【福島県白河市】ってどんなとこ?白河の関と小峰城と白河ラーメン【地元民のリアルな声あり】

福島県白河市の白河小峰城:三重櫓や美しい石垣が残る東日本屈指の平山城で、松平定信ゆかりの白河市を象徴する国指定史跡。

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白河市(しらかわし)は、福島県中通りの南端、栃木県との県境に位置する人口約5万5千人の市です。東京から北へ約185キロメートル。

白河市の魅力を5つに凝縮すると、こうなります:

  • 白河関跡──古代の関所跡で国指定史跡。能因法師や松尾芭蕉が詠んだ「みちのくの入口」
  • 小峰城跡──石垣を多用した梯郭式平山城。現在は清水門の復元工事が進行中
  • 南湖──1801年に松平定信が「士民共楽」の理念で築いた国の史跡及び名勝
  • 白河ラーメン──手打ちの縮れ麺と澄んだ醤油スープ。市内に100店以上
  • 白河だるま市──毎年2月11日、約1.5キロメートルの通りに露店が並ぶ冬の行事

「城跡や史跡をじっくり歩きたい人」「ご当地ラーメンとそばを食べ比べたい人」「新幹線通勤圏で暮らしを考えている人」に向いた市です。序盤では観光と歴史、中盤で暮らしと文化、終盤で食を掘り下げていきます。

人口55,197 人 ※2026年6月1日時点(推計人口)
面積305.16 km²
人口密度181 人/km²

地理的には、東は矢吹町泉崎村中島村石川町浅川町、西は西郷村、北は天栄村、南は棚倉町と栃木県の那須町に接しています(出典:白河市公式ホームページ)。

市の中心部を阿武隈川が流れ、西に那須連峰、南に八溝山地が広がります。鉄道はJR東北本線の白河駅・白坂駅・久田野駅があり、東北新幹線の新白河駅は隣の西郷村。福島空港からは車で約30分です(同上)。

関所、城下町、街道、そして麺類。白河市の見どころは「人の行き来」でつながっています。順に見ていきましょう。

目次

白河市の推しポイント

古代の関所、江戸時代の城と庭園、そして戦後に広まったラーメン文化。白河市の見どころは時代がばらばらなのに、どれも「境界の町」という一点でつながっています。ここでは5つに絞って紹介します。歩いて回れるものが多いのも、この町の良さなんですよ。

推しポイント1:白河関跡──ここから先がみちのく

市の南端・旗宿にある古代の関所跡で、国の史跡に指定されています(出典:白河市公式ホームページ)。発掘調査や文献から、8〜9世紀の奈良・平安時代ごろに機能していたと考えられています。

場所が長く分からなくなっていたのを、白河藩主・松平定信が古文献の調査と古老への聞き取りをもとに現在地と断定しました。歌の世界で憧れられ続けた場所が、江戸時代に地図の上へ戻ってきたわけです。

推しポイント2:小峰城跡──石垣づくしの城と、復元中の門

白河駅のすぐ北にある平山城の跡で、平成22年に国の史跡に指定されました。寛永4年(1627)に初代白河藩主となった丹羽長重が約4年かけて大改修し、本丸・二之丸を総石垣で固めた姿に生まれ変わりました(出典:白河市公式ホームページ)。

今いちばんの見どころは、二之丸と本丸を結ぶ清水門の復元工事です。高さ約11メートル、間口約14メートルという城内最大規模の櫓門で、完成は令和9年3月の予定。工事中も昇降階段から本丸・三重櫓には入れます(同上)。

推しポイント3:南湖──「士民共楽」から生まれた公園

松平定信が享和元年(1801)に築造した苑池で、国の史跡及び名勝です。湖水面積は17.7ヘクタール、周囲は約2キロメートル(出典:白河市公式ホームページ)。

当時の大名庭園は塀で囲うのが当たり前でしたが、南湖には垣根がなく、身分を問わず誰でも入れました。湖水は灌漑用水にも使われ、造成工事そのものが困窮者の救済事業でもあったと記録されています(同上)。景色を楽しむだけの場所ではなかったんですね。

推しポイント4:白河ラーメン──手打ち麺が枝分かれした町

豚骨や鶏ガラを主体とした澄んだ醤油スープと、手打ちの縮れ麺が特徴です。修業した人が独立し、その店で修業した人がまた独立する。この連鎖が繰り返された結果、市内各地に店が広がりました(出典:白河市公式ホームページ)。

市内には100店以上が個性を競っています(出典:福島県移住ポータルサイト ふくしまぐらし)。一日二杯まで、と決めて回る人もいるほどです。

推しポイント5:白河だるまと、2月11日のだるま市

眉は鶴、口ひげは亀、耳やひげは松竹梅。縁起物を顔いっぱいに詰め込んだ意匠は、松平定信のお抱え絵師・谷文晁の絵が手本になったと伝えられています(出典:白河市公式ホームページ)。

2026年は2月11日に開催され、白河駅前から市内目抜き通り約1.5キロメートルに露店が並びました(出典:白河市公式ホームページ)。小さいだるまから買い始め、年ごとに大きくしていくのがこの町の作法です。

白河市の歴史

白河市の歴史は、大きく3つの層に分かれます。第一に、古代の白河関と白河郡衙に代表される「国境の要所」の時代。第二に、白河結城家から白河藩へと続く「城と城下町」の時代。第三に、戊辰戦争の惨禍を経て鉄道と工業団地で再編された「近現代」です。いずれの層も、南北の交通軸の上に町があったという条件から生まれています。

古代〜中世──関所の町と白河結城家

古代の白河郡は17の郷からなる陸奥国最大規模の郡で、7世紀末ごろには郡衙が現在の泉崎村関和久に置かれていました。その範囲は現在の白河市や西白河郡、東白川郡、石川郡、さらに茨城県大子町にまで及んでいます(出典:白河市公式ホームページ)。

文治5年(1189)の奥州合戦で戦功をあげた結城朝光が白河荘を与えられ、以後およそ400年にわたって結城家と白河の関係が続きました。小峰城の始まりは、興国〜正平年間(1340〜1369)に結城親朝が小峰ヶ岡の丘陵に築いた城郭と伝えられます(同上)。

戦国期には永正7年(1510)の「永正の変」で一族が分裂し、勢力は縮小。天正18年(1590)、豊臣秀吉の奥羽仕置で白河結城家は改易となりました(同上)。

近世──小峰城と松平定信の藩政

寛永4年(1627)、白河は10万700石の白河藩として独立します。初代藩主・丹羽長重は城の大改修に加えて城下町の町割を行い、大工町・金屋町といった職人町を配置しました。この町割はおよそ390年を経た現在まで、ほぼそのままの形で残っています(同上)。

その後は榊原・本多・松平(奥平)・松平(結城)・松平(久松)・阿部の7家21代が藩主を務めました。中でも最も長い82年にわたって治めたのが松平(久松)家です(同上)。

天明3年(1783)に家督を継いだ松平定信は、天明の飢饉に際して米穀の確保を急ぎ、領内から餓死者を出さなかったと伝えられます。天明7年(1787)には老中に抜擢され、寛政の改革を主導しました(同上)。

近代〜現代──戊辰の激戦地から工業のまちへ

慶応4年(1868)の戊辰戦争では、藩主不在にもかかわらず白河が交通の要衝であったため、奥羽越列藩同盟軍と新政府軍による拠点争奪戦が約3か月続きました。この白河口の戦いの死傷者は1,000人を超えています(同上)。

明治20年(1887)7月16日、黒磯-郡山間に鉄道が開通し、上野と白河が約6時間半で結ばれました。明治22年(1889)には町村制施行により白河町が成立。当時の人口は約1万1,000人でした(同上)。

昭和24年(1949)に白河町と大沼村が合併して市制施行。平成17年(2005)11月7日には白河市・表郷村・大信村・東村が合併し、現在の白河市が誕生しました(同上)。市内はいまも白河・表郷・大信・東の4地域で呼び分けられています。

平成23年(2011)3月11日の東日本大震災では、市内で震度6強を観測しました。葉ノ木平地区で大規模な土砂崩れが発生して多くの命が失われ、国指定史跡の小峰城跡でも石垣が大きく崩落しています。石垣は長期の修復工事を経て、いまの姿に戻りました。

白河市の文化・風習

城下町として400年続いた町なので、暮らしのリズムに「祭りの年」と「そうでない年」があります。2月のだるま市で一年が始まり、隔年の9月には提灯まつりで町じゅうが動く。そのあいだを、農作業と学校行事が埋めていく感じですね。ここでは言葉づかい、祭り、食卓、人の距離感の4つに分けて見ていきます。

方言と話し方の特徴

白河市は福島県の県南地域にあたり、いわゆる福島弁のなかでも県南寄りの言い回しが使われます。全体に濁る音が多く、疑問文でないのに語尾が上がるのが耳につく特徴です。

代表的なものを挙げると、〜だっぺ(〜だろう・〜でしょう)、〜さ(〜へ・〜に。「駅さ行く」のように使う)、〜だっけぇ(〜だったよ、と過去を語る言い方)。

白河周辺で特に知られるのがゆったっぱい(言ったじゃないですか)という同意を求める言い方です。同じ福島県内でも郡山あたりでは「ゆったばい」、いわきでは「ゆったっぺよ」と変わるので、この語尾ひとつで出身地の見当がつくと言われます。

もうひとつ、県内で広く使われるのがだからです。接続詞ではなく「そうそう、そのとおり」という強い同意として単独で使われるので、初めて聞くと話が途切れたように感じるかもしれません。

祭りが刻む一年──だるま市と提灯まつり

2月11日のだるま市は、江戸時代の六斎市のうち年始の市「市神祭」が由来です。城下の中町にあった高札場の脇に市神を祀り、縁起物を売ったのが始まりとされています(出典:白河市公式ホームページ)。

白河提灯まつりは、旧城下の総鎮守である鹿嶋神社の例大祭で、正式には鹿嶋神社祭礼渡御祭といいます。隔年9月に3日間開催され、昼は子どもたちが屋台山車を引き回し、夜は旧奥州街道沿いを各町内の提灯行列が神輿を送迎します(出典:白河市公式ホームページ)。

この祭りは別名「儀式まつり」と呼ばれるほど作法や口上が厳格です。町人の祭りに武家の格式が残っているのは、明暦3年(1657)に藩主・本多忠義が鹿嶋神社へ神輿を寄進したことが起点だからと伝えられています(出典:白河市公式ホームページ)。

農村部には別の顔もあります。関辺地区に伝わる関辺のさんじもさ踊は、太陽の正常な運行と害虫の防除を祈って五穀豊穣を願う神事で、福島県の無形民俗文化財として記録作成等の措置を講ずべきものに選ばれています(同上)。7月上旬の日曜、八幡神社の境内で氏子の青年たちが踊ります。

食卓と季節の暮らし

白河の気候は「夏は涼しく、冬は寒いが雪は少ない」。市街地の標高は300〜400メートル台で、平成27年から令和元年の統計では年間平均気温12.4℃、年間平均降水量1,424ミリでした(同上)。

冬の朝はしっかり冷え込みます。1月の平均気温は0.8℃。それでも積雪は少ないので、車のフロントガラスの霜取りから一日が始まる、というのが冬の定番風景です。

食卓に上がるのは、味噌・醤油・漬物といった地元の醸造品と、納豆や豆腐などの大豆食品。市内には歴史のある醸造元が点在していて、それぞれが独自の味を守っています(同上)。粉物が強い土地なので、休日の昼にラーメンかそばを食べに出る、という習慣も根づいていますよ。

人の気質と地域のつながり

4つの地域が2005年に合併してできた市なので、「白河の人」と一括りにしづらいところがあります。旧城下町の白河地域、田園の広がる表郷・大信・東の各地域では、集落の付き合い方も少しずつ違います。

共通しているのは、行事の担い手が世代でつながっていること。提灯まつりの23町内、さんじもさ踊の青年たち、だるま市の露店。役割が決まっているぶん、移り住んだ人も「この町内の一員」として組み込まれやすい構造になっています。

新白河駅から東京まで新幹線で約1時間20分(同上)。首都圏に通いながら暮らす人が一定数いるのも、この町の空気を柔らかくしている要素だと考えられます。

白河市の特産品・食

白河市の食を一言でいうと「粉と水」です。那須山系が蓄えた清冽な水を使ったラーメン、そば、そして酒。加えて、市域の約19パーセントを占める農地から出てくる米と野菜があります。順に紹介していきますね。

特産品1:白河ラーメン

豚骨や鶏ガラを主体にした醤油ベースのスープは、脂が浮かず、底のチャーシューが見えるくらい澄んでいます。飲むと最初に鶏の甘み、あとから醤油の角が立つ、という順で味が来るのが特徴です。

主役はむしろ麺のほう。手打ちで打たれた平打ちの縮れ麺は、しっかりした弾力があって、すすると波打った部分にスープが絡んできます。加水率が高いので、ゆっくり食べても伸びにくいのがうれしいところ。

広がり方が独特で、修業した人が独立して店を出し、その店で修業した人がまた独立する、という連鎖の結果、市内各地に系譜が枝分かれしました(出典:白河市公式ホームページ)。市内には100店以上(出典:福島県移住ポータルサイト ふくしまぐらし)。

通年おいしいですが、冬に食べると格別です。人気店は開店前から並ぶので、昼の口開けを狙うか、14時前後を狙うのがおすすめですよ。

特産品2:白河そばと割子そば

白河は信州・出雲・盛岡と並ぶそば処のひとつとされ、打ち方・つなぎ・つゆに各店の技術が受け継がれています。起源は、白河藩主・松平定信が冷害に強いそばの栽培を奨励したことだと言われています(同上)。

代表的なメニューが割子そばです。小さめの皿に小分けしたもりそばを重ね、イクラ、なめこ、山菜などの具材を少しずつ変えながら食べていきます(同上)。一皿ごとに味が切り替わるので、最後まで飽きません。

そばの旬は秋。9月下旬から11月にかけて新そばが出回ります。冷たいそばの香りが立つのはこの時期で、割子で頼めば具材にも秋のものが並びます。

特産品3:白河産トマト

JAしらかわ地区が押し出しているのが、実の引き締まったトマトです。有機質の堆肥・肥料を中心に使うエコファーマーの取り組みを進め、防除回数を最小限に抑えた栽培をしています(出典:JA夢みなみ)。

収穫は朝採りにこだわり、鮮度を保ったまま消費地へ出荷されます(同上)。標高300〜600メートルの高原地帯で昼夜の寒暖差が大きいため、酸味と甘みの両方が乗った味になります。

出回るのは夏から秋にかけて。冷やしてそのまま丸かじりするのが一番わかりやすい食べ方ですが、輪切りにして塩とオリーブオイルだけで食べると、果肉の詰まり具合がよく分かります。

特産品4:白河の米

市内には阿武隈川、社川、隈戸川をはじめ多くの河川が流れ、その源流域に優良農地が広がっています。市域面積のうち農地は19.1パーセントで、森林と合わせると4分の3以上を占めます(出典:白河市公式ホームページ)。

那須山系の雪解け水が入る田んぼで育つので、粒がしっかりして粘りが強め。新米は9月下旬から10月にかけて出回ります。炊きたてを何もかけずに食べると、冷めてからのほうが甘い、というタイプの米だと分かります。

市では市内産の農産物と加工品を認証する「農産物ブランド白河しろもの」という制度も運用しています(出典:白河市公式ホームページ)。直売所で認証マークを探してみてください。

特産品5:白河の地酒

西に那須山系、南に八溝山地、その間を阿武隈川が流れるという地形が、そのまま酒造りの条件になっています。白河藩主・松平定信が兵庫の伊丹から杜氏を呼び寄せて酒造を奨励したことで、地酒文化が発展したとされます(出典:白河市公式ホームページ)。

市内には今も伝統的な製法で仕込む蔵元があり、全国の愛好家に支持されています(同上)。冬の仕込みを経て、新酒が出てくるのは年明けごろ。

合わせるなら、地元の味噌漬けや納豆、そして割子そばのそば湯。澄んだ白河ラーメンのスープと同じで、水の柔らかさがそのまま味に出るお酒です。


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白河市の観光スポット

白河市の見どころは、市の北寄りにある城下町エリアと、南へ下った関跡エリアの2極に分かれています。この2つを結ぶ線が、そのまま旧奥州街道の道筋です。

序盤で触れた小峰城、南湖、白河関跡は、いずれも車で20分圏内。歩いて回れる城下町と、車が必要な郊外を組み合わせるのがこの町の歩き方なんですよ。順に見ていきましょう。

城下町の中心──小峰城とその周辺

  • 小峰城跡 – 平成22年に国の史跡に指定された梯郭式の平山城跡です。三重櫓の開放時間は4月〜9月が9時〜17時、10月〜3月が9時〜16時で、年末年始(12月29日〜1月3日)は閉まります(出典:白河市公式ホームページ)。石垣に沿って登っていくと、いきなり視界が開けて白河の市街地と那須連峰が並びます。朝いちばんの、まだ観光客が少ない時間帯がおすすめです。
  • 小峰城跡・清水門 – 二之丸と本丸を結ぶ櫓門で、高さ約11メートル、間口約14メートル。現在は復元工事のため清水門からは入場できず、約60メートル西側の仮設昇降階段を使います。完成は令和9年3月の予定です(出典:白河市公式ホームページ)。工事シートに覆われた門を横目に階段を登るという、今しか味わえない登城体験になっています。
  • 小峰城歴史館 – 旧「白河集古苑」をリニューアルして2019年に開館したガイダンス施設。開館時間は9時〜16時30分(入館は16時まで)、入館料は一般300円、小中高生100円、休館日は毎週月曜日(祝日は開館)と祝日の翌日、年末年始です。所在地は白河市郭内1-73(出典:白河市公式ホームページ)。VRシアターで江戸期の城内を先に見てから外へ出ると、石垣の見え方が変わります。
  • 白河市歴史民俗資料館 – 縄文土器から松平定信関連資料、戊辰戦争の資料までを常設展示しています。入館料は無料、開館時間は9時〜16時、休館日は月曜日(祝日は開館)と祝日の翌日、年末年始。白河市中田7-1にあります(出典:白河市公式ホームページ)。閉館が16時と早いので、午前か昼過ぎに組み込んでおくと安心ですよ。
  • JR白河駅舎 – 赤い瓦の三角屋根に白い壁、正面にステンド装飾という洋風木造の駅舎で、大正時代から使われ続けています。ホームが駅舎より高い築堤の上にあるため、階段を上がると小峰城の三重櫓が正面に見えます。城と駅が向き合う構図は、この駅ならではの光景です。

南湖のほとり──庭園と神社が並ぶエリア

  • 南湖公園 – 松平定信が享和元年(1801)に「士民共楽」の理念で築いた苑池で、国の史跡及び名勝。湖水面積は17.7ヘクタール、周囲は約2キロメートルあります(出典:白河市公式ホームページ)。湖畔を一周すると40分ほど。那須連峰と関山を借景に取り込んだ設計なので、晴れた日の夕方は水面と山が同時に色づきます。
  • 翠楽苑 – 南湖公園の一角にある池泉回遊式の日本庭園です。営業時間は9時〜17時(12月〜3月は16時30分まで)、休園日は12月〜2月の第2水曜日、3月と7月の第2水・木曜日、年末年始(出典:白河観光物産協会)。入園料は大人350円、中・高校生170円で、抹茶と生菓子が付く呈茶セットは大人850円です(出典:ふくしまデスティネーションキャンペーン公式サイト)。書院造の「松楽亭」で庭を眺めながら一服する時間は、この町でいちばん静かなひとときだと思います。
  • 南湖神社 – 御祭神は松平定信。創建運動には実業家の渋沢栄一が総裁として関わり、大正11年(1922)に鎮座祭が行われました。参道沿いには樹齢約200年といわれる御神木「楽翁桜」が立っています(出典:白河観光物産協会)。春は湖畔の桜と楽翁桜が同時に咲くので、参拝の列が長くなります。
  • 共楽亭 – 定信が享和年間に鏡山の中腹に建てた茶亭で、南湖を見下ろす位置にあります。八畳二間のあいだに鴨居がなく、十六畳一間のようにも見える造り。身分の上下なく語り合うという考えによるものと伝えられています(同上)。湖畔の喧騒から一段上がるだけで、風の音しか聞こえなくなりますよ。
  • 南湖だんご – 湖畔に並ぶ茶屋がそれぞれ味を競っています。焼きたてを外の縁台で食べるのが定番で、桜の時期は行列ができます。散策の折り返し地点に一軒決めておくと、歩くリズムが作りやすくなります。

市南端の関跡と、古代を体感するフィールド

  • 白河関跡 – 市の南端・旗宿にある古代の関所跡で、国の史跡に指定されています(出典:白河市公式ホームページ)。杉の巨木に囲まれた土塁と空堀が残るだけの、驚くほど静かな場所です。4月上旬には斜面一面にカタクリが咲きます。ここが「みちのくの入口」だったと知って立つと、風の音の意味が変わってくるんですよね。
  • 白河関の森公園 – 関跡に隣接する公園で、茅葺きの「ふるさとの家」、そば打ち体験ができる水車小屋、相撲道場、売店、食事処があります。営業時間は4月〜10月が9時〜17時(売店は16時30分まで)、11月〜3月が9時〜16時30分。定休日は年末年始と12月〜3月の第2水曜日です(出典:白河観光物産協会)。6月下旬のアジサイ、7月中旬のユリと、季節ごとに主役が入れ替わります。
  • 福島県文化財センター白河館(まほろん) – 県内の遺跡出土品を収蔵・展示する体験型の施設です。開館時間は9時30分〜17時(最終入館16時30分)、入館は無料。所在地は白河市白坂一里段86です(出典:福島県文化財センター白河館・まほろん)。2026年7月18日から9月27日までは、開館25周年記念企画展「ふくしまのかお」を開催中です(出典:福島県文化財センター白河館・まほろん)。屋外には縄文時代や奈良時代の家が実物大で復元されていて、中に入って火の匂いを想像できます。無料でこの密度は、正直かなりお得です。
  • 白河舟田・本沼遺跡群 – 6世紀後半の下総塚古墳(前方後円墳)や、東北で初めて確認された上円下方墳の野地久保古墳などで構成される国指定史跡です(出典:白河市公式ホームページ)。田んぼの中にこんもりと盛り上がる墳丘は、車で通り過ぎると見落とすほど日常に溶け込んでいます。

郊外の自然と、文学のフィールド

  • 聖ヶ岩ふるさとの森 – 大信地域の隈戸川上流にあるアウトドア施設で、キャンプ場、バンガロー、ビジターセンター内のボルダリングウォールなどがあります。営業期間は4月1日から12月15日まで、定休日は毎週火曜日と水曜日。所在地は白河市大信隈戸国有林57です(出典:聖ヶ岩ふるさとの森 ビジターセンター)。渓流のすぐ横にサイトがあるので、テントの中でも一晩じゅう水音が聞こえます。
  • 権太倉山 – 標高976メートル、白河市の最高峰です。山頂からは那須連峰、甲子連山、羽鳥湖、磐梯山まで見渡せます(出典:ふくしまの旅(福島県観光物産交流協会))。登山口は聖ヶ岩ふるさとの森から。半日で往復できる規模なので、朝発って昼過ぎに温泉、という組み方ができますよ。
  • 中山義秀記念文学館 – 大信地域出身の芥川賞作家・中山義秀を顕彰する施設です。入館料は大人220円、小人110円、開館時間は10時〜18時、休館日は毎週月曜日と祝日の翌日、年末年始。所在地は白河市大信町屋字沢田25(出典:白河市公式ホームページ)。図書館と喫茶が併設されているので、雨の日に長居する場所としても優秀です。
  • 金山のビャッコイ自生地 – 表郷金山の湧水地に自生する水生植物で、福島県の天然記念物に指定されています。北半球で自生が確認されているのは表郷金山だけです(出典:白河市公式ホームページ)。なお2026年6月には、国の文化審議会が国の天然記念物への指定を答申したと報じられています。花は8月から9月にかけて、まばらに咲きます。膝下ほどの浅い水路をのぞき込む、地味だけれど忘れられない見学です。

白河市の観光ルート

計算中…

白河市は東西約30キロメートル、南北約30キロメートル。城下町だけなら徒歩、関跡や大信地域まで足を伸ばすなら車が必要です。ここでは車1日、車半日、鉄道+徒歩半日、そして県境を越える広域の4本を組んでみました。所要時間は目安として使ってくださいね。

【車・1日】城下町と南湖をたどる白河入門ルート

9:00 城山公園駐車場(白河駅北側・無料) → 徒歩3分

小峰城歴史館(60分)
→ まずVRシアターで江戸期の城を頭に入れます。展示室の精巧なジオラマを360度から眺めておくと、このあと歩く石垣の位置関係がすぐ分かるようになります。

10:20 徒歩5分

小峰城跡・三重櫓(50分)
→ 仮設昇降階段から本丸へ。復元三重櫓の柱や床板には、戊辰戦争の激戦地だった稲荷山の杉が使われています。午前中は逆光になりにくく、石垣の面がきれいに見えます。

11:20 車10分

白河ラーメンで昼食(60分)
→ 人気店は昼前から並びます。開店直後を狙うか、13時過ぎまでずらすかの二択です。

12:45 車15分

南湖公園・南湖神社(60分)
→ 湖畔を半周してから南湖神社へ。参道の楽翁桜を見上げて、戻りに湖畔の茶屋で南湖だんごを一本。

14:10 徒歩5分

翠楽苑(60分)
→ 松楽亭で抹茶を一服。午後の斜めの光が池に落ちる時間帯がいちばん美しいです。

15:30 車15分

まほろん(60分)
→ 最終入館は16時30分。屋外の復元住居まで回るなら、余裕をもって15時45分までには着いておきたいところです。

【車・半日】市南端をめぐる白河の関ルート

9:00 新白河駅 → 9:35 白河関の森公園(車35分)

白河関の森公園(40分)
→ 茅葺きの「ふるさとの家」を見て、売店で土産をチェック。朝の空気は市街地よりはっきり冷たく、標高が上がったことが体感できます。

10:20 徒歩5分

白河関跡(40分)
→ 杉木立の中の土塁を歩きます。人の声がしない時間が続くので、能因法師や松尾芭蕉がここで感じたであろう「境界に立った感じ」が、そのまま残っています。

11:10 車25分

まほろん(60分)
→ 関跡で見た古代を、出土品と復元住居で裏取りする流れです。勾玉づくりなどの体験もあります。

12:20 車10分

南湖公園(40分)
→ 締めは湖畔で南湖だんご。半日でも「古代・近世・現在」を一本の線でたどれるのが、この町の面白いところなんですよ。

13:15 終了

【鉄道+徒歩・半日】白河駅から歩く城下町ルート

10:00 JR白河駅(東北本線) → 徒歩5分

小峰城跡・三重櫓(60分)
→ ホームから見えていた三重櫓に、そのまま歩いて到着します。駅と城がこれだけ近い城跡は珍しいです。

11:10 徒歩3分

小峰城歴史館(50分)
→ 歴代7家21代の城主と、それぞれが残した美術工芸品を見ていきます。

12:10 徒歩10分

本町・中町(旧奥州街道)で昼食(70分)
→ 丹羽長重が敷いた町割がほぼそのまま残る通りです。白河ラーメンか白河そばか、その日の気分で。

13:30 徒歩10分

妙関寺の乙姫桜と白河ハリストス正教会聖堂(50分)
→ 樹齢約400年と推定されるベニシダレザクラと、大正期に建てられた木造の正教会聖堂。城下町の裏通りに、時代の違う建物が並んで残っています。

14:30 徒歩10分で白河駅へ戻る

【車・1日】広域ルート:白河から県境を越えて那須へ

9:00 城山公園駐車場

小峰城跡(60分)
→ 「奥州の押さえ」として整えられた城を先に見ておくと、このあと向かう県境の意味が立体的になります。

10:15 車30分(国道294号を南下)

白河関跡・白河関の森公園(70分)
→ 古代の国境から、江戸時代の藩境へ。同じ道筋に二重の境界が重なっているのが、この一帯の特徴です。

11:40 車30分(栃木県那須町へ)

那須高原周辺で昼食(70分)
→ 県境を越えたとたんに観光地の密度が変わります。行き来のしやすさが、白河市が「東北の入口」と呼ばれる理由そのものです。

13:50 車40分(国道4号で北上)

南湖公園・翠楽苑(90分)
→ 戻ってきて庭園でひと息。県境の緊張感のあとに、士民共楽の穏やかさが効きます。

15:40 車10分

新白河駅または白河中央スマートIC
→ 高速に乗れば、そのまま首都圏まで一本です。


ここまで見てきたとおり、見どころが少し離れた場所に点在していることもあります。気になるスポットをまとめて回るなら、レンタカーがあると一気に動きやすくなりますよ。料金は会社や時期でけっこう変わるので、まとめて比較できるサイトでサッと見ておくのがおすすめです。

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そして遠方から訪れるなら、思いきって一泊するのもおすすめです。日帰りでは通り過ぎてしまう夜や朝の時間に、その町ならではの静けさや表情に出会えます。お祭りやイベントの時期は宿が一気に埋まるので、早めの確保が安心ですよ。

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白河市の年間イベント

白河市の1年は、2月のだるま市で始まって8月の花火で盛り上がり、隔年の9月に提灯まつりで頂点に達します。城下町の祭りと、南湖の四季の行事が交互にやってくるイメージです。開催時期はいずれも市や観光物産協会が告知しているものを載せています。

春:白河小峰城さくらまつり(4月中旬)

小峰城の城山公園を会場に、毎年4月中旬に開かれます。2026年は4月11日と12日の2日間開催で、主催は白河小峰城さくらまつり実行委員会です(出典:白河市公式ホームページ)。

1日目は地場産品や露店が並び、夕方からは夜桜のライトアップと「夜桜花見酒」の一斉乾杯。2日目は川越藩火縄銃鉄砲隊保存会による火縄銃演武と、予約制の桜ウォークが行われます(出典:白河観光物産協会)。

ぜひ体験してほしいのが、火縄銃の発砲音です。石垣に反響して腹に響きます。城内には約180本のソメイヨシノがあり、花びらが降るなかで白煙が上がる光景は、ここでしか見られません。

初夏〜夏:南湖公園 風鈴展示イベント「風の音まつり」(6月〜8月)

南湖公園内の翠楽苑と南湖神社を会場に、風鈴を集めた展示が行われます。2026年は6月1日から8月23日までの開催で、主催は公益財団法人白河観光物産協会です(出典:ふくしまデスティネーションキャンペーン公式サイト)。

庭園の木立を抜けた風が通るたび、何十個もの風鈴が時間差で鳴り出します。音がひとかたまりではなく、波のように移動していくのが面白いところ。呈茶セットを頼んで、松楽亭の縁側に座って聞くのがいちばん贅沢な楽しみ方ですよ。

夏:白河関まつり・市民納涼花火大会(8月上旬)

白河市の真夏の恒例行事で、2026年は8月2日に開催されます。夕方17時から18時まで、白河駅前の小峰通りで「白河関の踊り流し」が行われ、19時30分からは小峰城を打上場所とした市民納涼花火大会が続きます。打ち上げ数はメモリアル花火を含めて5,500発です(出典:白河市公式ホームページ)。

この祭りの見どころは、花火に照らし出される小峰城の輪郭です。無料観覧エリアは城山公園の芝生とコミネス北側駐車場の西側。芝生に寝転がると、真上で開く花火の光が石垣を白く染めます。

なお当日は保安規制のため、三重櫓と仮設昇降階段の開放時間が短縮され、矢之門は終日立入禁止になります(出典:白河市公式ホームページ)。城を見学してから花火、と考えている人は午前中に済ませておいてください。

秋:白河提灯まつりと、翠楽苑の紅葉ライトアップ(9月・10月下旬〜11月上旬)

白河提灯まつりは鹿嶋神社の例大祭で、正式には鹿嶋神社祭礼渡御祭といいます。隔年9月の3日間に開催され、昼は子どもたちが屋台山車を引き回し、夜は旧奥州街道沿いを各町内の提灯行列が神輿を送迎します(出典:白河市公式ホームページ)。直近では2025年9月に開催されました。

提灯行列が阿武隈川を渡る場面は、灯りが水面に二重に映ります。作法や口上が厳格に守られていることから「儀式まつり」とも呼ばれていて、観光イベントとは空気がまるで違います。

紅葉の時期には、南湖公園の翠楽苑でライトアップが行われます。2025年は10月31日から11月9日まで実施されました(出典:白河観光物産協会)。例年秋に行われている企画なので、訪問予定の方は最新の告知を確認してみてください。

冬:白河だるま市(2月)

毎年2月11日に、白河駅前から市内目抜き通り約1.5キロメートルを会場として開かれます。2026年も2月11日に開催されました。主催は白河まつり振興会です(出典:白河市公式ホームページ)。

江戸時代の六斎市のうち、年始の「市神祭」が起源とされる行事です。天神町と本町では、正月飾りや前年のだるまを供養するどんど焼きも同時に行われます。

眉が鶴、口ひげが亀、耳やひげが松竹梅という白河だるまの顔を、露店で1つずつ見比べていくのが楽しいところ。前年より一回り大きいものを選ぶのがこの町の作法なので、「去年これ買ったから今年はこれ」という会話があちこちで聞こえてきますよ。真冬の朝の冷え込みと、焚き火の煙の匂いがセットの一日です。

白河市のエリア別の顔

現在の白河市は、平成17年(2005)に合併した白河地域(旧白河市)、表郷地域(旧表郷村)、大信地域(旧大信村)、東地域(旧東村)の4地域で構成されています(出典:白河市公式ホームページ)。

この区分は今も生活のなかで普通に使われていて、地元では「表郷の人」「東の人」という言い方をします。旅の視点で言うと、白河地域は歩く町、それ以外の3地域は車で走る町。ここでは白河地域を南北で分けて、5つの顔として紹介しますね。

白河地域・中心市街地──城と駅と旧奥州街道が重なる場所

白河駅、小峰城跡、本町・中町の商店街が半径500メートルに収まっているエリアです。丹羽長重が敷いた町割がおよそ390年ほぼそのままの形で残っています。

大工町、金屋町といった職人由来の地名が今も生きていて、通りを歩いていると町名の看板だけで江戸の職種分布が読めてしまいます。醸造元や和菓子屋が点在しているのも城下町らしいところ。

散策とグルメを両立させたい人に向いたエリアです。半日あれば城と歴史館と昼食が収まるので、新幹線で来て在来線で白河駅まで下りる、という組み方がいちばん効率的ですよ。

白河地域南部(南湖・白坂・旗宿)──庭園から関跡へ続く道

市街地から国道294号を南下すると、南湖公園、白坂のまほろん、そして最南端の旗宿・白河関跡と、道なりに見どころが並びます。標高も少しずつ上がっていきます。

南湖のあたりは湖畔の茶屋が並ぶ穏やかな行楽地ですが、旗宿まで下ると集落と杉林だけになり、空気の温度も体感で変わります。同じ市内とは思えないくらい表情が違うんですよね。

歴史を時代順にたどりたい人におすすめのエリアです。車があれば1本の道で古代から江戸までを走り抜けられます。

表郷地域──社川沿いの田園と、北半球にひとつだけの湧水地

市の南東に位置し、栃木県と棚倉町に接しています。旗宿地区を源とする社川が地域を東西に流れ、平均標高は346メートル。高原型の気候です(出典:白河市公式ホームページ)。

白河から棚倉への街道筋にあたるため、戊辰戦争では最前線となった土地でもあります。今は水田と里山が続く静かな景色で、その落差がかえって印象に残ります。

目玉は表郷金山のビャッコイ自生地。田んぼの脇の小さな湧水に、北半球でここにしかない植物が生えているという事実を、現地の何気なさとセットで受け取ることになります。地味な発見が好きな人にはたまらないエリアです。

大信地域──権太倉山と隈戸川、そして文学館

市の北西部にあたり、隈戸川が地域を東西に流れています。西北端には市内最高峰の権太倉山(標高976.3メートル)がそびえます(出典:白河市公式ホームページ)。

川の上流には聖ヶ岩ふるさとの森があり、キャンプ場と奇岩と滝が集まっています。ここまで来ると携帯の電波も心もとなくなり、水音以外に何も聞こえません。

アウトドア派と、静かに本を読みたい人の両方に向いています。日中は川で過ごし、夕方に中山義秀記念文学館の喫茶で休む。そんな1日の組み立てができるのは、この地域だけです。

東地域──釜子陣屋の面影と、東風の台のスポーツ公園

市の東側、阿武隈川の下流方向にあたる地域です。江戸時代には越後高田藩の飛び地を治める釜子陣屋が置かれ、40か村を支配する地域の中心として栄えました(同上)。

今は果樹と野菜の産地で、直売所にはトマト、きゅうり、キャベツのほか、モモ、ブドウ、ナシ、リンゴが季節ごとに並びます。地元の中学生がリンゴの摘花作業を手伝うような、農業と暮らしが近い土地柄です。

東風の台公園にはグラウンドやプール、温泉設備を備えた施設がまとまっていて、家族連れが1日過ごせます。観光名所を巡るというより、地元の休日にまぎれ込んでみたい人におすすめのエリアですよ。

白河市の気候・季節の暮らし

白河市の年平均気温は11.9℃、年降水量は1,456.7ミリ、年間の降雪の深さ合計は90センチメートルです(出典:気象庁)。

数字だけ見ると穏やかですが、実際の体感は「夏は思ったより涼しく、冬は思ったより冷える」です。市街地の標高が355メートルあるためで、同じ福島県でも郡山や福島市とは冬の朝の刺さり方が違うんですよ。

雪は多くありません。年間の最深積雪は平年で25センチメートルどまりです(同上)。ただし冷え込む日数は多く、そのギャップが暮らしのポイントになります。

夏──6月〜8月の暮らし

8月の平均気温は23.7℃、日最高気温の平均は28.7℃です。猛暑日(35℃以上)は年間0.7日しかありません(出典:気象庁)。

夜も過ごしやすく、8月の日最低気温の平均は20.2℃。エアコンをつけっぱなしにする夜より、窓を開けて寝られる夜のほうが多いという印象です。

ただし雨は多く、7月の降水量は233.2ミリで年間最多。9月も211.4ミリあります(同上)。梅雨明けが遅れた年は、洗濯物の乾かない日が続きます。

8月上旬には白河関まつりの花火があり、そこから夏が一気に折り返す感覚があります。お盆を過ぎると朝晩の空気が変わり、9月には長袖が必要になる日が出てきますよ。

秋──9月〜11月の暮らし

10月の平均気温は14.0℃、11月は8.1℃まで下がります(同上)。落差が大きいので、10月に一度しまった上着をすぐ出し直すことになります。

南湖公園の紅葉が色づくのは10月下旬から。湖畔を歩くと、水面に映った紅葉と那須連峰の稜線が同時に視界に入ります。この時期の夕方は空気が澄んでいて、山の輪郭がくっきり見えるんですよね。

11月に入ると降雪が記録され始めます。平年値では11月の降雪の深さ合計が1センチメートル(出典:気象庁)。タイヤ交換の予約は11月の早いうちに入れておくのが地元の習慣です。

冬──12月〜2月の暮らし

1月の平均気温は0.6℃、日最低気温の平均は-3.3℃です。日最低気温が0℃を下回る「冬日」は年間100.1日にのぼります(出典:気象庁)。

一方で、日最高気温が0℃未満の「真冬日」は年間2.3日しかありません(同上)。つまり「朝は凍るが昼は溶ける」という一日が延々と続く冬です。路面の凍結と融解を毎日繰り返すので、朝の運転がいちばん気を使います。

雪は1月が最も多く、降雪の深さ合計の平年値は36センチメートル。2月が25センチメートル、12月が12センチメートルです(出典:気象庁)。除雪機が必要な地域ではありませんが、スコップは玄関に置いておくことになります。

冬の最多風向は北西です(同上)。那須連峰から吹き下ろす風が強い日は、気温の数字以上に体感が下がります。防寒は「厚着」より「風を通さない上着」で対応するのが正解ですよ。

2月11日のだるま市は、この寒さの底で開かれます。手袋をしたまま露店をのぞき、どんど焼きの火に当たって手を温める。冬を乗り切る折り返しの行事という位置づけです。

春──3月〜5月の暮らし

3月はまだ降雪があり、平年値で14センチメートルが記録されています(同上)。桜が咲く直前に雪が舞う年も珍しくありません。

4月の平均気温は10.2℃、5月は15.5℃。小峰城や南湖公園の桜は4月中旬に見ごろを迎え、さくらまつりもこの時期に合わせて開かれます。

白河関跡のカタクリが咲くのも4月上旬。市街地の桜より一足早く、山の斜面が薄紫に染まります。

春先は風が強い日が多く、4月の平均風速は4.3メートル毎秒と年間でも高めです(同上)。花見の予定を組むときは、風の弱い午前中を狙うのがおすすめです。

白河市の移住・暮らし情報

白河市の暮らしを一言でいうと、「車社会だけれど、新幹線も使える」という二重構造です。日常の買い物と通勤は車、月に数回の東京行きは新白河駅から新幹線、という組み立てが成り立ちます。

市の産業構成は第2次産業が全体の3割以上を占め、全国平均や福島県平均を大きく上回っています。白河・表郷・大信・東の各地域に工業団地が整備されているためです(出典:白河市公式ホームページ)。働く場所が市内にある、というのが移住を考えるうえで大きい要素になっています。

通勤・通学

市内の工業団地や事業所へ車で通う人が中心です。市街地から各地域の工業団地までは、おおむね15分から25分程度と考えられます。

首都圏へ新幹線で通う人も一定数います。新白河駅は隣の西郷村にありますが、市街地から車で10分ほど。東京までは東北新幹線で1時間15分です(出典:白河市公式ホームページ)。

高校は白河駅・新白河駅周辺に集まっているため、通学は自転車か路線バス、または保護者の送迎が中心になります。冬の朝は駅前のロータリーが送迎の車で混み合いますよ。

住宅環境

賃貸は2LDKが中心で、家賃はおよそ6万円から7万円の価格帯。1Kであれば3万円台の物件もあります(出典:SUUMO)。多くの物件に駐車場が付いているのが、この規模の町の標準です。

市営住宅という選択肢もあります。一部の市営住宅では入居条件が緩和され、18歳から59歳の単身者でも入居できるようになりました。3DKで月12,900円から22,200円という家賃帯です(所得により変動、出典:白河市公式ホームページ)。

家を建てる場合は、来て「しらかわ」住宅取得支援事業補助金があります。県外から市内へ移住する場合は最大200万円(福島県の補助金を含む)です(出典:白河市公式ホームページ)。

引っ越し費用そのものを補助する制度もあり、福島県外から市内に移住する際の経費を1世帯につき1回限り、上限20万円まで補助します(出典:白河市公式ホームページ)。予算枠があるので、動く前に窓口へ確認しておくのが確実です。

買い物環境

買い物の主戦場は国道4号沿いと新白河駅周辺です。ロードサイドに大型店やドラッグストアが並び、車があれば日用品はほぼ市内で完結します。

生鮮品は直売所を使う人が多いのも特徴です。国道4号と白河中央スマートICの近くには、JA夢みなみのファーマーズマーケット「り菜あん」があり、旬の野菜や果物、米の量り売りが並びます(出典:JA夢みなみ)。

大信や東の各地域にも農産物直売所があり、地元の人はスーパーと直売所を使い分けています(出典:白河市公式ホームページ)。トマトの季節に直売所へ行くと、値段の安さで手が止まりますよ。

大きな買い物は、那須のアウトレットや郡山まで足を伸ばす人もいます。どちらも車で1時間前後の距離感です。

子育て・教育

市内には市立小学校が13校、市立中学校が7校あります。児童数は2,728人、生徒数は1,486人です(令和7年5月1日現在、出典:白河市公式ホームページ)。

規模の差は大きく、白河第二小学校の506人に対して、小田川小学校は49人、小野田小学校は53人。市街地の学校と、田園地帯の小規模校のどちらを選ぶかで、暮らし方がかなり変わります(同上)。

医療費は、18歳に達した日以後最初の3月31日までを対象とするこども医療費助成があります(出典:白河市公式ホームページ)。高校卒業まで見てもらえるのは、子育て世帯にとって大きい部分ですよね。

本を借りる環境も悪くありません。白河駅近くの白河市立図書館は30万冊以上の蔵書があり、小峰城跡を一望できる閲覧席があります。平日は10時から20時、土日祝は9時30分から18時までの開館です(出典:白河市公式ホームページ)。

医療環境

地域の中核は白河厚生総合病院です。病床数は459床(一般455床、感染4床)、職員は658人で、うち医師が92人、看護職員が346人という規模です(令和8年6月1日現在、出典:JA福島厚生連 白河厚生総合病院)。

地域がん診療連携拠点病院、地域災害医療センター(災害拠点病院)、周産期母子医療センター、救急告示病院などの指定を受けています(同上)。

総合診療科から心臓血管外科、産婦人科、小児科まで揃っているので、「専門的な治療で毎回郡山や福島市まで出る」という状況にはなりにくい環境です。所在地は白河市豊地上弥次郎2番地1で、市街地から車で10分ほどの位置にあります。

エリア別の暮らし視点

中心市街地(郭内・本町・中町周辺)は、駅・病院・図書館・商店街が徒歩圏にまとまるエリアです。車を持たない期間があっても暮らせる、市内で唯一の場所と考えられます。

新白河駅寄りの西側と、みさか地区などの新興住宅地は、子育て世帯が集まるエリアです。学校の規模も大きく、同年代の家庭が多いので、移り住んだ直後のつながりは作りやすいと考えられます。

南湖・白坂方面は、市街地に近いのに緑が濃いエリア。まほろんや南湖公園が生活圏に入るので、休日の散歩コースには困りません。

表郷・大信・東の3地域は、田畑と山が近い分、車が必須になります。そのかわり土地は広く取れ、直売所と温泉が生活導線に入ります。「庭で野菜を作りたい」という人には、この3地域が向いていますよ。

白河市へのアクセス

白河市は東京から北へ188キロメートル、福島県中通りの南端にあります(出典:白河市公式ホームページ)。東北新幹線、東北自動車道、福島空港のいずれからもアクセスでき、首都圏からも仙台からも入りやすい位置です。

車でのアクセス

東北自動車道を使います。浦和インターチェンジから白河インターチェンジまでは1時間40分、白河中央スマートインターチェンジ(ETC専用)までは1時間45分です(同上)。

仙台方面からは、仙台南インターチェンジから白河インターチェンジまで1時間35分、白河中央スマートインターチェンジまで1時間30分です(同上)。

市役所へは、白河中央スマートインターチェンジから約10分、白河インターチェンジから約15分(同上)。城下町エリアを回るなら白河中央スマートIC、関跡方面へ向かうなら白河ICが便利です。

鉄道+バスでのアクセス

東北新幹線で東京から新白河まで1時間15分、仙台から新白河までは1時間です(同上)。列車の種別によって所要時間は変わります。

新白河駅は隣の西郷村にあるため、市の中心部へはひと手間かかります。JR東北本線に乗り換えて白河駅まで移動し、そこから市役所へは徒歩約10分です(同上)。

市内にはJR東北本線の白河駅、白坂駅、久田野駅の3駅があります。また白河駅・新白河駅を中心に福島交通とJRバス関東の路線バスが市内各所を結んでいます(出典:白河市公式ホームページ)。

観光目的なら、新白河駅ではなく白河駅で降りるのがおすすめです。改札を出て徒歩5分で小峰城跡に着くので、荷物を持ったままでも城が見られます。

飛行機でのアクセス

最寄りは福島空港です。大阪から福島空港までは1時間30分、札幌からは1時間20分(出典:白河市公式ホームページ)。

福島空港から白河市街までは自動車で30分です(同上)。県内の空港としては近い部類で、関西・北海道方面から来る場合は新幹線より早く着くことがあります。

就航ダイヤは時期によって変わるため、旅程を組む前に最新の時刻表を確認してください(出典:福島県ホームページ)。

市内移動の現実的アドバイス

市域は東西約30キロメートル、南北約30キロメートル。中心市街地以外を回るなら、車かレンタカーが前提になります。

公共交通で動く場合は、白河駅・新白河駅から出る路線バスと、各地域を回る白河市循環バス・表郷地域巡回バス・大信地域自主運行バス・東地域巡回バスが軸になります(出典:白河市公式ホームページ)。本数は多くないので、帰りの便を先に決めてから出かけるのが安全です。

城下町だけを歩くなら車は不要です。白河駅を起点に、小峰城跡、小峰城歴史館、本町・中町の商店街まで徒歩で回れます。

南湖公園と白河関跡は方向が同じ(市街地から南)なので、この2つは1本の動線でつなげられます。逆に大信地域の聖ヶ岩は北西方向なので、同じ日に詰め込むと移動だけで時間がなくなりますよ。


交通手段ごとに見てきましたが、「結局いちばん安く行くにはどうすれば?」と迷う方も多いはず。飛行機で向かうなら、航空券は予約のタイミングや会社によって料金が大きく変わります。複数の航空会社・LCCをまとめて比較できるサイトで、いちど最安値をチェックしておくと安心ですよ。

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【地元住民に直撃!】白河市の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。

実家が中華そばの店で、今は毎朝、粉から麺を打っています。父の下での見習いなので、スープの炊き加減はまだ任せてもらえません。

この土地は水がいいんですよ。那須の山が蓄えた水源があってこその味で、麺もスープも素直に仕上がります。そこだけは自信を持って言えます。

Q2.白河市に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?

まずは小峰城跡ですね。石垣が本当に見事で、朝いちばんに本丸へ上がると、市街地と那須連峰が一気に視界に開けます。

あとは南湖公園。地元の人間は運動公園で汗をかいたあとに湖畔を一周したりして、観光地というより生活の一部なんです。夕方の水面が一番きれいですよ。

Q3.白河市でお土産を買うとしたらなんですか?

定番はやっぱり白河だるまです。眉が鶴、ひげが亀という縁起物で、小さいものから年ごとに買い足していくのがこちらの流儀なんですよ。

地元の人間が選ぶなら味噌や醤油、納豆あたりですね。あとは地酒。有名なものは他にもありますが、日常に近いものほど土地の味が出ると思います。

Q4.外から人が来たときに、白河市でまず連れていく店はどこですか?

まずは手打ちの中華そばを出す昔ながらの店です。うちとは限りません。系統がいくつもあるので、その人の好みを聞いてから決めます。

そのあとは湖畔の団子屋ですね。焼きたてを縁台で食べながら、水と山を眺める。これが一番わかりやすい白河市の紹介になると思っています。

Q5.白河市はどんな気質だと思いますか?

派手ではないですが、筋を通す人が多いです。祭りひとつ取っても役割と作法が決まっていて、誰も勝手には動かない。城下町の名残だと思います。

そのぶん、一度輪に入れば早いですよ。市民センターや公民館の集まりに顔を出すと、次の週にはもう名前で呼ばれています。

Q6.昔に比べて、白河市の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?

中心部の商店街は、正直、店の数が減りました。子どもの頃に賑わっていた通りが静かになったのは、目に見えて分かります。

一方で、ラーメンや城を目当てに来る人は増えた実感があります。観光で来た方が普通に商店街を歩いている光景は、昔はなかったですね。

Q7.白河市のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?

城の門の復元工事ですね。完成すれば本丸への入り方も変わりますし、市長から市民まで、みんなその話をしている印象があります。

あとは表郷の湧き水に生えている珍しい植物です。国の指定の話が進めば、白河市のおすすめスポットとしてもっと知られると思います。

白河市の関連リンク

本記事は、全国1741市町村を応援するために徹底調査して作成していますが、地元の方だからこそ知る最新情報や、記述の誤りなどがあれば、ぜひこちらのお問い合わせフォームよりお気軽にお知らせください。地域の皆様と一緒に、より素晴らしい紹介ページを作っていきたいと考えております。

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