【岩手県久慈市】ってどんなとこ?琥珀と北限の海女の町【地元民のリアルな声あり】

岩手県久慈市の久慈大橋と夜景:久慈川にかかる久慈大橋は、夜になるとライトアップされ、水面に映る幻想的な夜景を楽しめる隠れた名所です。

久慈市(くじし)は、岩手県北東部の太平洋沿岸に位置する人口28,955人のまちです。盛岡から車で約2時間、八戸からは約1時間の距離にあります。

久慈市の魅力を5つに絞ると、こうなります:

  • 国内最大の琥珀の産地──白亜紀の地層から「虫入り琥珀」も採れ、国内唯一の琥珀専門博物館がある
  • 北限の海女──小袖海岸で夏に素潜り実演。NHK連続テレビ小説『あまちゃん』のロケ地
  • 600年以上続く久慈秋まつり──高さ約12mの手づくり山車8台が市街地を練り歩く
  • 柔道十段・三船久蔵のふるさと──「空気投げ」を生んだ「柔道のまち」
  • 日本一の山ぶどうの郷とまめぶ汁──「やませ」が育む山と海の幸

「琥珀や化石にロマンを感じる人」「海女文化や朝ドラの聖地をめぐりたい人」「山の郷土食を味わいたい人」におすすめのまちです。序盤では街の顔となる見どころを、中盤以降では歴史・文化・食を地元目線で掘り下げていきます。

人口28,955 人 ※2026年5月1日時点(推計人口)
面積623.50 km²
人口密度46.4 人/km²

地理的には、北で洋野町軽米町、西で九戸村葛巻町、南で岩泉町野田村と接し、東は太平洋に面しています(出典:日本交通公社 全国観光資源台帳)。市域は北上高地の北端から海岸段丘まで広がり、海の幸と山の幸が出会うまちです。

鉄道はJR八戸線と三陸鉄道リアス線の久慈駅が玄関口。琥珀・海女・祭り・柔道と、この一帯には全国に知られた「顔」がいくつも詰まっています。ひとつずつ見ていきましょう。

目次

久慈市の推しポイント

久慈市の見どころは、ひとことでは語りきれません。地中から掘り出す「琥珀」、海に潜る「北限の海女」、街を練り歩く山車、柔道の聖地、そして高原の白樺林。地学・歴史・食・人がそれぞれ別の角度から街の顔になっています。ここでは代表的な5つを、少しずつ肉付けして紹介します。

推しポイント1:国内最大の琥珀の産地

久慈地方は、国内最大の琥珀の産地として知られています(出典:久慈市公式サイト)。久慈の琥珀は中生代白亜紀後期、およそ8,500万〜9,000万年前のもので、宝飾品に使われる琥珀としては世界でも最も古い年代に属します。市内の久慈市郊外には国内で唯一の琥珀専門博物館「久慈琥珀博物館」があり、白亜紀の地層を実際に掘る採掘体験もできるんですよ。

推しポイント2:小袖海岸と北限の海女

素潜り漁でウニやアワビを採る海女の「北限」として知られるのが、久慈市の小袖海岸です。例年7〜9月の土日祝には、伝統の磯着姿でウニを採る素潜り実演が行われます(出典:久慈市公式サイト)。この海女漁は平成30年度に「久慈の海女漁の技術」として久慈市の無形民俗文化財に指定されました(出典:同上)。冷たい三陸の海に一気に10m潜る姿は、見ていて息をのみます。

推しポイント3:『あまちゃん』の聖地ともぐらんぴあ

2013年放送のNHK連続テレビ小説『あまちゃん』は、久慈市が架空の「北三陸市」として登場した舞台です。小袖海岸や久慈駅前など市内各所がロケ地となり、放送をきっかけに観光客が大きく増えました。国家石油備蓄基地に併設された日本初の地下水族科学館「もぐらんぴあ」も、東日本大震災で全壊した後にさかなクンらの支援で復活し、いまも久慈の海を伝えています(出典:久慈市公式サイト)。

推しポイント4:「柔道のまち」と三船久蔵

久慈市は、講道館柔道の最高位・十段にのぼりつめた柔道家、三船久蔵のふるさとです。相手に触れずに倒す「空気投げ(隅落)」を創案し、1945年(昭和20年)に十段を授けられました(出典:久慈市公式サイト)。市内の三船十段記念館には道場も併設され、いまも稽古の声が響きます。久慈は「柔道のまち」を掲げ、毎年9月に三船十段杯の大会を開いています。

推しポイント5:平庭高原の白樺林と東北唯一の闘牛

市の西寄り、葛巻町との境にある平庭高原は、約31万本ともいわれる日本有数の白樺美林が広がる高原です(出典:日本交通公社 全国観光資源台帳)。初夏にはレンゲツツジが朱色に染め、闘牛場では東北で唯一の闘牛大会も開かれます。白い幹の森を歩いていると、北国の高原らしい澄んだ空気に包まれますよ。

久慈市の歴史

久慈の歴史は、大きく三つの時代で捉えると分かりやすくなります。縄文の昔から琥珀を産し交易を支えた古代。久慈氏が治め、戦国の動乱に巻き込まれた中世。そして砂鉄と製鉄、漁業で近代を歩んだ時代です。地中の琥珀と海の漁が、この街の輪郭を一貫してかたちづくってきました。

古代〜中世──琥珀と久慈氏

久慈地方では縄文時代から琥珀が採掘され、奈良の平城京跡などからも久慈産の琥珀が出土しています。地方と都を結ぶ交易が、はるか昔から存在したと考えられています。中世には久慈氏がこの地を治めました。戦国末期の天正19年(1591年)、久慈氏は九戸政実の乱で九戸方に加わって奮戦しましたが敗れ、本宗は断絶しました。市内には戦国期の久慈城跡が残っています。

近世〜近代──砂鉄・製鉄・漁業

江戸時代、久慈市域は八戸藩領となりました。久慈地方は大量の砂鉄を産し、中国地方と並ぶ二大鉄産地として藩の財政を支えました。天保の大飢饉のさなかには、藩の苛政に抗して久慈通から「稗三合一揆」が広がっています。近代に入ると、現在の川崎町に川崎重工業が久慈製鉄所を開設し、のちの川崎製鉄(現・JFEスチール)へとつながりました。工場跡には現在、久慈市役所が立地し、「川崎町」という町名にその名残をとどめています。

現代──合併と震災、そして『あまちゃん』

1954年(昭和29年)に久慈町など2町5村が合併して久慈市が発足し、2006年(平成18年)には山形村と合併して現在の久慈市となりました。2011年の東日本大震災では津波が海岸部を襲い、小袖海女センターやもぐらんぴあが被災しましたが、いずれも再建されています。2013年の『あまちゃん』は、震災からの復興期にあった久慈に全国の視線を集めるきっかけとなりました。

久慈市の文化・風習

方言と話し方の特徴

久慈市の言葉は、岩手県北部の南部弁に属します。みなさんが思い浮かべるのは、やっぱり『あまちゃん』のあの言葉ではないでしょうか。じぇ(えっ/驚いたときの声)は、もともと久慈市でも小袖地区の海女さんや漁師さんが使ってきた言葉で、驚きが大きいほどじぇじぇ(あらまあ)じぇじぇじぇ(なんてことだ)と重ねます。市の中心部ではあまり使われない、いわば浜の言葉だったんですよ。

このほか冬の会話でよく登場するのがしばれる(凍えるほど寒い)、お金を指すじぇんこ(小銭)など。耳にすると一気に北東北の空気を感じる言葉たちです。

食卓と季節の暮らし

久慈の暮らしは、夏に吹く冷たい北東風「やませ」とともにあります。やませがもたらす冷涼な気候は稲作には厳しい一方で、ほうれん草や山の幸、放牧の牛を育ててきました。食卓には、小麦粉の団子にクルミと黒砂糖を包んだ郷土食「まめぶ」が並びます。甘いの?しょっぱいの?と戸惑う不思議な味なのに、なぜか次の一個に手が伸びる──そんな家庭の味なんですよね。

海と山に根ざした気質

久慈の人の気質は、荒い三陸の海と深い北上の山に鍛えられてきました。冷たい海に潜り続ける海女文化、雪深い山あいで炭を焼き牛を育ててきた暮らし。どちらも、自然とまっすぐ向き合う粘り強さが土台にあります。祭りになれば山車を担いで一気に熱くなる──そんなメリハリも、このまちらしさだと感じます。

久慈市の特産品・食

特産品1:北限のウニ・アワビ

久慈の夏といえば、やっぱり北限の海女が素潜りで採るウニです。寒流と暖流が交わる三陸の磯で育つウニは、甘みと磯の香りが濃厚。小袖の浜では、海女さんが採った殻つきウニをその場で味わえます(出典:久慈市公式サイト)。旬は7〜9月。割ったそばからすくって食べる生ウニの濃厚さは、ここでしか出会えない贅沢です。アワビやホヤも久慈の磯の名物ですよ。

特産品2:まめぶ汁

山あいの旧山形村に伝わる郷土料理が「まめぶ」です。小麦粉の生地でクルミと黒砂糖を包んだ団子を、煮干しだしの汁にニンジンやゴボウと一緒に入れた一品。甘さと塩気が同居する、ほかではなかなか出会えない味です。『あまちゃん』に登場して全国区になりました。もちもちの団子を噛むと、中からじゅわっと甘いクルミがあふれます。寒い季節にこそ食べたくなる、体の芯から温まる汁ものなんですよ。

特産品3:山形村短角牛

旧山形村の高原で放牧されてきたのが、日本短角種「山形村短角牛」です。広い牧野でのびのび育つため、赤身が中心で、噛むほどに肉のうまみが広がります。冷涼な気候を生かした放牧畜産が、この味を支えてきました。霜降りとは違う、しっかりした赤身肉が好きな人にはたまらないはず。ステーキでも、まめぶと一緒の定食でも楽しめます。

特産品4:山ぶどう

久慈地域は、岩手県産の山ぶどうのおよそ40%を生産する産地です(出典:久慈市公式サイト)。岩手県は全国一の山ぶどう生産量を誇り、その中心地のひとつが久慈なんです。旬は9月下旬〜10月。ポリフェノールや鉄分が豊富で、この地方では古くから滋養強壮や産前産後の体力づくりに重宝されてきました。ワインやジュースに加工した商品も人気で、酸味とコクの濃さは野生種ならではです。


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久慈市の観光スポット

序盤で触れた琥珀・北限の海女・柔道・高原は、それぞれ別の場所で深く味わえます。久慈市の見どころは、海沿いと山あいにきれいに分かれているのが特徴です。まずは地学を学ぶ博物館、次に海女の潜る磯、そして山形地区の高原と鍾乳洞。順番に押さえていきましょう。

琥珀と地学を学べるスポット

  • 久慈琥珀博物館 – 久慈地方は国内最大の琥珀の産地で、ここは国内唯一の琥珀専門博物館です。入館料は高校生以上500円、小・中学生200円(出典:久慈市公式サイト)。白亜紀の地層を実際に掘る採掘体験では、運がよければ「虫入り琥珀」に出会えることも。森に囲まれた静かな敷地で、太古の時間に触れる時間はちょっと特別なんですよ。
  • 道の駅くじ やませ土風館 – 久慈駅から歩いて行ける観光拠点。物産館「土の館」と観光交流センター「風の館」からなり、風の館には久慈秋まつりの実物の山車(高さ約12m)が展示されています(出典:久慈市公式サイト)。祭りの時期でなくても、あの巨大な山車を間近で見上げられるのは旅の入り口にぴったりです。

海と北限の海女を感じるスポット

  • 小袖海岸・小袖海女センター – 素潜り漁の「北限」として知られる海岸。例年7〜9月の土日祝には海女の素潜り実演が行われ、見学料は500円です(出典:久慈市公式サイト)。この海女漁は「久慈の海女漁の技術」として久慈市の無形民俗文化財に指定されています(出典:同上)。冷たい海へ一気に潜る姿を、潮風のなかで見守る時間は夏ならではです。
  • つりがね洞 – 小袖海岸沿いにある、波の侵食で岩に大きな穴があいた奇岩。かつては穴の上部に釣鐘状の岩が垂れ下がっていたのが名前の由来です。朝日が穴の向こうから昇る光景は写真好きに人気で、断崖と岩礁が連なる小袖らしい荒々しい海を体感できます。

『あまちゃん』と久慈の海を学べるスポット

  • 久慈地下水族科学館もぐらんぴあ – 国家石油備蓄基地のトンネルを使った、日本初の地下水族科学館。震災で全壊した後、2016年に元の場所で再建されました。入館料は一般700円、高校・学生500円、小・中学生300円で、開館は4〜10月が9:00〜18:00、11〜3月が10:00〜16:00です(出典:もぐらんぴあ水族館公式サイト)。震災を生き延びたアオウミガメ「かめ吉」が泳ぐトンネル水槽や、さかなクンコーナーが見どころです。
  • あまちゃんハウス – かつて駅前で「まちなか水族館」だった建物が、ドラマ『あまちゃん』のロケセットや小道具を展示する施設に生まれ変わったスポット。朝ドラの世界をそのまま歩けるので、ファンならニヤリとする場面がいくつも見つかるはずです。

柔道と山あいの自然を訪ねるスポット

  • 久慈市立三船十段記念館 – 「空気投げ」で知られる柔道十段・三船久蔵をたたえる記念館。入館料は一般220円、高・大学生160円、小・中学生110円です(出典:久慈市公式サイト)。隣には道場があり、稽古の声が響くなかで「柔道のまち」の空気を肌で感じられます。
  • 内間木洞 – 総延長6,350m以上、国内第5位の長さを誇る鍾乳洞で、洞窟と生息する動物を含めて岩手県指定天然記念物となっています。普段は非公開で、7月の「内間木洞まつり」と2月の「内間木洞氷筍観察会」の年2回だけ一般公開されます(出典:久慈市公式サイト)。冬には天井の水滴が凍って育つ「氷筍」が地面から立ち上がり、地底に神秘的な世界が広がります。
  • 平庭高原葛巻町との境に広がる高原で、約31万本ともいわれる日本有数の白樺美林が見どころです(出典:日本交通公社 全国観光資源台帳)。初夏にはレンゲツツジが朱色に染め、白い幹の森を歩くだけで気持ちが澄んでいきます。冬はスキー場としてもにぎわいます。

久慈市の観光ルート

計算中…

久慈市は、海沿いの中心部と山あいの山形地区がやや離れているので、テーマを決めて回るのがおすすめです。海と琥珀を一日で巡るルート、朝ドラ聖地を半日でめぐるルート、そして山の高原を訪ねる広域ルートの3本を紹介します。どれも久慈駅を起点にしています。

【車・1日】海と琥珀をめぐる久慈満喫ルート

9:00 久慈駅 → 9:30 久慈琥珀博物館(車20分)→ 11:30 道の駅くじ やませ土風館(車25分・昼食)→ 13:00 小袖海岸・小袖海女センター(車40分)→ 15:00 つりがね洞(車5分)→ 16:00 もぐらんぴあ(車40分)

久慈琥珀博物館(90分)
→ 朝いちばんは人が少なく、採掘体験もゆっくり楽しめます。森の空気のなかで太古のロマンに浸れます。

道の駅くじ やませ土風館(60分)
→ 山車を見上げてから、海鮮丼やまめぶ汁で腹ごしらえ。お土産選びもここで済ませると効率的です。

小袖海岸・小袖海女センター(90分)
→ 夏なら午後の実演時間に合わせて。荒々しい岩礁の海と海女文化を体で感じられます。

もぐらんぴあ(60分)
→ 締めは久慈の海をまるごと学べる水族館。閉館前のひとときで一日の余韻を整えます。

【車・半日】『あまちゃん』聖地めぐりルート

9:00 久慈駅 → 9:20 あまちゃんハウス(徒歩すぐ)→ 10:30 もぐらんぴあ(車30分)→ 12:00 小袖海岸(車30分)

久慈駅・あまちゃんハウス(60分)
→ 物語の出発点を歩きます。駅前の雰囲気そのものがロケ地なので、写真を撮りながら回るのが楽しいです。

もぐらんぴあ(60分)
→ 海女の素潜り実演やさかなクンコーナーで、ドラマの世界の「海」を体感できます。

小袖海岸(45分)
→ 袖が浜の灯台が見える磯で、朝ドラの空気をしめくくりに味わいます。海風が気持ちいい時間帯です。

【車・1日】広域ルート:山形高原と山の幸

9:00 久慈駅 → 10:00 平庭高原(車50分)→ 11:00 平庭闘牛場周辺(車5分)→ 12:00 道の駅白樺の里やまがた(昼食)→ 14:00 内間木洞(公開日のみ・車40分)

平庭高原(60分)
→ 白樺林の遊歩道を散策。初夏のレンゲツツジ、秋の紅葉と、季節ごとに表情が変わります。

平庭闘牛場周辺(30分)
→ 闘牛開催日なら迫力の角突きを。開催日以外でも、高原に点在する牧野の風景がのどかです。

道の駅白樺の里やまがた(60分)
→ 山形地区の特産が並ぶ道の駅で、名物まめぶを味わいます。葛巻町久慈市のほぼ中間にあります。

内間木洞(60分)
→ 7月と2月の公開日に合わせれば、岩手県指定天然記念物の地底世界へ。夏でもひんやり涼しい空気が広がります。


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久慈市の年間イベント

久慈市の一年は、海と山の恵みに沿って祭りが巡ります。夏は海女と海の幸、秋は街じゅうが沸く山車祭り、冬は地底に輝く氷の世界。それぞれ季節がはっきりしているので、目当てに合わせて訪れる時期を選ぶと楽しいですよ。

春〜夏:海女と高原のにぎわい

初夏に訪れたいのが、平庭高原で開かれる平庭高原つつじまつりです。白樺林のなかでレンゲツツジが咲き誇り、特産品の販売などでにぎわいます(出典:久慈市公式サイト)。

夏の海といえば、北限の海女です。例年7〜9月の土日祝には小袖海岸で素潜り実演が行われます(出典:久慈市公式サイト)。さらに、長く親しまれた「北限の海女フェスティバル」は令和6年度で終了し、令和7年(2025年)からは8月上旬に『AMA FES WEEK』として小袖海女センターを中心に開かれています(出典:久慈市公式サイト)。海女衣装の着用体験や海鮮の炭火焼きなど、海の町ならではの催しが続きます。

同じ夏には、久慈川に灯籠が並ぶ久慈流灯祭・納涼花火大会も8月に開かれ、川面に揺れる灯と花火が幻想的です(出典:久慈市公式サイト)。

秋:街じゅうが沸く山車祭り

久慈の秋でいちばんの目玉は、ぜひ見てほしい久慈秋まつりです。1360年代から続くとされる岩手県北最大規模の祭りで、毎年9月第3金曜日から3日間、市内8組の山車組が高さ約12mまでせり上がる手づくり山車を引いて目抜き通りを練り歩きます(出典:久慈市公式サイト)。からくり仕掛けの山車が一斉に動く合同運行は迫力満点で、太鼓と笛の音が街じゅうに響きます。

山形地区では、平庭闘牛大会が秋にも開かれます。塩の道に由来する東北唯一の闘牛で、平庭闘牛場で初夏・夏・秋の年3回行われています(出典:久慈市公式サイト)。1トンを超える牛どうしが角を突き合わせる様子は、地響きまで伝わってきます。

冬:地底に輝く氷の世界

冬に見逃せないのが、2月に開かれる内間木洞氷筍観察会です。普段は非公開の内間木洞が一般公開され、洞内に立ち上がる氷の柱「氷筍」を見ることができます(出典:久慈市公式サイト)。大きいものは2m以上に育ち、ライトに照らされて輝く地底はまるで別世界。寒さも忘れて見入ってしまいます。

久慈市のエリア別の顔

久慈市は2006年に旧久慈市と旧山形村が合併して生まれたまちで、海沿いの市街地と山あいの山形地区という二つの顔を持っています(出典:久慈市公式サイト)。さらに細かく見ると、駅前の市街地、海女の磯、琥珀の山際、高原の郷と、エリアごとに表情が変わります。旅の目的に合わせてエリアを選んでみてください。

久慈駅・中心市街地エリア──旅の玄関口

JR八戸線と三陸鉄道リアス線が乗り入れる久慈駅を中心としたエリアです。駅前には道の駅やませ土風館やあまちゃんハウスが集まり、徒歩で観光をスタートできます。商店街には飲食店も多く、まず腹ごしらえをして旅の計画を立てるのに向いています。朝ドラの面影を探しながら歩くなら、ここから始めるのがおすすめですよ。

小袖・久慈海岸エリア──北限の海女が潜る磯

中心部から南へ車を走らせると、断崖と赤銅色の岩礁が連なる小袖海岸に出ます。北限の海女の拠点であり、つりがね洞などの奇岩が点在する、久慈でもっとも海らしいエリアです。夏の素潜り実演に合わせて訪れると、潮の香りと海女文化を同時に味わえます。海を眺めながらのんびり過ごしたい人に向いています。

小久慈・琥珀エリア──地学と工芸の里

中心部の内陸側、山際に広がるのが小久慈エリアです。久慈琥珀博物館や三船十段記念館があり、約200年の歴史を持つ小久慈焼の窯元も残ります。森に囲まれた静かな環境で、地学・柔道・やきものと、じっくり学びながら歩きたい人にぴったりのエリアです。喧騒から離れて落ち着いた時間を過ごせます。

山形エリア(旧山形村)──高原と山の幸の郷

市の西側、面積の大半を山林が占める山形地区は、平庭高原や内間木洞、平庭闘牛場が点在する高原の郷です。短角牛やまめぶ、山ぶどうといった山の幸の本場でもあります。中心部からは車で距離がありますが、白樺林やのどかな牧野の風景は格別。自然のなかをドライブしながらめぐりたい人におすすめのエリアです。

久慈市の気候・季節の暮らし

久慈市の年平均気温は10.1℃で、もっとも暖かい8月でも日平均は21.9℃と、本州の都市としては涼しい部類に入ります(出典:気象庁)。夏に吹く冷たい北東風「やませ」の影響が強く、夏でもからっとした涼しさが続くのが特徴です。太平洋側のため、冬は岩手県内では比較的雪が少なく、日照時間が長めと考えられます。

夏(6〜8月)──涼しく過ごしやすい季節

久慈の夏は、エアコンなしでも過ごせる日が多い涼しさです。やませが吹くと気温が上がらず、海沿いはひんやりとした空気に包まれます。北限の海女の素潜り実演が始まるのもこの時期で、海辺がいちばんにぎわう季節なんですよ。

秋(9〜11月)──祭りと紅葉の実り

9月は久慈秋まつりで街が一気に熱を帯び、山あいでは平庭高原の白樺が色づきます。朝晩は冷え込みが進み、山ぶどうや短角牛など山の幸が旬を迎えます。空気が澄んで、ドライブが気持ちいい季節です。

冬(12〜2月)──雪は控えめ、底冷えする寒さ

1月の日平均気温は-0.5℃まで下がり、冷え込む朝が続きます(出典:気象庁)。ただ太平洋側のため、内陸の山形地区を除けば積雪は比較的少なめ。海沿いは雪より底冷えの寒さが応えるので、防寒着は必須です。2月には内間木洞で氷筍が見られます。

春(3〜5月)──遅い春と高原の芽吹き

春の訪れはゆっくりで、3月はまだ寒の戻りがあります。4〜5月になると平庭高原の白樺が芽吹き、初夏にはレンゲツツジが咲き始めます。山の郷に色が戻ってくると、いよいよ高原シーズンの幕開けです。

久慈市の移住・暮らし情報

久慈市は、買い物や医療が集まる海沿いの中心部と、自然ゆたかな山形地区とで暮らしの色合いが変わります。中心部に住めば生活はコンパクトにまとまり、山あいを選べばのびのびとした環境が手に入ります。住む現実を項目ごとに見ていきましょう。

通勤・通学

久慈市は久慈医療圏の中心都市で、市内の役所・病院・学校・企業に通う人が多いエリアです。中心部なら車で10分前後の移動が中心になります。鉄道はJR八戸線と三陸鉄道リアス線が久慈駅に乗り入れ、通学の足としても使われています。

住宅環境

家賃は手ごろで、久慈市内の賃貸はおよそ2LDKで4〜5万円台の物件が多く見られます(出典:SUUMO)。中心部はアパートや戸建てが揃い、山形地区へ行くほど広い土地の戸建てが中心になります。車があれば選択肢はぐっと広がります。

買い物環境

久慈駅周辺から国道沿いにかけてスーパーやドラッグストア、ホームセンターが揃い、日常の買い物はここで完結します。道の駅くじ やませ土風館では地元の魚介や野菜も手に入ります。山形地区は店舗が少ないので、まとめ買いが基本になります。

子育て・教育

市内には子育て世代包括支援センターや地域の子育て応援施設があり、相談や親子交流の場が用意されています(出典:久慈市公式サイト)。高校は久慈高校・久慈東高校などの県立校があります。なお大学入学共通テストの試験場は、当市の受験生は青森県の会場が指定される点は知っておくとよいでしょう。

医療環境

地域医療の中核は岩手県立久慈病院です。救命救急センターを併設し、ドクターヘリも受け入れる久慈医療圏の総合病院で、所在地は久慈市旭町です(出典:厚生労働省 医療情報ネット)。中心部に医療機能が集まっているため、いざという時の安心感があります。

移住支援と暮らしの導線

久慈市では移住支援金として、世帯での移住に100万円、単身に60万円を交付しており、令和5年4月1日以降に移住した世帯に18歳未満の子がいる場合は1人につき100万円が加算されます(出典:久慈市公式サイト)。対象には東京圏からの移住など要件があるため、検討する際は事前に確認しておきましょう。

暮らしの導線で言えば、利便性を重視するなら久慈駅・中心市街地エリア、自然のなかでゆったり暮らしたいなら山形エリアが向いています。海が好きなら小袖方面、静けさを求めるなら小久慈方面と、目的に合わせて住み分けられるのが久慈の懐の深さです。

久慈市へのアクセス

久慈市は岩手県の北東端にあり、首都圏からは新幹線と在来線・バスを乗り継いでアクセスします。久慈市公式の案内では、東京駅から二戸駅経由で約4時間が目安です(出典:久慈市公式サイト)。ルートごとに整理します。

鉄道+バスでのアクセス

最短ルートは二戸経由です。東京駅から東北新幹線で二戸駅へ向かい、JRバス「スワロー号」に乗り換えます。スワロー号は二戸〜久慈間を約1時間10分で結びます(出典:JRバス東北)。

もう一つは八戸経由です。八戸駅でJR八戸線に乗り換え、約2時間かけて久慈駅へ向かいます。海沿いをのんびり走る八戸線は、車窓そのものが旅の楽しみになります。宮古方面からは三陸鉄道リアス線も使えます。

車でのアクセス

車の場合は八戸久慈自動車道の久慈IC・久慈北ICが入り口になります。八戸方面・宮古方面からは国道45号、内陸の二戸方面からは国道281号が主要ルートです。市内の観光スポットは点在しているので、現地では車があると動きやすいです。

飛行機でのアクセス

空路を使う場合、比較的近いのは青森県の三沢空港やいわて花巻空港です。ただ、いずれも久慈までは陸路の乗り継ぎが必要なため、首都圏からであれば新幹線+バス・八戸線のルートのほうが分かりやすいと考えられます。

町内移動の現実的アドバイス

久慈駅前は徒歩でも回れますが、小袖海岸や山形地区まで足を延ばすなら車が現実的です。久慈駅からは市民バスも出ており、琥珀博物館方面などへアクセスできます(出典:久慈市公式サイト)。本数は限られるので、時刻表を先に確認しておくと安心ですよ。


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【地元住民に直撃!】久慈市の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。

夏になると小袖の海岸で素潜りをして、ウニやアワビを採る漁をしています。いわゆる北限の海女ですね。冷たい海に潜るので体力はいりますが、先輩の海女さんたちから受け継いだ仕事です。

朝ドラで一気に知られるようになって、夏は実演を見に来るお客さんも多くて、潜る姿を見てもらえるのは嬉しいですね。久慈で生まれ育った私には、海と一緒の暮らしが当たり前なんです。

Q2.久慈市に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?

やっぱり小袖海岸ですね。断崖と赤茶けた岩礁が続いて、潮の匂いと波の音だけが響く場所です。朝のひんやりした空気の中で海を眺めると、地元の私でも背筋が伸びます。

あとは琥珀の博物館のある森の方も静かでいいですよ。山の方には平庭高原の白樺林もあって、海と山が近いのが久慈らしいところ。観光で来るなら両方見てほしいです。

Q3.久慈市でお土産を買うとしたらなんですか?

定番は琥珀のアクセサリーですね。久慈は国内最大の産地なので、小さな勾玉やペンダントは喜ばれます。長く使えるし、ここでしか選べない色合いがあるんですよ。

地元の人がよく選ぶのは、山ぶどうを使ったジュースやジャムです。酸味とコクが濃くて、昔から体にいいと言われてきたもの。短角牛の加工品も山の方の味で、しみじみおいしいです。

Q4.外から人が来たときに、久慈市でまず連れていく店はどこですか?

まずは郷土料理のまめぶ汁を出してくれるお店に連れていきます。小麦の団子にクルミと黒砂糖が入っていて、甘いの?しょっぱいの?って驚かれるんですけど、みんな結局はまるんですよ。

夏なら、採れたての生ウニを食べられる海辺の方へ。殻を割ってその場でいただく濃厚さは、言葉より食べてもらった方が早いです。出汁と磯の匂いが、久慈の食卓そのものなんです。

Q5.久慈市はどんな気質だと思いますか?

派手さはないけれど、芯が強くて粘り強い人が多いと思います。冷たい海に潜る海女文化も、雪深い山あいで牛を育ててきた暮らしも、自然とまっすぐ向き合ってきた土地柄なんですよね。

普段は口数が少なくても、お祭りになると一気に熱くなる。秋まつりで山車を引く時のあの盛り上がりを見ると、ああこの町の人たちらしいなって、毎年思います。

Q6.昔に比べて、久慈市の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?

朝ドラの舞台になってから、外から来てくれる人がぐっと増えたのは肌で感じます。海女を志す若い子も出てきて、町に新しい風が入ったのは嬉しい変化です。

ただ正直なところ、人は少しずつ減っていて、お店や賑わいが寂しくなった通りもあります。祭りの担い手も高齢化が進んでいて、どう次の世代につなぐかは、地元みんなの課題だと思っています。

Q7.久慈市のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?

大きな箱ものより、海女文化を次の世代に残していく取り組みに期待しています。地元の高校生が海女を学ぶ活動もあって、ああいう積み重ねが町の宝になると思うんです。

琥珀や山ぶどう、短角牛みたいな久慈ならではの素材を、もっと広く知ってもらえたら嬉しいですね。海と山の恵みを生かして、静かでも長く続く町であってほしいです。

久慈市の関連リンク

本記事は、全国1741市町村を応援するために徹底調査して作成していますが、地元の方だからこそ知る最新情報や、記述の誤りなどがあれば、ぜひこちらのお問い合わせフォームよりお気軽にお知らせください。地域の皆様と一緒に、より素晴らしい紹介ページを作っていきたいと考えております。

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