和寒町(わっさむちょう)は、北海道上川地方北部・名寄盆地の南端に位置する人口2,715人の町です。札幌から車で約2時間20分、旭川からは約40分。
和寒町の魅力を5つに凝縮すると、こうなります:
- ✅ かぼちゃ作付面積日本一──作付面積483ha(2022年)で全国トップ
- ✅ 越冬キャベツ発祥の地──雪の下で甘みを増す名物(2010年商標登録)
- ✅ スポーツ玉入れ「アジャタ」発祥の地──全日本玉入れ協会(AJTA)本部を擁する
- ✅ 三浦綾子『塩狩峠』の舞台──約1,600本のエゾヤマザクラが咲く塩狩峠一目千本桜
- ✅ 日本有数の極寒の町──福原地区で-41.2℃(1978年2月17日)を観測
「農業と食に興味がある人」「文学や鉄道の聖地巡礼をしたい人」「冬の絶景と冷気を体感したい旅人」におすすめの町。本記事では、観光・特産・歴史から、地元目線の暮らしぶり、移住・アクセス情報まで紹介します。
| 人口 | 2,715 人 ※2026年4月30日時点(住民基本台帳) |
|---|---|
| 面積 | 225.11 km² |
| 人口密度 | 12.1 人/km² |
地理的には、北は剣淵町・士別市、東は士別市、南は比布町・旭川市・鷹栖町、西は雨竜郡幌加内町に接しています。鉄道はJR宗谷本線が町内を縦断し、和寒駅・塩狩駅の2駅があります。道央自動車道の和寒ICからは町中心部までわずか数分でアクセス可能です。
かぼちゃ・キャベツ・寒さ・桜・玉入れ──小さな町に「日本一」「発祥」のキーワードがいくつも詰まっています。ひとつずつ見ていきましょう。
和寒町の推しポイント

和寒町は、農業と気候、文学とスポーツが交差するユニークな町です。畑に目を向ければ作付面積日本一のかぼちゃが広がり、冬になれば雪の下で甘みを蓄える越冬キャベツが眠ります。塩狩峠には三浦綾子の文学碑と1,600本の桜並木、町の体育館では毎年「全日本玉入れ選手権」が開かれ、全国から選手が集まります。そして冬には日本有数の冷え込みが訪れ、テレビの寒波ニュースで町の名前が呼ばれる──そんな町の顔をひとつずつ紹介していきます。
推しポイント1:かぼちゃ作付面積日本一の町
和寒町は1998年にかぼちゃの作付面積が日本一となり、それ以来トップを守り続けています。北海道新聞によれば2022年の作付面積は483ha。国産かぼちゃの約半分は北海道産で、その中でも和寒は道内最大級の産地です。低温貯蔵により甘みを引き出し、北海道の他産地が出荷を終えた冬至の時期にも熟成された和寒産かぼちゃが市場に並びます。
推しポイント2:雪の下で甘くなる「越冬キャベツ」
晩秋に収穫したキャベツを雪の下で保存し、冬から春にかけて出荷する「和寒越冬キャベツ」。寒さに耐えてキャベツが糖を蓄えることで、生でも食べられるほどの甘みになるんですよ。2010年に商標登録され、ブランドとして全国に出荷されています。元々かぼちゃの貯蔵倉庫を多くの農家が持っていたことが、産地化を後押ししました。
推しポイント3:スポーツ玉入れ「アジャタ」発祥の地
運動会でおなじみの玉入れを、1990年に和寒町「ふれあいまつり」でタイムトライアル競技にしたのが「アジャタ(AJTA)」の始まりです。全日本玉入れ協会の本部は和寒町にあり、毎年「全日本玉入れ選手権」が町の総合体育館で開かれます。竿の高さ4m12cmは、和寒町で記録された最低気温-41.2℃にちなんでいるという徹底ぶり。
推しポイント4:三浦綾子『塩狩峠』と一目千本桜
町の南端、比布町との境に位置する塩狩峠は、作家・三浦綾子の小説『塩狩峠』の舞台として知られています。5月中旬には約1,600本のエゾヤマザクラ(オオヤマザクラ)が峠一面を薄紅色に染め、JRの臨時列車が運行されることもあります。2023年には旧塩狩温泉跡地に「わっさむ塩狩峠公園」がオープンし、三浦綾子文学碑も建てられました。
推しポイント5:日本有数の寒さを誇る町
町内の福原地区では1978年2月17日に-41.2℃を観測し、これは日本国内でも有数の低温記録です。和寒町全体が盆地で冷気が滞留しやすく、真冬には日中でも-15℃前後にしか上がらない日があります。「今冬一番の寒さ」のニュースで町名が登場することも多く、寒さそのものが町のアイデンティティのひとつになっています。
和寒町の歴史

和寒町の歴史は、1897年(明治30年)に秋田県人・菊池伊七が定住したことで和人の歴史が始まります。1899年には宗谷本線(当時の天塩線)が和寒まで開通し、駅前に小市街が形成されました。1915年に剣淵村から分村して和寒村が誕生し、1952年に町制を施行して現在の和寒町となります。戦前は除虫菊、戦後は寒冷地稲作、そして現代はかぼちゃ・越冬キャベツへと、農業のかたちを変えながら町を支えてきました。
地名の由来とアイヌ語の世界
「和寒」という地名は、アイヌ語の「ワッサム(wat-sam)」に由来します。意味は「オヒョウニレの木の・傍ら」。かつてこの地には大きなオヒョウニレの木が繁茂しており、それが地名として残りました。明治期には「輪寒」「和参」と書かれた時代もありましたが、現在の表記に統一されています。
近代の開拓と除虫菊の時代
1899年の鉄道開通を機に入植が本格化し、1901年には西部のペオッペ原野で団体入植が始まりました。1915年に剣淵村から分村して和寒村が誕生。大正期から戦前にかけては、村内一円に蚊取り線香の原料となる除虫菊が植えられ、和寒は日本一の生産量を誇りました。山奥の畑にも小学校が建てられるほど人口が広がり、菊畑が町の経済を支えていました。
現代──かぼちゃとキャベツが町を支える
戦後、除虫菊の生産が中国に移ると山地の畑は廃れましたが、品種改良により稲作の北限が北上し、平地の菊畑は田園に変わりました。その後はかぼちゃ栽培が拡大し、1998年に作付面積日本一を達成。第1回パンプキンフェスティバルも同年に始まりました。2010年には「和寒越冬キャベツ」が商標登録され、町のブランドとして全国に発信されています。
和寒町の文化・風習

話し方と北海道方言の特徴
和寒町で話される言葉は、いわゆる北海道弁。寒い朝、町の人同士が「今朝はしばれたねぇ」(今朝はすごく冷えたね)と挨拶を交わす光景は冬の定番ですよ。話し方は穏やかで間延びしたイントネーションが多く、語尾の「〜だべ」「〜しょ」も自然に飛び交います。標準語に近いと言われる北海道弁ですが、内陸ならではの寒さを表現する言葉だけは独自に発達しているんですよね。
玉入れと祭り──町ぐるみで盛り上がる文化
「ふれあいまつり」「どんとこい!わっさむ夏まつり」「パンプキンフェスティバル」「極寒フェスティバル」など、和寒町は年間を通じて手づくりの祭りが多い町です。スポーツ玉入れが町のお祭りから生まれて全国に広がったことが象徴するように、住民が自分たちで楽しむ文化が根付いています。みなさんも一度参加してみたら、町の温かさがわかると思います。
厳寒の暮らしと冬支度
真冬の最低気温が-30℃を下回ることもある和寒町では、冬支度は生活の柱です。窓は三重サッシ、玄関は二重扉、車にはエンジンスターターが標準装備。それでも朝起きて窓を開けると外気で頬がピリッと刺すような感覚があって、それが「なまら(とても)しばれる日」の合図なんですよ。一方で日中は雪原がキラキラ輝き、ダイヤモンドダストが見られることもあります。
食卓に並ぶ越冬野菜
冬の和寒の食卓には、越冬キャベツの千切りや、ホクホクの和寒産かぼちゃが頻繁に登場します。極寒フェスティバルでは「千切り越冬キャベツ早喰い競争」「越冬キャベツ入りコロッケ」など、町ぐるみで自分たちの作物を楽しむ風景が見られます。地元で採れたものを地元で食べる──そんな当たり前のような暮らしが、この町ではまだしっかり残っているんですよね。
和寒町の特産品・食

特産品1:作付面積日本一の「和寒かぼちゃ」
和寒のかぼちゃは、ホクホク系の食感と濃厚な甘みが特徴。収穫は8月後半から本格化しますが、低温貯蔵で熟成させてから出荷するため、冬至(12月22日頃)の時期にも甘みを増したかぼちゃが食卓に届きます。煮物・天ぷら・スープ・ポタージュと使い方は幅広く、町内の道の駅やふるさと納税でも人気です。なまら(とても)ホクホクで、煮崩れしにくいのも嬉しいんですよね。
特産品2:雪が育てる「和寒越冬キャベツ」
10月下旬に収穫したキャベツを、雪の下で2〜3か月寝かせるのが越冬キャベツの作り方です。雪温は0℃前後に保たれるため凍らず、キャベツは寒さから身を守ろうとして糖分を蓄えます。出荷は2月から3月。生で食べてもサラッと甘く、ロールキャベツや鍋にすると煮溶けるほどやわらか。2010年に商標登録され、和寒のブランド野菜として確立しました。
特産品3:上川管内有数のキノコ産地
和寒町は上川管内では愛別町と並ぶキノコの産地としても知られています。栽培されているのはエノキタケ・ナメコなどで、寒冷で清潔な気候が良質な菌床栽培に向いていると考えられます。鍋物や和え物、味噌汁の具として町内の食卓に欠かせない存在で、地元スーパーや直売所では出荷したての新鮮なキノコが並びます。
特産品4:寒さが生んだ寒冷地米
戦後の品種改良で稲作の北限が北上し、和寒町でも寒冷地に適した米が育つようになりました。昼夜の寒暖差が大きい気候は米の味を引き締めると言われており、町内では「米工房 天塩の大地」などの広域乾燥調整貯蔵施設も整備されています。新米の時期は秋。したっけ(それじゃあ)、炊きたての和寒産米に越冬キャベツのおひたしを添えて、町の冬の味を一度に味わってみてはいかがでしょうか。
和寒町の観光スポット

和寒町の観光は、大きく分けて3つの顔があります。三浦綾子の文学世界に触れる塩狩エリア、家族で1日遊べる三笠山自然公園、そして満天の星と湖のある南丘森林公園。どこも町の中心部から車で10分前後でアクセスでき、半日でも回れる手軽さが嬉しいんですよ。文学・自然・農業体験まで、季節ごとに違う表情を楽しめる町です。
三浦綾子文学にひたれるスポット
- 塩狩峠記念館(三浦綾子旧宅) – 旭川にあった三浦綾子の旧宅を塩狩峠に移築・復元した記念館です。小説『氷点』を執筆した2階の部屋がそのまま再現されており、原稿用紙や当時の新聞連載まで展示されています。開館は4月1日〜11月30日、10:00〜16:30、月曜休館。料金は大人200円、子供100円。文庫本を一冊持って訪れると、より深くなまら(とても)味わえると思いますよ。
- わっさむ塩狩峠公園 – 2023年4月にオープンしたばかりの公園で、旧塩狩温泉の跡地に整備されました。三浦綾子文学碑や、小説でヒロインが事故現場に手向けた「ユキヤナギ」が植えられています。春の桜、夏の緑、秋の紅葉と、文学散歩にぴったりな静かな空間です。
- 長野政雄顕彰碑 – 小説『塩狩峠』のモデルとなった、暴走する客車を身を挺して止めた長野政雄氏の顕彰碑。塩狩駅のすぐ近くにあり、文学碑と合わせて訪れる方が多いスポットです。
桜と鉄道の名所
- 塩狩峠一目千本桜 – 例年5月中旬、約1,600本のエゾヤマザクラ(オオヤマザクラ)が峠一面を薄紅色に染めます。JR塩狩駅の周辺、国道40号沿い、南丘森林公園へ続く町道──どこを歩いてもピンクの世界。見頃の時期にはJRが臨時列車を運行することもあり、車窓から桜のトンネルを楽しめます。
- JR塩狩駅 – 宗谷本線の無人駅で、三浦綾子ファンや鉄道好きの聖地です。木造の駅舎は風情があり、冬は雪に埋もれた佇まいがまた絶景。一目千本桜と記念館へは、ここから徒歩数分でアクセスできます。
家族で1日遊べる自然公園
- 三笠山自然公園「こどもの国」 – ゴーカート、ハイスクリュータワー、豆汽車、スカイダンボ、フワフワくまさん、バッテリーカーなど、昭和の懐かしさが残るミニ遊園地。低料金で1日遊べるのが魅力で、開園期間は5月初旬〜10月中旬の土日祝(夏休み中は毎日)、10:00〜16:30。子どもの笑い声が公園いっぱいに響く、町の夏の風景です。
- 南丘森林公園 – 市街地から車で約10分。山々に囲まれた貯水池があり、湖を一周する約4.2kmの遊歩道が整備されています。カヌー、釣り、キャンプ、森林浴と楽しみ方は自由。夜は街灯がほとんどないので、見上げれば満天の星空が広がります。開園期間は例年5月初旬〜9月末。
- 夫婦岩 – 三笠山自然公園内にある寄り添うような2つの大岩。周辺は森林浴コースになっており、5月にはカタクリやエゾエンゴサクが咲く「かたくり園」も併設されています。
雪と寒さを楽しむスポット
- 和寒東山スキー場 – 1969年12月オープンの町営スキー場で、9コース・ペアリフト1基・シングルリフト1基。最長滑走距離574m、ナイター営業もあり、初級者から上級者まで楽しめます。営業期間は例年12月初旬〜3月中旬。札幌や旭川からの日帰り客も多く、穴場のパウダースノーを味わえますよ。
- わっさむ町食と観光情報案内所 – 交流施設「ひだまり」内にあり、町の特産品販売と観光情報提供を兼ねた拠点。和寒産のかぼちゃ加工品やペポナッツ、越冬キャベツ関連商品など、お土産選びはここで決まりです。観光パンフレットも揃っているので、町歩きの起点としてもおすすめ。
和寒町の観光ルート

和寒町は南北に細長く、塩狩峠(南端)〜市街地〜剣淵町境(北端)まで車で約25分で縦断できます。1日あれば文学スポットも自然公園も全部回れますし、半日でも要所は押さえられる手軽さがあります。広域では旭川や名寄、剣淵町・幌加内町と組み合わせる旅もなまら(とても)楽しいですよ。
【車・1日】文学と自然を味わう町内一周ルート
9:30 JR和寒駅 → 9:50 塩狩峠記念館 → 11:30 三笠山自然公園 → 13:00 ランチ(町内食堂)→ 14:30 南丘森林公園 → 16:30 わっさむ町食と観光情報案内所
①塩狩峠記念館(滞在90分)
→ 三浦綾子の旧宅で『氷点』執筆の部屋を見学。文庫本片手に文学散歩を楽しめます。午前中の柔らかい光が窓から差し込む時間帯が、なんとも落ち着くんですよね。
②三笠山自然公園(滞在90分)
→ 「こどもの国」の遊具で子どもと遊んだり、夫婦岩まで散策。ファミリーで来るならランチ前のここがちょうどいい時間配分です。
③町内食堂でランチ(滞在60分)
→ 和寒駅周辺には地元の食堂が点在。かぼちゃやキャベツを使った料理が出る店も多いです。
④南丘森林公園(滞在90分)
→ 湖畔を1周する遊歩道を散策。午後の傾いた日差しが水面に反射して、写真映えする時間帯ですよ。
⑤わっさむ町食と観光情報案内所(滞在30分)
→ 旅の締めくくりにお土産選び。かぼちゃ加工品や越冬キャベツ商品を物色して帰路に。
【車・半日】塩狩峠文学さんぽルート
10:00 JR塩狩駅 → 10:10 塩狩峠記念館 → 11:40 わっさむ塩狩峠公園 → 12:30 一目千本桜(5月のみ)→ 13:00 JR和寒駅
①塩狩峠記念館(滞在90分)
→ 三浦綾子の世界に没頭。受付の方の解説を聞くと、作品の理解が深まります。
②わっさむ塩狩峠公園(滞在40分)
→ 文学碑とユキヤナギを鑑賞しながら散策。塩狩温泉跡地の静かな空気が広がります。
③塩狩峠一目千本桜(滞在30分/5月限定)
→ シーズン中なら、約1,600本のエゾヤマザクラの中を歩けます。塩狩駅周辺は360度桜に囲まれる絶景スポット。
④移動して和寒駅前へ
→ 駅前食堂でランチをして解散。電車での旅にもアレンジ可能なルートです。
【車・半日】冬の極寒体験ルート
10:00 道央道和寒IC → 10:10 和寒東山スキー場 → 12:30 ランチ(ゲレンデ食堂)→ 13:30 わっさむ町食と観光情報案内所 → 14:30 JR和寒駅周辺散策
①和寒東山スキー場(滞在2時間30分)
→ パウダースノーを滑り、ナイターまで楽しむも良し、半日券で帰るも良し。札幌・旭川からの日帰りに便利です。
②ゲレンデ食堂「ノース・ピース」でランチ(滞在60分)
→ カップラーメンの自販機やホットスナック、温かい飲み物が揃う休憩スペース。寒い体に染みる時間です。
③わっさむ町食と観光情報案内所(滞在30分)
→ 越冬キャベツ関連商品やお土産を物色。雪の下から掘り出されたキャベツの甘さを家でも味わえます。
④和寒駅周辺で町並み散策(滞在30分)
→ 雪に埋もれた駅舎と、しばれる空気を体感。冬の和寒町ならではの景色です。
【車・1日】広域ルート:和寒〜剣淵〜幌加内
9:00 JR和寒駅 → 9:30 塩狩峠記念館 → 11:00 絵本の里けんぶち(剣淵町)→ 13:00 ランチ(剣淵町内)→ 14:30 朱鞠内湖(幌加内町)→ 17:00 帰路
①塩狩峠記念館(滞在60分)
→ まず和寒町の文学スポットからスタート。三浦綾子の世界観に浸ります。
②絵本の里けんぶち・絵本の館(滞在90分)
→ 隣町・剣淵町の絵本専門施設。子ども連れでも大人だけでも楽しめます。
③剣淵町内でランチ(滞在60分)
→ 道の駅「絵本の里けんぶち」周辺で食事。地元食材を使ったメニューが揃います。
④朱鞠内湖(滞在2時間)
→ 幌加内町の日本最大の人造湖。夏はカヌーや釣り、秋は紅葉、冬はワカサギ釣りが楽しめます。
⑤帰路
→ 道央道経由で札幌・旭川方面へ。1日で道北の魅力を凝縮できる広域ルートです。
和寒町の年間イベント

和寒町のイベントは「町ぐるみ手づくり」が特徴です。春は桜、夏はカブトムシ、秋は玉入れとかぼちゃ、冬は越冬キャベツと、季節の主役がそのままお祭りのテーマになるんですよ。会場はほとんどが「ふれあいのもり」(三笠山自然公園隣接)で、町外から来てもアクセスしやすいのが嬉しいポイント。
春:夜桜まつり(毎年5月)
三笠山自然公園で開催される夜桜のライトアップイベントです。例年5月の連休後半、満開のエゾヤマザクラが闇に浮かび上がる光景は幻想的。炭火焼きジンギスカンを囲み、生バンド演奏や大抽選会で盛り上がります。寒さの残る夜気の中で食べるジンギスカンが、なんとも沁みるんですよね。
夏:どんとこい!わっさむ夏まつり(毎年7月)
毎年7月最終日曜日頃、三笠山ふれあいのもりで開催される町最大の夏イベント。最大の名物は「カブトムシ一本釣り」で、1,000匹を超えるカブトムシが用意され、子どもたちが長い列を作ります。和寒産ジンギスカン、流しそうめん、塩狩太鼓、移動動物園など、家族みんなで1日楽しめる内容ですよ。
秋:全日本玉入れ選手権(毎年9月)
例年9月上旬、和寒町総合体育館で開催される競技玉入れ「アジャタ」の全国大会。一般の部は優勝賞金50万円。全国から強豪チームが集まり、100個のボールをバスケットに入れるタイムを競います。観客席からの声援と、選手の真剣な表情のギャップが面白いんですよ。発祥の地で本物の競技玉入れを目撃できる、町ならではのチャンスです。
冬:わっさむ冬の大収穫祭(毎年12月)
これまで10月のパンプキンフェスティバルと2月の極寒フェスティバルを統合し、2025年から新たに始まったイベントです。野菜詰め放題(1袋300円)、お米すくい、町内事業者の出店、キッチンカーなどが並びます。冬の和寒で収穫された農産物を一度に味わえる、新しい町の風物詩です。
冬:ヒルクライムレースHIGASHIYAMA500(毎年10月)
和寒東山スキー場のゲレンデを駆け上がる、走行距離約500m・高低差120mのヒルクライムレース。例年10月初旬開催で、リレー部門もあります。冬を待つスキー場が、紅葉の中で一年に一度のランナーで賑わう瞬間です。
和寒町のエリア別の顔

和寒町は南北に細長く、塩狩峠(南端)から剣淵町境(北端)まで複数の地区が連なっています。中心市街地は和寒駅周辺、観光のハイライトは南端の塩狩エリア、自然公園と祭り会場は三笠エリア、そして日本有数の寒さを誇る福原エリア──と、それぞれにくっきりとした顔があります。旅の目的に合わせてエリアを選ぶと、町の楽しみ方が広がりますよ。
和寒駅周辺エリア──町の玄関口と暮らしの中心
JR和寒駅と道央道和寒ICを擁する町の中心市街地です。役場、商店、食堂、郵便局、診療所が集まる暮らしの拠点で、駅前の食堂街にはラーメン屋・寿司屋・定食屋など昔ながらのお店が点在しています。観光の起点としてまず立ち寄りたいエリアで、ここで町の食を味わってから観光スポットへ向かうのが定番の動線。
塩狩エリア──文学と桜の聖地
町の南端、比布町との境にある塩狩峠周辺のエリアです。JR塩狩駅、塩狩峠記念館、わっさむ塩狩峠公園、一目千本桜と、観光のハイライトが集中しています。5月の桜の時期はなまら(とても)賑わいますが、それ以外の季節は静謐で、文学の世界に浸るのにぴったり。三浦綾子ファンの聖地巡礼ならここがメインステージです。
三笠エリア──遊びと祭りの中心地
三笠山自然公園、こどもの国、ふれあいのもり、東山スキー場が集まる、町の「遊ぶ場所」が凝縮されたエリア。春の夜桜、夏のどんとこい祭り、冬のスキーまで、年間を通じて何かしらのイベントや遊びがあります。家族連れで訪れるなら、まずこのエリアを目指すのがおすすめです。
南丘エリア──静かな森と湖の世界
市街地から車で約10分の山あいに広がる南丘森林公園を中心としたエリア。貯水池と森林の自然公園で、カヌー・釣り・キャンプ・森林浴と、町の喧騒から離れて自然に浸れる場所です。夜は街灯がほとんどなく、満天の星空を見上げられるなまら(とても)贅沢な空間。星好きやキャンパーには見逃せないエリアです。
福原エリア──日本有数の寒さの聖地
1978年2月17日に-41.2℃を観測した「日本一寒い地域」のひとつとして知られる、町の南西部の山間エリア。観光施設はありませんが、冬の朝の冷気は別格で、空気そのものが刺すような感覚を味わえます。寒さマニアや、町のエクストリームな顔を見たい旅人にとっては、外せない場所です。
和寒町の気候・季節の暮らし

和寒町は湿潤大陸性気候・亜寒帯湿潤気候(Dfb)に属し、特別豪雪地帯に指定されています。年平均気温は6.4℃、年平均降水量は1,115.0mm、年平均降雪量は745cm。平年値で冬日が163.7日、真冬日が83.0日と、1年の半分近くが0℃以下という、北海道内でも厳しい部類に入る気候です。夏と冬の温度差は実に60℃を超え、四季の振れ幅がとても大きいのが特徴ですよ。
夏──6月〜8月の暮らし
夏は意外と暑く、平年値で夏日58.1日、真夏日9.7日、猛暑日0.1日。最高気温の極値は36.8℃(2021年8月7日)で、日中30℃を超える日もあります。ただし熱帯夜の観測はゼロで、夜は涼しく窓を開ければ寝苦しさは感じません。短い夏を惜しむように、カヌー・キャンプ・パークゴルフを楽しむ町民の姿が南丘森林公園や三笠山自然公園で見られます。
秋──9月〜10月の暮らし
秋は9月後半から急速に冷え込み、10月には朝晩の最低気温が一桁台になります。10月下旬には初雪が観測されることもあり、町内ではカボチャや越冬キャベツの収穫が最盛期を迎えます。紅葉は10月上旬〜中旬がピーク。空気が澄み、塩狩峠や三笠山自然公園の山々が黄色や赤に染まる季節です。
冬──11月〜3月の暮らし
11月から3月にかけてが本格的な冬で、12月から3月は日平均気温が氷点下になります。2020年2月9日に-34.5℃、12月31日に-30.7℃を観測するなど、近年でも-30℃を下回ることが珍しくありません。福原地区では1978年2月17日に-41.2℃を記録した観測点もあり、町全体が日本有数の極寒地帯です。
朝起きてカーテンを開けると、窓ガラスに氷の結晶がびっしり。外に出れば吸う空気そのものが鼻の奥にツンと刺さって、しばれる(厳しく冷え込む)日は呼吸するだけで「あ、今日は本気のやつだ」とわかるんですよね。車のエンジンスターターは必須装備で、暖房は石油・薪・ペレットを併用する家庭が多いです。年間降雪量745cmは札幌(約480cm前後)の約1.5倍に相当する積雪量です。
春──4月〜5月の暮らし
春の到来は遅く、4月でも最低気温が氷点下に下がる日があります。雪解けが本格化するのは4月中旬以降。5月中旬に塩狩峠の一目千本桜が咲き、長い冬の終わりを告げる風物詩となっています。雪解け水を含んだ畑からは、かぼちゃやキャベツの作付け準備が一斉に始まる、町が一年で最も活気づく季節です。
和寒町の移住・暮らし情報

和寒町は人口2,715人の小さな町ですが、町としての機能はコンパクトにまとまっています。役場、診療所、保育所、小中学校、スーパー、JR駅、高速道路ICまで、生活に必要なものは市街地に集約。旭川市まで車で約40分という距離感も、暮らしやすさのポイントです。冬の寒さは厳しいですが、その分町の人の絆はなまら(とても)温かいと言われていますよ。
通勤・通学
町内勤務のほか、旭川市や士別市への通勤も一般的です。旭川駅まではJR宗谷本線の特急で約30分、普通列車で約50〜60分、車では和寒IC〜旭川北ICまで道央自動車道経由で約40分。士別市までは車で約20分の距離です。高校は町内に高校がないため、士別市・名寄市・旭川市の高校へJR通学するパターンが多いと考えられます。
住宅環境
町営の公営住宅・特定公共賃貸住宅・単身者向賃貸住宅・地域住宅の4種類が運営されており、建設課管理係(電話32-2424)で随時申込みを受け付けています。民間の賃貸物件は少ないため、移住希望者は「和寒町空き家・空き地バンク」の利用が現実的。空き家のリフォームには「空き家バンクリフォーム補助」(上限20万円)の制度もあります。
買い物環境
市街地には町内のスーパー、商店、ホームセンター、ドラッグストアが揃っています。本格的なショッピングモールや家電量販店は旭川市に出る必要があり、月に1〜2回まとめ買いで旭川へ行くスタイルが現実的です。野菜は地元産が圧倒的に新鮮で安いため、町内で完結する家庭も多いと考えられます。
子育て・教育
町内には和寒町保育所、和寒小学校、和寒中学校が1校ずつ。少人数できめ細やかな教育が受けられる環境です。子育て支援は手厚く、子育て特別支援給付金(町単独事業)、各種医療費助成、子育て支援センター、一時保育(事前申込)など、町ぐるみで子育てを支える体制が整っています。
医療環境
町内には国民健康保険和寒町立診療所があり、内科を中心とした日常医療をカバーしています。救急や専門医療は旭川市・士別市の総合病院へ。町では救急外来受診時のハイヤー代助成や、24時間電話健康相談「わっさむ健康あんしんダイヤル24」を提供しており、いざというときの不安をやわらげる仕組みがあります。
エリア別の暮らし視点
市街地(和寒駅周辺)は買い物・通勤・医療がすべて徒歩圏で完結する、暮らしの中心エリアです。JRと和寒ICが近く、町外通勤者にも便利ですよ。塩狩エリアは静かな環境で、文学好きや田舎暮らし志向の人に向いています。三笠・南丘エリアは自然に囲まれた住宅地で、子育てやアウトドア好きにぴったり。福原エリアは町内最寒地帯で、覚悟があるなら極寒生活を満喫できる玄人向けの選択肢です。
東京圏からの移住には「和寒町移住支援金」(最大100万円)があり、奨学金返還支援補助金など若者向けの制度も整備されています。
和寒町へのアクセス

和寒町へのアクセスは、車・JR・高速バスの3パターン。最寄り空港は旭川空港で、レンタカー利用で約1時間。札幌からは道央自動車道で約2時間半、旭川市からは道道や国道40号で約40分です。JR宗谷本線が町内を通っており、和寒駅・塩狩駅の2駅があります。
車でのアクセス
札幌市内 →(道央自動車道)→ 和寒IC:約2時間20〜30分(約170km)
旭川市内 →(道央自動車道)→ 和寒IC:約30〜40分
旭川空港 →(道道・国道40号経由)→ 和寒町中心部:約1時間
新千歳空港 →(道央自動車道)→ 和寒IC:約2時間40分
道央自動車道の和寒ICは町中心部から数分の場所にあり、車でのアクセスがもっともスムーズです。冬期は積雪のため所要時間に余裕を持つことをおすすめします。
鉄道でのアクセス
札幌駅 →(特急ライラック・カムイ)→ 旭川駅 →(特急宗谷・サロベツ)→ 和寒駅:合計約2時間〜2時間30分
旭川駅 →(JR宗谷本線・特急)→ 和寒駅:約30分
旭川駅 →(JR宗谷本線・普通列車)→ 和寒駅:約50〜60分
JR北海道の特急「宗谷」「サロベツ」が和寒駅に停車する便があり、旭川経由でアクセスできます。普通列車は本数が限られるため、事前に時刻を確認するのが安全です。
高速バスでのアクセス
高速なよろ号(北海道中央バス・道北バス・JR北海道バス共同運行)は札幌駅前〜名寄駅前を結ぶ路線で、途中の和寒バスストップに停車します。札幌からの所要時間は約3時間。札幌〜旭川間の高速あさひかわ号は片道2,300円・所要約2時間で、旭川で乗り換える方法もあります。
飛行機でのアクセス
東京・大阪などからは旭川空港が最寄りで、空港から和寒町まではレンタカーで約1時間。新千歳空港から入る場合は、JRまたはレンタカーで札幌経由のアクセスになります。冬期は降雪による遅延を見越して、行程に余裕を持たせるのが現実的です。
町内移動の現実的アドバイス
町内のスポットは点在しており、観光・暮らしともに車があると圧倒的に便利です。JR和寒駅と塩狩駅の間も列車本数が限られるため、塩狩峠記念館・南丘森林公園・三笠山自然公園を効率よく回るならレンタカー利用がおすすめ。冬期はスタッドレスタイヤと運転に慣れた人の同行があると安心ですよ。
【地元住民に直撃!】和寒町の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。
うちはかぼちゃ農家やってます。和寒町は作付面積が日本一って言われてるくらいの産地でね、私もずっとかぼちゃ一筋。
うちのは「えびす」「みやこ」「雪化粧」って品種を植えてて、収穫したあとは倉庫で低温貯蔵してから冬至前後に出荷するの。同じ畑で越冬キャベツもちょこっと作ってますよ。
Q2.和寒町に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?
やっぱり塩狩峠かなぁ。三浦綾子さんの『塩狩峠』の舞台でね、5月中旬には一目千本桜が峠いっぱいにエゾヤマザクラを咲かせるの。これは和寒町の観光のいちばんの顔ですよ。
あとはね、地元の人がよく行くのが南丘森林公園。観光地っていうより、町の水源にもなってる貯水池が静かでね、夜は星が降ってくるみたいなの。湖を一周する歩道を歩くと、風と鳥の声しか聞こえないんですよ。
Q3.和寒町でお土産を買うとしたらなんですか?
定番はやっぱり和寒の越冬キャベツ。雪の下で甘くなるから生でかじれるくらい甘いのよ。あとカボチャのお菓子も種類いっぱいあるからおすすめ。
地元の人しか知らんやつだと「ペポナッツ」っていうかぼちゃの種を食用にしたやつね。香ばしくて止まらなくなるの。あれはほんとに和寒の有名なものですよ。
Q4.外から人が来たときに和寒町でまず連れていく店はどこですか?
和寒駅前に「まる藤」っていう食堂があってね、カツ丼が看板。お母さん一人で切り盛りしてて、家庭の味そのもの。よそから来たお客さんにはまずここに連れてくの。
冬なら越冬キャベツの味噌ホルモン鍋を出してくれるお店もあって、町の味をひと皿で感じてもらえるのよね。
Q5.和寒町はどんな気質だと思いますか?
派手なことはあんまり好きじゃないけど、芯はしっかりしてる町だと思うわぁ。冬は40度近くまでしばれる(厳しく冷え込む)から、自然と助け合う気質が残ってるの。
玉入れ「アジャタ」を世界に広めちゃうような、面白いこと真面目にやる空気もあるしね。町民センターで集まると、みんな本気で議論するわよ。
Q6.昔に比べて、和寒町の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?
正直、人口は減ってるのよ。私が若い頃は4,000人くらいいたけど、今は2,700人ちょっと。商店街も寂しくなったし、農家の担い手不足は深刻な話。
でもね、ふるさと納税で町長さんを中心にカボチャと越冬キャベツのブランド化が進んで、町外のファンは確実に増えてるの。運動公園や町民センターも整備されて、住む環境としては昔より便利になってますよ。
Q7.和寒町でこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?
2023年に「わっさむ塩狩峠公園」が新しくできてね、三浦綾子文学碑もあって、若い文学ファンが訪れてくれるようになったの。これからもっと育ってほしい場所。
あとは「わっさむ冬の大収穫祭」が2025年から始まって、これも町の新しい顔になるんじゃないかと期待してます。和寒のおすすめスポットがまた一つ増えるってことだもの。

