散策気分で歩けるのがうれしいところ。新緑や紅葉の季節は特に気持ちがいいですよ。
戦争と開拓の歴史を学ぶスポット
- 本別町歴史民俗資料館 – 先住の人々の足跡や開拓者の暮らし、木材のまちとして栄えた時代を伝える資料館です。1945年の本別空襲に関する資料や、軍馬・「バロン西」(西竹一)ゆかりの資料も展示しています。常設展示は無料で見学でき、休館日は日曜・月曜・祝日と年末年始です(出典:本別町ホームページ 歴史民俗資料館)。毎年夏には本別空襲の企画展が開かれ、平和について静かに考えさせられます。
本別町の観光ルート

本別町は鉄道が通っていないため、旅の基本は車です。中心部だけならコンパクトに半日で、公園までしっかり楽しむなら1日。さらに足をのばせば、隣町をつなぐドライブも組めます。3つのモデルルートを紹介しますね。
【車・半日】豆のまち中心部ルート
9:30 道の駅ステラ★ほんべつ → 9:50 岡女堂本家(車5分)→ 10:40 歴史民俗資料館(車5分)→ 11:30 本別公園(車5分)
①道の駅ステラ★ほんべつ(40分)
→ 旅の情報収集と豆みやげの下見を。跨線橋を眺めながら、まずは町の空気に慣れていきましょう。
②岡女堂本家(40分)
→ 甘納豆や素焼き豆を試食しながら選ぶ時間。午前中は人が少なめで、ゆっくり見られます。
③歴史民俗資料館(40分)
→ 開拓と空襲の歴史を学ぶ静かな時間。混まないので、展示にじっくり向き合えます。
④本別公園(散策)
→ 義経像や奇岩を眺めながら散歩。半日でも、町の輪郭がしっかりつかめますよ。
【車・1日】本別じっくり満喫ルート
9:00 道の駅ステラ★ほんべつ → 9:30 本別公園(車5分)→ 12:00 町なかで昼食 → 13:30 岡女堂本家 → 14:30 歴史民俗資料館 → 15:30 道の駅で買い物
①道の駅ステラ★ほんべつ(30分)
→ 元気くん食パンや豆パンを朝のおやつに。1日の計画をここで立てます。
②義経の里本別公園(2時間以上)
→ ゴーカートやボート、パークゴルフでたっぷり遊ぶ時間。春ならつつじが見頃、夏は新緑、秋は紅葉と、季節ごとに表情が変わります。
③岡女堂本家(1時間)
→ 昼食後の甘いもの休憩に。コーヒーやソフトクリームでひと息つけます。
④歴史民俗資料館(1時間)
→ 遊んだあとに歴史を学ぶと、町の見え方が変わります。夕方前の落ち着いた時間帯がおすすめ。
【車・1日】広域ルート:旧ふるさと銀河線をたどる
9:00 本別(道の駅)→ 10:00 足寄町(車50分前後)→ 12:30 陸別町(車40分前後)
①本別町・道の駅ステラ★ほんべつ(40分)
→ かつての銀河線・本別駅跡からスタート。鉄道の名残を確かめてから北へ向かいます。
②足寄町(2時間)
→ 隣町の足寄町は歌手・松山千春さんの故郷として知られる、面積の広い町。道の駅や郷土の施設に立ち寄って、旅のリズムを変えましょう。
③陸別町(午後)
→ 「日本一寒い町」として知られる陸別町へ。冬の冷え込みと澄んだ夜空が名物で、銀河線が結んでいた町々を一日でたどる、ちょっと欲張りなルートです。
本別町の年間イベント

本別町のイベントは、春のつつじから始まり、夏の祭り、初秋の花火、そして冬の豆まきへと、四季を通じて切れ目なく続きます。どの行事にも「豆のまち」や「義経の里」らしさがにじむのが特徴です。季節ごとに見ていきましょう。
春:本別山渓つつじ祭り
春の主役は、本別公園で開かれる本別山渓つつじ祭りです。毎年4月下旬ごろ、エゾムラサキツツジとエゾヤマザクラが一斉に咲く時期に合わせて開催されます(出典:本別町公式ホームページ)。ぜひ味わってほしいのが、直径約2メートルのジャンボ義経鍋。本別産の食材を使った豚汁が振る舞われ、花を眺めながらいただく一杯は格別ですよ。
夏:ひまわり迷路と夏まつり
夏は行事が目白押しです。7月下旬には十勝ほんべつひまわり迷路、8月中旬には盆踊りやほんべつ肉まつりなどが開かれます(出典:本別町公式ホームページ)。広い畑に咲くひまわりの迷路は、子どもも大人も夢中になる夏の風物詩。十勝晴れの空の下、緑と黄色のコントラストが目に焼きつきます。
初秋:本別きらめきタウンフェスティバル
町最大のイベントが、毎年9月上旬に2日間にわたって開かれる本別きらめきタウンフェスティバルです。利別川河川敷の特設会場で、うまいもの市やステージショーが繰り広げられます(出典:本別町公式ホームページ)。初日の夜には東十勝花火大会があり、例年およそ6,000発が打ち上がります。会場と打ち上げ場所が近いので、夜空いっぱいに広がる花火と腹に響く音を間近で味わえるんですよ。
冬:ほんべつ豆まかナイト
冬の名物が、毎年1月下旬に開かれるほんべつ豆まかナイトです。特産の豆をテーマに、鬼がたくさん登場する「“激”豆まき」をメインに、豆浴びなどが繰り広げられます(出典:本別町公式ホームページ)。「わが村は美しく-北海道」コンクールで大賞に選ばれた、住民が育ててきた行事。氷点下の寒さを吹き飛ばす熱気は、豆のまちならではですよね。
本別町のエリア別の顔

本別町は、利別川沿いの盆地に開けた中心市街地と、その周りに広がる農村部、そして観光の核となる公園エリアで顔つきが変わります。旅する視点で、どこをどう楽しむと面白いか、主なエリアを紹介しますね。
本別市街エリア──道の駅を起点にする旅の拠点
役場や商店、道の駅、歴史民俗資料館が集まる町の中心部です。旅の起点にするなら、まずここ。徒歩でも回れる距離に施設が固まっているので、車を停めてのんびり歩くのに向いています。豆みやげの調達も食事も、この一帯で完結しますよ。
義経の里・本別公園エリア──自然とレジャーの森
中心部から車で数分、利別川に近い丘陵に広がる観光エリアです。キャンプやパークゴルフ、ゴーカートなど、家族連れでアクティブに過ごしたい人にぴったり。春のつつじ、夏の新緑、秋の紅葉と、季節を変えて何度でも訪れたくなる場所です。
仙美里(せんびり)エリア──軍馬とバロン西の記憶
町の南東部にあたる仙美里は、かつて陸軍の軍馬補充部が置かれた歴史を持つ地域です。オリンピック馬術で知られる「バロン西」こと西竹一ゆかりの土地でもあり、歴史好きが静かに歩きたいエリア。のどかな田園風景の中に、近代史の足跡が残っています。
美里別・勇足エリア──豆と畑作の田園
利別川の支流沿いに広がる美里別や勇足は、豆や小麦、甜菜の畑が一面に続く農村部です。観光施設は多くありませんが、十勝らしい大地のスケール感を味わうならこの方面。車窓から畑のうねりを眺めるドライブが、思いのほか心に残りますよ。
本別町の気候・季節の暮らし

本別町の気候は、寒暖の差が大きい内陸性です。1991〜2020年の平年値では、年平均気温は6.3℃、もっとも寒い1月の日平均は−8.9℃、もっとも暑い8月でも20.0℃です(出典:気象庁 過去の気象データ・ダウンロード)。晴天日が多く畑作に向く一方、冬の冷え込みはかなり厳しい土地。暮らしのリズムも季節でくっきり変わります。
夏──6月〜8月の暮らし
夏は日中こそ気温が上がりますが、夜は涼しくなるのが内陸の特徴です。昼夜の寒暖差が大きく、これが豆や野菜のうまみを育てます。湿度が高い本州の夏とは違い、木陰に入るとしのぎやすいので、畑仕事も朝夕の涼しい時間が中心になります。ひまわり迷路が開く頃が、夏本番ですよ。
秋──9月〜10月の暮らし
秋は収穫の季節です。豆や小麦、甜菜の取り入れで町全体が忙しくなり、本別公園の木々も色づきます。朝晩はぐっと冷え込み、9月上旬のきらめきタウンフェスティバルの花火が、夏の終わりの合図に。10月にはストーブの準備を始める家も多く、長い冬への助走期間になります。
冬──11月〜3月の暮らし
冬は氷点下の世界です。1月の平均最低気温は−16.1℃で、過去には−29.1℃を記録したこともあります(出典:気象庁 過去の気象データ・ダウンロード)。朝、外に出ると鼻の奥がツンとするほどの冷気で、雪を踏むとキュッと鳴ります。暖房と除雪は生活の必需。住むなら、しっかりした防寒着と冬タイヤは欠かせませんね。
春──4月〜5月の暮らし
長い冬が明けると、待ちかねたように春が来ます。4月下旬には本別公園のエゾムラサキツツジが一斉に咲き、つつじ祭りでにぎわう頃。雪解け水で川が増え、畑では種まきが始まります。一気に景色が動き出す季節で、町の人の表情も明るくなるのが感じられますよ。
本別町の移住・暮らし情報

本別町は、農業を基盤にしながら、子育てや医療の支援が手厚いことで知られる町です。鉄道はないので生活は車が基本ですが、まちなかに必要な施設がコンパクトにまとまっています。「暮らす」視点で、現実的なところを見ていきましょう。
通勤・通学
町内には役場や病院、JA本別町、明治の本別工場などがあり、農業とあわせて働き口の中心になっています。鉄道が通っていないため、通勤・通学はマイカーやスクールバスが基本。帯広方面へ車で通う人もいて、移動は車ありきの暮らしになります。
住宅環境
本別町には公営住宅があり、移住希望者向けの支援も用意されています。町内に正社員などで移住し賃貸住宅に住む人には、家賃の一部を一定期間助成する制度があります(出典:本別町ホームページ)。暮らしを試せる「おためし暮らし住宅」もあり、いきなり移住する前に空気感を確かめられるのがうれしいところです。
買い物環境
日常の買い物は、まちなかのスーパーや国道242号沿いの店、道の駅ステラ★ほんべつでおおむね足ります。新鮮な地場野菜や豆製品が手に入るのは、産地ならではの強み。まとまった買い物や専門店は、車で帯広方面へ出る人が多いと考えられます。
子育て・教育
子育て支援は本別町の自慢のひとつです。町内に住む0歳から18歳までの医療費は、所得制限はあるものの無料で受診できます(出典:本別町ホームページ)。認定こども園の保育料は2人目が半額・3人目が無料で、学童保育所や放課後子ども教室、児童館もそろっています。高校まで町を挙げて支える姿勢が伝わってきますよね。
医療環境
医療は、本別町国民健康保険病院を核に、総合ケアセンターや老人保健施設アメニティ本別などが連携しています(出典:本別町ホームページ)。このほか、ほんべつ循環器内科クリニックや幡医院などもあり、小さな町ながら日常の医療を町内で受けられる体制が整っています。
エリア別の暮らし視点
暮らすなら、役場・病院・道の駅が近い本別市街エリアが利便性で一歩リード。徒歩圏で用事が済むので、車の運転に不安がある世代にも向いています。一方、美里別や勇足など農村部は土地が広く、畑や自然に近い暮らしがしたい人向き。中盤で旅の視点から見たエリアも、住む目線だと違った顔を見せてくれます。
本別町へのアクセス

本別町は、帯広と北見・釧路を結ぶ交通の要衝です。鉄道は通っていないため、旅行でも暮らしでも基本は車かバス。十勝の中では比較的アクセスしやすい町なので、行き方を整理しておきましょう。
車でのアクセス
もっとも便利なのは車です。道東自動車道の本別ICが中心部のすぐ近くにあり、ICから市街地まではおよそ5分。町内の本別JCTで釧路方面と北見方面に分岐するため、道東各地への中継地点としても使いやすい立地です。帯広市街からは車でおよそ1時間が目安になります。
鉄道+バスでのアクセス
鉄道を使う場合、最寄りはJR根室本線の池田駅です。そこから先はバスに乗り継ぎます。十勝バスの陸別行きで、帯広駅からおよそ100分、池田駅からはおよそ40分で本別の中心部に着きます。本数は多くないので、出発前に最新の時刻を確認しておくと安心ですよ。
飛行機でのアクセス
遠方からなら、最寄りはとかち帯広空港です。空港から帯広市街を経由し、道東自動車道で本別へ向かうルートが分かりやすいでしょう。新千歳空港からの場合も、道東自動車道を東へ進むかたちになります。いずれも空港からはレンタカーが現実的です。
町内移動の現実的アドバイス
町に着いたあとは、車があると一気に動きやすくなります。観光スポットは中心部に固まっているものの、公園や農村部まで足をのばすならマイカーかレンタカーが安心。冬season に訪れるなら、雪道に備えて冬タイヤの車を選ぶのがおすすめです。
【地元住民に直撃!】本別町の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。
うちは代々の畑作農家で、私はその後継ぎとして家の畑を手伝っています。本別はやっぱり豆のまちなので、小豆や黒大豆を中心に、小麦や甜菜も作っています。
朝は暗いうちから畑に出て、収穫の時期は本当にあっという間に一日が過ぎます。気候の寒暖差が大きい分、味のいい豆ができるのが本別の自慢ですね。
Q2.本別町に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?
有名どころなら、やっぱり義経伝説の残る本別公園です。春のエゾムラサキツツジが咲きそろう景色は、町の人間でも毎年見に行きたくなるくらいきれいなんですよ。
地元の人間としては、利別川沿いの土手も好きです。本別町の水源にもなっている川で、夕方に風が抜けていく感じが、何でもない時間なのに妙に落ち着くんですよね。
Q3.本別町でお土産を買うとしたらなんですか?
定番はやっぱり岡女堂本家の甘納豆です。本別観光の流れで道の駅に寄れば、黒大豆の「キレイマメ」シリーズも並んでいて、お茶うけにちょうどいいですよ。
地元の人間がよく買うのは、町内の醸造所のお味噌やお醤油です。本別の豆で仕込んだものは、毎日の味噌汁に使うと違いが分かるので、私はいつもこれを選びます。
Q4.外から人が来たときに、本別町でまず連れていく店はどこですか?
まずは道の駅ステラ★ほんべつに連れていきます。本別町のおすすめスポットが一通り分かるし、豆パンや元気くんの食パンなど、ここでしか味わえないものもあるので。
そのあとは、昔の銀河線の跨線橋や線路の跡をのんびり眺めてもらいます。鉄道が消えた町の名残が残っていて、本別の歩みを静かに感じてもらえる場所なんです。
Q5.本別町はどんな気質だと思いますか?
冬の寒さが厳しい土地なので、近所同士で助け合う空気が自然と残っています。困ったときにそっと手を貸してくれる、押しつけがましくない優しさがある人が多いですね。
農家が多いせいか、地に足のついた、まじめでおおらかな人柄の人が多い気がします。豆まかナイトみたいな行事になると、その分みんなで全力で盛り上がるんですよ。
Q6.昔に比べて、本別町の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?
正直に言うと、人は確かに減りました。子どもの頃よりお店も少なくなって、空き家が増えたのを見ると、寂しさを感じることもあります。
ただ、本別町民センターや道の駅に人が集まる行事のときは、今でもちゃんと町に活気が戻ります。規模は小さくなっても、まちを盛り上げようという気持ちは昔のまま強いと思います。
Q7.本別町のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?
大きな建物がどんどん建つような町ではないので、私は今ある本別運動公園や公園が、これからも気軽に使える場所であり続けてほしいと思っています。
あとは、豆のまちらしい取り組みにもっと若い世代が関わっていくことですね。町長をはじめ町ぐるみで本別の豆を発信していければ、外から来てくれる人も増えるはずだと期待しています。

