奥州市(おうしゅうし)は、岩手県の内陸南部・北上盆地の南部に位置する人口10万人規模の市です。盛岡市に次ぐ県内第2の人口を持ち、仙台と盛岡のちょうど中間にあります。
奥州市の魅力を5つに凝縮すると、こうなります:
- ✅ 大谷翔平選手のふるさと──旧水沢市で生まれ育った世界的スター
- ✅ 前沢牛──「陸のトロ」と呼ばれる、国のGI登録ブランド黒毛和牛
- ✅ えさし藤原の郷とアテルイ──古代東北の歴史の中心地
- ✅ 南部鉄器──水沢は盛岡と並ぶ二大産地のひとつ(国の伝統的工芸品)
- ✅ 国立天文台と胆沢扇状地──緯度観測の地と日本最大級の扇状地
「野球と大谷翔平が好きな人」「ブランド和牛や果物を味わいたい人」「古代史や星空に興味がある人」に特におすすめの市。本記事では、歴史・特産・文化から、雪国の暮らしぶりまで地元目線で紹介します。
| 人口 | 103,282 人 ※2026年5月1日時点(推計人口) |
|---|---|
| 面積 | 993.30 km² |
| 人口密度 | 104 人/km² |
地理的には、北は花巻市・北上市・金ケ崎町、北西は西和賀町、南は一関市・平泉町、東は住田町、北東は遠野市、そして西は奥羽山脈をはさんで秋田県の東成瀬村に接しています。市の中央を北上川が南北に流れ、西側には日本最大級の胆沢扇状地が広がります。
東北新幹線・水沢江刺駅、JR東北本線・水沢駅、東北自動車道・水沢ICが通り、仙台・盛岡の中間という交通の要衝です。古代から続く歴史、世界に名を知られる和牛と鉄器、そして大谷翔平選手のふるさと。ひとつずつ見ていきましょう。
奥州市の推しポイント

奥州市の顔は、何といっても大谷翔平選手のふるさとであること。けれどそれだけではありません。古代に朝廷と戦ったアテルイの里であり、奥州藤原氏ゆかりの地であり、前沢牛・江刺りんごを生む県内一の農業地帯でもあります。さらに南部鉄器の産地として、星空を観測する天文台の地として──小さくない市域にいくつもの「顔」が詰まっています。ここからは5つを少し掘り下げて紹介します。
大谷翔平選手を生んだ町
奥州市は、メジャーリーガー大谷翔平選手が生まれ育った町です。1994年に旧水沢市で生まれ、奥州市立姉体小学校、水沢南中学校へと進みました(出典:奥州市公式サイト)。市は「大谷翔平選手ふるさと応援団」を設けて地元から応援を続けていて、水沢江刺駅の観光案内施設には記念コーナーも置かれています。野球好きなら、彼が見た景色を歩いてみたくなるはずですよ。
えさし藤原の郷とアテルイ──古代東北の中心地
この一帯は、古代東北の歴史の中心地でした。平安初期にはアテルイ(阿弖流為)が率いる地元勢力が朝廷軍と戦い、その後この地に胆沢城が築かれます。江刺地区にある「えさし藤原の郷」は、奥州藤原氏の時代を再現したテーマパークで、NHK大河ドラマのロケ地としてもたびたび使われてきました。歴史好きにはたまらない場所なんですよ。
前沢牛と江刺りんご──県内一の農業地帯
奥州市は、農業県・岩手のなかでも市町村別農業産出額がトップクラスの一大農業地帯です。前沢地区で育つ前沢牛は「陸のトロ」と呼ばれる極上の黒毛和牛。江刺地区の江刺りんごは、太陽をたっぷり浴びる無袋栽培で糖度が高く、市場で日本屈指の高値がつくブランドりんごです。どちらも後ほど詳しく紹介します。
南部鉄器の二大産地のひとつ
ずっしりと黒く光る南部鉄器。岩手の代表的な伝統工芸品ですが、その産地は盛岡と、ここ奥州市水沢の二つに分かれます。水沢の鋳物は平安時代後期に始まったとされ、日用品の鍋や釜を中心に発展してきました。鉄瓶で沸かしたお湯はまろやかで、一度使うと手放せなくなりますよ。
国立天文台と日本最大級の胆沢扇状地
水沢には、国立天文台の水沢キャンパスがあります。明治期に緯度観測所が置かれ、初代所長の木村栄博士が「Z項」を発見した、由緒ある天文の地です。市の西側に広がる胆沢扇状地は約2万ヘクタールという日本最大級の扇状地で、水田と屋敷林が点在する散居の風景が広がります(出典:奥州市の地域再生計画資料)。
奥州市の歴史

奥州市の歴史は、古代東北の物語そのものです。朝廷と蝦夷が激しくぶつかった舞台であり、その後は奥州藤原氏や伊達氏が治める要地となりました。近代には天文観測の中心地となり、2006年に5つの市町村が一つになって現在の奥州市が生まれました。三つの時代に分けて見ていきます。
古代──アテルイの里と胆沢城
この地方は古代、肥沃な土地として「日高見国」と呼ばれていました。平安時代初期、朝廷の東北進出に対し、アテルイとモレが率いる地元勢力は789年の巣伏の戦いで朝廷軍を退けました。しかし802年、征夷大将軍・坂上田村麻呂が胆沢城を築き、鎮守府がここに移されます。胆沢城跡は国の史跡に指定されています。
中世──奥州藤原氏と伊達領
平安後期には衣川を拠点とする安倍氏が栄え、前九年・後三年の役を経て藤原清衡が台頭しました。清衡は本拠を江刺の豊田館から平泉へ移し、奥州藤原氏として東北を治めます。その後この地は葛西氏の支配を経て、豊臣秀吉の奥州仕置の後に伊達領となりました。江戸時代の水沢は、仙台藩一門・水沢伊達氏(留守氏)の城下町として、また奥州街道の宿場町として230年余り栄えました。
近代から現代──緯度観測と市の誕生
幕末から近代にかけて、水沢は多くの偉人を輩出しました。蘭学者の高野長英、政治家の後藤新平、首相を務めた斎藤実は「水沢三偉人」と呼ばれています。1899年には水沢に緯度観測所が置かれ、木村栄博士のZ項発見によって世界的な観測拠点となりました。そして2006年、水沢市・江刺市・前沢町・胆沢町・衣川村が合併し、現在の奥州市が誕生しました。
奥州市の文化・風習

方言と話し方の特徴
奥州市は旧仙台藩領にあたり、岩手県南の言葉が使われています。たとえば同意するときのんだ(そうだ)、念を押すんだべ(そうだよね)。かわいいものを見ればめんこい(かわいい)と言い、丁寧に話すときは語尾に〜す(〜です・ます)を付けることがあります。方向を示すときのさ(「山さ行く=山へ行く」の「へ」にあたる)も特徴的です(出典:岩手県立図書館)。やわらかな響きの中に、雪国らしい粘り強さがにじむ言葉づかいですよ。
食卓と季節の暮らし
奥州市は寒暖差の大きい大陸性気候で、冬は豪雪地帯に指定されるほど雪が積もります。冬の朝はマイナス15度を下回ることもあり、夏はフェーン現象で35度を超える日もあるんですよ。そんな土地だからこそ、食卓には体を温めるものが並びます。南部鉄器の鉄瓶でお茶を淹れ、ハレの日には前沢牛のすき焼き、秋から冬には江刺りんごが食卓に上る──四季がはっきりしているぶん、季節の恵みが暮らしに溶け込んでいます。
祭りと人の気質
水沢には、火災予防を願って踊り屋台が街を練り歩く「日高火防祭」が4月に伝わります。一方で、黒石寺で1000年以上続いた裸祭り「黒石寺蘇民祭」は、担い手の高齢化により2024年2月の開催を最後に長い歴史に幕を下ろしました(出典:奥州市公式サイト)。厳しい冬を地域で支え合ってきた土地だけに、人と人との距離が近く、初めて訪れても気さくに声をかけてもらえる温かさがあります。
奥州市の特産品・食

特産品1:前沢牛
奥州市を代表するブランド和牛が前沢牛。前沢地区で肥育された黒毛和種のうち、肉質等級4以上などの基準を満たし、JA岩手ふるさとを経由したものだけが名乗れます。国の地理的表示(GI)保護制度にも登録されている折り紙付きの和牛です(出典:地理的表示産品情報発信サイト(農林水産省GI登録))。きめ細かな霜降りはしつこくなく、口に入れた瞬間にとろけていきます。なかでも炙りにぎりは「陸のトロ」と呼ばれる絶品。すき焼き、しゃぶしゃぶ、ステーキ、どんな食べ方でもハズれません。良質な稲わらを食べて育つ循環型の肥育が、この味を支えています。
特産品2:江刺りんご
江刺地区の江刺りんごは、日本屈指の高級ブランドりんごです。袋をかけない無袋栽培と、木を低く仕立てるわい化栽培で、一玉一玉に太陽の光が行き届きます。糖度は13〜14度と高く、甘みと酸味のバランスが見事(出典:JA江刺)。旬は秋から冬で、主力はジョナゴールド、サンふじ、シナノゴールドなど。2019年の初競りでは「サンふじ」1箱に過去最高の140万円がついたこともあります(出典:奥州市公式サイト)。完熟ぎりぎりまで待って収穫するから、かじると蜜と果汁があふれますよ。
特産品3:南部鉄器
食卓を支える伝統の道具が南部鉄器です。水沢の鋳物は、平安時代後期に藤原清衡が近江から鋳物師を招いて始まったと伝えられ、盛岡と並ぶ二大産地のひとつ。1975年に国の伝統的工芸品に指定されています(出典:奥州市公式サイト、経済産業省東北経済産業局)。鉄瓶で沸かしたお湯は角がとれてまろやかになり、鉄分も補えます。重さと手触りの良さは、一生使える相棒になってくれますよ。
特産品4:岩手ふるさと米・江刺金札米
米どころとしての奥州市も見逃せません。胆沢扇状地の肥沃な土壌と焼石連峰のきれいな雪解け水、そして前沢牛などの堆肥を生かした循環型農業で育つお米は、全国の食味ランキングで高い評価を重ねてきました。ひとめぼれを中心に、つやつやとした炊き上がりとふっくらした食感が自慢です。前沢牛のすき焼きに、地元の白いご飯。これぞ奥州の贅沢な食卓なんですよ。
現地に行くのはなかなか難しい方もいますよね。でもふるさと納税なら、実質2,000円の自己負担で全国の特産品が返礼品として届きます。
会社員ならワンストップ特例で確定申告も不要です。
返礼品は数万点あるので、迷ったらAmazonの【今みんなが選んでいる人気返礼品ランキング】から見るのが失敗しないコツですよ。
楽天ユーザーの方は【返礼品ランキング総合TOP100】でチェックしてみてくださいね。
奥州市の観光スポット

奥州市の見どころは、大きく分けて「古代の歴史」「科学と自然」「城下町とふるさと」の3つ。平安建築が並ぶテーマパークから、星を観測する天文台、巨大ダム、そして大谷翔平選手が育った町並みまで、性格の違うスポットが市内に点在しています。まずはエリアをまたいで押さえておきたい場所を紹介していきますね。
古代の歴史にひたるスポット
- 歴史公園えさし藤原の郷 – 奥州藤原氏の時代を再現した約20ヘクタールの歴史テーマパークで、平安建築が大小約120棟も立ち並びます。開園時間は9:00〜17:00(11〜2月は9:30〜16:00)、入場料は大人1,000円・高校生800円・小中学生500円、休園は1月1日です(出典:歴史公園えさし藤原の郷)。1993年の大河ドラマ「炎立つ」のために造られて以来、数々の作品のロケ地になってきました。寝殿造の伽羅御所に立つと、本当に平安貴族になった気分を味わえますよ。
- 胆沢城跡 – 802年に坂上田村麻呂が築き、朝廷の鎮守府が置かれた古代城柵の跡で、国の史跡に指定されています(出典:奥州市公式サイト)。今は広々とした原っぱですが、ここがアテルイたちの戦った舞台のすぐそばだと思うと、足元の土がぐっと重みを増して感じられます。
- 正法寺 – 1348年に開かれた曹洞宗の古刹で、かつては福井の永平寺などと並ぶ第三の本山でした。法堂・庫裡・惣門が国の重要文化財に指定され、約720平方メートルの法堂は日本最大級の茅葺屋根として知られています(出典:奥州市公式サイト)。境内に一歩入ると時間がゆっくり流れ、背筋が自然と伸びるような静けさに包まれますよ。
- 黒石寺 – 東北地方でも最古級の寺で、木造薬師如来坐像など複数の仏像が国の重要文化財です。1000年以上続いた裸祭り「黒石寺蘇民祭」の舞台でしたが、この祭りは担い手不足により2024年2月の開催を最後に幕を下ろしました(出典:奥州市公式サイト)。祭りは終わっても、古仏が伝える静かな祈りの場としての魅力は今も変わりません。
科学と自然に出会うスポット
- 国立天文台水沢・奥州宇宙遊学館 – 明治期に置かれた緯度観測所を前身とする、天文研究の拠点です。構内の見学は無料(9:00〜17:00)、併設の奥州宇宙遊学館は大人300円・生徒児童150円で、休館は火曜日と年末年始です(出典:奥州市公式サイト)。4次元デジタル宇宙シアターで宇宙の果てまで旅したあと、大正建築の旧本館を眺めると、宮沢賢治が通った時代の空気がふっと漂ってきますよ。
- 胆沢ダム・奥州湖 – 2013年完成の中央コア型ロックフィルダムで、堤頂の長さ723メートルは国内最長クラス。わが国最大級の規模を誇ります(出典:奥州市公式サイト)。ダム湖「奥州湖」を見下ろす眺望台に立つと、ブナ林と焼石連峰を背にした水面が広がります。新緑も紅葉も雪景色も、季節ごとに表情を変える絶景スポットですよ。
- 胆沢扇状地の散居集落 – 胆沢ダムの水が潤す、約2万ヘクタールという日本最大級の扇状地。屋敷林に囲まれた家々が田園に点在する散居の風景が広がります。車でゆっくり走ると、緑のなかに家が島のように浮かぶ独特の景色に出会えます。夕方、西日が屋敷林を照らす時間帯が特におすすめです。
城下町と大谷翔平のふるさとスポット
- 水沢の武家屋敷(侍町) – 仙台藩一門・水沢伊達氏の城下町だった水沢には、今も武家屋敷の町並みが残り「みちのくの小京都」と呼ばれます。旧高橋家住宅や旧後藤家住宅は国の重要文化財です(出典:奥州市公式サイト)。生け垣と土塀が続く小路を歩けば、城下町の落ち着いた空気がそのまま残っているのを感じられますよ。
- 大谷翔平選手のふるさと(水沢周辺) – 奥州市は大谷翔平選手が生まれ育った町で、市が「ふるさと応援団」を設けて応援を続けています(出典:奥州市公式サイト)。水沢江刺駅の観光案内施設には記念コーナーがあり、彼が通学した町並みを訪ねるファンの姿も見られます。野球好きなら、ヒーローの原点を歩いてみる価値がありますよ。
奥州市の観光ルート

奥州市は東西に広く、見どころが各地域に散らばっているので、車での移動が基本になります。歴史と科学を一日でめぐるルート、自然をのんびり楽しむ半日ルート、そして南隣の世界遺産・平泉とつなぐ広域ルートの3つを組んでみました。旅のスタイルに合わせて選んでみてくださいね。
【車・1日】水沢〜江刺 歴史と科学ルート
9:00 水沢駅 → 9:10 奥州宇宙遊学館(車10分)
①国立天文台水沢・奥州宇宙遊学館(90分)
→ 朝いちばんは人が少なく、宇宙シアターをゆっくり楽しめます。大正建築の旧本館も朝の光が似合います。
10:50 → 11:10 水沢の武家屋敷(車・徒歩で散策)
②水沢の武家屋敷(侍町)(60分)
→ 城下町の小路を歩いて、昼前の静かな町並みを味わいます。土塀沿いの散策は午前中が涼やかですよ。
12:30 昼食(水沢市街で前沢牛ランチ) → 14:00 えさし藤原の郷(車25分)
③歴史公園えさし藤原の郷(120分)
→ 午後はたっぷり時間をとって平安建築群を巡ります。衣装体験や弓矢体験も楽しめます。
16:30 → 17:00 黒石寺(車20分・外観参拝)
④黒石寺(30分)
→ 夕暮れの古寺は、しんと静まり返って厳かな雰囲気。一日の締めくくりにぴったりです。
【車・半日】胆沢 自然満喫ルート
13:00 水沢駅 → 13:30 胆沢扇状地(車30分・散居集落ドライブ)
①胆沢扇状地の散居集落(40分)
→ 屋敷林に囲まれた家々の間をのんびり走ります。午後の光が田園を照らす時間が気持ちいいですよ。
14:10 → 14:40 胆沢ダム(車30分)
②胆沢ダム・奥州湖(60分)
→ 眺望台から奥州湖と焼石連峰を一望。資料展示室も無料で見学できます。
15:40 奥州湖交流館(30分)
③奥州湖交流館(30分)
→ ダムや扇状地の成り立ちを学べる拠点。ドライブの休憩にちょうどいい場所です。
16:10 → 焼石連峰のビューポイントへ立ち寄りながら帰路
④焼石ビーチライン(ブナ林)(適宜)
→ 帰り道はブナ原生林を眺めながら。新緑と紅葉の季節は特に見事です。
【車・1日】広域ルート:奥州と平泉をつなぐ古代浪漫
9:00 水沢駅 → 9:25 えさし藤原の郷(車25分)
①歴史公園えさし藤原の郷(120分)
→ 奥州藤原氏の興りの地、江刺からスタート。平安の世界にどっぷり浸かります。
11:45 → 12:15 胆沢城跡(車30分)
②胆沢城跡(40分)
→ アテルイと坂上田村麻呂の時代に思いを馳せます。昼食は水沢か前沢で前沢牛を。
14:00 → 14:40 平泉(車40分・奥州市から南下)
③平泉(中尊寺方面)(150分)
→ 奥州藤原氏が本拠を移した世界遺産の地へ。江刺で見た「興り」と平泉の「黄金文化」がつながります。
※平泉は隣接する平泉町のエリアです。奥州市の古代史とセットで巡ると、物語の流れが立体的に見えてきますよ。
ここまで見てきたとおり、見どころが少し離れた場所に点在していることもあります。気になるスポットをまとめて回るなら、レンタカーがあると一気に動きやすくなりますよ。料金は会社や時期でけっこう変わるので、まとめて比較できるサイトでサッと見ておくのがおすすめです。
【エアトリ
】でレンタカーをまとめて比較する
そして遠方から訪れるなら、思いきって一泊するのもおすすめです。日帰りでは通り過ぎてしまう夜や朝の時間に、その町ならではの静けさや表情に出会えます。お祭りやイベントの時期は宿が一気に埋まるので、早めの確保が安心ですよ。
【じゃらんnet
】でこのエリアの宿を探す
奥州市の年間イベント

奥州市は、春の祭りから秋の産業まつりまで、季節ごとに行事がそろう町です。なかでも春は「奥州三大春まつり」と呼ばれる祭りが続き、市内がいちばん華やぐ時季。一年の流れに沿って紹介していきますね。
春〜初夏:火防祭と牛まつりで町が華やぐ
春の主役は、毎年4月に水沢で開かれる日高火防祭です。300年以上続く火防祈願の祭りで、岩手県の無形民俗文化財に指定されています(出典:奥州市公式サイト)。豪華なはやし屋台が街を練り歩き、夜にぼんぼりの灯りのなかで各町組が競い合う「揃い打ち」は、笛と太鼓の音が夜気に響いて鳥肌が立つ美しさですよ。
続いて毎年5月には、火防祭を起源とする江刺甚句まつりが江刺の大通りで開かれます(出典:奥州市公式サイト)。市民総参加でにぎわう、初夏らしい明るいお祭りです。
そして毎年6月ごろには、前沢で前沢牛まつりが開催されます(出典:奥州市公式サイト)。会場では前沢牛をその場で焼いて味わえて、牛の鳴きまねコンテストなどの催しも。炭火の上でとろける霜降り肉の香りに、お腹がぐうっと鳴ること間違いなしです。
夏:各地域の夏まつりでにぎわう
夏になると、市内の各地域でそれぞれの夏まつりが開かれます。江刺の七夕まつりやみちのく盂蘭盆まつり、毎年8月16日の前沢夏まつりなど、地域ごとに趣の違う行事が続きます(出典:奥州市公式サイト)。提灯の灯りと屋台の熱気のなかで、地元の人と肩を並べて夏の夜を過ごす時間は格別ですよ。
秋:鉄器と実りを楽しむまつり
秋は実りと産業の季節。水沢では伝統工芸の奥州市南部鉄器まつりが開かれ、鉄器が特別価格で並び、弁慶鉄下駄飛ばし大会などの催しでにぎわいます(出典:奥州市公式サイト)。市内各地で産業まつりも続き、ちょうど江刺りんごが旬を迎える時季でもあります。鉄瓶を手に取りながら、秋の味覚を探す散策が楽しいですよ。
冬:雪国の静かな見どころ
冬は雪深い奥州ならではの過ごし方を。曹洞宗の古刹・正法寺では、毎年冬に涅槃図の特別公開が行われ、雪に包まれた茅葺屋根の伽藍が一段と荘厳に見えます。国見平スキー場でウィンタースポーツも楽しめます。なお、長く冬の風物詩だった黒石寺蘇民祭は2024年に幕を下ろしましたが、その記憶は今も地域に深く根づいています。
奥州市のエリア別の顔

奥州市は、2006年に合併した旧5市町村が、それぞれ総合支所を置く5つの地域として今も個性を保っています(出典:奥州市の本庁方式の区分)。水沢・江刺・前沢・胆沢・衣川──同じ市内でも顔つきがまるで違うので、旅の目的に合わせてエリアを選ぶのがおすすめです。それぞれの個性を見ていきましょう。
水沢エリア──城下町と科学が同居する中心地
市の中心となるのが水沢エリア。武家屋敷が残る城下町でありながら、国立天文台や南部鉄器の工房が息づく、歴史と科学が同居する町です。大谷翔平選手が育った町でもあります。城下町散策や天文台見学を楽しみたい人、まちなかでグルメを探したい人に向いていますよ。
江刺エリア──平安ロマンと蔵まちの町並み
江刺エリアは、えさし藤原の郷を擁する歴史の里。蔵造りの建物が並ぶ「蔵まち」の町並みや、最高級ブランドの江刺りんごの産地としても知られます。平安の世界に浸りたい人、レトロな町歩きや果物狩りを楽しみたい人にぴったりのエリアです。
前沢エリア──前沢牛の香り漂う牛の町
前沢エリアは、何といっても前沢牛の里。町のあちこちに牛のモニュメントが置かれ、「牛の町」として全国に知られています。グルメ目当ての旅なら迷わずここへ。とろける和牛をお腹いっぱい味わいたい人におすすめのエリアですよ。
胆沢エリア──扇状地に広がる散居の風景
胆沢エリアの主役は、日本最大級の胆沢扇状地と胆沢ダム。屋敷林に囲まれた散居集落の風景が広がり、焼石連峰の大自然も間近です。のんびりドライブしたい人、雄大な景色や登山・アクティビティを楽しみたい人に向いています。
衣川エリア──安倍氏と古戦場の歴史の地
衣川エリアは、平安後期に安倍氏が拠点とし、源義経ゆかりの伝承も残る歴史の地。世界遺産・平泉とも川一本で隣り合う、いにしえの境界の土地です。静かに歴史をたどりたい人、平泉とあわせて古代史を深掘りしたい人におすすめのエリアです。
奥州市の気候・季節の暮らし

奥州市は、奥羽山脈と北上山地に挟まれた北上盆地にあり、寒暖差の大きい大陸性の気候です。江刺地区の年平均気温はおよそ11℃で、夏と冬、昼と夜の気温差がはっきりしています(出典:気象庁)。降雪が多く、豪雪地帯にも指定されている土地です。四季のメリハリがはっきりしているので、暮らしも季節とともに大きく表情を変えますよ。
夏──暑さと夕立の季節
夏はフェーン現象の影響で、35℃を超える猛暑日になることもあります。江刺の8月の平均最高気温は29℃前後です(出典:気象庁)。盆地特有の蒸し暑さはありますが、朝晩は比較的涼しく、夜になると窓を開けて過ごせる日も多いんですよ。
秋──実りと紅葉が彩る季節
秋は一年でいちばん過ごしやすい季節。胆沢ダム周辺や焼石連峰の紅葉が色づき、江刺りんごが旬を迎えます。空気が澄んで天文台の星空観望にもぴったりの時季です。朝晩はぐっと冷え込むので、上着が一枚欲しくなりますよ。
冬──雪と氷点下に備える季節
冬は冷え込みが厳しく、1月の平均最低気温は-5℃前後。近年は2021年1月に-18.3℃を観測したこともあります(出典:気象庁)。雪も多いため、暮らすなら雪かきや冬タイヤ、しっかりした暖房は欠かせません。底冷えする朝、雪を踏むキュッという音とともに一日が始まる──それが奥州の冬の日常です。
春──雪解けと祭りの季節
春は雪解けとともに一気に町が動き出します。4月の日高火防祭を皮切りに祭りが続き、桜の名所・水沢公園もにぎわいます。寒暖差が大きく風の強い日もありますが、長い冬を越えたぶん、春の訪れの喜びはひとしおですよ。
奥州市の移住・暮らし情報

奥州市は、岩手県内で盛岡市に次ぐ人口を持つ県南の中心都市。新幹線も高速道路も通り、買い物環境も整っているので、地方暮らしのなかでは利便性が高い町です。前沢牛や江刺りんごといった食の豊かさも、暮らしの大きな魅力。住む視点で具体的に見ていきますね。
通勤・通学
市内の中心は水沢エリアで、市役所や商業施設、JR水沢駅が集まっています。通勤は車が基本で、隣接する北上市や金ケ崎町の工業団地へ通う人も多いと考えられます。トヨタ系や半導体関連の工場が近く、ものづくりの仕事に通いやすい立地です。
住宅環境
賃貸はアパートが中心で、水沢駅周辺に物件が集まっています。アパートの2LDK・3DKクラスの家賃相場はおよそ5万円台前半です(出典:SUUMO)。市外から移住して住宅を建築・購入する場合、最大100万円の補助制度もあります(出典:奥州市公式サイト)。広い土地に庭付きの家を、という暮らしも現実的ですよ。
買い物環境
幹線道路沿いには大型スーパーやホームセンター、コンビニ、飲食店が並び、山間部からも車で30分以内で利用できます(出典:岩手県移住定住ポータルサイト)。産直施設も充実していて、前沢牛や採れたての野菜・果物が手に入るのは、この町ならではの贅沢です。
子育て・教育
子育て支援も手厚く、世帯内2番目以降の子どもの保育料無料や、在宅で第2子以降を育てる世帯への月額1万円の支援金などがあります(出典:岩手県移住定住ポータルサイト)。遠距離通学にはスクールバスも運行されています。大谷翔平選手を育てた町という土地柄、子どものスポーツ環境にも目が向く地域ですよ。
医療環境
医療は、市の医療局が総合水沢病院やまごころ病院、前沢・衣川の診療所などを運営しています(出典:奥州市公式サイト)。加えて急性期医療を担う岩手県立胆沢病院もあり、県南地域の医療拠点となっています(出典:岩手県立胆沢病院)。いざというときに総合病院が市内にあるのは心強いですね。
エリア別の暮らし視点
暮らしの利便性なら、商業と交通が集まる水沢エリアが第一候補。江刺エリアは歴史と田園が調和した落ち着いた住環境です。前沢・胆沢・衣川エリアは、より自然に近く、広い住まいやのびのびした子育てを求める人に向いています。どのエリアも車があれば中心部へ無理なく出られますよ。
奥州市へのアクセス

奥州市は、東北新幹線・水沢江刺駅、JR東北本線・水沢駅、東北自動車道の各インターチェンジがそろう、交通アクセスの良い町です。仙台と盛岡の中間という立地で、首都圏からも新幹線一本で向かえます。交通手段ごとに見ていきましょう。
鉄道でのアクセス
東京方面からは東北新幹線が便利です。やまびこ号で東京駅から水沢江刺駅まではおよそ2時間50分です(出典:JR東日本)。速達タイプの「はやぶさ」は水沢江刺駅に停まらないので、東京からはやまびこ号を選ぶか、一ノ関駅でやまびこ号に乗り換えると確実ですよ。
車でのアクセス
車なら東北自動車道が大動脈です。水沢IC・奥州スマートIC・平泉前沢ICが市内および近接にあり、仙台方面からも盛岡方面からもスムーズに入れます(出典:奥州市公式サイト)。市内は東西に広いので、観光も生活も車があると断然動きやすいです。
飛行機でのアクセス
遠方からは、いわて花巻空港が最寄りです。札幌・大阪・名古屋・福岡などとを結ぶ便があり、空港から奥州市までは車でおよそ40〜50分と考えられます。仙台空港から新幹線を乗り継ぐルートも現実的ですよ。
町内移動の現実的アドバイス
市内は鉄道駅が限られ、見どころが各地域に散らばっているため、移動はレンタカーや車が基本になります。新幹線の水沢江刺駅と在来線の水沢駅は離れているので、目的地に合わせて使い分けるのがコツ。観光なら水沢江刺駅で降りてレンタカーを借りると、えさし藤原の郷も胆沢ダムも一日で回れますよ。
交通手段ごとに見てきましたが、「結局いちばん安く行くにはどうすれば?」と迷う方も多いはず。飛行機で向かうなら、航空券は予約のタイミングや会社によって料金が大きく変わります。複数の航空会社・LCCをまとめて比較できるサイトで、いちど最安値をチェックしておくと安心ですよ。
【トラベリスト】
で航空券をまとめて比較する
【地元住民に直撃!】奥州市の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。
江刺でりんごを育てています。サンふじやジョナゴールドが中心で、袋をかけない無袋栽培なんですよ。太陽をめいっぱい浴びさせて、完熟ぎりぎりまで木に成らせるのがうちのやり方です。
朝から畑に出て、花摘みから摘果、葉摘みまで手をかけます。手間はかかりますが、その分甘くなる。子どもみたいに育てたりんごが市場で評価されると、やっぱり嬉しいですね。
Q2.奥州市に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?
有名どころなら、やっぱりえさし藤原の郷。平安の建物が並んでいて、歩いていると本当に時代がさかのぼったみたいになるんですよ。地元の子は遠足で必ず行く場所なんです。
あとは地元目線でいうと胆沢ダムの奥州湖。焼石連峰を背に水をたたえた風景は、季節ごとに表情が変わります。胆沢の散居集落を車で抜ける道も、屋敷林が島みたいに浮かんで見えて好きですね。
Q3.奥州市でお土産を買うとしたらなんですか?
定番なら、やっぱり南部鉄器ですね。水沢は昔からの産地で、鉄瓶でお湯を沸かすとまろやかになるんですよ。長く使える、いい贈り物になります。
食べ物なら前沢牛と、秋なら断然うちらのりんご。あとは地元の人がよく買うのが、りんごを使ったジュースやお菓子。観光客はあまり知らないけれど、産直の売り場に並ぶ加工品はどれも外れがないんです。
Q4.外から人が来たときに、奥州市でまず連れていく店はどこですか?
まずは前沢牛を食べてもらいたいですね。霜降りがとろけるあのお肉は、よそではなかなか味わえませんから。すき焼きでも炙りでも、一度食べると驚かれます。
気取らずに行くなら、昔ながらの定食屋さん。出汁と油の匂いがして、地元の常連がのんびりしている、ああいう空気の店に連れて行くと、かえって奥州らしさが伝わる気がするんです。
Q5.奥州市はどんな気質だと思いますか?
雪深い土地で支え合ってきたからか、人との距離が近くて、世話好きな人が多いと思います。初めて来た人にも、気軽に声をかけてしまうところがありますね。
派手さはないけれど、こつこつ真面目。りんごでも牛でも鉄器でも、手間を惜しまず一つひとつ仕上げる職人気質が、根っこに流れている町だと感じます。
Q6.昔に比べて、奥州市の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?
正直なところ、水沢駅前の商店街は昔のにぎわいが薄れました。大きな店が郊外に移って、人の流れも変わりましたから、寂しく感じることはあります。
一方で、大谷翔平選手のおかげで町の名前が全国に知られるようになって、外から訪ねてくる人も増えました。市民センターや運動公園に若い家族の姿を見ると、まだまだ元気だなと嬉しくなりますね。
Q7.奥州市のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?
大きな話だと、巨大な加速器を誘致する計画があると聞いています。実現すれば世界中から研究者が集まると言われていて、町がどう変わるのか楽しみにしているんですよ。
身近なところでは、天文台や水源の豊かな自然を生かした体験の場が広がってほしいですね。りんごも前沢牛も、この水と大地あってこそ。次の世代にこの土地の恵みをつないでいけたらと思っています。

