斜里町(しゃりちょう)は、北海道東部・オホーツク海に面する人口10,168人の町です。世界自然遺産・知床半島の北側半分を占め、女満別空港から車で約1時間。
斜里町の魅力を5つに凝縮すると、こうなります:
- ✅ 世界自然遺産「知床」──半島の北側を占める、日本を代表する原生自然の町
- ✅ サケの水揚げ日本一──オホーツク海のサケ・マス定置網漁で全国トップ
- ✅ 北半球で最も南まで届くオホーツク海の流氷がつくる特異な生態系
- ✅ 日本初の自然保護運動「しれとこ100平方メートル運動」発祥の地
- ✅ 馬鈴薯・てんさい・小麦が広がる、日本有数の畑作地帯
「雄大な自然のなかを歩きたい旅行者」「流氷や野生動物を見たい人」「一次産業のそばで暮らす移住先を探している人」に特におすすめの町です。本記事では、観光・特産・歴史から、地元目線の暮らしの空気感まで紹介します。
| 人口 | 10,168 人 ※2026年4月30日時点(住民基本台帳) |
|---|---|
| 面積 | 737.13 km² |
| 人口密度 | 13.8 人/km² |
地理的には、南は清里町、西は小清水町に接し、知床半島を東隣の羅臼町と二分しています(出典:斜里町公式サイト)。女満別空港から車で約1時間、鉄道はJR釧網本線が町の中心部(知床斜里駅)を通っています。
町は大きく、斜里市街地・農業地帯の中斜里・知床観光の玄関口ウトロの3エリアに分かれています。海と森と畑が隣り合う、この町ならではの暮らしを、ひとつずつ見ていきましょう。
斜里町の推しポイント

斜里町といえば、まず世界自然遺産の知床。半島の険しい山々と原生林、オシンコシンの滝や知床五湖といった景勝地が並びます。海に目を向ければサケの水揚げは全国トップで、冬には流氷が接岸。さらに畑作も盛んで、自然・食・産業がぎゅっと詰まった町です。以下で5つの顔を順に紹介します。
推しポイント1:世界自然遺産「知床」
知床は2005年にユネスコの世界自然遺産に登録されました(出典:環境省 釧路自然環境事務所)。斜里町はその半島の北側半分を占め、知床国立公園の中心エリアを抱えています。ヒグマやエゾシカ、オジロワシなど野生動物の密度が高く、歩けば本物の原生自然に出会えます。
推しポイント2:サケの水揚げ日本一
水産資源に恵まれたオホーツク海を漁場とし、斜里町のサケ・マスの水揚げは日本一です(出典:斜里町公式サイト)。秋になるとウトロ漁港にサケを満載した船が次々と戻り、ペレケ川や遠音別川では遡上する魚の姿も見られます。
推しポイント3:流氷が育む海
知床周辺の海は、北半球で最も南まで流氷が押し寄せる海域として知られ、この流氷がもたらす特異な生態系が世界遺産の評価につながりました(出典:斜里町公式サイト)。1月下旬から3月にかけて、海一面が白く埋まる光景は圧巻です。
推しポイント4:しれとこ100平方メートル運動の発祥地
知床の開拓跡地を守るため、1977年(昭和52年)に日本国内初のナショナルトラスト運動「しれとこ100平方メートル運動」が始まりました。1口8,000円の寄付を全国から募り、乱開発から原生の森を守り抜いた取り組みで、自治体主導の自然保護運動として国際的にも注目されました。
推しポイント5:オホーツクの畑作地帯
町の内陸部には肥沃な台地と平坦地が広がり、馬鈴薯(ばれいしょ)・てんさい・小麦を主体とした畑作が行われています。漁業と並ぶ基幹産業で、一次産業と一体になった食品加工業も盛んです。海の幸も大地の恵みも揃うのが、この町の強みなんですよ。
斜里町の歴史

斜里の歴史は、アイヌの人々が暮らした地に和人が交易の拠点を築いた時代に始まります。その後、明治の開拓と鉄道の開通で町の骨格ができ、昭和には知床ブームと世界遺産登録によって観光のまちへと姿を変えていきました。3つの時代の流れで見ていきます。
地名の由来とアイヌの時代
「斜里」という地名は、斜里川下流一帯を指すアイヌ語「サㇽ(Sar)」=葦原に由来するとされています。縄文時代にはストーンサークルも見られ、古くから人の営みがあった土地です。江戸時代には松前藩の交易地(場所)が置かれました。
近代の開拓と発展
1869年(明治2年)に蝦夷地が北海道と改められ、斜里郡が誕生しました。1915年(大正4年)に二級町村制の施行で周辺5村が合併して斜里村となり、1925年(大正14年)には釧網線(現・釧網本線)の網走—斜里間が開通しました。1939年(昭和14年)に町制を施行し、斜里町となります。
現代──知床ブームと世界遺産
1964年(昭和39年)に知床国立公園が指定され、1971年の歌『知床旅情』の大ヒットもあって「知床ブーム」が起こりました。1977年には前述の100平方メートル運動が始まり、2005年(平成17年)の世界自然遺産登録へとつながります。一方、2022年には知床遊覧船沈没事故が発生し、町は対応の拠点となりました。
斜里町の文化・風習

方言と話し方の特徴
斜里で話されるのは北海道弁。語尾に「〜っしょ」「〜だべ」が付くのが特徴で、たとえば「寒いっしょ」のように使います。きついことをゆるくない(大変だ・楽じゃない)と言ったり、落ち着く場所をあずましい(居心地がいい)と表現したり。みなさんも町の人と話すと、すぐ耳に入ってくるはずです。
食卓と季節の暮らし
秋はやっぱりサケ。獲れたてのサケやイクラが食卓に並び、「今年もいい時季が来たね」と季節を実感します。冬は流氷とともに寒さが深まり、家の中で過ごす時間が長くなるめんこい(かわいらしい)季節の楽しみ方が根づいています。
人の気質と地域のつながり
開拓と一次産業を支えてきた土地らしく、人と人との距離が近く、助け合いの空気があります。したっけ(それじゃあ)と声を掛け合いながら、漁や農作業、雪かきを分かち合う。そんな日常の温かさが、この町の魅力でもあるんですよ。
斜里町の特産品・食

特産品1:知床サケ
味は身が締まって脂がほどよく、塩焼きでもルイベでも絶品。旬は8〜11月で、斜里町のサケ・マスの水揚げは日本一です(出典:斜里町公式サイト)。知床の豊かな森が育てた川にサケが帰ってくるからこそ獲れる、まさに町の顔。焼きたてのハラスはなまら(とても)うまいんですわ。
特産品2:知床のじゃがいも
オホーツク海高気圧の影響で冷涼な気候のため病気がつきにくく、昼夜の寒暖差がでんぷんを蓄えて甘みを生みます。「男爵」「メークイン」が中心で、旬の出荷は10〜2月。ホクホクに蒸して塩とバターだけで食べると、芋本来の甘さが際立ちます。
特産品3:てんさい・小麦などの畑作物
馬鈴薯と並んで、てんさい(ビート)と小麦が主要作物として作付けされています。てんさいは砂糖の原料、小麦はパンや麺の原料となり、地元の食品加工とも結びついています。広い畑がうねる夏のオホーツクの風景は、それ自体がごちそうのようなもの。したっけ(それじゃあ)、知床にお越しの際は海の幸と大地の幸、両方味わってみてください。
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斜里町の観光スポット

世界自然遺産・知床を抱える斜里町の見どころは、知床半島の自然そのものです。原生林に囲まれた湖、断崖から落ちる滝、流氷の海と、ここでしか見られない景色がそろっています。まずは半島の自然スポットから、町なかの史跡まで順に見ていきましょう。
知床半島の自然を歩くスポット
- 知床五湖 – 知床連山の麓に点在する5つの湖。高架木道(往復1.6km)は開園期間中いつでも無料で散策でき、地上遊歩道は時期により有料・要手続きとなります。開園はおおむね4月下旬〜11月上旬です(出典:知床五湖 公式サイト)。木道を歩いて振り返ると、湖面に知床連山が映り込む光景が広がって、なまら(とても)きれいなんですよ。
- フレペの滝(乙女の涙) – 川を持たず、地下にしみ込んだ水が断崖の割れ目から海へ流れ落ちる珍しい滝。知床自然センターから遊歩道を20分ほど歩くと、オホーツク海をバックにした静かな滝が見えてきます。風の音と波の音だけが響く、しんとした時間が流れます。
- オシンコシンの滝 – 国道334号沿い、ウトロの手前にある知床八景のひとつ。流れが途中で二つに分かれることから「双美の滝」とも呼ばれます。駐車場から階段を上ればすぐ滝つぼの近くまで行け、雪解け時期の水量は圧巻です。
- 知床峠(知床横断道路) – 斜里町ウトロと羅臼町を結ぶ国道334号の峠。冬期は通行止めとなり、開通はおおむね4月下旬から11月上旬までと、開通期間の短い国道として知られています(出典:知床斜里町観光協会)。晴れた日は羅臼岳が間近に迫ります。
知床を学ぶ・休憩するスポット
- 知床自然センター – 斜里町遠音別村にある知床観光の情報拠点。半島の自然や動物、最新のヒグマ情報などを教えてくれます(出典:環境省 知床国立公園)。フレペの滝への遊歩道の入口でもあり、歩く前にここで装備や注意点を確認しておくと安心です。
- 知床世界遺産センター – ウトロにある、知床の自然遺産としての価値を紹介する施設。等身大の野生動物の展示などで、半島に入る前の予習にぴったり。したっけ(それじゃあ)、ここで知識を仕込んでから自然へ向かいましょう。
- 道の駅 うとろ・シリエトク – ウトロ漁港のそばにある道の駅。地元の海産物や知床の特産品が並び、観光の休憩拠点になっています。日本一のサケをはじめ、オホーツクの幸を味わえます。
町の歴史と絶景にふれるスポット
- 津軽藩士シャリ陣屋跡 – 1807年、江戸幕府の命で北方警備にあたった津軽藩士のうち、72名がひと冬で病死した「津軽藩士殉難事件」ゆかりの地。町民公園の慰霊碑とともに斜里町の文化財に指定され、現在の弘前市との友好都市の縁につながっています(出典:知床斜里町観光協会)。
- 天に続く道 – 斜里市街の郊外、約28kmの直線道路の起点付近からの眺め。まっすぐ伸びる道がそのまま空へ吸い込まれていくように見えることから、この名で親しまれています。夕暮れ時の景色は思わず車を停めたくなる美しさです。
- 道の駅 しゃり – 斜里市街地にある道の駅。観光案内のほか、地元の農産物や加工品が手に入ります。市街地観光のスタート地点として便利な場所です。
斜里町の観光ルート

斜里町は、海沿いの斜里市街地から知床の玄関口ウトロ、そして半島の自然エリアへと一本道でつながっています。車があれば、滝・湖・峠を1日でぐるりと回れますよ。半日コースと広域コースもあわせて紹介します。
【車・1日】知床まるごと自然ルート
9:00 知床斜里駅 → 9:50 オシンコシンの滝(車約50分) → 10:40 ウトロ・知床世界遺産センター → 11:30 知床自然センター・フレペの滝 → 13:30 知床五湖 → 15:30 知床峠
①オシンコシンの滝(30分)
→ 朝のすいた時間に滝の迫力を浴びてから半島へ。光が差すと水しぶきがきらめきます。
②知床自然センター・フレペの滝(90分)
→ センターで情報を確認し、遊歩道を歩いてフレペの滝へ。昼前は人も少なく静かです。
③知床五湖(120分)
→ ルートのハイライト。高架木道を歩けば、湖面に映る知床連山が見られます。光が柔らかい午後がおすすめ。
④知床峠(30分)
→ 締めくくりは峠から羅臼岳を望む絶景。夕方の澄んだ空気のなかで眺めるとあずましい(心地よい)ですよ。
【車・半日】ウトロ満喫ルート
13:00 道の駅うとろ・シリエトク → 13:40 オロンコ岩・夕陽台 → 14:30 知床世界遺産センター → 15:30 オシンコシンの滝
①道の駅うとろ・シリエトク(40分)
→ まずは腹ごしらえ。オホーツクの海産物で旅の英気を養いましょう。
②オロンコ岩・夕陽台(50分)
→ ウトロ港を見下ろす岩と展望地。夕方に向けて光が変わっていく時間帯が狙い目です。
③知床世界遺産センター(40分)
→ 半島の自然と歴史をコンパクトに学べます。子ども連れにも向いています。
④オシンコシンの滝(20分)
→ 帰り道に立ち寄れる滝。短時間でも知床らしい景色を持ち帰れます。
【車・1日】広域ルート:知床から町なかの歴史へ
9:30 知床斜里駅 → 9:45 天に続く道 → 10:30 津軽藩士シャリ陣屋跡・町民公園 → 11:30 道の駅しゃり → 13:30 中斜里の畑作地帯ドライブ → 15:00 ウトロ方面
①天に続く道(30分)
→ 朝いちの澄んだ空気のなか、空へ伸びる直線道路を眺めます。写真好きにはたまりません。
②津軽藩士シャリ陣屋跡・町民公園(45分)
→ 町の成り立ちと、夏のねぷた祭りの背景にある歴史にふれられます。
③道の駅しゃり(60分)
→ 地元の農産物を見ながらひと休み。市街地の暮らしの空気が感じられます。
④中斜里の畑作地帯(60分)
→ 馬鈴薯やてんさいの畑がうねる風景をドライブ。海も山も畑もある町だと実感できます。
斜里町の年間イベント

斜里町の祭りは、四季の自然と歴史にしっかり結びついています。夏は青森ゆかりのねぷた、秋は海と大地の恵みを祝う産業まつり、冬は流氷を主役にした幻想的なイベント。季節ごとに表情がガラッと変わるんですよ。
夏:しれとこ斜里ねぷた
知床最大級の夏祭り「しれとこ斜里ねぷた」は、毎年7月の第4金・土曜の2日間に開催されます(出典:知床観光圏ポータルサイト)。友好都市・青森県弘前市との文化交流から生まれた祭りで、扇ねぷたが斜里市街の目抜き通り約2.5kmを練り歩きます(出典:斜里町公式サイト)。
ぜひ見てほしいのが、大小さまざまな扇ねぷたが灯りをともして進む夜の光景。お囃子の太鼓と笛が体に響き、夏の夜気のなかに熱気が立ちのぼります。背景には、北方警備で命を落とした津軽藩士の慰霊という歴史が流れています。
秋:しれとこ産業まつり
秋の恵みを祝う「しれとこ産業まつり」は、毎年9月下旬にゆめホール知床の特設会場で開かれます(出典:斜里町公式サイト)。秋鮭やいくら、地元野菜など、海と畑の幸が一堂に集まる、食いしん坊にはたまらない祭りです。
会場には焼きたての魚や名物のちゃんちゃん焼きの匂いが漂い、人々の笑い声でにぎわいます。日本一のサケが揚がる町ならではの、旬を丸ごと味わえるお祭りなんですよ。
冬:流氷の祭り
冬になると、ウトロでは流氷をテーマにした夜の体験イベントが開かれます。会場はオロンコ岩近くの特設会場で、おおむね2月から3月にかけて行われてきました(出典:知床観光圏ポータルサイト)。
零下の夜、流氷を切り出したアイスドームや、知床流氷太鼓の演奏が幻想的な雰囲気を作り出します。吐く息が白く凍るなかで眺める光と氷の世界は、ここでしか味わえない冬の体験です。
斜里町のエリア別の顔

斜里町は大きく、海沿いの斜里市街地、内陸の農業地帯・中斜里、知床観光の玄関口ウトロの3つのエリアに分かれています(出典:斜里町公式サイト)。同じ町でもエリアごとに表情がまったく違うので、旅の目的に合わせて使い分けるのがおすすめです。
斜里市街地エリア──町の暮らしと歴史の中心
知床斜里駅を中心に、役場や商店、道の駅しゃりが集まる町の中心部。津軽藩士ゆかりの史跡や、夏のねぷたの舞台もこのエリアです。観光の拠点として宿を取り、町なかを歩きながら地元の暮らしにふれてみたい人に向いています。
中斜里エリア──オホーツクの畑がうねる農業地帯
市街地の内陸側に広がる、馬鈴薯・てんさい・小麦の畑作地帯。夏は緑、秋は刈り入れと、季節ごとに景色が移ろいます。車でゆっくり走りながら北海道らしい大地の風景を楽しみたい人にぴったりのエリアです。
ウトロエリア──知床観光の玄関口
知床半島の入口にあたる港町で、ホテルや道の駅、観光船の発着場が集まります。知床五湖やフレペの滝などの自然スポットへもここが起点。冬には流氷が接岸し、海一面が白く染まる光景が見られます。自然をがっつり体験したい旅行者は、ウトロに泊まるのがめんこい(かわいらしく愛おしい)思い出づくりの近道ですよ。
斜里町の気候・季節の暮らし

斜里町は、オホーツク海の海流と流氷の影響を受ける冷涼な気候です。年平均気温は6.2℃で、最も寒い2月は日平均約−7.0℃まで下がります(出典:気象庁)。雪は道内では比較的少なめですが、北西の風が強く、春先まで残ります。海も山も近い分、季節の移ろいを肌で感じられる町なんですよ。
夏──6月〜8月の暮らし
夏は涼しく過ごしやすいのが特徴で、最も暑い8月でも日平均は約19.3℃です(出典:気象庁)。本州のような蒸し暑さは少なく、夜は窓を開ければ涼しい風が入ります。
ただし、6月中旬頃まではフェーン現象による南東の強風が吹くことがあり、畑作の種苗期に影響することもあります。緑がいっぱいに広がる、知床観光のベストシーズンです。
秋──9月〜11月の暮らし
秋は、日本一のサケが揚がる季節。ウトロ漁港がにぎわい、食卓にも秋鮭やいくらが並びます。9月下旬には「しれとこ産業まつり」も開かれ、町じゅうが旬の味で盛り上がります。
知床の山々が紅葉に染まる時期でもあり、知床五湖や知床峠からの眺めが見頃を迎えます。朝晩の冷え込みが進むと、冬の足音が近づいてきます。
冬──12月〜3月の暮らし
冬は冷え込みが厳しく、過去には−31.6℃を記録したこともあります(出典:気象庁)。しばれる(厳しく冷え込む)朝は、空気が澄んで音まで凍るような静けさです。
近年の年間降雪量はおおむね250〜350cm程度で、道内のほかの豪雪地帯ほど多くはありません(出典:斜里町公式サイト)。1月下旬になると、オホーツク海に流氷が接岸し、海一面が白く埋まります。
春──4月〜5月の暮らし
春の訪れはゆっくりで、北西の風が強いため雪解けは遅めです。4月下旬になると知床横断道路が開通し、知床五湖の散策も本格的に始まります。
畑作地帯では種まきの準備が進み、町全体が長い冬から動き出す季節。雪が消えた大地に農作業の音が戻ってくると、住む人にとっても気持ちが軽くなる時期です。
斜里町の移住・暮らし情報

人口約1万人の斜里町は、農業・漁業・観光が支える町です。日常の買い物や医療、教育がコンパクトにそろい、車があれば不便を感じにくい暮らしと考えられます。世界遺産のすぐそばで、地に足のついた生活ができる町なんですよ。
通勤・通学
町内には農協・漁協・水産加工業・観光業などの働き口があり、職住が近いのが特徴です。中斜里の農業地帯や、ウトロの観光・漁業に通う人も多いと考えられます。隣の清里町・小清水町とは車で行き来できる距離です。
住宅環境
賃貸物件は戸数自体が多くなく、軽量鉄骨や木造のアパートが中心です。知床斜里駅周辺で2LDKクラスの物件が見られ、灯油暖房・駐車場付きが標準的な傾向と考えられます(出典:SUUMO)。持ち家で暮らす世帯も多い町です。
買い物環境
斜里市街地にはスーパーやドラッグストア、コンビニがそろい、日常の買い物はおおむね町内で完結します。ウトロにもセイコーマートなどがあり、生活の足は確保されています。専門的な買い物は網走方面に出る人が多いと考えられます。
子育て・教育
町内には小学校・中学校に加え、複数の保育園や幼稚園、高等学校として北海道斜里高等学校があります(出典:斜里町公式サイト)。自然のすぐそばで子育てができる環境です。
医療環境
町には斜里町国民健康保険病院があり、地域の中核的な医療を担っています。ウトロ地区には北海道ウトロ診療所も置かれています(出典:斜里町公式サイト)。高度・専門医療は網走など近隣都市の病院を利用する形が一般的と考えられます。
エリア別の暮らし視点
斜里市街地は役場・商店・駅が集まり、暮らしの利便性が高いエリアです。中斜里は農業中心で広い土地と静かな環境が魅力。ウトロは観光・漁業の町で、海と隣り合う暮らしになります。移住の目的に合わせてエリアを選ぶと、生活のイメージがつかみやすいですよ。
斜里町へのアクセス

斜里町への玄関口は、女満別空港とJR釧網本線の知床斜里駅です。首都圏からは飛行機と車・バスを乗り継いで向かうのが基本になります。最寄りの女満別空港から町までは車で約60分です(出典:斜里町公式サイト)。
車でのアクセス
女満別空港から国道沿いに東へ進むと、約60分で斜里市街地に到着します(出典:斜里町公式サイト)。レンタカーがあれば、市街地から知床五湖や知床峠まで足を延ばしやすく、観光の自由度が高まります。冬は路面が凍結するため、運転には注意が必要です。
鉄道+バスでのアクセス
鉄道は、網走と釧路を結ぶJR釧網本線が町を通り、知床斜里駅が観光の起点です。網走方面からアクセスし、知床斜里駅で下車するルートが分かりやすいでしょう。
知床斜里駅前の斜里バスターミナルからは、ウトロや知床五湖方面へ向かう斜里バスの知床線が運行しています(運行期間あり)(出典:斜里バス株式会社)。駅とバスを組み合わせれば、車がなくても主要スポットを回れます。
飛行機でのアクセス
最寄りは女満別空港で、羽田空港から直行便が就航しています。空港から町へは車のほか、夏季(6月〜9月)と冬季(1月下旬〜3月上旬)には、女満別空港・網走・斜里・ウトロを結ぶ直通バス「知床エアポートライナー」が運行します(出典:斜里バス株式会社)。
町内移動の現実的アドバイス
町は広く、市街地から知床の自然スポットまで距離があるため、車での移動が基本になります。鉄道・バス利用の場合は本数が限られるので、事前に時刻を確認しておくと安心です。観光なら、女満別空港でレンタカーを借りて知床まで一気に向かうのがいちばんあずましい(快適な)動き方ですよ。
【地元住民に直撃!】斜里町の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。
定置網の船に乗って、サケやマスを獲ってます。沖の責任者として、いつ網を起こすか、人をどう動かすか、そういうのを仕切る役回りですわ。
朝はまだ暗いうちから港さ出て、知床の山見ながら網起こすんだ。斜里はサケの水揚げ日本一の町だからね、誇りはあるけど、近年は獲れる量も減ってきて、ゆるくない(楽じゃない)仕事になってきたな。
Q2.斜里町に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?
まずは知床五湖だべな。高架木道歩いて振り返ると、湖さ知床連山が映ってて、なまらきれいだ。観光客もみんなここ目指して来るしょ。
あとは地元の人間がよく行く「天に続く道」。夕方、畑の真ん中の道がまっすぐ空さ消えていくんだ。観光ガイドにも載るようになったけど、地元じゃ昔から見慣れた、あずましい(落ち着く)景色なのよ。
Q3.斜里町でお土産を買うとしたらなんですか?
無難なとこだと、やっぱり鮭とば、いくらの醤油漬けだな。道の駅うとろ・シリエトクで揃うし、斜里のサケは間違いないからね。観光で来たら、これ買っとけば外さない。
地元の人間が言うなら、知床産のじゃがいもさ。男爵もメークインも甘くて、煮ても焼いてもうまい。あと町のお菓子屋で出てる地味なやつが、これがまた地元じゃ人気あるんだわ。
Q4.外から人が来たときに、斜里町でまず連れていく店はどこですか?
やっぱり地元の食堂さ連れてくな。秋鮭のちゃんちゃん焼きとか、いくら丼食わせると、みんな目ぇ丸くするのよ。獲れたての魚は街なかの店でも別格だべ。
観光客はウトロの店に行きがちだけど、斜里の市街地にも地元が通う安くてうまい店があるんだ。観光協会の情報じゃ出てこない、そういう店こそ連れていきたくなるんだわ。
Q5.斜里町はどんな気質だと思いますか?
漁師町だから、口は荒いけど情には厚い人間が多いな。開拓と一次産業で食ってきた土地だから、helpが要るとき黙って手ぇ貸す、そういう気質よ。
知床守るって意識も根っこにあってね。昔の100平方メートル運動みたいに、自分らの手で自然守ろうって心意気は、今も町に流れてる気がするな。
Q6.昔に比べて、斜里町の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?
2005年に知床が世界遺産さなってから、観光客はうんと増えたべ。ウトロは外国の人も多くなって、夏場はにぎやかだ。それはありがたいことよ。
ただ正直、人は減ってる。若い衆は街さ出ちまうし、漁も昔ほど獲れん。にぎやかな顔の裏で、町を回す人手が足りなくなってきてるのが、生々しいとこだな。
Q7.斜里町のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?
派手な箱モノよりも、まずは漁を続けられる仕組みだな。ふ化放流や川の環境整える取り組みを漁協でやってて、サケがまた戻ってくる海にしたいんだ。
あとは町長はじめ役場も移住に力入れてるしょ。ゆめホール知床みたいな町民センターで人が集まって、世界遺産の知床観光と漁業がうまく噛み合えば、まだまだ斜里はやれると思ってるよ。

