置戸町(おけとちょう)は、北海道オホーツク総合振興局の南西端、常呂川の源流部に位置する人口2,461人の山あいの町です。町の面積のおよそ87%を森林が占めています。
置戸町の見どころを5つに絞ると、こうなります:
- ✅ オケクラフト──1983年に生まれた木の器の地域ブランド。町内24工房が手づくり
- ✅ 人間ばん馬大会──500kgの丸太そりを人が曳く、林業の町ならではの夏の名物
- ✅ エゾナキウサギ発見の地──「氷河期の生き残り」が1928年に初めて見つかった町
- ✅ 鹿ノ子ダムとおけと湖──周囲13.4kmの人造湖。原生林に囲まれた釣りと野鳥の宝庫
- ✅ ヤーコン・牛乳豆腐など、無農薬・地場素材の食文化が根づく農林業の町
「木のものづくりに惹かれる人」「火山や氷河期の生き物など自然史が好きな人」「静かな山里でゆったり暮らしたい移住希望者」に向いた町です。序盤で見どころ、中盤で歴史と暮らし、終盤で食を、地元の言葉も交えながら紹介していきます。
| 人口 | 2,461 人 ※2026年4月30日時点(住民基本台帳) |
|---|---|
| 面積 | 527.27 km² |
| 人口密度 | 4.67 人/km² |
地理的には、北を北見市、東を訓子府町、南を陸別町と足寄町、西を上士幌町に囲まれた内陸の町です(出典:全国観光資源台帳(公益財団法人日本交通公社))。
町内に鉄道は通っておらず、最寄り駅はJR石北本線の留辺蘂駅。北見バスターミナルからバスで約60分です(出典:置戸町役場)。
木のものづくり、勇壮なお祭り、氷河期の生き物、清流とダム湖。小さな町に「ここにしかないもの」がぎゅっと詰まっています。ひとつずつ見ていきましょう。
置戸町の推しポイント

森林が町の8割を超える置戸町の魅力は、その森とともに育ってきた文化にあります。森の木から生まれた器「オケクラフト」、林業の馬そりがルーツの「人間ばん馬大会」、原生林が守る「エゾナキウサギ」。どれも置戸という土地の上に成り立っています。ここからは、その代表を順番に深掘りしていきます。
推しポイント1:オケクラフト──森から生まれた木の器
置戸町を代表する地域ブランドが、木の器「オケクラフト」です。1983年に、著名な工業デザイナー・秋岡芳夫さんとの出会いから誕生しました(出典:置戸町役場)。エゾマツをはじめ約20種類の道産材を使い、椀やスプーンを一つずつ手づくりするんですよ。今も町内に24の工房があり、暮らしの道具を生み出し続けています(出典:一般社団法人おけと森林文化振興協会)。
推しポイント2:人間ばん馬大会──500kgのそりを人が曳く
夏の名物が「人間ばん馬大会」です。鉄製のそりに丸太を積み、5人または7人のチームで80mを曳いて速さを競います。決勝ではなんと500kg。馬がそりで木材を運んだ林業の記憶が、この競技のルーツになっています(出典:置戸町商工会)。1977年に前身が始まり、地域の文化として高く評価され、1987年度にはサントリー地域文化賞も受賞しています(出典:サントリー文化財団)。
推しポイント3:エゾナキウサギ発見の地
「氷河期の生き残り」と呼ばれるエゾナキウサギが、日本で初めて見つかったのが置戸町です。1928年、カラマツ林の害獣として安住地区で捕獲されたのがきっかけでした。数万年前に大陸から渡り、涼しい山岳地帯で生き延びてきた小さな生き物。今も町の高地の岩場でその甲高い鳴き声を聞くことができます。
推しポイント4:鹿ノ子ダムとおけと湖
常呂川をせき止めてできた人造湖が「おけと湖」です。周囲は13.4km。エゾマツ・トドマツの原生林に囲まれ、野鳥や野草の宝庫として知られています(出典:置戸町役場)。夏はヤマベやアメマス、冬は結氷した湖でワカサギ釣りが楽しめます。ダムは1983年完成の重力式コンクリートダムで、国の機関が管理しています(出典:国土交通省北海道開発局)。
推しポイント5:ヤーコンと無農薬の食
畑作の町としての顔もあります。アンデス原産の根菜「ヤーコン」は置戸町の特産で、無農薬栽培で北海道の「YES!clean表示制度」にも登録されています(出典:JAきたみらい)。シャキシャキした食感とほんのりした甘みが特徴で、葉や茎はヤーコン茶にもなります。
置戸町の歴史

置戸町の歩みは、縄文の昔から人が暮らしたこの土地に、明治の開拓が入り、林業で栄え、過疎を経て「木のものづくり」で新たな道を切り開いた、という流れで整理できます。森とともにあった歴史が、今の町の姿をかたちづくっています。
古代〜中世──縄文の暮らしとアイヌ語の地名
置戸町一帯は縄文時代から人々が暮らした土地です。町内には先土器時代の安住遺跡があり、アイヌ期のチャシ(砦)の跡も見られます。町名は、現在の緑川を指すアイヌ語「オ・ケトゥ・ウン・ナイ」(川尻に・獣皮を乾かす張り枠が・ある・川)の前半に字を当てたものとされています。
近代の開拓と発展──鉄道と分村、そして発見
明治末の屯田兵による開拓以来、置戸は森林資源とともに発展しました。1911年には鉄道が開通し、同年、野付牛村(現在の北見市)から分かれて置戸村となりました。秋田地区は、1911年に秋田県を襲った水害で離村した人々が開拓した土地です。1928年にはエゾナキウサギが発見され、置戸の名が学術的に知られるきっかけとなりました。
現代──林業の盛衰と「木の町」づくり
1950年に町制を施行し、置戸町となりました。森林ブームに沸いた昭和30年頃には人口が1万2千人を超えましたが、その後は過疎が進みました。こうしたなか1983年、森の資源を生かした木工ブランド「オケクラフト」が誕生し、同年には鹿ノ子ダムも完成。木のものづくりを軸とした地域づくりが、現在の町の個性につながっています。
置戸町の文化・風習

方言と話し方の特徴
置戸の人たちが話すのは、いわゆる北海道弁です。たとえば「なまら」(とても・すごく)や、文末につく「~っしょ」(~でしょう)は、会話のなかで自然と耳に入ってきますよ。
力仕事のあとに「今日はこわい」と言われても驚かないでくださいね。これは「疲れた」という意味の北海道弁なんです。したっけ(それじゃあ)、次は食卓の話にいきましょう。
食卓と季節の暮らし
冬は氷点下25度前後まで冷え込むことも珍しくない、メリハリのある内陸の気候です。長い冬は雪に閉ざされる豪雪地帯ですが、夏は高気圧が入ると真夏日になることも。2017年5月には31.2度を記録し、その日の全国一の暑さになったこともあるんですよ。
そんな寒暖差の大きい土地だからこそ、家の中で過ごす時間や、温かい食卓を囲む時間が大切にされてきました。冬の凍ったおけと湖でのワカサギ釣りも、この町ならではの季節の楽しみです。
木と暮らす文化
置戸町では、その年に生まれた子どもにオケクラフトの食器一式を贈る「すくすくギフト」という取り組みがあります。さらに認定こども園や小・中・高校の給食器にも、地元生まれの木の器が使われているんです(出典:置戸町役場)。生まれた時から木の器で育つ。森の町らしい、温かい風習ですよね。
置戸町の特産品・食

特産品1:ヤーコン
まず紹介したいのが、無農薬栽培のヤーコンです。サツマイモのような見た目ですが、生で食べると梨のようなシャキシャキ感とほのかな甘み。なまら(とても)みずみずしいんですよ。きんぴらや揚げ物にしてもおいしい万能野菜です。
収穫は10〜12月で、1〜2か月寝かせてオリゴ糖が増した11月下旬から2月頃が食べごろ(出典:置戸町役場)。葉と茎を使ったノンカフェインの「ヤーコン茶」もあり、こちらも町の名産になっています。
特産品2:牛乳豆腐
酪農も盛んな町ならではの一品が、牛乳豆腐です。しぼりたての牛乳を固めた、北海道の素朴な郷土食。ほんのり甘くて優しい味で、焼いて醤油をたらすとごはんが進むんですわ。地元のイベントでも振る舞われる、家庭の味です(出典:置戸町役場)。
特産品3:手作りジャムとしいたけ
地場のくだものを生かした手作りジャムも人気です。ヤーコン、ハスカップ、レッドラズベリーなど、置戸ならではのラインナップ。森の恵みを生かした生しいたけ・乾燥しいたけも特産で、肉厚な味わいが楽しめます(出典:置戸町役場)。お土産には、銘菓「人間ばん馬」もおすすめですよ。
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置戸町の観光スポット

森が町の8割超を占める置戸町の観光は、「木のものづくり」と「清流・原生林の自然」の二本柱で楽しむのがおすすめです。序盤で紹介したオケクラフトやおけと湖を、ここでは実際に足を運ぶ目線で深掘りしていきますね。木の温もりと森の空気を、五感で味わえるスポットを集めました。
木と森のものづくりにふれるスポット
- オケクラフトセンター森林工芸館 – 1983年に生まれた木の器「オケクラフト」の中心施設で、椀やスプーンを工房ごとに展示・販売しています。開館時間は10:00〜18:00、毎週水曜(祝日を除く)と年末年始が休館、入館は無料です(出典:置戸町役場)。ガラス越しに作り手の作業風景を見られるのも楽しくて、手に取った木の器の口当たりはなまら(とても)やわらかいんですよ。
清流と原生林を味わう自然スポット
- 鹿ノ子ダムとおけと湖 – 常呂川をせき止めてできた周囲13.4kmの人造湖で、エゾマツ・トドマツの原生林に囲まれています。夏はヤマベやアメマス、冬は結氷した湖でワカサギ釣りが楽しめます(出典:置戸町役場)。ダムは国の機関が管理し、ダムカードの配布も行っています(出典:国土交通省北海道開発局)。湖面を渡る風が気持ちよくて、サイクリングやバードウォッチングにもぴったりです。
- 鹿の子沢・虹の滝 – 置戸市街から約13km、鹿ノ子ダム下流に広がる渓谷で、往復1時間30分ほどのハイキングコースになっています。落差13mの「虹の滝」、樹齢200年を超え全国巨木100選にも数えられる「三本桂」、忍び岩や屏風岩などの奇岩が見どころです(出典:置戸町役場)。滝のしぶきに虹がかかる瞬間は幻想的で、紅葉の季節がとくにきれいですよ。
- 春日地区の風穴 – 岩のすき間から冷気が噴き出す「風穴」は、夏でもひんやり涼しい不思議な場所です。序盤で触れたエゾナキウサギの生息地のひとつで、苔の群生地も広がっています(出典:置戸町役場)。氷河期の生き残りが今も暮らす森の冷気を、肌で感じられる場所なんです。
体を動かして遊ぶ・癒されるスポット
- おけとパークゴルフ場 – 自然の地形を生かした17コース153ホールの大規模パークゴルフ場で、初心者向けの「フレンドリーエリア」から競技向けの「チャンピオンエリア」まで4段階に分かれています。毎年4月下旬のオープンです(出典:置戸町役場)。山に囲まれた澄んだ空気の中、1日かけてのんびり回れるのが置戸らしいところですよね。
- おけと勝山温泉ゆぅゆ – ナトリウム塩化物硫酸塩泉の源泉かけ流しが楽しめる日帰り温泉です。営業時間は10:30〜22:00、入浴料は大人600円・子ども(4歳以上小学生)300円です(出典:おけと勝山温泉ゆぅゆ)。3種類の露天風呂やサウナもあって、ハイキングや釣りで冷えた体を温めるのになまら(とても)ありがたい一軒です。
置戸町の観光ルート

コンパクトな置戸町は、市街地の森林工芸館を起点にすれば1日でぐるりと楽しめます。森・水・温泉をつなぐ町内ルートと、隣町まで足をのばす広域ルートをご紹介しますね。車での移動を前提に組んでいます。
【車・1日】森と水とクラフトの置戸まるごとルート
10:00 オケクラフトセンター森林工芸館 → 10:50 鹿の子沢(車20分) → 13:00 おけと湖・鹿ノ子ダム → 15:00 おけと勝山温泉ゆぅゆ(車20分)
①オケクラフトセンター森林工芸館(50分)
→ まずは木の器をじっくり鑑賞。お土産選びも兼ねて、朝のすいた時間にゆっくり見るのがおすすめです。
②鹿の子沢・虹の滝(90分)
→ 渓谷を歩いて虹の滝へ。午前の光が差し込む時間帯は、しぶきの虹が出やすいんですよ。
③おけと湖・鹿ノ子ダム(90分)
→ 湖畔でお昼休憩。原生林に囲まれた水辺で、のんびりするのが最高です。
④おけと勝山温泉ゆぅゆ(90分)
→ 最後は温泉で締め。歩き疲れた体を露天風呂でほぐして、レストランで夕食もとれます。
【車・半日】クラフトと温泉の午後ショートルート
13:00 オケクラフトセンター森林工芸館 → 14:30 おけとパークゴルフ場(車5分) → 16:30 おけと勝山温泉ゆぅゆ
①オケクラフトセンター森林工芸館(60分)
→ 時間が限られていても、ここだけは外せません。木のスプーン1本でも旅の記念になります。
②おけとパークゴルフ場(90分)
→ 道具を借りて気軽にプレー。広い空の下で体を動かすと、気分もすっきりします。
③おけと勝山温泉ゆぅゆ(90分)
→ ひと汗かいた後は温泉へ。夕方の露天風呂は静かでなまら(とても)落ち着きますよ。
【車・1日】広域ルート:置戸と北見・温根湯方面
9:30 置戸町市街 → 10:10 温根湯(北見市留辺蘂・車約40分) → 14:00 置戸町へ戻る
①オケクラフトセンター森林工芸館(60分)
→ 置戸の朝はここから。木の器を見てから隣町へ向かいます。
②温根湯エリアの水族館(90分)
→ 北見市留辺蘂の温根湯には、川魚を中心にした水族館があります。冬に凍る水槽の展示はここならではです。
③温根湯温泉(90分)
→ 老舗の温泉郷でランチと入浴。湯量豊富な湯どころで、ドライブの疲れを癒やせます。
④置戸町に戻り、おけと湖の夕景(60分)
→ 夕方のおけと湖は静かで、森のシルエットが水面に映りこみます。したっけ(それじゃあ)、1日の締めにぴったりです。
置戸町の年間イベント

置戸町のイベントは、林業の歴史と森・湖の恵みに根ざしたものばかりです。夏は人と湖で盛り上がり、秋は味覚を楽しみ、冬は凍った湖で遊ぶ。季節ごとに町の表情が変わるのが、この小さな町の面白いところなんですよ。
春〜夏:おけと夏まつり・人間ばん馬大会/おけと湖水まつり
夏の主役は、序盤で触れた「おけと夏まつり・人間ばん馬大会」です。例年7月第1日曜に開催され、500kgの丸太そりを人が曳く迫力のレースに、全道から力自慢が集まります(出典:置戸町役場)。
会場には出店や縁日が並び、夜には花火も打ち上がります。土ぼこりと歓声、丸太のきしむ音。林業の町ならではの熱気を、その場で感じてほしいんですよね。
同じ7月下旬には、おけと湖畔で「おけと湖水まつり」も開かれます。森と湖に親しむ催しで、水辺でのんびり過ごせる夏らしいイベントです(出典:置戸町役場)。
秋:もっと馬力だすべぇ祭/おけと森林ウォーク
秋に行ってみてほしいのが、毎年秋分の日に開かれる「もっと馬力だすべぇ祭」です。置戸のブランド牛「篠原牛」や「馬力うどん」、「やまべの塩焼き」など、地元の味が一堂に集まります(出典:置戸町役場)。
グルメパスポートを買えば、いろんなメニューをお得に味わえます。馬力うどんの早食い大会もあって、会場は香ばしい煙と笑い声に包まれるんですよ。
同じ秋には「おけと森林ウォーク」も。紅葉が美しい9月末〜10月に、置戸町観光協会の主催で鹿の子沢や風穴を歩きます(出典:置戸町役場)。
冬:おけと湖氷上釣り大会
冬の名物は、毎年1月下旬に鹿ノ子ダムのおけと湖で開かれる「おけと湖氷上釣り大会」です。制限時間内に釣ったワカサギの数を競う大会で、参加費には入浴券も含まれています(出典:置戸町役場)。
氷点下の中、凍った湖に穴を開けて糸を垂らす。手はかじかみますが、当たりが来た瞬間の楽しさは格別です。釣った後はゆぅゆの温泉で温まれるのも、置戸らしい嬉しい流れですよね。
置戸町のエリア別の顔

置戸町は、置戸地区・秋田地区・勝山地区・境野地区の4つの地区に分かれています(出典:置戸町役場)。それぞれに開拓の歴史や暮らしの色があって、旅の目的に合わせて訪ねる場所を選ぶのも楽しいですよ。旅する視点で、各エリアの顔を紹介していきます。
置戸地区──町の玄関口、クラフトと暮らしの中心
役場や置戸赤十字病院、北海道置戸高等学校が集まる、町の中心エリアです。オケクラフトセンター森林工芸館もここにあり、観光の起点になります。
商店や食事処も市街地に点在しているので、まずはこのエリアで町の空気をつかむのがおすすめです。木の器を探しに来る旅なら、迷わずここから始めましょう。
勝山地区──温泉と渓谷の癒しエリア
おけと勝山温泉ゆぅゆがあるのが勝山地区です。温泉とコテージ、そして鹿ノ子ダム方面への入り口にあたる、自然に近いエリアです。
渓谷歩きや釣り、温泉でゆっくりしたい人にぴったり。1日たっぷり遊んで、最後に湯に浸かるという過ごし方が似合うエリアなんですよ。
秋田地区──開拓の記憶が残る農のエリア
秋田地区は、1911年に秋田県を襲った水害で移り住んだ人々が開いた土地です。地区の名前そのものが、開拓の歴史を物語っています。
のどかな農村風景が広がり、パークゴルフ場もあります。ドライブの途中で、北の大地を切り開いた人々の歩みに思いをはせるのにいいエリアです。
境野地区──気象の記録が生まれる森の縁
境野地区には気象観測地点があり、置戸の厳しい寒暖差を記録してきた場所です。冬はしばれる(厳しく冷え込む)一方、夏は真夏日になることもあります。
森に近く、静かな田園が広がるエリア。季節の移ろいをじっくり感じたい旅人に向いた、置戸の素顔が見られる場所です。
置戸町の気候・季節の暮らし

置戸町は寒暖差の大きい内陸性の気候です。観測地点の境野では、年平均気温5.5℃、もっとも寒い1月の平均気温は-9.3℃、平均最低気温は-15.6℃です(出典:気象庁)。夏と冬、朝と夜の気温差が大きいのが、この町の暮らしの前提になります。
冬──12月〜2月の暮らし
冬は本格的に冷え込みます。1月の平均最低気温は-15.6℃で、晴れた朝はしばれる(厳しく冷え込む)日が続きます(出典:気象庁)。
内陸の山あいのため、-25℃前後まで下がることも珍しくありません。豪雪地帯にも指定されていて、暖房と除雪は冬の暮らしに欠かせない備えです。
その代わり、凍ったおけと湖でのワカサギ釣りなど、冬ならではの遊びも待っています。寒さと上手につき合うのが、置戸の冬の流儀ですね。
夏──6月〜8月の暮らし
夏は意外と暑くなります。8月の平均気温は19.4℃、平均最高気温は24.8℃です(出典:気象庁)。
高気圧に覆われると真夏日になることもあり、2017年5月には31.2℃を記録して、その日の全国一の暑さになったほどです。湿度は比較的低く、木陰に入ると涼しいのが内陸らしいところです。
春と秋──短くも濃い季節
春は3〜5月、秋は9〜11月と、移り変わりが早い土地です。年間降水量は809mmと、全国的に見れば少なめです(出典:気象庁)。
とくに秋の紅葉は鹿の子沢が美しく染まり、森林ウォークの季節になります。短い分だけ、色づく森のありがたみをなまら(とても)感じられる季節なんですよ。
置戸町の移住・暮らし情報

人口2,461人の置戸町は、森に囲まれた静かな暮らしが基本です。買い物や通勤で隣の北見市とつながりながら、町内の支え合いで日々が回っている、そんな小さな町の生活感をお伝えしますね。
通勤・通学
仕事は町内の農林業・役場・病院・学校などが中心ですが、車で北見市へ通う人もいます。北見市街までは車で約40分です(出典:置戸町役場)。
通学は町内の小・中・高校で完結できるのが、置戸の心強いところです。
住宅環境
町内は一戸建てが中心で、賃貸物件の数は限られていると考えられます。公営住宅や空き家の活用が住まい探しの軸になりそうです。
具体的な家賃相場のデータは町単位では公開が少ないため、移住を考える際は町の窓口に直接相談するのが確実です。森に近い静かな住環境は、田舎暮らしを求める人に向いています。
買い物環境
市街地には日常の買い物ができる商店や食事処があります。途の駅ほっこうやそば処、カフェなど、地元で愛される店も点在しています(出典:置戸町役場)。
大型店でまとめ買いをしたいときは、北見市まで足をのばすのが一般的です。週末にまとめて買い出し、という暮らしのリズムになりますね。
子育て・教育
町内には置戸小学校、置戸中学校、そして北海道置戸高等学校があり、高校まで地元で通えます(出典:置戸町役場)。小さな町で高校まで揃っているのは大きな安心材料です。
生まれた子にオケクラフトの食器を贈る「すくすくギフト」や、給食器に木の器を使う取り組みもあります(出典:置戸町役場)。木とともに育つ子育て環境です。
医療環境
町内には置戸赤十字病院があり、日常の医療を支えています(出典:置戸町役場)。小さな町に総合的な病院があるのは、暮らすうえで心強いポイントです。
専門的な受診が必要なときは、北見市の医療機関を利用する流れになると考えられます。
エリア別の暮らし視点
中盤では旅する視点で各地区を紹介しましたが、暮らす視点で見ると、役場や病院・学校が集まる置戸地区が生活の便はもっとも高いエリアです。
勝山地区は温泉と渓谷が近く、自然志向の暮らしに。秋田地区や境野地区は農村的な環境で、土とともに暮らしたい人に向いています。
置戸町へのアクセス

置戸町へは、空の玄関口・女満別空港と、隣の北見市を経由して入るのが基本ルートです。町内に鉄道は通っていないため、最終的には車かバスでの移動になります。主要な行き方を整理します。
飛行機+バスでのアクセス
道外からは女満別空港が便利です。空港から北見市の北見バスターミナルまでは、連絡バスで約40分です(出典:女満別空港)。
北見バスターミナルから置戸町までは、路線バスで約60分です(出典:置戸町役場)。北見置戸線・勝山線・陸別線に乗車します。
鉄道でのアクセス
町内にJRの駅はありません。鉄道を使う場合の最寄り駅は、JR石北本線の留辺蘂駅です(出典:置戸町役場)。
駅からはバスや車での移動になるため、鉄道よりも空港+バス、あるいは車が現実的です。
車でのアクセス
北見市街から置戸町までは、車で約40分です(出典:置戸町役場)。
町内のスポットは離れているので、現地でも車があると安心です。鹿の子沢やおけと湖は市街地から距離があるため、レンタカーでの移動をおすすめします。
町内移動の現実的アドバイス
森林工芸館のある市街地を拠点に、温泉・渓谷・湖を車で回るのが効率的です。冬季は鹿の子沢方面の林道・駐車場が除雪されないため、雪の季節は市街地と温泉中心の動きが安全ですよ。
【地元住民に直撃!】置戸町の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。
森に入って木を伐る仕事を長くやってきて、今はその木を挽いて器をつくってます。置戸の木でつくるオケクラフトってやつだね。
エゾマツやセンを轆轤で挽いて椀やスプーンにする。冬は外がしばれるから工房にこもりっきりよ。一本一本木目が違うから、何十年やっても飽きないんだわ。
Q2.置戸町に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?
まずは森林工芸館だね。木の器がずらっと並んでて、置戸が「木の町」だってのが一発でわかる。観光で来たならここは外せん。
あとは地元の人間がよく行くのが鹿の子沢。虹の滝のしぶきと森の匂いがなんともいえん。おけと湖の水源あたりまで上がると、町の静けさが体に沁みるよ。
Q3.置戸町でお土産を買うとしたらなんですか?
オーソドックスなとこならオケクラフトの木のスプーン。長く使うほど手になじむから、贈り物に喜ばれるんだわ。
地元の人間が知ってるのはヤーコン茶と無農薬のヤーコンそのもの。あと牛乳豆腐な。これは観光客はあんまり買わんけど、置戸の味よ。
Q4.外から人が来たときに、置戸町でまず連れていく店はどこですか?
まずは勝山温泉ゆぅゆに連れてくね。湯に浸かってから、あそこのレストランで飯を食わせる。露天は眺めがいいから喜ばれるよ。
町の食事処で地元のそばを食わせるのもいい。小さい町だから店は多くないけど、馴染みの顔がいる安心感があるんだわ。
Q5.置戸町はどんな気質だと思いますか?
派手じゃないけど、こつこつ手を動かす人間が多い町だね。木を挽くにしろ畑をやるにしろ、地味な仕事を続けられる気質よ。
人間ばん馬みたいに、みんなで丸太を曳いて力を合わせる祭りが根づいてる。困ったときは町ぐるみで助け合う、そういう距離の近さが残ってる。
Q6.昔に比べて、置戸町の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?
正直、人は減ったよ。林業で賑わった頃は一万人以上いたのが、今は二千人台。商店も学校の子どもも、昔よりずいぶん少なくなった。
ただ、オケクラフトの作り手を志して町外から移ってくる若い衆もいる。数は小さくても、新しい血が入ってきてるのは嬉しいことだね。
Q7.置戸町のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?
大きな箱モノより、町民が集まる場が続いてほしいね。中央公民館みたいなとこで人が顔を合わせる、それが小さい町の力だと思ってる。
町長はじめ役場も移住や作り手の育成に力を入れてる。運動公園やパークゴルフ場で体を動かして、若い人が長く住みたくなる町であってほしいわ。

