鰺ヶ沢町(あじがさわまち)は、青森県の西海岸・津軽地方に位置する人口7,626人の港町です。北は日本海、南は世界自然遺産・白神山地に面し、南北約40kmと細長く広がっています。弘前市内から車で約40分。
鰺ヶ沢町の魅力を5つに凝縮すると、こうなります:
- ✅ ぶさかわ犬「わさお」──全国区になった町のスター。海の駅わんどに等身大ブロンズ像
- ✅ 白神山地──1993年に登録された日本初の世界自然遺産。原生的なブナ林が広がる
- ✅ 焼きイカ通り──国道101号沿いに干しイカが揺れる風物詩「イカのカーテン」
- ✅ 津軽藩発祥の地・種里城──大浦光信が1491年に入部した津軽家のルーツ
- ✅ ヒラメのヅケ丼──白神の清流が注ぐ日本海のヒラメを使った名物丼
「自然や世界遺産に触れたい旅行者」「海の幸と港町の風情を味わいたい人」「犬好き・歴史好き」に特におすすめの町。序盤で観光の見どころ、中盤で歴史と暮らし、終盤で特産の食を、地元目線で紹介します。
| 人口 | 7,626 人 ※2026年5月1日時点(推計人口) |
|---|---|
| 面積 | 343.08 km² |
| 人口密度 | 22.2 人/km² |
地理的には、西は深浦町、東はつがる市・弘前市・西目屋村と接し、白神山地をはさんだ南側で秋田県の八峰町・藤里町ととなりあっています(出典:鰺ヶ沢町公式サイト「町のすがた」)。
JR五能線・鰺ケ沢駅が町の玄関口で、市街地は海沿いに細長く伸びています。山側では赤石川・中村川・鳴沢川の3つの川沿いに集落が点在し、町全体の約6割を山林が占めています。
港町として栄えた歴史、世界遺産の森、そして名物の食まで、この細長い町にはあちこちに見どころが詰まっています。ひとつずつ見ていきましょう。
鰺ヶ沢町の推しポイント

鰺ヶ沢町は「海・山・川」がそろった町です。日本海では肉厚のイカやヒラメが水揚げされ、南の白神山地は世界自然遺産。さらに町の山あいには津軽藩発祥の城跡が残り、冬には岩木山の北斜面で本格的なスキーが楽しめます。そして何より、この町を全国区にしたのが、ぶさかわ犬「わさお」の存在なんですよね。順番に見ていきましょう。
わさお──ぶさかわ犬が残した町の物語
鰺ヶ沢町といえば、やっぱり秋田犬のわさお。もとは迷い犬で、イカ焼き店「きくや商店」に保護され、その風貌から「ブサかわ犬」として2008年に全国的な人気者になりました。2011年には主演映画も公開され、JR鰺ケ沢駅の観光駅長まで務めた“スター犬”です。
わさおは2020年に亡くなりましたが、2021年に「海の駅わんど」に等身大のブロンズ像が建てられ、今も町を見守っています。きくや商店には養女の「ちょめ」が暮らし、わさおの面影を残しています。みなさんも会いに行くなら、ぜひお店で名物のイカ焼きを買ってあげてください。
白神山地──日本初の世界自然遺産
町の南に広がる白神山地は、1993年12月に屋久島とともに日本で初めて世界自然遺産に登録されました(出典:青森県)。人の手がほとんど入っていない、東アジア最大級の原生的なブナ林が広がる森です。
鰺ヶ沢町は、深浦町・西目屋村とともに青森県側の玄関口のひとつ。白神山地を源流とする赤石川は「日本一の清流」とも称され、この清らかな水が町の川魚や農産物を育てています。
焼きイカ通りとイカのカーテン
海沿いの国道101号には、イカ焼き店がずらりと並びます。店先に真っ白なイカを一夜干しで吊るす光景は「イカのカーテン」と呼ばれ、潮風に揺れる様子は鰺ヶ沢の風物詩。この通りは地元で「焼きイカ通り」とも呼ばれています。
日本海の潮風を受けて干したイカを、その場で炙ってもらう。プリッとした身に醤油の香ばしさがからんで、これがたまらないんですよ。江戸時代に北前船の寄港地として栄えた漁師町ならではの食文化です。
津軽藩発祥の地・種里城
山あいの種里地区にある種里城跡は、「津軽藩発祥の地」として知られる国史跡です。延徳3年(1491)、大浦光信が南部下久慈(岩手県久慈市)から36人の武将を率いて入部し、ここを居城としました(出典:鰺ヶ沢町公式サイト)。光信から5代後の為信が津軽統一を成し遂げ、初代津軽藩主となります。
2002年には弘前城跡などとともに国史跡「津軽氏城跡」に指定されました。城跡には資料館「光信公の館」と光信公の御廟所があり、毎年5月下旬から6月上旬には津軽家の家紋にちなんだ牡丹が咲き誇ります。
青森スプリング──岩木山北斜面のスキーリゾート
冬の鰺ヶ沢を代表するのが、岩木山の北斜面に広がる青森スプリング・スキーリゾート。標高921mのトップから初心者でも3,000mのロングランが楽しめ、晴れた日にはゲレンデから津軽平野と日本海まで見渡せます。北東北を代表するスキー場のひとつです。海あり、山あり、雪ありの欲張りな町なんですよね。
鰺ヶ沢町の歴史

鰺ヶ沢の歴史は、大きく3つの時代で語れます。中世に津軽家のルーツとなる種里城が築かれた時代、江戸時代に北前船の御用港として栄えた漁師町の時代、そして近代以降に周辺の村々と合併して今の町域ができた時代です。海と港を軸に発展してきた町の歩みをたどります。
中世──津軽家のルーツ、種里城
延徳3年(1491)、大浦光信が種里の地に入り、種里城を築きました。光信は文亀2年(1502)に岩木山麓へ大浦城を築いて勢力を広げ、大永6年(1526)に種里城で死去しています。その後、5代為信の代で津軽統一が果たされ、種里は「津軽藩発祥の地」と仰がれるようになりました(出典:鰺ヶ沢町公式サイト)。
江戸時代──北前船が運んだ上方文化
江戸時代の鰺ヶ沢は、津軽藩の御用港として大いに栄えました。津軽の米の積み出し港であり、大阪と北海道を結ぶ北前船の寄港地として、上方の文化が海路で運び込まれました。
その象徴が、延宝5年(1677)に始まったとされる白八幡宮大祭です。京都の祇園祭の流れをくむことから「津軽の京祭り」と呼ばれ、神輿渡御行列は青森県と鰺ヶ沢町の無形民俗文化財に指定されています。日本遺産「北前船寄港地・船主集落」の構成文化財でもあります(出典:鰺ヶ沢町公式サイト)。現在は4年に1度の開催で、直近では2025年8月に行われました。
近現代──合併と今の町の姿
1889年(明治22年)の町村制施行により、田中町など11の町が合併して鰺ヶ沢町が発足しました。1955年(昭和30年)には赤石村・中村・鳴沢村・舞戸村と合併し、現在の広い町域ができあがります。2021年には新庁舎が開庁しました。一方で2022年8月には集中豪雨で中村川が氾濫し、445棟が浸水する大きな被害も受けています。海と川に寄り添う町ならではの歩みが、今に続いています。
鰺ヶ沢町の文化・風習

方言と話し方の特徴
鰺ヶ沢で話されるのは、青森県西部一帯で使われる津軽弁です。口をあまり開けず、短く、濁音が多いのが特徴で、テレビでテロップが付くほど独特なんですよね。みなさんが旅先で耳にしそうな言葉を、いくつか紹介します。
たとえば、自分のことはわ(私)、相手はな・おめ(あなた・お前)と一文字。め(おいしい)、たげ(とても)、めんこい(かわいい)もよく使います。お礼を言うときはありがどごす(ありがとうございます)やめやぐだ(恐れ入ります、すみません)。友達のことはけやぐと言います。温泉につかって思わずもれるのがあずましい(気持ちがいい・落ち着く)。別れ際のへばな(じゃあね)まで覚えれば、立派な津軽デビューです。ただしなやおめは初対面だと少しきつく響くので、親しくなってから使うのがコツです。
食卓と季節の暮らし
鰺ヶ沢の食卓は、やっぱり海の幸が主役です。冬になると、身の柔らかいヤリイカが食卓にのぼります。地元では甘みが強いので、刺身はわさびより一味唐辛子で食べる人が多いんですよ。子持ちヤリイカの煮つけや飯寿司も、この土地ならではの味です。
冬の鰺ヶ沢は特別豪雪地帯。1月の平均気温は氷点下近くまで下がり、雪と向き合う暮らしが続きます。だからこそ、温かいイカの塩辛をあてに一杯やる夜のあずましさ(心地よさ)は格別です。春には岩木山麓のアスパラ、夏は焼きイカと海水浴、秋は白神の紅葉と、季節がはっきり巡っていきます。
人の気質と港町の心意気
北前船の寄港地として外の文化を受け入れてきた港町だからか、鰺ヶ沢の人は気さくでぶっきらぼうな優しさがあります。わさおに会いに来た観光客に「外は寒いから中で食べていきなさい」と声をかける──そんな距離の近さが、この町の空気なんですよね。4年に一度の白八幡宮大祭では、300年以上続く伝統を町ぐるみで支える結束力も見せてくれます。
鰺ヶ沢町の特産品・食

特産品1:ヒラメのヅケ丼
鰺ヶ沢に来たら、まず食べたいのがヒラメのヅケ丼。白神山地の清流が流れ込む日本海で育ったヒラメを、各店こだわりの漬けダレに漬け込み、ご飯の上にたっぷりのせたご当地丼です。ひと口目でわかる弾力のある歯ごたえと、ほどよい脂の旨み。旬は身が締まる12月から3月で、町内の食堂それぞれが独自のタレで競い合っています(出典:あじがさわぐ鰺ヶ沢)。観光客に大人気の一杯です。
特産品2:イカ(焼きイカ・生干し・塩辛)
鰺ヶ沢のイカは、初夏から秋のスルメイカ釣りと、冬のヤリイカ漁で水揚げされます。名物の生干しイカは食塩を一切使わないのが特徴で、塩焼きはもちろん、バター炒めや天ぷらにもよく合うんですよ。日本海の潮風を浴びて干したイカで作る塩辛は、ご飯にも日本酒にもぴったり。焼きイカ通りで、炙りたての一枚をその場でほおばる体験は鰺ヶ沢ならではです。
特産品3:イトウ・金アユ(白神の清流が育む川魚)
鰺ヶ沢は川魚の養殖でも知られています。北海道の一部にしか生息しない「幻の魚」イトウを1985年から養殖していて、これを販売しているのは全国でも珍しいそうです。白神山地から流れる沢水は、季節を通して水量・水温が一定で、冷水を好むイトウの養殖に向いているんですね(出典:あじがさわぐ鰺ヶ沢)。赤石川の水で育てる「金アユ」も、天然に劣らない香り高さが自慢です。ドライブイン汐風などで味わえます。
特産品4:砂地が育む農産物
海に面した鰺ヶ沢は砂地の畑が多く、メロンやスイカの栽培に向いた土壌です。岩木山麓のアスパラガスも、みずみずしさで人気があります。海の幸の印象が強い町ですが、米・りんごを含め、自然に恵まれた農産物も豊富なんですよ。海・山・川の恵みが一度に味わえるのが、この町の食卓の贅沢なところです。
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鰺ヶ沢町の観光スポット

鰺ヶ沢町の観光は、大きく「海と港」「白神の自然」「歴史と信仰」の3つの方向で楽しめます。漁港のそばでヒラメ丼を頬張り、世界遺産の森が育てた滝や川を眺め、津軽藩のルーツとなった城跡をたどる。海沿いの国道101号を軸に、序盤で紹介した推しポイントをひとつずつ巡っていきましょう。
海と港を楽しむスポット
- 海の駅わんど – 鰺ヶ沢漁港のすぐそばにある物産館。鮮魚や農産物の直売所、名物ヒラメのヅケ丼が食べられる食堂が並びます。営業時間は9:00〜17:00で、休館は年末年始です(出典:鰺ヶ沢町観光ポータルサイト「あじ行く?」)。2階の「鰺ヶ沢相撲館~舞の海ふるさと桟敷~」では、地元出身の元小結・舞の海らの化粧まわしやトロフィーが見られます。漁船が揺れる港を眺めながらの食事は、港町ならではの贅沢ですよ。
- わさおのブロンズ像(海の駅わんど) – ぶさかわ犬わさおが2020年に亡くなったあと、2021年に海の駅わんどに等身大のブロンズ像が設置されました。軽トラに乗った顔出しパネルもあり、今も記念撮影スポットとして人気です。ちなみに「わんど」は津軽弁で「私たち」という意味なんですよ。
- 七里長浜きくや商店(焼きイカ通り) – わさおが看板犬を務めたイカ焼き店で、今は養女のちょめが暮らしています。店が面する国道101号沿いは「焼きイカ通り」と呼ばれ、店先に干したイカが潮風に揺れる「イカのカーテン」が続きます。炙りたての一夜干しイカを頬張れば、日本海の潮の香りが口いっぱいに広がります。
白神の自然を感じるスポット
- くろくまの滝 – 白神山地を源流とする赤石川の支流「滝ノ沢」にかかる、落差85m・幅15mの青森県内最大級の滝。日本の滝百選にも選ばれ、観音様が合掌するような姿から古くから信仰の場とされてきました。ただし、2022年8月の大雨災害によるアクセス道の土砂崩れで、現在も通行止めが続いています(出典:鰺ヶ沢町観光ポータルサイト「あじ行く?」)。訪れる前に、最新の通行状況を必ず確認してください。
- 青森スプリング・スキーリゾート – 岩木山の北斜面に広がる、北東北を代表するスキー場のひとつ。標高921mのトップから初心者でも3,000mのロングランが楽しめます(出典:鰺ヶ沢町観光ポータルサイト「あじ行く?」)。晴れた日にはゲレンデから津軽平野と日本海まで見渡せて、滑りながら海を眺める爽快さは格別ですよ。
歴史と信仰にふれるスポット
- 種里城跡・光信公の館 – 「津軽藩発祥の地」として知られる国史跡。資料館「光信公の館」では津軽家ゆかりの品々が展示され、開館は5月1日〜10月31日の金・土・日曜、入館料は大人300円です(出典:鰺ヶ沢町観光ポータルサイト「あじ行く?」)。前庭では5月下旬から6月上旬に津軽家の家紋にちなんだ牡丹が咲き、鎧兜姿の光信公の銅像を彩ります。
- 白八幡宮 – 鰺ヶ沢港を見下ろす高台に鎮座する、江戸時代からの鰺ヶ沢総鎮守。4年に1度の「白八幡宮大祭」の舞台で、北前船が運んだ上方文化を今に伝える神社です。静かな境内に立つと、港町として栄えた往時の空気が感じられます。
鰺ヶ沢町の観光ルート

鰺ヶ沢は南北に細長い町なので、海沿いと山あいでは雰囲気がガラリと変わります。JR鰺ケ沢駅を起点に、半日でサクッと港町を楽しむルートも、1日かけて白神の山あいまで足を伸ばすルートも組めます。隣の深浦町や弘前市とつなぐ広域ルートもあわせて紹介しますね。
【車・1日】海と港の鰺ヶ沢満喫ルート
9:10 鰺ケ沢駅 → 9:15 海の駅わんど(車5分)→ 11:00 焼きイカ通り → 13:30 白八幡宮 → 15:00 種里城跡・光信公の館(車25分)
①海の駅わんど(90分)
→ まずは港町の台所で腹ごしらえ。ヒラメのヅケ丼で旅をスタートし、2階の相撲館も覗いておきたいところです。
②焼きイカ通り(60分)
→ 国道101号沿いのイカのカーテンを眺めながら、炙りたての焼きイカを。わさおのブロンズ像にも挨拶していきましょう。
③白八幡宮(30分)
→ 港を見下ろす高台で、北前船が運んだ歴史に静かに触れる時間。午後の光が境内に差し込む時間帯がおすすめです。
④種里城跡・光信公の館(60分)
→ 山あいへ向かい、津軽藩のルーツをたどって締めくくり。金・土・日の開館日に合わせて訪れてください。
【車・半日】わさおと焼きイカルート
13:00 鰺ケ沢駅 → 13:05 海の駅わんど(車5分)→ 14:30 焼きイカ通り → 15:30 鰺ヶ沢海水浴場(はまなす公園)
①海の駅わんど(60分)
→ わさおのブロンズ像と顔出しパネルで記念撮影。お土産の生干しイカや笹餅もここで。
②焼きイカ通り(45分)
→ きくや商店で焼きイカを買い、海を背に頬張る。潮風と醤油の香ばしさがクセになります。
③鰺ヶ沢海水浴場(はまなす公園)(45分)
→ 弘前市から一番近い海水浴場で、夏は家族連れで賑わいます。夕方は日本海に沈む夕日が見事ですよ。
【車・1日】広域ルート:白神山地と津軽西海岸
9:00 鰺ケ沢駅 → 9:30 種里城跡(車25分)→ 11:30 青森スプリング → 14:00 深浦町方面(西へドライブ)
①種里城跡・光信公の館(60分)
→ 朝のうちに山あいの史跡へ。牡丹の咲く初夏なら前庭も見ごたえがあります。
②青森スプリング・スキーリゾート(90分)
→ 岩木山北斜面のリゾート。冬はスキー、秋は紅葉ゴンドラからの眺めが楽しめます。
③津軽西海岸ドライブ(半日)
→ 国道101号を西へ走れば、世界自然遺産・白神山地の海側へ。隣の深浦町まで足を伸ばすと、津軽西海岸の景観をたっぷり味わえます。
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鰺ヶ沢町の年間イベント

鰺ヶ沢のイベントは、やっぱり「海」と「食」が主役です。初夏から夏は海辺がいちばん賑わう季節で、秋には町の食材が一堂に会するフードフェス、冬はスキー場がシーズンインします。さらに4年に1度、町全体が歴史絵巻に変わる大祭もあるんですよ。
春〜夏:海辺が賑わう季節
初夏になると、海の駅わんどであじがさわヒラメフェスが開かれます。名物ヒラメのヅケ丼の販売や、ヒラメのつかみどり体験で盛り上がる、町の初夏の風物詩です。
夏には、はまなす公園の海浜エリアであじがさわBeach Partyを開催。例年7月に、青森のアーティストによるライブと地元グルメ、地酒が海辺に集まる音楽フェスです(出典:青森県観光情報サイト Amazing AOMORI)。潮風に吹かれながら音楽に身をゆだねる、新しい夏の楽しみ方ですよね。
そして4年に1度の夏、町は白八幡宮大祭一色に染まります。8月に3日間かけて行われ、神輿渡御行列や海上渡御が繰り広げられる「津軽の京祭り」です(出典:鰺ヶ沢町公式サイト)。直近は2025年に開催されたので、次に町が歴史絵巻になるのを楽しみに待ちたいところです。
秋:食の祭典フードフェス
秋の見どころは、海の駅わんど向かいの特設会場で開かれるあじがさわフードフェス。「ヒラメフェス」「肉のフェスティバル」「スイーツフェス」が1つになったグルメイベントで、例年10月に開催されています(出典:鰺ヶ沢町公式サイト)。ヒラメのヅケ丼に、町自慢の牧場のお肉、りんごスイーツまで。秋の味覚をまとめて味わえる、食いしん坊にはたまらない一日なんですよ。
冬:白銀のスキーシーズン
冬は、青森スプリング・スキーリゾートがシーズンインします。岩木山の北斜面に広がる広大なゲレンデは、初心者から上級者まで楽しめるのが魅力。豪雪地帯ならではの良質な雪が積もり、海を見下ろしながら滑る爽快さは、雪国・鰺ヶ沢の冬ならではの贅沢です。
鰺ヶ沢町のエリア別の顔

鰺ヶ沢町は、かつての町村の名残で5つの地区に分けられます。海沿いの中心市街地から、岩木山方面の田園地帯、白神山地につながる川沿いの集落まで、地区ごとに表情が大きく異なります(出典:鰺ヶ沢町公式サイト「町のすがた」)。旅の目的に合わせて、どの地区を訪ねるか選んでみてください。
鰺ヶ沢地区──港町の中心、海の幸の玄関口
鰺ヶ沢漁港を抱える町の中心地。海の駅わんどや白八幡宮があり、ヒラメ丼やイカ焼きを目当てに観光客が集まります。田畑はほとんどなく、店や住宅が密集する、いちばん港町らしいエリア。海の幸と歴史をまとめて楽しみたい人におすすめです。
舞戸地区──鰺ケ沢駅がある旅の起点
JR五能線・鰺ケ沢駅があり、鉄道旅の玄関口となる地区。商店やショッピングセンターも集まり、町の暮らしの中心でもあります。五能線でのんびり訪れる旅人が、まず降り立つのがこのエリア。ここを起点に町内を巡るのが便利ですよ。
赤石地区──白神の清流が流れる山あい
白神山地を源流とする赤石川が流れる、自然豊かな地区。川の上流にはくろくまの滝があり(現在通行止め)、イトウや金アユの養殖場もこの流域にあります。世界遺産の森が育てた水と川魚に触れたい人に向いた、清らかな水の里です。
中村地区──岩木山へ続く田園と歴史の里
鰺ヶ沢から岩木山方面へ向かう途中に広がる地区で、津軽藩発祥の地・種里城跡があります。田園風景の先に岩木山を望むのどかなエリアで、歴史好きや、津軽の原風景をのんびり眺めたい人にぴったりです。
鳴沢地区──スキー場へつながる高原の入口
鳴沢川が流れ、岩木山北麓の青森スプリング・スキーリゾートへとつながる地区。冬はスキー客で賑わい、季節を通して高原リゾートの空気が漂います。アクティブに身体を動かしたい旅に向いたエリアです。
鰺ヶ沢町の気候・季節の暮らし

鰺ヶ沢町は、日本海に面した寒暖差の大きい気候です。年平均気温は10.7℃で、年間降雪量はおよそ412cm、真冬日は年間14.7日、冬日は97.4日にのぼります(出典:気象庁)。国の特別豪雪地帯に指定されている、雪と向き合う町なんですよ。
夏──6月〜8月の暮らし
夏は、8月の平均気温が22.8℃ほどで、内陸の青森市街ほどの蒸し暑さはありません(出典:気象庁)。海風が吹き抜けるので、夕方は過ごしやすく感じます。鰺ヶ沢海水浴場が賑わい、焼きイカ通りに干しイカが揺れる、一年でいちばん活気のある季節です。
秋──9月〜11月の暮らし
秋は赤石川流域や白神山地の麓が紅葉に染まります。日本海から吹く風が少しずつ冷たくなり、海が荒れ始めると、いよいよ冬の到来。ヤリイカや旬のヒラメが食卓に並び始める、味覚の季節でもあります。
冬──12月〜3月の暮らし
冬は雪との暮らしです。年間降雪量はおよそ412cmと多く、近年でも氷点下10℃を下回る日があります(出典:気象庁)。除雪と雪かきは生活の一部で、車の運転には冬タイヤが欠かせません。一方で、岩木山北斜面の青森スプリングではスキーシーズンが本番を迎えます。
春──4月〜5月の暮らし
雪解けとともに、種里城跡の牡丹やアスパラガスの季節がやってきます。日本海側らしく春先は風が強い日もありますが、長い冬を越えた町に少しずつ色が戻っていく時期。海も穏やかになり、過ごしやすくなっていきます。
鰺ヶ沢町の移住・暮らし情報

鰺ヶ沢町での暮らしは、海と山が近く、買い物も病院も町内でひと通りそろう「車中心のコンパクトな生活」です。中心市街地は鰺ケ沢駅と漁港の周辺にまとまっていて、日々の用事はこのエリアで足ります。実際に住むとどんな感じか、項目ごとに見ていきましょう。
通勤・通学
町内の役場・病院・水産関連のほか、車で弘前市やつがる市、五所川原市方面へ通う人もいます。弘前市中心部までは車でおよそ40分。鉄道はJR五能線が走りますが本数が限られるため、通勤通学は車が中心になります。
住宅環境
住まいは戸建てが中心で、賃貸アパートの数は多くありません。中古の一戸建ては数百万円台から見つかることもあります(出典:SUUMO)。町は空き家バンク(鰺ヶ沢町定住推進バンク)を運営し、空き家バンク関連の奨励金・補助金も用意しています(出典:青森県鰺ヶ沢町公式ホームページ)。
買い物環境
日々の買い物は、鰺ケ沢駅近くのショッピングセンターや、海の駅わんどの農産物直売所が中心です。新鮮な魚や地元野菜が手に入るのは港町ならではですよね。専門店や大型店を求めるときは、弘前市や五所川原市まで足を伸ばす人が多いです。
子育て・教育
町内には鰺ヶ沢こども園や保育所、小・中学校があり、高校は青森県立鰺ヶ沢高校があります(出典:青森県鰺ヶ沢町公式ホームページ)。「鰺高(あじこう)」は地域の宝として町ぐるみで応援されている学校です。最新の支援制度は町公式サイトで確認してみてください。
医療環境
町の中核となるのが、つがる西北五広域連合鰺ヶ沢病院です。内科・外科・小児科・整形外科・眼科・耳鼻科・歯科などを備え、入院にも対応しています(出典:つがる西北五広域連合 鰺ヶ沢病院)。日常の診療は町内で受けられ、高度医療が必要なときは弘前市方面の総合病院と連携する形になります。
エリア別の暮らし視点
住む場所としては、買い物も病院も近い舞戸・鰺ヶ沢地区が暮らしやすく、利便性を求める人に向いています。一方、赤石・中村・鳴沢の各地区は田畑や川沿いののどかな環境で、自然のなかでゆったり暮らしたい人向け。車があることが前提のエリアです。
鰺ヶ沢町へのアクセス

鰺ヶ沢町へは、弘前市を起点にするのが基本です。車ならおよそ40分、鉄道ならJR五能線で結ばれています。新幹線は新青森駅、飛行機は青森空港が最寄りで、いずれも乗り継いで向かう形になります。
車でのアクセス
弘前市中心部から国道101号や県道を経由して、鰺ヶ沢の中心部まで車でおよそ40分です。青森市中心部からは車で約90分が目安となります(出典:鰺ヶ沢町観光ポータルサイト「あじ行く?」)。冬季は積雪・路面凍結があるため、時間に余裕をもった移動がおすすめです。
鉄道+バスでのアクセス
鉄道はJR五能線で、鰺ケ沢駅が玄関口です。観光列車「リゾートしらかみ」も停車し、首都圏からは東北新幹線で新青森駅へ向かい、五能線に乗り継いで鰺ケ沢駅へアクセスできます(出典:JR東日本「五能線の旅」)。弘前市からはリゾートしらかみで約1時間。岩木山と日本海の車窓そのものが旅の魅力です。
飛行機でのアクセス
遠方からは青森空港が最寄りです。空港からは車またはバス・鉄道を乗り継ぐ形になり、町までは車で1時間半前後を見ておくとよいでしょう。レンタカーを借りて津軽西海岸をドライブするルートが、いちばん動きやすいと考えられます。
町内移動の現実的アドバイス
町は南北に細長く、観光スポットも点在しているため、移動は車が前提です。鉄道やコミュニティバス「あじバス」もありますが本数が限られるので、レンタカーを用意しておくと安心ですよ。山あいの種里やくろくまの滝方面へ向かう道は狭い区間があるため、運転は慎重に。
交通手段ごとに見てきましたが、「結局いちばん安く行くにはどうすれば?」と迷う方も多いはず。飛行機で向かうなら、航空券は予約のタイミングや会社によって料金が大きく変わります。複数の航空会社・LCCをまとめて比較できるサイトで、いちど最安値をチェックしておくと安心ですよ。
【トラベリスト】
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【地元住民に直撃!】鰺ヶ沢町の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。
海沿いで生干しのイカを焼いて売る店をやっています。父の代から続く仕事で、もう何十年もこの匂いの中で生きてきました。
日本海の潮風を浴びて干したイカを、その場で炙ってお客さんに渡す。シンプルですけど、これが鰺ヶ沢の一番の顔だと思って続けています。
Q2.鰺ヶ沢町に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?
まずは海沿いの拠点になっている施設ですね。漁港を眺めながら地元の海の幸が買えて、観光の入口にちょうどいい。私たちもよく顔を出します。
地元の人間として推したいのは、白神山地の麓を流れる赤石川のあたり。世界遺産の森から来る水の透明さは、住んでいても何度見ても気持ちが洗われますよ。
Q3.鰺ヶ沢町でお土産を買うとしたらなんですか?
やっぱり生干しのイカですね。塩を使っていないから焼いても天ぷらにしても美味い。これは外さない定番です。
地元の人間が買うのは、イカのワタを熟成させた塩辛。ご飯にも酒にも合って、知っている人は必ずこれを土産にしていきます。あとは赤石川の水で育った川魚もいいですよ。
Q4.外から人が来たときに、鰺ヶ沢町でまず連れていく店はどこですか?
海を見下ろす高台にある、ヒラメのヅケ丼を出す食堂に連れていきます。漁港のすぐそばで食べる地物のヒラメは、ここまで来た甲斐があったと言ってもらえます。
帰りには海沿いの焼きイカ通りへ。干したイカが潮風に揺れる景色を見せて、炙りたてを一枚渡すと、だいたいみんな笑顔になりますよ。
Q5.鰺ヶ沢町はどんな気質だと思いますか?
港町なので、気さくでぶっきらぼうな人が多いです。昔は北前船で外の人を受け入れてきた土地だからか、よそ者にも自然と声をかける温かさがあります。
言葉はきつく聞こえるかもしれませんが、根っこは面倒見がいい。寒い日に「中で食べていきなさい」と言ってしまう、そういう町です。
Q6.昔に比べて、鰺ヶ沢町の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?
正直に言えば、人は減りましたね。海岸沿いの車の数も昔ほどではなく、賑わいが少しずつ静かになってきたのは肌で感じます。
ただ、犬のわさおが町を全国に知らせてくれて、海の駅に像も建ちました。あの頃の活気をもう一度、と動いている人たちがいるのは心強いですよ。
Q7.鰺ヶ沢町のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?
大きな建物がどうこうより、海辺で音楽やグルメを楽しむ催しが夏に開かれるようになって、若い人や家族連れが戻ってきているのが嬉しいです。
4年に一度の白八幡宮の大祭も、町が一つになる大事な行事。ああいう昔からの祭りと新しい催しが両輪で続いていけば、この町はまだまだやれると思っています。

