【北海道利尻町】ってどんなとこ?日本三大昆布と利尻富士の島

北海道利尻町にある利尻山:利尻町にある利尻山は、標高1,721mで「利尻富士」とも呼ばれ、高山植物や美しい山容が魅力の山です。

利尻町(りしりちょう)は、北海道最北の宗谷地方・日本海に浮かぶ利尻島の南西部に位置する人口1,769人の町です。稚内の西、約53kmの海上にあります。

利尻町の魅力を5つに凝縮すると、こうなります:

  • 利尻昆布──真昆布・羅臼昆布と並ぶ「日本三大昆布」の本場で、だし昆布の最高峰
  • ✅ 標高1,721mの利尻山(利尻富士)を間近に望む港町・沓形(くつがた)
  • ✅ エゾバフンウニ・エゾムラサキウニの濃厚な生うに
  • ✅ 鳥取から海を渡って伝わった麒麟(きりん)獅子舞が、仙法志・長浜地区に現存
  • ✅ ゴマフアザラシに出会える仙法志御崎公園

「離島でゆったり過ごしたい旅行者」「登山や高山植物が好きな人」「だしや海産物にこだわる食いしん坊」に特におすすめの町です。本記事では、序盤で観光の推しポイント、中盤で歴史と文化、終盤で特産品とアクセスまで、地元目線で紹介します。

人口1,769 人 ※2026年4月30日時点(住民基本台帳)
面積76.50 km²
人口密度23.1 人/km²

地理的には、利尻町は利尻島の南西側を占め、陸続きで隣接するのは同じ島の北東側にある利尻富士町だけです。島は利尻町利尻富士町の2つの自治体に分かれ、両町の境界は島の中央にそびえる利尻山の山頂を通っています(出典:利尻町公式サイト)。

離島のため、海をはさんだ周辺の市町とはフェリーで結ばれています。東の本土側にあるのが稚内市で、ハートランドフェリーが稚内港と利尻島(鴛泊港)を約1時間40分で結びます。利尻町側の沓形港に発着する便は、主に夏季に運航されます(出典:ハートランドフェリー)。

北側に浮かぶ礼文町(礼文島)とも、フェリー航路でつながっています。稚内市を起点に利尻島・礼文島を回る航路網になっており、利尻島から礼文町へ直接渡る便もあります。陸の隣は利尻富士町ひとつですが、海の道を含めると稚内市礼文町と日常的に行き来する関係です。

海の玄関口は利尻町側の沓形港と利尻富士町側の鴛泊(おしどまり)港、空の玄関は利尻空港です。昆布・ウニ・利尻富士と、小さな島にぎゅっと見どころが詰まっています。順番に見ていきましょう。

目次

利尻町の推しポイント

この町の顔は、なんといっても海と山です。日本の料亭が頼りにする利尻昆布、ウニの濃厚な甘み、そして島のどこからでも見上げられる利尻富士。さらに鳥取から渡ってきた珍しい獅子舞や、岩場でくつろぐアザラシまで。ここでは代表的な4つを、後半セクションの予告も兼ねて紹介します。

推しポイント1:利尻昆布──だし昆布の最高峰

利尻昆布は、真昆布・羅臼昆布と並ぶ「日本三大昆布」のひとつで、クセのない澄んだ上品なだしがとれることから、関西の料亭で古くから珍重されてきました。なかでも利尻島・礼文島でとれたものは「島モノ」と呼ばれ、ひと味違う別格の評価を受けています。だしを引いた瞬間の香りは、台所がふっと旅館になるような感覚なんですよ。

推しポイント2:利尻富士(利尻山1,721m)と沓形岬

島の中央にそびえる利尻山(利尻富士)は標高1,721m。海面からいきなり立ち上がる独立峰で、夏には高山植物を目当てに多くの登山者が訪れます。利尻町側の沓形岬公園からは、溶岩がつくった黒い海岸線越しに、稜線まですっきり見渡せる日があります。

推しポイント3:麒麟獅子舞──鳥取から渡った舞

利尻町の仙法志・長浜地区には、鳥取県東部(因幡地方)由来の珍しい麒麟獅子舞が伝わっています(出典:利尻島観光ポータルサイト りしぷら)。面長で一本角の獅子が、笛・鉦(かね)・太鼓に合わせ、人々の幸せを願って地面すれすれまで頭を下げます。海を渡った人の歴史がそのまま舞になって残っているんです。

推しポイント4:仙法志御崎公園のゴマフアザラシ

島の南端、仙法志御崎公園では、岩場の入り江でゴマフアザラシを間近に見られます。利尻山と日本海をバックに、のんびり昼寝するアザラシの姿は、子どもにも大人にも人気です。透き通った海の色も、晴れた日はびっくりするほどきれいですよ。

利尻町の歴史

利尻島の歴史は、アイヌの人々が暮らした古い時代に始まります。江戸時代には松前藩の交易の場となり、ロシアとの緊張のなかで東北の藩士が警備に立ちました。明治以降はニシン漁で大いに栄え、東北や北陸から多くの人が移り住みます。そして昭和に2つの町村が合併し、現在の利尻町が形づくられました。3つの段階に分けて見ていきます。

古代〜近世──アイヌの島と北方警備

町名は、アイヌ語で「高い・島」を意味する「リ・シㇼ」に由来します。利尻山そのものを指す言葉です。1669年(寛文9年)に松前藩の交易船が寄港した際には、島に約300人のアイヌが暮らしていたと記録されています。

1808年(文化5年)には、ロシア船が利尻島を襲う「文化露寇(フヴォストフ事件)」が起こりました。これに前後して、幕府は会津藩などに蝦夷地警備を命じ、利尻島には約250名の藩士が派遣されました(出典:利尻島郷土資料館解説シート(利尻富士町教育委員会))。利尻町には、当時の会津藩士の墓が町の史跡として残されています。

近代──ニシン漁の繁栄

明治期に入ると、利尻島はニシン漁で大いに栄えました。漁を目指して、東北や富山など本州各地から多くの人々が移り住みます。後述する麒麟獅子舞も、この人の移動とともに鳥取から島へ渡ってきたものです。1899年(明治32年)には沓形村戸長役場が、翌1900年には仙法志村戸長役場が開かれました。

現代──沓形大火と利尻町の誕生

1956年(昭和31年)9月、沓形町と仙法志村が合併し、現在の利尻町が誕生しました(出典:利尻町公式サイト)。その後、1964年(昭和39年)5月には旧沓形市街で大火が発生し、226戸が焼失。住民が一時、船で沖合に避難するほどの惨事でした。ニシン漁が資源の枯渇で衰退した後は、利尻昆布の養殖やウニ漁を中心とする漁業と観光が、島の暮らしを支えています。

利尻町の文化・風習

方言と話し方の特徴

利尻島で話されるのは、北海道弁です。会話の終わりに「したっけ」(それじゃあ・そうしたら)を挟んだり、お礼に対して「なんも、なんも」(いえいえ、気にしないで)と返したりするのを、島では普通に耳にします。

冬の便りで必ず出てくるのが「しばれる」(厳しく冷え込む)という言葉。海に囲まれているぶん本土ほど気温は下がりませんが、風がとにかく強い土地なんですよね。逆に、暖かい部屋でほっとくつろぐ感覚は「あずましい」(居心地がいい・落ち着く)と表現します。みなさんも島の人と話すとき、この辺りを覚えておくと一気に距離が縮まりますよ。

海とともにある食卓と暮らし

島の食卓には、当たり前のように昆布とウニがのぼります。だしをとった後の昆布も佃煮や煮物にして食べきるのが、昆布の島ならではの暮らし方です。夏のウニ漁の時期になると、朝から港が活気づきます。

風が強く冬が長いぶん、家のなかで過ごす時間が大切にされてきました。雪が降ればゴミをなげる(ゴミを捨てる)のひと仕事も雪との戦いになりますが、近所同士で声をかけ合いながら冬を越していく空気が今も残っています。

麒麟獅子舞が結ぶ鳥取とのつながり

仙法志・長浜地区の麒麟獅子舞は、明治期にニシン漁を追って鳥取から渡った人々が伝えたものとされています。一度は途絶えかけましたが、平成に入って獅子頭の入った木箱が地区で見つかったことをきっかけに復活し、現在は長浜神社の宵宮祭り(6月20日ごろ)などで舞われています(出典:利尻島観光ポータルサイト りしぷら)。本州の文化が海を越えて根づき、いったん眠ってまた目覚めた──そんな物語が、この小さな舞には詰まっています。

利尻町の特産品・食

特産品1:利尻昆布

利尻昆布は、真昆布・羅臼昆布と並ぶ日本三大昆布のひとつで、だし昆布の最高峰とされています(出典:利尻町公式サイト)。ほかの昆布より硬めで、煮ても煮崩れせず、澄んだ上品なだしがとれるのが特徴です。だからこそ、濁りを嫌う関西の料亭やお吸い物に重宝されてきました。

家庭で使うなら、水に一晩つけてから弱火でじっくり。沸騰直前で引き上げると、香りの澄んだ一番だしになります。これでみそ汁を作ると、なまら(とても・すごく)味が変わるんですよ。だしをとった後の昆布も、刻んで佃煮にすれば一品になります。

特産品2:エゾバフンウニ・エゾムラサキウニ

利尻の夏といえば生うにです。濃厚な甘みのエゾバフンウニ(赤うに)と、すっきり上品な味わいのエゾムラサキウニ(白うに)の2種類がとれ、旬はおおむね6月から8月ごろとされています。良質な利尻昆布を食べて育つため、ウニの味も濃くなると言われています。

食べ方は、なんといっても獲れたてを「うに丼」で。海水と同じ塩水に浮かべた生うにを、炊きたてのごはんにたっぷりのせていただきます。口に入れた瞬間にとろけて、磯の香りがふわっと広がる──これは島でしか味わえないごちそうですよね。

特産品3:利尻の魚介(毛ガニ・ホッケなど)

昆布とウニの陰に隠れがちですが、利尻の海では毛ガニやホッケ、ナマコなど多彩な魚介が水揚げされます。冷たい日本海でとれるホッケは身がしまって脂がのり、開きにして焼くと白いごはんが止まりません。漁師町ならではの、その日の海の幸を味わえるのも島旅の楽しみです。

利尻町の観光スポット

利尻町の観光は、海・火山・歴史の3本柱で考えるとわかりやすいです。島の中央にそびえる利尻富士を背景に、溶岩がつくった黒い海岸線が続き、その合間に港町や博物館が点在しています。序盤の推しポイントで挙げた利尻富士・アザラシ・麒麟獅子を、ここでは実際に訪れる場所として深掘りしていきます。まずは海と火山がつくった絶景から見ていきましょう。

海と火山がつくった景観スポット

  • 沓形岬公園 – 利尻島の西端に突き出た岬の公園で、地元では「どんと岬」と親しまれ、利尻山と礼文島を同時に見渡せる夕陽の名所です。5月のクロユリ、6月のエゾカンゾウやハマナス、7月のチシマフウロと、季節ごとに咲く花が変わります(出典:HOKKAIDO LOVE!(北海道観光公式サイト))。荒々しい黒い溶岩石と可憐な花のコントラストが見どころで、海風に乗って花の甘い香りが漂ってきます。夕方、礼文島の向こうに陽が落ちる時間帯がなまら(とても)きれいなんですよ。
  • 仙法志御崎公園 – 利尻島最南端の自然公園。太古の噴火でできた溶岩の奇岩が海岸に連なり、透明度の高い海をのぞくと天然のウニや昆布がはっきり見えます。園内のアザラシプールでゴマフアザラシの餌やり体験ができ、海岸では6月頃から9月頃にかけて野生のアザラシも見られます(出典:利尻島観光ポータルサイト りしぷら)。利尻富士を背に岩場で昼寝するアザラシの姿は、子どもも大人も足を止めてしまう光景です。
  • 見返台園地 – 沓形市街から利尻登山線をのぼった先、利尻山「沓形ルート」の5合目付近にある展望公園です。駐車場から遊歩道を10分ほど歩くと展望台の東屋があり、頂上を目指す稜線を間近に見上げられます。本格的に登らなくても、利尻富士の迫力をぐっと近くで感じられる穴場ですよ。

歴史と文化を学べるスポット

  • 利尻町立博物館 – 仙法志にある町立博物館で、利尻島の自然・歴史・暮らしを学べます。巨大なトドの剥製や、原寸大に復元したニシン番屋のジオラマがあり、「やん衆(漁師)」の人形が当時の会話を再現しています。開館時間は9:00〜17:00(入館は16:30まで)、入館料は個人200円・高校生以下無料、休館日は月曜日・祝日の翌日・年末年始で、7〜8月は無休です(出典:利尻町公式サイト)。所在地は利尻郡利尻町仙法志字本町136。雨の日でもじっくり島の成り立ちを学べる場所です。
  • 会津藩士の墓 – 江戸後期、ロシアとの緊張のなかで北方警備にあたった会津藩士をしのぶ墓で、利尻町の史跡に指定されています。序盤で触れた「文化露寇」と会津藩派遣の歴史が、今も島の土地に刻まれていることを実感できる場所です。

利尻町の観光ルート

計算中…

利尻町は鉄道がないため、観光はレンタカーや路線バスが基本です。町は南北に細長く、北の沓形と南の仙法志を海岸沿いの道で結ぶイメージで動くと迷いません。ここでは町内をめぐる半日・1日ルートと、隣の利尻富士町まで足を延ばす島一周ルートを紹介します。

【車・半日】沓形まちなか満喫ルート

9:30 沓形港 → 9:40 沓形岬公園(車5分)→ 10:30 ミルピス商店 → 11:20 利尻らーめん味楽

沓形港(出発)
→ 島の玄関口。ここでレンタカーを借りて出発します。朝のうちは海が穏やかで、利尻富士もくっきり見えやすい時間帯です。

沓形岬公園(60分)
→ 溶岩の海岸を散策し、利尻山と礼文島を一望します。午前の光は花の色が映えるので、写真を撮るならこの時間がおすすめです。

ミルピス商店(30分)
→ 1967年から島で手づくりされている乳酸飲料「ミルピス」のお店。さっぱりした甘さで、散策後の水分補給にちょうどいいんですよ。

利尻らーめん味楽(60分)
→ 締めは利尻昆布だしの焼き醤油らーめん。開店前から行列ができるので、11:30の開店少し前に着くよう逆算して回るのが正解です。

【車・1日】利尻町・海岸めぐりルート

9:00 沓形 → 9:20 見返台園地 → 11:00 利尻らーめん味楽(昼食)→ 12:30 仙法志御崎公園 → 14:00 利尻町立博物館

見返台園地(90分)
→ 朝いちで利尻山の中腹へ。空気が澄んだ午前は、頂上の稜線まですっきり見渡せる確率が高いです。

利尻らーめん味楽(60分)
→ 山を下りてお昼に昆布だしラーメン。混雑前に入れるよう、午前の行動を少し早めるのがコツです。

仙法志御崎公園(90分)
→ 最南端でアザラシと奇岩の海岸へ。日差しが高い昼過ぎは海の透明度がいちばん際立ちます。

利尻町立博物館(60分)
→ 締めに島の歴史を学んで一日を振り返ります。入館は16:30までなので、夕方前に到着しておきましょう。

【車・1日】利尻島ぐるり一周ルート(広域)

8:30 沓形 → 9:00 鴛泊(利尻富士町)→ 10:00 姫沼(利尻富士町)→ 12:00 オタトマリ沼(利尻富士町)→ 14:00 仙法志御崎公園(利尻町)→ 15:30 沓形岬公園(利尻町)

鴛泊(移動・休憩)
利尻富士町側のフェリー港町。島一周は約60kmで、ここを起点に時計回りで回ると効率的です。

姫沼(60分)
→ 原生林に囲まれた静かな沼。風のない朝は水面に逆さ利尻富士が映ることがあります。

オタトマリ沼(60分)
→ 利尻富士の絶景ビュースポット。湖畔の売店で利尻名物のソフトクリームを味わえます。

仙法志御崎公園・沓形岬公園(各60分)
利尻町側に戻って海岸の名所を回り、沓形岬で夕陽を眺めて締めくくります。したっけ(それじゃあ)、一周ぐるりと島を味わい尽くせます。

利尻町の年間イベント

利尻町のイベントは、短い夏に一気に集中します。6月の神社例大祭と麒麟獅子舞に始まり、8月の夏祭りとウニのお祭りでピークを迎え、冬は雪と向き合う暮らしへ移っていきます。季節ごとに見ていきましょう。

初夏:神社例大祭と麒麟獅子舞

毎年6月になると、仙法志神社や沓形の北見富士神社で例大祭が開かれます。なかでも序盤で紹介した仙法志・長浜地区の麒麟獅子舞は、毎年6月の宵宮祭りで奉納されます(出典:利尻島観光ポータルサイト りしぷら)。面長で一本角の獅子が、笛や太鼓に合わせて地面すれすれまで頭を下げる姿は独特で、鳥取から渡ってきた文化の名残を間近で感じられます。

盛夏:利尻浮島まつり

夏の最大の見せ場が、毎年8月上旬に開かれる「利尻浮島まつり」です。沓形と仙法志の2会場で2日間にわたって開催され、名物「浮島音頭」の踊りパレードや、露店が並ぶ「どんと市」、夜の花火大会で盛り上がります(出典:きた・北海道観光WEBサイト)。ぜひ行ってみてほしいのが沓形会場の花火で、海の上に開く大輪を、潮の匂いごと体で浴びる感じがたまらないんですよね。

盛夏:ウニが主役のお祭り

そして利尻らしさが全開になるのが、毎年8月中旬に開かれるウニのお祭りです。焼きウニやミニうに丼などウニ尽くしの出店が並び、「ウニ早食い競争」などの催しでにぎわいます(出典:利尻島観光ポータルサイト りしぷら)。獲れたての生うにを浜の空気のなかで頬張る贅沢は、この時期の島ならではです。

冬:雪とともにある季節

冬の利尻町は風が強く、海も荒れてしばれる(厳しく冷え込む)日が続きます。観光の主役は夏に譲りますが、利尻山を望むゲレンデでのスキーや、雪に覆われた静かな漁村の景色など、冬ならではの島の表情に出会えます。

利尻町のエリア別の顔

利尻町は、島の北西部にある中心市街「沓形」と、最南端の「仙法志」を軸に、その間を結ぶ漁村集落で構成されています。北の沓形が役場や商店の集まる玄関口、南の仙法志が自然観光の中心という役割分担です(出典:利尻町公式サイト)。旅する視点で、それぞれの顔を見ていきましょう。

沓形エリア──島の玄関口と食の中心

沓形は利尻町の中心市街で、役場や商店、フェリーの発着する沓形港が集まる旅の拠点です。利尻らーめん味楽やミルピス商店など、島を代表する食の名店が徒歩圏に点在しています。岬の公園で景色を楽しんだあと、まちなかでグルメを味わう──そんな半日の散策に向いたエリアです。歩いて回れる範囲に見どころが詰まっていて、あずましい(落ち着く・居心地がいい)町並みですよ。

仙法志エリア──最南端の自然と歴史

仙法志は島の最南端にあたり、溶岩の海岸が広がる仙法志御崎公園や利尻町立博物館がある自然・歴史観光の中心です。アザラシや透明な海、奇岩の景観など、利尻の自然をいちばん体感できる場所が集まっています。海をじっくり眺めたい人、博物館で島の成り立ちを学びたい人にぴったりのエリアです。

新湊エリア──沓形と仙法志を結ぶ静かな漁村

沓形と仙法志の間に位置する新湊は、海沿いに家並みが続く静かな漁業の集落です。派手な観光施設はありませんが、車で海岸線を走ると、利尻富士と日本海を背景にした漁師町の暮らしがそのまま目に入ってきます。観光の合間にふっと素の島の表情を感じたいとき、通り抜けるだけでも印象に残るエリアです。

利尻町の気候・季節の暮らし

利尻町の年平均気温は7.4℃で、もっとも暑い8月でも平均最高気温は23.1℃ほど、もっとも寒い1月の平均最低気温は-6.4℃ほどです(出典:気象庁)。海に囲まれているため、本土ほど夏冬の気温差は大きくありません。ただし、年間を通して風が強いのが島の特徴です。数字だけ見ると穏やかそうですが、暮らしの体感は「風の島」なんですよ。

夏(6〜8月)──短くて過ごしやすい観光の季節

夏は30℃を超える日がまれなほど涼しく、高山植物が咲き、利尻富士の登山シーズンを迎えます。観光客でいちばんにぎわう時期で、ウニ漁の最盛期も重なります。日中は半袖でも、海風が出ると肌寒いので、薄手の上着が1枚あると安心です。

秋(9〜11月)──風が強まり冬支度が始まる

秋は日が短くなるにつれて海が荒れやすくなり、フェリーが揺れる日も増えてきます。紅葉や澄んだ空気は気持ちいいのですが、島の人はこの頃から少しずつ冬への備えを始めます。観光のピークが過ぎ、町が静けさを取り戻していく季節です。

冬(12〜3月)──風と雪と向き合う

冬はしばれる(厳しく冷え込む)日が続き、強い季節風で吹雪くこともあります。気温そのものは内陸の道北ほど下がりませんが、風が強いぶん体感はぐっと厳しくなります。暖房は一日中欠かせず、除雪も冬の大仕事。フェリーや飛行機が天候で欠航することもあり、島ならではの冬の現実があります。

春(4〜5月)──雪解けと新しい季節

春は雪解けとともに風がやわらぎ、海の便が安定してきます。沓形岬では5月にクロユリが咲き始め、島がふたたび彩りを取り戻します。移住を考えるなら、過ごしやすい5〜9月と、厳しい12〜3月の両方を一度見ておくと、暮らしのイメージがつかみやすいと考えられます。

利尻町の移住・暮らし情報

利尻町は、漁業と観光を基幹産業とする離島の町です。買い物も医療も島の中で完結する一方、専門的なことは海を渡る必要がある──そんな「島で暮らす現実」を、項目ごとに具体的に見ていきましょう。

通勤・通学

島内が生活圏なので、通勤は車で数分〜十数分という人がほとんどです。沓形の中心部なら職場も学校も徒歩圏に収まることが多く、満員電車とは無縁の暮らしです。仕事は漁業・水産加工・観光・役場・病院などが中心と考えられます。

住宅環境

利尻町では、永住を前提に暮らす人向けに、町との賃貸借で土地を確保できる定住向けの住宅街が用意されています(出典:北海道で暮らそう!(北海道公式移住情報サイト))。離島のため賃貸物件の数は限られますが、住まいの相談は後述の支援センターでまとめて対応してもらえます。

買い物環境

日常の買い物は、沓形地区のスーパーやセイコーマートなどでまかなえます。品ぞろえは都市部ほどではありませんが、生活に必要なものはひと通りそろいます。大きな買い物やこだわりの品はフェリーで稚内へ、あるいはネット通販を活用するのが島の定番スタイルです。

子育て・教育

島内には利尻町立の小学校・中学校に加え、道立の利尻高校があり、高校までは島の中で通えます。利尻町では、1年以上定住する世帯で3人以上を出産した場合、3人目以降の子ども1人につき25万円を支給する制度などが設けられています(出典:北海道で暮らそう!(北海道公式移住情報サイト))。

医療環境

島の医療の中心は、沓形にある公立の利尻島国保中央病院です。内科・小児科・外科・整形外科・婦人科・眼科などを診療し、婦人科・眼科・整形外科は月数回、専門医が担当します(出典:利尻島国保中央病院)。日常の医療は島内で受けられますが、高度・専門的な治療は稚内や札幌の病院へ渡るのが現実です。

エリア別の暮らし視点

中盤では旅する視点でエリアを紹介しましたが、住む視点で見ると、買い物・病院・役場・支援センターが集まる沓形エリアがいちばん生活しやすいエリアです。仙法志や新湊は静かで自然が近いぶん、車での移動が前提になります。ご近所付き合いの距離が近く、なんも、なんも(気にしないで)と声をかけ合う、島らしいつながりが残っています。

利尻町へのアクセス

利尻町へは、稚内からのフェリー、または札幌(丘珠)からの飛行機が基本ルートです。島は離島なので、本土側の拠点まで出てから海路・空路で渡る流れになります。鉄道は島内にありません。

飛行機でのアクセス

島の空の玄関口は利尻空港です。札幌の丘珠空港から約50分の便が1日1往復就航し、夏場は土日祝を中心に増便されるほか、新千歳空港からの夏季季節運航便もあります(出典:利尻島観光ポータルサイト りしぷら)。時間を優先するなら、札幌から空路でひとっ飛びがいちばん早いです。

フェリーでのアクセス

海路は、稚内港からハートランドフェリーで利尻島の鴛泊港まで約1時間40分です(出典:ハートランドフェリー)。利尻町側の沓形港に発着する便は、主に夏季に運航されます。車ごと渡れるので、島内をマイカーで回りたい人にはフェリーが便利です。

本土の拠点・稚内までの行き方

フェリーの発着する稚内へは、札幌から特急列車でおよそ5時間、または車で向かうほか、稚内空港を使う空路もあります。稚内空港からフェリーターミナルへはバスで約35分(約700円)です(出典:ハートランドフェリー)。乗り継ぎ時間に余裕をもって計画するのがおすすめです。

町内移動の現実的アドバイス

島内には路線バスがありますが本数は限られるため、観光でも暮らしでもレンタカーや自家用車があると安心です。冬は強風や吹雪でフェリー・飛行機が欠航することもあるので、悪天候が予想される時期は予備日を1日みておくと安心ですよ。

【地元住民に直撃!】利尻町の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。

昆布漁師よ。利尻昆布を獲って、浜で天日に干すとこまで自分の手でやってる。早朝に船出して、獲った昆布を一本一本並べて干す。天気との勝負でな、したっけ(そうしたら)急に雨が来て干した昆布が台無し、なんてこともある。

この仕事、利尻町の海あってのもんだ。きれいな水と冷たい海流が、なまら(とても)いい昆布を育ててくれるのさ。何十年やっても、毎年海の機嫌は読みきれんもんだよ。

Q2.利尻町に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?

まず仙法志御崎公園だな。溶岩の黒い岩場と、透き通った海。覗くと天然の昆布やウニが見えるんだわ。アザラシも昼寝しとるよ。利尻町観光の顔みたいな場所さ。

地元の人間が好きなのは沓形岬公園。夕方、礼文島の向こうに陽が落ちるのを岩に座って眺めてると、潮の匂いと風だけになって、心があずましく(落ち着く)なる。あそこは静かでいいぞ。

Q3.利尻町でお土産を買うとしたらなんですか?

そりゃ利尻町で有名なものといえば利尻昆布よ。だし用に一袋持っていけば、味噌汁の味が変わって驚くはずだ。間違いない土産だな。

地元の人間が言うと、ミルピスもおすすめだ。沓形で昔っから手づくりしとる乳酸飲料でな、さっぱり甘くて懐かしい味。観光の本には小さくしか載ってないが、これがなんも(なかなか)うまいのさ。

Q4.外から人が来たときに、利尻町でまず連れていく店はどこですか?

迷わず味楽だな。利尻昆布のだしをきかせた焼き醤油らーめん、あれは島の自慢よ。日本一行くのが難しいラーメンなんて言われとるが、行列覚悟で連れてくわ。

開店前から人が並ぶから、昼前にゃ着くように段取りする。一杯すすって「うまい」って顔されると、こっちまで嬉しくなるもんだ。

Q5.利尻町はどんな気質だと思いますか?

海で生きてきた町だからな、見た目はぶっきらぼうでも、根は世話焼きで人情に厚いよ。困っとる人がいれば「なんも、なんも」(気にするな)と手を貸すのが当たり前さ。

狭い島だから、町民センターの集まりでも顔ぶれはだいたい知った仲。町長の話も世間話みたいに伝わってくる。良くも悪くも距離が近い、家族みたいな町だな。

Q6.昔に比べて、利尻町の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?

正直、人は減ったよ。昔はニシンで沸いて、浜にどれだけ人がおったか。今は子どもの声も少なくなって、閉めた店や閉校も出た。寂しいのは本音さ。

ただ、夏の浮島まつりやウニの祭りになると、今でも町は息を吹き返す。観光で外から来てくれる人も増えた。利尻町水源の清い水と海がある限り、まだまだやれると思っとる。

Q7.利尻町のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?

沓形のツギノバには期待しとるな。閉校した中学校を直して、移住相談やカフェ、仕事場にもなる場所さ。あそこに若いもんが集まってくれると嬉しい。

島に来て住んでくれる人を、町ぐるみで増やしていきたいのよ。運動公園で子どもが走り回って、漁を継ぐ若い衆が出てくる――そういう未来を、本気で待っとるんだわ。

利尻町の関連リンク

【この町を愛する皆様へ】
この記事は、どのサイトよりも詳しく、正確に、そして魂を込めて執筆しています。町の魅力を最大限に引き出すため、今後も肉付けを続けていきます。ご期待ください。

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