栗原市(くりはらし)は、宮城県の内陸北部に位置し、岩手県・秋田県と県境を接する人口57,057人の田園都市です。仙台市から車でおよそ1時間〜1時間半の距離にあります。
栗原市の魅力を5つに凝縮すると、こうなります:
- ✅ 栗駒山──「神の絨毯」と呼ばれる山岳紅葉で全国的に名高い標高1,626mの活火山
- ✅ 伊豆沼・内沼──ハクチョウやマガンが集う、ラムサール条約登録の越冬地
- ✅ 細倉鉱山と廃線「くりでん」──鉛・亜鉛で栄えた鉱山と鉄道の記憶
- ✅ 県内最大の面積を誇る米どころ──「ひとめぼれ」「ササニシキ」と50種以上の餅料理
- ✅ 菅原文太・宮藤官九郎・狩野英孝など、多彩な著名人を生んだ町
「山岳紅葉や火山地形を体感したい旅行者」「野鳥や湿地の自然が好きな人」「ゆったりした田園暮らしの移住先を探している人」に向いた町です。この記事では、観光・歴史・文化・特産まで、栗原市の顔を順に紹介していきます。
| 人口 | 57,057 人 ※2026年5月1日時点(推計人口) |
|---|---|
| 面積 | 805.00 km² |
| 人口密度 | 70.9 人/km² |
地理的には、東は登米市、南から西は大崎市、北は岩手県一関市、北西部は秋田県の湯沢市と東成瀬村に接しています(出典:栗原市公式サイト)。2005年に旧栗原郡の10町村が合併して誕生し、宮城県で最も広い面積を持つ自治体になりました。
アクセスは、東北新幹線のくりこま高原駅が市のほぼ中心にあり、東北自動車道の築館IC・若柳金成ICも通っています。市内に在来線の中心駅はなく、新幹線と高速道路が交通の軸です。
北西の山地から南東の田園地帯まで表情が大きく変わるのも栗原市の特徴です。火山・湿地・鉱山・米どころと、見どころを順に見ていきましょう。
栗原市の推しポイント

栗原市の顔は、北西にそびえる栗駒山と、南東に広がる伊豆沼・内沼という二つの自然です。さらに鉛で栄えた細倉鉱山、県内屈指の米どころ、そして数多くの著名人を生んだ土地柄が重なります。ここでは5つの推しポイントを、少し深掘りして紹介します。
推しポイント1:栗駒山と「神の絨毯」
栗駒山は宮城・岩手・秋田の3県にまたがる標高1,626mの活火山で、宮城側では「神の絨毯」と称される山岳紅葉が全国的に知られています。例年9月中旬に山頂付近から色づき始め、10月中旬にかけて山腹・山麓へ広がります。日本二百名山・花の百名山にも数えられ、初級から上級まで複数の登山コースがあるのも魅力です。
推しポイント2:伊豆沼・内沼の白鳥とマガン
登米市との境にある伊豆沼・内沼は、宮城県内最大の淡水湖沼で、ラムサール条約の登録湿地です。冬にはオオハクチョウやマガンなど多くの渡り鳥が飛来する越冬地として知られ、国の天然記念物にも指定されています(出典:栗原市公式サイト)。夏は沼一面にハスの花が咲き、季節ごとにまったく違う景色を見せてくれます。
推しポイント3:細倉鉱山と廃線「くりでん」
市西部の鶯沢(うぐいすざわ)地区には、鉛・亜鉛を産出した細倉鉱山がありました。明治以降は近代資本の新技術で生産を伸ばし、最盛期は岐阜県の神岡鉱山に次ぐ規模の鉛・亜鉛鉱山として知られました。1987年に閉山しましたが、坑道跡は「細倉マインパーク」として公開され、鉱山と廃線「くりはら田園鉄道(くりでん)」の記憶を今に伝えています。
推しポイント4:米どころと餅文化
栗原市は宮城県内でも有数の米どころで、令和5年産の水稲作付面積は県内第2位(約9,180ha)に上ります(出典:宮城県)。「ひとめぼれ」「ササニシキ」「だて正夢」など銘柄も豊富です。良質な米を背景に、ずんだ餅やくるみ餅をはじめ50種以上ともいわれる餅料理が根づいています。
推しポイント5:多彩なふるさとの著名人
栗原市は、俳優の菅原文太さん、脚本家の宮藤官九郎さん、お笑いタレントの狩野英孝さんなど、各分野で活躍する人物を数多く送り出してきました。自由民権運動家で五日市憲法草案を起草した千葉卓三郎もこの地の出身です。広い市域それぞれに、ゆかりの人がいるのも栗原らしさです。
栗原市の歴史

栗原市の歴史は、縄文の集落から始まり、奈良時代の城柵、近世の宿場、近代の鉱山と鉄道、そして2005年の大合併へと続きます。古代には朝廷と蝦夷(えみし)がせめぎ合う最前線であり、近代には地下資源で栄えました。三つの時代の流れをたどってみます。
古代──伊治城と宝亀の乱
奈良時代の769年、ヤマト王権は蝦夷征討の拠点として伊治城(これはりじょう)を現在の築館城生野付近に築いたとされます。780年には、この地の有力者・伊治呰麻呂(これはりのあざまろ)が反旗を翻した「宝亀の乱」が起こり、伊治城は焼失しました。一迫の山王囲遺跡は国の史跡に指定され、古くから人が暮らした土地であることを物語っています。
近世〜近代──宿場町と細倉鉱山
江戸時代には奥州街道が整備され、高清水・築館・宮野・沢辺・金成・有壁などに宿場が置かれました。金成有壁の「旧有壁宿本陣」は国の史跡として今も残っています。一方、西部の細倉鉱山では明治以降に開発が進み、1895年(明治28年)には鉛の生産で日本一になったこともある、東北を代表する鉱山へと成長しました。
現代──大合併と相次ぐ災害
2005年、旧栗原郡の10町村が合併して栗原市が誕生し、県内最大の面積を持つ市となりました。2008年には岩手・宮城内陸地震(M7.2)で一迫が最大震度6強を記録し、2011年の東日本大震災では築館地区で震度7を観測しました。2015年には市全域が「栗駒山麓ジオパーク」に認定され、災害の記憶と火山の恵みを学ぶ場として歩み続けています。
栗原市の文化・風習

方言と話し方の特徴
栗原市は宮城県でも県北にあたり、いわゆる仙台弁のなかでも訛りの色が濃い地域です。話し言葉には、東北らしい濁音と独特の語尾が交じります。みなさんが旅先で耳にしたら、ちょっと戸惑うかもしれませんね。
代表的なのがいずい(しっくりこない・違和感がある)。標準語にぴたりと訳せない言葉として有名です。相づちで使うだから(そうだよね・それな、という強い同意)も、初めて聞くと接続詞と勘違いしてしまいます。
ほかにもなげる(捨てる)、うるかす(米などを水に浸す)、いきなり(とても。ほめ言葉にも使う)、めんこい(かわいい)、けっぱれ(頑張れ)、したっけ(それじゃあ)など、生活に密着した言葉が今も使われています。
食卓と季節の暮らし
栗原の食卓に欠かせないのが、米と餅です。お祝いや人寄せの席では、ずんだ・くるみ・じゅうねん(えごま)など、何種類もの餅が並ぶことも珍しくありません。新米の季節には、炊きたてのご飯そのものがごちそうになります。
冬は北西部ほど雪が深く、旧瀬峰町を除く市内の多くが豪雪地帯に指定されています。一方で南東の平野部は雪が少なめで、同じ市内でも暮らしの感覚がずいぶん違うんですよ。
祭りと地域のつながり
金成小迫(おばさま)に伝わる小迫の延年は、白山神社の例大祭で披露される民俗芸能で、国の重要無形民俗文化財に指定されています。例年4月上旬(第1日曜日)に、なぎなたを手に舞う入降舞などが奉納されます(出典:宮城県)。
夏には岩ヶ崎の山車まつりやつきだて七夕まつりなど、地区ごとに受け継がれた行事が続きます。合併で一つの市になっても、旧町村ごとの祭りが残っているのが栗原らしい姿です。
栗原市の特産品・食

特産品1:栗原米(ひとめぼれ・ササニシキ)
栗原市の一番の特産はやはりお米。県内第2位の作付面積を誇る米どころで、「ひとめぼれ」「ササニシキ」「だて正夢」「つや姫」など銘柄もよりどりみどりです(出典:宮城県)。粘りと甘みのバランスがよい「ひとめぼれ」は新米の白飯が格別、あっさりした「ササニシキ」は寿司との相性が抜群です。秋の収穫期には、刈り取った稲を杭がけにする「ほんにょ」の風景も楽しめます。
特産品2:花山の自然薯
秋田県境に近い花山地区では、香りの高い自然薯が特産です。昭和60年から村おこしとして栽培が始まり、古い火山の噴出物が積もった土が栽培に向いているといわれます。すりおろしてとろろ汁にすると、もってりと粘る濃厚な食感。道の駅などで、地元産の米やイワナと合わせた定食で味わえます。旬は晩秋から冬にかけてです。
特産品3:耕英のイワナと花山そば
栗駒山麓の耕英(こうえい)地区はイワナ養殖の発祥地とされ、清流で育ったイワナは「岩魚丼」などの名物になっています。昼夜の寒暖差が大きい花山地区ではそばも名産で、「花山そばの里」では複数のそば店が味を競っています。山あいの澄んだ水が育てた、栗原ならではの山の幸です。
特産品4:地酒と餅料理
水と米がよいので、酒造りも盛んです。栗原市内には複数の蔵元があり、それぞれ個性のある地酒を醸しています。さらに、ずんだ・くるみ・じゅうねんなど50種以上ともいわれる餅料理は、まさに米どころの食文化そのもの。お土産にも、旅先の一杯にもうれしい栗原の味です。
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栗原市の観光スポット

栗原市の見どころは、北西の「火山と地形」と、南東の「水辺と生き物」という二つの軸に整理できます。そこに鉱山・鉄道・宿場といった人の営みの跡が重なります。まずはエリアを問わず押さえておきたいスポットを、ジャンルごとに紹介していきますね。
火山と地形を体感できるスポット
- 栗駒山 – 宮城・岩手・秋田の3県にまたがる標高1,626mの活火山で、栗駒国定公園に指定されています。秋には「神の絨毯」と呼ばれる山岳紅葉が山肌を赤・黄・橙に染め、例年9月中旬から10月中旬が見頃です。宮城側のいわかがみ平からは初級者向けの中央コースも延び、なだらかな斜面いっぱいに広がる紅葉は、ため息が出るほどの眺めなんですよ。
- 栗駒山麓ジオパークビジターセンター – 市全域が2015年に認定された栗駒山麓ジオパークの拠点施設です。入館無料で、営業時間は9:00〜17:00(12〜2月は16:00まで)、火曜と年末年始が休館です(出典:栗原市公式サイト)。400インチ2画面の大型スクリーンで栗駒山の成り立ちや荒砥沢地すべりの映像を体感でき、登山前に立ち寄ると山の見方がぐっと変わります。
- 細倉マインパーク – 1987年に閉山した細倉鉱山の坑道を活用した体験施設で、公開部分は全長777m。営業時間は9:30〜17:00(12〜2月は16:00まで)、火曜と年末年始が休みです(出典:ぎゅぎゅっとくりはら)。坑道内は年間を通じて13〜15℃ほどに保たれ、夏はひんやり、冬はほんのり暖か。砂金採り体験や、屋外の555mスライダーパークも楽しめます。
水辺と渡り鳥のスポット
- 伊豆沼・内沼 – 栗原市と登米市にまたがる宮城県内最大の淡水湖沼で、ラムサール条約の登録湿地です。夏は沼一面にハスの花が咲き、冬はマガンやオオハクチョウが集う越冬地に変わります。早朝にハスが開き昼には閉じるので、花を見るなら午前中がおすすめ。明け方、いっせいに飛び立つマガンの群れは、音も含めて忘れられない光景です。
- 伊豆沼ウェットランド交流館 – 伊豆沼・内沼の自然や生き物を紹介する学習・展示施設です。渡り鳥やハスの生態、湿地の役割を知ってから沼を歩くと、見える景色が違ってきます。野鳥観察の前の予習にちょうどいい場所なんですよ。
鉄道と歴史にふれるスポット
- くりでんミュージアム(くりはら田園鉄道公園) – 2007年に廃線となった「くりでん」の車両や資料を展示する施設です。入館料は高校生以上500円・小学生以上300円・未就学児無料、開館は10:00〜17:00(最終入館16:00)です(出典:くりでんミュージアム公式サイト)。始発から終点までを再現した全長16mのNゲージジオラマや、実際に走った気動車・レールバイクの乗車体験が人気です。
- 旧有壁宿本陣 – 金成有壁に残る、奥州街道の宿場の本陣建築で、国の史跡に指定されています。参勤交代の大名や旅人が休んだ当時の佇まいが今も残り、街道の時代に静かに引き戻されるような場所です。
- 愛藍人・文字(あいらんど・もんじ) – 日本最古とされる染色技法「正藍染」を伝える文字地区の施設で、1998年に開館しました。藍染め体験ができるほか、地元食材の食堂もあります。人間国宝・千葉あやのが受け継いだ伝統が、今も静かに息づいています。
味覚を楽しむ立ち寄りスポット
- 道の駅 路田里はなやま 自然薯の館 – 秋田県境に近い花山地区の道の駅で、地元産の自然薯を使ったとろろ汁が名物です。レストランは10:30〜16:00、売店は8:30〜17:00で、定休日は年末年始です(出典:栗原市公式サイト)。もってりと濃いとろろを地元の米にかける一杯は、山あいまで足を延ばす価値があります。
栗原市の観光ルート

栗原市は県内最大の面積を持つので、一日で全部回ろうとすると移動だけで終わってしまいます。そこで「山」「鉱山と鉄道」「水辺と歴史」のテーマ別に、車での回り方を組んでみました。出発点はいずれも新幹線のくりこま高原駅です。
【車・1日】栗駒山と山の恵みルート
9:00 くりこま高原駅 → 9:40 栗駒山麓ジオパークビジターセンター(車40分)
①栗駒山麓ジオパークビジターセンター(60分)
→ まずは大型スクリーンで栗駒山の成り立ちを予習。山に登る前に地形の物語を知っておくと、景色の見え方が変わります。
11:00 ビジターセンター → 11:40 いわかがみ平(車40分)
②栗駒山(いわかがみ平周辺)(120分)
→ 紅葉や高山植物の季節なら散策へ。秋はマイカー規制があるので、午前中の早い時間に動くのが安心です。
③道の駅 路田里はなやま 自然薯の館(60分)
→ 山を下りたらお昼は花山で自然薯のとろろ汁。山の冷たい空気のあとの温かい一杯がしみます。
④温湯温泉(60分)
→ 締めは栗駒山麓の湯でひと息。歩いた疲れを、静かな山あいの温泉でほどいて帰りましょう。
【車・半日】鉱山と鉄道の記憶ルート
13:00 くりこま高原駅 → 13:40 細倉マインパーク(車40分)
①細倉マインパーク(90分)
→ 坑道を歩いて鉱山の歴史をたどります。夏でもひんやりした地下の空気が、当時の労働の現場を肌で伝えてくれます。
14:50 細倉 → 15:20 くりでん芝生広場(車30分)
②くりでんミュージアム(70分)
→ 廃線「くりでん」の車両と16mのジオラマへ。鉱山と鉄道は一本でつながっていた歴史が、ここで腑に落ちます。
③六日町通り商店街(40分)
→ 栗駒岩ケ崎のレトロな商店街を散歩。近年カフェや新しい店が増え、古い町並みに新しい風が吹いています。
【車・1日】広域ルート:水辺と街道をめぐる
9:00 くりこま高原駅 → 9:20 伊豆沼・内沼(車20分)
①伊豆沼・内沼(90分)
→ 夏はハス、冬は渡り鳥。午前中の沼は光がやわらかく、水鳥の声が響いて気持ちのいい時間が流れます。
②伊豆沼ウェットランド交流館(40分)
→ 沼の自然を展示で予習・復習。子ども連れでも楽しめる、湿地の入り口です。
③旧有壁宿本陣(50分)
→ 金成へ移動して奥州街道の宿場へ。建物に上がると、旅人が行き交った時代の空気が残っています。
④愛藍人・文字(60分)
→ 締めは文字地区で正藍染にふれる時間。藍の深い青に、土地が守ってきた手仕事を感じられます。
ここまで見てきたとおり、見どころが少し離れた場所に点在していることもあります。気になるスポットをまとめて回るなら、レンタカーがあると一気に動きやすくなりますよ。料金は会社や時期でけっこう変わるので、まとめて比較できるサイトでサッと見ておくのがおすすめです。
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栗原市の年間イベント

栗原市のイベントは、春の神事から夏の山車、そして冬の渡り鳥まで、季節の移ろいとともに表情を変えます。米どころらしい豊作祈願の行事が多いのも特徴です。季節ごとに見ていきましょう。
春:小迫の延年
ぜひ知っておいてほしいのが、金成小迫の白山神社で行われる小迫の延年です。国の重要無形民俗文化財に指定された豊作祈願の祭りで、例年4月上旬(第1日曜日)に奉納されます(出典:宮城県)。なぎなたを手にした入降舞や、馬上から扇の的を狙う所作など、古式ゆかしい芸能が静かな境内で繰り広げられます。
夏:くりこま山車まつり・伊豆沼はすまつり
夏の主役は、栗駒岩ケ崎のくりこま山車まつり。約300年の歴史を持つ五穀豊穣祈願の祭りで、例年7月最終の土・日曜に開かれます(出典:栗原市公式サイト)。歴史や物語の場面を表した高さ4m近い山車が町を練り歩き、独特のお囃子が夜まで鳴り響きます。提灯に灯がともる宵祭の巡行は、夏の夜にぴったりの迫力です。
同じ夏、伊豆沼・内沼でははすまつりが開かれます。例年7月下旬から8月下旬にかけて、小型遊覧船で湖面を覆うハスの花を間近に見られます(出典:ぎゅぎゅっとくりはら)。花は昼に閉じてしまうので、乗るなら午前中。船の上から見上げる一面のハスは、夏ならではの景色です。
秋〜冬:栗駒山の紅葉と渡り鳥
秋は何といっても栗駒山の「神の絨毯」。例年9月中旬から10月中旬にかけて、山頂から山麓へと紅葉が下りてきます。見頃の週末は登山口が大混雑するので、臨時バスやマイカー規制の情報を確認してから出かけるのが安心です。
冬は伊豆沼・内沼が渡り鳥の季節を迎えます。マガンやオオハクチョウが越冬のため飛来し、夜明けにいっせいに飛び立つ姿は圧巻です。観察のときは、フラッシュや大きな音で鳥を驚かせないよう、距離をとって静かに楽しんでくださいね。
栗原市のエリア別の顔

栗原市は、2005年に旧栗原郡の10町村が合併してできた市で、今も旧町村ごとに総合支所が置かれ、地区ごとの個性が色濃く残っています(出典:栗原市公式サイト)。旅の視点で見ると、大きく4つの顔に分けられます。それぞれどんな時に訪れるとよいか、紹介していきますね。
築館・志波姫エリア──玄関口と水辺
市役所やくりこま高原駅があり、国道4号沿いに大型店も集まる中心エリアです。新幹線で着いてレンタカーを借り、伊豆沼・内沼へ向かう拠点にぴったり。買い物や食事の選択肢も多く、旅の起点・終点として使いやすい地区です。
栗駒・花山エリア──山と温泉と山の幸
北西の山あいに広がる、栗駒山観光の中心エリアです。紅葉や登山、自然薯やそば、栗駒五湯と呼ばれる温泉が魅力。じっくり自然に浸りたい人、山歩きと温泉をセットで楽しみたい人に向いています。冬は雪が深いので、訪れる時期には注意したいエリアです。
鶯沢エリア──鉱山の記憶
かつて鉛・亜鉛で栄えた細倉鉱山があった地区で、今は細倉マインパークが鉱山の歴史を伝えています。産業遺産や近代史に興味がある人、地下坑道の探検気分を味わいたい人におすすめ。最盛期に1万人以上が暮らした町の面影を、静かにたどれるエリアです。
若柳・金成エリア──鉄道と街道の歴史
廃線「くりでん」の公園や、奥州街道の有壁宿、小迫の延年が伝わる金成など、歴史と文化が濃く残る東部エリアです。古い建物や街道の宿場を歩くのが好きな人、祭りや伝統芸能にふれたい人にぴったり。のんびり町を散策しながら、時代の層を感じられます。
栗原市の気候・季節の暮らし

栗原市(築館)の年平均気温は11.3℃、年間降水量は1230.8mmです(出典:気象庁)。内陸性の気候で、夏と冬、昼と夜の寒暖差が大きいのが特徴です。同じ市内でも、北西の山あいは雪が深く、南東の平野部は雪が少なめ。暮らしの感覚は地区でずいぶん変わります。
夏──6月〜8月の暮らし
8月の平均気温は23.6℃で、内陸らしく日中はぐっと暑くなる日もあります(出典:気象庁)。ただ残暑が長引きにくく、朝晩は涼しい風が入るので、夜は過ごしやすく感じられます。田んぼの緑が一面に広がる季節で、伊豆沼ではハスが見頃を迎えます。
秋──9月〜11月の暮らし
秋は一日の寒暖差が大きく、空気が澄んで気持ちのいい季節です。9月中旬には栗駒山から「神の絨毯」の紅葉が下りてきて、稲刈りの時期と重なります。朝晩は冷え込むので、10月に入ったら一枚羽織るものが手放せなくなりますよ。
冬──12月〜2月の暮らし
1月の平均気温は-0.3℃で、観測史上の最低気温は-18.3℃を記録しています(出典:気象庁)。旧瀬峰町を除く市内のほぼ全域が豪雪地帯に指定されており、特に北西の花山・栗駒地区は雪が深くなります。山あいに住むなら雪かきと冬タイヤは必須。一方、平野部は雪が比較的少なく、地区による差が大きい冬です。
春──3月〜5月の暮らし
春先はまだ朝晩が冷え込みますが、4月には平地の雪も消え、田植えの準備が始まります。栗駒山には残雪が残り、山と里で季節の進み方が違うのも内陸ならでは。新緑と雪山を同時に眺められる、栗原らしい風景が広がります。
栗原市の移住・暮らし情報

栗原市は、新幹線と高速道路で仙台にも東京にも出やすく、それでいて家賃も手頃な田園都市です。子育て支援に力を入れていて、移住者向けの制度も整っています。実際に暮らすとどんな感じか、項目ごとに見ていきましょう。
通勤・通学
仙台へは新幹線でくりこま高原駅から約25分、高速バスで栗原市役所前から約60分、車では仙台宮城ICから築館ICまで約43分です(出典:みやぎ移住・交流ガイド)。仙台勤務でも通える距離ですが、日常の移動は車が中心になります。
住宅環境
家賃は手頃で、2LDKでおよそ5〜6万円が目安です(出典:SUUMO)。広めの一戸建ての賃貸や中古物件も見つけやすく、40歳以下の転入者が住宅を取得する場合の助成制度も用意されています(出典:みやぎ移住・交流ガイド)。庭付きの暮らしを現実的に考えられるのは、地方ならではですね。
買い物環境
志波姫のイオン栗原志波姫ショッピングセンターや金成のイオンタウン、築館・若柳のヨークベニマル、ウジエスーパーなど、日常の買い物に困らないお店がそろっています。国道4号沿いの築館と若柳にロードサイド店が集まり、車があればまとめ買いも快適です。
子育て・教育
子育て支援が手厚く、0歳から18歳の年度末まで、入院・通院の医療費が所得制限なしで全額助成されます(出典:みやぎ移住・交流ガイド)。市内には保育所や幼稚園、認定こども園、小中学校がそろい、移住検討者が無料で泊まれる「お試し住宅(移住体験住宅)」も整備されています。
医療環境
医療の中心は、築館にある栗原市立栗原中央病院です。救急にも対応する災害拠点病院で、ほかに栗原市立若柳病院・栗駒病院などの公立病院があります。広い市域をカバーする医療体制が整えられています。
エリア別の暮らし視点
住む視点で見ると、築館は市役所・病院・買い物がそろう生活の中心で、利便性を求める人向き。志波姫はイオンが近く子育て世帯に人気です。若柳・金成は商業と歴史が共存する東部の暮らしやすいエリア。栗駒・花山は自然が近い反面、冬の雪への備えが必要なエリアです。
栗原市へのアクセス

栗原市の玄関口は、東北新幹線のくりこま高原駅です。仙台や東京から新幹線一本で着けるうえ、東北自動車道のインターチェンジも2つあり、車でのアクセスも良好です。交通手段ごとに整理してみます。
車でのアクセス
東北自動車道の築館IC・若柳金成ICが市内にあり、仙台宮城ICから築館ICまでは約43分です(出典:みやぎ移住・交流ガイド)。栗原市役所から築館ICまでは車で約5分と近く、市内観光は車での移動が一番動きやすいです。
鉄道+バスでのアクセス
新幹線なら仙台駅からくりこま高原駅まで約25分、東京からは約2時間で着きます(出典:みやぎ移住・交流ガイド)。普通車指定席の片道運賃・料金は、東京からおよそ12,000円台が目安です(通常期)。仙台から高速バスで栗原市役所前まで向かうルートも約60分で、目的地に応じて使い分けると便利ですよ。
飛行機でのアクセス
遠方からは仙台空港が玄関口になります。仙台空港アクセス線で仙台駅へ出て、そこから新幹線でくりこま高原駅へ乗り継ぐのが分かりやすいルートです。空港から仙台駅までは鉄道で30分前後なので、乗り継ぎもスムーズです。
町内移動の現実的アドバイス
市の中心の旧築館地区には鉄道駅がなく、在来線の駅は瀬峰駅・有壁駅のみです。広い市域を回るなら車かレンタカーが現実的。公共交通なら栗原市民バスが片道一律200円で、市内移動のタクシー利用助成(自己負担上限3,000円)もあります(出典:みやぎ移住・交流ガイド)。
交通手段ごとに見てきましたが、「結局いちばん安く行くにはどうすれば?」と迷う方も多いはず。飛行機で向かうなら、航空券は予約のタイミングや会社によって料金が大きく変わります。複数の航空会社・LCCをまとめて比較できるサイトで、いちど最安値をチェックしておくと安心ですよ。
【トラベリスト】
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【地元住民に直撃!】栗原市の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。
いちご農家として、観光いちご園で働いています。摘み取りに来るお客さんを迎えるのが、日々の仕事なんですよ。
栗原市はお米で知られる土地ですが、甘く実ったいちごも自慢のひとつ。土と水に恵まれた場所だから、果物もおいしく育つんです。
Q2.栗原市に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?
やっぱり栗駒山ですね。秋の「神の絨毯」と呼ばれる紅葉は、一度見たら忘れられません。山全体が赤や黄に染まって、観光客の方も毎年たくさん訪れます。
地元の人間としては、伊豆沼・内沼の冬の朝も外せません。マガンや白鳥が一斉に飛び立つ瞬間は、寒さも忘れる迫力なんですよ。
Q3.栗原市でお土産を買うとしたらなんですか?
オーソドックスなのは、やっぱりお米。ひとめぼれやササニシキは、栗駒山系の水で育った栗原の有名なものです。
地元の人がよく選ぶのは、花山の自然薯や、ずんだ・くるみ・じゅうねといった餅。栗駒山系の伏流水で仕込んだ地酒も、知る人ぞ知るお土産です。
Q4.外から人が来たときに、栗原市でまず連れていく店はどこですか?
外から来た人には、山あいで自然薯のとろろを食べさせる店に連れていきたいですね。すりおろした薯をご飯にかける、もってり濃い一杯が栗原らしくて。
そばや、清流で育ったイワナを出すお店も喜ばれます。山の水と土が育てた味を、まず知ってほしいんです。
Q5.栗原市はどんな気質だと思いますか?
米どころらしく、粘り強くて控えめな人が多いと思います。派手さはないけれど、芯がある気質ですね。
もともと10の町村が一つになった市なので、地区ごとに少しずつ色が違うんです。それでも困った時には自然と手を貸し合う、温かさが残っています。
Q6.昔に比べて、栗原市の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?
正直、寂しくなった部分もあります。鉱山が閉じて鉄道も廃線になり、人口も減ってきました。
ただ、市全体がジオパークに認定されてから、訪れる人や移住してくる人が少しずつ増えて、古い商店街に新しい店ができるような動きも出てきています。
Q7.栗原市のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?
期待しているのは、栗駒山麓のジオパークを軸にした取り組みです。子どもたちが地元の自然や災害の歴史を学べる場が、もっと広がってほしいですね。
廃線跡を活かした公園の催しや、公民館・市民センターでの活動、運動公園での行事も楽しみです。市長さんをはじめ、移住者や若い人が新しい風を吹き込んでくれることに期待しています。

