【福島県田村市】ってどんなとこ?あぶくま洞と日本標準時の里【地元民のリアルな声あり】

福島県田村市のあぶくま洞:福島県田村市にあるあぶくま洞は、東洋一とも称される鍾乳石が幻想的に広がる鍾乳洞です。

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田村市(たむらし)は、福島県中通りの最東端、阿武隈高地の高原に広がる人口31,289人の市です。JR郡山駅から磐越東線で船引駅まで約25分、東京からも新幹線を使って約2時間の距離にあります。

田村市の魅力を5つに凝縮すると、こうなります:

  • あぶくま洞──種類と数の多さで「東洋一」ともいわれる鍾乳石が続く鍾乳洞(滝根町)
  • 日本標準時を送る町──電波時計が受信する40kHz標準電波の送信所がある
  • ムシムシランド──日本初のカブトムシドームとして1989年に誕生(常葉町)
  • ✅ 市名の由来は坂上田村麻呂と田村氏──市内各地に田村麻呂伝説が残る
  • エゴマ(じゅうねん)の産地──エゴマ油や郷土食が根づく高原の里

「鍾乳洞や高原の造形を体感したい旅行者」「昆虫や自然が好きな家族連れ」「静かな環境でゆったり暮らせる場所を探している人」に向いた市です。この記事では、あぶくま洞や標準電波送信所などの見どころ、坂上田村麻呂から平成の大合併までの歴史、そしてエゴマや米といった食まで、田村市の「顔」を紹介していきます。

人口31,289 人 ※2026年6月1日時点(推計人口)
面積458.33 km²
人口密度68.3 人/km²

※人口は田村市が公表する推計人口(出典:田村市公式サイト)。

田村市は2005年、滝根町大越町都路村常葉町船引町の5町村が合併して誕生した市で、市域の約6割を山林が占めます(出典:田村市公式サイト)。北は二本松市葛尾村、西は郡山市三春町、南は小野町いわき市、東は川内村大熊町浪江町と、9つの市町村に囲まれています。中通りと浜通りの結節点にあたり、市の東部は太平洋岸の浜通りと背中合わせです。

鉄道はJR磐越東線が東西に走り、船引駅が市の玄関口。ここから何があるのか、ひとつずつ見ていきましょう。

目次

田村市の推しポイント

田村市の見どころは、「地球そのものを感じる自然」と「暮らしから生まれた文化」に大きく分かれます。8,000万年をかけてできた鍾乳洞あぶくま洞、私たちの電波時計の時刻を支える標準電波送信所、日本初のカブトムシドームムシムシランド──どれも「田村市といえば」の顔です。さらに市名の由来になった坂上田村麻呂の伝説や、高原で育つエゴマの食文化も外せません。ここからは代表的な5つを、もう少しくわしく見ていきます。

推しポイント1:あぶくま洞──「東洋一」ともいわれる鍾乳石の地下世界

滝根町にあるあぶくま洞は、8,000万年という長い時間をかけてつくられた鍾乳洞です。公開されている洞内は約600mですが、鍾乳石の種類と数の多さは「東洋一」ともいわれています(出典:田村市公式サイト)。高さ29mの大ホール「滝根御殿」や、日本の鍾乳洞で初めて舞台照明の調光システムを取り入れた「月の世界」など、見どころが続きます。はしごや飛び石を進む探検コースもあって、大人でも童心にかえって楽しめますよ。

推しポイント2:日本標準時を送る町──おおたかどや山標準電波送信所

意外と知られていませんが、田村市は「日本の時刻」を支える町でもあるんです。都路町と川内村の境にある大鷹鳥谷山(標高約790m)の山頂付近に、情報通信研究機構(NICT)のおおたかどや山標準電波送信所があります(出典:情報通信研究機構)。ここから送られる40kHzの長波(コールサインJJY)を、家庭やオフィスの電波時計が受信して、自動で時刻を合わせています。1999年から24時間365日、東北・関東をはじめ広い範囲へ「正確な時間」を送り続けている場所です。

推しポイント3:ムシムシランド──日本初のカブトムシドーム

常葉町のムシムシランドは、1989年に「日本初のカブトムシドーム」として生まれた施設です(出典:ムシムシランド公式サイト)。もともと常葉町は葉タバコの産地で、その腐葉土にカブトムシの幼虫がたくさん育っていたことがきっかけだったそう。夏のカブトムシドームでは1,000匹を超えるカブトムシが放し飼いにされ、手にのせて触れ合えます。夏休みに子どもと来れば、まず忘れられない思い出になりますよ。

推しポイント4:坂上田村麻呂と田村氏──市名になった英雄の伝説

「田村」という市名は、平安時代の武将・坂上田村麻呂と、その子孫を称した田村氏に由来します。市内には、田村麻呂が大滝根山を本拠とした鬼・大多鬼丸(おおたきまる)を討ったという伝説にちなんだ地名や神社が数多く残っています。地名の一つひとつに物語が隠れているので、歴史好きなら歩くだけで楽しいはずです。くわしくは歴史のセクションで紹介します。

推しポイント5:エゴマ(じゅうねん)の里──高原が育てた健康食

田村市は、地元でじゅうねんと呼ばれるエゴマの産地としても知られています。エゴマ油やエゴマ味噌など、昔ながらの食文化が今も息づいていて、市内には振興協議会や専門の搾油の取り組みもあります(出典:田村市観光サイト)。健康志向の高まりで再注目されている食材を、産地でそのまま味わえるのは贅沢ですよね。

田村市の歴史

田村市の歴史は、大きく三つの流れで捉えると分かりやすいです。古代から中世にかけては、坂上田村麻呂の伝説と、その名を継いだ田村氏による支配。近世から近代は各地区が農業や林業で歩んだ時代。そして2005年の平成の大合併で5つの町村が一つになり、現在の田村市が生まれました。山あいの各地区がそれぞれ重ねてきた歴史が、今も地名や祭り、文化財として残っています。

古代〜中世──坂上田村麻呂と田村氏

市名の由来である坂上田村麻呂は、平安時代初期に蝦夷征討で東北へ遠征した武将です。田村市一帯には、田村麻呂が大滝根山を本拠とした大多鬼丸を討ったという伝承が色濃く残ります。船引町門沢の堂山王子神社の本殿は室町時代中期の建築で、1917年(大正6年)に国の重要文化財に指定されました。これは田村市で最も古い国指定であり、中通り地方にある国指定重要文化財の中でも最も古い歴史を持ちます(出典:田村市公式サイト)。中世にはこの地を治めた田村氏が勢力を広げ、戦国時代には三春町域を拠点とする戦国大名へと成長しました。

近代の開拓と発展──鉄道の開通と5町村

1915年(大正4年)に磐越東線の前身にあたる路線が三春〜小野新町間で開業し、船引に鉄道が通りました。その後、船引・滝根・大越・常葉・都路の各地区は農業や林業などで歩みを重ねます。そして2005年(平成17年)3月1日、滝根町大越町都路村常葉町船引町の5町村が合併し、田村市が発足しました。市役所は旧船引町に置かれています。

現代──震災と、避難指示解除からの歩み

2011年(平成23年)の東日本大震災では、田村市も震度6弱を観測しました。東京電力福島第一原子力発電所の事故により、市東部の都路地区の一部に避難指示が出されましたが、2014年(平成26年)4月1日に解除されました。これは原発事故に伴う避難指示区域の中で、初めての解除でした(出典:経済産業省)。以降、田村市は復興と地域づくりを進めながら現在に至っています。

田村市の文化・風習

方言と話し方の特徴

田村市で話されるのは、福島県中通りの言葉です。全国的にも知られるんだ(そうだ)やんだべ(そうだろう)をはじめ、語尾に〜べ〜だべ(〜だろう・〜しよう)がつくのが特徴です。ほかにも、めんこい(かわいい)、いぎなり(とても・すごく)、ありがとなし(ありがとうございます、という丁寧な言い方)などがよく使われます。イントネーションは平板で、やわらかく耳に届く響きですよ。

おもしろいのが、この地域ではエゴマのことをじゅうねん(エゴマ)と呼ぶこと。「10年経っても蒔けば芽を出す」という言い伝えから付いた呼び名で、暮らしの中の言葉と食がつながっているのが感じられます。

食卓と季節の暮らし

阿武隈高地の田村市は、寒暖の差が大きい高原の気候。冬は氷点下10度を下回る日もあり、夏はからっとしています。食卓には、じゅうねん(エゴマ)をすって味噌と合わせた「じゅうねん味噌」や、それを塗った餅などの郷土食が並びます。とれたての米や地場の野菜を、季節に合わせていただく──そんな昔ながらのリズムが今も生きています。

人の気質と地域のつながり

5つの町村が合併してできた田村市は、地区ごとに祭りや行事の色があります。夏には各地区で夏まつりや灯まつりが開かれ、世代を超えて人が集まります。山あいの暮らしだけに、ご近所どうしの距離が近く、困ったときの助け合いや声かけが自然に行き交うのもこの町らしさ。移住してきた人にとっても、溶け込みやすい空気があると考えられます。

田村市の特産品・食

特産品1:エゴマ(じゅうねん)とエゴマ油

田村市を代表する特産といえば、やっぱりエゴマ(じゅうねん)。シソ科の植物で白種と黒種があり、市内では明治より前から栽培されてきたと伝えられます。実をすった味噌や餅は、香ばしくてほんのり甘い、素朴な味わい。注文を受けてから搾る新鮮なエゴマ油は、シソに似たさわやかな香りが特徴で、サラダや料理の仕上げにひとかけするだけで風味が変わります(出典:田村市観光サイト)。健康食として広まった食材を、産地でそのまま味わえるのは格別ですよ。

特産品2:あぶくまの米

高原の冷涼な気候と大滝根川の水が育てるお米も、田村市の自慢です。コシヒカリやひとめぼれなどが作られ、昼夜の寒暖差が甘みとつやを生むと考えられます。炊きたてを一口食べれば、この土地の水と空気のよさが伝わってきますよ。おむすびにして、じゅうねん味噌を添えるのが地元ならではの楽しみ方です。

特産品3:山ブドウ・地場フルーツのスイーツ

滝根町では、酸味と糖度がしっかりした山ブドウ「北醇(ほくじゅん)」が育てられ、市内の菓子店がジャムやスイーツに仕立てています。ほかにもイチゴやパッションフルーツなど、地場のフルーツを使ったチーズケーキやプリンも人気です。旅の途中、地元の菓子工房に立ち寄って、その土地ならではの甘みを探すのも楽しい時間になりますよ。


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田村市の観光スポット

序盤で触れた田村市の顔を、ここからは一つずつ深掘りしていきます。まず押さえたいのは、滝根町に集まる「地底」と「星空」の名所たち。そこに常葉町の昆虫の楽園や、高原のハイキングコースが加わると、田村市の観光地図がぐっと立体的になります。地球のスケールを体感できるスポットが多いのが、この市らしさなんですよ。

地底と星空をめぐる(滝根エリア)

  • あぶくま洞 – 8,000万年をかけてできた鍾乳洞。公開部は約600mで、料金は大人(高校生以上)1,200円・中学生800円・小学生600円、はしごや飛び石を進む探検コースは一般料金に+200円です。営業時間は8:30〜17:00(時期により変動)(出典:あぶくま洞公式サイト)。洞内は一年中およそ15℃。夏はひんやり、冬はあたたかく、ライトアップされた「滝根御殿」や「月の世界」に包まれると、時間を忘れてしまいますよ。
  • 入水鍾乳洞 – あぶくま洞のすぐ近くにある、国の天然記念物に指定された鍾乳洞。全長約900mでA・B・Cの3コースがあり、B・Cコースは懐中電灯を頼りに地下水の流れに沿って進む本格的なケイビングが楽しめます(出典:田村市観光サイト)。濡れながら岩をくぐる冒険は、大人でも本気で童心にかえれますよ。
  • 星の村天文台 – 滝根町神俣にある、標高約650mの高原の天文台。福島県内でも最大級の口径65cmの反射式望遠鏡を備え、プラネタリウムや化石・鉱物の発掘体験もあります。天文台の料金は大人・高校生500円、小中学生300円です(出典:田村市公式サイト)。市街の灯りが届きにくい夜、望遠鏡の先に浮かぶ土星の環を見たときの静かな感動は格別なんですよ。

昆虫と高原にふれる(常葉・都路エリア)

  • ムシムシランド – 常葉町にある、1989年に日本初のカブトムシドームとして生まれた施設。夏のカブトムシドーム開設期間(例年7月中旬〜8月下旬)は1,000匹を超えるカブトムシが放し飼いにされ、入場料は昆虫館とのセットで大人800円・子ども500円です(出典:ムシムシランド公式サイト)。手のひらにカブトムシがのった瞬間の、子どもの歓声が忘れられない場所です。
  • グリーンパーク都路 – 都路町にある自然体験の拠点。オートキャンプ場やディスクゴルフのコースがあり、近年は田村市産ホップを使ったクラフトビールの醸造も始まりました。ウグイスの声が響く高原で焚き火を囲めば、静かな時間そのものがごちそうに感じられますよ。

山と信仰の風景(大越・船引エリア)

  • 高柴山 – 標高884mの山で、阿武隈高原中部県立自然公園に指定されています。山頂一帯を染めるヤマツツジの大群落が見どころで、牧野(大越町)・門沢(船引町)・浮金(小野町)の3つの登山口から30分ほどで登れます(出典:田村市公式サイト)。つつじが咲きそろう初夏、真紅のじゅうたんの上に立つ体験は、写真では伝えきれない迫力なんですよ。
  • 片曽根山(田村富士) – 船引の市街地を見下ろす、円すい形の姿から「田村富士」と親しまれる山。ふもとから見上げると町のシンボルらしい端正な形で、田村市に着いたことを実感させてくれます。
  • 堂山王子神社 – 序盤で紹介した、本殿が国の重要文化財に指定された古社(船引町門沢)。杉木立に囲まれた静けさの中に、室町時代の建築がそのまま残ります。田村麻呂伝説の空気を肌で感じたい人におすすめです。

田村市の観光ルート

計算中…

田村市は南北に長く、見どころが滝根・常葉・大越・都路とゆるやかに散らばっています。だからこそ、車で「地底と星空」「昆虫と鬼の里」のようにテーマを決めて回ると、一日がぎゅっと濃くなりますよ。ここでは市内で完結するルートと、となりの三春町まで足をのばす広域ルートを紹介します。

【車・1日】滝根 地底と星空ルート

9:00 船引駅 → 9:35 あぶくま洞(車35分)→ 入水鍾乳洞 → 星の村天文台 → 18:00 星空観望会

あぶくま洞(60分)→ 朝いちばんで地底へ。人が少ない午前は、鍾乳石のライトアップをじっくり独り占めできます。

入水鍾乳洞(40分)→ すぐ隣でケイビングに挑戦。濡れてもいい靴と着替えを持っていくと安心です。

星の村天文台(90分)→ 昼は太陽の黒点観察やプラネタリウムを。同じ滝根エリア内なので移動はわずかです。

星空観望会(夜)→ 日が暮れたら再び天文台へ。標高650mの澄んだ空で、季節の星を望遠鏡でのぞく締めくくりです。

【車・半日】常葉・大越 昆虫と鬼の里ルート

9:30 ムシムシランド → 11:30 高柴山(牧野登山口) → 13:30 大越駅前 → 14:00 磐城街道の集落

ムシムシランド(90分)→ 常葉町でカブトムシと触れ合う。夏休みは開園直後が比較的ゆったりです。

高柴山(登山往復90分)→ 大越の牧野登山口から山頂へ。初夏ならつつじ、秋なら紅葉と展望が待っています。

大越の鬼伝説スポット(30分)→ 大越駅前で、鬼にされた豪族兄弟の伝説にふれる。地名の物語を知ると町の見え方が変わります。

磐城街道の集落(30分)→ 帰り道に、厄除けとして祀られる「お人形様」など、街道の風習を眺めて余韻にひたります。

【車・1日】広域ルート:田村+三春の桜と地底

9:00 あぶくま洞 → 10:30 星の村天文台 → 12:30 三春町(城下町) → 14:00 三春滝桜(春季)

あぶくま洞(60分)→ まずは田村市の地底世界から。ひんやりした空気でスタートします。

星の村天文台(60分)→ 昼の太陽観察とプラネタリウムで、宇宙のスケールを味わいます。

三春町の城下町(90分)→ 田村氏ゆかりの城下町へ。細い坂道と寺社が続く、歩いて楽しい町並みです。

三春滝桜(60分・春季)→ 春なら日本三大桜のひとつへ。田村の歴史と桜を一日でつなげる欲ばりなルートです。


ここまで見てきたとおり、見どころが少し離れた場所に点在していることもあります。気になるスポットをまとめて回るなら、レンタカーがあると一気に動きやすくなりますよ。料金は会社や時期でけっこう変わるので、まとめて比較できるサイトでサッと見ておくのがおすすめです。

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そして遠方から訪れるなら、思いきって一泊するのもおすすめです。日帰りでは通り過ぎてしまう夜や朝の時間に、その町ならではの静けさや表情に出会えます。お祭りやイベントの時期は宿が一気に埋まるので、早めの確保が安心ですよ。

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田村市の年間イベント

田村市のイベントは、高原の自然と「星」を軸にめぐります。初夏のつつじや星まつり、真夏の昆虫、秋のロードレース、そして澄んだ冬の星空まで、季節ごとに顔ぶれが変わるんですよ。ここでは毎年おおよそ何月ごろに開かれているかを目安に紹介します。

春〜夏:高原が動き出す季節

初夏の主役は高柴山のつつじ。例年5月ごろに山開きが行われ、山頂がヤマツツジで赤く染まります(出典:田村市公式サイト)。あぶくま洞のそばでは、例年6月中旬から7月上旬にかけてラベンダー園も開園します(出典:あぶくま洞公式サイト)。

そして毎年6月ごろに開かれるのが、星の村天文台の「星まつり」。2026年は第14回として6月に開催されました(出典:田村市観光サイト)。夜の高原で望遠鏡をのぞく行列は、大人も子どももわくわくが止まりませんよ。

夏は、ぜひ子ども連れで行ってほしいのがムシムシランド。カブトムシドームは例年7月中旬から8月下旬まで開設され、放し飼いのカブトムシと触れ合えます(出典:ムシムシランド公式サイト)。

秋:実りと走りの季節

秋の名物は、片曽根山(田村富士)の名を冠した「田村富士ロードレース大会」。田村市運動公園を発着に、例年10月ごろ開催されます(出典:田村市観光サイト)。沿道の応援と高原の風の中を走る秋の一日は、市民にとって恒例の行事です。

この時期はあぶくま洞でも秋のイベントが開かれ、周辺の里山が色づきます。走る人も、見る人も、収穫の季節の空気を楽しめますよ。

冬〜早春:澄んだ空を見上げる季節

空気が澄む冬から早春は、星がいちばんきれいに見える季節。星の村天文台では毎週末を中心に星空観望会が開かれ、春先には夜通し星を追う「メシエ天体観測マラソン」も行われます。

あぶくま洞は冬も通年で営業していて、外が寒い日でも洞内はあたたか。雪の高原とセットで訪れると、田村市の冬らしい静けさを味わえますよ。

田村市のエリア別の顔

田村市は2005年に5つの町村が合併してできた市で、今も旧町村ごとに行政局や地区の色がはっきり残っています(出典:田村市公式サイト)。船引・滝根・大越・常葉・都路──旅する視点でそれぞれの顔をのぞくと、回る順番のヒントが見えてきますよ。

船引エリア──市の玄関口・旅の起点

市役所とJR磐越東線の船引駅がある、田村市の中心市街地。円すい形の片曽根山(田村富士)がまちを見守り、田村市運動公園や商店が集まります。まずここで情報や食事を整えてから各エリアへ散る、旅の拠点にぴったりのエリアです。

滝根エリア──あぶくま洞と星空の観光核

あぶくま洞・入水鍾乳洞・星の村天文台が徒歩圏に集まる、観光の中心地。地底と宇宙を一日で行き来できる、田村市でいちばん密度の高いエリアです。じっくり見どころを味わいたい人は、ここを軸に日程を組むのがおすすめですよ。

大越エリア──鬼伝説の里

坂上田村麻呂に抗い、後世に「鬼」として語られた豪族兄弟・鬼五郎と幡五郎の伝説が残る地区。高柴山の牧野登山口もこのエリアです。伝説の背景を知ってから歩くと、素朴な里の風景に物語が重なって見えてきます。

常葉エリア──昆虫とカブトムシの里

ムシムシランドを擁する、昆虫の里として知られるエリア。日帰り入浴ができるスカイパレスときわもあり、家族連れの滞在拠点になります。夏休みに子どもと自然体験をしたいなら、まず向かいたい場所ですよ。

都路エリア──高原とクラフトビール

市の東部、浜通りと背中合わせの静かな高原地帯。グリーンパーク都路でのキャンプやディスクゴルフ、田村市産ホップのクラフトビールが楽しめます。日本標準時を送るおおたかどや山標準電波送信所もこのエリア。喧騒から離れてのんびりしたい人に向いています。

田村市の気候・季節の暮らし

田村市は阿武隈高地の高原に位置し、寒暖の差が大きい大陸性の気候です。船引地区の年平均気温は11.0℃で、夏日は年におよそ76日ある一方、猛暑日は年0.1日とほとんどありません。冬日は年に約117日、真冬日も約7日あります(出典:気象庁)。標高がある分、夏は涼しく冬は冷え込む──そんなメリハリのある土地なんですよ。

夏──6月〜8月の暮らし

高原の夏は、日中こそ気温が上がっても、朝晩はすっと涼しくなります。熱帯夜が少ないので、寝苦しさに悩まされにくいのが高原暮らしのありがたいところ。あぶくま洞や星の村天文台に人が集まる、田村市がいちばんにぎわう季節でもあります。

秋──9月〜11月の暮らし

秋は一日の寒暖差がぐっと大きくなり、朝は霧が谷を覆うことも。高柴山や里山が色づき、田んぼは黄金色に染まります。日が落ちると急に冷えるので、薄手の上着が一枚あると安心。空気が澄んで、星がきれいに見え始める時期でもありますよ。

冬──12月〜2月の暮らし

冬は冷え込みが厳しく、氷点下10度を下回る日も数日あります。会津のような豪雪地帯ではありませんが、路面の凍結には注意が必要で、車の冬タイヤは欠かせません。澄みきった夜空に星がまたたく、静けさの深い季節です。

春──3月〜5月の暮らし

春先は風が強い日が続きますが、里に桜が咲き、5月には高柴山のつつじが山頂を染めます。厳しい冬を越えたあとの新緑は、いっそう鮮やかに感じられますよ。屋外で過ごすのが気持ちいい、一年で最も動きやすい季節です。

田村市の移住・暮らし情報

観光で見た田村市を、今度は「暮らす目線」でのぞいてみましょう。郡山市まで車でおよそ40分という距離感、比較的おさえめの家賃、そして原発事故からの復興を背景にした手厚い移住支援が、この市で暮らすときの土台になります。高原の自然と、日常に必要なものが手の届く範囲にそろうバランスがポイントですよ。

通勤・通学

市内で働く人のほか、JR磐越東線や車で郡山市方面へ通う人も多いエリアです。船引駅から郡山駅までは磐越東線でおよそ25分(出典:田村市観光サイト)。車なら船引三春ICから磐越自動車道に乗れるので、郡山への通勤圏として暮らす選択もしやすい立地です。

住宅環境

船引駅周辺の賃貸アパートは、1LDKでおよそ5万円台、2DK・2LDKで6万円台前後が目安です(出典:SUUMO)。都市部に比べると、同じ家賃でぐっと広い間取りに住めるのが魅力。中心部を離れれば、庭付きの一戸建てや空き家物件も見つかりますよ。

買い物環境

船引地区を中心に、スーパーやドラッグストア、ロードサイドの店が集まり、日常の買い物は市内で完結できます。まとまった買い物や専門店を求めるなら、車で40分ほどの郡山市まで足をのばす人が多い印象です。車があれば不便を感じにくい暮らしと考えられます。

子育て・教育

市内には田村市立の小学校・中学校が地区ごとに配置され、都路地区の小・中学校では「小規模特認校制度」も設けられています(出典:田村市教育ポータルサイト)。子育て応援券や病児・病後児保育、産後ケアなどの支援も整い、子育て世帯を後押しする体制がつくられています。

医療環境

市の中核となるのが、2019年に開院した田村市唯一の自治体病院「たむら市民病院」(船引町)。内科・外科・整形外科・循環器内科・眼科など幅広い診療科があり、指定管理者として星総合病院が運営しています(出典:田村市公式サイト)。都路地区には市立の診療所もあり、高度医療が必要な場合は郡山市の病院と連携する形になります。

エリア別の暮らし視点

暮らしの利便性でいえば、市役所・駅・病院・商店がそろう船引エリアが中心です。観光地に近い滝根、鬼伝説の里大越、昆虫の里常葉、高原ののどかな都路はより自然が近く、静けさや広さを求める人に向いています。移住支援では、田村市が県外からの移住者向けに賃貸住宅の家賃を最大月4万円補助する制度なども設けています。

さらに田村市は、福島県の「ふくしま12市町村」の一つとして、県外からの移住者に世帯最大200万円・単身最大120万円の移住支援金の対象地域にもなっています(出典:ふくしまぐらし(福島県移住ポータルサイト))。移住を具体的に考える人には、心強い後押しになりますよ。

田村市へのアクセス

田村市の玄関口は、JR磐越東線の船引駅と、磐越自動車道の船引三春IC・田村スマートICです。首都圏からは郡山経由が便利で、東京駅からおよそ2時間。車・鉄道・飛行機のどれでも行きやすい立地です。それぞれのルートを整理しておきましょう。

車でのアクセス

郡山JCTから磐越自動車道に入り、船引三春ICまで約20分、田村スマートICまで約25分です(出典:田村市観光サイト)。東北自動車道と磐越自動車道がつながっているので、首都圏からも仙台方面からも高速一本でアクセスできます。市内の観光は車移動が基本になります。

鉄道+バスでのアクセス

東京駅から東北新幹線で郡山駅まで約1時間20分、そこから磐越東線に乗り換えて船引駅まで約25分です。いわき方面からは、いわき駅から磐越東線で船引駅まで約1時間10分。郡山での乗り換えは同じ駅構内なので、初めてでも迷いにくいですよ。

飛行機でのアクセス

空路なら福島空港が最寄りで、福島空港から田村市役所本庁舎まで車で約1時間です。関西方面などから向かう場合は、福島空港経由でレンタカーを組み合わせると動きやすくなります。

町内移動の現実的アドバイス

市内はJR磐越東線が東西に走り、福島交通の路線バスや、予約制の「田村らくらくタクシー(デマンドタクシー)」も運行しています(出典:田村市公式サイト)。ただ、あぶくま洞や星の村天文台など見どころは駅から離れているため、旅でも暮らしでも、車を用意しておくのがいちばん現実的です。


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【地元住民に直撃!】田村市の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。

エゴマ農家をしています。この辺りでは昔からエゴマを「じゅうねん」と呼んでいて、実を搾って油にしたり、すって味噌に混ぜたりして食べてきたんですよ。

高原の寒暖差があるからか、香りのいい実が育つんです。搾りたての油をひとかけするだけで料理が変わる、その手ごたえが今も好きで続けています。

Q2.田村市に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?

やっぱり、あぶくま洞ですね。田村市の観光の顔で、洞内に入るとひんやりした空気と地下水の滴る音に包まれて、地球の時間の長さを肌で感じます。

地元の人間としては、すぐ近くの星の村天文台もおすすめ。夜、市街の灯りが届かない高原で見上げる星空は、住んでいてもはっとするほど澄んでいますよ。

Q3.田村市でお土産を買うとしたらなんですか?

オーソドックスなのは、この土地の有名なもの、エゴマ油ですね。健康にいいと全国に知られて、料理好きな方にはとても喜ばれます。

地元の人間が推すなら、滝根の山ぶどうを使ったジャムやお菓子。市内の菓子屋さんがそれぞれ工夫していて、酸味と甘みのバランスが土地らしいんですよ。

Q4.外から人が来たときに、田村市でまず連れていく店はどこですか?

気取った店より、地元の食材を出してくれる普段づかいの食事処に連れて行きます。とれたてのお米や地場の野菜が、そのまま美味しいんですよ。

おむすびにエゴマ味噌を添えるのがこの辺りの楽しみ方で、そういう素朴な一皿を囲むと、初めての人でもすっと打ち解けてくれます。

Q5.田村市はどんな気質だと思いますか?

五つの町村が一つになった市なので、地区ごとに少しずつ色があります。ただ根っこは共通していて、山あいの暮らしらしく、控えめで働き者の人が多いですね。

ご近所の距離が近くて、困ったときにさりげなく声をかけ合う。派手さはないけれど、その静かな助け合いが田村市らしさだと思っています。

Q6.昔に比べて、田村市の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?

正直に言えば、人は減りましたし、若い世代が市外へ出ていくのは寂しく感じます。震災のあとは、東の地区が長く大変な時期を過ごしました。

それでも、少しずつ人が戻り、新しく移り住む方も出てきました。市民センターに集まって行事を続ける姿を見ると、火は消えていないと感じます。

Q7.田村市のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?

大きな箱物より、今あるものを育てる動きに期待しています。運動公園でのイベントや、高原を生かしたキャンプや星空の催しに、市外の若い人が来てくれるんですよ。

市長さんたちにも、私たちのエゴマのような地の産物をもっと外へ届ける後押しをしてほしい。それが暮らしの張り合いにつながると思っています。

田村市の関連リンク

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