【北海道西興部村】ってどんなとこ?ギターと氷のトンネルの村【地元民のリアルな声あり】

北海道西興部村の風景:オレンジの壁と緑の屋根で統一された美しい街並みと、面積の約9割を占める広大な森林が広がる風景です。

西興部村(にしおこっぺむら)は、北海道オホーツク総合振興局管内の内陸部に位置する人口938人の村です。面積の約9割を森林が占める、オホーツク管内で唯一の「村」です。

西興部村の見どころを5つに凝縮すると、こうなります:

  • ✅ 世界のトップブランドを支えるオホーツク楽器工業──北海道で唯一のギターボディ工場
  • 村全体がエゾシカの猟区──ガイド付き狩猟ができる全国でも数少ない村
  • ✅ 真夏でも約4℃の冷気「日本一の氷のトンネル」──ウエンシリ岳の麓に出現
  • ✅ 壁はオレンジ・屋根は緑「美しい村づくり」の統一された街並み
  • ✅ 基幹産業は酪農、山に自生するマツタケを使った焼酎も

「人とは違う旅をしたい人」「ものづくりや狩猟文化に関心がある人」「静かな森の村での暮らしを考えている人」に向いた村です。この記事では、ギターと氷のトンネル、エゾシカ猟という個性的な顔から、開拓の歴史、オレンジの街並みに息づく暮らし、酪農とマツタケの食まで、地元目線で紹介します。

人口938 人 ※2026年4月30日時点(住民基本台帳)
面積308.08 km²
人口密度3.04 人/km²

地理的には、東と北を興部町、南を滝上町、西を上川郡下川町に接するほか、雄武町とも境を接しています(出典:北海道新聞)。村内に鉄道は通っておらず、最寄り駅はJR宗谷本線の名寄駅(名寄市)です。かつては名寄本線が村を東西に貫いていましたが、1989年に廃止されました。

ギター、氷のトンネル、エゾシカ猟、オレンジ色の街並み。人口千人に満たないこの小さな村には、ほかでは出会えない顔がいくつも詰まっています。順に見ていきましょう。

目次

西興部村の推しポイント

森林に囲まれた酪農の村というイメージとは裏腹に、西興部村には「ここでしか出会えない顔」がそろっています。世界的なギターのボディをつくる工場、村全体を使ったエゾシカの猟区、夏でも凍える氷のトンネル、そしてオレンジ色に統一された街並み。産業・自然・文化・景観がそれぞれに尖っているのが、この村の面白いところなんですよね。ひとつずつ見ていきます。

推しポイント1:ギターづくりの村──オホーツク楽器工業

村には、エレキギターのボディを製造する「オホーツク楽器工業」があります。林業で培った木工技術を活かし、1990年に村の出資による第三セクターとして設立された工場です。フジゲンをはじめ国内有名ブランドのギターボディを手がけ、北海道では唯一のギターボディ工場として知られています(出典:信濃毎日新聞)。人口千人に満たない森の村が、世界の音楽シーンを陰で支えているわけです。

推しポイント2:村全体がエゾシカの猟区

2004年10月、村域を対象とした「猟区」が開設されました(出典:西興部村猟区管理協会)。NPO法人がエゾシカを地域の資源として管理し、村外から訪れるハンターにガイド付き狩猟の場を提供しています。狩猟者の高齢化が進むなかで、計画的なシカ管理と人材育成を両立させる全国でも珍しい仕組みで、肉だけでなく角や皮も製品化されています。

推しポイント3:日本一の氷のトンネル

ウエンシリ岳の麓には、夏でも雪が残ってできる「氷のトンネル」があります。雪が多い年には全長500mに達し、内部は真夏でも約4℃という冷気に包まれます(出典:西興部村公式サイト)。2001年の崩落以降は通常立ち入り禁止ですが、商工会青年部が毎年7月の最終日曜に1日限定で公開しています(出典:北海道新聞)。

推しポイント4:オレンジ色に統一された「美しい村」

村の公共施設や多くの民間建物は、壁がオレンジ色、屋根が緑色に統一されています。1999年の「美しい村づくり条例」と2001年の景観形成指針に基づくもので、雪の白や森の緑とは違う暖色で、ぬくもりや元気を表そうとしたのが始まりです(出典:北海道新聞)。瀬戸牛(せとうし)峠から見下ろす街並みは、ほかにない景観になっています。

西興部村の歴史

西興部村の歴史は、縄文時代から人々が暮らしてきた土地に始まります。江戸時代には松前藩の支配下に置かれ、明治以降に本格的な開拓が進みました。大正時代に隣の村から分かれて独立し、戦後は林業と酪農を軸に発展。近年はギター産業や情報化、エゾシカの猟区といった独自の取り組みで知られる村へと姿を変えてきました。時代ごとに見ていきます。

松前藩の時代と「オウコッペ」の地名

この一帯は縄文時代から栄え、江戸時代には松前藩の領地(ソウヤ場所、モンベツ場所)でした。村名のもとになった「興部」は、アイヌ語の「オウコッペ(川尻の合流したところ)」が転じたものです。かつて興部川と藻興部川が河口で合流してオホーツク海に注いでいたことに由来します(出典:西興部村公式サイト)。その興部の西側にあることから「西」を冠して西興部村となりました。

1925年、興部村からの分村と開拓

1925年(大正14年)1月1日、紋別郡興部村の南西部が分かれ、二級町村制を施行して西興部村が成立しました。平坦地が少なく、興部川や藻興部川沿いの細長い農地を中心に開拓が進みました。1989年には村を東西に貫いていた名寄本線が廃止され、村は鉄道のない自治体になりました。一方で、林業で蓄えた木工技術が、のちのギター産業へとつながっていきます。

現代──ギター・情報化・開村100周年

1990年に鹿牧場とギターボディの公社(現・オホーツク楽器工業)が開設され、1997年には森の美術館「木夢(こむ)」がオープンしました。村は早くから地域情報化政策に力を入れ、マルチメディア館「IT夢(あとむ)」などの施設を整えてきました。1925年の分村から数えて、2025年には開村100周年を迎えています(出典:西興部村公式サイト)。

西興部村の文化・風習

方言と話し方の特徴

オホーツクの内陸にある西興部村では、暮らしの言葉はおおむね北海道弁です。たとえば、とても・すごくを表すなまら(とても)や、それじゃあ・そうしたらのしたっけ(それじゃあ)は日常にすっかり溶け込んでいます。

ゴミを「捨てる」ことをゴミを投げる(ゴミを捨てる)と言ったり、疲れたをこわい(疲れた)と言ったりするのも北海道らしい言い回し。語尾に「〜っしょ」が付くと、ぐっと地元の空気になるんですよね。

森と雪に寄り添う季節の暮らし

村は降雪量が多く、周辺と同じく特別豪雪地帯に指定されています。近年でも2020年2月に氷点下30.5℃を記録するなど、冬は厳しい寒さに包まれます。朝、窓の外が一面の銀世界というのは、ここでは当たり前の風景なんです。

その分、夏の短い緑や、ウエンシリ岳の残雪がつくる氷のトンネルの冷気は格別。したっけ(そうしたら)、暑い盛りに4℃の世界へ涼みに行く──そんな季節の楽しみ方ができる村でもあります。

人の気質と村のつながり

千人に満たない村では、顔の見える距離感のなかで暮らしが回っています。ギター工場や福祉施設、猟区の運営など、村ぐるみで仕事と文化を支え合ってきた土地です。移住者や地域おこし協力隊も受け入れており、外から来た人も巻き込みながら村づくりを続けています。静けさと人の温かさが同居する、なまら(とても)居心地のいい空気が流れているんですよ。

西興部村の特産品・食

特産品1:エゾシカ肉とディアレザー

村全体が猟区である西興部村では、エゾシカが大切な地域資源です。捕獲したシカは肉として味わうほか、皮はディアレザー製品として活用されています(出典:西興部村猟区管理協会)。鹿肉は脂が少なく、赤身がしっかりしているのが特徴。ガイドと一緒に獲って、その場で味わう経験は、ここならではの食体験です。命をいただく重みを感じる一皿でもあります。

特産品2:自生するマツタケとマツタケ焼酎

森林が9割を占める村では、山にマツタケが自生します。香り高い秋の味覚で、旬は概ね9〜10月と考えられます。村ではこのマツタケを使い、村外への委託でマツタケ焼酎が醸造されています。きのこの芳香をまとった珍しい一本で、森の恵みをそのまま液体に閉じ込めたような味わい。なまら(とても)個性的な、ここでしか出会いにくいお酒です。

特産品3:オホーツクの牛乳・乳製品

村の基幹産業は酪農で、1戸あたりの規模が大きい大型農家が増えています。広い牧草地で育つ牛から搾られる生乳は、村の暮らしを支える土台です。隣接する興部町はミルクの町として知られ、この一帯はオホーツクでも有数の酪農地帯。寒暖差の大きい気候のなかで育つ生乳から生まれる牛乳や乳製品は、濃厚でコクのある味わいです。冬の冷たい朝に飲む一杯は、体の芯から温まります。


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西興部村の観光スポット

森に囲まれた西興部村の観光は、大きく分けて「夢」のつく体験施設、村ならではの産業・文化スポット、そして山と滝の自然に分かれます。中心部の西興部地区と、国道239号沿いの上興部地区に見どころが集まっているので、車があればテンポよく回れます。序盤の推しポイントで触れたギター工場や氷のトンネルも、ここで深掘りしていきますね。

「夢」のつく体験施設

  • 森の美術館「木夢(こむ)」 – 「見て、ふれて、遊んで、作って、考えて」をテーマにした木の体験施設。約1,500点の木のおもちゃや、14万個の木の球を敷き詰めた「木のプール(砂場)」、高さ14mの滑り台などがあります。開館時間は4〜10月が10:00〜17:00、11〜3月が10:00〜16:30、休館日は火曜(祝日の場合は翌日)、料金は高校生以上500円・小学4年〜中学生300円・3歳〜小学3年100円です(出典:森の美術館「木夢」)。木の球に体をうずめると、ほんのり木の香りに包まれて、あずましい(居心地がいい)気分になりますよ。
  • 道の駅 にしおこっぺ花夢(かむ) – 国道239号沿い、西興部村字上興部37番地にある道の駅。併設のフラワーパーク「花夢」では4〜10月に約500種類の花が咲き継ぎます(出典:道の駅にしおこっぺ「花夢」)。館内には木製の笛が組み込まれたからくりオルガン「音・木・林(おとぎばやし)」があり、鹿肉缶詰やマツタケ焼酎などの特産品も並びます。花畑をのんびり散策して、ソフトクリーム片手にひと息つくのにちょうどいい場所です。

村ならではの産業・文化スポット

  • オホーツク楽器工業 – 北海道で唯一、エレキギターのボディを製造する工場。フジゲンなど国内の有名ブランドのボディを手がけています(出典:信濃毎日新聞)。稼働中の製造現場なので気軽な見学スポットではありませんが、人口千人足らずの森の村が世界の音を支えていると思うと、村を歩く目線が変わります。オレンジ色の建物が並ぶ街並みそのものが、ものづくりの村の顔なんですよね。
  • 上興部鉄道資料館 – 1989年に廃止された旧名寄本線・上興部駅の駅舎をそのまま使った資料館。線路やディーゼル車両も残され、大正15年から平成元年までの鉄道資料約100点が展示されています。開館は4月下旬〜10月下旬の10:00〜16:30、休館日は水曜です(出典:西興部村公式サイト)。誰もいないホームに立つと、汽笛が聞こえてきそうな静けさです。

山と滝の自然スポット

  • ウエンシリ岳 – 標高1,142.3mの村のシンボル。これより北にこの高さの山はなく、1978年に天塩岳道立自然公園に指定されました(出典:西興部村公式サイト)。アイヌ語で「悪い山・険しい山」を意味する名のとおり断崖が多い山ですが、中央登山口からは小学生でも登れるようになり、学校登山にも親しまれています。
  • 日本一の氷のトンネル – ウエンシリ岳の麓、沢に積もった雪の下部が解けてできる天然のトンネル。雪の多い年には全長500mに達し、車で近くまで行けるのは全国でも珍しいといわれます(出典:西興部村公式サイト)。普段は立ち入り禁止ですが、商工会青年部が夏に1日だけ公開し、内部は真夏でも約4℃の冷気に包まれます(出典:北海道新聞)。一歩入るとなまら(とても)涼しくて、別世界です。
  • 赤岩の滝 – 興部川の源流にある落差10mほどの滝。川床の岩盤が煉瓦色をしていることが名の由来で、木洩れ日に赤褐色が映える幻想的な姿が見られます(出典:西興部村公式サイト)。水量が多く、落差以上の迫力があります。

西興部村の観光ルート

計算中…

村内は中心部の西興部地区と上興部地区にスポットが分かれているので、車で結ぶと効率よく回れます。鉄道は通っていないため、最寄りのJR名寄駅からレンタカーで入るのが基本です。半日でさくっと「夢」施設を巡るルートと、1日かけて自然まで満喫するルート、そして旧名寄本線をたどる広域ルートを用意しました。

【車・半日】中心部「夢」めぐりルート

9:00 JR名寄駅 → 9:50 西興部中心部(車50分)

森の美術館「木夢」(90分)
→ 木の球のプールや滑り台で童心に返る時間。午前中は比較的すいていて、写真も撮りやすいです。

② ホテル森夢周辺・オレンジの街並み(30分)
→ 壁がオレンジ、屋根が緑に統一された村の景観を歩いて体感。森に囲まれた静けさが心地よいですよ。

道の駅 にしおこっぺ花夢(60分)
→ 上興部地区へ移動し、花畑とからくりオルガンを楽しんで、鹿肉缶詰などをお土産に。昼食やソフトクリームもここで。

上興部鉄道資料館(40分)
→ 道の駅のすぐ近く。旧駅舎で鉄道の記憶に触れて、半日コースの締めに。

【車・1日】西興部まるごとルート

9:00 JR名寄駅 → 9:50 道の駅 にしおこっぺ花夢(車50分)

道の駅 にしおこっぺ花夢(60分)
→ まず花畑で気分を上げて、村の特産品を下見。情報収集にもちょうどいいスタート地点です。

上興部鉄道資料館(40分)
→ 廃線の駅舎で、かつて村を貫いた名寄本線の歴史を感じます。

森の美術館「木夢」(90分)
→ 中心部へ戻り、木の体験施設でたっぷり遊ぶ。昼食は中心部のホテル森夢などで。

ウエンシリ岳・氷のトンネル方面(120分)
→ 夏なら氷のトンネルの冷気は格別。山あいの上藻地区へ足を延ばし、自然のスケールを味わって一日を締めます。

【車・1日】広域ルート:旧名寄本線をたどる

9:00 JR名寄駅 → 9:40 下川町(車40分)→ 11:00 西興部村 → 13:00 興部町

下川町(60分)
→ 林業の町。かつて名寄本線でつながっていた隣町から旅をスタート。

西興部村・道の駅 にしおこっぺ花夢(90分)
→ 花夢と鉄道資料館で、廃線になった路線の物語をつなぎます。昼食もこのあたりで。

興部町・オホーツク海沿い(90分)
→ ミルクの町として知られる海沿いの町へ。西興部村の酪農ともつながる風景です。したっけ(それじゃあ)、海の幸とソフトクリームで一日を締めましょう。

④ オホーツク紋別空港方面(任意)
→ 道外へ帰る場合はそのまま空港へ。内陸から海へ抜ける、変化に富んだ動線です。

西興部村の年間イベント

小さな村ですが、季節ごとに村全体で盛り上がる行事があります。夏は氷のトンネルとお祭り、秋は神社祭、冬は雪と木の遊び。村の暮らしと自然のリズムがそのままイベントになっているのが西興部村らしいところです。ぜひ行ってみてほしいのが、夏の二大イベントですね。

夏:氷のトンネル1日公開とむら興しまつり

毎年7月の最終日曜には、商工会青年部の主催で氷のトンネルが1日限定で無料公開されます(出典:北海道新聞)。屋台も出て、真夏に約4℃の冷気を浴びる体験は、ここでしか味わえません。

そして8月の最終日曜には「むら興しまつり」が森林公園で開かれます(出典:西興部村公式サイト)。各種展示販売や歌手のパフォーマンスでにぎわい、人口千人の村に人の輪が一気に広がる一日です。

秋:上興部神社祭・西興部神社祭

9月には上興部神社祭と西興部神社祭が行われます(出典:西興部村公式サイト)。山あいに祭囃子が響き、地区ごとに住民が集う、昔ながらの秋の行事です。観光向けの派手さよりも、村の暮らしの空気をそのまま感じられるのが魅力です。

冬:雪と木で遊ぶ季節

豪雪地帯の西興部村では、2月ごろにスノーモービルランドが開かれる年があり、森の美術館「木夢」でも冬のウッディスクールが行われます。氷点下30℃前後まで冷え込む厳しい冬ですが、その寒さを逆手にとって雪と木を楽しむのが、この村の冬の過ごし方なんですよ。

西興部村のエリア別の顔

東西21km・南北24kmの西興部村は、興部川沿いに細長く集落が連なっています(出典:西興部村公式サイト)。旅する視点で見ると、村役場や学校がある「西興部地区」、道の駅のある「上興部地区」、山と自然が広がる「上藻・中藻地区」の3つに分けると分かりやすいです。それぞれ表情が違うので、目的に合わせて回るのがおすすめです。

西興部地区──村の中心、「夢」が集まるエリア

村役場や診療所、学校、ホテル森夢、森の美術館「木夢」、ギター工場が集まる中心エリア。オレンジと緑に統一された街並みが、もっとも色濃く感じられる場所です。施設見学やものづくり体験をしたい人は、まずここを拠点にすると動きやすいですよ。

上興部地区──国道239号沿いの旅の玄関口

中心部から数km西、国道239号沿いに広がるエリア。道の駅 にしおこっぺ花夢と上興部鉄道資料館があり、車で村に入る人の玄関口になります。花畑とからくりオルガン、旧駅舎が近接しているので、ドライブ途中にさっと立ち寄って楽しむのに向いています。

上藻・中藻地区──山と自然に分け入るエリア

村の山あいに位置し、ウエンシリ岳や氷のトンネル、キャンプ場が点在するエリア。中心部からは村営バスもつないでいます。夏のひんやりした冷気、満点の星空、森の静けさを味わいたい人向け。アウトドアや絶景を求めるなら、迷わずこちらへ向かいましょう。

西興部村の気候・季節の暮らし

西興部村は内陸の山あいにあり、寒暖差の大きい大陸性の気候です。年平均気温は約5.7℃、もっとも寒い1月は日平均で約-7.8℃、もっとも暖かい8月でも約19℃にとどまります(出典:気象庁 過去の気象データ検索)。周辺と同じく特別豪雪地帯に指定された雪国です。

夏は短く爽やか、冬は長く厳しい。四季がはっきり分かれるので、季節ごとに暮らしの表情がガラッと変わるんですよ。

夏──緑が濃くなる短い季節

7〜8月は日平均で約19℃と過ごしやすく、湿度も本州ほど高くありません。朝晩はひんやりするので、夏でも薄手の上着が一枚あると安心です。

この時期は氷のトンネルの冷気やウエンシリ岳の緑が楽しめる、村が一番にぎわう季節です。

秋──駆け足で過ぎる実りの季節

9〜10月は朝晩の冷え込みが一気に進み、山が色づきます。山にはマツタケが自生し、フラワーパーク花夢の花も晩秋まで咲き継ぎます。

10月下旬には鉄道資料館や道の駅の有料エリアが冬じまいに入り、村は静かな季節へと向かっていきます。

冬──しばれる長い季節

冬は氷点下30℃前後まで下がる日も珍しくなく、過去には-33℃台も記録されています(出典:気象庁 過去の気象データ検索)。しばれる(厳しく冷え込む)朝は、吐く息がそのまま凍りつくようです。

年平均の降雪深は1.2mに達します(出典:西興部村公式サイト)。除雪と暖房は生活の必須。車の冬タイヤと車庫は欠かせません。

春──遅い雪解けの季節

本州より一足遅れ、4月にようやく雪解けが進みます。エゾムラサキツツジ(村の花)が咲くころ、ようやく春の実感が訪れます。

長い冬を越えた分、春の光のありがたみは格別。なまら(とても)うれしい季節なんですよね。

西興部村の移住・暮らし情報

人口938人の西興部村での暮らしは、買い物や通院などで隣接する町や名寄市と行き来しながら成り立っています。コンビニも大型店もありませんが、その分、降るような星空と森の静けさがあります。「何もない」を豊かさと感じられる人に向いた村です。

通勤・通学

就労者の多くは村内の酪農、ギター工場(オホーツク楽器工業)、福祉施設、役場などに勤めています。村内完結で働ける人が多いのが、小さな村ならではの特徴です。

通学は村内の小・中学校が中心で、高校進学以降は名寄市紋別市方面へ通うケースが多いと考えられます。

住宅環境

民間の賃貸物件はごく限られ、家賃相場として公開されているデータはほとんど見当たりません。住まい探しは村営住宅や空き家の活用が現実的な選択肢になります。

村は移住定住の相談窓口を設けています(出典:西興部村公式サイト)。移住を考えるなら、まず相談してみるのが近道です。

買い物環境

日常の買い物は村内の商店や道の駅 にしおこっぺ花夢の特産品コーナーが中心です。鹿肉缶詰や乳製品など、地元のものはここで手に入ります。

まとまった買い物やスーパーは名寄市まで車でおよそ1時間。週末にまとめ買いをする暮らしが現実的です。

子育て・教育

村にはつくし保育所、西興部小学校、西興部中学校があり、子育て支援センター「里住夢(リズム)」も置かれています(出典:西興部村公式サイト)。森の美術館「木夢」での木育など、自然と木に親しむ環境が身近にあります。

少人数できめ細かく見てもらえる一方、進路の選択肢は都市部より限られる点は知っておきたいところです。

医療環境

村内には診療所があり、日常的な診療に対応しています(出典:西興部村公式サイト)。特別養護老人ホームや福祉施設もあり、高齢者福祉の体制は整っています。

専門的な医療や入院が必要な場合は名寄市方面の病院が頼りになります。車での移動を前提に考えておくと安心です。

エリア別の暮らし視点

中心部の西興部地区は、役場・学校・診療所・「夢」施設がそろい、暮らしの利便がもっとも高いエリアです。移住して間もない時期は、ここを拠点にすると生活が回しやすいですよ。

上興部地区は国道239号沿いで名寄方面への出入りがしやすく、上藻・中藻地区は自然に近い分、雪と距離への備えがより必要になります。

西興部村へのアクセス

西興部村には鉄道が通っていないため、移動の基本は車です。旭川名寄市方面から国道239号で入るのが王道。公共交通の場合はJRと路線バスを乗り継ぎます。主要都市からの距離・所要時間を整理します。

車でのアクセス

旭川から127km・約2時間30分、北見から166km・約3時間です。札幌からは282kmで、高速道路利用なら約3時間30分(一般道は約5時間30分)(出典:西興部村公式サイト)。村内は国道239号が東西に貫いています。

鉄道+バスでのアクセス

最寄り駅はJR宗谷本線の名寄駅です。旭川から名寄、または新千歳空港から札幌経由で名寄までJRで向かい、名寄駅前から名士バス興部線に乗り継ぎます(出典:名士バス株式会社)。名寄駅前から西興部まではバスでおよそ1時間です。

飛行機でのアクセス

最寄り空港はオホーツク紋別空港で、空港から村まではバスで約1時間20分です(出典:西興部村公式サイト)。紋別-羽田便を使う道外客向けに宿泊助成も用意されています。旭川空港からJRと名士バスを乗り継ぐルートも便利です。

村内移動の現実的アドバイス

中心部と上藻・中藻地区は村営バス(上藻・中藻線)で結ばれていますが、本数は限られます。観光でも暮らしでも、車があると行動の自由度が大きく変わります。

冬は路面凍結と雪が日常です。冬タイヤや雪道運転に慣れていない場合は、明るい時間帯の移動を心がけるのが安心ですよ。

【地元住民に直撃!】西興部村の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。

うちは代々ここで牛飼いをやってましてね、わたしも朝晩の搾乳に追われる毎日です。この村は面積の9割が森でしょう。平らな土地は興部川沿いのわずかばかり。

そのなかで牧草地を守りながら酪農をやるのは楽じゃないけど、ここの草で育った牛の乳は本当にいいんですわ。西興部村の暮らしそのものですね。

Q2.西興部村に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?

まずはウエンシリ岳の麓の氷のトンネルね。真夏でも4度の冷気が吹き出して、一歩入ると別世界。西興部村観光といえばここっしょ。

あとは地元の人間がほっとするのが瀬戸牛峠。オレンジ屋根の村を見下ろすと、ああ帰ってきたなあって。村水源に近い森の静けさは、西興部村のおすすめスポットとして胸を張れます。

Q3.西興部村でお土産を買うとしたらなんですか?

無難なのは道の駅花夢の鹿肉缶詰とマツタケ焼酎。これは西興部村の有名なもので、まず外しません。

でもね、地元の人間が本当に推すのは鹿革のクラフト。猟区で獲ったエゾシカを無駄なく使ったもので、手にすると村の暮らしぶりが伝わってきますよ。木夢の木のおもちゃも喜ばれますね。

Q4.外から人が来たときに、西興部村でまず連れていく店はどこですか?

やっぱりホテル森夢かねえ。森のなかの宿で、日帰りでお風呂も食事もできるから、遠くから来た人にはまずここで一息ついてもらいます。

ついでに道の駅でからくりオルガンの音を聴かせて、ソフトクリームを食べてもらう。村民センターの催しと重なれば、地元の人とも自然に話せて、それがまたいいんですわ。

Q5.西興部村はどんな気質だと思いますか?

人が少ないぶん、顔の見える付き合いですね。誰かが困ってたら放っておかない。よそから来た人も、地域おこしの若い子も、すっと輪に入れてしまう懐の深さがあります。

派手さはないけど、芯は強い。ギター工場にしろ猟区にしろ、ないものは自分らで作るっていう気概が、この村にはずっと流れてますよ。

Q6.昔に比べて、西興部村の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?

正直、人はずいぶん減りました。わたしが若いころは小学校ももっとにぎやかでね。鉄道も通ってたのが、今は廃線。さみしさは隠せません。

ただ、オレンジ色の街並みに統一してから、村に一本筋が通った気がします。市町村長はじめ、小さくても誇れる村にしようって、みんなが同じ方を向いてるのは昔より強くなったかもしれません。

Q7.西興部村のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?

去年が開村100周年でね、節目を越えてこれからどうするかが大事だと思ってます。猟区のエゾシカ活用や、移住の若い人を増やす取り組みには期待してますよ。

大きな箱物より、村運動公園やお祭りみたいに、人が集まって笑える場が続いてほしい。そういう普段の営みこそが、この村の本当の財産だと思うんです。

西興部村の関連リンク

【この町を愛する皆様へ】
この記事は、どのサイトよりも詳しく、正確に、そして魂を込めて執筆しています。町の魅力を最大限に引き出すため、今後も肉付けを続けていきます。ご期待ください。

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