亘理町(わたりちょう)は、宮城県南部・亘理郡に位置する人口31,948人の町です。仙台市から南へ約26km、東は太平洋に面し、北を阿武隈川が流れています。
亘理町の魅力を5つに凝縮すると、こうなります:
- ✅ 東北一のいちご産地──宮城オリジナル品種「もういっこ」を中心に「仙台いちご」を出荷
- ✅ はらこめし発祥の地──秋鮭とイクラの郷土料理、10月8日は「はらこめしの日」
- ✅ 亘理伊達氏の城下町──伊達政宗の重臣・伊達成実が初代城主を務めた地
- ✅ 汽水湖鳥の海と、温泉「わたり温泉鳥の海」が並ぶ沿岸エリア
- ✅ 「東北の湘南」と呼ばれる温暖な気候──冬でも晴天率が高く雪が少ない
「いちご狩りや海の幸を楽しみたい旅行者」「歴史や城下町の風情にひかれる人」「温暖で暮らしやすい移住先を探している人」に向いた町です。序盤では推しポイントと歴史を、中盤以降で文化・風習や特産品・食を、地元目線で掘り下げて紹介します。
| 人口 | 31,948 人 ※2026年5月1日時点(推計人口) |
|---|---|
| 面積 | 73.55 km² |
| 人口密度 | 434 人/km² |
地理的には、北は阿武隈川を隔てて岩沼市、西は角田市、南は山元町に接し、東は太平洋に面しています(出典:山元町公式サイト)。西の角田市との境にある四方山(しほうざん)は、角田市・亘理町・山元町の3市町にまたがる山です。
仙台空港からは県道塩釜亘理線で約20分、JR常磐線の亘理駅は仙台駅から約30分(出典:亘理町公式サイト)。海と川と里山がそろう小さな町に、「東北一」や「発祥の地」と呼ばれる要素が詰まっています。ひとつずつ見ていきましょう。
亘理町の推しポイント

温暖な気候を生かしたいちご栽培、秋鮭の郷土料理はらこめし、伊達一門が築いた城下町、そして汽水湖・鳥の海。亘理町の見どころは「食」「歴史」「自然」にまたがります。ここからは、その代表格を4つに分けて紹介します。どれも町の名前と結びついた、この土地ならではの顔ばかりです。
推しポイント1:東北一のいちご産地
亘理町は隣の山元町とともに、東北一のいちごの産地として知られています(出典:JAみやぎ亘理)。主役は宮城県オリジナル品種「もういっこ」。多くが「仙台いちご」の名で出荷され、ハウスでのいちご狩りは例年1月中旬から5月頃まで楽しめます(出典:亘理町観光協会)。
推しポイント2:はらこめし発祥の地
秋鮭の身とイクラ(はらこ)を炊き込みご飯にのせた「はらこめし」は、町内の荒浜地区が発祥とされる郷土料理です。2007年には農林水産省の「農山漁村の郷土料理百選」に選ばれ、10月8日は「はらこめしの日」として記念日に認定されています(出典:亘理町公式サイト)。秋になると名店には行列ができるんですよ。
推しポイント3:亘理伊達氏の城下町
慶長7年(1602年)、伊達政宗の重臣・伊達成実が亘理城主となり、以後、亘理町は亘理伊達氏の城下町として発展しました(出典:亘理町公式サイト)。亘理城跡には現在、亘理神社が建ち、町なかには城下町の名残が点在しています。歴史好きならゆっくり歩いてみたい一帯です。
推しポイント4:汽水湖・鳥の海と温泉
沿岸部にある鳥の海は、海とつながる汽水湖。湖畔には「わたり温泉鳥の海」があり、露天風呂からは海を望めます。湖の南東に広がる吉田浜では、国内でも最大級とされる長さおよそ3kmの「鳴き砂」が確認されています。歩くと砂が鳴る、ちょっと不思議な体験ができる浜辺なんです。
亘理町の歴史

亘理町の歴史は、古代に「曰理(わたり)」の名で記録に登場するほど古いものです。中世には亘理氏が、近世には亘理伊達氏が治める城下町として発展しました。明治には北海道開拓の出発地ともなり、近代以降は仙台都市圏の一角として歩んできました。時代ごとに見ていきます。
古代〜中世──「わたり」の起こり
養老2年(718年)、『続日本紀』に「曰理郡」の名が記され、これが文献上での亘理の初見です。地名は、阿武隈川を「渡る地」に由来するといわれています(出典:亘理町公式サイト)。建久元年(1190年)には武石胤盛が源頼朝から亘理郡を与えられ、その子孫が亘理氏を名乗りました。
近世──亘理伊達氏の城下町
慶長7年(1602年)、伊達成実が亘理城主となりました。成実は町割りや新田開発を進め、現在の亘理の基礎を築いた人物です。以後、亘理伊達氏の城下町として栄えました。明治3年(1870年)には第14代当主・伊達邦成が家臣団を率い、北海道有珠郡(現在の北海道伊達市一帯)への移住を開始しています。
近代〜現代──合併と震災からの復興
昭和30年(1955年)2月、旧亘理町・荒浜町・吉田村・逢隈村が合併し、現在の亘理町が誕生しました(出典:亘理町公式サイト)。2011年の東日本大震災では大津波により町域の約47%が浸水し、沿岸の荒浜・吉田浜などが甚大な被害を受けました。その後、いちご団地の整備などにより、町は一歩ずつ復興を進めています。
亘理町の文化・風習

方言と話し方の特徴
亘理町で話されるのは、宮城県南部の言葉(仙南方言)です。県内で最も説明が難しいといわれるのがいずい(しっくりこない・違和感がある)。靴に小石が入ったときも、服のタグが首にあたるときも「なんかいずい」で済んでしまうんですよ。
会話でよく出るのがだから(だからね)(そうだよね、という強い同意)。標準語の接続詞とは違い、相づちとして使われます。ほかにもなげる(捨てる)、うるかす(米などを水に浸す)、いぎなり(とても・すごく)など、知らないと戸惑う言葉が日常に溶け込んでいます。夜のあいさつおばんです(こんばんは)も覚えておくと便利です。
食卓と季節の暮らし
海・川・里山がそろう亘理町の食卓は、季節ごとに表情を変えます。春はあさり飯、夏はしゃこ飯、秋ははらこ飯、冬はほっき飯と、旬の魚介がご飯ものになって並びます。冬から春にかけては、もぎたてのいちごが食卓にのる家庭も多く、季節の移り変わりがそのまま献立になる町なんです。
人の気質と地域のつながり
はらこめしは秋祭りや誕生会などの祝いの席で振る舞われ、姑から嫁へと家庭ごとの味が受け継がれてきました。「おらいのが一番うまい」と地元の人が笑うように、それぞれの家の味を大切にする土地柄です。みなさんも訪れたら、お店ごとの味比べをしてみてください。
亘理町の特産品・食

特産品1:いちご(もういっこ・とちおとめ)
亘理町は山元町とともに東北一のいちご産地です(出典:JAみやぎ亘理)。看板品種「もういっこ」は宮城県のオリジナル品種で、大粒なのにすっきりした甘さが魅力。旬はおよそ12月〜5月で、ハウスでのいちご狩りは例年1月中旬から始まります。温暖で雪が少ない気候が、この一大産地を支えています。摘みたてを口に運ぶと、香りの強さに驚きますよ。
特産品2:はらこめし
秋鮭の煮汁で炊いたご飯に、鮭の切り身とイクラをのせた「はらこめし」。9月初旬から味わえる、町を代表する郷土料理です。煮汁を継ぎ足して旨みを重ねるのが、亘理ならではの手仕事なんです(出典:亘理町公式サイト)。荒浜地区が発祥とされ、秋には県内外から食べ歩きに訪れる人でにぎわいます。
特産品3:季節の「○○飯」(あさり・しゃこ・ほっき)
はらこめしだけではありません。年間を通して多くの魚介が水揚げされる荒浜では、春のあさり飯、夏のしゃこ飯、冬のほっき飯と、季節ごとの炊き込みご飯が楽しめます。どれも鮮度が命。旅の時期に合わせて「今日は何飯が食べられるかな」と探すのも、亘理ならではの楽しみ方です。
特産品4:仙台いちごとしてのブランド
亘理・山元産のいちごの多くは「仙台いちご」の名で出荷されます。宮城県は東北一のいちご生産量を誇り、「仙台いちご」は地域団体商標にも登録されています(出典:JA全農みやぎ)。生食はもちろん、ジャムやスイーツなどの加工品も増えていて、お土産選びにも困りません。
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亘理町の観光スポット

序盤で触れた城下町・いちご・はらこめし・鳥の海。亘理町の見どころは、駅前にぎゅっと集まる歴史スポットと、沿岸に広がる海・温泉エリアの2つに大きく分かれます。鉄道でも車でも回りやすいので、まずは押さえておきたい場所をカテゴリ別に紹介していきますね。
歴史と城下町をたどるスポット
- 悠里館(亘理町立郷土資料館) – JR亘理駅の東側に建つ、お城のような外観の文化施設。1階の郷土資料館は開館時間が9:00〜16:30(入館は16:00まで)で、月曜・最終金曜・祝日・年末年始が休館です(出典:亘理町立郷土資料館)。伊達成実関連の展示が充実していて、兜の前立に毛虫をあしらった逸話など、ここでしか出会えない発見があるんですよ。5階の展望ホールからは太平洋と蔵王連峰を一望できます。
- 亘理神社(亘理城跡・臥牛城) – 亘理伊達氏の初代・伊達成実を祀る神社で、亘理要害(亘理城)の跡に建っています(出典:亘理町観光協会)。「臥牛城」の名は、牛が伏せた形に似た地形に由来します。境内の石碑には成実の一代記が漢文で刻まれていて、武将の生涯を静かに偲べる場所です。
- 大雄寺(亘理伊達家御廟所) – 成実が御廟所を定めて以降、北海道へ渡った第14代邦成までの歴代領主と夫人が眠る寺院。県指定文化財の「成実廟」も残されています(出典:亘理町観光協会)。城下町の歴史をたどるなら、亘理神社とあわせて訪ねたい一角です。
- 三十三間堂官衙遺跡 – 平安時代前半の陸奥国亘理郡衙(郡の役所)跡で、1992年に国の史跡に指定されています(出典:亘理町公式サイト)。JR逢隈駅の西側、丘の上に広がる約12万㎡の敷地は、北側が役人の執務エリア、南側が米を納めた倉庫群に分かれていました。古代の地方行政の姿を体感できる、静かな散策スポットです。
海と温泉を楽しむスポット
- 鳥の海 – 海とつながる汽水湖で、亘理町の沿岸を象徴する景色。湖面に橋が延び、潮の香りと水鳥の気配に包まれます。朝夕の光が水面に映る時間帯は特に静かで、のんびり過ごすのにぴったりなんですよ。
- わたり温泉鳥の海 – 鳥の海のほとりに建つ、町で唯一の天然温泉施設。5階の展望風呂からは東に太平洋、西に蔵王連峰を望めます。泉質は美肌の湯と言われる低張性弱アルカリの塩化物泉で、日帰り入浴は750円です(出典:わたり温泉鳥の海公式サイト)。東日本大震災の津波被害を経て再開した、復興の象徴でもあります。夕暮れの露天風呂は格別ですよ。
- 吉田浜(鳴き砂) – 鳥の海の南東に広がる砂浜で、歩くと砂がキュッと鳴る「鳴き砂」が確認されています。その範囲は国内でも最大級とされる長さおよそ3km。波音と砂の音が重なる、ちょっと不思議な体験ができる浜辺です。
- 鳥の海ふれあい市場 – 荒浜地区にある直売所で、新鮮な魚介や地元のいちご、いちごを使った加工品が並びます。海を見ながら買い物ができて、お土産探しにも便利。旬の食材がそのまま手に入るのが嬉しいところです。
いちごと味覚を味わうスポット
- 観光いちご園 – 「JAみやぎ亘理吉田観光いちご園」は例年1月中旬から、「いちごランドこうちゃん園」は3月から始まり、5月下旬頃までいちご狩りを楽しめます(出典:亘理町公式サイト)。大粒の「もういっこ」や「とちおとめ」を、お腹いっぱいになるまで味わえるのが魅力。摘みたての香りの強さに、きっと驚きますよ。
- 荒浜のはらこめし店 – はらこめし発祥の地・荒浜地区には、家庭の味を守る名店が点在します。9月初旬から味わえる秋鮭とイクラのご飯は、店ごとに味付けが違うのが面白いところ。週末には行列ができる店もあるので、食べ比べを目当てに訪れる人も多いんです。
亘理町の観光ルート

駅前の城下町から沿岸の海・温泉まで、亘理町はコンパクトに見どころがまとまっています。半日でも回れますし、いちご狩りや隣町まで足を延ばせば1日たっぷり楽しめます。車を中心に、組みやすいモデルルートを3つ用意しました。
【車・1日】城下町と海をめぐる亘理満喫ルート
9:30 亘理駅・悠里館 → 10:30 亘理神社 → 11:00 大雄寺 → 12:00 荒浜(昼食・はらこめし) → 14:00 鳥の海・吉田浜 → 15:30 わたり温泉鳥の海
①悠里館(60分)→ まずは郷土資料館で亘理伊達家の歴史を頭に入れておくと、このあとの城下町めぐりが何倍も面白くなります。
②亘理神社・大雄寺(90分)→ 城下町を歩いて、成実ゆかりの神社と御廟所へ。歴史好きなら時間を忘れて見入ってしまうはずです。
③荒浜ではらこめし(60分)→ お昼は発祥の地で本場の味を。秋なら旬のはらこめしが狙い目です。
④鳥の海・吉田浜(90分)→ 午後は海へ。鳴き砂を踏んで、汽水湖の静かな景色を楽しみましょう。
⑤わたり温泉鳥の海(90分)→ 締めは展望風呂。夕暮れの太平洋を眺めながら一日の疲れを流せます。
【車・半日】いちご狩りと海の幸ルート
10:00 観光いちご園 → 11:30 鳥の海ふれあい市場 → 12:30 鳥の海(散策) → 13:30 わたり温泉鳥の海
①観光いちご園(90分)→ 冬から春なら、まずはいちご狩り。完熟の「もういっこ」を心ゆくまで味わえます。
②鳥の海ふれあい市場(60分)→ 海辺の直売所で魚介やいちご加工品をお土産に。試食しながら選べます。
③鳥の海(30分)→ 湖畔をひと歩き。海と湖が出会う独特の景色を眺めてひと息つきましょう。
④わたり温泉鳥の海(90分)→ 半日コースの締めも、やっぱり温泉。短時間でも満足感の高いルートです。
【車・1日】広域ルート:宮城県南の海岸線をたどる
9:30 亘理町(鳥の海) → 11:00 岩沼市(千年希望の丘・金蛇水神社) → 13:00 名取市(昼食・閖上) → 15:00 山元町(いちご・海岸エリア)
①亘理町(90分)→ 鳥の海から海岸線の旅をスタート。震災からの復興を感じる景色が続きます。
②岩沼市(120分)→ 北へ。震災の伝承公園「千年希望の丘」や、花の神社・金蛇水神社へ立ち寄れます。
③名取市(120分)→ さらに北上し、閖上エリアで海鮮ランチを。港町の活気を味わえます。
④山元町(120分)→ 南へ戻り、いちごの里へ。亘理と並ぶいちご産地で、季節の味を楽しめます。
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亘理町の年間イベント

亘理町のイベントは「食」と「海」が主役です。春はいちご、夏は花火と山車、秋ははらこめし。季節ごとに町の名物が前面に出るので、いつ訪れても旬の楽しみがあります。ここでは季節順に主なイベントを紹介していきますね。
春:伊達なわたりまるごとフェアといちご狩り
春先にぜひ行ってみてほしいのが「伊達なわたりまるごとフェア」。例年3月に亘理町役場周辺で開かれ、いちごやほっきめしの試食、地場産品の販売、お楽しみ抽選会などでにぎわいます(出典:亘理町観光協会)。
同じ頃、観光いちご園のいちご狩りもピークを迎えます。フェアでつまんで、農園で本格的に味わう。春の亘理町は、まさにいちごづくしの季節なんですよ。
夏:わたりふるさと夏まつり
夏の主役は「わたりふるさと夏まつり」。例年8月に鳥の海公園周辺で開かれ、縁日や山車パレード、夕方の灯篭流し、そしてフィナーレの打上花火まで、一日かけて楽しめます(出典:亘理町観光協会)。
見どころは、威勢のいい「成実ばやし」と勇壮な山車の競演。鳥の海湾に流れる灯篭の光と、夜空に開く大輪の花火が重なる光景は、夏のひと晩の特別な思い出になります。
秋:荒浜漁港水産まつりとはらこめし
秋に外せないのが「荒浜漁港水産まつり」。例年10月に荒浜漁港周辺で開かれ、水揚げされたばかりの魚介の即売や、はらこめし・カニ汁の試食、鮭の重さ当てクイズなどが行われます(出典:亘理町観光協会)。会場いっぱいに広がる磯の香りが、食欲をそそりますよ。
あわせて、秋には「はらこめしDEスタンプラリー」も実施され、提供店を食べ歩きながら景品に応募できます(出典:亘理町観光協会)。本場のはらこめしをめぐる、秋ならではの楽しみ方です。
亘理町のエリア別の顔

亘理町は、昭和30年(1955年)に旧亘理町・荒浜町・吉田村・逢隈村が合併して生まれた町です(出典:亘理町公式サイト)。そのため今も、中心市街地・北部・沿岸・南部でそれぞれ違った顔を持っています。旅する視点で、4つのエリアを見ていきましょう。
亘理エリア──城下町と駅前のにぎわい
町の中心は、JR亘理駅を中心とした亘理エリア。駅前には悠里館がそびえ、亘理神社や大雄寺など城下町の名残が徒歩圏に集まっています。歴史散策や、まず町の全体像をつかみたいときに訪れるのにぴったりなエリアです。商店も県道沿いに並び、亘理郡の中心商業地となっています。
荒浜エリア──海の幸と温泉の沿岸部
中央東部の沿岸が荒浜エリア。鳥の海、わたり温泉鳥の海、鳥の海ふれあい市場が集まり、はらこめし発祥の地でもあります。海鮮を味わいたい人、温泉でゆっくりしたい人に向いた、旅のハイライトになるエリアです。漁港から漂う潮の香りが、港町らしさを感じさせてくれます。
吉田エリア──鳴き砂の浜が広がる南部
南部の吉田エリアには、国内最大級とされる鳴き砂の吉田浜が広がります。観光いちご園もこのエリアにあり、海と農がとなり合う土地柄。静かな浜辺を歩きたい人や、いちご狩りを目的に訪れる人におすすめです。のんびりとした空気が流れています。
逢隈エリア──遺跡と田園の北部
北部の逢隈エリアは、阿武隈川沿いに田園地帯が広がるのどかな地域。国史跡の三十三間堂官衙遺跡があり、古代の亘理に思いをはせられます。JR逢隈駅が玄関口で、史跡巡りや田園風景をゆっくり味わいたいときに足を運びたいエリアです。
亘理町の気候・季節の暮らし

亘理町の年平均気温は12.4℃で、年間降水量はおよそ1270mmです(出典:気象庁)。奥羽山脈や阿武隈高地が雪雲をさえぎるため、冬でも晴れる日が多く、東北の中では温暖な地域です。「東北の湘南」と呼ばれるのも納得の、暮らしやすい気候なんですよ。
夏──暑さをやわらげる海風
夏は内陸ほど蒸し暑くならず、太平洋からの海風が暑さをやわらげてくれます。とはいえ近年は真夏日もあるので、エアコンは欠かせません。海が近いぶん、夕方の風が心地よく感じられる土地です。
冬──雪が少なく晴れる日が多い
冬の亘理町は、気温が一日中0℃未満となる真冬日が年に0.7日ほどと、ほとんどありません(出典:気象庁)。降雪も少なく、雪かきに追われる地域と比べると冬の暮らしはぐっと楽です。朝晩は冷え込むので防寒は必要ですが、日中は青空が広がる日が多いんですよ。
春・秋──過ごしやすい行楽シーズン
春先は風がやや強い日もありますが、いちご狩りや桜が楽しめる気持ちのいい季節です。秋は気候が安定し、はらこめしや水産まつりなど食のイベントが続きます。屋外で過ごすなら、この春と秋がいちばん快適な時期ですね。
亘理町の移住・暮らし情報

亘理町は仙台都市圏の一角で、仙台へ通いながら海と里山に近い暮らしができる町です。家賃は仙台市内より抑えめで、子育て支援も手厚め。「とかいなか(都会田舎)」という言葉がしっくりくる、ほどよい生活環境がそろっています。
通勤・通学
JR常磐線の亘理駅から仙台駅まで、乗り換えなしで約30分。仙台へ通勤・通学する人も多く、ベッドタウンとしての顔を持っています。車なら仙台東部道路の亘理ICが使え、通勤の選択肢が複数あるのは心強いところです。
住宅環境
家賃相場は、単身向けの1LDKでおよそ5万円前後、ファミリー向けの2DK・2LDKでおよそ4〜6万円前後が中心です(出典:SUUMO)。亘理駅周辺には築浅の物件も多く、駐車場付きのアパートが標準的。車を持つ前提なら、ゆとりある住まいを見つけやすい町です。
買い物環境
亘理地区の県道10号沿いには中小の店舗が並び、亘理郡の中心商業地となっています。スーパーやロードサイド店も生活圏に揃い、日常の買い物で困ることは少ないでしょう。鳥の海ふれあい市場のような直売所で、新鮮な魚介やいちごが手に入るのも嬉しいところです。
子育て・教育
亘理町には町立小学校が6校、町立中学校が4校あり、県立の亘理高等学校も町内にあります(出典:亘理町公式サイト)。子ども医療費助成は18歳の年度末まで対象が広げられていて、入院・通院の保険診療分が助成されます(出典:亘理町公式サイト)。子育て世帯にはありがたい仕組みです。
医療環境
町内には内科や小児科などのクリニックが点在し、日常的な通院は町内でまかなえます(出典:亘理町公式サイト)。より高度な医療が必要なときは、隣接する岩沼市や名取市、仙台市の総合病院へ電車・車でアクセスできる立地です。
エリア別の暮らし視点
住むなら、駅と商業地が近い亘理エリアが利便性で一歩リード。買い物も通勤も完結しやすい中心地です。逢隈エリアは田園が広がり、家賃を抑えて広めの住まいを探したい人向き。荒浜・吉田エリアは海に近く、漁港の幸や浜辺の景色を日常に取り込みたい人に向いています。
亘理町へのアクセス

亘理町は仙台市から南へ約26kmの位置にあり、鉄道・車・空港のどれを使ってもアクセスしやすい町です。仙台空港にも近く、首都圏からも新幹線+在来線で来やすい立地。主要な行き方を交通手段ごとに紹介します。
車でのアクセス
仙台市内からは国道4号〜6号で約50分、仙台空港からは県道塩釜亘理線で約20分です(出典:亘理町公式サイト)。高速道路は仙台東部道路の亘理IC、常磐自動車道の鳥の海スマートICが利用でき、沿岸エリアへのアクセスもスムーズです。
鉄道でのアクセス
JR常磐線の亘理駅(出典:JR東日本)が玄関口です。仙台駅から亘理駅までは乗り換えなしで約30分、運賃はおよそ530円。本数も日中まずまずあるので、車がなくても仙台との行き来はしやすいですよ。
飛行機でのアクセス
最寄りは仙台空港です。仙台空港アクセス鉄道で名取駅へ出て、常磐線に乗り換えれば亘理駅まで約20分です(出典:亘理町公式サイト)。車なら空港から約20分と近く、遠方から訪れる際の起点にしやすい町です。
町内移動の現実的アドバイス
町内をしっかり回るなら、車があると便利です。鉄道の駅は亘理・逢隈・浜吉田の3駅で、海沿いの鳥の海エリアへは駅から少し距離があります。鉄道で訪れる場合は、町民乗合自動車「さざんか号」やタクシーを組み合わせると動きやすくなります。
交通手段ごとに見てきましたが、「結局いちばん安く行くにはどうすれば?」と迷う方も多いはず。飛行機で向かうなら、航空券は予約のタイミングや会社によって料金が大きく変わります。複数の航空会社・LCCをまとめて比較できるサイトで、いちど最安値をチェックしておくと安心ですよ。
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【地元住民に直撃!】亘理町の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。
いちご農家をやっています。この町は東北一のいちごの産地で、私もハウスで「もういっこ」を中心に育てています。冬から春にかけてが一番忙しい時期ですね。
朝の冷え込んだハウスに入ると、真っ赤に色づいた実が並んでいて。摘みたての香りの強さは、何年やっても飽きないんですよ。海が近くて雪が少ない土地だから、いちご作りに向いているんだと思います。
Q2.亘理町に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?
やっぱり鳥の海ですね。海とつながった汽水湖で、湖面に橋が延びていて、潮の匂いと水鳥の気配に包まれる場所です。朝や夕方の光が水面に映る時間は、本当に静かでいい。
地元の人間がよく行くのは、そのほとりの温泉です。展望風呂から太平洋と蔵王連峰が見えて、夕暮れに浸かると一日の疲れがすっと抜けていくんですよ。観光の人にも自信を持っておすすめできます。
Q3.亘理町でお土産を買うとしたらなんですか?
定番ならやっぱりいちごです。春先なら摘みたてを、それ以外の季節でもジャムやお菓子など、いちごを使った加工品がいろいろあります。直売所をのぞくと、その時期ならではの品が見つかりますよ。
地元の人間だと、秋はやっぱりはらこめし。鮭とイクラのご飯は、この土地のソウルフードなんです。あとは荒浜で揚がる魚介の加工品も、知る人ぞ知るお土産だと思います。
Q4.外から人が来たときに、亘理町でまず連れていく店はどこですか?
はらこめしを出してくれる、昔ながらの食堂に連れていきます。荒浜のあたりは発祥の地なので、店ごとに味付けが違うんですよ。鮭の甘みが口に広がる、あの感じを味わってほしくて。
店先から漂う煮汁の匂いだけで、もうお腹が鳴ってしまう。秋は人気の店に行列ができるくらいなので、少し時間に余裕を持って案内するようにしています。
Q5.亘理町はどんな気質だと思いますか?
穏やかで、面倒見のいい人が多いと思います。はらこめしも姑から嫁へと家庭の味が受け継がれてきた土地で、「うちのが一番うまい」なんて笑い合うような、そういう距離感の近さがあるんです。
城下町の歴史を大事にしながらも、よそから来た人を構えずに受け入れてくれる。海も川も里山もある町だからか、おおらかな空気が流れている気がします。
Q6.昔に比べて、亘理町の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?
正直に言うと、震災で一度大きく傷ついた町です。沿岸は壊滅的な被害を受けて、いちご農家も多くが営農をあきらめかけました。そこからの復興は、本当に一歩ずつでした。
でも、いちご団地が整って若い世代が新しい栽培に挑んだり、温泉や直売所がにぎわいを取り戻したり。失ったものは大きいけれど、前を向く力のある町だと、住んでいて感じます。
Q7.亘理町のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?
移住に力を入れているので、町の人口が少しでも増えてくれたら嬉しいです。仙台にも近くて、海と里山が身近にある暮らしは、きっと合う人には合うと思うんですよ。
あとは、やっぱりいちごをもっと多くの人に知ってほしい。春のフェアや農園でのいちご狩りに、県外からたくさん来てもらえるような流れが続いてくれたらと願っています。

