【山形県白鷹町】ってどんなとこ?紅花日本一と最上川のヤナ場【地元民のリアルな声あり】

山形県白鷹町のブルーベリー:白鷹町では甘くて大粒のブルーベリーが栽培されており、夏には摘み取り体験も楽しめる特産品です。

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白鷹町(しらたかまち)は、山形県南部の置賜(おきたま)地方にある人口11,446人の町です。町の中央を最上川が南北に貫き、東は白鷹丘陵、西は朝日山系に囲まれています。県都・山形市まで約30km、米沢市まで約35kmです。

白鷹町の魅力を5つに凝縮すると、こうなります:

  • 紅花の生産量が日本一──紅餅・すり花・乱花の全国シェア6割超「日本の紅(あか)をつくる町」
  • 最上川のヤナ場──常設としては日本一の規模。道の駅「白鷹ヤナ公園」で鮎の手づかみと塩焼き
  • 古典桜の里──樹齢500年超のエドヒガンが8本。最古の「薬師ザクラ」は樹齢1,200年
  • 深山和紙と白鷹紬──楮とノリウツギだけで漉く和紙、板締めで織る「本場米琉」
  • フラワー長井線の終着駅・荒砥──役場も高校も消防署もここに集まる町の中心

「花と川の風景を歩きたい旅行者」「伝統工芸や染織に関心がある人」「静かな盆地の町で暮らし方を探している人」に向いた町です。本記事では、推しポイント・歴史・文化・特産品まで、地元目線で紹介します。

人口11,446 人 ※2026年6月1日時点(推計人口)
面積157.71 km²
人口密度72.6 人/km²

地理的には、北は朝日町、北東は山辺町、東は南陽市、南は長井市に接しています。東端にそびえる白鷹山(994m)の山頂は、白鷹町山辺町南陽市の3市町の境になっています(出典:林野庁)。

鉄道は山形鉄道フラワー長井線が南の長井市方面から入り、荒砥駅が終点です。町の中央を国道287号が最上川に沿って走ります。春はサクラ、夏はベニバナ、秋は鮎、冬はそば。四季がそのまま町の看板になっている町を、ひとつずつ見ていきましょう。

目次

白鷹町の推しポイント

紅花の生産量で全国トップに立つ「日本の紅をつくる町」であり、最上川には常設としては日本一といわれるヤナ場がある。さらに樹齢500年を超える古典桜が8本残り、山あいの深山地区では和紙が漉かれ、荒砥では板締めの紬が織られています。1万1千人規模の町に、これだけの固有名詞が並ぶのはなかなかありません。ここからは5つに分けて見ていきます。

推しポイント1:紅花──全国シェア6割超の「日本の紅をつくる町」

白鷹町は、県花・紅花を原料とする紅餅、すり花、乱花の生産量が全国シェア6割を超える、全国随一の産地です(出典:白鷹町公式サイト)。紅餅とすり花は口紅の本紅や染料の原料になるため、町は自らを「日本の紅(あか)をつくる町」と名乗っています。最上紅花は、山形県最上川流域の日本農業遺産としても位置づけられています(出典:農林水産省)。

この産地、実はいったん途絶えかけたところから立ち上がっています。平成3年に町内でわずか0.3アールの栽培が再開され、平成6年に有志8名が「白鷹紅の花を咲かせる会」を設立。平成16年からは県内一の生産量を占めるまでになりました(出典:山形県紅花生産組合連合会)。毎年7月上旬には「白鷹紅花まつり」が開かれ、2026年は7月4日・5日に第31回が町づくり複合施設周辺をメイン会場として開催されました(出典:白鷹町観光協会)。

推しポイント2:最上川のヤナ場──常設では日本一の規模

国道287号沿いの道の駅「白鷹ヤナ公園」には、常設としては日本一、東洋一ともいわれるヤナがあります(出典:国土交通省東北地方整備局)。日本三大急流のひとつ最上川の流れが、簀の上で真っ白にはじけるところを、川に下りて間近で見られます。

しかもここ、春から11月まで鮎の手づかみ体験ができるんですよ。水しぶきをかぶりながら追いかけて、隣のあゆ茶屋で塩焼きにしてもらう──川遊びと食事の距離がこれだけ近い場所は、そう多くありません。

推しポイント3:古典桜の里──樹齢1,200年の薬師ザクラ

白鷹町には樹齢500年を超える古典桜が8本あり、そのうち6本が県指定天然記念物です。最古の「薬師ザクラ」(大字高玉)は樹齢1,200年のエドヒガンで、坂上田村麻呂が奥州征伐の際に手植えしたとの伝説が残ります。大正10年(1921)の『桜の老樹名鑑』では、幹周り7.5mが全国12番目の太さだったと記録されています(出典:白鷹町公式サイト)。

ほかにも樹齢1,020年の「子守堂のサクラ」、約970年の「赤坂の薬師ザクラ」、約680年の「殿入ザクラ」「後庵ザクラ」、約500年の「八乙女種まきザクラ」。町は桜の時期を4月下旬から5月上旬としており(同上)、2026年の「しらたか古典桜の里さくらまつり」は4月11日からの予定で告知されました(出典:白鷹町観光協会)。朝日連峰の残雪を背にした古木の桜は、写真で見るのと実物とでまるで違います。

推しポイント4:深山和紙と白鷹紬──今も動いている手仕事

山あいの深山地区で漉かれる「深山和紙」は、昭和53年に県指定文化財となりました。江戸時代初期にはすでに行われており、原料は楮と粘材のノリウツギだけ。当時の工程がそのまま受け継がれています(出典:白鷹町公式サイト)。

もうひとつが「本場米琉(白鷹板締小絣)」、通称・白鷹紬です。糸を板で圧迫して染め抜く「板締そそぎ染法」で、亀甲や蚊絣といった非常に細かい文様を出す織物で、平成19年に県指定文化財となりました(同上)。どちらも見学や体験の入口が町内にあります。

推しポイント5:荒砥──フラワー長井線が終わる町の中心

第三セクター・山形鉄道フラワー長井線の終着駅が、白鷹町の荒砥駅です。役場、高等学校、中央公民館、消防署といった町の機能が、この荒砥周辺にぎゅっと集まっています。

荒砥はもともと最上川舟運の河岸として栄えた土地で、川の湊が鉄道の終点に置き換わった、という見方もできます。線路の突き当たりが町の顔になっている──小さな町の構造としては、けっこう分かりやすいですよね。

白鷹町の歴史

白鷹町の歴史は、大きく3つの段階に分けられます。第一に、標高200〜300mの段丘上に縄文遺跡が集中する古代から、山岳信仰と仏教文化が根づいた中世まで。第二に、上杉氏の米沢藩領として荒砥・鮎貝に御役屋が置かれ、最上川舟運と養蚕・紅花で栄えた近世。第三に、昭和29年の1町5村合併で現在の町が生まれ、羽越水害を経て今日に至る現代です。町域には室町時代の建物や白鳳時代の仏像が現存しており、歴史が「遺跡」ではなく現役の風景として残っているのが特徴です。

古代〜中世──深山観音堂と県内最古級の仏像

町内の縄文遺跡は、標高200〜300mの段丘上に集中しています。仏教文化の痕跡も古く、大字高玉に伝わる銅造観音菩薩立像は7〜8世紀の白鳳時代の作と推定され、県内最古の仏像の一つとされています(出典:白鷹町公式サイト)。

大字深山にある観音寺観音堂は、昭和28年3月31日に国指定文化財となりました。建立は室町時代後期と推定されますが、丸みを帯びた円柱など一部に平安時代の阿弥陀堂建築の特徴を残しています。地区名から「深山観音」と呼ばれ、置賜三十三観音の第8番札所です(同上)。また大字鮎貝の常光寺層塔は天正7年(1579)の建立で、在銘の層塔としては県内最古とされます(同上)。

近世──米沢藩の御役屋と、最上川の湊

関ヶ原の戦い後、上杉氏が会津から米沢へ移り、置賜地方は幕末まで米沢藩領となりました。町内では荒砥と鮎貝の両方に藩の御役屋が置かれ、行政の拠点となりました。

荒砥は最上川舟運の河岸として栄え、上方の文化が船で運び込まれました。川の難所に向かう船頭や舟子が一息ついた川湊だったと伝えられています(出典:国土交通省東北地方整備局)。産業面では桑と青苧の栽培が盛んで、昭和初期まで置賜地方の養蚕業の中心地でした。紅花についても、天正・文禄の検地をもとに編纂されたとされる「邑鑑」に、この地が領内きっての紅花生産地だったことが記されています(出典:山形県紅花生産組合連合会)。

現代──1町5村の合併と、羽越水害

現在の白鷹町は、昭和29年10月、荒砥町・鮎貝村・東根村・白鷹村・十王村・蚕桑村の1町5村が合併して誕生しました。翌昭和30年10月には西村山郡朝日町の一部(針生地区)を編入し、現在の町域となっています(出典:白鷹町公式サイト)。町名は、東にそびえる信仰の山・白鷹山から採られました。

昭和42年8月29日には羽越水害が発生し、最上川左岸から水があふれて町内が冠水する被害を受けました。町の中央を流れる最上川は、舟運の恵みと水害のリスクを同時にもたらしてきた存在です。合併から70年余り、荒砥に町の機能を集約しつつ、紅花・和紙・紬という近世からの資源を観光と結び直したのが、今の白鷹町の姿です。

白鷹町の文化・風習

盆地の町なので、季節の輪郭がとてもはっきりしています。4月に古典桜が咲き、7月の半夏生ごろに紅花畑が黄色く染まり、8月にヤナが動き出し、11月には落ち鮎と新そばが並ぶ。冬は雪が深く、集落の家々は静かになります。この「1年の型」が、そのまま暮らしのリズムになっている町なんですよ。

方言と話し方の特徴

この地域で話されているのは、山形県南部・置賜地方の言葉である置賜弁(おきたまべん)です。県のサイトでも例文が紹介されていて、たとえばんだ(そうだ)、(食べて/食べなさい)、おまま(ご飯)、かしぇでけろ(食べさせて)、わがらね(わからない)といった言葉が使われます(出典:やまがた子育て応援サイト(山形県))。

語尾の作りにも特徴があります。「〜しなさい」にあたるところが〜すんなねごで(〜しなければいけないよ)、「〜だもの」が〜もはになる、といった具合です(同上)。文字にすると強そうに見えますが、実際に耳で聞くと角が立たない、のんびりした調子で届きます。旅行者が全部聞き取れなくても大丈夫。だいたい笑って言い直してくれます。

食卓と季節の暮らし

最上川沿いには田園地帯が広がり、米作を中心にりんご、トマト、酪農による生乳生産が組み合わされています(出典:白鷹町公式サイト)。つまり食卓の主役は、ごはんと野菜と、季節の川魚です。

秋、ヤナに落ち鮎が入る時期になると、町のあちこちで焼いた鮎の匂いがします。冬には、寒風にさらして旨味を凝縮させた「寒風干し鮎」がつるされる。そして雪が積もると、そばの季節です。四季が食べ物で切り替わっていくので、いつ訪れたかで「白鷹の味」の答えが変わりますよ。

手仕事が残る町の空気

深山地区の和紙は、農閑期の家内工業として続いてきたものです。昭和中頃までは各家の楮と物々交換をして紙を漉き、障子紙を多く作っていました(出典:白鷹町公式サイト)。つまり、和紙は美術品ではなく生活用品だったわけです。

紅花の復活も、行政主導ではなく町の有志8名の会から始まりました。手を動かす人が身近にいて、その人の名前を町の人が知っている──この距離感が白鷹町の空気を作っています。移住して工房に通い始めた、という話が現実的に成り立つ規模の町です。

人の気質と地域のつながり

町の機能が荒砥周辺に集まっているので、役場も高校も買い物も、生活圏はかなりコンパクトです。一方で日常の買い物や通院は、南隣の長井市と一体で回っています。鉄道も道路も長井市と緊密に接続しているため、「白鷹町に住んで長井に出る」暮らしはごく普通です。

気質としては、押しは強くないけれど頼まれれば手を貸す、というタイプ。「各集落に一軒以上そば屋の屋号を持つ家があり、頼まれた時や祝いの席でそばを打った」という文化(出典:やまがたへの旅(山形県観光物産協会))は、そういう関係の作り方をよく表していると考えられます。

白鷹町の特産品・食

白鷹町で食べておきたいものは、川と畑と雪から来ています。最上川の鮎、集落のそば、そして最上川沿いの田園が生む米と果物。紅花のように「食べるより染めるための特産」があるのも、この町らしいところです。順番に見ていきましょう。

特産品1:白鷹の鮎──ヤナで獲れる落ち鮎と寒風干し

ヤナ漁は毎年8月1日に解禁され、8月下旬から9月が最盛期。一晩に5,000匹の鮎が捕れることもあります(出典:やまがたへの旅(山形県観光物産協会))。前日にまとまった雨が降って翌日晴れた日が狙い目、というのが地元の目安です。

食べ方の基本は塩焼き一択でいいと思います。急流育ちの鮎は身が締まっていて、苔を食べて育つので臭みが少なく、はらわたのほろ苦さがきれいに残る。あゆ茶屋では揚げ煮や鮎御膳といった料理もあり、炭火の前のベンチで食べる塩焼きは、旅程を1時間ずらしてでも寄る価値があります。冬になると、寒風にさらして旨味を凝縮させた「寒風干し鮎」が登場します。これは雪国ならではの保存食です。

特産品2:そば──「隠れ蕎麦屋の里」の十割と二八

昔から白鷹町では、各集落に一軒以上「そば屋」という屋号を持つ家があり、頼まれた時や祝いの席でそばを打つ名人がいました。その流れをくむ自宅開放型の店が国道287号沿いに点在し、生粉打ち・細打ち・濃いタレを基本に、各店が独自のそばを出しています。新そばは毎年10月末頃からです(出典:やまがたへの旅(山形県観光物産協会))。

町内産の玄そばを石臼で挽いて打つ十割そばは、香りが立って、噛むと甘みが追いかけてくるタイプ。タレが濃いので、麺の先だけ浸けるのが正解です。看板が控えめな店が多く、それが「隠れ」と呼ばれる所以。冬のいちばん静かな時期に、雪道を走って一軒ずつ回るのが、この町のいちばん贅沢な食べ方かもしれません。

特産品3:米・りんご・トマト──最上川沿いの複合経営

最上川沿いに広がる田園地帯では、米作を中心に、りんごやトマト、酪農による生乳生産が行われています(出典:白鷹町公式サイト)。長井市と続く盆地の平坦地で、昼夜の寒暖差が大きい内陸性の気候。果物と米が同時に美味しくなる条件がそろっています。

りんごは秋から初冬、トマトは夏が旬です。産直では、収穫したてのトマトが冷やして並んでいることがあります。丸ごとかじると、皮がぱんと弾けて、酸味と甘みが同時に来る。これはスーパーの棚では再現できない食感です。ちなみに白鷹町はビールの原料であるホップの産地でもあり、夏には緑の毬花が棚一面に垂れる、この町ならではの畑の風景が見られます。


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白鷹町の観光スポット

白鷹町の見どころは、最上川沿いの平地と、そこから東西に上がった山あいに分かれて散らばっています。川ではヤナと鮎、丘の上では紅花畑、集落の中では古典桜と和紙工房。移動はほぼ車になりますが、町が縦に長いぶん、国道287号を1本走るだけで景色がどんどん変わっていくんですよ。カテゴリー別に見ていきましょう。

最上川と鮎を体感するスポット

  • 道の駅「白鷹ヤナ公園」あゆ茶屋 – 白鷹町大字下山661-1にある道の駅です。ヤナ売店は4月上旬から11月下旬までの営業で、時間は10:00〜16:00、定休日は毎週水曜日。あゆ茶屋レストランは11:00〜15:30(ラストオーダー14:30)で水曜定休ですが、ゴールデンウィーク・お盆・9月の鮎漁時期は営業します。道の駅売店は10:00〜17:00(11月〜3月は16:30まで)、駐車場は250台です(出典:道の駅 白鷹ヤナ公園 あゆ茶屋)。炭火で焼かれる鮎の匂いが駐車場まで漂ってきて、車を降りた瞬間に腹が減ります。ベンチで塩焼きを1本、というのがいちばん正しい立ち寄り方です。
  • 白鷹ヤナ場 – あゆ茶屋のすぐ横、最上川に組まれたヤナです。常設としては日本一、東洋一といわれ、川へ下りて間近で見学できます。鮎の手づかみ体験は春から11月まで可能です(出典:国土交通省東北地方整備局)。おすすめは、まとまった雨の翌日の晴れた朝。水量が増えた日三大急流の水が簀を叩く音は、写真ではまったく伝わりません。

紅花を見る・触れるスポット

  • 大紅花畑(中山地区) – 町内の中山地区に広がる1.4ヘクタールの紅花畑です(出典:やまがたへの旅(山形県観光物産協会))。朝日連峰を背にして山あい一面が黄色からオレンジに染まる時期は7月上旬。紅花はトゲがあるので、摘み取りは朝露で柔らかいうちが良いとされます。早起きしてでも午前中に行く価値がありますよ。
  • 白鷹町まちづくり複合施設 – 荒砥甲833にある、役場・図書館・中央公民館が一体になった施設です。町産スギ材をふんだんに使った木造建築で、令和2年度木材利用優良施設コンクールの内閣総理大臣賞を受賞しました(出典:白鷹町公式サイト)。紅花まつりのメイン会場にもなる場所で、館内に入ると木の匂いがします。役場なのに、観光客がふらっと本を読んでいても違和感がない空気なんです。

古典桜をめぐるスポット

  • 薬師ザクラ – 大字高玉字薬師堂3663、薬師堂の境内にある樹齢1,200年のエドヒガンで、昭和30年8月1日に県指定文化財となりました。町内で樹齢500年を超す8本の古典桜のうち最古です(出典:白鷹町公式サイト)。幹はねじれ、空洞ができ、それでも毎年咲く。夕方の斜光で見ると、幹の凹凸が彫刻みたいに立ち上がります。
  • 釜の越農村公園 – 薬師ザクラから徒歩圏にある桜群の公園です。樹齢800年の「釜の越サクラ」は枯死が確認され、令和2年3月に分身木が移植されました。後方の紅色の濃い桜は、樹齢約100年の2世樹「勝弥桜」です(出典:白鷹町観光協会)。世代交代の途中を見られる、ちょっと珍しい花見スポット。駐車場が広いので、周辺の桜めぐりはここを起点にすると楽です。
  • 子守堂のサクラ – 大字鮎貝3347にある樹齢1,020年のエドヒガン。平成25年11月29日に県指定文化財となりました。鮎貝御役屋将・本庄氏の病弱な子どもを、童女に姿を変えた地蔵菩薩が助けたという逸話が伝わります(出典:白鷹町公式サイト)。堂宇の脇に立つ大木で、朝日連峰の残雪と一緒に写せる構図が人気です。

手仕事と歴史にふれるスポット

  • 深山和紙振興研究センター – 大字深山2527。手漉き和紙の体験や和紙絵作成ができます(要予約)。定休日は不定休、電話は0238-85-3426です(出典:白鷹町公式サイト)。楮を漉く水の冷たさ、簀桁を揺する音、そして自分の手から1枚の紙が生まれる瞬間。所要は短くても、旅の記憶の残り方が全然違います。
  • 観音寺観音堂(深山観音) – 大字深山3315番地の1。昭和28年3月31日に国指定文化財となった建物で、建立は室町時代後期と推定されます。置賜三十三観音の第8番札所で、本尊は木造千手観音立像(秘仏)です(出典:白鷹町公式サイト)。杉木立の奥に、いきなり古い屋根が現れます。人の声がしない時間帯に行くと、板張りの軋む音だけが残ります。
  • 鮎貝八幡宮 – 大字鮎貝3303番地。本殿は江戸時代末期の建立で、昭和60年8月16日に県指定文化財となりました。明治31年に鮎貝城二の丸跡である現在地へ移されたもので、各所に彫刻を配した豪奢な造りです(同上)。地方棟梁と木彫師の腕をじっくり見上げてください。城跡に建っているので、参道の高低差でかつての縄張りが想像できます。
  • 白鷹町文化交流センター あゆーむ – 大字鮎貝7331。ホール・ギャラリー・文化伝承室の3つのゾーンからなる施設で、町出身の洋画家・梅津五郎の作品などを所蔵しています(出典:山形県白鷹町文化交流センターあゆーむ)。雨の日や真冬の避難先としても優秀。展示替えが頻繁なので、訪問前に休館日を確認しておくと安心です。

山を歩くスポット

  • 白鷹山(虚空蔵山) – 標高994m。白鷹町山辺町南陽市の3市町の境にある火山で、山頂には白鷹神社のほか休憩舎とトイレが整備されています。山形県百名山にも選ばれ、登山コースが多数あります(出典:林野庁)。町の名前の由来になった山に、町の側から登れるわけです。晴れた日は山頂から鳥海山や月山、朝日連峰まで見えます。

白鷹町の観光ルート

計算中…

町は最上川に沿って南北に細長く、荒砥を起点にすればどこへ行くにも30分かかりません。ここでは、夏の紅花と鮎を1日でつなぐルート、春の桜を半日で回るルート、そして隣の長井市南陽市まで足を延ばす広域ルートの3本を組んでみました。

【車・1日】紅花と最上川ルート(荒砥スタート)

9:30 荒砥駅 → 9:40 白鷹町まちづくり複合施設 → 10:20 大紅花畑(中山地区) → 11:40 深山和紙振興研究センター → 12:20 観音寺観音堂 → 13:00 道の駅「白鷹ヤナ公園」あゆ茶屋 → 15:30 荒砥駅

白鷹町まちづくり複合施設(30分)
→ 町産スギの架構を見上げて、この町が「森の町」でもあることを最初に体に入れておくと、後の景色の見え方が変わります。朝いちばんは人が少なく、木の匂いが濃いですよ。

そこから丘を上がって10分ほど走ると、視界が急に黄色くなります。

大紅花畑(60分)
→ 朝日連峰を背にした紅花畑を歩きます。午前中は花が柔らかく、色も濃い。7月上旬に行けるなら、この1時間のためだけに旅程を組んでいい場所です。

深山和紙振興研究センター(40分)
→ 紙漉き体験は要予約なので、事前に電話を1本。手を水に入れる工程があるので、夏でもタオルがあると快適です。

観音寺観音堂(30分)
→ 和紙の里からすぐの杉木立の中。昼前の光が斜めに差す時間は、室町の屋根の反りがきれいに出ます。

道の駅「白鷹ヤナ公園」あゆ茶屋(150分)
→ 遅めの昼に鮎料理、そのままヤナへ下りて水しぶきを浴びる。午後の川面が光る時間に着くよう、あえて後半に置くのがコツです。

【車・半日】古典桜ルート(荒砥スタート/4月中旬〜5月上旬)

9:00 荒砥駅 → 9:15 釜の越農村公園 → 9:50 薬師ザクラ → 10:30 子守堂のサクラ → 11:00 鮎貝八幡宮 → 11:40 白鷹町文化交流センター あゆーむ → 12:30 荒砥駅

釜の越農村公園(30分)
→ 駐車場が広いのでここを起点に。枯死した初代、2世樹の勝弥桜、そして若い桜が同じ場所に立っている構図を先に見ておくと、この後の古木の見え方が深くなります。

徒歩でも行ける距離ですが、混雑期は歩いたほうが早いこともあります。

薬師ザクラ(30分)
→ 樹齢1,200年。近づくと幹に穴が開いていて、向こう側が見えます。朝の光だと逆光になりにくく、花と幹の両方が撮れます。

子守堂のサクラ(30分)
→ 鮎貝の集落へ移動。残雪の朝日連峰を背景に置ける、この町でいちばん「山形らしい」1枚が狙えます。

鮎貝八幡宮(30分)
→ 桜のあとに彫刻を見る、という緩急がちょうどいい。城跡の高まりを歩くと、桜だけでは分からない町の骨格が見えてきます。

あゆーむ(40分)
→ 締めは屋内で一息。桜で冷えた体を温めながら、町の作家の作品を眺めて帰ります。

【車・1日】広域ルート:置賜さくら回廊とヤナ場

9:00 南陽市(赤湯駅周辺) → 9:40 長井市(伊佐沢の久保ザクラ) → 10:40 白鷹町・薬師ザクラ → 11:30 釜の越農村公園 → 13:00 道の駅「白鷹ヤナ公園」あゆ茶屋 → 15:00 白鷹山方面 → 17:00 南陽市

伊佐沢の久保ザクラ長井市・40分)
→ フラワー長井線沿いに古典桜をつなぐ「置賜さくら回廊」の南側から入ります。まずは国の天然記念物の巨桜で目を慣らしましょう。

県道を北へ。長井市白鷹町は同じ盆地なので、境目はほとんど意識しません。

薬師ザクラ(30分)→ ③釜の越農村公園(60分)
→ 樹齢1,200年と800年が徒歩圏に並ぶのは、置賜でもここだけ。昼はこのエリアの手打ちそばを挟むと動線がきれいです。

道の駅「白鷹ヤナ公園」あゆ茶屋(90分)
→ 桜の季節はヤナ場の上空に約150匹の鯉のぼりが泳ぎます。桜と鯉のぼりを同じ日に見られるのは、この時期だけの贅沢です。

白鷹山方面(120分)
→ 体力が残っていれば、町の名前の由来になった山へ。山頂からの展望で1日を締めると、置賜の地形が頭の中でつながります。


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白鷹町の年間イベント

白鷹町のイベントは、そのまま季節の看板になっています。4月は桜、5月は鯉のぼりとヤナ開き、7月は紅花、9月は鮎、11月は新そば、そして2月は雪の灯り。どれも町の産業と直結しているので、観光イベントというより「町の年中行事にお邪魔する」感覚に近いんですよ。

春〜夏:桜・ヤナ開き・紅花

まず4月。白鷹町観光協会は、2026年の「しらたか古典桜の里 さくらまつり」を4月11日からの開催予定として告知しました(出典:白鷹町観光協会)。会場周辺では町の菓子やお土産の販売もあります。開花のタイミングは年によってずれるので、観光協会が出す開花状況をチェックしてから動くのが確実です。

次がゴールデンウィークの「やな開きまつり」。2026年は5月3日から5日にかけて開催されました(出典:道の駅 白鷹ヤナ公園 あゆ茶屋)。その年のヤナ場の豊漁と安全を祈願する行事で、最上川の川幅いっぱいに鯉のぼりが吊るされます。

川風を受けて何十匹もの鯉のぼりが一斉にはためく光景は、ちょっと現実離れしています。しかも下では急流が唸っている。音と色がいっぺんに来る、という意味でこの町のいちばん派手な瞬間かもしれません。

そして7月上旬が「白鷹紅花まつり」。2026年は7月4日・5日に第31回が、白鷹町まちづくり複合施設を会場に開かれました(出典:白鷹町観光協会)。町内の飲食が集まる「紅花マルシェ」と、紅花染めなどの体験ワークショップが柱です。

ぜひ体験してみてほしいのが、本物の紅を使う紅点し。あの鮮やかな色が、あのトゲだらけの花から出てくるのかと驚きます。畑と工房と口紅が、1日で1本の線につながる感覚があるんですよ。

秋:鮎まつりと新そば

9月下旬が「白鷹鮎まつり」です。2025年は9月20日・21日に第48回が、道の駅白鷹ヤナ公園を会場として開催されました(出典:道の駅 白鷹ヤナ公園 あゆ茶屋)。落ち鮎漁が最盛期を迎える時期にぶつけてある、町を代表する祭りです。

ステージには畔藤田植え踊りや高玉芝居の団体、獅子の継承団体が上がります(同上)。つまり、鮎を食べながら町の民俗芸能をまとめて見られるということ。炭火の煙と太鼓の音が混ざる中で塩焼きをかじる時間は、なかなか他所では代えがききません。

11月には「あゆ茶屋 新そばまつり」が開かれます。2025年も10月末に開催が告知されました(出典:道の駅 白鷹ヤナ公園 あゆ茶屋)。白鷹山麓産のそばを使う、収穫を祝う会です。新そばの香りは1年でこの時期がピーク。冷たい水で締めた1枚を、湯気の立つ屋外で食べてください。

冬:雪の灯りと寒風干し鮎

2月には「しらたか雪紅り」が行われます。2026年は2月7日の開催でした(出典:やまがたへの旅(山形県観光物産協会))。紅花の「紅(あか)」から名前をもらった雪あかりのイベントで、主催は町の「日本の紅(あか)をつくる町」連携推進本部です。

雪の壁にくり抜いた穴で、ろうそくがぽつぽつ揺れる。音が雪に吸われるので、驚くほど静かなんです。氷点下の中を歩くことになるので、防寒はしっかりめに。手袋を外して写真を撮る時間まで計算しておくといいですよ。

同じ冬、あゆ茶屋のヤナ場では鮎の寒風干しの作業が始まります。厳冬期に加工し、最上川に吹く冷たい風にさらして旨味を引き出す、町の風物詩です(出典:道の駅 白鷹ヤナ公園 あゆ茶屋)。ずらりと並んで揺れる鮎の列は、正直かなり壮観。ただし、この時期はあゆ茶屋レストランと道の駅物産館が冬期休業に入ることがあるため、訪問前に営業状況の確認を忘れずに。

白鷹町のエリア別の顔

白鷹町は、昭和29年10月に荒砥町・鮎貝村・東根村・白鷹村・十王村・蚕桑村の1町5村が合併してできた町です(出典:白鷹町公式サイト)。この旧町村の名前が、今も地区名としてそのまま生きています。最上川の東岸と西岸、平地と丘の上で表情がまるで違うので、旅の視点でエリアごとに見ていきましょう。

荒砥エリア──町の機能が集まる終着駅の町

役場・図書館・中央公民館が一体になったまちづくり複合施設が建ち、フラワー長井線の終着駅である荒砥駅があるのがこのエリアです。高校も消防署もここ。旅行者にとっては、レンタカーや宿の起点になる場所です。

かつては最上川舟運の河岸として栄えた土地で、線路の突き当たりが町の中心になっている構造は、歩いてみると意外に面白い。滞在時間が短い人は、複合施設だけでも覗いてみてください。木造建築が好きな人なら、それだけで来た甲斐があります。

鮎貝・蚕桑エリア──古典桜と文化施設が並ぶ北の顔

鮎貝八幡宮、子守堂のサクラ、文化交流センターあゆーむが集まるエリアです。高玉の薬師ザクラや釜の越農村公園もこの方面にあり、桜の季節はここが町の主役になります。

集落の中に古木が立っている、という距離感が独特なんですよ。観光地として囲われているわけではなく、生活道路のすぐ脇に樹齢1,000年級が立っている。桜好き・写真好きが半日かけて歩くのに向いたエリアです。

深山エリア──和紙と観音堂の山あい

荒砥から西の山へ入ったところが深山地区。深山和紙振興研究センターと、国指定文化財の観音寺観音堂があります。冬の家内工業として紙漉きが続いてきた土地で、今も工房が動いています。

ここは静けさを味わいに行く場所です。杉木立、沢の音、和紙を漉く水の音。町の賑わいから15分ほど走っただけで空気が変わります。ものづくりに関心がある人、ひとり旅の人に向いています。

十王・中山エリア──紅花畑が広がる丘の上

紅花の畑が点在するのが、東側の丘に上がったこのエリア。中山地区には1.4ヘクタールの大紅花畑があり、7月上旬には山あい一面が黄色く染まります。

訪れるなら7月の午前中一択と言っていいと思います。逆に言うと、この時期以外はただの静かな農村風景。でも、その「普段はただの畑」というギャップこそが、紅花という作物の本質を教えてくれます。

下山・ヤナ公園エリア──最上川と鮎の現場

国道287号沿い、道の駅「白鷹ヤナ公園」があるのがこのエリアです。町を訪れる人がいちばん多く立ち寄る場所で、春は鯉のぼり、夏から秋はヤナ漁、冬は寒風干しと、季節が最も分かりやすく現れます。

家族連れやドライブ客に向いた場所。子どもが川で鮎を追いかけている間に、大人はベンチで塩焼きとビール(運転しない人限定です)。白鷹町で使える時間が3時間しかないなら、迷わずここを選んでいいと思いますよ。

白鷹町の気候・季節の暮らし

白鷹町は山に囲まれた盆地で、地形の関係から降雪量が多い地域です(出典:やまがた暮らし情報館(山形県))。国の指定でも、町は積雪が特に多い「特別豪雪地帯」に含まれています(出典:国土交通省)。内陸性気候で寒暖差が大きく、夏はしっかり暑く、冬はしっかり降る。四季の輪郭がはっきりしているぶん、暮らしのリズムも季節ごとに切り替わる町なんですよ。

なお、白鷹町内には気象庁の通年観測地点がありません。参考として、北へ約30kmの山形(山形市)の平年値は、年平均気温12.1℃、年間降水量1,206.7mm、年間降雪量285cm、最深積雪51cmです(出典:気象庁)。白鷹町は盆地かつ特別豪雪地帯なので、雪はこれより多いと考えられます。

春──4月〜5月の暮らし

雪が解けるのと桜が咲くのが、ほぼ同時に来ます。朝日連峰にはまだ白い残雪が残っていて、その手前で樹齢1,000年級のエドヒガンが咲く。この時期だけの、この町にしかない配色です。

暮らしの側では、この時期に一気に片づけが始まります。除雪用具をしまい、タイヤを替え、庭の雪囲いを外す。「春が来た」という感覚が、行事ではなく作業として実感される時期ですよ。

夏──6月〜8月の暮らし

盆地なので、夏はしっかり暑くなります。7月上旬の半夏生のころに紅花が咲き始め、8月1日にはヤナ漁が解禁。町の外に出なくても、季節の節目が畑と川で分かるのがこの町らしいところです。

夕方、最上川沿いを走ると水面から風が上がってきて、日中の熱がすっと抜けます。日中は畑仕事も観光も早朝に寄せて、昼は屋内、というのが理にかなった過ごし方だと考えられます。

秋──9月〜11月の暮らし

いちばん過ごしやすく、いちばん美味しい季節です。9月に落ち鮎、10月末から新そば、11月には果物。町のイベントも秋に集中しています。

ただし11月に入ると、山形の11月の降雪日数は平年で6.1日(出典:気象庁)。白鷹町ではもう少し早く白いものが降ってきます。11月は「秋の後半」ではなく「冬支度の月」だと思っておくといいですよ。

冬──12月〜3月の暮らし

ここが白鷹町で暮らす最大のポイントです。道路の除雪は行政が行いますが、家の周りは自分で除雪する必要があります。山間部は特に雪が多く、豪雪の際は屋根の雪下ろしが必要になる場合もあります(出典:やまがた暮らし情報館(山形県))。

スタッドレスタイヤへの履き替えと水道の凍結防止は、この町では「やった方がいい」ではなく前提です(同上)。移住するなら、秋のうちに除雪用具と防水防寒着を揃えておくのが現実的だと考えられます。

一方で、冬は静かでいい季節でもあるんです。雪が音を吸うので、朝は本当に無音。そこへ隠れ蕎麦屋の暖簾をくぐって熱いつゆを飲む、寒風干し鮎が軒先で揺れる。雪の大変さと引き換えに、この町の冬にしかない時間があります。

白鷹町の移住・暮らし情報

人口11,446人の町ですが、暮らしの導線はかなり分かりやすいです。役場も図書館も公民館も荒砥の複合施設に集約されていて、買い物や通院は南隣の長井市と一体で回る。車が前提の生活になりますが、そのぶん家賃と土地の余裕は都市部と比べものになりません。子育て支援の制度も具体的なので、順番に見ていきましょう。

通勤・通学

移動には車が基本です。町内には山形鉄道フラワー長井線が走り、荒砥駅が終点。長井市方面への通勤・通学に利用されています。ただし本数は多くないので、通勤に使うなら時刻表を先に確認してから住む場所を決めるのが現実的です。

路線バスは、山交バスが山形〜長谷堂〜荒砥駅〜長井市役所を結ぶ系統を運行しています(出典:山交バス株式会社)。町の紹介によれば、県都・山形市まで約30km、米沢市まで約35kmです(出典:白鷹町公式サイト)。

町内の足としては、予約制のデマンドタクシーがあります。事前登録と電話予約が必要な乗り合い方式です(出典:白鷹町公式サイト)。車を持たない高齢の家族がいる世帯には、これがあるかないかで暮らしやすさが変わります。

住宅環境

賃貸の在庫はかなり少なめです。LIFULL HOME’Sでは白鷹町の家賃相場が算出されておらず、掲載物件も2件でした(2026年7月17日時点)。参考までに、隣の長井市の2LDK・3K・3DKの家賃相場は5.1万円です(出典:LIFULL HOME’S)。

つまり、この町で住まいを探すなら賃貸ポータルだけを見ていても始まりません。実際の入口は空き家バンクです。町の空き家バンクに登録された空き家を売買・賃貸して移住した場合、売買成約で基本額50万円、賃貸成約で基本額5万円が交付され、子どもの人数に応じた加算もあります(出典:やまがた暮らし情報館(山形県))。

新築や新築建売を購入して町外から転入する場合は、世帯主が50歳未満などの条件で100万円の補助があります(同上)。就農して移住する人向けには、賃貸住宅の年間賃借料の2分の1または36万円のいずれか低い額を助成する制度もあります(同上)。制度は年度で変わることがあるので、申請前に町の窓口で確認してください。

買い物環境

日常の買い物は町内で完結します。荒砥エリアにスーパーがあり、コンビニ、ドラッグストア、地元の商店が中心部に集まっています。荒砥駅から徒歩圏にスーパーがある物件も出ます。

ただし、品揃えや専門店を求めるなら長井市へ出る形になります。車で15分ほどの距離感なので、「週末にまとめ買い」というリズムが自然と身につく町だと考えられます。冬は買いだめが前提になる、という声も移住情報でよく挙がっています。

子育て・教育

町内には認定こども園2か所、保育園2か所、小学校4校、中学校1校があります(出典:しらたかで暮らそう(白鷹町ふるさと移住推進協議会))。高校は、荒砥に山形県立荒砥高等学校(総合学科)があります(出典:山形県立高等学校ポータルサイト)。

この荒砥高校、町からの支援が手厚いのが特徴です。学習支援員の配置、デリバリー弁当、経済的支援などを町が行っています(同上)。1万1千人規模の町が、自分たちの高校を明確に支えている構図です。

医療費の面では、0歳から高校生年代までを対象に医療費の自己負担分を助成する「しらたか元気っ子事業・子育て支援医療制度」があります(出典:白鷹町公式サイト)。保育料も、高校3年生以下の子どもが3人以上いる家庭では第3子以降の保育料と副食費が無償、同一世帯から2人以上入所した場合は第2子が半額です(出典:やまがた暮らし情報館(山形県))。

医療環境

町内の中核は白鷹町立病院です。国道287号沿いに建ち、目につきやすい外観から町のシンボルとして親しまれています。日常的な診療はここと町内の医院で回る形になります。

より高度な医療が必要な場合は、長井市の公立置賜総合病院が受け皿です。町はここへ向けたデマンドタクシー(公立置賜総合病院線)を運行していて、白鷹町立病院〜ヤマザワ長井店〜公立置賜総合病院を1日3便、前日までの予約制で結んでいます。料金は片道一律1,000円(障害者手帳所持者、運転免許証を自主返納された方、小学生などは500円)です(出典:白鷹町公式サイト)。

買い物と通院を1本の路線で結んでいるあたり、この町の生活実感がよく出ています。車を手放した後も暮らしが続くように設計されている、ということですよね。

エリア別の暮らし視点

荒砥エリアは、役場・図書館・高校・スーパー・病院が徒歩圏にまとまる、町でいちばん生活しやすい場所です。賃貸物件が出るのもほぼここ。車を1台に抑えたい世帯や、単身で移住する人はまずここを見るのが現実的だと考えられます。

鮎貝・蚕桑エリアは、あゆーむや古典桜が近い田園エリア。四季の郷駅周辺には町が販売する土地もあり、家を建てて定住する前提なら候補になります。中古一戸建ての売り出しもこの方面で出ています。

深山・十王・中山といった山あいのエリアは、雪の量が町内でも多い側です(出典:やまがた暮らし情報館(山形県))。和紙や紅花の現場に近く、ものづくりや農に関わりたい人には魅力的ですが、冬の除雪負担と車の必要性は荒砥とは別物だと考えておいてください。

白鷹町へのアクセス

白鷹町への入口は3つあります。山形新幹線の赤湯駅からフラワー長井線で北上するルート、東北中央自動車道の南陽高畠ICから国道で入るルート、そして山形市方面から国道348号を南下するルートです。町の中心は荒砥。ここを目指せば、たいていの用は足ります。

車でのアクセス

高速道路を使う場合、東北中央自動車道の南陽高畠ICから約40分です。山形自動車道の山形蔵王ICからは約1時間、東北中央自動車道の山形中央ICからは約45分(いずれも道の駅白鷹ヤナ公園まで/出典:旅東北(東北観光推進機構))。

町の紹介では、県都・山形市まで約30km、置賜の中核都市である米沢市まで約35kmとされています(出典:白鷹町公式サイト)。町内は国道287号が最上川沿いを南北に貫くので、この1本を軸に考えると迷いません。

冬に車で来るなら、スタッドレスは必須です。そして雪の日は所要時間が読めなくなるので、時間には必ず余裕を持たせてください。

鉄道でのアクセス

山形新幹線で赤湯駅(南陽市)まで行き、山形鉄道フラワー長井線に乗り換えて荒砥駅が終点です。赤湯〜荒砥の大人運賃は760円、長井〜荒砥は470円です(出典:山形鉄道株式会社)。乗車時間はおよそ1時間です。

注意点がひとつ。フラワー長井線は本数が限られるため、必ず最新の時刻表で確認してから乗り継ぎを組んでください(出典:山形鉄道株式会社)。赤湯で新幹線から降りて「次の列車まで2時間」ということが起こり得ます。

ただ、この乗り換えの不便さは、乗ってしまえば全部おつりが来ます。1両のディーゼルカーが田んぼの真ん中をゆっくり走って、車窓に朝日連峰が出てくる。急ぐ人には向きませんが、旅としてはこちらが正解ですよ。

バス・飛行機でのアクセス

バスは、山交バスが山形〜長谷堂〜荒砥駅〜長井市役所の系統を運行しています(出典:山交バス株式会社)。山形市側から入るなら、鉄道より素直に着く場合があります。

飛行機の場合、最寄りは東根市の山形空港です。空港から白鷹町への直通交通はないため、レンタカーを借りるか、山形駅まで出てから鉄道・バスに乗り継ぐ形になります。荷物が多い旅なら、素直にレンタカーをおすすめします。

町内移動の現実的アドバイス

観光でもレンタカーが基本です。荒砥駅から道の駅白鷹ヤナ公園までは車で約5分(出典:旅東北(東北観光推進機構))ですが、深山の和紙工房や中山の紅花畑は駅から歩ける距離ではありません。

鉄道で来て車なしで動くなら、行き先を1〜2か所に絞るのが現実的です。荒砥駅を起点に、ヤナ公園か複合施設のどちらかへ。欲張らずに1か所を深く見たほうが、この町は面白く感じられると思いますよ。


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【地元住民に直撃!】白鷹町の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。

紅花を育てて、紅餅をつくっています。半夏生のころに一輪咲いて、そこから畑が黄色から紅に変わっていく。あのトゲだらけの花を朝露のうちに摘むところから、この町の夏が始まるんです。

紅餅やすり花は日本の紅の原料になります。一度は途絶えかけた仕事を、有志の方たちが少しずつ戻してきた。私はその続きを預かっているだけだと思っています。

Q2.白鷹町に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?

最上川のヤナは外せません。急流が簀の上で真っ白にはじけて、水しぶきが顔まで飛んでくる。あの音を聞かずに帰るのはもったいないです。あとは古典桜。集落の生活道路のすぐ脇に、樹齢千年級が普通に立っているんですよ。

地元の者としては、白鷹山にも登ってほしいです。町の名前の由来になった山で、頂上の神社まで行くと村山盆地も朝日連峰も見える。町民センター周りの静けさとは、また違う空気があります。

Q3.白鷹町でお土産を買うとしたらなんですか?

定番は鮎です。塩焼きもいいですが、持ち帰るなら甘露煮や寒風干し。最上川の冷たい風にさらした鮎は、旨みが全然違います。町の有名なものといえば、まずここでしょうね。

地元の者が選ぶなら、深山和紙です。楮とノリウツギだけで漉いた紙で、便箋一枚でも手ざわりが違う。あとは紅花染めの小物。日本の紅をつくる町の色を、そのまま持って帰れます。

Q4.外から人が来たときに、白鷹町でまず連れていく店はどこですか?

そばです。この町は各集落に「そば屋」の屋号を持つ家があって、祝い事のたびに打ってきた土地なんです。その流れをくむ店が国道沿いに点在していて、看板が控えめだから「隠れ」と呼ばれる。

白鷹産のそば粉を石臼で挽いた十割を、濃いつゆに先だけ浸けて食べてもらう。冬に雪道を走って、湯気の立つ座敷に上がるまでが一式です。あとは川を眺めながらの鮎ですね。

Q5.白鷹町はどんな気質だと思いますか?

押しは強くないです。でも頼まれれば手を貸す。祝いの席でそばを打ってきた土地柄が、そのまま人付き合いに出ている気がします。距離を詰めすぎず、必要なときだけ寄ってくる。

自家菜園をやっている家が多いので、おすそ分けが会話のきっかけになります。移住してきた方が「困りごとにさりげなく助言をもらった」と言うのを何度も聞きました。町長も町民も、顔が見える距離ですしね。

Q6.昔に比べて、白鷹町の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?

人は確実に減りました。町民センターの行事も、運動公園に集まる子どもの数も、昔とは比べものになりません。冬の除雪を誰が担うかという話は、毎年重くなっています。

ただ、悪い変化ばかりでもないんです。紅花は途絶えかけたところから全国一まで戻ってきた。和紙も紬も、細くても続いている。派手さはないけれど、残すと決めたものは残す町だと思います。

Q7.白鷹町のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?

役場と図書館と公民館が一つになった木造の建物には期待しています。町の杉をふんだんに使っていて、用がなくても入りたくなる。紅花まつりの会場にもなって、観光で来た方と町民が同じ場所にいるんです。

森林公園のあたりも、これから手を入れていくと聞いています。あとは水源になっている山の沼や川を、次の世代にどう渡すか。おすすめスポットを増やすより、まずそこだと思っています。

白鷹町の関連リンク

本記事は、全国1741市町村を応援するために徹底調査して作成していますが、地元の方だからこそ知る最新情報や、記述の誤りなどがあれば、ぜひこちらのお問い合わせフォームよりお気軽にお知らせください。地域の皆様と一緒に、より素晴らしい紹介ページを作っていきたいと考えております。

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