岩手町(いわてまち)は、岩手県の中部から北部、北上川の最上流部に位置する人口10,443人の町です。県都盛岡市の北隣にあり、中心部のいわて沼宮内駅へは盛岡から鉄道でおよそ30分です。
岩手町の見どころを5つに凝縮すると、こうなります:
- ✅ 北上川の源流の町──御堂観音の境内に湧く「弓弭(ゆはず)の泉」が一級河川・北上川の源
- ✅ ホッケーの町──1970年の岩手国体を機に町技として根づき、五輪・全日本選手を多数輩出
- ✅ 石神の丘──岩手県初の野外彫刻美術館と、ラベンダー咲く「花とアートの森」
- ✅ ブランドキャベツ「いわて春みどり」と、加工用ブルーベリーの産地
- ✅ 奥州街道の宿場「沼宮内宿」と、国史跡に指定された街道跡
「自然や地学に興味がある人」「スポーツや文化のルーツをたどりたい人」「静かな高原の里で暮らしを考えている人」に向いた町です。この記事では、観光・歴史・暮らし・食を、地元目線で順に紹介していきます。
| 人口 | 10,443 人 ※2026年5月1日時点(推計人口) |
|---|---|
| 面積 | 360.46 km² |
| 人口密度 | 29 人/km² |
地理的には、北は二戸郡の一戸町、東は岩手郡の葛巻町、西は八幡平市、南は盛岡市(旧玉山村域)に接しています。東に北上山地、西に奥羽山脈が走り、その間を北上川が南へ流れる、山あいの細長い町です。
鉄道は東北新幹線とIGRいわて銀河鉄道が停まるいわて沼宮内駅が玄関口で、車なら東北自動車道・滝沢ICから国道4号を北上して約30分(出典:石神の丘美術館公式サイト)。源流から特産まで、見どころをひとつずつ見ていきましょう。
岩手町の推しポイント

大河・北上川がここから始まり、ホッケースティックを持つ子どもが当たり前にいて、丘の上には彫刻が並ぶ。岩手町は「水・スポーツ・芸術・食」が、それぞれ全国レベルの背景を持って同居している町です。ここでは4つの顔を取り上げます。
北上川の源流──弓弭の泉と御堂観音
東北一の大河・北上川の源流には諸説ありますが、国土交通省の一級河川の指定では、岩手町御堂地区の御堂観音境内に湧く「弓弭(ゆはず)の泉」を源としています(出典:いわての文化情報大事典(岩手県))。源義家が弓の先で突くと清水が湧いたという前九年の役の伝説が残る場所です。隣接する「いわてまち川の駅」には休憩施設やせせらぎが整い、大河のスタート地点に静かに立てます。
ホッケーの町
1970年の岩手国体でホッケー会場となったのを機に、岩手町はホッケーを町技として広めてきました。1993年には岩手県内初の人工芝競技場が完成し、岩手県立沼宮内高校をはじめ小中学・社会人チームが全国で実績を重ね、五輪・全日本選手も多数輩出しています(出典:岩手町公式サイト)。「玄関先にスティックがある家」が珍しくない、全国でも独特の土地柄なんですよ。
石神の丘──野外彫刻美術館と花とアートの森
石神の丘美術館は、1973年から続いた「岩手町国際石彫シンポジウム」を背景に、1993年に岩手県内初の野外彫刻美術館として開館しました(出典:岩手町公式サイト)。屋外エリア「花とアートの森」では、初夏のラベンダーや100品種を超える草花と彫刻作品が一緒に楽しめます。隣には町内産野菜が並ぶ道の駅も。アート散歩と買い物が一度にかなう場所です。
高原の畑が育てる味──キャベツとブルーベリー
標高が高く昼夜の寒暖差が大きい岩手町は、甘い作物が育つ土地。ブランドキャベツ「いわて春みどり」と、夏に実るブルーベリーが二枚看板です。みずみずしいキャベツや、ジャムにしても香り立つベリー類は、道の駅で生産者の名前付きで並びます。畑の力をそのまま味わえる町、と言っていいと思います。
岩手町の歴史

岩手町の歴史は、北へ向かう「道」とともにあります。古代は朝廷軍の進路にあたり、中世は南部氏の城が置かれ、近世は奥州街道の宿場として人と物が行き交いました。そして1955年、4つの町村が合併して現在の町が生まれます。時代ごとに見ていきましょう。
古代〜中世──源義家の伝説と沼宮内城
平安期の前九年の役では、源頼義・義家父子の軍がこの地を通ったと伝わり、御堂観音の弓弭の泉の由来譚として今に残ります。中世には沼宮内氏の居城・沼宮内城が築かれ、1591年の九戸政実の乱では奥州仕置軍が駐留し、南部利直が軍議を開いた城として記録されています。城は1592年に破却され、現在は城山公園として空堀などの遺構が残ります。
近世──奥州街道・沼宮内宿の繁栄
江戸時代、この地は盛岡藩領で、江戸と蝦夷地を結ぶ奥州街道の宿場「沼宮内宿」として栄えました。岩手町から一戸町にかけて残る街道跡は、浪打峠の一里塚などとともに、近世の交通史を伝える貴重な遺構として国の史跡「奥州街道」に指定されています。街道は明治に陸羽街道と改称され、のちの国道4号へと姿を変えました。
近現代──4村合併と「ホッケーの町」へ
1955年(昭和30年)、沼宮内町・一方井村・川口村・御堂村が合併して岩手町が発足しました(出典:岩手町公式サイト)。その後、1970年の岩手国体を機にホッケーが、1973年に始まった国際石彫シンポジウムを通じて彫刻文化が根づき、「北上川源泉・ホッケーと彫刻の町」という今の町の顔が形づくられていきました。2025年には町制70周年を迎えています。
岩手町の文化・風習

方言と話し方の特徴
岩手町は旧南部藩の領域にあたり、話されているのは東北の北奥羽方言、いわゆる南部弁の系統です。同じ岩手県でも、旧仙台藩域の県南とは語彙やアクセントがかなり違うのが面白いところ。たとえばトンボをだんぶり(とんぼ)、松ぼっくりをまつかっちゃ(松かさ)と言い、「〜だけれど」は語尾に〜ども(〜けれど)を付けます。「かわいい」は東北で広く使われるめんこい(かわいい)、相づちはんだ(そうだ)。やわらかく歯切れのよい響きが、この地域の言葉の持ち味です。
食卓と季節の暮らし
高原の町だけあって、冬は厳しく雪も積もります。だからこそ秋の実りはごちそうで、新米やキャベツ、ブルーベリーが食卓に並ぶ季節は格別なんですよ。ご当地グルメの「いわてまち焼きうどん」のように、地元の食材を持ち寄って楽しむ気風も根づいています。朝晩の冷え込みと澄んだ空気が、そのまま味の濃さにつながっている土地です。
祭りと人の気質
毎年10月初旬の3日間に開かれる「岩手町秋まつり」は、通称・沼宮内まつり。豊作を祝い、駒踊りや獅子踊り、北上川清流太鼓に加え、南部風流山車が町を練り歩きます(出典:岩手町公式サイト)。夏には花火が上がる岩手町夏まつりも。困ったときは近所同士で助け合う「結(ゆい)」の気風が残り、ホッケーを町ぐるみで支えてきた背景にも、その地域のつながりの強さが見てとれます。
岩手町の特産品・食

いわて春みどり(ブランドキャベツ)
岩手町は戦前から「南部甘藍」と呼ばれるキャベツの産地でした。一度は衰退したものの、1984年に生産者有志が春系品種を導入し、夏でも緑が濃くみずみずしいことから「いわて春みどり」として再ブランド化しました(出典:JA新いわて)。旬は夏。巻きがゆるやかで葉がやわらかく、甘みが強いので、まずは生のままサラダや浅漬けで食べてほしいキャベツです。
ブルーベリー
ブルーベリーは、岩手県内でも早くに本格栽培が始まった作物で、岩手町はその先駆けとなった産地のひとつです。旬は夏。生食でさわやかな甘酸っぱさを楽しめるのはもちろん、ジャムやソース、ワインに加工しても香りが残るのが魅力です。観光農園での摘み取りもできるので、夏に訪れるなら一度かごいっぱいに摘んでみてください。
いわて短角和牛とセシーナ
広い牧草地での放牧で育つ「いわて短角和牛」は、赤身が多く、噛むほどに旨みが出る濃い味わいが特長です。この短角牛を使い、町内の精肉店が塩だけで1年かけて熟成させる牛肉の生ハム「セシーナ」も、ここならではの一品。スペイン由来の製法を岩手の牛と塩で再現した、ワインに合う滋味深い味です。じっくり育てた肉のおいしさが、そのまま閉じ込められています。
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岩手町の観光スポット

序盤で触れた「北上川の源流」「ホッケー」「石神の丘」は、どれも実際に立ち寄れる場所として町内にそろっています。岩手町の見どころは、いわて沼宮内駅と国道4号沿いにコンパクトに集まっているので、車があれば半日でも回れますよ。源流・アート・歴史の3つの切り口で押さえていきましょう。
北上川と源流をめぐる
- 北上川源泉・いわてまち川の駅 – 東北一の大河・北上川のスタート地点。御堂地区の御堂観音境内に湧く「弓弭(ゆはず)の泉」のすぐそばにあり、せせらぎやハスの池、芝生広場が整っています。雪深くなる11月下旬から4月下旬は閉鎖されます(出典:いわての旅(岩手県観光協会))。水がちょろちょろと湧き出す一点に立つと、あの大河の始まりがここなのか、と不思議な気持ちになります。
- 御堂観音(新通法寺正覚院) – 弓弭の泉を境内に抱える天台宗の古刹。坂上田村麻呂が祈願所として開いたと伝わり、源義家が弓の先で泉を掘り当てたという前九年の役の伝説が残ります。杉木立に包まれた静かな参道は、源流参りの前にぜひ歩いてほしい空間なんですよ。
アートとスポーツの丘
- 石神の丘美術館 – 1993年開館の、岩手県内で初めての野外彫刻美術館。屋外エリア「花とアートの森」は1周約1.5kmの丘陵に100種以上の草花と彫刻が点在します。開館は9:00〜17:00、月曜・年末年始が休館(出典:石神の丘美術館公式サイト)。観覧料は4〜10月が大人500円、11〜3月が300円、高校生以下は無料です(出典:いわての旅(岩手県観光協会))。6月下旬〜7月上旬のラベンダーの時季は、丘いっぱいが紫に染まって香りに包まれます。
- 道の駅石神の丘 – 美術館に隣接する道の駅。並ぶ農産物が町内産でまかなわれているのが特徴で、夏はとうもろこしやブルーベリー、キャベツがずらりと並びます(出典:道の駅石神の丘公式サイト)。地元食材を使ったレストランもあり、源流ドライブの拠点にちょうどいい場所です。
- 岩手町総合運動公園 岩手町ホッケー場 – 「ホッケーの町」の心臓部。1993年に岩手県内初の人工芝競技場として完成し、全国大会や合宿で使われています。いわて沼宮内駅から車で約3分(出典:いわてスポーツコミッション)。試合のある日に足を運ぶと、半身で走り続ける選手たちの迫力に引き込まれます。
歴史をたどる
- 沼宮内城跡(城山公園) – 中心部を見下ろす丘に築かれた沼宮内氏の城跡。1591年の九戸政実の乱では奥州仕置軍が駐留した城として知られ、今は空堀や堀切などの遺構が残る公園として整備されています。春は桜、町を一望できる高台で、宿場町の地形を体感できます。
- 奥州街道跡(沼宮内宿〜浪打峠) – 江戸と蝦夷地を結んだ街道の宿場が、この沼宮内でした。岩手町から一戸町にかけて残る街道跡は国の史跡に指定され、松並木や一里塚が往時の姿をとどめています。落ち葉を踏みながら歩くと、参勤交代の列が通った道だと実感できます。
岩手町の観光ルート

スポットが駅と国道4号沿いに集まっているので、動線はとても組みやすい町です。源流とアートをまとめて味わう町内ルートに加えて、隣の八幡平市や葛巻町まで足を延ばす広域ルートも紹介します。車での移動を前提に組んでみました。
【車・1日】源流とアートの町内満喫ルート
9:00 いわて沼宮内駅 → 9:05 石神の丘美術館(車5分)→ 11:00 道の駅石神の丘(車1分)→ 12:30 御堂・北上川源泉(車25分)→ 14:30 沼宮内城跡(車25分)
① 石神の丘美術館(90分)→ 朝いちの澄んだ空気の中で、丘の彫刻と草花をのんびり散策。人が少なく写真も撮りやすい時間帯です。
② 道の駅石神の丘(60分)→ 産直で土産を選び、地産地消のレストランでランチ。夏ならブルーベリー系のスイーツを。
③ 北上川源泉・いわてまち川の駅(90分)→ 大河の一滴に出会う時間。昼下がりの木漏れ日が泉に差す頃が静かでおすすめです。
④ 沼宮内城跡(城山公園)(45分)→ 締めに高台へ。夕方の光で町を見渡すと、宿場町だった地形がよく分かります。
【車・半日】沼宮内さんぽルート
13:00 いわて沼宮内駅 → 13:10 沼宮内城跡(車5分)→ 14:00 沼宮内宿の町並み(徒歩)→ 15:30 岩手町ホッケー場(車5分)
① 沼宮内城跡(城山公園)(45分)→ まずは高台から町の全体像をつかみます。
② 沼宮内宿の町並み(60分)→ 奥州街道の宿場の名残を、徒歩でゆっくり。古い屋号や街道の道筋をたどる時間です。
③ 岩手町ホッケー場(45分)→ 「ホッケーの町」の空気を体感。練習や試合があれば見学を。半日でも町の個性をしっかり味わえます。
【車・1日】広域ルート:源流から高原へ
9:00 いわて沼宮内駅 → 9:30 御堂・北上川源泉(車25分)→ 11:30 葛巻方面の高原(車50分)→ 14:00 石神の丘(車60分)→ 15:30 八幡平方面へ(車30分)
① 北上川源泉(60分)→ 大河の始まりから1日をスタート。
② 葛巻町の高原エリア(90分)→ 隣町の牧場や高原へ。北上山地のなだらかな稜線が気持ちいいドライブです。
③ 石神の丘(60分)→ 岩手町に戻ってアートと産直でひと休み。
④ 八幡平市方面(移動)→ 奥羽山脈側の温泉や高原へ抜けて、北東北らしい山岳の景色で締めくくります。
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岩手町の年間イベント

岩手町のイベントは、夏の花火と収穫の祭り、そして冬の光が柱になっています。高原の町らしく、季節の移ろいがそのまま行事に表れるんですよ。春夏・秋・冬の順に、それぞれの楽しみ方を見ていきましょう。
春〜夏:ラベンダー、ブルーベリー、夏まつり
初夏の石神の丘では、6月下旬から7月上旬にかけてラベンダーが見頃を迎え、丘が紫に染まります(出典:石神の丘美術館公式サイト)。
夏になると「いわてまちブルーベリー観光農園」が開き、もぎたてを味わえます(出典:岩手町公式サイト)。かごいっぱいに摘んで、その場で頬張る甘酸っぱさは夏ならではです。
そして8月には「岩手町夏まつり」。約1,000発の花火が高原の夜空を彩り、屋台やお祭りコーナーでにぎわいます(出典:いわての旅(岩手県観光協会))。打ち上げ場所が近く、花火が頭上に大きく開くのが魅力なんですよ。
秋:岩手町秋まつり(沼宮内まつり)
ぜひ見てほしいのが、毎年10月初旬の3日間にわたって開かれる「岩手町秋まつり」。通称・沼宮内まつりで、その年の豊作を祝う行事です(出典:岩手町公式サイト)。
人形や造花で飾られた南部風流山車が町を練り歩き、駒踊り・獅子踊り・七ッ踊り、北上川清流太鼓が披露されます。中日の合同パレードは、山車と郷土芸能が一堂に集まって、太鼓の音と熱気が町じゅうに響きます。
冬:いわてまちイルミネーション
冬は「いわてまちイルミネーション」が町を照らします。2026年は町制70周年を記念して「冬の花畑」をテーマに開催されました(出典:岩手県公式サイト)。
雪に包まれた静かな町に、光の花畑が浮かび上がる景色は冬ならでは。夏のラベンダーとはまた違う、凛とした空気の中で楽しめます。
岩手町のエリア別の顔

岩手町は、1955年に沼宮内町・一方井村・川口村・御堂村が合併してできた町です(出典:岩手町公式サイト)。今もこの旧村ごとに表情が分かれていて、旅する視点で見ると面白いんですよ。北上川に沿って南北に細長い町を、エリアごとにたどってみましょう。
沼宮内エリア──町の玄関口でアートと祭りの中心
いわて沼宮内駅や役場、石神の丘、ホッケー場が集まる中心エリア。奥州街道の宿場だった歴史を背負いつつ、新幹線も停まる町の表玄関です。観光の起点にするなら迷わずここ。秋まつりの山車が練り歩くのもこの一帯です。
御堂エリア──北上川が生まれる北の里
町の北部、北上川の源流がある御堂地区。御堂観音と弓弭の泉を中心に、田園と山あいの静かな風景が広がります。源流参りや、ゆったり水辺で過ごしたい人向けのエリア。雪の季節は源泉施設が閉まるので、新緑から秋の訪問がおすすめです。
川口エリア──南の入口と里川の風景
町の南側、岩手川口駅のある川口地区。盛岡方面から鉄道で入るときの最初の玄関口で、北上川が育ちながら流れる里の景色が楽しめます。秋には大名行列で知られる川口秋まつりも。のんびり川沿いを散策したい時間に合うエリアです。
一方井・土川エリア──西に広がる農と山
奥羽山脈側に広がる西部の農村エリア。一方井ダムや牧草地、キャベツ畑が点在し、高原野菜が育つ土地です。観光施設は多くありませんが、北東北らしい畑と山の風景を求めてドライブするなら、この一帯の道が気持ちいいですよ。
岩手町の気候・季節の暮らし

岩手町は北緯40度の高原に位置し、東の北上山地と西の奥羽山脈に挟まれた内陸北部の冷涼な気候です。岩手県全域が豪雪地帯に指定されており、冬の寒さと雪は本州のなかでも厳しい部類に入ります(出典:気象庁 過去の気象データ検索)。
暮らしの体感としては、夏は朝晩がひんやりして寝苦しい夜が少なく、過ごしやすいんですよ。一方、冬は底冷えがして、雪かきが生活の一部になります。季節ごとに見ていきましょう。
夏──6月〜8月の暮らし
標高が高く昼夜の寒暖差が大きいので、夏でも空気が乾いて爽やかです。この寒暖差こそが、甘いキャベツやブルーベリーを育てる土地の力でもあります。日中は暑くなる日もありますが、夜は窓を開けると涼しい風が入ってくる、そんな夏なんですよ。
秋──9月〜11月の暮らし
秋は北上川源流の御堂地区や石神の丘の紅葉が美しく、収穫の季節でもあります。10月初旬の沼宮内まつりが終わると、町は一気に冬支度へ。朝霜が降り始め、吐く息が白くなる時季の移ろいが早いのが、この高原の町の特徴です。
冬──12月〜3月の暮らし
冬は冷え込みが強く、最高気温が0℃を下回る真冬日も珍しくありません。雪も積もるため、除雪や冬タイヤは生活の必需品です。北上川源泉の施設が雪で閉鎖されるほどの雪国ですが、その分、雪景色に浮かぶイルミネーションのような冬の楽しみもあります。
春──4月〜5月の暮らし
春の訪れは平野部より遅めで、桜は城山公園などで4月中旬以降に楽しめます。雪解けとともに畑が動き出し、田んぼに水が張られる頃には、北上川の源流もいきいきと流れ始めます。長い冬の後だからこそ、春の光がひときわありがたく感じられる町です。
岩手町の移住・暮らし情報

岩手町は、新幹線で県都盛岡市とつながりながら、家賃や暮らしのコストは抑えやすい町です。買い物や医療は町内で日常分をまかない、専門的なものは盛岡へ、という暮らし方が現実的なんですよ。項目ごとに見ていきましょう。
通勤・通学
盛岡方面へは鉄道でおよそ30分と通勤・通学圏内で、実際に高校進学で盛岡方面へ通う生徒も多い土地柄です。車なら国道4号が南北の生活動線。盛岡のオフィスや学校へ通いつつ、住まいは静かな高原に置く、という選択がしやすい立地です。
住宅環境
賃貸物件は数が限られますが、家賃相場は手頃です。岩手町を含む岩手郡の家賃相場はおよそ6万円前後で、単身向けなら3〜4万円台の物件も見られます(出典:SUUMO)。物件が少ないぶん、空き家バンクや戸建て中心の住まい探しも視野に入れるとよいと考えられます。
買い物環境
中心部の沼宮内エリアにスーパーや商店があり、日常の買い物は町内で完結します。道の駅石神の丘では町内産の野菜が手に入り、地元の食材が身近なのが暮らしの楽しみ。大型店でのまとめ買いは、車で盛岡方面へ出る人が多いと考えられます。
子育て・教育
町内には沼宮内・川口・一方井の各小学校と中学校があり、高校は岩手県立沼宮内高校が1校あります(出典:岩手町公式サイト)。沼宮内高校はホッケーの強豪校として知られ、子どもがホッケーに親しめる環境は全国でも珍しいものです。
医療環境
町の医療の中心は、岩手県立中央病院附属沼宮内地域診療センター。内科・外科を基本に、小児科や整形外科などの応援診療も行われています(出典:岩手町公式サイト)。岩手沼宮内クリニックや整形外科の診療所もあり、高度・専門医療は盛岡市の病院を利用する形になります。
エリア別の暮らし視点
住むなら、買い物・通学・駅が近い沼宮内エリアが便利です。川口エリアは盛岡寄りで通勤に向き、御堂エリアや一方井・土川エリアは自然に近いぶん車が前提。中盤で旅の視点として紹介したエリアごとの個性は、暮らしの利便性の差にもそのまま表れています。
岩手町へのアクセス

岩手県の中部にある岩手町は、東北新幹線が停まるいわて沼宮内駅を持つため、首都圏からの到達性は高めです。車・鉄道・空港のルートを順に整理します。
車でのアクセス
高速道路は東北自動車道が基本ルート。滝沢ICから国道4号を二戸方面へ北上し、町の中心部や石神の丘までおよそ30分です(出典:石神の丘美術館公式サイト)。盛岡市街からも国道4号一本でつながり、雪の季節以外は走りやすい道です。
鉄道+バスでのアクセス
玄関口はいわて沼宮内駅で、東北新幹線とIGRいわて銀河鉄道が接続します(出典:IGRいわて銀河鉄道)。新幹線の多くは盛岡駅停車のため、首都圏からは盛岡で乗り継ぐのが現実的。盛岡からいわて沼宮内まではおよそ30分です。駅は中心市街地から約1km離れているので、町歩きにはバスや車があると便利ですよ。
飛行機でのアクセス
空路を使う場合の最寄りはいわて花巻空港。空港から盛岡方面へ出て、国道4号や鉄道で北上するルートになります。関西・中京方面からは花巻空港、本数を重視するなら仙台空港から新幹線で北上する選び方も考えられます。
町内移動の現実的アドバイス
町内のスポットは駅と国道4号沿いに散らばっているため、観光でも暮らしでも車があると一番動きやすいです。鉄道駅はいわて沼宮内・岩手川口・御堂の3駅。コミュニティバス「あいあいバス」も走っていますが、本数は多くないので、レンタカーや自家用車を前提に計画を立てると安心です。
交通手段ごとに見てきましたが、「結局いちばん安く行くにはどうすれば?」と迷う方も多いはず。飛行機で向かうなら、航空券は予約のタイミングや会社によって料金が大きく変わります。複数の航空会社・LCCをまとめて比較できるサイトで、いちど最安値をチェックしておくと安心ですよ。
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【地元住民に直撃!】岩手町の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。
子どもたちにホッケーを教える仕事をしています。岩手町はホッケーが盛んな土地で、人工芝のある運動公園を拠点に、小さい子から高校生まで本気でスティックを握っています。
自分もこの町で育って、今は教える側。世界を目指す選手が地元から出ていくのを見ると、続けてきてよかったと思いますね。
Q2.岩手町に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?
まずは北上川の源、御堂の弓弭の泉です。あの大河がここの一滴から始まると思うと、不思議な気持ちになります。杉木立の中に水がちょろちょろ湧いて、観光地という感じより、静けさが沁みる場所なんですよ。
あとは石神の丘。彫刻が並ぶ丘で、初夏はラベンダーの紫と香りに包まれます。地元の人間はここを散歩コースにしています。
Q3.岩手町でお土産を買うとしたらなんですか?
定番はブルーベリーですね。加工も盛んで、ソースやジャムにすると香りがしっかり残ります。あとは夏のキャベツ。柔らかくて甘いので、知っている人は箱で持って帰ります。
地元目線だと、短角牛を使った加工品もおすすめです。赤身の旨みが濃くて、ちょっと特別な手土産になりますよ。
Q4.外から人が来たときに、岩手町でまず連れていく店はどこですか?
水源に隣接した産直のある場所へ連れていくことが多いです。その日採れた野菜やきのこが並んでいて、町の食の豊かさが一目で伝わるんですよ。
食事なら、地元の食材を使った素朴な一皿を出してくれるところへ。出汁や野菜の味がしっかりしていて、ここで育ったものはうまいんだなと実感してもらえます。
Q5.岩手町はどんな気質だと思いますか?
困ったときは近所同士で助け合う、昔ながらの結びつきが残っている町です。ホッケーも、親や地域の人みんなで子どもを支えてきた歴史があって、その一体感が気質に出ていると思います。
派手さはないけれど、地道で粘り強い。雪深い土地で生きてきた分、芯の強い人が多い印象ですね。
Q6.昔に比べて、岩手町の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?
正直、人は減っています。子どもの数も昔より少なくて、ホッケーの競技人口も最盛期に比べるとずいぶん減りました。寂しさはありますね。
ただ、新幹線が停まる駅があって、源流や彫刻の丘といった他にない財産は変わらずある。残った人が町を盛り上げようという気持ちは、むしろ強くなっていると感じます。
Q7.岩手町のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?
町は今、節目の年を迎えて記念の行事が続いています。冬の光の催しや、季節ごとのまつりに、外から人が足を運んでくれるのは嬉しいです。
自分としては、やっぱりホッケーで町の名前を全国に届けたい。ここで育った子が世界で活躍して、また戻って教える、そんな流れを作っていけたらと思っています。

