松島町(まつしままち)は、宮城県中部の松島湾に面する人口12,181人の町です。仙台駅からJR仙石線で松島海岸駅まで約40分。日本三景「松島」の中心地として知られています。
松島町の魅力を5つに凝縮すると、こうなります:
- ✅ 日本三景・松島湾──約260の島々が浮かぶ多島海(国の特別名勝)
- ✅ 国宝・瑞巌寺──伊達政宗が再興した、本堂・庫裏が国宝の禅寺
- ✅ 五大堂──政宗が建てた東北現存最古の桃山建築(重要文化財)
- ✅ 松尾芭蕉が『おくのほそ道』でたどり着いた絶景の地
- ✅ 牡蠣と穴子──松島湾が育てる二大海の幸(牡蠣養殖は約300年の歴史)
「絶景と歴史を一度に味わいたい旅行者」「寺社や桃山建築が好きな人」「海の幸を目当てに来る人」に向いた町です。本記事では、観光・歴史・文化・特産まで、変わらない松島の魅力を地元目線で紹介します。
| 人口 | 12,181 人 ※2026年5月1日時点(推計人口) |
|---|---|
| 面積 | 53.50 km² |
| 人口密度 | 228 人/km² |
地理的には、東は東松島市、北は大崎市、北西は黒川郡大郷町、南西は同じ宮城郡の利府町に接しています。さらに松島湾を挟んで南には塩竈市の浦戸諸島と海上で向かい合っています(出典:松島町公式サイト)。
町内にはJR仙石線(松島海岸駅・高城町駅ほか)とJR東北本線(松島駅・愛宕駅ほか)が走り、車では三陸自動車道・松島海岸ICが玄関口になります。海あり、丘陵あり、国宝あり。小さな町に見どころが密集しています。ひとつずつ見ていきましょう。
松島町の推しポイント

松島町の見どころは、湾と寺がつくる景観に集約されます。松島湾に浮かぶ約260の島々、その湾を見下ろす丘の上に建つ国宝・瑞巌寺、海に突き出した五大堂。そこに松尾芭蕉の足跡と、湾が育てる牡蠣・穴子が重なります。ここからは、その代表格を5つに分けて紹介します。
日本三景・松島湾──約260の島々がつくる多島海
松島は、京都の天橋立・広島の宮島と並ぶ「日本三景」のひとつです。松島湾には大小約260の島々が浮かび、その景観は国の特別名勝に指定されています。遊覧船に乗れば、松を戴いた小島の間を縫うように進み、写真の構図がどこを切り取っても絵になるんですよ。
国宝・瑞巌寺──伊達政宗が再興した禅寺
瑞巌寺は、828年に天台宗の延福寺として開かれ、慶長14年(1609年)に仙台藩祖・伊達政宗が再興した臨済宗の禅寺です。本堂と庫裏(くり)および廊下が国宝に指定されています(出典:日本遺産ポータルサイト(文化庁))。本堂内部の金地に描かれた襖絵は、桃山文化の華やかさそのものです。
五大堂──海に建つ東北最古の桃山建築
五大堂は、慶長9年(1604年)に伊達政宗が建立したお堂で、東北地方に現存する最古の桃山建築とされています(出典:瑞巌寺公式サイト)。国の重要文化財です。朱塗りの「すかし橋」を渡って小島に建つ姿は、松島のシンボルとして親しまれています。軒下には方角に合わせた十二支の彫刻が施されているので、ぜひ見上げてみてください。
松尾芭蕉と『おくのほそ道』の松島
元禄2年(1689年)、俳人・松尾芭蕉は弟子の河合曾良とともに塩竈から船で松島海岸に到着し、瑞巌寺などの名所を巡りました。この縁にちなみ、瑞巌寺では毎年11月の第2日曜日に芭蕉祭が行われています(出典:瑞巌寺公式サイト)。文学の旅先としても、松島は特別な場所なんですよね。
松島湾の牡蠣と穴子──二大海の幸
松島湾の沿岸漁業の中心は牡蠣の養殖で、水揚げ高・売上高ともに牡蠣が全体の7割以上を占めます(出典:松島町公式サイト)。冬は牡蠣、夏は穴子。湾の恵みを季節ごとに味わえるのが、この町の食の楽しみです。
松島町の歴史

松島の歴史は、大きく三つの時代でとらえると分かりやすくなります。古代から中世にかけては、和歌に詠まれる「歌枕」であり、修行の霊場でした。江戸時代には伊達政宗と仙台藩のもとで景勝地・信仰の地として整えられ、近現代には日本を代表する観光地へと姿を変えました。
古代〜中世──歌枕と霊場の松島
伝承では、大同2年(807年)に征夷大将軍・坂上田村麻呂が毘沙門堂(五大堂の前身)を建てたとされ、天長5年(828年)には瑞巌寺の前身である延福寺が創建されたと伝えられています。平安時代以降、松島は和歌に詠まれる「歌枕」となり、雄島(おじま)は死者の浄土を祈る霊場として、多くの板碑や岩窟が残されました。
江戸時代──伊達政宗と仙台藩の松島
17世紀初頭、伊達政宗は豊臣秀吉から譲り受けた伏見桃山城の茶室を移し、月見のための観瀾亭(かんらんてい)を構えました。慶長9年(1604年)には五大堂を、慶長14年(1609年)には瑞巌寺を再興します。寛永20年(1643年)、儒学者・林鵞峰が松島を天橋立・厳島と並ぶ「三処奇観」と評し、これが後の「日本三景」の端緒となりました。元禄2年(1689年)には松尾芭蕉が来訪しています。
近現代──観光地への歩みと東日本大震災
明治期以降、松島には鉄道が通り、観光地としての歩みが本格化しました。大正11年(1922年)には、来日中だったアインシュタインが月見のために松島を訪れています。2011年(平成23年)の東日本大震災では、松島町も被災しました。ただし遠浅の多島海という松島湾の地形が津波の威力を和らげ、周辺地域と比べると被害は相対的に小さく済んだと見られています。それでも養殖施設や史跡、船舶などには大きな被害があり、復興への歩みが続けられてきました。
松島町の文化・風習

方言と話し方の特徴
松島町を含む宮城県では、江戸時代の仙台藩領で話されていた言葉をもとにした「仙台弁」が使われています。よその土地から来た人が戸惑いやすいのが いずい(しっくりこない・違和感がある)。服のタグが当たる感じも、目に何か入った感じも、ぜんぶ「いずい」で表せます。
同意するときの だから(そうですよね!)も独特です。接続詞ではなく、強くうなずく相づちとして使われます。ほかにも なげる(捨てる)、しばれる(とても寒い)、こわい(疲れた・だるい)など、標準語と形が同じでも意味が違う言葉があるので、知っておくと会話が弾みますよ。
海とともにある食卓
松島の食卓は、やっぱり海が主役です。冬になれば牡蠣、夏になれば穴子。殻付きの牡蠣を蒸し焼きにしたり、とれたての穴子を丼にしたり、季節がそのまま皿の上にのぼってきます。観光客でにぎわう海沿いと、静かな漁港の暮らしが背中合わせにあるのも、この町らしい風景です。
観光地に暮らすということ
日本三景の真ん中で暮らすというのは、毎日の通り道に名所がある、ということでもあります。朝は穏やかな湾、夕方は島影のシルエット。四季がはっきりしていて、春は梅や桜、秋は紅葉が寺社の景観に彩りを添えます。観光と漁業、そして信仰が同じ町の中で静かに共存しているんですよね。
松島町の特産品・食

松島の牡蠣
松島湾の牡蠣は、小ぶりながら身に旨味がぎゅっと詰まっているのが特徴です。旬は10月から3月。生で、焼いて、フライで、かんかん焼きで──食べ方を選ばないのが嬉しいところです。松島湾での牡蠣養殖は約300年前に始まり、カキ棚を使う今の方法は大正15年(1926年)ごろから広まりました。宮城県の牡蠣生産量は、広島県に次いで全国2位です(出典:松島町公式サイト)。
松島の穴子(マアナゴ)
牡蠣と並ぶもう一つの名物が穴子です。餌となる小魚が多く、泥地の多い松島湾は穴子にとって絶好の住処で、小ぶりながら旨味の濃い身が育ちます。旬は脂がのる7月から9月ごろ。甘めのタレで煮上げた「あなご丼」は、夏の松島を代表する一杯です。地元では昔から穴子を「ハモ」と呼ぶ習わしも残っています。ふっくらやわらかな食感を、ぜひ現地で味わってみてください。
松島こうれん
甘いものなら、銘菓「松島こうれん」がおすすめです。宮城県産ササニシキを原料に、砂糖と塩だけで一枚ずつ手焼きした無添加の煎餅で、ほのかな甘みと香ばしさが上品なんですよ。製法は鎌倉時代末期から一子相伝で受け継がれ、現在の紅蓮屋心月庵で23代目とされます。2013年には観光庁主催の「世界にも通用する究極のお土産」に認定されました(出典:紅蓮屋心月庵(松島こうれん)公式サイト)。お茶うけにも、旅の土産にもぴったりです。
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松島町の観光スポット

序盤で触れた日本三景・松島湾、国宝・瑞巌寺、五大堂。ここからは、その一つひとつを「どう楽しむか」まで踏み込んで紹介します。松島町の見どころは松島海岸駅の周辺に固まっているので、歩いて回れるのが嬉しいところ。まずは寺社、次に海辺、最後に海上と新名所、という順で見ていきましょう。
寺社と伊達文化を巡るスポット
- 瑞巌寺 – 伊達政宗が再興した禅寺で、本堂と庫裏が国宝です。拝観料は大人1,000円・子供500円、開門は8時30分(閉門は月により15時30分〜17時、最終受付は30分前)、所要時間の目安は30〜40分です(出典:瑞巌寺公式サイト)。金箔で彩られた本堂内部の襖絵は、桃山文化の豪華さをそのまま閉じ込めたよう。杉並木の参道を抜けて本堂に近づくほど、空気が静かに引き締まっていきます。
- 五大堂 – 政宗が1604年に建てた、東北地方に現存する最古の桃山建築で、国の重要文化財です。安置された五大明王は33年に一度だけ開帳される秘仏で、次回は2039年の予定です(出典:瑞巌寺公式サイト)。海に突き出した小島へは、足元の隙間から下が見える「すかし橋」を渡ります。橋を渡りきって振り返ると、松島湾がぐるりと広がりますよ。
- 円通院 – 政宗の孫・光宗の菩提寺で、霊廟「三慧殿」は国の重要文化財です。拝観時間は4〜11月が9時〜16時、12〜3月が9時〜15時30分で、年中無休です(出典:円通院公式サイト)。天然石やガラスで自分だけの数珠を作る体験(有料)が人気で、苔と紅葉の庭は「コケ寺」とも呼ばれます。秋の夜のライトアップは特に幻想的なんですよ。
- 観瀾亭・松島博物館 – 政宗が豊臣秀吉から譲り受けた伏見桃山城の建物を移したと伝わり、「月見御殿」とも呼ばれます。御座の間の障壁画は国の重要文化財。開館は8時30分〜17時、拝観料は観瀾亭・松島博物館あわせて大人200円です(出典:松島観光ナビ)。縁側に座って抹茶とお菓子(別料金)をいただきながら松島湾を眺める時間は、ちょっとした殿様気分です。
松島湾の絶景を歩く・渡る
- 福浦島 – 全長252メートルの朱塗りの橋「福浦橋」で陸とつながる自然公園の島で、渡るには渡橋料がかかります(出典:松島観光協会)。橋は別名「出会い橋」。島内には遊歩道がめぐり、奥に進むほど人が減って、静かに松島湾を独り占めできます。歩いて一周すると、外から見るより島の多さに驚くはずです。
- 雄島 – 朱塗りの渡月橋を渡った先にある小島で、かつて僧侶が修行した霊場です。今も約50の岩窟が残り、松尾芭蕉も訪れた歴史の深い場所。観光地のにぎわいから少し離れて、海と岩と松だけの静けさに浸れます。朝いちばんに訪れると、空気がいっそう澄んでいますよ。
- 西行戻しの松公園 – 松島湾を一望する高台の公園で、桜の名所として知られています。春にはソメイヨシノ越しに島々と海が見渡せ、写真を撮る人で賑わいます。海面に光が散る午前中や、夕暮れの時間帯がとくにおすすめです。
海から松島を楽しむ・伊達文化と新名所
- 松島島巡り観光船 – 人気の「仁王丸コース」は松島湾を約50分かけて一周します。通常料金は大人1,500円、9時から16時まで毎時運航(冬季は15時が最終)です(出典:松島島巡り観光船公式サイト)。鐘島や仁王島など、陸からは見えない奇岩を間近で案内してくれます。湾内には複数の遊覧船会社があり、2階のデッキに出れば潮風がいちばん気持ちいいんですよ。
- みちのく伊達政宗歴史館 – 等身大のろう人形200体あまりで、政宗の生涯を25の名場面で再現した歴史館です。東北が生んだ偉人45名の人形も並びます(出典:松島観光協会)。五大堂のすぐ向かいなので、海辺の散策とあわせて立ち寄りやすい場所です。雨の日でもしっかり楽しめます。
- 藤田喬平ガラス美術館 – 文化勲章を受章したガラス工芸家・藤田喬平の作品を展示する美術館で、約7千坪の水上庭園が広がります。季節替わりの企画展示室と庭園は無料で楽しめます(出典:松島観光協会)。海とガラスが溶け合うような景色は、松島でも指折りのフォトスポットです。
- 宮城県松島離宮 – かつての水族館跡地に2020年に開業した観光複合施設で、屋上庭園からは松島湾を見晴らせます。秋には紅葉のライトアップも行われ、夜の松島に新しい楽しみを加えています。海岸沿いの散策の締めくくりに立ち寄るのにちょうどいい場所です。
松島町の観光ルート

見どころが駅周辺に集まっている松島町は、電車でも車でも回りやすいのが強みです。徒歩中心の王道コース、車でサクッと巡る半日コース、そして隣町まで足を延ばす広域コースの3つを用意しました。自分の旅のスタイルに合うものを選んでみてください。
【鉄道+徒歩・1日】松島海岸 王道さんぽルート
9:00 松島海岸駅 → 9:05 五大堂 → 9:40 瑞巌寺 → 10:40 円通院 → 11:30 観光船で島巡り → 12:30 昼食(あなご丼・牡蠣)→ 14:00 福浦島 → 15:30 観瀾亭
①五大堂(30分)→ すかし橋を渡って海上のお堂へ。朝は人が少なく、写真がきれいに撮れます。
②瑞巌寺(60分)→ 国宝の本堂をじっくり。杉並木の参道は午前の光が差し込む時間帯が清々しいです。
③松島島巡り観光船(50分)→ 昼前の便で湾内をひと巡り。海から眺める島々は、陸とはまったく違う表情を見せてくれます。
④福浦島(90分)→ 昼食後の腹ごなしに島内さんぽ。午後の斜めの光が湾を照らし、のんびり過ごせます。
【車・半日】伊達文化ぎゅっとルート
13:00 松島海岸IC → 13:15 五大堂・瑞巌寺 → 14:30 みちのく伊達政宗歴史館 → 15:30 藤田喬平ガラス美術館
①瑞巌寺(60分)→ 政宗が再興した国宝の禅寺へ。半日でも見ごたえは十分です。
②みちのく伊達政宗歴史館(40分)→ ろう人形で政宗の生涯をたどると、瑞巌寺の見方が変わります。
③藤田喬平ガラス美術館(60分)→ 水上庭園から松島湾を眺めて締めくくり。夕方の光がガラスに映えます。
【車・1日】広域ルート:松島と塩竈の海の街めぐり
9:00 松島海岸 → 9:30 五大堂・瑞巌寺 → 11:30 観光船で松島湾 → 13:00 塩竈市へ移動(車約25分)→ 13:30 昼食(塩竈の寿司)→ 14:30 鹽竈神社
①松島の中心で寺社と海をひと通り楽しんだら、湾を回り込んで隣の塩竈市へ。同じ松島湾を別の角度から味わえます。
②塩竈は全国有数の生鮮マグロ水揚げ港で、寿司の街として知られています。昼は迷わず海の幸を。
③高台に建つ鹽竈神社へ。長い石段を上りきると、塩竈の街と海が一望できます。松島とはまた違う、港町の信仰の空気が漂います。
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松島町の年間イベント

松島町の年間行事は、海と寺と季節の味が主役です。夏は灯籠と花火、秋は俳句と紅葉、冬は牡蠣。日本三景という景色の上に、その季節ならではの彩りが重なります。代表的なものを季節ごとに紹介していきますね。
夏:松島流灯会 海の盆
夏にぜひ訪れてほしいのが、毎年お盆の時期(8月)に開かれる「松島流灯会 海の盆」です。東日本大震災のあった2011年に、鎮魂と供養の思いから始まったお祭りで、灯籠流し・盆踊り・供養花火が中心になります(出典:松島観光協会)。瑞巌寺の参道には灯籠が並び、海上に上がる花火が湾の水面に映る光景は、にぎやかさと厳かさが同居していて胸に残ります。夏には「松島名物あなご丼キャンペーン」も例年行われ、町内の店で旬の穴子料理を食べ歩けます(出典:松島観光協会)。
秋:松島芭蕉祭と観瀾亭の月見
秋は、文学と月の季節です。例年11月には「松島芭蕉祭並びに全国俳句大会」が開かれ、瑞巌寺本堂で松尾芭蕉の法要を行い、全国から寄せられた俳句が選ばれます(出典:松島観光協会)。芭蕉が絶景に息をのんだ地で俳句に浸る、松島らしい一日です。中秋の名月の頃には観瀾亭で月見の催しもあり、歴代藩主が愛した「月見御殿」で名月を眺められます。
冬:牡蠣のまつり
冬は、なんといっても牡蠣です。例年2月には松島海岸で「松島かき祭り」が開かれ、焼き牡蠣や牡蠣鍋を求めて多くの人でにぎわいます(出典:松島観光協会)。また、晩秋には磯崎地区の磯島で「松島大漁かきまつりin磯島」も開かれています(出典:宮城県観光連盟)。冷たい潮風のなかで頬張る、湯気の立つ焼き牡蠣は格別ですよ。年末年始には瑞巌寺の除夜の鐘や、松島湾から昇る初日の出も見どころです。
松島町のエリア別の顔

ひと口に松島町といっても、観光客でにぎわう海岸沿いから、静かな漁港、北部の田園地帯まで、表情はさまざまです。旅する視点で町をざっくり4つのエリアに分けると、どこを目的に行くかが選びやすくなります。それぞれの「顔」を見ていきましょう。
松島海岸エリア──観光の中心、寺社と海の玄関口
松島海岸駅を中心としたこのエリアが、観光のいちばんの舞台です。五大堂、瑞巌寺、円通院、観光船乗り場、土産物店や食事処が徒歩圏に集まっています。日中は国内外の旅行者でにぎわい、潮の香りと焼き牡蠣の匂いが漂います。はじめて松島を訪れるなら、まずここを目指すのがおすすめです。
高城エリア──町の暮らしと行政の中心
高城町駅の周辺は、町役場や住宅、商店が集まる生活の中心地です。観光地のにぎわいとは少し離れ、地元の人の日常が流れています。観光の合間に立ち寄ると、松島の「暮らしの顔」がのぞけます。落ち着いて町の空気を感じたい人に向いたエリアです。
手樽・磯崎エリア──牡蠣の漁港と静かな入り江
松島湾の入り江沿いに広がる手樽・磯崎は、牡蠣養殖の現場が見られる漁業のエリアです。海にはカキ棚が並び、冬には牡蠣のまつりでにぎわう磯島もここにあります。観光地化されすぎていない分、働く海のリアルな風景に出会えます。海の幸の産地を肌で感じたい人にぴったりです。
品井沼エリア──北部の田園と干拓の歴史
町の北部、品井沼駅のあたりは、海辺とは対照的な田園地帯です。かつての沼を干拓して農地を広げた歴史があり、明治潜穴公園など治水の遺構が残ります。観光客の少ない静かな散策が楽しめるエリアで、松島のもう一つの顔として、歴史散歩が好きな人におすすめです。
松島町の気候・季節の暮らし

松島町は太平洋に面した宮城県中部にあり、海洋性の比較的おだやかな気候です。松島に最も近い観測地点のひとつ、仙台の平年値(1991〜2020年)では、年平均気温は12.8℃、年間降水量は1276.7mmです(出典:気象庁)。奥羽山脈が雪雲をさえぎるため、東北のなかでは雪が少ない地域なんですよ。
夏──6月〜8月の暮らし
いちばん暑い8月でも平均気温は24.4℃ほどで、内陸の盆地のような厳しい猛暑にはなりにくい地域です(出典:気象庁)。とはいえ湿度は高く、海沿いは蒸し暑さを感じます。夕方、湾から吹く風がふっと涼しく、海辺の町らしい夏なんですよね。
秋──9月〜11月の暮らし
秋は一年でいちばん過ごしやすい季節です。9月は台風や秋雨で雨が多めですが、10月後半からは空気が澄み、円通院や瑞巌寺周辺の紅葉が見頃を迎えます。朝晩は冷え込み始めるので、上着が一枚ほしくなる時期です。
冬──12月〜2月の暮らし
冬は1月の平均気温が2.0℃ほどで、一日中氷点下という真冬日はほとんどありません(出典:気象庁)。雪は少なく、晴れて乾いた風が吹く日が多いのが太平洋側の冬の特徴です。雪かきに追われる地域に比べると、冬の暮らしはずいぶん楽だと感じられるはずです。
春──3月〜5月の暮らし
春は西行戻しの松公園の桜が湾を見下ろすように咲き、町がいちばん華やぐ季節です。風の強い日もありますが、日中はぽかぽかと暖かく、散策が気持ちいい時期。新生活を始めるにも穏やかな気候です。
松島町の移住・暮らし情報

日本三景の観光地というイメージが強い松島町ですが、暮らしの面では「仙台に近い住宅地」という顔を持っています。通勤圏でありながら海と歴史が身近にある町。ここからは、住む視点で生活の実際を見ていきましょう。
通勤・通学
仙台市への通勤・通学圏で、仙台駅まではJR東北本線で約25分(松島駅)、JR仙石線で約40分(松島海岸駅)です(出典:みやぎ移住・交流ガイド(宮城県))。2路線7駅があり、車なら宮城県道8号で仙台まで約45分。日常的に仙台へ通う人が多いエリアです。
住宅環境
賃貸はファミリー向けの物件が中心で、1LDKでおよそ5万円前後、2DKで4万円前後が目安です(出典:LIFULL HOME’S)。マイホーム取得には、住宅取得費の一部を補助する制度があり、町外からの転入かつ町内業者の利用などの条件で最大100万円が交付されます(出典:みやぎ移住・交流ガイド(宮城県))。
買い物環境
町内にはチェーンのスーパーやホームセンター、郵便局などがそろい、日常の買い物は町内で完結します。車で20〜30分の周辺市町まで足を延ばせば、大型ショッピングセンターや映画館もあります(出典:みやぎ移住・交流ガイド(宮城県))。ふだん使いと休日の買い物を使い分けられる環境です。
子育て・教育
町内には小学校が3校、中学校が1校、保育施設が2所あります(2026年4月時点)(出典:みやぎ移住・交流ガイド(宮城県))。子どもの医療費は18歳まで通院・入院とも助成され、入学祝金や出産支援給付金、ファミリーサポートなどの制度も整っています。小学5年生から中学3年生が外国人観光客を案内する「松島こども英語ガイド」など、観光地ならではの学びもあるんですよ。
医療環境
町内には病院が1院、一般診療所が7所あります(2026年4月時点)(出典:みやぎ移住・交流ガイド(宮城県))。日常的なかかりつけは町内でまかなえ、専門的な医療が必要なときも、電車や車で30分ほどの仙台市に大きな病院がそろっています。いざというときの安心感は大きいですよね。
エリア別の暮らし視点
中盤では旅する視点でエリアを紹介しましたが、住む視点で見ると印象が変わります。観光の中心である松島海岸エリアはにぎわいがある一方、生活の拠点としては高城エリアが便利で、役場や商店、駅が近く暮らしやすい場所です。手樽・磯崎エリアは静かな漁港の暮らし、北部の品井沼エリアは田園が広がり、ゆったり広めの住まいを探す人に向いています。
松島町へのアクセス

松島町は、仙台を起点にすると非常にアクセスしやすい町です。鉄道は2路線が通り、高速道路のインターチェンジも近く、仙台空港からも乗り継ぎがスムーズ。主要な行き方を交通手段ごとに整理します。
車でのアクセス
三陸自動車道の松島海岸ICが観光の玄関口で、町の中心部まで約10分です(出典:みやぎ移住・交流ガイド(宮城県))。仙台市内からは宮城県道8号(仙台松島線)で約45分。東京方面からは東北自動車道から三陸自動車道へ乗り継ぐルートになります。北部には松島北IC・松島大郷ICもあり、目的地によって使い分けると便利です。
鉄道+バスでのアクセス
東京方面からは、東北新幹線で東京駅から仙台駅まで約1時間30分。そこからJR仙石線に乗り換えて松島海岸駅まで約40分(運賃は片道420円ほど)、またはJR東北本線・仙石東北ラインで松島駅まで約25分です。観光の中心に近いのは松島海岸駅なので、はじめての方はこちらが便利ですよ。町内の移動には、4路線を走る町民バス(1回乗車一般200円、小中学生100円、70歳以上無料)も使えます(出典:みやぎ移住・交流ガイド(宮城県))。
飛行機でのアクセス
遠方からは仙台空港が玄関口です。仙台空港アクセス線で仙台駅まで約25分、そこからJR仙石線に乗り換えれば松島海岸駅まで一本で行けます。空港から乗り換え1回で松島まで着けるので、関西や九州方面からのアクセスもしやすいんですよね。
町内移動の現実的アドバイス
観光だけなら松島海岸駅周辺は徒歩で十分回れますが、暮らしや広域の移動では車があると安心です。鉄道は2路線7駅と便利な一方、本数は都市部ほど多くありません。時間に余裕を持って動くか、町民バスや車をうまく組み合わせるのがおすすめです。
交通手段ごとに見てきましたが、「結局いちばん安く行くにはどうすれば?」と迷う方も多いはず。飛行機で向かうなら、航空券は予約のタイミングや会社によって料金が大きく変わります。複数の航空会社・LCCをまとめて比較できるサイトで、いちど最安値をチェックしておくと安心ですよ。
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【地元住民に直撃!】松島町の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。
松島湾で牡蠣の養殖をやっています。この湾はもう三百年も牡蠣を育ててきた漁場で、栗駒の山から流れ込む栄養が小ぶりでも旨味の濃い身を作ってくれるんです。
冬場の朝はとにかく早くて寒いですけど、自分でむいた牡蠣を直売所で観光客に手渡せる瞬間は、やっぱりこの仕事をやっててよかったなと思いますね。
Q2.松島町に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?
まずは王道ですけど、海に突き出した五大堂と国宝の瑞巌寺は外せません。すかし橋を渡って振り返ると、湾がぐるっと広がって、何度見てもいい眺めですよ。
地元の人間としては西行戻しの松公園を推したいですね。高台から松島湾を一望できて、観光客でごった返す海岸沿いとは違う、静かで風の通る空気がある。朝いちばんが特にいいです。
Q3.松島町でお土産を買うとしたらなんですか?
定番はやっぱり牡蠣ですね。冬なら殻付き、通年なら加工品もあるので、松島の海の味をそのまま持ち帰ってもらえます。夏は穴子もいい土産になります。
あと地元で長く愛されているのが、米を使った昔ながらの手焼き煎餅の銘菓です。砂糖と塩だけの素朴な味で、お茶うけにちょうどいい。知る人ぞ知る、という感じで喜ばれますよ。
Q4.外から人が来たときに、松島町でまず連れていく店はどこですか?
まずは海沿いの食事処ですね。焼き牡蠣や生牡蠣、それに穴子丼。湾を眺めながら、湯気の立つ牡蠣を頬張ってもらうのが一番手っ取り早い「松島の説明」になります。
あとは島巡りの遊覧船にも乗せます。陸からじゃ見えない奇岩や、人の住む島の間を抜けていく景色は、海の上からじゃないと味わえないので。
Q5.松島町はどんな気質だと思いますか?
昔から全国の旅人を迎えてきた土地なので、よそから来た人にも構えず、わりと自然に接する気質だと思います。観光地慣れしている、というか。
その一方で、漁師は漁師で身内意識が強くて、海のことになると一気に職人気質になりますね。普段は穏やかなんですけど、湾を守ることには真剣な人が多いです。
Q6.昔に比べて、松島町の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?
震災のときは湾の島々が津波の力を和らげてくれて、周りに比べれば被害は軽く済んだ方でした。それでも養殖の棚や船はやられて、辞めていった漁師仲間も少なくないんです。
正直、町全体で人は減ってきています。ただ観光客は戻ってきていて、海辺のにぎわいは続いている。この活気をどう暮らしに繋げるかが、これからの課題だと感じますね。
Q7.松島町のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?
大きな箱物というより、湾そのものをきれいに保つ取り組みに期待しています。ヘドロの浚渫や森を育てる活動が続いていて、海の透明度はずいぶん戻ってきました。海がよくなれば牡蠣も穴子も育つので。
あとは子どもたちが観光客を英語で案内する取り組みも続いていて、ああいう形で町の良さを次の世代が語れるようになるのは、頼もしいなと思っています。

