【宮城県多賀城市】ってどんなとこ?国宝多賀城碑と古代陸奥国府【地元民のリアルな声あり】

宮城県多賀城市の東北歴史博物館:東北の歴史と文化を学べる博物館です。多賀城跡に隣接し、古代陸奥国の歴史や人々の生活を物語る豊富な考古資料を展示。創建1300年の多賀城の魅力を深く知ることができます。

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多賀城市(たがじょうし)は、宮城県のほぼ中央、太平洋岸に位置する人口約6万2千人のまちです。仙台市の北東に隣接し、仙台駅からJR仙石線で多賀城駅まで約20分という近さです。

このまちの魅力を5つに凝縮すると、こうなります:

  • ✅ 特別史跡「多賀城跡」──奈良の平城宮跡・九州の大宰府跡と並ぶ「日本三大史跡」の一つ
  • ✅ 国宝「多賀城碑」──2024年8月に国宝指定、日本三古碑にも数えられる奈良時代の石碑
  • ✅ 古代陸奥国府・鎮守府が置かれた「東北のはじまり」の地(724年創建、2024年で創建1300年)
  • ✅ よみがえった正門「南門」──2025年4月から一般公開、最も華やかだった第2期を復元
  • ✅ 古代米グルメ「しろのむらさき」と、東北随一800種のあやめ園

「歴史や古代史が好きな人」「松尾芭蕉や万葉集の歌枕をたどりたい人」「仙台に近いベッドタウンで暮らしを考えている人」に向いたまちです。本記事では、史跡・文化・特産から歴史の歩みまで、多賀城の「顔」を順に紹介していきます。

人口62,213 人 ※2026年5月1日時点(推計人口)
面積19.69 km²
人口密度3,160 人/km²

地理的には、西は仙台市宮城野区)、北は塩竈市、東は七ヶ浜町、北側で利府町に接しています(出典:多賀城市公式サイト利府町公式サイト)。まちは東西に長く、中心部を砂押川が流れています。

面積わずか19.69km²に6万人超が暮らす密度の高いまちで、東部・北部には史跡が点在し、南部の平野には工業地帯、西部には田畑が広がります。仙台への通勤圏として開発が進んだ一方、まちを歩けばすぐ足元に1300年前の都の痕跡が現れる──そんな二つの顔を持つまちです。ひとつずつ見ていきましょう。

目次

多賀城市の推しポイント

多賀城の魅力は、ひとことで言えば「古代東北の首都だった」ことに尽きます。奈良時代、ここには陸奥国を治める国府と、軍事を担う鎮守府が置かれ、平城京から見て東北方面の最重要拠点でした。その中心が特別史跡「多賀城跡」、それを証明する石碑が国宝「多賀城碑」です。2024年に創建1300年を迎えて以降、復元南門の公開やガイダンス施設の開館も重なり、いま訪れどきのまちなんですよ。

特別史跡「多賀城跡」──日本三大史跡の一つ

多賀城跡は約900m四方の広大な遺跡で、ほぼ中央に重要政務や儀式を行った政庁跡があります。奈良の平城宮跡、九州の大宰府跡と並ぶ「日本三大史跡」の一つに数えられる、国の特別史跡です(出典:宮城県公式サイト文化庁 日本遺産ポータルサイト)。丘の上に立つと、当時ここが東北の中心だったことが体で分かります。

国宝「多賀城碑」──奈良時代の声を伝える石碑

南門近くの覆堂の中に立つ高さ約2mの石碑が、多賀城碑です。碑面には141字が刻まれ、724年の創建と762年の改修を伝えています。群馬の多胡碑、栃木の那須国造碑と並ぶ「日本三古碑」の一つで、2024年8月27日に国宝(古文書)に指定されました(出典:多賀城市公式サイト)。国の公式記録にも残っていない情報を現代に伝える、貴重な一次史料です。

よみがえった正門「南門」とガイダンス施設

2025年4月から、復元された多賀城の正門「南門」と築地塀が一般公開されています。再現したのは、多賀城がもっとも華やかだった第2期の姿。あわせて南門復元工事の完了に合わせ、令和7年4月に多賀城跡ガイダンス施設も開館しました(出典:多賀城市公式サイト)。1300年前の門が立ち上がる様子は、一度は見てほしい光景です。

歌枕の地──芭蕉も涙した「壺碑」

多賀城は和歌の世界でも特別な場所です。「壺碑(つぼのいしぶみ)」「末の松山」「沖の井(沖の石)」「浮島」など、一級の歌枕が今も残ります。松尾芭蕉は『おくのほそ道』の旅でこの多賀城碑を訪れ、千年を超えて姿を変えない碑に涙を流したと伝えられます。古典好きにはたまらない散策路ですよね。

東北随一のあやめ園

多賀城跡の一角にある「多賀城跡あやめ園」は、約2万1千平方メートルに800種300万本のアヤメ・カキツバタ・ハナショウブが植えられた花の名所です。品種数は東北随一。第36回となる2026年は5月23日(土)〜6月21日(日)に「多賀城跡あやめまつり」が開催されます(出典:多賀城市公式サイト)。入場無料で、初夏の訪れを告げる行事です。

多賀城市の歴史

多賀城の歴史は、大きく三つの段階で捉えると分かりやすくなります。第一に、縄文・弥生からの古い暮らしの痕跡。第二に、奈良時代に陸奥国府が置かれた「古代東北の首都」としての繁栄。第三に、近代以降の工業化と仙台のベッドタウン化です。古代の中心地が、いまは住宅と工場のまちへと姿を変えてきました。

古代──陸奥国府が置かれた東北の中心

神亀元年(724年)、陸奥国府はそれまでの仙台市・郡山遺跡から多賀城へ移されたと推定されています。多賀城には9世紀初めまで鎮守府も置かれ、出羽国まで含めた東北地方の政治・軍事の中心都市でした。日本全体の中でも、西の大宰府に対応する東の政治都市として重要な位置にありました。宝亀11年(780年)には伊治呰麻呂の反乱で略奪・放火を受けましたが、すぐに再建されています。

中世〜近世──留守氏と仙台藩の時代

多賀城が国府として機能したのは平安時代の10世紀半ばまでで、その後は政治の中心が近隣の岩切方面へ移ったと考えられています。文治5年(1189年)に源頼朝が奥州藤原氏を滅ぼすと、陸奥国留守職に任じられた伊沢家景の子孫が留守氏を称し、この一帯を治めました。江戸時代には、明治の廃藩置県まで宮城郡として仙台藩の一部となりました。

近現代──工業化と震災、そして1300年

1889年(明治22年)に多賀城村が発足し、1951年(昭和26年)に町制、1971年(昭和46年)に市制を施行して多賀城市となりました。1942年(昭和17年)の海軍工廠設置以降は市南部に工業が立地し、仙台港の開港がこれに拍車をかけました。2011年(平成23年)の東日本大震災では、市域の約3分の1が津波で浸水し、市内で188人が亡くなる甚大な被害を受けました(出典:多賀城市公式サイト)。そして2024年、まちは多賀城創建1300年の節目を迎えました。

多賀城市の文化・風習

方言と話し方の特徴

多賀城を含む宮城県中部では、いわゆる仙台弁(東北らしい「ズーズー弁」とも呼ばれる)が話されています。シとス、チとツの区別があいまいになる発音が特徴で、初めて聞くと独特の柔らかさを感じますよ。

会話によく出てくる言葉をいくつか挙げると、いずい(しっくりこない・なんだか落ち着かない)、方向を表す〜さ(〜へ。「多賀城さ行く」で「多賀城へ行く」)、語尾の〜だべ〜だっちゃ(〜だよね)などがあります。やわらかな語尾が、人の距離をふっと近づけてくれる言葉たちです。

食卓と季節の暮らし

初夏はあやめ園が色づき、秋は古代米の収穫期。冬は雪より「底冷え」の寒さが体にこたえます。食卓には宮城らしく笹かまぼこやお米が並び、近隣の塩竈からは新鮮な海の幸も届きます。仙台や松島、塩竈、利府が車ですぐの距離にあるので、買い物や外食の選択肢が多いのも暮らしやすさにつながっているんですよね。

歴史と結びついた祭り

多賀城ならではなのが、歴史に根ざした行事です。万葉集の編者とされる大伴家持をしのび、古代衣装で約1kmを練り歩く「史都多賀城万葉まつり」や、芭蕉が壺碑に抱いた感動にちなんで全国から句を募る「壺の碑」全国俳句大会など、古代の記憶を今に伝える催しが続いています。歴史が「過去」ではなく、暮らしの中に生きているまちなんです。

多賀城市の特産品・食

古代米とグルメブランド「しろのむらさき」

多賀城跡からは「黒舂米(こくしょうまい)」と書かれた木簡が出土しており、この地で遥か昔から米が作られていたことが分かっています。その歴史を受け、稲の原種に近い「古代米」の栽培が現代によみがえりました。これを使った多賀城のグルメブランドがしろのむらさきです(出典:多賀城市公式サイト)。紫色に輝く古代米はもちもちした食感で、炊けばお赤飯のような桜色に。サラダや麺、ロールケーキやゆべしなど、市内の店でさまざまな姿に出会えますよ。

古代米酒「おもわく姫」

古代米から生まれたお酒が「おもわく姫」。多賀城に伝わる恋物語をモチーフにした日本酒で、淡い色合いとほんのり甘酸っぱい口当たり、白ワインのようにフルーティーな味わいが特徴です。アルコール度数は8%とやさしめで、レモンを搾ったり炭酸で割ったりと楽しみ方も自由。食事に合わせて、古代の物語に思いをはせながら一杯どうぞ。

あやめ園のはちみつ

多賀城跡あやめ園の花から、ニホンミツバチが集めたはちみつも知る人ぞ知る逸品です。市内には広葉樹の林が少なく、ほとんどが草花からの集蜜のため、芳醇な香りに深みがあるのが特徴。花の名所ならではの、季節を閉じ込めたような一瓶です。トーストやヨーグルトにかけて、初夏の記憶を味わってみてください。


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多賀城市の観光スポット

多賀城市の観光は、ひとことで言えば「古代と歌の世界を歩く」体験です。1300年前の役所跡が史跡公園としてよみがえり、その周りに芭蕉や大伴家持が愛した歌枕が点在しています。まずは史跡エリアを押さえ、余裕があれば歌枕めぐりや図書館カフェへ。歩いて回れる距離感なのが、このまちのいいところなんですよ。

古代多賀城を体感するスポット

  • 特別史跡 多賀城跡(政庁跡) – 約900m四方の広大な史跡で、丘の上に政庁跡が広がります。奈良の平城宮跡、九州の大宰府跡と並ぶ日本三大史跡の一つです(出典:宮城県公式サイト)。礎石だけが残る静かな高台に立つと、ここが東北の都だったことが体に染みてきます。屋外なので自由に歩け、朝のやわらかい光の時間帯がとくにおすすめです。
  • 多賀城南門 – 最も華やかだった第2期の正門を木造で復元したスポットで、2025年4月から一般公開されています(出典:多賀城市公式サイト)。築地塀とあわせてそびえる門は迫力たっぷり。1300年前の入口がいま立ち上がる感覚を、ぜひ間近で味わってみてください。
  • 多賀城跡ガイダンス施設 – 南門を眺める場所に立つビジターセンターで、開館時間は9:00〜16:30、入場無料です(出典:多賀城市公式サイト)。200インチの大型ディスプレイで奈良時代の多賀城がCGでよみがえります。史跡を歩く前に立ち寄ると、見える景色が一気に変わりますよ。
  • 国宝 多賀城碑 – 南門近くの覆堂に立つ、724年の創建を伝える奈良時代の石碑。2024年8月27日に国宝に指定されました(出典:多賀城市公式サイト)。芭蕉が涙したこの碑の前では、千年を超えて変わらないものに触れる静かな感動があります。

歴史を深く学べるスポット

  • 東北歴史博物館 – JR国府多賀城駅に隣接する宮城県立の博物館で、旧石器時代から近現代までの東北の歴史を9つのコーナーで展示しています。開館は9:30〜17:00、休館は月曜(祝日の場合は翌平日)と年末年始、常設展の観覧料は一般460円・高校生以下無料です(出典:東北歴史博物館)。屋外には移築・復元された江戸時代中期の古民家「今野家住宅」もあり、史跡歩きの前にここで予習しておくと理解がぐっと深まります。
  • 多賀城廃寺跡 – 多賀城に附属した古代寺院の跡で、多賀城跡とともに特別史跡に含まれます。塔や金堂の跡が残る静かな丘で、観光客もまばら。古代寺院の伽藍をゆっくり想像しながら歩ける、知る人ぞ知る場所です。

歌枕と自然を味わうスポット

  • 多賀城跡あやめ園 – 特別史跡の一角にある約2万1千平方メートルの花の名所で、800種300万本のアヤメ・カキツバタ・ハナショウブが植えられ、品種数は東北随一です(出典:多賀城市公式サイト)。見頃の初夏は、紫や白の花が一面に揺れて壮観。夜のライトアップ期間は幻想的で、昼とはまったく違う表情を見せてくれますよ。
  • 末の松山・沖の石 – 八幡地区に残る、和歌に詠まれ続けてきた歌枕です。「末の松山 波越さじ」と詠まれた小高い松の丘は、津波が越えなかった場所として語り継がれ、2011年の震災後にあらためて注目されました。住宅地のなかにふっと現れる古典の世界に、不思議な余韻が残ります。
  • 加瀬沼公園 – 多賀城・利府・塩竈の二市一町にまたがる広大な沼を中心とした公園で、「ため池百選」にも選ばれています。桜やピクニック、秋の紅葉、冬の白鳥と四季を通じて楽しめ、多賀城跡からも近いので史跡散策の休憩にぴったりです。

まちの新しい顔

  • 多賀城市立図書館 – JR仙石線多賀城駅北口から徒歩1分。蔦屋書店やスターバックスが併設された「TSUTAYA図書館」で、開館時間は9:00〜21:30、東北で初めて年中無休で開館しています(出典:多賀城市立図書館)。古代史の本を片手にコーヒーを飲めば、旅の余韻にひたる贅沢な時間に。史跡めぐりの前後に立ち寄りやすい、まちの玄関口です。

多賀城市の観光ルート

計算中…

史跡が集まる多賀城市は、駅を起点に歩いて回れるのが魅力です。じっくり古代を味わう1日コース、駅からの歌枕さんぽ半日コース、そして塩竈や松島まで足を延ばす広域コースまで。目的に合わせて組み合わせてみてくださいね。

【鉄道・徒歩/1日】古代多賀城をじっくり歩くコース

9:30 国府多賀城駅 → 9:35 東北歴史博物館(徒歩1分)

東北歴史博物館(90分)
→ まずここで東北と多賀城の通史を頭に入れます。午前の早い時間は空いていて、ゆっくり展示に向き合えます。

多賀城碑(20分)
→ 博物館から史跡へ向かう途中、覆堂の中の国宝とご対面。実物の小ささと刻まれた文字の重みのギャップに驚きます。

多賀城跡ガイダンス施設・南門(60分)
→ CG映像で奈良時代を予習してから、復元南門へ。映像で見た景色が目の前に立ち上がる流れがおすすめです。

多賀城跡(政庁跡)(40分)
→ 丘の上の政庁跡まで登ると、仙台平野が一望に。昼前後の明るい時間に立つと、都の広がりが実感できます。

多賀城跡あやめ園(30分)
→ 初夏なら花の盛り。それ以外の季節も、史跡と一体になった園地をのんびり歩けます。締めくくりにちょうどいい場所です。

【鉄道・徒歩/半日】多賀城駅から歌枕さんぽ

13:00 多賀城駅 → 駅前の図書館からスタート

多賀城市立図書館(40分)
→ まずはカフェで一息。古典文学のコーナーで、これから巡る歌枕の予習をしておくと気分が乗ります。

末の松山(20分)
→ 住宅地のなかの小さな松の丘へ。百人一首にも詠まれた場所に、いまも松が立っています。

沖の石(20分)
→ 末の松山のすぐ近く。水をたたえた小さな池に石が浮かぶ、和歌そのままの景色が静かに残ります。

浮島神社(30分)
→ 歌枕「浮島」の地に立つ社で、古代の人々が眺めた風景に思いをはせて。夕方の斜光が似合う、しっとりした場所です。

【車/1日】広域コース:多賀城と松島ベイエリア

9:00 多賀城(史跡エリア) → 11:00 塩竈(車20分) → 14:00 七ヶ浜 → 16:00 松島方面

多賀城跡・南門(120分)
→ 午前のうちに史跡の核心をおさえます。光が回る午前は写真も映えます。

塩竈(150分)
→ 隣の塩竈市へ。鹽竈神社にお参りし、港町ならではの寿司や海の幸でお昼を。

七ヶ浜(60分)
七ヶ浜町の海岸線をドライブ。松島湾を望む高台からの眺めが気持ちいいエリアです。

松島方面(90分)
→ 日本三景・松島で締めくくり。古代から憧れの地だった景色を、現代の旅人として味わって。


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多賀城市の年間イベント

多賀城市のイベントは、やはり「歴史」と「ことば」が主役です。初夏の花まつりから、秋の万葉行列、そして震災の記憶を灯す行事まで。古代の都だったまちらしく、季節ごとに違う時代の扉が開きます。気になるものがあれば、ぜひ足を運んでみてほしいんですよね。

春〜夏:多賀城跡あやめまつり

初夏の主役が「多賀城跡あやめまつり」です。毎年5月下旬から6月にかけて、特別史跡のあやめ園で開催され、800種300万本の花が順に咲いていきます。2026年は第36回として5月23日から6月21日まで開かれます(出典:多賀城市公式サイト)。期間中の週末には郷土芸能のステージや万葉衣装の着付け体験もあり、夜の光の演出も見どころ。入場無料なので、ふらりと立ち寄れるのも嬉しいところです。

秋:史都多賀城万葉まつり・秋のまちなかイベント

秋を代表するのが「史都多賀城万葉まつり」です。万葉集の編者とされ、晩年を多賀城で過ごしたとされる大伴家持をしのぶ市民手づくりのまつりで、第27回は2025年10月に開催されました(出典:多賀城市公式サイト)。500着を超える手作りの万葉衣装をまとった行列が練り歩く様子は、時代絵巻さながら。古代米のお餅が入った「やかもち鍋」も名物です。

晩秋には、多賀城駅前で市民市やイルミネーションなどの催しが集まる秋のまちなかイベントも開かれ、毎年11月ごろに多くの人でにぎわいます(出典:多賀城市公式サイト)。駅前がぐっと華やぐ季節です。

冬〜早春:震災の記憶を灯す行事

毎年3月には、東日本大震災で亡くなった方々を悼み、復興を祈る灯りの行事が行われます。平安時代に多賀城で万灯会が営まれていた歴史にならったもので、無数の灯りがまちを照らします(出典:多賀城市観光協会)。市域の約3分の1が浸水した記憶を未来へ伝える、静かであたたかな時間です。観光というより、まちの祈りに寄り添う行事として心に残ります。

多賀城市のエリア別の顔

多賀城市は東西に長く、中心部を砂押川が流れています。東部・北部には史跡が点在し、南部の平野には工業地帯、西部には田畑が広がるという、はっきりした地形の個性があります(出典:多賀城市公式サイト)。旅する視点で、それぞれのエリアの顔を見ていきましょう。

市川・浮島エリア(北部)──史跡が集まる歴史散策の中心

多賀城跡・南門・多賀城碑・廃寺跡、そして東北歴史博物館やあやめ園が集まる、観光の核となるエリアです。国府多賀城駅を降りればすぐ史跡の世界。古代史好きや、歩いて遺跡をめぐりたい人に一番おすすめのゾーンですよ。緑が多く、散策そのものが気持ちいいエリアです。

八幡エリア(東部)──和歌に詠まれた歌枕の里

かつて多賀城の門前町として栄えた一帯で、末の松山や沖の石といった歌枕が住宅地のなかに静かに残ります。観光地らしい派手さはありませんが、古典文学をたどる旅人にはたまらない場所。静けさのなかで和歌の世界に浸りたい人に向いています。

多賀城駅周辺(中央部)──まちの玄関口と文化拠点

仙石線多賀城駅を中心とした、市のいまの中心エリアです。駅前にはTSUTAYA併設の市立図書館があり、カフェや商業施設も集まります。電車でふらりと訪れて、本とコーヒーでくつろぎたい人にぴったり。史跡エリアへの拠点としても便利な場所です。

南部エリア──港と運河に近い産業のまち

海寄りの平野には工業地帯が広がり、仙台港や貞山運河に近いエリアです。観光のメインではありませんが、運河沿いの風景や港の空気感は、ふだんとは違う多賀城の表情。ドライブの途中に通り抜けると、このまちの「もう一つの顔」が見えてきます。

多賀城市の気候・季節の暮らし

多賀城市は仙台平野の太平洋岸にあり、東北のなかでは穏やかな海洋性気候です。市内に気象台がないため、隣接する仙台の平年値が目安になりますが、同じ平野・同じ海沿いなので気候はほぼ共通です。年平均気温は12.8℃、年間の降雪量(降雪の深さ合計)は約59cmと、緯度のわりに雪が少ないのが特徴です(出典:気象庁)。東北らしい厳しさは控えめで、暮らしやすい気候と言えます。

夏──7月〜8月の暮らし

もっとも暑い8月でも平均気温は24.4℃、平均最高気温は28.2℃ほどで、内陸の盆地のような猛烈な暑さにはなりにくいエリアです(出典:気象庁)。海風が入る日は夜が過ごしやすく、エアコンなしで眠れる夜も。とはいえ近年は真夏日が増えてきているので、夏の備えはしておきたいところです。

秋──9月〜11月の暮らし

秋は雨の季節でもあります。仙台平野では9月の降水量が約193mmと一年で最多になり、台風や秋雨の影響を受けやすい時期です(出典:気象庁)。一方で雨が抜けたあとの澄んだ空気は格別で、加瀬沼公園の紅葉や史跡散策がいちばん気持ちいいのもこの季節なんですよ。

冬──12月〜2月の暮らし

冬は東北としては穏やかです。1月の平均気温は2.0℃、平均最低気温は-1.3℃ほどで、奥羽山脈が雪雲をさえぎるため晴れの日が多くなります(出典:気象庁)。それでも朝晩の冷え込みはしっかりあり、放射冷却で氷点下になる夜も少なくありません。雪かきに追われる日は多くありませんが、路面の凍結には注意が必要です。

春──3月〜5月の暮らし

春は史跡のまちがいちばん華やぐ季節です。多賀城跡や加瀬沼の桜が咲き、5月下旬にはあやめ園が色づきはじめます。3月はまだ風が冷たい日もありますが、日に日にゆるんでいく空気のなかを歩くのは、このまちならではの楽しみですよね。

多賀城市の移住・暮らし情報

多賀城市は、仙台に近い便利さと、足元に史跡がある落ち着きが同居するまちです。仙台市のベッドタウンとして開発が進み、駅も多く、買い物環境もコンパクトにまとまっています。「仙台に通いながら、ほどよく静かに暮らしたい」人に向いたまち、という印象なんですよ。

通勤・通学

市内にはJR仙石線とJR東北本線が走り、多賀城・下馬・陸前山王・国府多賀城の4駅があります(出典:LIFULL HOME’S)。仙台駅まで多賀城駅から約20分なので、仙台へ通勤・通学する人がとても多いエリアです。電車の本数も地方都市としては多く、車がなくても仙台へ出やすいのは大きな強みです。

住宅環境

家賃は手ごろです。SUUMOの目安では単身向けで3万円台から、2LDKクラスでもおよそ5〜6万円前後の物件が中心です(出典:SUUMO)。駅徒歩10分以内の物件が多く、マンションよりアパートタイプが目立ちます。戸建ては笠神や浮島のエリアで見つけやすく、仙台市内で借りるより家計にやさしいのが現実的な魅力です。

買い物環境

多賀城は国道45号沿いにロードサイド店が発達し、市の中心部がはっきり一か所に集中しないのが特徴です。日常の買い物はスーパーで十分まかなえ、車を少し走らせれば隣の利府町に東北最大級のイオンモール新利府があります。ふだん使いと休日のまとめ買いを使い分けられる、ちょうどいい距離感です。

子育て・教育

市内には複数の市立小・中学校に加え、宮城県多賀城高校や仙台育英学園高校の多賀城キャンパスもあります。コンパクトな市域に学校がまとまっているので、通学の負担が小さいのも子育て世帯にはありがたいところ。子育て支援の最新の制度は、多賀城市公式サイトで確認しておくと安心です。

医療環境

市内には診療所やクリニックがあり、日常的な受診は地元でまかなえます。専門的な医療や大きな病院が必要なときも、隣接する仙台市塩竈市の総合病院まで短時間でアクセスできる立地です。「いざというときに大都市の医療が近い」という安心感は、暮らすうえで見逃せないポイントですよね。

エリア別の暮らし視点

住む視点で見ると、多賀城駅周辺は買い物も電車も便利で単身・共働き世帯向き。北部の史跡エリアは緑が多く落ち着いた住環境です。西部の田畑が残るエリアや笠神・浮島あたりは戸建てを構えやすく、ファミリーに向いています。同じ市内でも、駅近の利便性か、ゆとりの住環境かで選び分けられるまちです。

多賀城市へのアクセス

多賀城市は、仙台都市圏のなかでもアクセスのいいまちです。仙台駅から鉄道で20分前後、車でも高速道路のインターが近く、空の玄関口・仙台空港からも乗り継ぎで向かえます。主要ルートを交通手段ごとに見ていきましょう。

鉄道でのアクセス

仙台駅からはJR仙石線で多賀城駅まで約20分、運賃はきっぷで240円・ICで242円です(出典:多賀城市公式サイト)。史跡をめぐるなら、仙台駅からJR東北本線で約15分の国府多賀城駅が便利で、政庁跡まで徒歩約10分です。東京方面からは、東北新幹線で仙台駅までおよそ1時間30分、そこから在来線に乗り換える流れになります。

車でのアクセス

車なら三陸自動車道の多賀城ICや仙台港北ICが最寄りです。東京方面からは東北自動車道から仙台南部道路・仙台東部道路を経由、盛岡方面からは富谷JCTから仙台北部道路を経て向かうとスムーズです。史跡エリアには駐車場があるスポットも多いので、家族連れには車移動も使い勝手がいいですよ。

飛行機でのアクセス

遠方からは仙台空港が玄関口になります。仙台空港アクセス線で仙台駅まで出てから、仙石線・東北本線に乗り換えて多賀城へ向かう流れです。空港から仙台駅までは鉄道で30分弱なので、乗り継ぎを含めても市内まで1時間ほどを見ておくと安心です。

町内移動の現実的アドバイス

市域はコンパクトで、史跡エリアは駅から歩いて回れる距離にまとまっています。ただし駅と駅の間や西部の住宅地は車があると格段に動きやすくなります。観光なら鉄道+徒歩、暮らすなら一家に一台、という使い分けが現実的だと考えられます。


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【地元住民に直撃!】多賀城市の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。

古代米を作っています。この土地は遥か昔から米を作付けしてきた歴史があって、その原種に近いお米を、遺跡の上の田んぼで育てているんですよ。

紫色に輝く小さな粒を見ていると、千年以上前の人もこれを口にしていたのかと、不思議な気持ちになります。手間はかかりますが、この街でしかできない仕事だと思っています。

Q2.多賀城市に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?

やはり多賀城跡ですね。丘の上の政庁跡に立つと、仙台平野が一望できて、ここが昔は東北の都だったんだと実感できます。復元された南門も立派で、見上げると圧倒されますよ。

地元の人間としては、加瀬沼公園もおすすめです。史跡から歩いて行ける水辺で、桜や紅葉の季節は本当に静かで気持ちがいい。観光客があまり来ない、ほっとできる場所なんです。

Q3.多賀城市でお土産を買うとしたらなんですか?

オーソドックスなところだと、宮城らしい笹かまぼこは喜ばれますね。間違いがないですし、どなたにでも渡しやすいです。

でも地元の人間がすすめたいのは、やっぱり古代米を使ったお菓子やお酒です。紫色のもちもちした風味は、ほかの土地ではなかなか出会えない味。この街の歴史そのものを持ち帰るような、特別なお土産になりますよ。

Q4.外から人が来たときに、多賀城市でまず連れていく店はどこですか?

特定のお店というより、駅前に立ち寄れる場所があるので、まずそこでお茶でも飲んでもらいます。本に囲まれてコーヒーを飲める落ち着いた空間で、旅の始まりにちょうどいいんです。

そのあとは、古代米を使った料理を出してくれるお店へ。もちもちしたご飯や麺を味わってもらうと、みなさん「こんなお米があるのか」と驚かれますね。

Q5.多賀城市はどんな気質だと思いますか?

派手さはないけれど、芯のある人が多い街だと思います。古い史跡をずっと守り続けてきた土地柄なのか、地味でも大事なものを地道に育てる気質がありますね。

仙台に近くて新しい住民も増えましたが、人付き合いはあっさりしていて、ほどよい距離感です。よそから来た人にも構えず接する、おだやかな雰囲気の街ですよ。

Q6.昔に比べて、多賀城市の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?

震災のときは市の三分の一が浸水して、本当につらい時期でした。あの記憶は今も街のどこかに残っていて、毎年灯りをともして祈る行事が続いています。

一方で、創建千三百年を迎えてからは街がぐっと明るくなりました。南門が復元されて、碑も国宝になって、外から訪ねてくる人が増えた。古い街が新しく見直されている実感がありますね。

Q7.多賀城市のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?

南門のそばにできた施設では、奈良時代の街並みが大きな映像でよみがえるんですよ。子どもたちが歴史を身近に感じてくれるのが、何より嬉しいです。

これからは、古代米のような地元のものを、もっと多くの人に知ってもらいたいですね。歴史と食をつなげて、この街ならではの楽しみ方が広がっていくことを期待しています。

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