天栄村(てんえいむら)は、福島県中通り地方の南部・岩瀬郡に位置する人口4,715人の村です。奥羽山脈の分水嶺を東西にまたぎ、東は田園、西は湖と温泉の高原が広がります。
天栄村の見どころを5つに絞ると、こうなります:
- ✅ 天栄米──米・食味分析鑑定コンクール国際大会で9年連続金賞(全国唯一の記録)
- ✅ ブリティッシュヒルズ──羽鳥湖高原に中世英国の街並みを再現した語学研修施設
- ✅ 羽鳥湖(羽鳥ダム)──アースダムとして全国屈指の規模、ダム湖百選
- ✅ 二岐温泉・岩瀬湯本温泉──漫画家つげ義春が通ったブナ原生林の秘湯
- ✅ 全国「環境王国」第1号認定──米・長ねぎ・ヤーコンの三大ブランド農産物
「静かな山里で名湯と美食を味わいたい旅行者」「火山や地学ではなく水と森の恵みに惹かれる人」「英語教育や子育て支援が手厚い移住先を探している人」に向いた村です。本記事では、観光・特産・歴史から、方言や暮らしの空気感まで、地元目線で紹介します。
| 人口 | 4,715 人 ※2026年6月1日時点(推計人口) |
|---|---|
| 面積 | 225.52 km² |
| 人口密度 | 20.9 人/km² |
地理的には、北は郡山市、北から東は須賀川市、東は鏡石町と矢吹町、南は白河市と西郷村、西は下郷町、そして西の山あいで会津若松市に接しています(出典:日本交通公社 全国観光資源台帳/会津若松市側は同市公表の隣接市町村でも確認)。村の中央には分水嶺の鳳坂峠があり、東は太平洋、西は日本海へ水が流れます。東京からは新幹線で新白河駅まで約1時間半、そこから車で山あいへ入ります。
米・温泉・英国・古墳と、小さな村に「全国唯一」「全国屈指」の要素が点在しています。ひとつずつ見ていきましょう。
天栄村の推しポイント

天栄村の魅力は、東の田園と西の高原という2つの顔にきれいに分かれています。東の平地は水がよく、コンクールで日本一に輝いた天栄米を生みました。西の羽鳥湖高原には英国の街並みや名湯が広がります。ここでは、その代表格を5つ深掘りしていきますね。
天栄米──国際大会で9年連続金賞のブランド米
天栄村を語るなら、まず米です。天栄米栽培研究会が育てるコシヒカリは、米・食味分析鑑定コンクール国際大会の最高部門「国際総合部門」で、2008年度から2016年度まで9年連続の金賞を受賞しました。これは全国で唯一の記録です(出典:天栄村ホームページ)。その後も金賞を重ね、5年連続金賞の団体に与えられる「ゴールドプレミアムライスAAA」の称号も持っています。
ブリティッシュヒルズ──羽鳥湖高原の中世英国
羽鳥湖高原の海抜約1,000メートルの森に、中世英国の街並みをまるごと再現した語学研修施設「ブリティッシュヒルズ」があります。神田外語大学を運営する学校法人佐野学園が1994年に開設したもので、看板や道路標識まで英国仕立て。パスポートなしで英国気分に浸れる場所として知られています(出典:てんえいとりっぷ(天栄村観光ポータルサイト))。アフタヌーンティーやマナーハウス見学は宿泊しなくても楽しめますよ。
羽鳥湖(羽鳥ダム)──全国屈指のアースダム
村西部に広がる羽鳥湖は、水不足に悩む白河地域へ農業用水を送るために造られた羽鳥ダムの人造湖です。土を盛ってせき止めるアースダムとしては全国屈指の規模で、ダム湖百選にも選ばれています(出典:福島県観光情報サイト「ふくしまの旅」)。外周は約16キロ。周囲にはスキー場、ゴルフ場、キャンプ場が点在し、湖ではワカサギ釣りも楽しめます。
二岐温泉・岩瀬湯本温泉──つげ義春が愛した秘湯
西部の山あいには、ブナの原生林に囲まれた二岐温泉と、茅葺きの湯治宿が残る岩瀬湯本温泉があります。漫画家のつげ義春が昭和40年代に足しげく通い、二岐温泉の湯小屋旅館をモデルに『二岐渓谷』を描いたことでも知られます(出典:二岐渓谷(Wikipedia)参照)。湯本温泉は「これまで来た中で最高の場所」と絶賛したそうです。しずかな山の湯、想像するだけで行きたくなりませんか。
環境王国第1号──米・長ねぎ・ヤーコンの村
天栄村は、安心できる農作物づくりに適した地域として全国で最初の「環境王国」に認定されています。三大ブランド農産物は天栄米・天栄長ねぎ・天栄ヤーコン。糖度が高い長ねぎ、オリゴ糖が豊富なヤーコンと、いずれも土づくりにこだわった逸品です(出典:天栄村ホームページ)。
天栄村の歴史

天栄村の歴史は、古代にこの地を治めた豪族の古墳から始まります。近世には会津と中通りを結ぶ街道の宿場町として栄え、昭和の合併で現在の村が誕生しました。戦後は農業用水を蓄えるダムの完成が、村の西部を高原リゾートへと変えていきます。時代ごとに役割を変えながら歩んできた村です。
古代──龍ヶ塚古墳と石背国造
村の白子地区には、6世紀中頃に築かれた前方後円墳「龍ヶ塚古墳」があります。周辺では最大規模の古墳で、1980年に福島県の史跡に指定されました(出典:ふくしまデータベース)。この地を支配した石背国造ゆかりとされ、近くには奈良・平安期の集落跡や、県指定文化財の古印「丈部私印」を出土した遺跡も残っています。古代の岩瀬郡で重要な位置を占めた土地でした。
近世の街道と宿場
近世の村域は、ほぼ白河藩領でした。茨城街道(現在の国道294号)が通り、牧之内は会津と中通りを結ぶ宿場として栄えました。奥羽山脈の分水嶺をまたぐこの村は、古くから東西の人と物を結ぶ交通の要衝だったのです。
現代──合併とダムが作った村
1955年(昭和30年)、牧本村・湯本村・大里村と広戸村の一部が合併して天栄村が発足しました。村名は中央にそびえる天栄山にちなみます。翌1956年(昭和31年)には、矢吹原の開拓事業の核心となる羽鳥湖(羽鳥ダム)が完成し、村の姿を大きく変えました。近年は「英語の村てんえい」を掲げた英語教育や、環境王国としての農業ブランド化に力を入れています。
天栄村の文化・風習

方言と話し方の特徴
天栄村が属する中通り地方の言葉は、福島弁の中では比較的標準語に近いと言われます。それでも会話には土地の言い回しが顔を出します。相づちのんだ(そうだ)、程度を強めるいぎなり(とても・すごく)、体調や具合を指すあんばい/あんべ(具合・調子)などが代表格です。あんべわりぃ(具合が悪い)のように使います。また、感謝を伝えるありがとない(ありがとう)という柔らかな言い方も福島でよく聞かれます。濁音が多く、語尾がふわりと上がるのが福島弁らしさですね。
湯治と温泉の暮らし
西部の山あいでは、温泉が昔から生活の一部でした。岩瀬湯本や二岐の湯には湯治の文化が根づき、茅葺きの宿でゆっくり体を休める過ごし方が今も残っています。二岐・岩瀬湯本・天栄の3つの温泉はそれぞれ車で20分圏内。地元でも「今日はどこの湯さ行ぐか」と気軽に湯めぐりを楽しむ空気があります。
英語が身近にある村
天栄村のちょっと変わった風習といえば、英語教育です。村は「英語の村てんえい」を掲げ、小中学生の英語検定料の補助や、ブリティッシュヒルズでの異文化体験を取り入れています。山里の子どもたちが英国の街並みで学ぶ——ほかではなかなか見られない、この村ならではの日常なんですよ。
天栄村の特産品・食

天栄米──冷めても甘い、日本一の食味
まずはやっぱり天栄米。ツヤと粘りがあり、噛むほどに甘みが広がるコシヒカリで、冷めてもおいしいのが自慢です。旬は新米が出回る秋。漢方資材を使った土づくりと有機肥料で育てる「漢方環境農法」が味の秘密です。国際コンクールの国際総合部門で9年連続金賞という全国唯一の実績を持ちます(出典:天栄村ホームページ)。炊きたてを塩むすびで食べると、米そのものの甘さがよくわかりますよ。
天栄長ねぎ──糖度14度前後の甘いねぎ
天栄長ねぎは、白い部分が太くしっかりしていて、糖度が14度前後と高いのが特徴です(出典:天栄村ホームページ)。旬は寒さが増す晩秋から冬。加熱するととろりと甘くなるので、鍋や焼きねぎにするのがおすすめです。じっくり焼いて塩をふるだけで、ねぎが主役のごちそうになります。
天栄ヤーコン──梨のようにシャキシャキの根菜
南米アンデス原産のキク科の根菜、ヤーコンも村の看板です。見た目はサツマイモに似ていますが、かじると梨や大根のようにシャキシャキ。ほのかな甘みで、フラクトオリゴ糖をたっぷり含む低カロリー野菜です。福島県内で初めて特別栽培農産物の認証を取得しました(出典:環境王国)。生のままサラダにしても、天ぷらや炒め物にしてもおいしい万能野菜です。道の駅ではヤーコンうどんも味わえます。
揚げ饅頭・酒饅頭──村のなつかしいおやつ
甘いものなら、昔から親しまれてきた揚げ饅頭や酒饅頭があります。ほんのり発酵の香りがする素朴な味わいで、近隣の須賀川市のショッピングモールなどでも手に入ります。旅の締めに、あたたかいお茶と一緒にいかがでしょうか。
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天栄村の観光スポット

天栄村の見どころは、分水嶺を境に東西でがらりと表情が変わります。西の羽鳥湖高原には英国の街並みや湖のリゾートが、山あいには秘湯が、東の里には米どころの田園と道の駅が広がります。序盤で触れたスポットを、ここからじっくり深掘りしていきますね。
英国と湖を楽しむ高原リゾート
- ブリティッシュヒルズ – 羽鳥湖高原の海抜約1,000メートルの森に、中世英国の街並みを再現した施設です。日帰り利用も可能で、入場料は大人(中学生以上)400円、小学生200円、未就学児無料。宿泊者は入場料無料です(出典:ブリティッシュヒルズ公式サイト)。アフタヌーンティーやマナーハウス見学、英語のカルチャーレッスンも体験できます。門をくぐった瞬間から石畳と霧の英国世界。写真好きにはたまらない一角ですよ。
- 羽鳥湖(羽鳥ダム) – 周囲約16キロ、最大水深31.2メートル、総貯水量2,700万立方メートルの人造湖です。矢吹ヶ原の灌漑と発電のため鶴沼川をせき止め、約15年かけて昭和31年に完成しました(出典:てんえいとりっぷ(天栄村観光ポータルサイト))。湖畔にはサイクリングロードが整い、四季折々の景色の中を走れます。新緑と紅葉の季節がとくにおすすめです。
- 羽鳥湖畔オートキャンプ場・エンゼルフォレスト那須白河 – 羽鳥湖のほとりに広がるアウトドア拠点です。テントサイトやコテージ、スパ施設が点在し、ペット同伴で楽しめるエリアもあります。湖面をわたる風と森の匂いに包まれて過ごす夜は格別。夏の避暑地としても人気があります。
山あいの名湯めぐり
- 二岐温泉 – 二岐山(標高1,544メートル)の麓、標高約800メートルの渓谷沿いにブナ原生林に囲まれて湯宿が点在する秘湯です(出典:日本温泉協会)。漫画家つげ義春が『二岐渓谷』のモデルにした「湯小屋旅館」もこの地。渓流のせせらぎを聞きながらの露天風呂は、日常をすっかり忘れさせてくれます。
- 岩瀬湯本温泉 – 平安時代初期の弘仁9年(818年)、嵯峨天皇の病気平癒のために発見されたと伝わる古湯です(出典:福島県観光情報サイト「ふくしまの旅」)。茅葺き屋根の宿が残り、1,200年の湯治の風情が漂います。ひなびた温泉が好きな人には、ここの静けさがきっと刺さりますよ。
味と歴史にふれる里のスポット
- 道の駅 季の里天栄 – 国道294号沿い、大里地区にある道の駅で、2011年春にオープンしました。直売所には天栄米・天栄長ねぎ・ヤーコンや、地酒「廣戸川」などが並びます(出典:福島県観光情報サイト「ふくしまの旅」)。食堂ではそばや定食も味わえます。旅の入口でおみやげを一気に揃えられる、便利な立ち寄りスポットです。
- 道の駅 羽鳥湖高原 – 羽鳥湖のすぐそばに建つ道の駅で、村特産のヤーコンを使ったヤーコンうどんやヤーコン加工品が名物です。高原ドライブの休憩に立ち寄って、ここでしか味わえないヤーコングルメを試してみてください。
- 龍ヶ塚古墳 – 白子地区にある6世紀中頃の前方後円墳で、1980年に福島県の史跡に指定されました。周辺では最大規模の古墳です(出典:ふくしまデータベース)。田園の中に静かに残る塚に立つと、古代この地を治めた豪族の時代に思いを馳せられます。
天栄村の観光ルート

天栄村は鉄道の駅がなく、車での移動が基本になります。西の高原リゾートを軸にした1日コースから、東の里をめぐる半日コース、さらに西へ抜けて下郷町まで足をのばす広域コースまで、目的に合わせて組めますよ。
【車・1日】羽鳥湖高原・英国満喫ルート
9:00 新白河駅 → 9:40 ブリティッシュヒルズ(車約40分)→ 12:30 羽鳥湖 → 14:00 道の駅 羽鳥湖高原 → 15:30 二岐温泉(日帰り湯)
①ブリティッシュヒルズ(2時間30分)→ マナーハウスを見学し、アフタヌーンティーで午前をゆったり過ごします。人が少ない午前中が写真も撮りやすい時間帯です。
②羽鳥湖(1時間)→ 湖畔を散策し、水面に映る山並みを眺めます。昼過ぎの光が湖をきらめかせる時間がきれいです。
③道の駅 羽鳥湖高原(1時間)→ ヤーコンうどんで小腹を満たし、おみやげを選びます。ドライブの休憩にちょうどいい立ち寄り先です。
④二岐温泉(1時間)→ 締めは渓谷の湯。夕方の澄んだ空気の中、露天風呂で1日の疲れをほぐしましょう。
【車・半日】里と古墳めぐりルート
9:30 道の駅 季の里天栄 → 10:30 龍ヶ塚古墳 → 11:30 天栄米の田園ドライブ → 12:30 岩瀬湯本温泉
①道の駅 季の里天栄(1時間)→ まずは直売所で天栄米や長ねぎをチェック。朝のうちは地場野菜が並びやすい時間帯です。
②龍ヶ塚古墳(40分)→ 田園に残る古墳を歩き、古代の岩瀬郡に思いを馳せます。静かな午前に訪れると独り占め気分です。
③天栄米の田園(車窓)→ 金賞米が育つ田んぼの間を走ります。初夏の若緑、秋の黄金と、季節ごとに景色が変わります。
④岩瀬湯本温泉(1時間)→ 茅葺きの湯宿で半日の締めくくり。古湯の静けさに浸って帰路につきましょう。
【車・1日】広域ルート:天栄村から会津・大内宿へ
9:00 羽鳥湖 → 10:00 湯本地区(国道118号)→ 11:00 下郷町・大内宿(車約1時間)→ 午後 会津の町並み散策
①羽鳥湖(1時間)→ 高原の朝の空気を味わってから西へ。ここから国道118号で会津方面へ抜けます。
②湯本地区(通過)→ 鶴沼川沿いの渓谷を走ります。日本海側の水系に入る、分水嶺越えの道のりです。
③下郷町・大内宿(2時間以上)→ 隣接する下郷町の茅葺き宿場町へ。天栄村の温泉宿の茅葺きと見比べると、会津の街道文化がより立体的に感じられます。
ここまで見てきたとおり、見どころが少し離れた場所に点在していることもあります。気になるスポットをまとめて回るなら、レンタカーがあると一気に動きやすくなりますよ。料金は会社や時期でけっこう変わるので、まとめて比較できるサイトでサッと見ておくのがおすすめです。
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天栄村の年間イベント

天栄村のイベントは、山と湖の自然を舞台にしたものが中心です。初夏の山開きに始まり、夏は高原ウオーク、冬は雪と英国のクリスマスと、季節の移ろいがそのまま行事になっています。四季それぞれの楽しみ方を見ていきましょう。
初夏:二岐山山開き
ぜひ知っておいてほしいのが、例年6月上旬に行われる二岐山山開きです。標高1,544メートルの二岐山は、うつくしま百名山・日本三百名山に選ばれた名峰。ぶな山荘前をスタートし、男岳と女岳を縦走する約11キロのコースが開かれます(出典:ふくしまデスティネーションキャンペーン公式サイト)。山頂はシャクナゲの群生地で、晴れれば磐梯山や猪苗代湖まで360度の大パノラマ。参加者には記念バッジや入湯券の特典もあります(開催の有無は年により変わるため、事前に村へ確認するのがおすすめです)。
夏:羽鳥湖高原の高原ウオーク
夏は避暑地としての天栄村が本領を発揮します。例年、羽鳥湖高原を歩く「なつの天栄 羽鳥湖高原ウオーク」が開かれ、涼しい高原の風の中を歩けます(出典:天栄村ホームページ)。標高が高いぶん下界より数度涼しく、緑と湖を眺めながらの散策は爽快そのもの。夏の高原の空気を全身で味わえる行事です。
秋〜冬:紅葉とウインターシーズン
秋は羽鳥湖高原や二岐渓谷が色づき、ドライブや温泉と合わせて紅葉狩りが楽しめます。冬になると村内のスキー場がオープンし、羽鳥湖高原一帯はウインタースポーツの舞台に。ブリティッシュヒルズでは毎年クリスマスシーズンに英国式の装飾やイベントが行われ、海外で過ごすようなクリスマス気分を味わえます。雪化粧した英国の街並みは、冬ならではの絶景ですよ。
天栄村のエリア別の顔

天栄村は、中央の鳳坂峠を境に東西で大きく性格が分かれます。東は米どころの田園地帯、西は湖とリゾートの高原地帯、そして山あいには秘湯の温泉郷。旅の目的によって向かうエリアが変わる村なんです(出典:日本交通公社 全国観光資源台帳)。それぞれの顔を見ていきましょう。
東部の里エリア──米どころの田園と道の駅
大里・牧本・広戸をふくむ東部は、釈迦堂川の水に潤う肥沃な田園地帯です。金賞米・天栄米が育つ田んぼが広がり、道の駅 季の里天栄や龍ヶ塚古墳が点在します。のどかな農村風景の中でおみやげ選びや古墳散策を楽しみたい人に向いたエリアです。旅の入口としてまず立ち寄るのにちょうどいい場所ですよ。
西部の高原リゾートエリア──羽鳥湖と英国の街
西部の羽鳥湖高原は、湖・英国・アウトドアが集まるリゾートエリアです。ブリティッシュヒルズ、羽鳥湖、キャンプ場、冬はスキー場と、一日たっぷり遊べます。海抜約1,000メートルの涼やかな高原で、非日常のリゾート気分を味わいたい人にぴったり。夏の避暑にも冬のウインタースポーツにも向いています。
湯本・二岐エリア──山あいの秘湯郷
さらに西の山あい、湯本から二岐にかけては、ブナ原生林に抱かれた温泉郷です。二岐温泉、岩瀬湯本温泉と、車で20分圏内に名湯が点在し、コンパクトに湯めぐりできます。喧騒を離れて静かに湯に浸かりたい人、つげ義春ゆかりの地を訪ねたい人におすすめ。会津と中通りの境目という土地柄も、旅情をかき立ててくれます。
天栄村の気候・季節の暮らし

天栄村の年平均気温は9.1℃、年間降水量は約1,634ミリ、年間降雪量は約610センチで、豪雪地帯に指定されています。真冬日は年25日、冬日は年144日にのぼります(出典:気象庁)。分水嶺を境に、雪の少ない東部の里と、積雪の多い西部の高原で表情が変わるのが特徴です。季節ごとの暮らしを見ていきましょう。
夏──6月〜8月の暮らし
標高の高い西部の羽鳥湖高原は、夏でもひんやり涼しく過ごせます。猛暑日は年間0日という記録的な涼しさで、避暑地として人気があるのも納得です(出典:気象庁)。朝晩は羽織るものが欲しくなる日もあり、寝苦しさとは無縁の夏。都会の熱帯夜を思うと、まるで別世界ですよ。
秋──9月〜11月の暮らし
秋は羽鳥湖高原や二岐渓谷の紅葉が見頃を迎えます。朝夕の冷え込みが日に日に増し、11月には初雪の便りも。空気が澄んで、山々の色づきがくっきり映える季節です。温泉と紅葉を組み合わせて楽しむのに、この時期はぴったりなんですよ。
冬──12月〜3月の暮らし
冬は本格的な雪国です。西部では最深積雪がかさみ、氷点下15度を下回る日も数日あります。除雪と雪かきは冬の日課になり、車は冬用タイヤが欠かせません。一方で、スキー場や雪見の温泉が身近にあるのは雪国ならではの豊かさ。厳しさと楽しさが背中合わせの季節です。
春──4月〜5月の暮らし
春の訪れは平地からゆっくり。里の田んぼに水が張られ、金賞米・天栄米の田植えが始まると、村全体が動き出します。高原の雪が解けるのは少し遅く、新緑と遅咲きの桜を長く楽しめます。長い冬のあとの芽吹きは、ひときわうれしく感じられますよ。
天栄村の移住・暮らし情報

天栄村は、子育て支援の手厚さと英語教育で知られる村です。鉄道駅はなく車が生活の中心になりますが、近隣の市町へのアクセスは良好。自然の中で子育てをしたい人にとって、暮らしやすい環境が整っています。項目ごとに見ていきましょう。
通勤・通学
村内に鉄道の駅がないため、通勤は車が基本です。隣接する須賀川市や鏡石町、少し足をのばして郡山市や白河市へ通う人が多いと考えられます。最寄り駅はJR東北本線の鏡石駅または矢吹駅で、いずれも約10キロの距離です。
住宅環境
天栄村は賃貸物件の数が多くないため、住まい探しは早めの情報収集がおすすめです。村では東京圏からの移住者を対象にした移住支援金制度を設けています(出典:天栄村ホームページ)。まずは村の企画政策課に相談してみると、空き家情報なども含めて動きやすいですよ。
買い物環境
村内にはコンビニが数軒ありますが、スーパーやドラッグストアはありません。日常の買い物は、隣接する鏡石町や須賀川市、白河市まで出て済ませるのが基本です(出典:福島県移住ポータルサイト ふくしまぐらし)。村内2か所の道の駅では、天栄米や地元野菜、地酒「廣戸川」などが手に入ります。
子育て・教育
ここが天栄村いちばんの強みです。18歳までの医療費に加え、保育料・給食費・児童クラブ利用料などが無料で、子育て世帯の負担がぐっと軽くなります(出典:福島県移住ポータルサイト ふくしまぐらし)。「英語の村てんえい」を掲げ、英語検定料の補助やブリティッシュヒルズでの異文化体験も実施しています。
医療環境
村には天栄村国民健康保険診療所と、山あいの湯本診療所があります(出典:天栄村ホームページ)。日常の内科的なケアは村内で受けられますが、専門的な医療や入院は、近隣の須賀川市・白河市・郡山市の病院を利用する形になります。
エリア別の暮らし視点
暮らしの拠点として現実的なのは、役場や学校、道の駅が集まる東部の里エリアです。生活導線がコンパクトにまとまっています。西部の羽鳥湖高原は別荘や二拠点生活向き、さらに西の湯本・二岐は自然に深く抱かれた暮らしになります。ライフスタイルで選べる村なんですよ。
天栄村へのアクセス

天栄村へは、車と新幹線+二次交通の組み合わせが基本です。東京からは新幹線で新白河駅まで約80分と近く、そこから村までは車がスムーズ。鉄道駅がないぶん、二次交通の押さえどころを知っておくと安心です。
車でのアクセス
東北自動車道の白河IC・須賀川IC・郡山南ICから、西部の湯本地区まではおよそ50分です。村の中心部へは鏡石スマートICや矢吹ICが最寄りで、車で15分ほど。高速のインターが複数使えるので、目的地に合わせて選べます。冬季は積雪・凍結があるため、冬用タイヤやチェーンの備えが必要です。
鉄道+バスでのアクセス
東京駅から新幹線で新白河駅まで約80分、そこから村中心部へは車で約30分です(出典:てんえいとりっぷ(天栄村観光ポータルサイト))。西部の温泉地へは、新白河駅東口から乗合バス「湯ったりヤーコン号」(完全予約制)が利用でき、湯本方面まで約1時間20分。前日までの予約が必要です(出典:天栄村観光協会)。
飛行機でのアクセス
近くには福島空港があり、空港からは乗合タクシーで村まで移動できます。運賃は1人2,400円で、福島空港発着の航空機利用者を対象に予約制で運行されています(出典:天栄村観光協会)。空路を使う場合は、この乗合タクシーが便利な選択肢になります。
町内移動の現実的アドバイス
村内は東西に約36キロと広く、公共交通は本数が限られます。観光でも暮らしでも、レンタカーや自家用車があると格段に動きやすいですよ。西部の高原や温泉地をめぐるなら、新白河駅か福島空港でレンタカーを借りて入るのが現実的な組み立てです。
交通手段ごとに見てきましたが、「結局いちばん安く行くにはどうすれば?」と迷う方も多いはず。飛行機で向かうなら、航空券は予約のタイミングや会社によって料金が大きく変わります。複数の航空会社・LCCをまとめて比較できるサイトで、いちど最安値をチェックしておくと安心ですよ。
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【地元住民に直撃!】天栄村の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。
お米を作っています。この村のお米は、国際的なコンクールで金賞をいただいてきたお米で、私もその作り手のひとりです。土づくりから水の管理まで、手間を惜しまない栽培をしています。
山からの水がきれいで、それがそのまま味に出るんですよ。若い作り手はまだ少ないですが、この味を次につなげたくて続けています。
Q2.天栄村に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?
やっぱり羽鳥湖です。周囲を山に囲まれた大きな湖で、水源として村を支えてきた場所でもあります。朝は霧が湖面をなでて、静けさに背筋が伸びる感じがします。
あとは英国を再現したリゾート施設。高原の霧の中に石畳の街並みが浮かぶ光景は、地元の人間でも別世界に来たみたいで、何度見てもいいなと思います。
Q3.天栄村でお土産を買うとしたらなんですか?
まずはお米ですね。金賞をとってきた自慢のお米なので、間違いないです。それから、南米原産の根菜を使った加工品。梨みたいにシャキシャキで、村の特産として売り出しているものです。
地元だと、揚げ饅頭や酒饅頭も定番なんですよ。素朴な甘さで、これを買うと帰ってきたなという気持ちになります。
Q4.外から人が来たときに、天栄村でまず連れていく店はどこですか?
道の駅に連れていくことが多いです。お米や長ねぎ、地酒まで村のものがひと通りそろっていて、食堂もあるので、まずここを見てもらえば村の顔がわかります。
あとは山あいの温泉。茅葺きの湯宿や渓谷沿いの露天風呂で、川のせせらぎを聞きながら浸かると、みんな一気にほどけていきますよ。
Q5.天栄村はどんな気質だと思いますか?
おだやかで、まじめな人が多いです。農業の村なので、土や水と向き合う分、こつこつ続けることを大事にする気質があると思います。
派手ではないけれど、困ったときは自然と手を貸し合う。よそから来た人にも、少し時間はかかっても、じんわり打ち解けていく温かさがありますね。
Q6.昔に比べて、天栄村の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?
正直、人は少しずつ減っていて、子どもの数も昔ほどではありません。山あいの学校が閉じたりして、寂しさを感じる場面もあります。
ただ、お米や英語教育で村の名前が外に届くようになって、移住してくる家族も見かけるようになりました。静かだけど、前を向いている村だと感じます。
Q7.天栄村のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?
子育て支援がとても手厚いので、それを入り口に若い世代がもっと増えてくれたらと期待しています。役場も村民が集まる場づくりに力を入れていますし。
私としては、金賞のお米を軸にした村の発信がもっと広がって、若い作り手が続いていく流れができればうれしいです。

