東通村(ひがしどおりむら)は、青森県下北半島の北東部にある人口5,091人の村です。太平洋と津軽海峡という2つの海に面した、本州最北東端の地です。
東通村の魅力を5つに凝縮すると、こうなります:
- ✅ 尻屋崎の寒立馬──南部馬の血を引く青森県の天然記念物。草原を自由に歩く
- ✅ 尻屋埼灯台──レンガ造で日本一高い現役灯台。2022年に国の重要文化財に
- ✅ 下北の能舞──村内14集落に伝わる国の重要無形民俗文化財
- ✅ 猿ヶ森砂丘──南北約17kmにおよぶ日本最大級の砂丘
- ✅ 東通牛と2つの海の幸──やませが育てる和牛と、ウニ・ホタテ・昆布
「灯台や馬など本州の果ての風景を見たい旅行者」「地学やジオパークに関心がある人」「和牛と海の幸を味わいたい人」に向いた村です。序盤で観光と歴史、中盤で文化と暮らし、終盤で特産と食を紹介します。
| 人口 | 5,091 人 ※2026年5月1日時点(推計人口) |
|---|---|
| 面積 | 295.32 km² |
| 人口密度 | 17.2 人/km² |
地理的には、西でむつ市と横浜町に、南で六ヶ所村に接し、北は津軽海峡、東は太平洋に開けています(出典:東通村公式サイト)。東西約20km・南北約36kmの細長い村で、面積の大部分は山林と原野です。
鉄道は通っておらず、JR大湊線下北駅やむつ市内からバス・車で向かうのが基本です。火山のような派手さはありませんが、灯台・馬・砂丘・能舞と、他では見られない要素が静かに揃っています。順に見ていきましょう。
東通村の推しポイント

東通村の見どころは、本州の北東の端という立地そのものから生まれています。尻屋崎に立つ日本一のレンガ灯台と、その足元で草をはむ寒立馬。村内に点々と受け継がれる能舞。日本最大級とされる砂丘。そして冷涼な気候が育てる和牛と海の幸。観光・歴史・文化・自然・食が、それぞれ別の顔として楽しめる村なんですよ。ここでは5つに絞って紹介します。
尻屋崎の寒立馬──雪原に立ち続ける馬
尻屋崎の草原には、寒立馬(かんだちめ)と呼ばれる馬が放牧されています。南部馬の血を引く農用馬で、青森県の天然記念物に指定されています(出典:旅東北(東通村商工観光課))。ずんぐりとした体つきで、吹雪のなかでも立ち続ける姿から名づけられました。春から秋は尻屋崎周辺、12月から3月末は越冬放牧地「アタカ」へ移されます。
尻屋埼灯台──レンガ造で日本一高い現役灯台
尻屋崎の突端に立つ白いレンガ造りの灯台が、尻屋埼灯台です。1876年(明治9年)に東北初の洋式灯台として点灯し、現役のレンガ造灯台では高さ32.8mと日本一を誇ります。2022年12月には国の重要文化財に指定されました(出典:文化遺産オンライン(文化庁))。128段のらせん階段を上ると、太平洋と津軽海峡を一望できます。
下北の能舞──14集落が守る修験の舞
村に古くから伝わる民俗芸能が「能舞(のうまい)」です。15世紀末に伝えられた山伏神楽の流れをくむ獅子神楽で、今も村内14の集落で受け継がれています。「下北の能舞」として平成元年に国の重要無形民俗文化財に指定されており、正月や祝いの席で舞われます(出典:東通村教育委員会)。
猿ヶ森砂丘──日本最大級の砂の丘
村の太平洋岸には、南北約17km・東西最大2kmにわたる猿ヶ森砂丘が広がります。鳥取砂丘とともに日本最大級と言われる砂丘で、下北ジオパークのジオサイトのひとつです(出典:下北ジオパーク)。ただし大部分は立ち入りできず、尻労地区の高台や小田野沢地区から眺めるのが基本。砂に埋もれた「猿ヶ森ヒバ埋没林」も近くにあります。
東通牛と2つの海の幸──冷涼な土地が育てる味
食の主役は、村内で一貫して育てる黒毛和種「東通牛」です(出典:東通村商工会)。きめ細かなサシと深い旨みが自慢で、毎月9のつく日には地元レストハウスで特売もあります。さらに2つの海に囲まれた約65kmの沿岸からは、ウニ・アワビ・昆布・ホタテといった海の幸が揚がります。
東通村の歴史

東通村の歩みは、藩・役場・原子力という3つの軸で語れます。江戸時代は南部藩の領域で、明治の廃藩置県を経て青森県下北郡に組み込まれました。1889年の町村制施行で東通村が生まれ、以来一度も合併せず、単独の村として続いています(出典:東通村公式サイト)。長く村役場を村外のむつ市に置いていた珍しい時期を経て、近年は原子力発電所の立地が村の財政を支えています。
近代の村のなりたち
1889年(明治22年)、前年に施行された町村制にもとづいて東通村が成立しました。集落が海岸沿いに点在し、道路も未整備だったため、村役場は隣の田名部(現在のむつ市)に置かれました。自治体の外に役場を構えること自体が全国でも極めて異例で、しかも陸続きの隣町に置く例はほとんど見られませんでした。
村内に役場が戻った日
役場が村内へ移ったのは、村制施行100周年にあたる1988年(昭和63年)でした。地理的な中心である内陸部に庁舎が建てられ、その周囲に行政施設や住宅団地の整備が進められました。長く「役場のない村」と言われた状態が、ここでようやく解消されました。
現代──原子力と村の今
村の東部・太平洋側には、東通原子力発電所が立地しています。東北電力の1号機が2005年に営業運転を始めましたが、東日本大震災のあとは停止し、現在は新しい規制基準の審査を受けています(出典:原子力規制委員会)。同じ地区では東京電力の発電所も建設が進められています。発電所の立地は安定した財源をもたらし、村は当面、周辺市町村との合併を行わない方針をとっています。
東通村の文化・風習

方言と話し方の特徴
この地域で話されるのは「下北弁(しもきたべん)」です。旧南部藩の言葉をベースにしつつ、海をはさんだ津軽や北海道との交流で独自に育った方言なんですよ。大きな特徴は、来客をもてなす丁寧な言い回しが段階的に発達していること。たとえば来さまい(いらっしゃい・どうぞお越しください)は最も丁寧な招きの言葉で、村のイベント名にも使われています。ほかにもわい(僕・俺)、フと(人)のように、独特の音やことばが今も残っています。
やませと暮らしの四季
夏でも太平洋から冷たい風「やませ」が吹くため、真夏でも涼しく、猛暑日はほとんどありません。一方で冬は雪深く、豪雪地帯に指定されています。尻屋崎へ続く道路は12月から3月末まで冬季閉鎖となり、寒立馬も越冬地へ移動します。季節がはっきりと生活のリズムを決める土地なんですよね。
海と集落のつながり
村には大小の集落が海岸沿いに点在し、漁業・農業・畜産が暮らしを支えてきました。能舞をはじめとする郷土芸能も、こうした集落ごとに受け継がれてきたものです。近年は村外から移り住んで漁業や地域おこしに取り組む若者も増えていて、「よそ者」を受け入れる空気が少しずつ広がっています。みなさんが訪ねたときも、思いのほか気さくに声をかけてもらえるかもしれません。
東通村の特産品・食

特産品1:東通牛
まず外せないのが「東通牛」。村で生まれた子牛を、村内の施設でじっくり肥育する一貫経営の黒毛和種です。きめ細かなサシととろけるような舌触りが持ち味で、冬のすき焼きにすると体の芯まで温まります。毎月9・19・29日には野牛川レストハウスで特売も行われています。生まれも育ちも村内、というのが何よりの安心感なんですよ。
特産品2:夏秋いちご
意外なことに、東通村は本州でも北東の端にあるいちご産地です。夏に吹くやませの冷涼な気候を逆手に取り、暑さに弱いいちごを夏から秋にかけて出荷する「夏秋いちご」を栽培しています。国産いちごが市場から減る時期に穫れるのが強みで、さっぱりとした酸味が楽しめます。冷たい風が、甘酸っぱい実を育てているんですよね。
特産品3:東通そば
寒冷でやせた土地でも育つそばは、昔から村の暮らしを支えてきました。つなぎを使わず村産のそば粉だけで打つ「東通十割そば」は、香りが豊かでコシが強いのが特徴です。集落ごとに出汁が違い、秋の新そばの時期には村内の各会場でそばがふるまわれます。素朴だけれど、一度食べると忘れられない味なんですよ。
特産品4:2つの海の幸
津軽海峡と太平洋に囲まれた約65kmの沿岸は、寒流と暖流がぶつかる豊かな漁場です。ウニ・アワビ・昆布・ホタテ・スルメイカなど、季節ごとに多彩な海の幸が揚がります。夏のウニ、冬のホタテと、旬を狙って訪れると食の楽しみが倍増しますよ。ブルーベリーを使ったソフトクリームなど、冷涼な気候を生かした加工品もおすすめです。
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東通村の観光スポット

東通村の観光は、北東端の尻屋崎を起点に考えると分かりやすいです。灯台と寒立馬の景色をまず押さえ、そこから太平洋岸の砂丘や埋没林、ドライブ途中の立ち寄りスポットへとつないでいく。派手なテーマパークはありませんが、「本州の果て」ならではの静かな絶景が点在しています。順に見ていきましょう。
本州の果てを感じる尻屋崎エリア
- 尻屋崎 – 下北半島の北東端に突き出た岬で、寒立馬の放牧地です。岬のゲートは4月が8:00〜15:45、5〜11月が7:00〜16:45に開放され、12月1日から3月31日までは冬季閉鎖となります(出典:旅東北(東通村商工観光課))。草原と海と灯台が一枚の絵のように並ぶ景色は、「本州最果て」という言葉がしっくりくる静けさ。風の音と馬の足音しか聞こえない朝が、いちばんおすすめですよ。
- 尻屋埼灯台 – 1876年(明治9年)点灯の、現役レンガ造では日本一高い灯台です。2022年12月に国の重要文化財に指定され、128段のらせん階段は中学生以上の参観寄付金300円でのぼれます(出典:公益社団法人 燈光会)。上りきった踊り場から望む太平洋と津軽海峡の潮目は、思わず声が出る眺めなんですよ。
砂と時間が作った自然スポット
- 猿ヶ森砂丘 – 南北約17km・東西最大2kmにおよぶ日本最大級の砂丘で、下北ジオパークのジオサイトです(出典:下北ジオパーク)。大部分は立ち入りできないため、尻労地区の高台や小田野沢地区から眺めるのが基本。果てしなく続く砂と松の緑のコントラストは、ここでしか出会えない風景です。
- 猿ヶ森ヒバ埋没林 – 飛んできた砂に埋もれ、立ち枯れたまま残るヒバの林です(出典:青森県観光情報サイト Amazing AOMORI)。長い時間をかけて砂の中から顔を出した木々を前にすると、自然の力の大きさを静かに感じられます。砂丘とセットで巡るのがおすすめですよ。
ドライブ途中の立ち寄りスポット
- 野牛川レストハウス – 尻屋崎へ向かう県道6号沿いの観光PR施設です。東通牛やブルーベリーを使ったソフトクリーム、十割そばの乾麺、海産物などが並び、毎月9・19・29日には東通牛の特売も行われます(出典:青森県観光情報サイト Amazing AOMORI)。ドライブの休憩がてら、お土産選びにちょうどいい立ち寄り先なんですよ。
東通村の観光ルート

鉄道のない東通村は、車での移動が基本になります。むつ市を起点に尻屋崎を目指す王道ルートと、海の幸を楽しむ半日ルート、そして下北半島をぐるりと巡る広域ルートの3つを紹介します。どれも、移動そのものが景色になるのが下北らしさですよ。
【車・1日】本州最果て満喫ルート
9:00 むつ市街 → 9:45 尻屋崎(車で約45分)
①尻屋崎(90分)→ 寒立馬と灯台を、観光客の少ない午前の澄んだ空気のうちに見て回ります。
②尻屋埼灯台(40分)→ 128段をのぼって潮目を一望。晴れた日は北海道まで見えます。
→ 県道6号を南下して移動します。
③野牛川レストハウス(40分)→ 東通牛のお昼とお土産選び。ブルーベリーソフトもここで。
④小田野沢地区から猿ヶ森砂丘を遠望(30分)→ 立ち入れない砂丘の全景を、高台からじっくり眺めます。
⑤猿ヶ森ヒバ埋没林(30分)→ 砂に埋もれた林で旅を締めくくり。夕方の斜光がよく似合います。
【車・半日】内陸と海の幸ルート
13:00 むつバスターミナル → 13:30 東通村庁舎前(車で約30分)
①村中心部・砂子又エリア(30分)→ 役場と体育館が集まる村の玄関口。秋はここが産業まつりの会場になります。
②白糠・岩屋の漁港エリア(40分)→ 津軽海峡に面した集落で、海沿いの暮らしの空気を感じます。
③海沿いの直売・特産コーナー(30分)→ ウニや昆布など、その日の海の幸を物色。
④小田野沢の海岸(30分)→ 太平洋を望みながらひと休み。半日でも下北の二つの海を味わえます。
【車・1日】広域ルート:下北半島ぐるり
8:30 東通村・尻屋崎 → 10:30 むつ市・恐山 → 13:00 大間崎(移動を含め1日)
①東通村・尻屋崎(90分)→ 寒立馬と灯台で本州最果ての朝をスタート。
②むつ市・恐山(90分)→ 日本三大霊場のひとつ。硫黄の匂いと荒涼とした景色が印象的です。
③むつ市大間方面へ移動 → 海沿いの国道をひた走ります。
④大間崎(60分)→ 本州最北端でマグロを味わい、海峡の向こうの北海道を望みます。
下北半島は移動距離が長いので、給油と時間に余裕をもって回るのが安心ですよ。
ここまで見てきたとおり、見どころが少し離れた場所に点在していることもあります。気になるスポットをまとめて回るなら、レンタカーがあると一気に動きやすくなりますよ。料金は会社や時期でけっこう変わるので、まとめて比較できるサイトでサッと見ておくのがおすすめです。
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東通村の年間イベント

東通村のイベントは、季節の恵みと結びついているのが特徴です。春は寒立馬の出産、秋は新そばと収穫祭、冬は能舞をはじめとする郷土芸能。観光地のお祭りというより、村の暮らしそのものをのぞける行事が多いんですよ。
春〜夏:命の季節と夏祭り
春になると、尻屋崎の放牧地では寒立馬の出産シーズンが始まります(例年4月下旬ごろ〜)。青い空と海を背景に、母馬に寄り添う子馬の姿が見られる、村でいちばん和む時期です。
夏には村をあげての夏祭りも開かれ、屋台や東通牛のグルメ、ステージイベントで賑わいます。短い下北の夏を、地元の人と一緒に楽しめる機会ですよ。
秋:新そばと収穫祭
ぜひ狙ってほしいのが、秋の食のイベントです。「ひがしどおり新そば街道まつり」は、例年10月に村内の集落の会場で、打ち立ての十割「東通そば」を食べ比べできるお祭りです(出典:青森県観光情報サイト Amazing AOMORI)。集落ごとに出汁が違うので、はしごするのが楽しいんですよね。
同じく10月には「東通村産業まつり」が東通村体育館の駐車場で開かれます(出典:東通村公式サイト)。サケのつかみ取りや東通牛、海産物の即売でいっぱいになる、収穫の秋らしい一日です。
冬:能舞が舞われる季節
冬は、村に伝わる国の重要無形民俗文化財「下北の能舞」の季節です。能舞は正月や祝いの席で舞われ、冬には郷土芸能を披露する発表の場も設けられてきました(出典:東通村教育委員会)。獅子頭と笛太鼓が響く舞は、雪深い村の冬を温める伝統行事なんですよ。
この時期、寒立馬は尻屋崎から越冬放牧地「アタカ」へ移されます。雪のなかで身を寄せ合う姿も、冬ならではの光景です。
東通村のエリア別の顔

東通村は東西約20km・南北約36kmと細長く、海岸沿いに集落が点在しています。北東端の尻屋、太平洋に開けた東部、村役場のある内陸の中心部、津軽海峡に面した北部と、エリアごとに表情が大きく違います。旅の目的に合わせて、どこを軸にするか選んでみてください。
尻屋・尻労エリア──灯台と馬の「本州最果て」
村の北東端、観光の主役が集まるエリアです。尻屋崎の灯台と寒立馬、海へ落ちる断崖と、写真に撮りたくなる景色が連続します。ここは「絶景と非日常を味わいたい旅行者」に向いた一帯。風が強い日も多いので、上着を一枚持って訪れるのがおすすめですよ。
小田野沢・猿ヶ森エリア──砂丘と沼の静かな東部
太平洋に面した東部は、日本最大級の猿ヶ森砂丘や埋没林、大小の沼が広がる自然のエリアです。観光客が少なく、ひとりで静かに自然と向き合いたい人にぴったり。原子力発電所のPR施設もこの方面にあり、エネルギーの今を学ぶ立ち寄り先にもなります。
砂子又・田屋エリア──村の暮らしが集まる中心部
内陸の中心部には、村役場や体育館、学校といった行政・生活の拠点が集まっています。秋の産業まつりの会場もこのエリア。観光地というより、村のリアルな日常に触れたい人、移動の拠点を置きたい人に向いた一帯です。バスもこの中心部を経由します。
白糠・岩屋エリア──津軽海峡に向く漁の北部
村の北側、津軽海峡に面した白糠や岩屋は、漁業が暮らしを支えてきた集落です。ウニ・アワビ・昆布といった海の幸の現場であり、海沿いの素朴な町並みが続きます。「魚介を味わいたい人」「飾らない漁村の風景を歩きたい人」におすすめのエリアですよ。
東通村の気候・季節の暮らし

東通村の気候は、2つの海に囲まれた立地が大きく影響しています。村内の小田野沢の観測では、年平均気温は9.5℃。真夏日は年に3.9日ほどで猛暑日はなく、一方で冬日は122.0日にのぼり、豪雪地帯に指定されています(出典:気象庁)。
ひとことで言うと、夏は涼しく冬は長い土地なんですよ。とくに夏に吹く冷たい「やませ」は、農業には厳しい一方で、避暑地のような過ごしやすさを生んでいます。
夏──涼しく過ごしやすい
夏でも太平洋からやませが吹き込むため、本州の他地域が猛暑にあえぐ時期でも、ここは比較的涼しく過ごせます。冷房がほとんどいらない年もあるほどで、夏秋いちごの栽培もこの冷涼さがあってこそ。半袖一枚では肌寒い夜もあるので、薄手の羽織りものがあると安心ですよ。
秋──短く、駆け足で過ぎる
秋は新そばや収穫祭の季節ですが、駆け足で過ぎていきます。9月を過ぎると朝晩の冷え込みが進み、10月には暖房が恋しくなる日も。紅葉と海の青が同時に楽しめる、写真好きにはたまらない時期でもあります。
冬──長く、雪と風の季節
冬は122日もの冬日が示すとおり、長くて厳しいです。雪に加えて海からの強い風が吹きつけるので、体感温度はさらに下がります。尻屋崎へ続く道路は12月から3月末まで冬季閉鎖となり、寒立馬も越冬地へ移ります。除雪と暖房は、ここでの冬の必需品です。
春──遅く訪れる芽吹き
春の訪れはゆっくりで、本州の南が桜の頃でも、ここはまだ風が冷たい日が続きます。それでも4月下旬になると寒立馬の出産が始まり、緑が戻り始めます。長い冬を越えたあとの芽吹きは、ひときわうれしく感じられるんですよね。
東通村の移住・暮らし情報

東通村での暮らしは、車があることが前提になります。村内に鉄道はなく、集落が広く点在しているため、買い物も通院も車での移動が基本。その代わり、海と山が日常のすぐそばにある、ゆったりとした生活が送れる土地です。
通勤・通学
働く場としては、村内の農林漁業や畜産、原子力関連の施設、役場などが中心です。隣接するむつ市へ車で通う人も少なくありません。学校は村内に集約されているため、通学はスクールバスなどで対応されています。
住宅環境
村は地理的な中心である内陸部に住宅団地を整備し、行政施設の周りに住まいを集める町づくりを進めてきました。持ち家中心で賃貸物件は多くないため、移住を考える場合は村やむつ市の不動産情報をこまめに確認するのが現実的だと考えられます。
買い物環境
日用品や食料品は村内のスーパーで揃い、東通牛の精肉も村内の店で買えます。ただし大型店やまとまった買い物はむつ市まで出るのが一般的。週末にまとめ買いをする、という暮らしのリズムになりやすいエリアですよ。
子育て・教育
東通村は、小学校・中学校を村内それぞれ1校に統合し、認定こども園とあわせて隣接させることで、幼小中の一貫した教育環境づくりに取り組んできました。公営の学習塾を設けるなど、少人数を生かしたきめ細かい教育が特徴です。
医療環境
村内には、内科・外科・小児科・整形外科を診る東通村診療所と、白糠診療所があります(出典:東通村公式サイト)。日常的な診療は村内で対応できますが、専門的な治療や入院が必要な場合はむつ市の総合病院に頼ることになります。
エリア別の暮らし視点
暮らしの拠点として現実的なのは、役場や診療所、スーパーが集まる内陸中心部の砂子又周辺です。海沿いの集落は漁業の暮らしが根づく一方、買い物や通院には距離があります。自然の近さを取るか、生活の便を取るかで、選ぶエリアが変わってきますよ。
東通村へのアクセス

東通村は本州最北東端に位置するため、どこから向かっても「遠い」のが正直なところです。鉄道は村内を通っておらず、むつ市を中継点に車かバスで入るのが基本になります。主要なルートを整理しておきましょう。
車でのアクセス
車が最も現実的です。JR大湊線の下北駅から村の中心部までは約30分(出典:青森県観光情報サイト Amazing AOMORI)。観光の目玉である尻屋崎までは、むつ市街地から約45分が目安です。集落間も離れているので、レンタカーがあると動きやすいですよ。
鉄道+バスでのアクセス
鉄道を使う場合、最寄りはJR大湊線の下北駅です。新青森駅から青い森鉄道と大湊線を乗り継いで下北方面へ向かいます。村へは下北交通の泊線で、「むつバスターミナル」から「東通村庁舎前」まで約30分。バスは本数が限られるので、時刻表の事前確認をおすすめします。
飛行機でのアクセス
遠方からは空路も選択肢です。三沢空港または青森空港まで飛び、そこからむつ市方面へ車で向かうルートになります。いずれの空港からも下北半島の先端までは距離があるため、レンタカーを借りて時間に余裕をもって移動するのが安心です。
村内移動の現実的アドバイス
村内はとにかく広く、公共交通だけで観光スポットを回るのは難しいのが実情です。尻屋崎・砂丘・中心部はそれぞれ離れているので、車での移動を前提に計画を立てるのがいちばん。冬は道路の冬季閉鎖や積雪もあるため、季節によってルートを変える柔軟さも大切ですよ。
交通手段ごとに見てきましたが、「結局いちばん安く行くにはどうすれば?」と迷う方も多いはず。飛行機で向かうなら、航空券は予約のタイミングや会社によって料金が大きく変わります。複数の航空会社・LCCをまとめて比較できるサイトで、いちど最安値をチェックしておくと安心ですよ。
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【地元住民に直撃!】東通村の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。
夏秋いちごを育てる農家をしています。ここは夏でも海から冷たい風が吹くので、暑さに弱いいちごが夏から秋にかけてちゃんと実るんです。本州のいちばん端っこで、よその産地が出せない時期に届けられるのが、わたしたちの強みだと思っています。
朝はまだ冷たい空気のなかで畑に出て、一粒ずつ色づき具合を見ていく。地味な仕事ですけど、この土地の気候だからこそできる仕事だと思うと、誇りはありますよ。
Q2.東通村に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?
やっぱり尻屋崎です。草原のなかをずんぐりした寒立馬がのんびり歩いていて、その向こうにレンガの灯台と海。観光地なのに人の手が入りすぎていなくて、本州の果てに来たんだなって静けさがあります。
あとは地元の人間として言うなら、砂丘を遠くから眺める高台ですね。果てしない砂と松の緑だけが続いていて、風の音しか聞こえない。何もないのが贅沢に感じられる場所なんですよ。
Q3.東通村でお土産を買うとしたらなんですか?
オーソドックスなところだと、村で一貫して育てている黒毛和牛ですね。サシがきれいで、すき焼きにすると本当においしい。冷涼な気候で育つブルーベリーの加工品も、さっぱりしていて喜ばれます。
地元の人間がおすすめするなら、十割のそばです。集落ごとに出汁が違うので、食べ比べるのが楽しい。あとは海の昆布やうにも、ここならではの味だと思いますよ。
Q4.外から人が来たときに、東通村でまず連れていく店はどこですか?
尻屋崎へ向かう道沿いにある、特産品を扱う休憩所みたいなところへよく連れていきます。和牛を使ったメニューや、ブルーベリーのソフトクリームがあって、ドライブの途中にちょうどいいんです。
あらたまった飲食店が並ぶ村ではないので、そういう地元の味が気軽に並ぶ場所のほうが、かえって東通村らしさが伝わると思っています。
Q5.東通村はどんな気質だと思いますか?
派手さはないけれど、芯の強い人が多いと思います。長い冬と海の仕事に向き合ってきた土地なので、黙々と働く人が多いですね。最初はちょっと素っ気なく感じるかもしれません。
でも一度打ち解けると、すごく面倒見がいいんです。最近は外から移って来て農業や地域おこしを始める人もいて、そういう「よそ者」をちゃんと受け入れる空気もありますよ。
Q6.昔に比べて、東通村の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?
正直に言うと、人は少しずつ減っていて、昔のにぎやかさとは違います。集落が広く点在しているぶん、静かになったなと感じる場所もあります。
その一方で、若い人が新しいことを始める動きも出てきました。受け継がれてきた郷土の舞も今も村のあちこちで続いていて、変わらないものと新しいものが同居している感じがしますね。
Q7.東通村のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?
大きな建物がどんどんできるような村ではないので、わたしが期待しているのは、人を呼び込む取り組みのほうです。移り住んで農業や漁業に挑戦する人が、もっと増えてくれたらいいなと思います。
あとは、わたしたちの夏秋いちごみたいに、この冷涼な気候を生かした産物が外にもっと知られていくこと。それが村のこれからの元気につながると信じています。

