当麻町(とうまちょう)は、北海道上川地方・大雪山連峰の麓に位置する人口5,878人の町です。旭川市から北東へ約15km、車で約30分の距離にあります。
当麻町の魅力を5つに凝縮すると、こうなります:
- ✅ 真っ黒なブランドスイカ「でんすけすいか」──令和元年初競りで一玉75万円の値がついた発祥の地
- ✅ 北海道農協米対策本部の米ランキング12年連続1位──道内屈指の優良米産地
- ✅ 当麻鐘乳洞──北海道指定天然記念物・道内唯一の観光鍾乳洞(全長135m)
- ✅ 「夏バラ日本一」と評される「大雪の薔薇」の最北限産地
- ✅ 1893年・屯田兵400戸入植で開かれた上川盆地の開拓地(バス停「当麻0丁目」も名物)
「米と果実のうまい町を訪ねたい人」「鍾乳洞や地質に興味がある人」「旭川近郊で静かな移住先を探している人」に向いた町。本記事では、観光・特産・歴史から、現地の言葉や暮らしの様子まで地元目線で紹介します。
| 人口 | 5,878 人 ※2026年4月30日時点(住民基本台帳) |
|---|---|
| 面積 | 204.90 km² |
| 人口密度 | 28.7 人/km² |
当麻町は上川盆地の東端にあたり、東は上川町、南は旭川市、西は比布町、北は愛別町と接しています。町の西を石狩川が流れ、支流の牛朱別川が町内を抜けていきます。
JR石北本線の当麻駅・伊香牛駅が町内にあり、旭川駅から約20分でアクセスできます。町域の約65%は山林で、東部の山地はそのまま大雪山へとつながっています。
米・スイカ・バラ・鍾乳洞と、5,878人の町に「日本一」「道内唯一」が凝縮されています。ひとつずつ見ていきましょう。
当麻町の推しポイント

当麻町は「米とスイカとバラ」の三本柱で名前を売ってきた町です。それに加えて、北海道指定天然記念物の鐘乳洞、屯田兵入植から始まった開拓史、ソフトテニスの名門校──と、人口5,878人の小さな町とは思えないほど語れる要素が詰まっています。それぞれの一番濃いところを、ここで紹介していきます。
でんすけすいか──一玉75万円の真っ黒いスイカ
縞模様がほとんど見えない、真っ黒な大玉スイカ。1984年(昭和59年)、減反政策が進むなか「田を助ける」転作物として当麻農協青年部15人が栽培を始めたのが起源です。1本のつるから1玉だけを残す「一果採り」で育てられ、果重は6〜8kg。糖度11度以上が出荷基準で、初競りでは令和元年に75万円の値がつきました。
道内有数の米どころ──ランキング12年連続1位
北海道農協米対策本部の米ランキングで、当麻町産米は12年連続1位の評価を獲得しています。上川盆地の肥沃な土壌と、大雪山系の豊富な雪解け水、そして昼夜の寒暖差が、一等米比率の高い良食味米を生んでいます。
当麻鐘乳洞──道内唯一の観光鍾乳洞
1957年(昭和32年)、石灰岩採掘中に偶然発見された全長135mの鐘乳洞。1961年に北海道指定天然記念物となりました。北海道で観光できる鐘乳洞はここだけ。学術的にも珍しい「マカロニ鍾乳石」やヘリクタイトを見ることができ、洞内の気温は年間を通じて約11℃で夏でもひんやり涼しいです。
夏バラ日本一「大雪の薔薇」
本州が梅雨に入り高温多湿でバラの品質が落ち込む6〜9月、冷涼な当麻町の「大雪の薔薇」は良質な花を市場に出し続け、「夏バラ日本一」と評価されています。最北限のバラ産地として、寒暖差を味方につけた色鮮やかなバラが特徴です。
屯田兵400戸が開いた町・名物「当麻0丁目」バス停
1893年(明治26年)、広島・山口などからの屯田兵400戸(西当麻兵村・東当麻兵村)が入植し、上川盆地開発の一翼を担いました。町内には正式な「0丁目」という行政区分は存在しないにもかかわらず、道北バスの停留所には「当麻0丁目」が実在し、地元の名物になっています。
当麻町の歴史

当麻町の歴史は、明治の屯田兵入植から始まります。地名はアイヌ語の「トオマ」(湿地の多いところ)に由来するとされています。屯田兵による開墾、永山村からの分村、町制施行を経て、現在の米と果樹の町へとつながっていきました。
地名の由来とアイヌ語の痕跡
「当麻」という地名は、アイヌ語の「トオマ」または「トーオマナイ」(沼に行く川、湿地の多いところ)に由来するとされています。上川盆地の東端、石狩川と牛朱別川に挟まれた湿地帯であった土地の姿を、地名そのものが今も伝えています。
1893年・屯田兵400戸の入植
1893年(明治26年)8月、広島・山口などからの屯田兵400戸が、第三大隊第五中隊(西当麻兵村)と第三大隊第六中隊(東当麻兵村)として入植しました。明治23年の屯田兵条例改正以降、入植地は石狩川沿いに上川まで延び、当麻もその後期屯田の拠点のひとつとなりました。屯田兵による開拓は、上川盆地の本格的な農地化を支える役割を担いました。
分村から町制施行へ
1900年(明治33年)、永山村から分村して当麻村が成立しました。その後、1958年(昭和33年)に町制を施行し、現在の当麻町となりました。1957年には町内の開明地区で石灰岩採掘中に当麻鐘乳洞が発見され、1961年には北海道指定天然記念物に指定されています。減反政策が進んだ1984年には、農協青年部が転作物としてでんすけすいかの栽培を開始し、現在の看板特産品へと育てあげました。
当麻町の文化・風習

当麻町は旭川市の隣町であり、生活圏も言葉も旭川を中心とした上川エリアの北海道弁が話されています。米と野菜と果実が日々の食卓を支え、冬は雪に閉ざされる──そんな上川盆地らしい暮らしが、今も町の根っこにあります。
北海道弁と上川の言葉
町で耳にするのは典型的な北海道弁。「今日はなまら(とても・すごく)暑いべさ」「冬の朝はしばれる(厳しく冷え込む)から気をつけて」といった言い回しは、世代を問わず生きています。会話の終わりに「したっけ(それじゃあ・じゃあね)」と添えて別れるのも、上川エリアではお馴染みなんですよ。標準語に近いと言われる道央〜上川の北海道弁ですが、ちょっと長く話すとふっとこうした言葉が混じってきます。
食卓と季節の暮らし
米どころだけあって、食卓の主役はやっぱりごはんです。秋には新米、夏には自宅でぱかっと割るスイカ、冬は山菜の塩漬けや漬物が並ぶ──そんな農村らしい食卓が今も日常に残っています。ジンギスカンを庭で焼く文化も健在で、夏の週末はあちこちから煙が上がるんですよね。
四季と人の気質
真冬は氷点下20℃近くまで下がる日もある一方、夏は30℃を超えることもある内陸性気候。寒暖差の大きさが米と果実の甘みを生み、人の暮らしにもメリハリを与えています。屯田兵以来の開拓地らしく、町の人は「自分たちで作る」気質が強く、JA当麻青年部のでんすけすいか開発がその象徴と言えます。したっけ(それじゃあ)、次は特産品の話にいきましょう。
当麻町の特産品・食

でんすけすいか
真っ黒な皮、明るい紅色の果肉、スッキリとした強い甘み。糖度11度以上を厳しい選果基準でクリアしたものだけが「でんすけすいか」を名乗れます。旬は7月下旬〜8月のお盆あたりがピーク。冷やしてざっくり切って、そのまま食べるのが一番。シャリッとした食感がもうなまら(すごく)気持ちいいんですよ。1984年に田んぼの転作物として始まったブランドで、平均価格は1玉5,000〜10,000円ほど。地元の道の駅「とうま」では時期になるとずらりと並びます。
当麻産米
北海道農協米対策本部の米ランキングで12年連続1位を獲得した、道内屈指の良食味米。上川盆地の肥沃な土壌、大雪山系の雪解け水、そして昼夜の寒暖差が一等米比率の高さを支えています。新米の時期は9月下旬〜10月。炊きたてを塩むすびにして食べると、その甘みの強さがわかります。
大雪の薔薇
本州のバラ産地が高温多湿で苦しむ6月〜9月、当麻町産の「大雪の薔薇」は冷涼な気候を生かして良質な花を出荷し続け、「夏バラ日本一」と評価されています。寒暖差が花色を鮮やかにし、市場の信頼を集めています。最北限のバラ産地という地の利を、生産者の技術が引き出した一品です。
キュウリ・トマト・キク
でんすけすいかの陰に隠れがちですが、キュウリ・トマトの生産も盛んで、町花であるキクも特産品のひとつ。さらに町域の約65%を占める山林を生かし、当麻町森林組合が管理・施業・製材まで一貫して担い、町産木材を公共施設や住宅に活用する取り組みも続いています。食も花も木材も、この町の暮らしに地続きで根づいています。
当麻町の観光スポット

当麻町の観光は、町の北東にある「当麻山」周辺と、国道39号沿いの市街地に大きく二分されます。当麻山の麓には鍾乳洞・昆虫館・アスレチック・温泉・キャンプ場が徒歩圏内にぎゅっと集まっており、ここだけで1日遊べてしまうんですよ。市街地側には道の駅と、でんすけすいかの直売拠点。順番に見ていきましょう。
当麻山エリア──鍾乳洞と森のレジャー拠点
- 当麻鐘乳洞 – 1957年に石灰岩採掘中に発見された、北海道指定天然記念物・道内唯一の観光鍾乳洞。全長135m、洞内気温は年間を通じて約11℃で、夏でもひんやりしばれる(厳しく冷え込む)ような涼しさです。学術的に珍しいマカロニ鍾乳石やヘリクタイトを間近で観察でき、奥には「龍神の祠」も。4月下旬〜10月下旬の営業で、9:00〜17:00(受付は16:30まで)。
- 当麻世界の昆虫館パピヨンシャトー – 2,000種類・1万点の標本と、ヘラクレスオオカブトやハナカマキリの生体展示で知られる三角屋根の昆虫館。蝶の標本の量はかなりのもので、生体展示室ではナナフシやカブトムシに触れることもできます。営業期間は4月下旬〜10月下旬。
- とうまスポーツランド フィールドアスレチック – 当麻山の森のなかに30種類のポイントが組まれたアスレチックコース。池を渡るポイントもあるので、子ども連れは着替え持参が安心です。営業は4月下旬〜10月下旬、9:00〜17:00。
- くるみなの木遊館 – 当麻町の「木育」拠点。木製遊具で遊べる無料の屋内施設で、ガラス越しに木材加工の工程も見られます。雨の日や寒い日にも遊べる、知る人ぞ知るスポットなんですよ。10:00〜17:00。
- ヘルシーシャトー – スポーツランドの向かいにある温浴施設。長万部から運んだラジウム鉱石を浴槽に敷き詰めた、湯冷めしにくい湯が自慢。10:00〜22:00(入館は21:00まで)。アスレチックで遊んだ後にひと風呂、という流れがお決まりです。
市街地エリア──特産品と地酒に出会う
- 道の駅とうま(とうま物産館「でんすけさんの家」) – 国道39号沿い、当麻町市街入口に建つ道の駅。でんすけすいかは旭川市内のスーパーよりここの方が在庫もサイズも豊富と言われており、夏場はずらりと並ぶ黒い大玉に圧倒されます。当麻産米5品種、トマトジュース、当麻鐘乳洞で熟成させた日本酒「龍乃泉」など、ここでしか買えない品も多いです。営業時間は9:00〜18:00。
- 「当麻0丁目」バス停 – 行政区分としての「0丁目」は当麻町に存在しないにもかかわらず、町内中央7区にある道北バスの停留所だけは「当麻0丁目」を名乗っています。バス停マニアや地理好きが訪れる、ちょっと変わった町の名物。
- JR当麻駅 – 石北本線の駅。旭川駅から普通列車で約20分、特急停車駅でもあります。徒歩圏に町役場・公民館「まとまーる」があり、町歩きの起点になります。
当麻町の観光ルート

当麻町は旭川市の隣町ということもあり、旭川を起点にしたドライブで気軽に組み込めます。町内完結なら半日〜1日、旭川や層雲峡と組み合わせれば1日〜1泊2日のコースが組める立地です。代表的な3ルートを紹介します。
【車・1日】当麻山まるごと満喫ルート
9:00 旭川駅前 → 9:30 道の駅とうま(車30分・国道39号)
①道の駅とうま(滞在30分)
→ まずはでんすけすいかと当麻産米をチェック。地酒「龍乃泉」もここで仕入れておきましょう。朝一なら品揃えが一番充実しています。
10:00 道の駅とうま → 10:15 当麻鐘乳洞(車15分)
②当麻鐘乳洞(滞在60分)
→ 真夏でも洞内は約11℃。外との温度差で、入った瞬間に肌がひんやりするのを感じられます。マカロニ鍾乳石とヘリクタイトを探しながら、洞内をゆっくり一周。羽織るものを忘れずに。
11:30 当麻鐘乳洞 → 11:45 当麻山エリア(車15分)
③当麻世界の昆虫館パピヨンシャトー(滞在60分)
→ お昼前にひと足早く昆虫館へ。生きたヘラクレスオオカブトに触れる体験は子どもがもうなまら(すごく)夢中になります。
13:00 → ④とうまスポーツランド フィールドアスレチック(滞在90分)
→ 30種類のポイントを森のなかでチャレンジ。池ポイントもあるので、子連れは着替え必須です。
15:00 → ⑤ヘルシーシャトー(滞在60分)
→ ラジウム鉱石の湯でアスレチックの疲れをリセット。サウナと水風呂で外気浴できないぶん、湯にじっくり浸かるのがおすすめ。
16:30 ヘルシーシャトー → 17:00 旭川駅前(車30分)
【車・半日】食と特産をめぐる午後ルート
13:00 旭川駅前 → 13:30 道の駅とうま(車30分)
①道の駅とうま(滞在45分)
→ でんすけすいかが旬の7月下旬〜8月なら、ここで黒い大玉と対面できます。試食できる時期もあるので、冷えたシャリッとした食感をぜひ。
14:30 → ②くるみなの木遊館(滞在60分)
→ 雨でも遊べる木育拠点。木の香りに包まれてゆったり過ごせる、大人にも人気のスポットなんですよね。
15:45 → ③当麻0丁目バス停(滞在15分)
→ 町中央7区の道北バス停留所。「0丁目」という存在しない地名の看板の前で、記念写真を1枚。
16:15 → ④ヘルシーシャトー(滞在45分)
→ 半日コースの締めはやっぱり温泉。湯冷めしにくいラジウム泉でゆるんで帰ります。
17:30 旭川駅前へ(車30分)
【車・1日】広域ルート:当麻+層雲峡
9:00 旭川駅前 → 9:30 道の駅とうま(車30分)
①道の駅とうま(滞在30分)
→ 当麻産米と地酒をお土産にピックアップしておきます。
10:00 道の駅とうま → 10:15 当麻鐘乳洞(車15分)
②当麻鐘乳洞(滞在50分)
→ 地底の冷気と龍神の祠で「水の力」に触れたあと、源流の層雲峡へ向かう動線。
11:15 当麻鐘乳洞 → 12:30 層雲峡(車75分・国道39号)
③層雲峡・大雪山系(滞在3時間)
→ 当麻町の東隣・上川町にある北海道屈指の渓谷。流星の滝・銀河の滝、層雲峡温泉を楽しみます。
15:30 層雲峡 → 17:00 旭川駅前(車90分)
→ したっけ(それじゃあ)、最後は旭川で夕食をしめましょう。
当麻町の年間イベント

当麻町のイベントは、夏の蟠龍まつりが圧倒的な存在感を放っています。月1回ペースで開かれる「とうまマルシェ」や、文化の日の「生涯学習フェスティバル」など、年間を通して町民と観光客が交わる場が用意されています。
初夏〜秋:とうまマルシェ
毎年6月最終土曜から月1回ペースで開催される、当麻町内外の生産者・事業者が出店するマルシェ。会場は当麻山スキー場前(市街6区)で、開催日は10:00〜14:00です。農産物、加工品、雑貨が並び、生産者と直接話せるのが醍醐味なんですよね。新鮮なトマトやキュウリを、その日のうちに食卓へ持ち帰れます。
夏:とうま蟠龍まつり
毎年8月第1日曜日に当麻町公民館「まとまーる」前特設会場で開催される、町最大の夏祭り。当麻鐘乳洞に伝わる蟠龍伝説がモチーフで、午前11時のスタートから夜の花火まで丸一日続きます。なまら(すごく)見ごたえがあるのが、青と銀を基調にした「龍おどり」と、二頭の龍が登場する郷土芸能「蟠龍太鼓」。腹部にはアイヌ伝統楽器トンコリ奏者OKIさん描き下ろしのアイヌ文様があしらわれています。夕方の「千人踊り」で当麻音頭を全員で踊り、フィナーレは19時55分頃から約10分間の花火。打ち上げ場所が近いので、夜空に上がる花火を見上げる首の角度がほぼ真上になります。屋台、餅まき、抽選会と、ぎゅっと詰まった一日です。
秋:生涯学習フェスティバル
毎年11月3日「文化の日」に開催される、町民総出の文化の祭典。会場は公民館まとまーる・町立図書館・農村環境改善センターと町の文化施設まるごと。町内サークルや学校の絵画・写真・陶芸・木工・手芸作品が並び、歌・楽器演奏・ダンスの発表もにぎやかに行われます。観光客も入場でき、町の人の手仕事に触れられる貴重な機会です。
冬:スノーキャンプと鍾乳洞スノーシュー
当麻町は冬の楽しみ方も用意されています。雪に閉ざされたとうまスポーツランドではスノーキャンプが、閉鎖期間中の当麻鐘乳洞周辺ではスノーシューで歩く冬のツアーが企画されることがあります。夏の鍾乳洞とはまったく違う、白に包まれた当麻山の姿に出会えますよ。
当麻町のエリア別の顔

当麻町は、町の北東にある当麻山周辺の「観光・スポーツゾーン」、国道39号と当麻駅を中心とした「市街地」、そして西部の石狩川沿いに広がる「水田地帯」、東部の山林地帯に大きく分けられます。それぞれ顔つきが違うので、目的に合わせて訪れるエリアを選んでみてください。
当麻山エリア──1日遊べる森のレジャー基地
町の北東、標高292mの当麻山の麓に広がる「とうまスポーツランド」を中心としたエリア。鍾乳洞、昆虫館、アスレチック、フィールドボール(当麻町オリジナルスポーツ)、キャンプ場、温泉が徒歩圏内にすべて揃っています。家族連れと、自然のなかで思いっきり身体を動かしたい旅行者にお勧めしたいゾーンです。木立の中の空気はひんやりと湿っていて、夏でも木陰に入るとふっと涼しさが流れます。
市街地エリア──駅と道の駅で「町を味わう」
JR当麻駅、町役場、公民館「まとまーる」、そして国道39号沿いの道の駅「とうま」が並ぶ町の中心。でんすけすいかや当麻産米を買うならこのエリアです。観光客が午前中にさっと立ち寄り、特産品をピックアップしてから当麻山エリアへ移動する──そんな動線で訪れる人が多いです。「当麻0丁目」のバス停もこの中央エリアにあります。
水田地帯(西部・伊香牛エリア)──黄金色の上川盆地
町の西部、石狩川沿いに広がる平坦地は、北海道農協米対策本部の米ランキングで12年連続1位を取った当麻米の本拠地。JR伊香牛駅周辺には、見渡す限りの水田風景が広がります。秋の収穫期、稲が黄金色に色づく9月下旬〜10月の景色が一番きれいなんですよ。ドライブで風景を楽しみたい人向けのエリア。
東部山林エリア──大雪山へ続く森
町域の約65%を占める東部の山林地帯。当麻町森林組合が管理・施業・製材まで担うエリアで、林業の現場が今も生きています。観光向けの整備はあまりされていませんが、当麻鐘乳洞や、その奥の山々はそのまま大雪山連峰へとつながっていきます。「上川盆地の東端」を実感できる場所です。
当麻町の気候・季節の暮らし

当麻町は上川盆地の東端に位置する内陸性気候の町で、最寄りの観測地点である気象庁旭川観測地点の平年値(1991〜2020年)では、年平均気温は7.2℃、1月の平均気温は-7.0℃、8月の平均気温は21.2℃。年間降雪量の合計は557cm、最深積雪は89cmに達します。夏と冬の差が大きく、季節ごとに表情がはっきり変わる土地なんですよ。
夏──6月〜8月の暮らし
6月の日最高気温は平均22.8℃、8月でも平均26.6℃。北海道らしく湿度が低く、本州のような蒸し暑さがありません。エアコンがない家も多いのですが、ピーク時には30℃を超える日もあり、午後は涼しい当麻山の木陰や、ヘルシーシャトーの湯につかって涼を取る人が増えます。寒暖差の大きさが、でんすけすいかと当麻米の甘みを育てています。
秋──9月〜10月の暮らし
9月の平均気温は16.4℃、10月は9.4℃。日が短くなるスピードが速く、9月下旬には朝晩に薄い上着が必要になります。水田が黄金色に染まる稲刈り期は9月下旬〜10月上旬。10月下旬には初雪の便りも届きはじめ、当麻鐘乳洞・パピヨンシャトー・アスレチックといった観光施設が冬季休業に入ります。
冬──11月〜3月の暮らし
1月の平均気温は-7.0℃、平均最低気温は-11.7℃まで下がります。12月の月間降雪量合計は158cm、1月は125cm、2月は97cm。朝起きるとまず雪かきから1日が始まる、それが冬の当麻町の日常です。しばれる(厳しく冷え込む)朝には窓の外側が凍り、車のフロントガラスもガチガチに。住宅は二重窓・灯油FFストーブが標準装備で、室内は半袖でも過ごせるくらい暖かく保たれています。
春──4月〜5月の暮らし
4月の平均気温は5.6℃、5月は12.3℃。4月でも月間降雪量は15cm程度残るので、本格的な春は4月下旬から。雪が解けた畑から土の匂いが立ちのぼり、当麻鐘乳洞やとうまスポーツランドが4月下旬から営業を再開します。5月のゴールデンウィーク明けには田植えが始まり、町中に水を張った田が広がる景色が一気に出現するんですよね。
当麻町の移住・暮らし情報

当麻町は旭川市まで車で約30分という立地から、「旭川通勤+田舎暮らし」が現実的に成立する町。役場・学校・スーパー・診療所・郵便局がコンパクトに集約されていて、車1台あれば日常生活はほぼ町内で完結します。子育て世帯への支援が手厚いことでも知られています。
通勤・通学
町内勤務は農業・林業・町内事業所が中心。町外通勤は旭川市内が大多数で、車で約30分、JR石北本線の当麻駅から旭川駅までは普通列車で約20〜25分です。マイカー通勤が主流ですが、JR沿線住まいなら鉄道通勤も現実的な選択肢になります。
住宅環境
賃貸の流通は多くなく、SUUMOで検索しても物件数はかなり限定的。代わりに分譲地「ニュータウンとうま」「ハートフルタウンとうま」などが整備されており、戸建てを建てる移住者も多いです。町産材を使って新築する場合の補助、空き家・中古住宅の解体+新築で最大450万円の補助制度(未来へつなぐ宅地循環促進事業など)が用意されています。
買い物環境
町内には地元スーパー「ふじスーパー」、道の駅とうま、JA当麻の直売所などがあり、日常の食料調達は町内で完結します。大型商業施設での買い物は、車で30分の旭川市内(イオンモール旭川駅前など)が主な受け皿。週末にまとめ買いに行くスタイルが一般的と考えられます。
子育て・教育
町内には当麻幼稚園、当麻保育園、当麻小学校、宇園別小学校、当麻中学校が揃っています。子ども医療費は0歳から15歳まで無料化、予防接種も多くが無料、保育料も国基準より3〜5割安く設定されているなど、子育て支援は手厚い水準。さらに小中学生の修学旅行費全額補助、高校生に年間5万円の就学支援を行う「はばたけふる里応援事業」も整っています。
医療環境
町内には当麻町立診療所、当麻内科ペインクリニック、当麻歯科診療所、笹本歯科医院が揃っており、一次医療は町内で対応可能。専門医療や入院は旭川市内の総合病院に頼る体制です。車で30分の距離に旭川医科大学病院や市立旭川病院があるため、二次・三次医療へのアクセスは道内の小規模町としてはかなり恵まれていると考えられます。
エリア別の暮らし視点
暮らす視点で見ると、当麻駅と役場を中心とした「市街地エリア」が最も便利。役場・学校・診療所・スーパーが徒歩圏に集まる「ニュータウンとうま」「ハートフルタウンとうま」エリアは子育て世帯向き。西部の伊香牛エリアや北東の当麻山周辺は、農家・新規就農者・自然志向の移住者向き。東部山林エリアは林業・木育に関わる人向きと、暮らし方の選択肢がそれぞれ用意されています。
当麻町へのアクセス

当麻町は旭川市の隣町で、旭川駅から車・JRどちらでも約20〜30分。札幌から車で約2時間10分、旭川空港から車で約40分の位置にあります。鉄道はJR石北本線、車は国道39号と道央自動車道が主軸です。
車でのアクセス
札幌方面からは、道央自動車道で旭川北ICまで約1時間50分、そこから国道39号で当麻町中心部まで約20分。札幌駅前から当麻町役場までの総距離は約153km、所要時間は約2時間10分が目安です。旭川市内からは国道39号で約30分。冬期は道路に雪と凍結があるため、所要時間は1.2〜1.5倍を見ておくと安心です。
鉄道+バスでのアクセス
札幌駅 → 旭川駅は、JR函館本線特急ライラック・カムイで約1時間25分、運賃3,080円+特急自由席1,830円=5,440円。旭川駅でJR石北本線に乗り換え、普通列車で当麻駅まで約20〜25分(運賃340円・2026年5月時点)。特急「大雪」「オホーツク」も停車しますが本数は限られるため、普通列車の利用が現実的です。当麻駅から町内主要施設へは徒歩・タクシー・町営バスで移動できます。
飛行機でのアクセス
東京(羽田)からはフライト時間約1時間45分で旭川空港へ。旭川空港から当麻町中心部まで車で約30分〜40分(約25km)。空港バスで旭川駅前まで出てJR石北本線に乗り換える方法もありますが、レンタカーが圧倒的に便利です。
町内移動の現実的アドバイス
町内は車社会で、観光スポットも当麻山エリアと市街地エリアに分散しています。観光・移住の下見・暮らし、いずれの目的でもレンタカーまたはマイカーをおすすめします。鉄道利用の場合、JR当麻駅を起点にタクシー(当麻ハイヤー)を組み合わせるのが現実的なルートになりますよ。
【地元住民に直撃!】当麻町の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。
うちはね、でんすけすいか作ってる農家です。米も少しやってるけど、夏場は朝4時から起きてハウスでスイカの玉返し。1本のつるから1玉だけ残すから、ほんと手のかかる子みたいなもんですよ。
昭和59年に農協青年部の先輩らが減反で田んぼ余ったとこから始めた話を、わしらが受け継いでる感じだね。糖度11度切ったらもう廃棄、それくらい厳しい当麻町のブランドです。
Q2.この街に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?
まずは当麻鐘乳洞。北海道で観光できる鍾乳洞はここだけだから。中に入ると外と空気がぜんぜん違くて、夏でも肌がひやっとする。観光のおすすめスポットとしては王道だね。
あと地元民が好きなのは当麻山のスポーツランド周辺。運動公園みたいになってて、夕方に犬連れて散歩してる人多いんだわ。木の匂いと鳥の声しかしない時間帯がなまら気持ちいいですよ。
Q3.この市町村でお土産を買うとしたらなんですか?
有名なものといえば、やっぱりでんすけすいかと当麻米だね。米は12年連続日本一の評価もらってるから、5kgでも持って帰ってほしい。道の駅とうまに5品種そろってます。
地元の人間が買うのは、当麻鐘乳洞で熟成させた純米大吟醸「龍乃泉」。洞内で40日寝かせた酒で、観光の店頭にしか出ない数量限定品。これ知ってる人少ないから、渡すと喜ばれるんだわ。
Q4.外から人が来たときにまず連れていく店はどこですか?
まずは道の駅とうまの「でんすけさんの家」に寄ってもらう。夏ならスイカ、冬ならトマトジュースとか焼き菓子。当麻町の顔みたいな場所だから、最初に行くとイメージ掴みやすいんですよね。
そのあとはヘルシーシャトーね。ラジウム鉱石の湯で身体の芯まであったまる。汗かいたあとに当麻町水源の伏流水で淹れたコーヒー飲んで、ようやくひと息って感じです。
Q5.この市町村はどんな気質だと思いますか?
明治26年の屯田兵400戸からスタートした町だから、根っこに「自分らで作る」って気質があるね。でんすけすいかも、夏バラ日本一の薔薇も、ぜんぶ町民が自分らで育てたブランドですから。
派手さはないけど、口より先に手が動く人が多い。市町村民センターのまとまーるに行くと、誰かしら作品作ったり練習したりしてる。黙々と続けるのが上手な町なんだと思いますよ。
Q6.昔に比べて、街の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか
正直、人口は減ったね。わしが子どもの頃はもっと商店街に人いたけど、今は買い物は旭川行く人が多くなった。JRも将軍山駅が令和3年に廃止になって、寂しくなったのは事実です。
ただ、移住で入ってくる若い人や、サウナバスみたいに新しいこと始める町内事業者も増えてる。市町村長を中心に「食育・木育・花育」で町を売ってく方針も定着してきて、町の見せ方は確実に変わってきてるよ。
Q7.これから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?
道の駅とうまの周辺に田んぼの真ん中のサウナ施設「りとり〜とびれっじToma」ができて、観光の幅が広がってきた。ああいう、当麻町の景色そのものを売る発想は面白いと思ってるね。
あとは月1のとうまマルシェ。6月最終土曜から月1で開いてて、町内外の生産者が直接お客さんと話せる場ですよ。こういう小さい動きが続いていけば、町はまだまだ元気でいられると思ってます。

