【北海道剣淵町】ってどんなとこ?絵本の里と最後の屯田兵村

北海道剣淵町の桜岡湖:夏はカヌー、冬はワカサギ釣りが楽しめ、周囲に温泉やキャンプ場がある自然豊かな人造湖です。

剣淵町(けんぶちちょう)は、北海道上川地方北部・名寄盆地の南端に位置する人口2,664人の小さな農村の町です。旭川から車で約1時間、最寄り空港は旭川空港。

剣淵町の魅力を5つに凝縮すると、こうなります:

  • 絵本の里──蔵書約3万冊を誇る専門図書館「剣淵町絵本の館」が町の中心
  • けんぶち絵本の里大賞──1991年から続く、来館者投票で決まる全国的な絵本の賞
  • 北海道最後の屯田兵村──1899年(明治32年)に道内37番目・最終の屯田兵入植地となった町
  • マツダ剣淵試験場──1985年から40年続く、マツダの雪上走行試験拠点
  • ✅ 屯田三色めん・剣淵そば・玄米そばなど、純農村ならではの加工品が充実

「絵本やアートに興味がある人」「北海道開拓史を巡りたい人」「のどかな農村でゆったり過ごしたい人」におすすめの町。本記事では、観光・特産・歴史から、文化や暮らしの空気感、そして移住・アクセス情報まで地元目線で紹介します。

人口2,664 人 ※2026年4月30日時点(住民基本台帳)
面積130.99 km²
人口密度20.3 人/km²

地理的には、南を和寒町、その他の三方(東・西・北)を士別市に囲まれています。名寄盆地に属し、町の中央を天塩川の支流・剣淵川が流れ、その流域には農業に適した平地が広がります。東西は丘陵地帯です。

アクセスは、旭川空港から車で約1時間、JR宗谷本線の剣淵駅も町の中心にあります。鉄道・国道40号・道央自動車道(士別剣淵IC)と、道北の主要ルートが揃っているのが地味に便利。

絵本・農業・開拓史・雪──小さな町に複数の顔が同居しています。ひとつずつ見ていきましょう。

目次

剣淵町の推しポイント

剣淵町の顔は、なんといっても「絵本の里」というまちづくり。1989年に始まった国際絵本原画展からスタートし、1991年に「剣淵町絵本の館」が開館。以降、町ぐるみで絵本文化を育ててきました。さらに、北海道開拓の最後を飾った屯田兵村としての歴史、マツダが40年通い続ける雪上試験場、そして純農村ならではの食文化と、人口2,664人の町とは思えない密度で見どころが詰まっています。

剣淵町絵本の館──卵型の建物に並ぶ約3万冊の絵本

剣淵町絵本の館は、1991年に開館した絵本専門図書館。蔵書は雑誌を含め約3万冊で、原画も800点以上を所蔵しています。卵型の外観と、木の玉で遊べる「木の砂場」が名物で、子ども連れにも大人の旅行者にも人気のスポット。

けんぶち絵本の里大賞──来館者の投票で決まる絵本の賞

1991年度から始まった、剣淵町ならではの絵本コンテストです。毎年300冊前後の絵本が応募され、絵本の館に並んだ作品の中から、来館者が「好きな絵本」に投票して大賞を決めます。専門家ではなく「読み手」が選ぶ仕組みが、長く愛されている理由なんですよね。

道の駅 絵本の里けんぶち──町の入口で絵本と農産物が出迎える

2006年9月に開業した道の駅。絵本コーナーやドッグランがあり、レストランでは特製の「焼きカレー」やボリューム満点の「ムーニャ弁当」などが味わえます。直売所では、季節ごとに地元農家が並べる新鮮野菜が並びます。

マツダ剣淵試験場──冬の町道がテストコースに変わる

マツダが1985年から冬期限定で開設している、雪上走行試験の拠点。AWDやABS、寒冷地始動性などをここで鍛えています。試験場の大部分は、夏は町道として地元の人が使う「生きた道」を冬の間だけマツダが借り受けるという、剣淵町ならではの仕組みです。

北剣淵駅と消えた秘境駅の記憶

JR宗谷本線の北剣淵駅は、鉄道林に囲まれた木造の待合室で知られた撮影スポット。隣の東六線駅とともに2021年3月のダイヤ改正で廃止されましたが、ロックバンドのMVロケ地として今も語り継がれています。

剣淵町の歴史

剣淵という地名は、アイヌ語の「ケネ(ペッ)プチ」(ハンノキ・川・川口)に由来すると考えられています。明治期に屯田兵が入植して開拓が進み、戦後は農業の町として歩み、平成に入って「絵本の里」というまちづくりに踏み出しました。短い近代史の中に、北海道らしい節目がぎゅっと詰まっています。

近代の開拓──北海道最後の屯田兵村として

1897年(明治30年)、天塩国上川郡に剣淵村が設置されました。1899年(明治32年)には、北剣淵兵村と南剣淵兵村に屯田兵が入植。これは1875年の琴似屯田から続いた北海道屯田兵制度の、37番目・最後の入植地となりました。剣淵と士別の入植をもって屯田兵村の歴史は幕を閉じ、1904年に制度そのものが廃止されています。「最後の屯田兵村」という記憶は、今も町のアイデンティティの一部です。

村から町へ──1962年の町制施行

1906年(明治39年)に北海道二級町村制が施行されて剣淵村が正式に発足、1915年には和寒村(現・和寒町)が、1927年には温根別村が分村しました。その後、農業を基盤に発展を続け、1962年(昭和37年)1月1日に町制施行、現在の剣淵町となりました。

現代──「絵本の里」というまちづくり

1988年、町の若者たちが「けんぶち絵本の里を創ろう会」を結成。1989年8月には世界各国の絵本原画を集めた国際絵本原画展を開催し、1991年8月には旧町役場庁舎を改修して「剣淵町絵本の館」がオープンしました。同年から始まった「けんぶち絵本の里大賞」は現在も続いており、絵本を通じたまちづくりは町外にも広く知られるようになっています。

剣淵町の文化・風習

方言と話し方の特徴

剣淵町で話されているのは、いわゆる北海道弁。屯田兵として全国各地から人が集まって作られた町なので、方言というよりは「北海道共通語」に近い柔らかい話し方です。それでも、地元の人と話しているとなまら(とても・すごく)という言葉は今でもよく耳にしますし、会話の終わりに「〜っしょ?」と同意を求める言い回しもよく出てきます。

食卓と季節の暮らし

剣淵の暮らしは農業のリズムと一緒に動いています。春はアスパラ、夏はトマトやスイートコーン、秋は新米とじゃがいも、冬は「雪の下キャベツ」。道の駅の直売所には、その季節に採れたものが朝イチで並ぶので、町の人の食卓も自然とそうなります。したっけ(それじゃあ)今日はトマトたっぷりの味噌汁にしよう──そんなふうに、その日の野菜で献立を決めるのが普通の暮らしなんですよね。

絵本が日常にある町

「絵本の里」を掲げているだけあって、絵本の館は単なる図書館ではなく、子育て世帯や町外からの観光客が集う交流拠点になっています。木の玉約10万個が入った「木の砂場」では、大人も子どもも一緒になって遊んでいて、町の人たちにとっては「日常の風景」。絵本まつりの時期には、受賞作家のサイン会やワークショップが開かれ、町中が絵本一色になります。

人の気質と雪との付き合い方

町の人は、屯田兵の系譜と農村の暮らしを受け継いだ、実直で穏やかな気質。マツダの試験場の話に象徴されるように、「町道を冬の間だけ貸す」という柔軟さもあって、外から来る人に対しても懐が広いんですよ。冬は最低気温が氷点下20℃を下回ることもある豪雪地帯ですが、雪は厄介者であると同時に、マツダや他社の試験場を支える「町の財産」でもあります。

剣淵町の特産品・食

屯田三色めん──町の歴史を一皿に

剣淵産のグリーンアスパラ・カボチャ・ジャガイモを練り込んだ三色の麺で、町を代表するご当地麺。緑・黄・白の彩りで見た目から楽しく、麺そのものに野菜の風味があるので、つけだれは素朴なめんつゆで十分。屯田兵村として開拓された町の歴史をネーミングに重ねている一品です。お土産用にも常温保存できるパッケージが用意されています。

剣淵そば・玄米そば──希少品種「キタノマシュウ」も

剣淵では「キタノマシュウ」など希少品種のそばが作られていて、道内主力品種の「キタワセ」と比べて甘みが強く、食味がいいのが特徴です。乾麺の「玄米そば」は、剣淵産玄米を粉末にして練り込んだ独自の麺で、ビタミンや食物繊維が豊富。温でも冷でもなまら(すごく)うまいんですわ。お湯を沸かして茹でて、ざるそばにして食べれば、そばの香りと玄米の香ばしさが両方楽しめます。

剣淵産野菜と直売所文化

町の主要産業は農業で、畑作・野菜・酪農・畜産がさかん。道の駅「絵本の里けんぶち」の直売所には、夏はトマト・きゅうり・スイートコーン、秋は多品種のじゃがいも・かぼちゃ・新米、冬は雪の下キャベツが並びます。特に「雪の下キャベツ」は、雪に埋もれて越冬することで甘みが増した冬限定の逸品。鍋にしても、ざく切りでサラダにしても、ふつうのキャベツとは全然違う甘さなんですよね。

剣淵オリジナル野菜ジュース・スードレ

町の有機・低農薬栽培の野菜を原料にした手作りジュースや、ドレッシング「スードレ」も剣淵ならでは。農家のお母さんが手ごねで作る味噌など、小さな町だからこそ可能な「顔の見える加工品」が揃っているのが魅力。お土産選びに迷ったら、道の駅で試してみてください。

道の駅レストランの焼きカレーとムーニャ弁当

道の駅「絵本の里けんぶち」のレストランでは、当駅シェフ手作りの「焼きカレー」と、ボリューム満点の「ムーニャ弁当」が看板メニュー。道産食材を使ったスイーツやケーキセットも揃っていて、ドライブの途中に立ち寄って一息つくのにちょうどいい場所です。したっけ(それじゃあ)、剣淵に来たらまずここで腹ごしらえ、というのが地元流の楽しみ方。

剣淵町の観光スポット

剣淵町の観光は、「絵本」「アルパカ」「桜岡湖」の3本柱で動きます。町の中心には絵本の館と道の駅、東のはずれには桜岡湖畔のリゾートエリア、丘の上にはアルパカ牧場。半日もあれば一通り回れる範囲に、性格の違うスポットがコンパクトに集まっているのが魅力なんですよね。

絵本の世界に浸るスポット

  • 剣淵町絵本の館 – 卵型のかわいい外観で、雑誌を含め約3万冊の絵本と800点以上の原画を所蔵する絵本専門図書館。木の玉が約10万個入った「木の砂場」は大人も子どもも一緒に入れる広さで、入ったとたんに木の香りに包まれます。雨の日でも、雪の日でも、まる1日いられる場所として地元の親子に愛されている空間。
  • 道の駅 絵本の里けんぶち – 国道40号沿い、町の玄関口にある道の駅。館内の絵本コーナーやボールプール、屋外のドッグランは子連れやドライバーに人気で、ドライブ途中の休憩スポットとしても優秀。レストランの「焼きカレー」や「ムーニャ弁当」は、ここまで来た甲斐がある美味しさですよ。

桜岡湖畔の自然・温泉スポット

  • 桜岡湖 – 桜岡公園の中心にある灌漑用のため池で、夏は新緑とカヌー、秋は紅葉、冬はワカサギ釣りと、四季それぞれに違う顔を見せてくれる湖。湖畔の遊歩道は散歩にちょうどよく、朝霧が立つ時間帯はなまら(とても)幻想的なんですよ。
  • 剣淵温泉 レークサイド桜岡 – 桜岡湖を一望する天然温泉の一軒宿で、日帰り入浴は大人600円・小人300円。フィンランド・メトス社製のサウナを備え、大浴場の窓越しには日本庭園が広がります。営業時間は10:00〜21:00(最終受付20:00)。JR剣淵駅から送迎バスもあり、車がない人でも立ち寄れます。
  • 桜岡公園 – 桜岡湖と西側の緑地が一体になった多目的公園で、絵本の里家族旅行村キャンプ場が併設されています。湖畔の散歩、釣り、キャンプと、何かしら遊べる場所。夏のキャンプは、夜になると湖面に星が映って、テントの中まで虫の声が聞こえてくるような静けさ。

アルパカと屯田の物語に触れるスポット

  • ビバアルパカ牧場 – 旧ビバカラススキー場の跡地を活用した、12頭のアルパカが暮らす牧場(住所:剣淵町東町3733番地)。入場料は大人700円・小学生300円、営業時間は10:00〜16:00で年中無休。アルパカは寒さに強く、剣淵の雪が大好物。一番モフモフになる冬に会いに行くのがいいんですわ。山頂までのバギードライブや冬のエアボード体験もあります。
  • マツダ剣淵試験場(周辺) – 一般公開はされていない試験場ですが、夏は町道として地元の人が使う「生きた道」が、冬の数ヶ月だけマツダのテストコースに変わるという、剣淵町ならではの光景があります。1985年から続く40年来のパートナーシップは、町の歴史の一部です。
  • 北剣淵駅跡 – 2021年3月のダイヤ改正で廃止された、鉄道林に囲まれた木造の待合室が残る秘境駅跡。ロックバンドamazarashiのMVロケ地としても知られ、写真好きには見逃せないフォトスポット。静まり返った林の中に佇む待合室は、絵本の世界そのものといった雰囲気です。

剣淵町の観光ルート

計算中…

剣淵町は、車があれば半日で町内の主要スポットを回れる、ちょうどいいサイズの町。旭川を起点にすれば、近隣の士別市・和寒町・幌加内町と組み合わせた1日ドライブも組みやすいんですよ。ここでは町内完結ルートと広域ルートを紹介します。

【車・半日】絵本と温泉のんびりルート

時系列:10:00 道の駅絵本の里けんぶち → 10:40 剣淵町絵本の館(車5分) → 12:30 道の駅レストランで昼食(車5分) → 13:30 桜岡公園・桜岡湖(車10分) → 14:30 剣淵温泉レークサイド桜岡(徒歩5分)

①道の駅 絵本の里けんぶち(30分)
→ 国道40号沿いの玄関口で、まずはここで町の空気をつかみます。絵本コーナーで気になる1冊を立ち読みしておくと、このあとの絵本の館がより楽しくなるんですよね。

②剣淵町絵本の館(90分)
→ 卵型の建物に約3万冊の絵本。木の砂場で童心に返り、原画展で大人の目線でも楽しむ。午前中の方が空いていて、本選びに集中できます。

③道の駅レストランで昼食(60分)
→ 看板メニューの焼きカレーで腹ごしらえ。なまら(とても)ボリュームがあるので、午後の散策に備えてしっかり食べておきましょう。

④桜岡公園・桜岡湖(60分)
→ 湖畔をぐるりと散歩。夏は新緑、秋は紅葉が水面に映って、写真を撮る手が止まらなくなります。

⑤剣淵温泉レークサイド桜岡(90分)
→ 600円で日帰り入浴。大浴場の窓越しに日本庭園を眺めながら、半日歩いた疲れを湯船にとかします。サウナ後の外気浴は冬がベスト。

【車・1日】絵本もアルパカも欲張りルート

時系列:9:00 道の駅絵本の里けんぶち → 9:30 剣淵町絵本の館(車5分) → 11:30 ビバアルパカ牧場(車10分) → 13:00 道の駅で昼食(車10分) → 14:30 桜岡湖周辺散策(車10分) → 16:00 北剣淵駅跡(車15分) → 17:00 レークサイド桜岡で入浴・夕食

①絵本の館(120分)
→ 朝イチで入って、ゆったり絵本を選びます。気になる作家がいたら原画展も覗いてみてください。

②ビバアルパカ牧場(90分)
→ 餌やり体験&12頭のアルパカと記念写真。冬はモフモフ感が頂点に達するので、写真映え重視なら12〜2月がおすすめ。したっけ(それでは)山頂までのバギードライブも体験してみるとよろしいですね。

③道の駅レストラン(60分)
→ ムーニャ弁当やケーキセットで一息。直売所で町土産も物色しておきます。

④桜岡湖散策(60分)
→ 食後の散歩には最適な距離感。湖畔の遊歩道はアップダウンが少なく、家族連れでも歩きやすいんです。

⑤北剣淵駅跡(30分)
→ 鉄道林に囲まれた木造待合室は、夕方の光が差し込む時間帯が一番絵になります。

⑥レークサイド桜岡で入浴・夕食
→ 1日の締めくくりに温泉と北海道の旬料理。宿泊すれば翌朝の桜岡湖の朝霧まで楽しめます。

【車・1日】広域ルート:道北1市3町めぐり

時系列:9:00 旭川駅 → 10:00 剣淵町・絵本の館(車60分) → 12:00 和寒町・かぼちゃランチ(車20分) → 14:00 幌加内町・そばと朱鞠内湖(車60分) → 16:30 士別市・サフォーク羊牧場(車50分) → 18:00 旭川駅へ戻る(車60分)

①剣淵町・絵本の館(90分)
→ 1日ルートの最初は、絵本の世界で頭をリセット。木の砂場の感触が、このあとの旅の伏線になります。

②和寒町・かぼちゃランチ(90分)
→ 隣町・和寒は作付面積日本一の「かぼちゃのまち」。ペポカボチャの種「ペポナッツ」もここで買えます。

③幌加内町・そばと朱鞠内湖(150分)
→ そば作付面積日本一の幌加内町で、本場のそばを一杯。朱鞠内湖は東京ディズニーリゾート30個分の広さと言われる神秘の湖です。

④士別市・サフォーク羊牧場(60分)
→ 黒い顔がチャーミングなサフォーク種の羊に会える「羊のまち」。ジンギスカンを食べて帰るのが定番。

⑤旭川駅へ戻る
→ 1日で4つの町の「日本一」「全国でも珍しい」を巡る、道北らしい欲張りドライブの完成です。

剣淵町の年間イベント

剣淵町のイベントカレンダーは、2月の絵本まつり&雪まつり、6月のグルメサイクリング、8月の湖水まつりが軸。絵本の里らしいイベントと、冬の雪を活かしたイベントが交互にやってくる、メリハリのある1年なんですよね。

冬:絵本まつり・ビバカップ・あかりdeNight

2月から3月にかけて開かれる「絵本まつり」は、町の絵本文化を象徴するイベント。前年度の「けんぶち絵本の里大賞」の授賞式に合わせて、受賞作家のサイン会、おはなし会、ホールAとホールBでの受賞絵本原画展が行われ、絵本の館は静かな熱気に包まれます。

同じく2月にビバアルパカ牧場で開かれるのが「ビバカップ エアボード大会」。スイス発祥のウインタースポーツで、うつ伏せでボードに乗ってゲレンデを滑り降りる新感覚の雪遊び。大人も子どもも入賞を狙えるカジュアルさが人気の理由です。

そしてバレンタイン期の2月14日前後に開催される「あかりdeNight」も外せません。雪の斜面に牛乳パックで作ったシェードとキャンドルを並べ、巨大なハートを灯す一夜限りの幻想イベントで、町の人が手作りで支えている温かさを感じる夜なんですよ。

春〜初夏:絵本の里けんぶち ぐるっとライド

6月下旬、新緑から深緑へと景色が変わる時期に開催されるのが「絵本の里けんぶち ぐるっとライド」。タイムを競わず、グルメと景色を楽しむサイクリングイベントで、剣淵町を起点に士別市・和寒町・幌加内町をぐるっと周回します。

ロング100km・ミドル60km・ショート40kmの3コースがあり、エイドステーションでは1市3町の特産グルメが楽しめます。ゴール後にはレークサイド桜岡の入浴券がもらえる流れも嬉しいところ。したっけ(それじゃあ)、夏の朝の田園風景を風になって駆け抜ける1日、最高ですよね。

夏:絵本の里けんぶち桜岡湖水まつり

例年8月の第1日曜日に桜岡湖畔で開催される、剣淵町を代表する夏祭り。朝10時から夜20時まで、歌謡ステージ・キャラクターショー・剣淵屯田太鼓(地元の太鼓団体)の演奏・チアリーディング・よさこいソーランと、ステージは1日中賑わいます。

会場周辺には町内団体のグルメテントが並び、地元の味を食べ歩けるのもこのイベントの楽しみ。フィナーレは20時から始まる花火大会で、桜岡湖の堤防の上から打ち上げられるため、花火が上がる瞬間の音と光をすぐ近くで感じられます。打上数は約1000発、見物人は約2500人と、混雑しすぎず、のんびり鑑賞できるのが地元らしさ。

秋〜冬の暮らしと農のリズム

9月以降は収穫期に入り、道の駅の直売所には新米・じゃがいも・かぼちゃがどんと並びます。大きなイベントは少ない時期ですが、絵本の館では絵本関連のワークショップが断続的に開かれ、町の文化的な日常はずっと動き続けています。冬になればまた、絵本まつりと雪のイベントの季節がやってきます。

剣淵町のエリア別の顔

剣淵町は人口2,664人の小さな町ですが、エリアごとに役割がはっきり分かれているのが面白いところ。中央部の市街地、東側の桜岡湖リゾート、丘の上のアルパカ牧場エリア、そして広大な農地と林道。短い移動距離の中に複数の表情があるので、エリアを意識して回るとぐっと町が立体的に見えてきますよ。

中心市街地エリア──絵本と暮らしの心臓部

町役場・剣淵町絵本の館・JR剣淵駅・郵便局・小中学校が集まる、町の心臓部。仲町・東町・緑町あたりが中心で、徒歩でほぼ1日歩ける範囲に絵本と暮らしの拠点が凝縮されています。観光なら絵本の館とその周辺の散策が中心になります。歩いていると地元の人が「こんにちは」と声をかけてくれる、小さな町ならではの距離感。

道の駅・国道40号沿いエリア──町の玄関口

国道40号沿いの「道の駅 絵本の里けんぶち」を中心とする、町への入口エリア。直売所・レストラン・絵本コーナー・ドッグランがコンパクトにまとまっていて、ドライブ旅行者にとっては「ここで町の全体像が掴める」便利な場所。札幌からの高速バス「高速なよろ号」も道の駅けんぶちに停車するので、車がない旅行者の起点にもなります。

桜岡湖エリア──自然と温泉のリゾート

町の東側、桜岡湖を中心に温泉宿・キャンプ場・湖畔遊歩道が広がるリゾートエリア。レークサイド桜岡を拠点に、夏はカヌーやキャンプ、冬はワカサギ釣りと、湖でできる遊びがほぼ揃います。観光で1泊するならここを選ぶ人が多いです。湖畔の朝はとても静かで、空気が澄んでいて、なまら(とても)気持ちいいんですよね。

ビバアルパカ牧場エリア──丘の上の癒し空間

町の東町、旧スキー場跡地の丘の上にあるアルパカ牧場エリア。山頂までドライブできる斜面と、アルパカと触れ合えるロッジが中心。家族連れ・カップル・写真好きにとっては、ここだけで半日過ごせるエリアです。夏は山頂からの眺め、冬は樹氷とエアボードと、季節ごとに違う遊び方ができます。

農地・里山エリア──マツダの「生きた道」

町の大部分を占めるのが、稲作・畑作・酪農の広がる農地と、丘陵地帯の里山。マツダの剣淵試験場がある林道もこのエリアにあり、夏は地元の人の生活道路、冬はテストコースに変わります。観光向けの施設こそ少ないものの、車で走り抜けるだけで「絵本のような農村風景」が広がる、ある意味で町を一番象徴するエリア。ぐるっとライドのコースもここを通ります。

剣淵町の気候・季節の暮らし

剣淵町は名寄盆地の南端に位置する内陸性気候の町。夏は比較的高温多照ですが夜は涼しく、冬は雪が多く厳しい寒さが続きます。豪雪と低温は、マツダなどの試験場が集まる理由でもあるという、ちょっと特殊な土地柄。気温の振れ幅が大きい分、四季の境目がはっきりしていて、移ろいを暮らしの中で感じやすい町なんですよね。

夏──6月〜8月の暮らし

夏は内陸性気候ならではの「日中は暑く、夜は涼しい」気候。日中に30℃近くまで上がる日もありますが、湿度は本州ほど高くなく、日陰や夜風で十分しのげます。朝晩は窓を開けるとひんやりした空気が流れ込んできて、冷房なしでも眠れる日が多いのが内陸の強み。

桜岡湖でのカヌーやキャンプ、ぐるっとライドのサイクリングなど、外で動くイベントが集中するのもこの季節。農作業のピークと観光のピークが重なって、町全体が活気づきます。

秋──9月〜10月の暮らし

秋は新米・じゃがいも・かぼちゃ・新そばと、剣淵の食卓がもっとも豊かになる季節。気温は朝晩で大きく下がり、9月の終わりには10℃を切る日が出てきます。桜岡湖周辺の紅葉は10月上旬から中旬にかけてが見頃で、湖面に色づいた木々が映る景色は、写真好きにはたまらないんですよ。

10月後半になると初雪の便りが届き、家々はストーブやタイヤ交換の準備に動き出します。秋というより、もう冬支度の季節という感覚に近いです。

冬──11月〜3月の暮らし

冬は道北らしい厳しい寒さと雪の季節。最低気温は氷点下20℃を下回る日もあり、マツダの試験場が「マイナス25℃の試験場」と表現するほど。参考までに、隣の旭川の1月の平年気温は-5.8℃(気象庁1991-2020年平年値)で、剣淵もこれに近いか、やや低い程度と考えられます。

朝起きると窓が結露で凍り、外に出ると鼻の奥がツンとする。しばれる(厳しく冷え込む)日には、車のフロントガラスをスクレイパーで削るところから1日が始まります。

暮らしの面では、住宅は二重窓・高断熱が標準で、室内はTシャツでも過ごせるくらい暖かいのが北海道流。ビバアルパカ牧場のエアボード、桜岡湖のワカサギ釣り、絵本まつり、あかりdeNightと、寒さを味方につけたイベントが続くのもこの時期です。

春──4月〜5月の暮らし

春は4月になっても雪が残り、本格的な雪解けは4月中旬から。桜は本州よりかなり遅く、ゴールデンウィーク前後にようやく咲き始めます。桜岡公園の桜は、湖と一緒に楽しめる剣淵ならではの花見スポット。

5月に入ると一気に景色が変わり、田んぼに水が入り、アスパラの収穫が始まります。「冬が長い分、春の喜びはひとしお」というのが、北海道全般、そして剣淵町でも変わらない感覚なんですよね。

剣淵町の移住・暮らし情報

剣淵町は人口2,664人、約131km²の小さな農村の町。生活インフラは中心部にコンパクトにまとまっており、買い物・通院・通学は徒歩か車で完結します。本格的な大型商業施設や専門医療は隣の士別市・名寄市・旭川市に頼る形なので、「車があれば不便なし」のスタイルが基本です。

通勤・通学

通勤先は町内の農業・JA北ひびき・役場・道の駅・絵本の館・町内事業所が中心。町外通勤の場合は、車で約20分の士別市、約40分の名寄市、約1時間の旭川市あたりが現実的な選択肢になります。JR宗谷本線で剣淵駅から士別・名寄方面、旭川方面への通勤も可能。

学校は剣淵町立剣淵小学校・剣淵町立剣淵中学校・道立剣淵高等学校が町内に揃っています。小中高が町内で完結するのは、人口2,664人の町としてはありがたい環境です。

住宅環境

住宅環境は、賃貸物件の流通量は多くありませんが、町営住宅・空き家バンク・新築用町有地分譲など、町が用意する住まいの選択肢が複数あります。家賃は、ホームズの剣淵駅エリアで5万円以下の物件が中心と考えられ、本州都市圏と比べてかなり手頃。

町は「剣淵町に住もう!」と題した町有地分譲を行っており、移住者向けに住宅取得や改修の補助制度も用意されています。詳しくは町公式サイトの移住情報を確認するのがおすすめ。

買い物環境

日常の買い物は町内の商店・JA系のスーパー・道の駅の直売所で揃います。直売所では、夏はトマトやスイートコーン、秋は多品種じゃがいもや新米、冬は雪の下キャベツと、季節ごとに地のものが並ぶのが大きな魅力。

大型ホームセンターや専門店は、車で20分の士別市まで出ればだいたい揃いますし、本格的な買い物は車で約1時間の旭川市まで足を伸ばすのが定番ルート。「日常は町内、休日は旭川」というリズムが基本になります。

子育て・教育

剣淵町は「絵本の里」というアイデンティティを子育て支援にも活かしているのが特徴。子どもが誕生した家庭には、道産材で作られた子ども用椅子「君の椅子」と絵本が贈呈され、絵本の館でのブックスタート事業も行われています。

剣淵町絵本の館は、雑誌を含め約3万冊の絵本と「木の砂場」を備えた、町ぐるみの子育て拠点。雨や雪の日でも子どもを連れて長時間過ごせる場所が町の中心にあるのは、子育て世帯にとってなまら(とても)心強いですよね。

医療環境

町内には診療所がありますが、入院や専門医療が必要な場合は、車で約20分の士別市の士別市立病院、約40分の名寄市の名寄市立総合病院、約1時間の旭川市内の総合病院に通うのが一般的なルートです。緊急時は救急搬送のネットワークが整っており、道北の医療連携の中で生活が成り立っている形。

エリア別の暮らし視点

住む視点で見ると、中心市街地(仲町・東町・緑町あたり)は役場・絵本の館・小中学校・スーパーが徒歩圏で、車を多用しない暮らしが可能。子育て世帯やリタイア層に向いています。

桜岡湖エリアは、自宅の窓から湖と森が見えるロケーションが魅力で、リモートワーク移住や別荘・二拠点生活と相性がいいエリア。日常の買い物は車前提になります。

農地・里山エリアは、就農や農業関連の仕事を目的とした移住向き。広い土地と静けさが手に入る代わりに、車は必須です。

剣淵町へのアクセス

剣淵町は旭川から国道40号を北へ約50km、車で約1時間の位置にあります。旭川空港・JR宗谷本線・道央自動車道(士別剣淵IC)・札幌からの高速バスと、道北の主要交通網がすべて使える便利な町。観光・移住どちらの場合も、複数のアクセス手段が選べます。

車でのアクセス

札幌から道央自動車道で士別剣淵ICまで約3時間、ICから町中心部までは約15分。旭川からは国道40号を北上して約1時間です。旭川空港からは車で約1時間半、新千歳空港からは約3時間半が目安。

冬期は降雪・凍結があるため、スタッドレスタイヤと余裕を持った時間設定が必須。逆に夏は道路も空いていて、ドライブとしては気持ちのいいルートです。

鉄道+バスでのアクセス

JR宗谷本線の剣淵駅が町の玄関口。札幌駅から特急ライラック・宗谷で旭川駅まで約1時間25分、旭川駅から普通列車で剣淵駅まで約1時間です(乗り換え1回)。

剣淵駅から町内主要施設(絵本の館・道の駅)へは徒歩10〜30分圏内。レークサイド桜岡へは剣淵駅から温泉送迎バスが出ています。

高速バスでのアクセス

札幌駅前ターミナルから「高速なよろ号」(北海道中央バス・道北バス共同運行)が運行しており、道の駅けんぶちバス停に停車します。札幌〜名寄間の所要時間は約4時間、運賃は通常1,070〜3,750円。乗り換えなしで道の駅まで着けるので、車を運転しない旅行者にはこのルートが現実的です。

飛行機でのアクセス

最寄り空港は旭川空港。東京(羽田)から旭川空港まで約1時間40分、旭川空港から剣淵町までは車で約1時間半。新千歳空港からは車で約3時間半、または特急+普通列車で約3時間半が目安です。

町内移動の現実的アドバイス

町内は徒歩圏に主要施設が集まる中心市街地と、車での移動が必要な桜岡湖エリア・アルパカ牧場エリアに分かれます。観光・移住どちらも、車(レンタカー含む)がある方が動きやすいのは間違いありません。

車がない場合は、剣淵駅・道の駅けんぶちを起点に、レークサイド桜岡の送迎バスやタクシーを組み合わせるのが現実的なルート。冬は徒歩移動の時間に余裕を持って動きましょう。

【地元住民に直撃!】剣淵町の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。

うちは親父の代から続く酪農家でね、剣淵で乳牛を飼ってもう30年以上になるかな。朝は4時起きで搾乳して、夕方もまた搾乳して、間に牧草の管理やら糞尿処理やら、まあやることは尽きないんだわ。

剣淵は内陸性気候で夏冬の寒暖差があるから、牧草の質もなまら(とても)いいんだよね。豪雪地帯ってのは大変だけど、その雪が牧草地を守ってくれてる面もある。マツダさんが冬に試験場開く理由と同じで、剣淵の自然そのものが俺たちの仕事道具なんだわ。

Q2.剣淵町に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?

まあ定番だけど、卵型のあの剣淵のおすすめスポット、絵本の館は外しちゃダメだね。3万冊の絵本と木の砂場があって、大人が入っても妙に落ち着くんだ。観光って言うより、町の空気を吸いに行く場所って感じかな。

あとは地元の人間がよく行くのは、桜岡湖の朝かな。霧が湖面から立ち上る時間に行ってみれば、なんでこの町に住んでるか分かると思うよ。あと町民センター周りも町の暮らしの空気が見える場所だし、観光案内所代わりに道の駅に寄ってから動くのがいいべな。

Q3.剣淵町でお土産を買うとしたらなんですか?

剣淵の有名なものっていうと、やっぱり屯田三色めんだな。アスパラ・かぼちゃ・じゃがいもの三色で、町の歴史も背負ってるから話のネタにもなる。あとは佐藤農園の玄米そばも乾麺で日持ちするしお土産向き。

地元の人間の本音を言うとさ、道の駅の直売所で農家のお母さん手作りの味噌とか、剣淵オリジナルの野菜ジュース「スードレ」みたいな小さい加工品が一番うまいんだわ。観光客はあんまり知らないけど、こっちが普段の食卓で使ってる本物だね。

Q4.外から人が来たときに、剣淵町でまず連れていく店はどこですか?

まず道の駅けんぶちのレストランに連れてくな。焼きカレーが看板でね、剣淵の野菜も食えるし、絵本コーナーもあるから町の雰囲気が一発で伝わる。ドライブで疲れた人にもちょうどいい場所なんだわ。

夜だったらレークサイド桜岡で温泉入って飯食って、ってコースが鉄板だね。湖を眺めながらの北海道料理は外さない。あと地元の人間しか行かないような町中の居酒屋もあるけど、初見の人にはちょっとハードル高いから、まずは無難なとこから案内するわ。

Q5.剣淵町はどんな気質だと思いますか?

屯田兵で開拓された町だから、根っこは実直で粘り強い人間が多いと思うよ。北海道最後の屯田兵村ってのは、町民みんな心のどっかで誇りに思ってるしね。よそ者を排除するような閉鎖性はあんまり感じないかな。

マツダさんに冬の間町道を貸してもう40年って、これも剣淵らしい話でさ。なまら(とても)柔軟なんだよね、町の人間は。絵本の里づくりも若い連中が言い出して町ぐるみで支えてきた話だし、面白いことには乗っかる気質はあると思うわ。

Q6.昔に比べて、剣淵町の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?

人は減ってきてるよ。俺が子供の頃は5,000人くらいいたのが、今2,600人台だからね。学校の人数も減って、商店も閉まってって、これは剣淵に限らず道北の町はみんな抱えてる課題だわ。

ただ絵本の館ができて、道の駅ができて、アルパカ牧場ができて、外から人が来る仕掛けは確実に増えた。町長を中心に絵本まつりや湖水まつりで町外から人を呼ぶ動きも続いてる。寂しさはあるけど、町としてはちゃんと考えて動いてるって感覚はあるね。

Q7.剣淵町のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?

大きな新しい箱ものってのは聞かないけど、絵本の館を軸にしたワークショップとか、ぐるっとライドみたいな1市3町連携のイベントは年々定着してきてるね。剣淵だけで完結しないで、士別・和寒・幌加内と組んで動くやり方はなまら(とても)合ってると思うわ。

あと農業の世代交代と、町の水源になってる剣淵川流域の環境保全だな。若い農家が増えてきて有機や低農薬に取り組んでる連中もいる。観光でいきなり花火大会みたいなのよりも、剣淵運動公園で地元の子どもが遊ぶ景色が続いてくれることのほうが、俺としては大事だね。

剣淵町の関連リンク

【この町を愛する皆様へ】
この記事は、どのサイトよりも詳しく、正確に、そして魂を込めて執筆しています。町の魅力を最大限に引き出すため、今後も肉付けを続けていきます。ご期待ください。

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