浦幌町(うらほろちょう)は、北海道・十勝総合振興局の最東端、帯広市と釧路市のちょうど中間に位置する人口3,960人の町です。南は太平洋に開け、町域の約7割を林野が占めます。
浦幌町の魅力を5つに凝縮すると、こうなります:
- ✅ 恐竜絶滅の証拠「K-Pg境界」──活平層は東アジアで初めて確認された貴重な地層。2026年には新たな境界層も発見された
- ✅ 十勝の最東端──帯広と釧路の真ん中、太平洋に面した南北に長い町
- ✅ 食料生産のまち──馬鈴薯・てんさいの畑作+酪農・肉牛+秋鮭・ししゃも漁
- ✅ うらほろふるさとのみのり祭り──日本最大級のもちまき「みのりまき」で知られる秋の大収穫祭
- ✅ 太平洋岸の絶景──豊北原生花園と昆布刈石展望台
「地学や化石が好きな人」「海と山の幸を味わいたい食いしん坊」「静かな環境でのんびり過ごしたい旅行者・移住希望者」に特におすすめの町です。本記事では、地学・歴史・文化から、特産品・食、暮らしの様子まで地元目線で紹介します。
| 人口 | 3,960 人 ※2026年4月30日時点(住民基本台帳) |
|---|---|
| 面積 | 729.85 km² |
| 人口密度 | 5.43 人/km² |
地理的には、北は本別町、西は池田町・豊頃町、東は白糠町・釧路市に接し、南は太平洋に面しています。十勝総合振興局の最東端で、釧路総合振興局との境にあたります(出典:浦幌町公式サイト)。町の中央を浦幌川が南北に貫き、河口部の平地が畑や牧場に使われています。
帯広から車で約1時間、釧路から約1時間20分。森・川・海の自然が一本につながった、この小さな町を順に見ていきましょう。
浦幌町の推しポイント

浦幌町は「地学の聖地」と「食料生産基地」というふたつの顔を持っています。恐竜絶滅の証拠が眠る地層から、太平洋でとれる秋鮭・ししゃも、広大な畑と牧場まで、ぎゅっと詰まっているのが浦幌の面白さ。ここからは、その中身を少しずつ掘り下げていきます。
恐竜絶滅の証拠「K-Pg境界」──活平層
約6600万年前、メキシコ・ユカタン半島付近への小惑星衝突で恐竜などが大量絶滅した時代の境目を「K-Pg境界(白亜紀/古第三紀境界)」と呼びます。浦幌町の活平層には、この境界を示す地層が露出していて、東アジアで初めて確認された場所として知られています。国内で唯一イリジウム異常が検出された地層でもあります(出典:北海道地質百選)。さらに2026年5月には、町北部の川流布川支流から、東アジア・北西太平洋域で初めてとなる新たなK/Pg境界層の発見が発表されました(出典:弘前大学)。
帯広と釧路の真ん中、十勝最東端のまち
浦幌町は十勝総合振興局のいちばん東のはしっこ。東は丘陵山脈、南は太平洋という南北に長い地形で、林野が総面積の約7割を占めます(出典:浦幌町公式サイト)。道東自動車道の浦幌ICがあり、車で帯広にも釧路にも行きやすい立地なんですよ。
食料生産のまち──畑・牧場・海
町の農用地面積は約110km²(約11,000ha)にもなり、小麦・豆類・馬鈴薯・てんさいの畑作と、酪農・肉牛を主体に農業が営まれています(出典:JAうらほろ)。海では秋鮭・ししゃも・タコ・ホッキ。森・畑・海の三拍子がそろう、北海道らしい食の町です。
うらほろふるさとのみのり祭り
毎年9月に開かれる秋の大収穫祭で、2025年には第50回を迎えました(出典:浦幌町公式サイト)。やぐらから大量のおもちをまく日本最大級の「みのりまき」や、噴水池で行う「秋あじのつかみどり」が名物。地元の人もそうでない人も巻き込んで、町じゅうが沸く一日なんですよね。
太平洋岸の絶景──豊北原生花園と昆布刈石展望台
太平洋沿岸には、夏に花が咲き乱れる豊北原生花園が広がります。崖の上から海岸線を一望できる昆布刈石展望台も人気で、断崖と奇岩が続くダイナミックな風景が見られます。海と崖と花畑が一度に楽しめるのは、海に面した浦幌ならではの贅沢です。
浦幌町の歴史

浦幌の歴史は、アイヌの人々が暮らした古代から始まります。明治期に和人が入植して開拓が進み、馬産地・炭鉱の町を経て、戦後は酪農と畑作、漁業の町へと姿を変えました。地名そのものがアイヌ語に由来し、海沿いには古い遺跡が数多く残っています。
古代〜中世──アイヌ文化と遺跡の町
「浦幌」の地名はアイヌ語に由来し、「ウララポロ(霧が多い)」や「オラポロ(大きな葉の茂る所)」など複数の説があります。町内には十勝太遺跡群やオコッペ遺跡など道指定史跡が点在し、太平洋を望む高台にはチャシ(砦)の跡も残っています。出土品は浦幌町立博物館に収蔵され、古代の暮らしを今に伝えています。
近代の開拓と発展
1900年(明治33年)に生剛村ほか二村戸長役場が置かれ、これが浦幌の開基とされています。その後、村は生剛村から浦幌村へと名を変え、軍馬を育てる馬産地として栄えました。やがて浦幌炭鉱が開かれ、石炭の町としても発展しました。
現代──町の今を作った出来事
1954年(昭和29年)に町制を施行して浦幌町となり、翌1955年には隣接していた大津村の一部を編入して現在の町域が形づくられました。1999年には開町100年を迎えて記念式典が行われ、町立博物館が開館。2009年には道の駅うらほろがオープンし、同年から2015年にかけて道東自動車道が町内を貫通して、交通の便が大きく向上しました。
浦幌町の文化・風習

方言と話し方の特徴
浦幌町を含む十勝地方では、北海道弁が日常的に使われています。冬の冷え込みが厳しい土地柄、特によく耳にするのがしばれる(厳しく冷え込む・凍えるほど寒い)。朝の挨拶がわりに「今朝はしばれたねえ」なんて言葉が交わされます。会話の区切りや別れぎわにはしたっけ(それじゃあ・そうしたら)、強調したいときはなまら(とても・すごく)。ゴミを「捨てる」ことを投げる(捨てる)と言うのも北海道ならではで、初めて聞くと驚くかもしれませんよ。
食卓と季節の暮らし
秋になると、太平洋からあがる秋鮭が食卓をにぎわせます。塩鮭やちゃんちゃん焼き、鮭とばといった保存食も身近な存在。畑からはとれたての馬鈴薯やかぼちゃが届き、冬に向けて野菜を備える暮らしが今も息づいています。広い土地で育った肉牛や牛乳もすぐそばにあり、地のものを当たり前に食べられるのが浦幌の豊かさなんですよね。
人の気質と地域のつながり
浦幌町は、子どもたちが地域への愛着を育む「うらほろスタイル」という教育・まちづくりの取り組みで知られています。農林漁家での民泊体験や、子どもの提案を大人が実現するプロジェクトなど、世代を超えて町を一緒に育てる空気があります。人口は多くないぶん、顔の見える距離感の濃さは、訪れた人にもじんわり伝わってくるはずです。
浦幌町の特産品・食

秋鮭・ししゃも──太平洋の海の幸
厚内の漁港がある浦幌町は、近海が秋鮭の好漁場として知られ、タコ・ホッキ・ししゃもなども水揚げされます(出典:浦幌町公式サイト)。旬は秋。脂ののった秋鮭は焼いてよし、鍋にしてよし、半干しの「鮭とば」は噛むほどに旨みが出てきます。海から町までが近いぶん、鮮度のよさは折り紙つきですよ。
馬鈴薯・てんさい──十勝の畑作
寒暖差の大きい気候を生かし、馬鈴薯(じゃがいも)やてんさい(砂糖の原料)、小麦、豆類が広い畑で育てられています(出典:JAうらほろ)。秋に収穫する馬鈴薯はほくほくと甘みが強く、雪の冷気で貯蔵する「雪室ばれいしょ」も人気。ふかして塩とバターだけでも、十勝の大地の味がしっかり感じられます。
黒毛和牛「うらほろ和牛」と酪農
かつての馬産地は、戦後に酪農と肉牛の町へと姿を変えました。町内で育てられる黒毛和牛「うらほろ和牛」や、森永北海道3.6牛乳のもとになる生乳など、畜産も浦幌の大事な顔。焼肉でじっくり味わう和牛は、地元のお祭りでも行列ができる一品です。
エゾシカ肉「うらほろもみじ」
森林が多い浦幌町では、町産のエゾシカ肉を「うらほろもみじ」として活用しています。低脂肪で鉄分が豊富な赤身は、クセが少なくローストやステーキにぴったり。ジビエに興味がある人なら、ぜひ一度味わってほしい浦幌ならではの味なんですよ。
浦幌町の観光スポット

浦幌町の見どころは、大きく「地学と歴史」「太平洋の絶景」「ゆっくり過ごす」の3つに分けられます。恐竜絶滅の証拠を学べる博物館から、断崖に立つ展望台、美肌の湯まで、森・海・湯がコンパクトにそろっているのが浦幌のいいところなんですよ。まずは押さえておきたいスポットから紹介します。
地学と歴史にふれるスポット
- 浦幌町立博物館 – 浦幌の自然・歴史・アイヌ文化を6つのコーナーで展示する地域博物館。序盤で触れたK-Pg境界層の地層標本もここで見られます。開館時間は10:00〜18:00、入館料は常設・企画展ともに無料、休館日は毎週月曜などです(出典:浦幌町立博物館公式サイト)。JR浦幌駅から徒歩7分ほど。剥製や土器を眺めていると、6600万年前から続く土地の物語に静かに引き込まれていきます。
- 十勝太遺跡展望台 – 十勝川の流域を一望できる高台で、約1000年前の竪穴式住居跡が今も残ります。牧歌的な田園と蛇行する川を見渡せて、古代の人がここに住んだ理由がなんとなく腑に落ちる場所。夕方の斜光が田畑を照らす時間帯がとくにきれいです。
太平洋の絶景スポット
- 昆布刈石展望台 – 海面から90mほどの断崖の上に立つ、太平洋を見下ろす展望台。晴れた日には西に襟裳岬、東に釧路方面まで海岸線が見渡せ、流星群の観測や元旦の初日の出スポットとしても親しまれています(出典:浦幌町観光情報サイト)。水平線がゆるくカーブして見えるほどの開放感で、強い潮風に吹かれながら立つと、思わず声が出るほどの眺めなんですよね。
- 豊北原生花園 – 太平洋沿岸の砂地に広がる原生花園。夏になると海浜性の植物が一面に花を咲かせ、海と花畑が一度に楽しめます。観光地化されすぎていない素朴さが魅力で、波音をBGMにのんびり歩くと心がほどけていきます。訪れるなら花の見頃の夏がおすすめです。
ゆっくり過ごせるスポット
- うらほろ留真温泉 – 浦幌町唯一の温泉施設で、pH10.0という北海道内トップクラスの高アルカリ性。とろりとした「美肌の湯」で知られています。日帰り入浴は大人500円・小学生300円、営業時間は4〜12月が11:00〜21:00、1〜3月が11:00〜20:00、休館日は第3月曜です(出典:うらほろ留真温泉公式サイト)。山あいの露天風呂につかると、しばれる冬でも芯から温まりますよ。
- 道の駅うらほろ – 国道38号沿い、帯広と釧路のちょうど中間にある休憩拠点。営業時間は9:00〜17:00、定休日は年末年始です(出典:北の道の駅)。浦幌産の野菜や海産加工品が並び、黒千石豆のきなこソフトや行者にんにく入りホットドッグなど、ここでしか味わえない軽食も楽しめます。隣接するうらほろ森林公園とあわせて立ち寄りたい場所です。
- うらほろ森林公園 – 総面積120haの広大な公園で、オートキャンプ場やフィールドアスレチック、遊歩道が整っています。市街地のすぐそばとは思えない深い緑で、家族連れのアウトドアにぴったり。木漏れ日の下を歩くだけでも気持ちのいい場所なんです。
浦幌町の観光ルート

浦幌町は南北に長く、見どころが「山あい(留真方面)」と「海沿い(厚内・十勝太方面)」に分かれています。車があれば1日で海も森も湯も回れますし、隣町とつないだ広域ドライブも組みやすい立地。目的に合わせて3つのルートを用意しました。
【車・1日】海と地学をたどる浦幌ぐるりルート
9:30 道の駅うらほろ → 10:00 浦幌町立博物館(車10分)→ 11:30 十勝太遺跡展望台 → 13:00 昆布刈石展望台 → 14:30 豊北原生花園 → 16:00 浦幌市街地
①道の駅うらほろ(30分)→ 軽食とお土産で旅をスタート。黒千石ソフトで腹ごしらえを。
②浦幌町立博物館(60分)→ K-Pg境界の標本で、町の地学的な凄さを先に頭に入れておくと、このあとの景色の見え方が変わります。
③十勝太遺跡展望台(30分)→ 古代の暮らしの跡と田園を一望。海へ下りる前のひと息に。
④昆布刈石展望台(40分)→ 旅のハイライト。光がよく回る昼すぎの太平洋はとにかく雄大です。
⑤豊北原生花園(40分)→ 夏なら花、それ以外の季節も海辺の散歩が心地いい締めくくりに。
【車・半日】秘湯と森でいやされるルート
13:00 浦幌駅 → 13:15 浦幌神社 → 13:40 うらほろ森林公園 → 15:00 うらほろ留真温泉 → 17:00 市街地へ戻る
①浦幌神社(20分)→ 旅の安全を祈ってからゆったり出発。
②うらほろ森林公園(60分)→ 遊歩道を歩いて森の空気をたっぷり吸い込みます。
③うらほろ留真温泉(90分)→ 山道を進んだ先の秘湯で、とろとろの美肌の湯にじっくり。半日コースの主役です。
④移動中は川流布の谷あいの景色も楽しめます。のんびり運転で森のドライブを。
【車・1日】広域ルート:浦幌と十勝の海・大地
9:00 浦幌・昆布刈石展望台 → 11:00 豊頃町・はるにれの木 → 12:30 昼食 → 14:00 池田町・ワイン城 → 16:00 帯広方面
①昆布刈石展望台(40分)→ 朝の澄んだ空気の太平洋からスタート。
②隣町・豊頃町の「はるにれの木」(30分)→ 十勝平野の象徴的な一本木で記念撮影。
③隣町・池田町のワイン城(90分)→ 十勝ワインの拠点で試飲やショッピング。海から大地へと十勝の表情の違いが楽しめる欲ばりな一日です。
浦幌町の年間イベント

浦幌町の一年は、自然のリズムとともに動きます。夏は海辺の花とアウトドア、秋は収穫を祝う町最大のお祭り、冬は澄みきった夜空。季節ごとに違う表情があるので、いつ訪れても旅の楽しみが見つかりますよ。
春〜夏:原生花園とアウトドアのシーズン
雪がとけると、浦幌は一気に外遊びの季節へ。豊北原生花園では夏に海浜植物が花を咲かせ、うらほろ森林公園のキャンプ場もにぎわいます。昆布刈石展望台周辺は、おおむね4月から10月にかけてパラグライダーの基地としても親しまれています(出典:浦幌町観光情報サイト)。海と緑の両方を満喫するなら、この時期がいちばんおすすめです。
秋:うらほろふるさとのみのり祭り
ぜひ狙ってほしいのが、毎年9月にうらほろ森林公園で開かれる「うらほろふるさとのみのり祭り」。2025年には第50回を迎えました(出典:浦幌町公式サイト)。やぐらから大量のおもちをまく日本最大級の「みのりまき」や、噴水池で行う「秋あじのつかみどり」が名物で、会場には焼き立ての和牛や新鮮な野菜の香りが立ちこめます。町じゅうが沸く一日なので、秋に旅するならこの週末を軸に予定を組むのも手ですよ。
冬:しばれる空の星空と初日の出
冬の浦幌は、最低気温が-25℃前後まで下がることもある厳しい寒さ。そのぶん空気が澄み、昆布刈石展望台は流星群観測のスポットとして知られています。元旦には初日の出を拝みに訪れる人も多く、水平線からのぼる太陽と漁火の輝きはこの町ならではの景色です(出典:浦幌町観光情報サイト)。防寒をしっかり整えて、澄みきった夜空を見上げてみてください。
浦幌町のエリア別の顔

浦幌町は南北に細長く、地区によって表情がはっきり違います。役場や駅のある中心市街地、山あいの留真・上浦幌、太平洋に面した厚内・十勝太──大きく3つのエリアに分けると、旅の組み立てがぐっとしやすくなります。それぞれどんな時に訪れるのがいいか、見ていきましょう。
浦幌市街地エリア──旅の起点になる玄関口
JR浦幌駅や役場、浦幌町立博物館、道の駅うらほろが集まる町の中心。コンパクトにまとまっているので、車を停めて博物館と道の駅を歩いて回るだけでも浦幌の概要がつかめます。まずここで情報と食料を仕入れてから、海か山へ出発するのがおすすめの動き方ですよ。
留真・上浦幌エリア──山あいの湯とロマンの地層
市街地から北へ向かう山あいのエリア。美肌の湯で知られるうらほろ留真温泉があり、近くの川流布地区は恐竜絶滅を物語るK-Pg境界が発見された土地でもあります。森と渓谷の静けさにひたりたい人、温泉でのんびりしたい人にぴったり。喧騒から離れて深呼吸したくなったら、こちらへ。
厚内・十勝太エリア──太平洋と歴史が交わる海辺
町の南部、太平洋に面した海沿いのエリア。厚内の漁港でサケやししゃもが水揚げされ、昆布刈石展望台や豊北原生花園、十勝太遺跡展望台といった絶景・史跡が点在します。海の大きさと古代のロマンを同時に味わえる、浦幌でもとびきり旅情のある場所。絶景めぐりやドライブを楽しみたい日に訪れてほしいエリアです。
浦幌町の気候・季節の暮らし

浦幌町は寒暖差の大きい大陸性の気候で、年平均気温は6.6℃、年間降水量はおよそ1,006mmです。年間の降雪の深さの合計は281cmで、豪雪地帯に指定されています(出典:気象庁)。夏は涼しく冬の冷え込みは厳しい、北海道らしいメリハリのある土地なんですよ。季節ごとの暮らしを見ていきましょう。
夏──6月〜8月の暮らし
もっとも暑い8月でも平均気温は19.4℃ほど(出典:気象庁)。本州のような蒸し暑さは少なく、朝晩はひんやりするので寝苦しい夜はあまりありません。海風の通る厚内・十勝太エリアは、夏の散歩がとくに気持ちいい季節です。
秋──9月〜10月の暮らし
秋は収穫の季節。9月は1年で最も雨が多い時期でもあるので、外遊びは天気を見ながらがおすすめです。9月のみのり祭りを皮切りに、馬鈴薯やかぼちゃが食卓に並び、朝晩の冷え込みとともに紅葉も進みます。空気が澄んで星空がきれいになり始めるのもこの頃です。
冬──12月〜3月の暮らし
冬は厳しく、1月の平均気温は-6.9℃、日最低気温の平年値は-13.2℃まで下がります。冬季は-20℃を下回ることも珍しくありません(出典:気象庁)。暖房と除雪は生活の必需で、車の冬装備も欠かせません。底冷えする日も、留真温泉でじっくり温まれば芯からほぐれますよ。
春──4月〜5月の暮らし
雪がとけ始める4月の平均気温は5.0℃ほど。春先は風が強く、まだ防寒着が手放せませんが、日に日に緑が濃くなっていきます。豊北原生花園の花期に向けて、町全体がゆっくり目覚めていく季節。外に出るのが楽しみになってくる時期なんです。
浦幌町の移住・暮らし情報

浦幌町は、第一次産業を軸にした人口3,960人の町です。帯広市から車で約60分という距離感で、自然のなかで子育てしたい人や、第一次産業に関わりたい人に向いています。移住・定住の相談窓口も設けられているので、暮らしの現実を順に見ていきましょう。
通勤・通学
町内の農林漁業に従事する人が多い一方、帯広市方面へ車で通う人もいます。町には高校がないため、高校生は町外へ進学するのが一般的。地域ぐるみで子どもを育てる「うらほろスタイル」の取り組みがあり、進学後も町とつながり続ける仕組みが整えられています。
住宅環境
賃貸物件はJR浦幌駅の周辺を中心に出ています(出典:SUUMO)。戸建てや町営住宅も含めて選択肢があり、都市部に比べて住居費は抑えやすいと考えられます。広い土地でのびのび暮らしたい人には合った環境です。
買い物環境
日常の買い物は市街地のお店や、国道38号沿いの道の駅うらほろなどで間に合います。まとまった買い物や専門店での用事は、車で約60分の帯広市まで足をのばすのが現実的。週末にまとめ買いする暮らしのリズムになりそうです。
子育て・教育
市街地区に認定こども園が1園、上浦幌地区に保育園が1ヵ所あり、小学校・中学校も市街地区と上浦幌地区にそれぞれ置かれています(出典:浦幌町公式サイト)。学校給食の無料化や紙おむつ購入費の助成、子育て支援センター、子ども発達支援センター「くれよん広場」など、支援の手厚さが特徴です。
医療環境
町内には日常的な診療や保健福祉の拠点があり、専門的・高度な医療が必要なときは帯広市の総合病院を利用する形になります。子どもの予防接種や健診なども町の体制で受けられるので、まずは移住相談の際に医療体制を確認しておくと安心ですよ。
エリア別の暮らし視点
中盤では旅の視点でエリアを紹介しましたが、暮らす目線で見ると印象が変わります。浦幌市街地は駅・役場・学校・買い物が徒歩圏にまとまり、車がなくても生活導線がつくりやすいエリア。留真・上浦幌は静けさと自然が魅力ですが車は必須です。厚内・十勝太は海とともにある暮らしで、漁業や海辺の生活に惹かれる人に向いています。
浦幌町へのアクセス

浦幌町は帯広市と釧路市のちょうど中間にあり、道東自動車道とJR根室本線の両方が通っています。車での移動がもっとも便利ですが、鉄道でもアクセスできます。主要な行き方を整理しておきます。
車でのアクセス
道東自動車道の浦幌ICがあり、帯広市からは車で約60分です(出典:浦幌町公式サイト)。釧路市からは約80分ほど。新千歳空港方面からも高速道路でつながっているので、レンタカーがあれば道東観光の拠点として使いやすい立地です。
鉄道+バスでのアクセス
JR根室本線の浦幌駅へは、帯広駅から普通列車で約1時間20分、釧路駅から約2時間です(出典:浦幌町立博物館公式サイト)。ただし特急は1日1往復しか停車しないため、列車を使う場合は時刻表を事前にしっかり確認しておくのがおすすめです。
飛行機でのアクセス
遠方からは、とかち帯広空港または釧路空港の利用が現実的です。どちらの空港からも浦幌までは公共交通が限られるため、空港でレンタカーを借りて向かうのがスムーズ。道東の他のエリアと組み合わせて回るなら、車移動を前提に計画すると動きやすいですよ。
町内移動の現実的アドバイス
町内は南北に長く、見どころが分散しているので、移動は車が基本になります。公共交通としてはコミュニティバス「浦バス」が曜日ごとに町内各方面へ運行しています。留真温泉には無料送迎バスもあるので、車がない場合は事前に電話で運行を確認しておくと安心です。
【地元住民に直撃!】浦幌町の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。
酪農をやっています。朝晩の搾乳が中心の生活で、牛と向き合う毎日です。浦幌は酪農と畑作、それに海もある町なので、第一次産業に関わる人間にとっては本当に恵まれた場所だと思っています。
大変なことも多いですが、自分の手で育てたものが食べ物になっていくのは、何年やってもやりがいがありますね。
Q2.浦幌町に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?
有名どころなら昆布刈石展望台ですね。崖の上から太平洋が一気に開けて、水平線がカーブして見えるんです。風が強い日は身が引き締まる感じがして、地元の私でも何度行っても飽きません。
あとは地元の人間がよく行くうらほろ森林公園。浦幌町運動公園のように体を動かせる場所も近くにあって、休みの日に子ども連れで散歩するだけで気持ちがほどけますよ。
Q3.浦幌町でお土産を買うとしたらなんですか?
オーソドックスなのは道の駅うらほろで買える黒千石豆のソフトや、うらほろ大福ですね。浦幌町の有名なものといえば、やっぱり地元産の豆や乳製品が外せません。
地元の人間としておすすめなのは鮭とば。秋鮭をじっくり干したもので、噛むほど味が出ます。冬の夜にこれをつまむのが浦幌らしい時間なんですよ。
Q4.外から人が来たときに、浦幌町でまず連れていく店はどこですか?
まずは道の駅うらほろに連れていきます。浦幌観光の入り口みたいな場所で、新鮮な野菜や海産加工品が並んでいて、町の雰囲気が一目で伝わるんです。
軽食コーナーで行者にんにく入りのホットドッグを食べてもらうと、たいてい喜んでもらえますね。そのあと留真温泉まで足をのばすのが定番コースです。
Q5.浦幌町はどんな気質だと思いますか?
派手さはないけれど、芯のある人が多い町だと思います。農家も漁師も天候に左右される仕事ですから、自然と腰を据えて物事に向き合う気質が根づいているんでしょうね。
困っているときにそっと手を貸してくれる距離感もあって、人数は多くないぶん顔の見える付き合いが今も残っています。よそから来た人にも、構えずに接してくれる町です。
Q6.昔に比べて、浦幌町の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?
正直に言うと、人は少しずつ減っていますし、お店が閉まって寂しくなった通りもあります。それは町の市町村長も含めて、みんなが感じている課題だと思います。
ただ、子どもたちが地域とつながる学びの取り組みや、特産品を生かした商品づくりなど、新しい動きも出てきています。静かだけど、芯のところで前を向いている町だと感じますね。
Q7.浦幌町のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?
大きな施設というより、町民センターや浦幌町水源を支える環境を含めて、今あるものを大事に育てていく流れに期待しています。暮らしの土台があってこその町ですから。
あとは去年あたり町の北部で新しいK-Pg境界が見つかった話もあって、地学を切り口にした浦幌町観光がもっと広がればいいなと思っています。静かな町に、また一つ自慢が増えました。

