金ケ崎町(かねがさきちょう)は、岩手県南西内陸部・胆沢郡北部に位置する人口15,022人の町です。北は北上市、南は奥州市に接し、東北新幹線の北上駅・水沢江刺駅から車で20分ほどの距離にあります。
金ケ崎町の魅力を5つに凝縮すると、こうなります:
- ✅ 城内諏訪小路──伊達藩最北の「金ケ崎要害」が置かれた武家町(国の重要伝統的建造物群保存地区)
- ✅ トヨタ自動車東日本 岩手工場──製造品出荷額が岩手県内第1位の「工業の町」
- ✅ 鳥海柵跡──前九年の役で知られる安倍氏の拠点(国の史跡)
- ✅ 駒ヶ岳と夏油三山──駒形神社の奥宮がまつられる信仰の山
- ✅ ひとめぼれ・アスパラガス・いわて奥州牛──肥沃な扇状地が育む農畜産の恵み
「歴史ある町並みを歩きたい人」「ものづくりや産業に関心がある人」「子育て支援の手厚い移住先を探している人」に向いた町です。序盤では観光と産業の顔を、中盤では歴史と暮らし、終盤では特産の食まで、地元の一次情報をたどりながら紹介していきます。
| 人口 | 15,022 人 ※2026年5月1日時点(推計人口) |
|---|---|
| 面積 | 179.76 km²(境界未定部分あり) |
| 人口密度 | 83.6 人/km² |
地理的には、北を北上市、南を奥州市に挟まれた東西21.8km・南北14.4kmの町です。隣接するのはこの2市で、西部の奥羽山系・駒ヶ岳の山岳高地から東部の平坦地まで標高差は1,300m以上あります(出典:金ケ崎町役場)。鉄道はJR東北本線が通り、金ケ崎駅・六原駅があります。東北自動車道の北上金ケ崎IC・水沢ICからもアクセスできます。
江戸時代の武家町、県内随一の工業団地、安倍氏の古代史跡と、小さな町に時代の異なる「顔」がいくつも重なっています。ひとつずつ見ていきましょう。
金ケ崎町の推しポイント

金ケ崎町を語るうえで外せないのが、江戸時代の侍屋敷が残る城内諏訪小路と、トヨタを核とした工業団地という対照的なふたつの顔です。さらに古代には安倍氏が柵を構えた前九年の役の舞台でもあり、西には信仰を集めた駒ヶ岳がそびえます。歴史・産業・自然がそれぞれ独立した見どころになっている町なんですよ。ここから5つのポイントを少し掘り下げます。
城内諏訪小路──伊達藩最北の武家町
仙台藩(伊達氏)は領内に21の要害を置いていましたが、その最北に位置したのが金ケ崎要害です。北上川以西では領内の最北で、盛岡藩(南部藩)と境を接していました。武家町の一帯は2001年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定され、種別は武家町、面積は約34.8haです(出典:文化遺産オンライン)。サワラヒバの生垣と「エグネ」と呼ばれる屋敷林の奥に、茅葺寄棟造の大きな屋根がのぞく景観が残っています。
トヨタの岩手工場と県内一の工業団地
金ケ崎町には県内最大級の岩手中部(金ケ崎)工業団地があり、トヨタ自動車東日本の岩手工場が立地しています。コンパクトカー「アクア」などを生産する拠点で、医薬品・半導体関連企業も集まっています。町の製造品出荷額は岩手県内で第1位です(出典:岩手県移住定住ポータルサイト)。基幹産業の農業と並ぶ、もうひとつの大きな顔です。
鳥海柵跡──安倍氏の古代史跡
北上川と胆沢川の合流点近くの段丘上にあるのが鳥海柵跡で、平安時代に陸奥で勢力を誇った安倍氏の柵跡と考えられています。前九年の役にまつわる遺跡で、平泉文化の起源を知るうえでも重要とされ、国の史跡に指定されています(出典:いわての文化情報大事典(岩手県))。武家屋敷より700年以上さかのぼる、町のいちばん古い歴史の層です。
駒ヶ岳と夏油三山
町の西端、北上市との境にそびえるのが駒ヶ岳(標高約1,130m)です。経塚山・牛形山とともに「夏油(げとう)三山」と呼ばれ、山頂には駒形神社の奥宮がまつられています。残雪が馬の形に見えて田植えの時期を知らせることが、山名の由来のひとつと伝えられています(出典:岩手経済研究所)。ブナ林やカタクリなどの高山植物が登山者を迎えてくれます。
扇状地が育む農畜産物
駒ヶ岳の東に広がる肥沃な扇状地では、米・野菜・花きの栽培が盛んです。とくに食味ランキングで上位の評価を受ける「ひとめぼれ」やアスパラガスが知られ、西部の山麓では広大な牧草地を活かした酪農や畜産が営まれています。食と産業がつながった町の土台が、ここにあります。
金ケ崎町の歴史

金ケ崎の歴史は大きく3つの時代に分けられます。古代は大和朝廷の蝦夷征伐や前九年の役・後三年の役の舞台となった辺境の地でした。中世には胆沢郡を治める領主の拠点となり、近世には仙台藩最北の要害が置かれて南部藩との境を守りました。そして現代、町は東北有数の工業の町へと姿を変えています。
古代──蝦夷と安倍氏の時代
古代の金ケ崎一帯は、大和朝廷による蝦夷征伐や、前九年の役・後三年の役などの戦場となりました。北上川沿いの段丘に築かれた鳥海柵は、この地で勢力を持った安倍氏の柵跡とされ、律令国家の支配から自立していく東北の動きを今に伝えています(出典:いわての文化情報大事典(岩手県))。
中世〜近世──要害の町へ
中世には胆沢郡主の柏山氏が大林城に居城し、胆沢地方一帯を治めました。近世に入ると、この地は仙台藩の北限となります。伊達氏が大身家臣に治めさせた21の要害のひとつが金ケ崎要害で、その骨格は正保元年(1644年)に移封された大町定頼によって整備されたと考えられています。城内諏訪小路に残る鉤形や桝形の小路は、この城下町の構造をほぼそのまま伝えています(出典:金ケ崎町役場)。
近代〜現代──町の今を作った出来事
1955年(昭和30年)に金ケ崎町と永岡村が合併し、新たな金ケ崎町が誕生しました。2007年(平成19年)には表記が「金ケ崎町」に改められています。戦後は岩手中部(金ケ崎)工業団地への企業誘致が進み、トヨタ系の自動車工場などの立地によって、農業の町から工業の町へと大きく性格を広げてきました。
金ケ崎町の文化・風習

方言と話し方の特徴
金ケ崎町のことばは、岩手県のなかでも少し特別な位置にあります。岩手の方言は旧南部領(北・中部)と旧伊達領(南部)に大きく分かれ、その境界が東北方言の北奥羽方言と南奥羽方言の境にもなっています。金ケ崎は仙台藩領だったため、南奥羽方言、つまり関東方言とのつながりが濃い側に入るんですよ(出典:岩手県立図書館)。
具体的な言い回しとしては、相づちのんだ(そうだ)、応援でよく聞くけっぱれ(がんばれ)、めんこい(かわいい)、驚いたときのどでんした(びっくりした)などが県内で広く使われています。「捨てる」をなげると言うのも、初めて聞くと戸惑う表現ですよね。
食卓と季節の暮らし
西部の山岳地から東部の平野まで標高差が大きい町なので、季節の移ろいがはっきりしています。冬は雪に包まれ、春は扇状地に田植えが広がり、秋は新米と野菜が食卓に並びます。米どころらしく、炊きたてのごはんを主役にした食卓が日常の風景です。
祭りと人のつながり
1月の最終日曜日には、永沢地区で「おらが村の永岡蘇民祭」が開かれます。裸の男たちが蘇民袋を奪い合い、水をかけ合って無病息災と五穀豊穣を祈る、極寒のなかの熱い祭りなんですよ(出典:金ケ崎町観光協会)。秋には、椀サイズのメニューを食べ歩いて投票する「かもん金ケ崎オーワングランプリ」もあり、地域の人たちが一堂に集まります。
金ケ崎町の特産品・食

ひとめぼれ
金ケ崎町を代表する米が「ひとめぼれ」です。奥羽山系からの清らかな水と、昼夜の寒暖差、扇状地の肥沃な土壌が、甘みと粘りのバランスのよい米を育てます。冷めても味が落ちにくいので、おにぎりやお弁当にしてもおいしいんですよね。まずは炊きたてを一口、というのがいちばんのおすすめです。
アスパラガス
金ケ崎の名産として知られるのがアスパラガスです。旬は春から初夏で、穂先がしまってまっすぐ伸びたものほど甘みがあります。さっとゆでたり、焼いてそのまま塩でいただくと、みずみずしさと爽やかな香りがよく分かります。冷涼な気候を好むアスパラガスにとって、寒暖差のある金ケ崎の風土は相性がよいと考えられます。
いわて奥州牛
金ケ崎町を含む奥州地域で育てられる黒毛和牛が「いわて奥州牛」です。これは平成18年に水沢・胆沢・衣川・金ケ崎の各銘柄を統一して誕生したブランドで、北上川流域の良質な稲わらと乾草で一頭ずつ育てられています(出典:いわての旅)。やわらかな肉質とほどよい甘みが持ち味で、すき焼きや焼肉でその旨みをしっかり味わえます。
酪農の乳製品
西部の山麓では大型の酪農・畜産が営まれていて、しぼりたての生乳を活かしたヨーグルトやジェラートも町の味です。濃厚なのに後味はさっぱりしていて、ドライブの途中に立ち寄って食べると、扇状地と山並みの景色まで一緒に記憶に残るんですよ。
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金ケ崎町の観光スポット

金ケ崎町の見どころは、大きく「江戸時代の武家町」と「明治以降の近代遺産」、そして「西部の山と水の自然」に分かれます。中心部の城内諏訪小路を歩いて歴史にひたり、車を西へ走らせれば駒ヶ岳の山麓や千貫石の森が待っています。半日でも1日でも、興味に合わせて組み立てられるのが楽しいところなんですよ。
江戸時代の武家町を歩く
- 城内諏訪小路(武家屋敷) – 仙台藩最北の「金ケ崎要害」が置かれた武家町で、2001年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています(出典:文化遺産オンライン)。サワラヒバの生垣の奥に茅葺の大屋根がのぞく小路は、鉤形や桝形に折れ曲がる城下町そのままの形。紅葉の頃に歩くと、生垣と屋敷林の緑が色づいて、時代が一気にさかのぼった気分になりますよ。
- 金ケ崎要害歴史館 – 武家町の成り立ちを展示と模型で紹介する施設です。観覧料は一般200円、高校生以下無料、開館は午前9時〜午後5時、休館日は月曜(祝日の場合は翌日)と年末年始です(出典:金ケ崎町観光協会)。先にここで全体像をつかんでから歩くと、屋敷の配置や道の曲がり方の意味が見えてきます。
- 白糸まちなみ交流館 – 保存地区の案内所で、入館は無料です。ガイドは事前予約制で、町並みの背景を聞きながら歩けます。散策の起点にちょうどいい場所なんですよね。
- 旧大沼家侍住宅 – 主屋・馬屋・厠が並ぶ「三ツ家形式」を見られる公開住宅で、見学は無料です。茅葺の屋根や土間に立つと、半士半農だった侍たちの暮らしの温度が伝わってきます。
古代から近代までの歴史遺産
- 鳥海柵跡 – 北上川と胆沢川の合流点近くの段丘上に築かれた、安倍氏の柵跡と考えられる国の史跡です。前九年の役にゆかりが深く、平泉文化の起源を知るうえでも重要とされています(出典:いわての文化情報大事典(岩手県))。広々とした台地に立つと、千年前にここが東北の要だったことが実感できます。
- 軍馬の郷六原資料館 – 明治期に陸軍が置いた軍馬補充部六原支部の官舎を活用した資料館で、建物は国の登録有形文化財です。観覧は無料で、開館時間は午前9時〜午後5時ですが、開館日が限られるため訪問前の確認をおすすめします(出典:金ケ崎町観光協会)。床下の換気口に「六」の字をかたどった洋風木造建築は、写真好きの人にもおすすめです。
西部の山と水を楽しむ
- 駒ヶ岳(金ケ崎駒ヶ岳) – 北上市との境にそびえる標高約1,130mの山で、経塚山・牛形山とともに「夏油三山」と呼ばれます。山頂には駒形神社の奥宮がまつられ、金ケ崎側からの登山シーズンは例年5月から11月初旬ごろまでです(出典:岩手経済研究所)。ブナ林やカタクリの群落が迎えてくれて、山頂からは焼石連峰から早池峰山までの大きな展望が広がります。
- 千貫石森林公園・千貫石ため池 – ナラ林に囲まれた千貫石ため池のほとりに広がる公園で、林間の歩道やキャンプ場があります。ため池には江戸時代から伝わる人柱伝説が残り、桜や紅葉の季節は水面に景色が映りこんで静かな美しさです。森林浴をしながらゆっくり歩くのにぴったりの場所なんですよ。
- 岩手県立花きセンター – 花の生産振興を担う県の施設で、展示室や温室、屋外の見本園を無料で見学できます。見学時間は10:00〜16:00、休園日は月曜と年末年始です(出典:岩手県立花きセンター)。色とりどりの花に囲まれて歩くと、気持ちがふっとほぐれますよね。
金ケ崎町の観光ルート

金ケ崎町は車があれば見どころを効率よくつなげます。中心部の武家町をじっくり歩く半日コースから、歴史と自然を組み合わせる1日コース、世界遺産・平泉まで足を延ばす広域コースまで、滞在時間に合わせて選べますよ。出発はJR金ケ崎駅か、東北自動車道の北上金ケ崎ICを起点にすると動きやすいです。
【車・半日】武家町しっとり散策ルート
9:00 金ケ崎駅 → 9:10 城内諏訪小路(車・徒歩すぐ)
① 金ケ崎要害歴史館(40分)→ まず展示と模型で武家町の全体像をつかみます。朝いちばんは人も少なく、ゆっくり見られます。
② 白糸まちなみ交流館(20分)→ 案内所で町並みの背景を仕入れてから歩き出すと、見え方が変わります。
③ 城内諏訪小路の小路めぐり(60分)→ 生垣と屋敷林の間を歩き、鉤形や桝形の道を体で味わいます。
④ 旧大沼家侍住宅(30分)→ 三ツ家形式の屋敷で、侍の暮らしの温度を感じて締めくくります。
【車・1日】歴史と自然をつなぐ満喫ルート
9:00 城内諏訪小路 → 10:30 六原(車15分)→ 11:30 花きセンター(車10分)→ 13:30 千貫石森林公園(車20分)
① 城内諏訪小路(90分)→ 午前のうちに武家町を歩き、歴史にひたります。
② 軍馬の郷六原資料館(40分)→ 明治の洋風官舎で、軍馬の里だった六原の物語に触れます。開館日は事前に確認を。
③ 岩手県立花きセンター(60分)→ 温室と見本園で花を眺めながら、昼前のひと休み。
④ 千貫石森林公園(90分)→ ため池のほとりを散策し、森の静けさで一日を締めます。
【車・1日】世界遺産まで足を延ばす広域ルート
9:00 金ケ崎町 → 9:40 奥州市(車30分)→ 11:30 平泉町(車30分)
① 城内諏訪小路(60分)→ 朝のうちに金ケ崎の武家町を歩いておきます。
② 奥州市エリア(90分)→ 隣の奥州市で、いわて奥州牛のランチや歴史スポットを楽しみます。
③ 平泉町エリア(午後)→ 世界遺産・中尊寺や毛越寺まで足を延ばせる距離です。金ケ崎を起点に県南の歴史を一日でつなげるのが、このルートの醍醐味なんですよ。
ここまで見てきたとおり、見どころが少し離れた場所に点在していることもあります。気になるスポットをまとめて回るなら、レンタカーがあると一気に動きやすくなりますよ。料金は会社や時期でけっこう変わるので、まとめて比較できるサイトでサッと見ておくのがおすすめです。
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金ケ崎町の年間イベント

金ケ崎町のイベントは、花が咲く春から雪深い冬まで、季節ごとに表情を変えます。花のまつり、走るイベント、食の祭典、そして極寒の裸祭りまで、規模はさまざまでも地元の熱がこもったものばかり。気になる季節があれば、その時期に合わせて訪れるのも楽しいですよ。
春〜夏:花と走るイベント
春にぜひのぞいてほしいのが、岩手県立花きセンターで4月に開かれる「花きセンターまつり」です(出典:金ケ崎町観光協会)。色とりどりの花に囲まれて、苗の販売や展示でにぎわいます。
初夏の6月には「金ケ崎マラソン」が行われます。新緑のなかを走るランナーを、沿道の声援が後押しする一日です。走る人も応援する人も、町ぐるみで盛り上がるんですよね。
秋:食の祭典
秋の楽しみは、10月に開かれる「かもん金ケ崎オーワングランプリ」です(出典:金ケ崎町観光協会)。お椀サイズに盛られた地元自慢のメニューを食べ歩き、いちばんおいしかった一品に投票してグランプリを決めます。会場には湯気と香りが立ちこめて、あれもこれもと目移りしてしまいますよ。
冬:火と光、そして裸祭り
冬の名物が、1月最終日曜日に永沢地区で開かれる「おらが村の永岡蘇民祭」です(出典:金ケ崎町観光協会)。裸の男たちが蘇民袋を奪い合い、冷気のなかで湯気が立つほどの熱気に包まれます。無病息災と五穀豊穣を願う、極寒の真剣勝負なんですよ。
12月から2月にかけては、JR金ケ崎駅前で「かもん金ケ崎イルミネーション」が灯ります。雪の町並みに光が浮かび、寒い季節の帰り道をあたたかく照らしてくれます。
このほか、武家町を舞台にした火防祭という伝統行事も受け継がれています。開催時期は年によって告知を確認するのが確実です。
金ケ崎町のエリア別の顔

金ケ崎町は、東西に細長い地形のなかで地区ごとに表情が大きく違います。中心部には江戸時代の武家町、北側には工業団地と農業大学校、国道沿いには商業地、そして西へ向かうほど山と水の自然が深くなります(出典:金ケ崎町役場)。旅の目的に合わせて、どのエリアを軸にするか選んでみてください。
城内・西根エリア──歴史を歩く町の中心
金ケ崎駅周辺から城内諏訪小路にかけてが、町の歴史の核です。武家屋敷の小路、案内所、資料館がコンパクトにまとまっていて、徒歩でめぐれます。じっくり町歩きをしたい人や、歴史好きの人にいちばん向いたエリアですよ。
六原エリア──近代遺産とものづくりの郷
町の北側に位置する六原は、かつて軍馬補充部が置かれ、その跡地が今は岩手県立農業大学校になっています。軍馬の郷六原資料館が残るほか、トヨタ系の岩手工場を含む工業団地もこの方面に広がります。近代史や産業の歴史に関心がある人には、見ごたえのあるエリアです。
国道4号沿いエリア──暮らしと買い物の動線
西根から三ケ尻にかけての国道4号沿いには、ショッピングセンターやロードサイド店が集まります。観光というより生活の中心ですが、旅の途中で食事や買い物を済ませるのに便利な動線なんですよね。
西部山麓エリア──山と水に出会う自然地帯
町の西へ進むほど、駒ヶ岳の山麓や千貫石の森、広大な牧草地が広がります。登山やキャンプ、森林浴を楽しみたい人に向いたエリアで、酪農の風景も目に入ります。中心部の歴史散策とは対照的な、深呼吸したくなる空気が待っていますよ。
金ケ崎町の気候・季節の暮らし

金ケ崎町は北上盆地に位置する内陸性の気候で、夏と冬の寒暖差が大きいのが特徴です。西部の駒ヶ岳の山岳地から東部の平野まで標高差が1,300m以上あり、この高低差がさまざまな気象と風土を生み出してきました(出典:金ケ崎町役場)。盆地ならではのメリハリのある四季を、暮らしのなかで体感できる町なんですよ。
夏──盆地のあたたかさ
夏は内陸らしく気温が上がり、日中は汗ばむ日もあります。とはいえ朝晩は涼しさが残り、扇状地に田んぼの緑が広がる景色は東北の夏そのもの。西部の山麓へ行けば、千貫石の森や駒ヶ岳の木陰で涼を取れます。
冬──雪と寒さの備え
冬は冷え込みが厳しく、雪も積もります。日本海側ほどの豪雪地帯ではありませんが、路面の凍結や除雪は冬の暮らしに欠かせない備えです。車には冬タイヤが必須で、朝のフロントガラスの霜取りも日常のひとコマになります。
春と秋──過ごしやすい季節
春は雪どけとともに城内諏訪小路の生垣が芽吹き、桜の名所もにぎわいます。秋は扇状地の実りと武家町の紅葉が重なって、散策にいちばん心地よい季節ですよ。短くても濃い春と秋が、この町の楽しみどころです。
金ケ崎町の移住・暮らし情報

金ケ崎町は、県内有数の工業団地を抱えるおかげで働く場が多く、買い物環境も国道沿いにまとまっています。家賃は都市部より抑えめで、車があれば生活導線もスムーズ。子育て世代への支援にも力を入れている町なんですよ。住む視点で、もう少し具体的に見ていきましょう。
通勤・通学
町内のトヨタ系工場や工業団地に勤める人が多く、職住近接で暮らせるのが強みです。隣の北上市や奥州市へ通う人も多く、車なら20〜30分前後の距離感。国道4号と東北自動車道が南北を貫いているので、通勤の選択肢が広いんですよね。
住宅環境
賃貸はJR金ケ崎駅周辺を中心に、単身向けで4万円台、二人向けで5万円前後が目安です(出典:SUUMO)。土地に余裕があるため一戸建てや駐車場付き物件も多く、車を複数台持つ家庭にも住みやすい環境です。
買い物環境
西根から三ケ尻にかけての国道4号沿いに、ショッピングセンターやロードサイド店が集まっています。日用品はこのエリアでほぼそろうので、車で20分も走れば不便を感じにくいですよ。
子育て・教育
金ケ崎町は子育て支援に力を入れていて、移住・定住の相談窓口も設けています。東京23区から移住して就業・起業した人を対象にした移住支援事業補助金もあります(出典:金ケ崎町役場)。制度は年度で変わることがあるので、最新の内容は町の窓口で確認するのが確実です。
医療・エリア別の暮らし視点
日常の医療は町内や隣接する北上市・奥州市の病院を利用する人が多いです。暮らしの軸で見ると、歴史散策が身近な城内・西根エリア、工業団地に近い六原エリア、買い物に便利な国道沿い、自然豊かな西部山麓と、ライフスタイルに合わせて住む場所を選べるのが金ケ崎の魅力なんですよ。
金ケ崎町へのアクセス

金ケ崎町は、東北新幹線・東北自動車道・JR東北本線が近くを通り、首都圏からも東北各地からもアクセスしやすい町です。鉄道・車・飛行機のどれを使うかで起点が変わるので、目的に合わせて選んでみてください。
車でのアクセス
車なら東北自動車道が便利です。北上金ケ崎ICからは城内諏訪小路まで車で約10分、水沢ICからは約5分です(出典:いわての旅)。国道4号も南北に通っていて、北上市や奥州市との行き来もスムーズなんですよ。
鉄道+車でのアクセス
鉄道は、東北新幹線で北上駅または水沢江刺駅まで来て、そこから乗り継ぐのが基本です。北上駅からはJR東北本線で金ケ崎駅まで約10分、水沢江刺駅からは城内諏訪小路まで車で約20分です(出典:いわての旅)。金ケ崎駅から武家町までは徒歩でも歩ける距離です。
飛行機でのアクセス
空路を使うなら、北隣の花巻市にあるいわて花巻空港が最寄りです。空港から盛岡方面へのアクセスバスも運行しています(出典:いわて花巻空港)。空港から金ケ崎町へはレンタカーを借りると小回りがきいて便利ですよ。
町内移動の現実的アドバイス
町内は東西に細長く、見どころも点在しているので、移動は車があるとぐっと楽になります。武家町だけなら徒歩でめぐれますが、西部の駒ヶ岳や千貫石まで足を延ばすなら車が前提と考えておくといいですよ。
交通手段ごとに見てきましたが、「結局いちばん安く行くにはどうすれば?」と迷う方も多いはず。飛行機で向かうなら、航空券は予約のタイミングや会社によって料金が大きく変わります。複数の航空会社・LCCをまとめて比較できるサイトで、いちど最安値をチェックしておくと安心ですよ。
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【地元住民に直撃!】金ケ崎町の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。
アスパラガスを育てています。この町は駒ヶ岳の東に肥沃な扇状地が広がっていて、寒暖差のある土地が野菜づくりに向いているんですよ。
春から初夏にかけて、穂先のしまった一本を収穫する時期がいちばん忙しい。手は荒れますけど、みずみずしいのが採れると今でも嬉しくなります。
Q2.金ケ崎町に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?
まずは城内諏訪小路ですね。仙台藩の頃の武家屋敷が残っていて、サワラヒバの生垣の奥に茅葺の大屋根がのぞく小路は、歩くと時代がさかのぼった気持ちになります。
地元の者としては西の駒ヶ岳もすすめたい。山頂の神社まで登らなくても、麓の千貫石の森を歩くだけで水と緑の匂いに包まれて、頭がすっと軽くなりますよ。
Q3.金ケ崎町でお土産を買うとしたらなんですか?
定番ならお米のひとめぼれですね。寒暖差と清らかな水で育つので、冷めてもおいしい。間違いのない一品です。
地元の者がよく持っていくのは、旬のアスパラガスや、西部の牧場で搾った生乳のヨーグルトやジェラート。濃いのにさっぱりしていて、知る人ぞ知る味なんですよ。
Q4.外から人が来たときに、金ケ崎町でまず連れていく店はどこですか?
武家屋敷の一角に、昔の侍住宅を活かしたお茶やお食事を楽しめる場所があるんです。畳と古い梁に囲まれて一服すると、町の空気がそのまま伝わります。
あとは地元の牛肉、いわて奥州牛を出す店ですね。やわらかくて甘みがあって、遠くから来た人にはやっぱり一度味わってほしいんですよ。
Q5.金ケ崎町はどんな気質だと思いますか?
派手さはないけれど、こつこつ真面目な土地柄だと思います。農業も工業も、地道に手をかけて積み上げてきた人が多いんですよね。
仙台藩の北の境を守っていた頃の名残なのか、芯の通ったところもあります。よそから来た人にも、慣れてくると静かに気を配るような優しさがありますよ。
Q6.昔に比べて、金ケ崎町の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?
工業団地に大きな工場が来てから、働く場が増えて若い世帯も見かけるようになりました。国道沿いに店が並んで、買い物はずいぶん便利になりましたね。
その一方で、昔ながらの商店街は静かになりました。便利さと引き換えに失ったものもあって、そこは正直、寂しさも感じています。
Q7.金ケ崎町のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?
大きな施設のことは私にはよく分かりませんが、武家町を活かした町歩きや、住民が集まる催しがもっと根づいてくれたらと思います。
農業を継ぐ若い人が少しずつでも増えてほしい。この扇状地の土と水は本物ですから、次の世代にちゃんとつないでいけたらいいなと願っています。

