佐呂間町(さろまちょう)は、北海道オホーツク地方のほぼ中央に位置する人口4,517人の町です。町の北側一帯が、北海道最大の湖・サロマ湖に面しています。
佐呂間町の魅力を5つに凝縮すると、こうなります:
- ✅ サロマ湖──北海道最大・日本で3番目に大きい湖に面した町
- ✅ 北海道ホタテ養殖発祥の地──サロマ湖は養殖技術を確立した湖
- ✅ サロマ湖100kmウルトラマラソン──1986年に生まれた日本初のウルトラマラソン
- ✅ 5月の全国最高気温39.5℃──2019年に記録した気象の町
- ✅ カボチャの里──カボチャ生産日本一の北海道を代表する産地
「海の幸を味わいたい人」「火山や気象などの自然現象に興味がある人」「ウルトラマラソンに挑みたいランナー」に特におすすめの町です。本記事では、サロマ湖の恵みや開拓の歴史、地元の暮らし、特産・食まで地元目線で紹介します。
| 人口 | 4,517 人 ※2026年4月30日時点(住民基本台帳) |
|---|---|
| 面積 | 404.94 km² |
| 人口密度 | 11.2 人/km² |
佐呂間町は、東に北見市常呂、西に北見市留辺蘂・遠軽町・湧別町、南に北見市が接し、北は一帯がサロマ湖に面しています(出典:佐呂間町公式サイト)。
鉄道は1987年に湧網線が廃止されて以降通っておらず、最寄り駅はJR石北本線の北見駅または遠軽駅です。近い空港は女満別空港とオホーツク紋別空港の2つですが、いずれも町と直接結ぶ公共交通機関はありません。札幌とは高速バス「イーグルライナー」が若佐地区を結んでいます。サロマ湖の恵み、記録的な気象、開拓の物語──小さな町に詰まった見どころを、ひとつずつ見ていきましょう。
佐呂間町の推しポイント

佐呂間町の顔は、なんといってもサロマ湖です。北海道最大のこの湖は、いまや全国に出回るホタテ養殖の技術が生まれた場所でもあります。湖を舞台にした日本初のウルトラマラソンや、2019年に記録した5月の全国最高気温39.5℃など、この町は「日本初」「全国一」のエピソードを意外なほど抱えています。丘陵部ではカボチャをはじめとする畑作も盛ん。ここからは5つの推しポイントを少しだけ深掘りします。
推しポイント1:サロマ湖──北海道最大の湖
サロマ湖は北海道で最も大きく、日本でも3番目に大きい湖です(出典:サロマ湖養殖漁業協同組合)。オホーツク海とつながる2つの湖口を持つ海水湖で、網走国定公園にも指定されています。佐呂間町の北側一帯がこの湖に面しており、町の暮らしと産業の土台になっています。
推しポイント2:北海道ホタテ養殖発祥の地
サロマ湖は、北海道のホタテ養殖が始まった発祥の地です(出典:佐呂間町公式サイト)。1952年(昭和27年)には佐呂間・湧別・常呂の3漁協が出資してサロマ湖養殖漁業協同組合が設立され、現在のホタテ養殖の基礎が築かれました。湖で育てた稚貝はオホーツク海にも放流され、外海のホタテ漁業を支えています。
推しポイント3:サロマ湖100kmウルトラマラソン──日本初のウルトラ
毎年6月下旬、サロマ湖周辺の北見市・佐呂間町・湧別町を舞台にウルトラマラソンが開かれます。1986年に日本初のウルトラマラソンとして誕生し、「ウルトラの聖地」と呼ばれる大会です(出典:サロマ湖100kmウルトラマラソン公式サイト)。50kmの部は佐呂間町の100年広場前がスタート地点になっています。
推しポイント4:5月の全国最高気温39.5℃を記録した町
2019年5月26日、佐呂間町は39.5℃を観測しました。これは5月としては全国の歴代最高気温であり、北海道の観測史上でも初めての39℃台でした(出典:気象庁)。一方で冬は氷点下30℃を下回ることもあり、寒暖差の大きさが際立つ町です。
推しポイント5:カボチャの産地──シンデレラ夢まつりの町
佐呂間町の丘陵部では畑作が盛んで、カボチャが代表的な特産品です。カボチャは北海道が生産量日本一で、全国収穫量の約半分を占めます(出典:農林水産省)。町ではかつてカボチャをテーマにした「シンデレラ夢まつり」も開かれていました。
佐呂間町の歴史

佐呂間町の歴史は、明治期の開拓から始まります。1894年に浜佐呂間へ最初の入植者が入り、原野が少しずつ農地へと姿を変えていきました。本州からの移住、村から町への昇格を経て、現在の佐呂間町の形がつくられます。近年は記録的な竜巻や猛暑といった自然の出来事でも全国に名前が知られるようになりました。ここでは時代の流れを3つに分けて見ていきます。
開拓の始まり(明治)
1858年(安政5年)、探検家の松浦武四郎がこの地を探索しました。1894年(明治27年)には青森県出身の鈴木甚五郎が浜佐呂間に入植し、これが佐呂間町の開基とされています。1901年(明治34年)にはサロマベツ原野の殖民地区割りが設定され、本格的な開拓の基礎が整いました。
谷中村からの移住と町への昇格
1911年(明治44年)、栃木県谷中村の住民がサロマベツ原野へ移住しました。これは足尾鉱毒事件で土地を失った人々の移住で、現在の栃木地区の由来です。1915年(大正4年)に二級町村制が施行されて鐺沸村となり、まもなく佐呂間村へと改称。1953年(昭和28年)に町へ昇格し、1956年(昭和31年)には若佐村と合わさって現在の佐呂間町が成立しました。
現代──竜巻災害と記録的猛暑
2006年(平成18年)11月7日、若佐地区でF3規模の竜巻が発生し、トンネル工事の作業員宿舎などが直撃されて9人が亡くなりました。これは戦後の日本で竜巻による最悪の死者数となっています(出典:気象庁)。その後2019年には5月の全国最高気温を記録するなど、自然の厳しさと向き合いながら歩んできた町です。
佐呂間町の文化・風習

方言と話し方の特徴
佐呂間で耳にするのは、オホーツク地方らしい北海道弁です。「とても・すごく」を表すなまら(とても)はその代表格。「このホタテ、なまらうまいべさ」なんて会話が、ごく普通に飛び交います。
冬の寒さを語るときに欠かせないのがしばれる(厳しく冷え込む)という言葉。氷点下の朝には「今朝はしばれるねぇ」が挨拶代わりになるんですよ。ゴミを捨てることを投げる(捨てる)と言うのも道民あるあるで、移住したての人がよく戸惑うポイントです。
したっけ(それじゃあ)、暮らしの話に進みましょう。
寒暖差の大きい暮らしと冬
佐呂間の気候は、夏と冬の落差がとにかく大きいのが特徴です。2019年には5月に39.5℃を記録した一方、冬は氷点下30℃を下回る朝もあります。豪雪地帯にも指定されているので、雪かきは冬の大事な日課。寒い土地だからこそ、温かい鍋やホタテ料理が食卓でいっそう恋しくなりますよね。
栃木地区に残る本州とのつながり
町内には「栃木」という地名があります。これは足尾鉱毒事件で故郷を追われた栃木県谷中村の人々が移り住んだ歴史に由来します。地区には宇都宮二荒山神社から分霊された栃木神社や栃木橋があり、本州との縁がいまも地名と暮らしの中に息づいています。みなさんも訪れた際は、地名の物語に少し耳を傾けてみてください。
佐呂間町の特産品・食

特産品1:サロマ湖産ホタテ
佐呂間といえば、やっぱりホタテです。サロマ湖は北海道ホタテ養殖発祥の地で、湖内の養殖と外海の地撒きの両方が行われています(出典:佐呂間町公式サイト)。旬はおよそ4月から12月。粒が大きく、内海育ちはまったりした甘み、外海育ちはしゃっきりした歯ごたえが楽しめます。
食べ方はお刺身でもバター焼きでも間違いなしですが、浜焼きでほおばるとなまら(すごく)うまいんですよ。海の香りと甘みがぎゅっと詰まっていて、サロマに来たらぜひ味わってほしい一皿です。
特産品2:カボチャ
丘陵部の畑で育つカボチャも、町を代表する味です。カボチャは北海道が生産量日本一で、全国収穫量のおよそ半分を北海道が占めています(出典:農林水産省)。秋に収穫される佐呂間のカボチャはホクホクとした甘みが持ち味で、煮物やスープにすると体の芯から温まります。
特産品3:サロマ湖のカキ
ホタテと並んで、サロマ湖ではカキの養殖も盛んです。オホーツクのミネラルをたっぷり含んだ汽水域で育つため、身がふっくらして濃厚な旨みがあります。寒さが増す季節に味わうカキは格別で、地元の食卓にも欠かせない存在。したっけ(それじゃあ)、次に佐呂間を訪れるときは、ホタテとカキの食べ比べをしてみてはいかがでしょうか。
佐呂間町の観光スポット

佐呂間町の旅は、サロマ湖をどう眺め、どう味わうかが軸になります。まずは湖を一望できる展望スポットで全体像をつかみ、次に湖の幸が並ぶ道の駅でお腹を満たす──これが王道です。湖畔には遊歩道もあり、歩いて自然に分け入る楽しみ方もできます。ここからは、サロマ湖を中心に押さえておきたいスポットをカテゴリ別に紹介します。
サロマ湖を見渡す絶景スポット
- サロマ湖展望台 – サロマ湖沿岸のほぼ中央、標高376メートルの幌岩山山頂付近にあり、サロマ湖の全体を見渡せる町内で唯一の展望スポットです。無料の望遠鏡が3台備えられています(出典:佐呂間町公式サイト)。冬期は11月中旬から4月下旬まで閉鎖されます(出典:北海道公式観光サイト HOKKAIDO LOVE!)。湖と海を隔てる細長い砂州、遠くは知床連山まで一望でき、晴れた日の眺めはなまら(とても)見ごたえがありますよ。
- キムアネップ岬 – サロマ湖の南東に小さく突き出た岬で、佐呂間町が観光案内で紹介するスポットのひとつです(出典:佐呂間町公式サイト)。岬の付け根にはサンゴ草(アッケシソウ)の群落が広がり、秋になると一面が赤く色づきます。湖に沈む夕日が美しく、夕方に訪れるのがおすすめ。初夏から秋にはキャンプ場も開設され、静かに湖と過ごせます。
- ピラオロ展望台 – サロマ湖を見渡せる展望台のひとつで、佐呂間町の観光案内に挙げられています(出典:同上)。木々に囲まれた道を進み、ひらけた先に湖が広がる構成。人が少なく、静かに湖を眺めたいときに向いています。
食と買い物を楽しむ拠点
- 道の駅サロマ湖 – 国道238号沿い、佐呂間町字浪速にある観光拠点で、酪農の牛舎とサイロをイメージした外観が目印です。営業時間は9:00〜18:00(10月中旬〜4月中旬は17:00まで)(出典:北の道の駅)。名物はサロマ湖産ホタテの浜焼きや帆立カレー、地元カボチャのソフトクリーム。炭火で焼くホタテの香りが一年じゅう漂っていて、ここでお腹を満たすのが旅の定番なんですよね。
- ふれあい牧場・観光農園 – 道の駅のそばにあり、春から秋にかけて開園しています。ポニーが放牧され、秋にはカボチャのトンネルが現れます。子ども連れでの散歩にちょうどいい場所です。
自然のなかを歩くスポット
- サロマ湖畔遊歩道 – 道の駅サロマ湖の近くに整備された木道の遊歩道です。観光客は比較的少なめで、静かな森のなかを歩きながら、木々の間からサロマ湖をのぞむことができます。早朝の澄んだ空気のなかを歩くのが気持ちいいですよ。
- 幌岩山登山遊歩道 – サロマ湖展望台のある幌岩山へ、自分の足で登れる登山道です。夏なら1時間半ほどで山頂へ。車でも上がれますが、歩いて登りきった先で見る湖は格別です。歩きごたえを求める人はこちらへどうぞ。
佐呂間町の観光ルート

サロマ湖を軸にすると、町内だけでも丸一日楽しめますし、隣の北見市や湧別町まで足を延ばす広域プランも組めます。鉄道が通っていないので、移動は車が基本。ここでは、はじめての人でも回りやすいルートを3つ紹介します。
【車・1日】サロマ湖まるごと満喫ルート(町内)
9:00 道の駅サロマ湖 → 9:20 サロマ湖展望台(車約15分)→ 11:30 道の駅で昼食 → 13:30 キムアネップ岬(車約25分)→ 15:30 サロマ湖畔遊歩道(車約25分)
①道の駅サロマ湖(30分)
→ 旅の起点。特産品をチェックして情報を集めます。朝のうちに立ち寄ると一日の計画が立てやすいです。
②サロマ湖展望台(60分)
→ 幌岩山に上がって湖の全体像を頭に入れます。最初に全景を見ておくと、その後のスポット巡りが立体的に感じられます。
③道の駅で昼食(60分)
→ ホタテの浜焼きやカボチャのソフトでひと休み。お土産選びもここで。
④キムアネップ岬(60分)
→ 小さな岬を一周。秋ならサンゴ草の赤を狙って歩くと写真映えします。
⑤サロマ湖畔遊歩道(40分)
→ 一日の締めに、静かな木道さんぽで余韻にひたります。
【車・半日】湖畔ゆったり半日ルート(町内)
13:00 道の駅サロマ湖 → 13:20 サロマ湖展望台(車約15分)→ 15:00 キムアネップ岬(車約25分)→ 16:30 岬で夕日
①道の駅サロマ湖(30分)
→ まずは腹ごしらえと情報収集から。
②サロマ湖展望台(45分)
→ 湖の全景をさっと押さえます。午後の光で湖面が輝きます。
③キムアネップ岬(90分)
→ 夕方まで粘って、湖に沈む夕日を待つのがこのルートの主役。時間に余裕をもって向かいましょう。
【車・1日】広域ルート:サロマ湖をぐるりとオホーツク
9:00 女満別空港 → 10:10 道の駅サロマ湖(車約70分)→ 10:40 サロマ湖展望台 → 12:30 キムアネップ岬(昼食・散策)→ 14:30 湧別町・龍宮台展望公園方面
①道の駅サロマ湖(40分)
→ 空港から到着したら、まずここで佐呂間の旅をスタート。
②サロマ湖展望台(60分)
→ 広域ドライブの前に、サロマ湖の全体像をつかんでおきます。
③キムアネップ岬(90分)
→ 岬で昼食と散策。湖の幸と絶景をまとめて味わえます。
④湧別町・龍宮台展望公園方面(移動)
→ サロマ湖の対岸、湧別町側へ。湖をぐるりと巡る一日の締めにぴったりです。
佐呂間町の年間イベント

佐呂間町のイベントは、初夏から秋にかけて集まっています。日本初のウルトラマラソンに、収穫の秋を祝う祭り──サロマ湖と農の恵みを実感できる催しが並びます。どれも町の暮らしと地続きなのが、佐呂間らしいところです。
春〜夏:サロマ湖100kmウルトラマラソン
毎年6月下旬に開催されます(出典:佐呂間町公式サイト)。1986年に日本初のウルトラマラソンとして始まった大会で、北見市・佐呂間町・湧別町をまたいでサロマ湖畔を走ります。
沿道では地元の人たちが声援を送り、私設エイドがランナーを支えます。100kmを走りきろうとするランナーの背中に、思わず「けっぱれ(がんばれ)!」と声をかけたくなる熱気ですよ。
秋:さろま秋宵まつり・サロマ大収穫祭
秋は祭りが続きます。さろま秋宵まつりが毎年9月上旬、サロマ大収穫祭が10月上旬に開かれます(出典:佐呂間町公式サイト)。
収穫祭ではホタテやカボチャなど、町の特産が主役。とれたての味を求めて、地元の人も観光客も集まります。実りの季節の佐呂間は、活気と食の香りでいっぱいになるんです。
冬:流氷とサロマ湖の静寂
冬の佐呂間は、大きな祭りこそ少ないものの、季節そのものが見どころです。サロマ湖は結氷し、オホーツク海には流氷が押し寄せます。
氷点下30℃近くまでしばれる(厳しく冷え込む)朝の澄んだ空気のなか、白く凍った湖を眺める時間は、夏とはまるで違う佐呂間の表情を見せてくれます。
佐呂間町のエリア別の顔

佐呂間町は、サロマ湖に面した湖岸部、漁業で栄える浜辺、暮らしの中心となる市街地、そして開拓の歴史を刻む南部の丘陵地と、エリアごとに違う顔を持っています(出典:佐呂間町公式サイト)。旅の目的によって、立ち寄るエリアを選ぶのがおすすめ。ここでは旅する視点で、それぞれの個性を紹介します。
浪速・湖岸エリア──観光の玄関口
サロマ湖に面した浪速地区は、道の駅サロマ湖やサロマ湖展望台が集まる観光の中心です。湖を眺め、特産を味わうなら、まずこのエリアへ。日帰り観光の拠点にちょうどいい場所です。
浜佐呂間エリア──ホタテとカキの浜
町の北東、サロマ湖に面した浜佐呂間は漁業の地区です。浜佐呂間漁港ではホタテやカキが水揚げされ、潮の香りと作業の活気が漂います。キムアネップ岬もこのエリアの先にあり、湖の幸と絶景を一度に楽しみたい人に向いています。
佐呂間市街・永代町エリア──暮らしの中心
役場や商店が集まる永代町を中心とした市街地は、町の生活の中心です。観光地的な派手さはありませんが、地元の食堂や商店で町の素顔に触れられます。旅の合間に立ち寄って、ひと息つくのにいいエリアです。
栃木・若佐エリア──開拓の歴史と畑作地帯
南部の丘陵に広がる栃木・若佐エリアは、カボチャなどの畑作が盛んな農の土地です。栃木地区には、足尾鉱毒事件で移り住んだ人々が建てた栃木神社が残ります。
なだらかな畑の風景の向こうに開拓の歴史が見えてくる、しみじみ歩きたいエリアです。したっけ(それじゃあ)、次は暮らしの話に進みましょう。
佐呂間町の気候・季節の暮らし

佐呂間町の年平均気温は5.6℃、年間の降雪の深さ合計は556センチ、年降水量は829.9ミリです(出典:気象庁)。寒暖の差が大きい大陸性の気候で、豪雪地帯に指定されています。夏は記録的な猛暑になる年がある一方、冬の冷え込みは厳しく、季節ごとに表情がはっきり変わる町です。
夏──6月〜8月の暮らし
8月の平均気温は19.4℃、日最高気温の平年値でも24.9℃ほどで、本州に比べると過ごしやすい夏です(出典:同上)。湿度が低く、朝晩は涼しいので、エアコンなしで過ごす家庭も多いと考えられます。
ただし2019年5月には39.5℃を記録したように、突発的な高温になる日もあります。夏のサロマ湖畔は緑が濃く、ウルトラマラソンやキャンプでにぎわう季節です。
秋──9月〜10月の暮らし
秋は収穫の季節。カボチャやホタテなど町の幸が出そろい、祭りも続きます。10月にもなると朝晩がぐっと冷え込み、キムアネップ岬のサンゴ草が赤く色づいて、湖畔は短い紅葉の時季を迎えます。
冬──11月〜3月の暮らし
冬は1月・2月の平均気温が-8℃台、日最低気温の平年値は-15〜-16℃台まで下がります(出典:気象庁)。近年では2020年2月に-30.3℃を観測した日もありました。
朝、しばれる(厳しく冷え込む)日は、吐く息が一瞬で白く凍るほど。雪かきは冬の日課で、暖房と除雪は暮らしに欠かせません。サロマ湖が結氷し、オホーツク海に流氷が押し寄せる景色は、この町ならではの冬の風物詩です。
春──4月〜5月の暮らし
4月の平均気温は4.2℃で、雪が解けて畑作の準備が始まります。春先は風が強く感じる日もありますが、長い冬のあとの雪解けは、町全体がほっとゆるむ季節。したっけ(それじゃあ)、暮らしの実際を見ていきましょう。
佐呂間町の移住・暮らし情報

佐呂間町は人口4,517人の小さな町です。農業と漁業を軸にした暮らしで、派手さはありませんが、サロマ湖の幸と広い大地が日常のすぐそばにあります。ここでは「なまら(とても)静かに暮らしたい人」に向けて、住む視点での実際を紹介します。
通勤・通学
町内で農業や漁業、関連の加工業に従事する人が多いと考えられます。町外へ通う場合は車が基本で、北見市まで国道333号経由で約50分という距離感です(出典:佐呂間町公式サイト)。
住宅環境
戸建てが中心で、賃貸物件の数は都市部に比べると限られると考えられます。土地に余裕があるぶん、広い庭や駐車スペースを確保しやすいのが、こうした町の住まいの特徴です。除雪を前提に、車庫や物置のある家が多くなります。
買い物環境
町内にはAコープサロマなどの食料品店があり、日常の買い物は町内で完結します。道の駅サロマ湖の物産館みのりでは、地元のホタテやカボチャ、ブランド豚なども手に入ります。まとめ買いで北見市まで足を延ばす人も多いと考えられます。
子育て・教育
町内には小学校(佐呂間・浜佐呂間・若佐)、佐呂間中学校、そして道立の北海道佐呂間高等学校があり、高校まで町内で進学できます。少人数で、子ども一人ひとりに目が届きやすい環境だと考えられます。
医療環境
町内唯一の町立診療所「クリニックさろま」では、医療法人恵尚会が内科・外科・整形外科・皮膚科・小児科などの診療を行っています(出典:クリニックさろま)。専門的な医療が必要なときは、北見市や遠軽町の基幹病院と連携して紹介を受ける形になります。
エリア別の暮らし視点
中盤では旅する視点で各エリアを紹介しましたが、暮らす視点で見ると、買い物や役場が近い佐呂間市街・永代町エリアが生活の利便性は高め。浜佐呂間エリアは漁業に近く、栃木・若佐エリアは農業中心ののどかな環境で、それぞれ暮らし方の色が違います。
佐呂間町へのアクセス

佐呂間町には鉄道が通っていないため、移動の基本は車です。最寄りの空港は女満別空港とオホーツク紋別空港。札幌方面とは都市間バスでつながっています。主要都市からのアクセスを整理します。
車でのアクセス
北見市からは国道333号経由で佐呂間市街まで約50分、網走市からは約1時間、遠軽町からは約1時間です(出典:佐呂間町公式サイト)。札幌からは旭川・北見峠を経由しておよそ3時間50分。レンタカーがあると、サロマ湖周辺の観光もそのまま楽しめます。
鉄道+バスでのアクセス
鉄道を使う場合の最寄り駅は、JR石北本線の北見駅または遠軽駅です。駅からは車やバスに乗り継いで町を目指します。鉄道駅と町を直結する便は限られるので、時刻はあらかじめ確認しておくと安心です。
飛行機・都市間バスでのアクセス
女満別空港から網走まで約40分、網走から佐呂間まで約1時間が目安です(出典:同上)。札幌方面からは、斜里バスが運行する都市間高速バス「イーグルライナー」を町内の若佐で利用できます。完全予約制で、若佐から乗降できるのは札幌方面の便に限られます(出典:佐呂間町公式サイト)。
町内移動の現実的アドバイス
町内の観光スポットは点在しているので、回るなら車が確実です。運転しない場合は、近隣の医療機関などへ向かう町営の「ふれあいバス」もありますが、運行日が限られます。旅行で訪れるなら、空港でレンタカーを借りるのがいちばん動きやすいですよ。
【地元住民に直撃!】佐呂間町の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。
サロマ湖でホタテの養殖やってます。親父の代からだから、もうこの湖と一緒に育ったようなもんでね。
朝はまだ暗いうちから船出して、稚貝を吊るしたり、育ったホタテを揚げたり。しばれる(厳しく冷え込む)冬も湖の上だから、正直きついっちゃきついよ。でもサロマのホタテは北海道の養殖発祥の地のもんだって誇りがあるから、続けてるね。
Q2.佐呂間町に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?
まずは佐呂間町のおすすめスポット、サロマ湖展望台だね。幌岩山のてっぺんから湖と海を仕切る砂州まで一望できる。あれ見たら、なんでこの町が湖と生きてるか分かるって。
あとは地元の人間が好きなのはキムアネップ岬。観光地ってより、夕日見ながらぼーっとする場所だわ。秋のサンゴ草が赤く染まる頃はなまら(とても)きれいでね。風の音と鳥の声しかしない、あの静けさが効くんだ。
Q3.佐呂間町でお土産を買うとしたらなんですか?
そりゃまずホタテだね。道の駅サロマ湖の物産館で干貝柱買っていくのが間違いない。あとカボチャのソフトクリームも有名だから、その場で食べてみてほしいわ。
地元の人間がこっそり推すなら、創業100年超えの弘内菓子舗。昔から町と一緒にやってる店で、かぼちゃっ娘ってお菓子があってね。観光客はあんまり知らんけど、こういうのが本当の佐呂間の味だと思う。
Q4.外から人が来たときに、佐呂間町でまず連れていく店はどこですか?
やっぱり道の駅サロマ湖だね。炭火で焼くホタテの浜焼き、あの匂いがたまらん。獲れたてに近いやつ食わせると、みんな顔が変わるんだわ。
町なかだと食事の店かたひらにも連れてく。地元で口コミ広がった店でね、ボリュームもあって観光客向けじゃない普段の佐呂間の飯が食える。こういう店が町民の台所みたいなもんさ。
Q5.佐呂間町はどんな気質だと思いますか?
口数は多くないけど、根っこは温かい人が多いね。漁協も農家も、結局はみんな自然相手の仕事だから、助け合わんとやってけない。だから困ってる人放っとかないんだわ。
ウルトラマラソンの時なんか、町じゅうが私設エイド出して走者を応援する。あの光景見ると、ああ佐呂間の人間ってこういうやつらだなって、しみじみ思うね。
Q6.昔に比べて、佐呂間町の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?
正直、人は減ったよ。俺が子どもの頃に比べたら町の店もずいぶん少なくなったし、カボチャの祭りも何年か前に終わっちまった。寂しい部分は確かにあるね。
ただ、湖の恵みは変わらん。ホタテも観光も、まだまだ佐呂間の柱だと思ってる。減った分、残った人間が湖を大事に守ってる感覚は、昔より強くなった気がするわ。
Q7.佐呂間町のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?
町では新しい庁舎、町民センターみたいな新庁舎の建設が進んでてね。役場が新しくなると町の顔も変わるから、町長はじめどう町を立て直していくか、みんな注目してるよ。
あとは運動公園や100年広場みたいな場所で、若い人がもっと集まる催しが増えたらいいなと。サロマ湖って水源も自然も恵まれてるから、これを次の世代にどう渡すか。そこに期待してるね。

