石川町(いしかわまち)は、福島県中通り南部・阿武隈高地の西側に位置する人口13,019人の町です。郡山市からJR水郡線で約50分でアクセスできます。
石川町の魅力を5つに凝縮すると、こうなります:
- ✅ 日本三大鉱物産地──ペグマタイトから約155種類もの鉱物を産出(県の天然記念物)
- ✅ 陸奥国一宮・石都々古和気神社と、928年前に築かれた三芦城跡が残る城下町
- ✅ 川沿い6km以上に約2000本の桜が咲く「いしかわ桜谷」
- ✅ 八幡太郎義家の伝説が残る母畑温泉など、町内に点在する温泉郷
- ✅ 戦時中、学徒動員の中学生が原爆用ウランを掘った「知られざる戦争の記憶」の町
「鉱物や地学が好きな人」「城跡や古社をめぐる歴史好き」「温泉でゆっくりしたい旅行者」「静かな環境で暮らしたい移住希望者」に向いた町です。この記事では、鉱物・神社・桜・温泉・戦争の記憶という5つの顔を、歴史や特産、暮らしの空気感まで地元目線で紹介します。
| 人口 | 13,019 人 ※2026年6月1日時点(推計人口) |
|---|---|
| 面積 | 115.71 km² |
| 人口密度 | 113 人/km² |
地理的には、北は玉川村、東は平田村と古殿町、南は浅川町・鮫川村・白河市、西は中島村と矢吹町と、8つの市町村に接しています(出典:日本交通公社 全国観光資源台帳)。
町の中央をJR水郡線と国道118号が南北に貫き、北端の石川母畑ICからあぶくま高原道路に乗れば東北自動車道や福島空港へつながります。県都・福島市からは約90kmの距離です。
鉱物・古社・桜・温泉・戦争の記憶と、小さな町にいくつもの「顔」が詰まっています。ひとつずつ見ていきましょう。
石川町の推しポイント

石川町の顔は、ひとつではありません。地面から約155種類もの鉱物が湧き出す「日本三大鉱物産地」であり、平安時代から続く城下町であり、春には川沿いが2000本の桜で埋まる景勝地でもあります。さらに、義家伝説の温泉や、戦時中のウラン採掘という重い歴史まで抱えています。ここでは、その5つの顔を順に見ていきましょう。
推しポイント1:ペグマタイト──日本三大鉱物産地
石川町は、岐阜県苗木地方・滋賀県田上地方と並ぶ「日本三大ペグマタイト鉱物産地」のひとつです。これまでに約155種類もの鉱物が見つかっており、水晶・電気石・緑柱石・希元素鉱物などを産出してきました(出典:石川町公式サイト)。「石川のペグマタイト鉱物と和久観音山鉱床」は福島県の天然記念物に指定されています(出典:石川町公式サイト)。ほかの産地に比べて結晶が大きいのが特徴で、その姿は「自然の芸術」とも呼ばれるんですよ。
推しポイント2:陸奥国一宮・石都々古和気神社
八幡山の山頂に鎮座する石都々古和気神社は、延喜式内社で、陸奥国一宮を称する古社です。屏風岩や船形岩といった巨大な磐境が山中に点在し、古代からの祭祀の場だったことがうかがえます。参道を登りながらパワースポットめぐりを楽しめる、地元でも大切にされてきた神社です。
推しポイント3:いしかわ桜谷の2000本桜
町を流れる北須川と今出川の両岸、6km以上にわたって約2000本の桜が咲き競います(出典:花の王国ふくしま)。谷あいに幾重にも重なって咲く光景から、江戸時代の俳句にちなんで「いしかわ桜谷」「桜谷」と呼ばれてきました。4月には川沿いがピンク一色に染まり、夜はライトアップも行われます。
推しポイント4:義家伝説の温泉郷
町内には母畑温泉・猫啼温泉・片倉温泉・塩ノ沢温泉と、いくつもの温泉が点在します。なかでも母畑温泉は、平安時代に八幡太郎義家(源義家)が馬の傷を谷川で洗ったところ数日で治った、という開湯伝説が残る歴史ある湯治場と伝えられています。母畑湖のほとりで、昔ながらの湯にゆっくり浸かれます。
推しポイント5:学徒動員とウラン採掘の記憶
太平洋戦争末期、石川町はペグマタイトに含まれる天然ウランの採石地となり、原子爆弾の材料を求める旧陸軍の計画の舞台になりました。1945年、地元の中学生らが動員され、山中でウラン鉱石を掘り続けました。石川町立歴史民俗資料館には、その記録や鉱石が今も保存されています。
石川町の歴史

石川町の歴史は、平安時代の武将・石川氏が拓いた城下町として始まりました。近代には鉱物の町として全国に知られ、戦時中には原爆計画に巻き込まれるという重い歴史も刻みました。そして戦後、6つの村が合併して現在の石川町が生まれます。時代ごとに見ていきます。
平安時代──石川氏の城下町として
1051年、源有光は源義家に従って安倍一族追討の軍で功績を挙げ、代官としてこの地を賜りました。有光は1063年にこの地へ移り住んで石川有光と名乗り、八幡山の山頂に三芦城(石川城)を築きました(出典:ふくしまの旅)。以降、三芦城は石川氏25代528年間の居城となり、豊臣秀吉の時代に取り上げられるまで、この地域の政治の中心であり続けました。
近代──鉱物と鉄道の町へ
明治時代後半から、ペグマタイトから採れる石英や長石が、陶磁器の釉薬やガラスの原料として盛んに採掘されました。中部地方の窯業地へ出荷され、石川の鉱物は産業を支えます。1934年には水郡線が開業し、磐城石川駅と野木沢駅が置かれ、人と物の流れが大きく変わりました。
戦中・戦後──ウラン採掘と町村合併
1945年、旧陸軍と理化学研究所は、ペグマタイトに含まれる天然ウランに着目し、原爆開発(二号研究)のための採掘を石川町で始めました。動員されたのは、地元の中学生たちでした。採掘された鉱石は戦後にGHQによって回収され、計画は幻に終わります。そして1955年3月31日、旧石川町と沢田村・野木沢村・母畑村・中谷村・山橋村が合併し、現在の石川町が誕生しました。
石川町の文化・風習

方言と話し方の特徴
石川町は福島県の中通り地方にあり、話される言葉は「南奥羽方言」と呼ばれる系統です。特徴は、アクセントが平坦なことと、「がぎぐげご」のように濁る音が多いこと。そして、疑問文でなくても語尾がふわっと上がる独特のイントネーションです。
会話でよく出てくるのが、んだ(そうだ・その通り)やだから(同感・そうだよね、という相づち)といった言葉。標準語だと思われがちなのが投げる(捨てる)とうるかす(水に浸しておく)で、「お米うるかしといて」と言われて戸惑う移住者も多いんですよ。
自分や自分の地域を指すときにはおらほ(私・私たちのところ)という言葉も使われます。柔らかく温かい響きの言葉が多いので、覚えると地元の人との距離がぐっと縮まります。
四季と暮らしのリズム
石川町は温暖湿潤気候で、年平均気温は約11.9℃。夏は緑と川風が心地よい一方、冬は冷え込みが強く、近年でも氷点下10℃を下回る朝があります。春の桜、夏の川遊び、秋の実り、冬の澄んだ空気と、四季のメリハリがはっきりしているのが、この町の暮らしのリズムです。
人の気質と地域のつながり
石川町では、公民館を地域の自治センターへと再編し、町内全域に地域自治協議会が置かれるなど、住民が主体となって地域を運営する仕組みが根づいています。祭りや農業体験、環境整備を通じて世代を超えたつながりが保たれていて、よそから来た人も少しずつ輪に入っていける空気があります。
石川町の特産品・食

特産品1:阿武隈の米
石川町の農業は、昔から米作りが中心です(出典:日本交通公社 全国観光資源台帳)。阿武隈川に注ぐ社川・北須川・今出川が集まる平地と、山あいの清らかな水が、米づくりにぴったりの環境をつくっています。昼夜の寒暖差がある内陸の気候で育つお米は、粒がしっかりして甘みがのりやすいと考えられます。炊きたてを一口食べれば、土地の水の良さが伝わってきますよ。
特産品2:りんごと季節の果物
米作りとあわせて、りんごをはじめとする果樹栽培も行われています。町内には果物の直売所もあり、秋になるとりんごや旬の果物が店先に並びます。もぎたてのりんごは、シャキッとした歯ざわりと、酸味と甘みのバランスが魅力。生産者の顔が見える直売所で、その日採れたものをその場で選べるのが、産地ならではの楽しみです。
特産品3:湯の里の食卓
母畑温泉や猫啼温泉といった湯治場を抱える石川町では、温泉宿でいただく地元の食材を使った料理も楽しみのひとつです。地元で採れた米や野菜、山の恵みを、湯上がりにゆっくり味わう。派手さはなくても、土地のものを丁寧に出す食卓には、この町らしい素朴なあたたかさがあります。旅の締めに立ち寄ってみてください。
現地に行くのはなかなか難しい方もいますよね。でもふるさと納税なら、実質2,000円の自己負担で全国の特産品が返礼品として届きます。
会社員ならワンストップ特例で確定申告も不要です。
返礼品は数万点あるので、迷ったらAmazonの【今みんなが選んでいる人気返礼品ランキング】から見るのが失敗しないコツですよ。
楽天ユーザーの方は【返礼品ランキング総合TOP100】でチェックしてみてくださいね。
石川町の観光スポット

石川町の見どころは、地面から湧き出す鉱物、平安時代から続く古社と城跡、川沿いを埋める桜、そして義家伝説の温泉に集約されます。町の中心部は歩いてまわれる距離にまとまっているので、鉱物と歴史を半日、湯めぐりを半日、といった組み立てがしやすい町なんですよ。まずは押さえておきたいスポットを、テーマごとに紹介します。
鉱物と歴史を体感するスポット
- 石川町立歴史民俗資料館 イシニクル – 石川地方産の鉱物標本を中心に、町の歴史や民俗、VRやハンズオン展示まで楽しめる資料館です。2024年(令和6年)4月に移転オープンし、住所は石川町字長久保96。開館時間は午前9時〜午後5時(最終入館は午後4時30分)、休館日は月曜日と12月28日〜1月4日、観覧料は一般・学生300円です(出典:石川町公式サイト)。石川のペグマタイト鉱物は福島県の「県の石」にも選ばれていて、結晶の大きさを間近で見ると、この町が「日本三大鉱物産地」と呼ばれる理由が体で分かります。
- 和久観音山鉱山跡 – 明治時代から採掘が続いた、石川町で最初に鉱物を掘り始めた鉱山跡です。町内に100か所近くある鉱山跡の中で、保存会の案内で坑道の中に入って見学できるのはここだけとされています(出典:石川町公式サイト)。ひんやりした坑道に足を踏み入れると、少年たちがウランを掘った時代の空気に触れるようで、静かな迫力があります。見学の可否は事前に確認しておくと安心です。
陸奥国一宮と城下町の面影
- 石都々古和気神社 – 八幡山の山頂に鎮座する、陸奥国一宮を称する延喜式内社です(出典:ふくしまの旅)。参道には屏風岩や船形岩といった巨大な磐境が点在し、登りながら祈りをめぐらせるパワースポットとして親しまれています。木々の間から差す光と、岩に触れるひんやりした感触が心地よく、朝の澄んだ空気の中を歩くのがおすすめですよ。
- 三芦城跡(石川城跡) – 石都々古和気神社と同じ八幡山にあり、1063年に石川有光が築いて以来、石川氏25代528年間の居城となった城の跡です。今は記念碑が建つ高台で、町を見下ろしながら平安以来の歴史に思いをはせられます。神社参拝とあわせて立ち寄れる場所にあります。
- モトガッコ – 旧石川小学校をリノベーションした文教福祉複合施設で、桜や夏まつりの舞台にもなる町の交流拠点です。校舎の面影を残した空間に図書館やカフェ的な機能が入り、地元の人と旅行者がゆるやかに混ざり合う、居心地のよい場所です。
桜と水辺の景色
- いしかわ桜谷(北須川・今出川の桜並木) – 町の中心部を流れる北須川と今出川の両岸、6km以上にわたって約2000本の桜が咲き競う名所です(出典:花の王国ふくしま)。谷あいで枝が幾重にも重なる光景から「桜谷」と呼ばれ、川面に映るピンクのトンネルは、時が止まったように感じるほど。見頃は例年4月上旬〜中旬で、夜のライトアップも楽しめます。
- 高田桜 – 北須川沿いの傾斜地に立つ、樹齢約500年とされる一本桜で、福島県の天然記念物に指定されています。町のシンボルとして愛されてきた老桜で、桜谷の並木とはまた違う、堂々とした佇まいに見入ってしまいます。こちらも見頃は4月上旬〜中旬です。
- 母畑湖(千五沢ダム) – 母畑温泉のそばに広がる、農業用水ダムのダム湖です。釣りを楽しむ人ものんびり過ごす人もいて、水面をわたる風が心地よい静かな水辺。温泉とあわせて訪れると、旅の疲れがすっとほどけていきますよ。
歴史ある温泉
- 母畑温泉 – 平安時代、八幡太郎義家(源義家)が馬の傷をこの地の谷川で洗ったところ数日で治った、という開湯伝説が伝わる湯治場です。母畑湖のほとりに宿が点在し、昔ながらの湯にゆっくり浸かれます。歴史の物語を思い浮かべながらの湯あみは、格別の贅沢です。
- 猫啼温泉 – 平安時代の女流歌人・和泉式部にゆかりがあると伝えられる温泉で、宿の名にもその名残が見られます。こぢんまりとした落ち着いた雰囲気で、静かに過ごしたい旅にぴったり。歴史とやわらかな湯を味わえる、通好みの一湯です。
石川町の観光ルート

石川町は中心部がコンパクトにまとまっているので、鉱物・古社・温泉を1日でぐるりとめぐれます。桜の季節だけの半日プランや、隣町まで足をのばす広域プランも組みやすい町なんですよ。ここでは車を使った3つのルートを紹介します。
【車・1日】鉱物と一宮、湯めぐりルート(町内完結)
時系列:9:30 磐城石川駅 → 9:40 石都々古和気神社・三芦城跡 → 11:00 イシニクル → 12:30 中心部で昼食 → 14:00 母畑湖 → 15:00 母畑温泉(日帰り湯)
①石都々古和気神社・三芦城跡(約60分)
→ 朝の澄んだ空気の中、磐境の並ぶ参道を登って一宮に参拝。高台から町を見下ろすと、1日の始まりに気持ちが整います。
②イシニクル(約90分)
→ 「県の石」に選ばれたペグマタイト鉱物をじっくり観察。VRやハンズオン展示もあるので、地学好きなら時間がいくらあっても足りません。
③母畑湖(約30分)
→ 午後の光を映す静かな湖畔をひと休み。温泉に入る前に、水辺の空気で頭を空っぽにするのがおすすめです。
④母畑温泉(約60分)
→ 義家伝説の湯で1日の締めくくり。夕方は湯上がりの体に川風が心地よく、旅の余韻に浸れます。
【車・半日】桜谷さんぽルート(春)
時系列:9:00 あさひ公園 → 9:40 北須川・今出川の桜並木さんぽ → 11:00 高田桜 → 11:40 モトガッコ
①あさひ公園(約40分)
→ 今出川と北須川の合流点に整備された公園。ベンチや堤防の階段があり、お弁当を広げてのんびり桜を眺めるのにぴったりです。
②北須川・今出川の桜並木(約80分)
→ 川沿いを歩けば、頭上を覆う桜のトンネル。谷あいに折り重なる「桜谷」の絶景は、ゆっくり歩いてこそ味わえます。
③高田桜(約40分)
→ 樹齢約500年の一本桜と対面。並木の華やかさとは対照的な、どっしりとした存在感に圧倒されます。
④モトガッコ(約40分)
→ 桜の時期はイベント会場にもなる交流拠点。マルシェやお土産を見て、春のまち歩きを締めくくりましょう。
【車・1日】広域ルート:石川郡めぐり
時系列:9:30 イシニクル → 11:00 母畑温泉(昼食・入浴) → 13:30 玉川村・道の駅たまかわ → 14:30 福島空港
①イシニクル(約90分)
→ まずは石川町の鉱物と歴史を予習。この町の成り立ちを知ってから郡内をめぐると、景色の見え方が変わります。
②母畑温泉(約120分)
→ 昼食と日帰り入浴でひと息。湯治場の落ち着いた空気で、午後の移動に備えます。
③道の駅たまかわ(玉川村)(約60分)
→ 隣町の玉川村へ。地域の特産品やお土産が揃い、旅の買い物拠点として便利です。
④福島空港(約60分)
→ 展望デッキから飛行機を眺めてフィナーレ。石川町を起点に、阿武隈地域の広がりを感じられるルートです。
ここまで見てきたとおり、見どころが少し離れた場所に点在していることもあります。気になるスポットをまとめて回るなら、レンタカーがあると一気に動きやすくなりますよ。料金は会社や時期でけっこう変わるので、まとめて比較できるサイトでサッと見ておくのがおすすめです。
【エアトリ
】でレンタカーをまとめて比較する
そして遠方から訪れるなら、思いきって一泊するのもおすすめです。日帰りでは通り過ぎてしまう夜や朝の時間に、その町ならではの静けさや表情に出会えます。お祭りやイベントの時期は宿が一気に埋まるので、早めの確保が安心ですよ。
【じゃらんnet
】でこのエリアの宿を探す
石川町の年間イベント

石川町の一年は、春の桜、夏の花火、秋の神輿と、季節ごとに表情を大きく変えます。どれも町の人が主役になって盛り上げるイベントばかりで、旅行者もすっと輪に入っていける温かさがあるんですよ。季節ごとに見ていきましょう。
春:いしかわ桜谷スプリングフェスタ
桜の開花に合わせ、毎年4月ごろに「いしかわ桜谷スプリングフェスタ」が開かれます(出典:しあわせの風ふくしま(ふくしまDC公式))。桜並木のライトアップや石川さくらロードレースなどの催しがあり、モトガッコを中心にマルシェも並びます。「桜谷」の名は、江戸時代に石都々古和気神社の宮司・吉田露珊が詠んだ句に由来すると伝えられていて、夜桜を歩けばその風情がしみじみ感じられます。
夏:石川きらら夏まつり
夏はモトガッコを舞台にした「石川きらら夏まつり」。2026年で第22回を数える、石川町商工会が主催する町の夏の風物詩で、毎年7〜8月ごろに開かれます(出典:石川町商工会)。キッチンカーや縁日、ステージイベントでにぎわい、フィナーレには花火が打ち上がります。子どもの歓声と屋台の匂い、そして夜空に開く花火と、夏の記憶がぎゅっと詰まった一日なんですよ。
秋:石都々古和気神社例大祭
秋の主役は、900年以上の歴史を持つ石都々古和気神社の例大祭。毎年9月ごろに行われ、白装束の担ぎ手が威勢よく神輿を担ぐ神輿渡御と、最終日の御神輿パレードがクライマックスです。各町の神輿や山車が中心部に集まり、掛け声と太鼓が町じゅうに響きわたります。普段は静かな石川町が、この日ばかりは熱気に包まれます。あわせて11月ごろには「いしかわオータムフェスタ」も開かれ、秋は実りとお祭りの季節になります。
石川町のエリア別の顔

石川町は1955年に、旧石川町と沢田村・野木沢村・母畑村・中谷村・山橋村の6つの町村が合併して生まれました(出典:全国町村会)。そのため、今も地域ごとに違った顔を持っています。旅する視点で、主なエリアの個性を見ていきましょう。
中心部エリア──駅・城跡・桜が集まる町の顔
磐城石川駅を中心とした中心部は、石都々古和気神社と三芦城跡、イシニクル、モトガッコ、そして桜谷が徒歩圏に集まる、観光の主舞台です。川沿いを歩けば桜並木、坂を上れば一宮と、歴史と自然が近い距離に同居しています。初めて石川町を訪れるなら、まずここを起点にするのがおすすめですよ。
母畑エリア──湯と湖で過ごす静けさ
町の北東側、母畑温泉と母畑湖のあるエリアは、のんびり過ごしたい人に向いています。義家伝説の湯につかり、湖畔で風に吹かれる。中心部のにぎわいから少し離れて、時間の流れがゆるやかになる場所です。1日の締めくくりに立ち寄ると、旅の満足度がぐっと上がります。
沢田・野木沢エリア──田園と里山の原風景
町の北西側にあたる沢田・野木沢エリアは、阿武隈川流域の平地と山あいが織りなす田園地帯です。JR水郡線の野木沢駅がのどかに佇み、季節ごとに表情を変える田んぼの風景が広がります。派手さはなくても、車窓や散策でこの土地の素の暮らしを感じたい人にぴったりです。
中谷・山橋エリア──鉱物の記憶が眠る山あい
山あいの中谷・山橋エリアは、かつて鉱物採掘でにぎわった土地の記憶が眠る一帯です。和久観音山をはじめとする鉱山跡が点在し、「鉱物の町」の原点に触れられます。地学や近代史に興味がある人が、静かにその痕跡をたどるのに向いたエリアです。
石川町の気候・季節の暮らし

石川町は温暖湿潤気候に属し、年平均気温は11.9℃です。夏日は年95.3日、真夏日は39.0日ある一方、冬日は107.1日にのぼります(出典:気象庁)。夏はしっかり暑く、冬はぐっと冷え込む、寒暖差のはっきりした内陸の気候なんですよ。季節ごとの暮らしを見ていきましょう。
夏──6月〜8月の暮らし
夏の石川町は、日中しっかり気温が上がる内陸の暑さです。観測史上の最高気温は37.8℃を記録しています(出典:気象庁)。ただ、川と山に囲まれた土地なので、朝晩は比較的空気がやわらぎます。夕方の川風や、桜谷の緑陰を歩く涼しさは、この町ならではの夏の楽しみです。
秋──9月〜11月の暮らし
秋は実りと祭りの季節です。石都々古和気神社の例大祭で町が熱気に包まれたあと、朝晩の冷え込みが少しずつ増していきます。里山が色づき、果物の直売所ににぎわいが出る頃で、澄んだ空気の中を散歩するのが気持ちいい時期。上着が一枚ほしくなる朝が増えていきます。
冬──12月〜2月の暮らし
冬は冷え込みが厳しく、冬日は年107.1日にのぼります。近年でも氷点下10℃を下回る朝があり、2018年には−10.5℃を観測しました(出典:気象庁)。太平洋側の気候寄りで、会津地方ほどの豪雪ではないと考えられますが、朝の路面凍結には注意が必要です。暖房と車の冬支度は、暮らすうえで欠かせません。
春──3月〜5月の暮らし
春は寒暖差が大きく、三寒四温を繰り返しながら暖かくなっていきます。そしてなんといっても、4月上旬〜中旬の桜。北須川と今出川沿いの「桜谷」が満開になると、町全体が華やぎます。冬の厳しさを越えたご褒美のような季節で、住む人にとっても一年で一番心が浮き立つ時期なんですよ。
石川町の移住・暮らし情報

石川町は、郡山市や須賀川市への通勤圏にありながら、家賃を抑えて田園の暮らしができる「ちょうどいい田舎」です。スーパーも診療所も揃い、桜と温泉が身近にある生活。ここでは「住む視点」で、暮らしの現実を見ていきましょう。
通勤・通学
通勤・通学は、郡山市や須賀川市方面へ向かう人が多いと考えられます。車なら郡山市まで約55分、JR水郡線でも約50分です(出典:石川町公式サイト)。町の中心にJR磐城石川駅があり、国道118号が南北を貫くので、車と鉄道の両方で郡山方面につながっているのが心強いところです。
住宅環境
賃貸の家賃相場は、全体でおよそ4万円前後、単身向けの1K・2Kで3万円台半ばが目安です(出典:アットホーム)。物件数は多くないので、じっくり探すのがおすすめ。また、東京圏から移住した人には支給要件を満たせば石川町移住支援金が交付されます(出典:石川町公式サイト)。田園に一戸建てを構えて暮らす選択もしやすい町です。
買い物環境
日常の買い物は、町内のスーパー(ヨークベニマルなど)や国道118号沿いのロードサイド店でまかなえます。生活必需品の買い物に困らない規模がそろっているので、車があれば不便を感じる場面は少ないでしょう。少しまとまった買い物は、車で須賀川市や郡山市まで足をのばす人も多いと考えられます。
子育て・教育
町内にはいしかわこども園、石川町立石川小学校・野木沢小学校、石川町立石川中学校があり、私立の石川義塾中学校や学法石川高等学校も立地しています。廃校をリノベした文教福祉複合施設「モトガッコ」には、図書館のほか赤ちゃん広場や屋内遊び場など子育て支援の拠点が整っています(出典:ふくしまぐらし(福島県移住ポータルサイト))。小さな町ながら、高校まで町内で通える環境があるのは安心材料です。
医療環境
町内には内科などの診療所・クリニックがあり、介護老人保健施設を併設する医院もあります(出典:厚生労働省 医療情報ネット)。石川郡内では在宅当番医による休日診療の体制も組まれています(出典:石川町公式サイト)。入院や専門的な高度医療については、須賀川市・郡山市・白河市方面の総合病院を利用する形になると考えられます。
エリア別の暮らし視点
中心部エリアは駅・スーパー・学校・モトガッコが徒歩圏にまとまり、車がなくても生活導線が短いのが強みです。母畑エリアは温泉と湖が近い静かな環境、沢田・野木沢エリアは田園に囲まれたのどかな住環境、中谷・山橋エリアは山あいの落ち着いた暮らしと、住む場所によって町の表情が変わります。にぎやかさより静けさを求めるなら中心部から少し離れたエリアが向いていますよ。
石川町へのアクセス

石川町へは、車・鉄道・飛行機のいずれでもアクセスできます。高速道路のICと福島空港が近く、JR水郡線も通っているので、目的に応じて選べるのが便利なところです。主要な行き方を交通手段ごとに整理します。
車でのアクセス
車の場合、東北自動車道の須賀川ICから約30分、白河ICから約45分です。あぶくま高原道路の石川母畑ICからは約15分、常磐自動車道いわき湯本ICからは約60分でアクセスできます(出典:石川町公式サイト)。町内は国道118号が南北の軸になるので、ICを降りてからも迷いにくいですよ。
鉄道+バスでのアクセス
鉄道はJR水郡線の磐城石川駅が玄関口です。郡山市からJR水郡線で約50分(出典:石川町公式サイト)。首都圏からは、東北新幹線で郡山駅まで出て水郡線に乗り換えるのが分かりやすいルートです。東北新幹線の新白河駅からは車で約40分、バスで約60分でも入れます。水郡線は本数がゆったりしているので、乗り継ぎ時刻は事前に確認しておくと安心です。
飛行機でのアクセス
空の便を使う場合、福島空港から車で約15分と近いのが石川町の大きな強みです(出典:石川町公式サイト)。空港はお隣の玉川村にあり、レンタカーを借りればそのまま町内へ。遠方から訪れる人にとって、飛行機+車は意外と快適な選択肢なんですよ。
町内移動の現実的アドバイス
町内をめぐるなら、車が基本と考えておくのが現実的です。観光スポットや温泉が少し離れて点在しているためです。鉄道は磐城石川駅と野木沢駅が使えますが本数は限られるので、駅レンタカーやタクシー(マルイチ新石川タクシー・福島交通石川営業所など)と組み合わせると動きやすくなります。
交通手段ごとに見てきましたが、「結局いちばん安く行くにはどうすれば?」と迷う方も多いはず。飛行機で向かうなら、航空券は予約のタイミングや会社によって料金が大きく変わります。複数の航空会社・LCCをまとめて比較できるサイトで、いちど最安値をチェックしておくと安心ですよ。
【トラベリスト】
で航空券をまとめて比較する
【地元住民に直撃!】石川町の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。
石川町の特産品や観光の魅力を、外に向けて発信する仕事をしています。地元の作り手さんと一緒に、良いものをどう届けるかを日々考えている感じですね。
もともとこの町で生まれ育ったので、暮らしの延長で地域に関わっていられるのはありがたいです。町の中を歩き回って、人と話すのが仕事みたいなものなんですよ。
Q2.石川町に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?
やっぱり春の桜谷ですね。北須川と今出川の両岸に桜が覆いかぶさって、川面まで淡いピンクに染まる。あの景色の中を歩くと、時間が止まったみたいになります。
あとは八幡山の上にある石都々古和気神社。巨大な岩がごろごろした参道を登ると、木漏れ日と静けさで空気が変わるんです。地元の人間でも背筋が伸びる場所ですよ。
Q3.石川町でお土産を買うとしたらなんですか?
オーソドックスなところだと、この土地で採れたお米や、秋の直売所に並ぶりんごですね。水と寒暖差のおかげで、味がしっかりしているんです。
それと、意外と知られていないのが鉱物にちなんだ品。日本三大鉱物産地の町なので、資料館のショップで小さな鉱物やそれをモチーフにしたものを選ぶと、石川町らしいお土産になりますよ。
Q4.外から人が来たときに、石川町でまず連れていく店はどこですか?
特定の一軒というより、まずは母畑や猫啼の温泉に案内することが多いですね。義家の伝説が残る湯にゆっくり浸かってもらうと、それだけで町の空気が伝わります。
食事は、昔ながらの定食屋さんで、出汁と油の匂いのする素朴なものを。派手さはないけれど、地元の味を知ってもらうのが一番喜ばれるんですよ。
Q5.石川町はどんな気質だと思いますか?
物静かで、じんわり人情深い土地柄だと思います。初対面ではそっけなく見えるかもしれませんが、一度打ち解けると、とことん面倒を見てくれる人が多いですね。
自治センターを中心に、地域の行事を住民が自分たちで支える文化も根づいています。派手に主張しないけれど、芯のあるつながりが残っている町です。
Q6.昔に比べて、石川町の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?
正直に言うと、人口は年々減っていて、中心部でも空き店舗が目につくようになりました。子どもの頃のにぎわいを思うと、寂しさは感じます。
ただ、廃校を活かした複合施設ができてから、若い家族や子どもが集まる場所が増えました。桜や祭りの季節には人が戻ってくる。静かに、でも確かに動き直している実感はありますよ。
Q7.石川町のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?
移転した歴史民俗資料館が、鉱物の町らしい発信の拠点として育っているのが嬉しいですね。展示が評価されて賞も受けたと聞いて、地元としても誇らしかったです。
これからは、桜谷や温泉、鉱物といった町の宝を一本の流れでつないで、訪れた人に長く滞在してもらえる仕掛けを増やしていきたい。町長も含め、みんなで知恵を出している最中です。

