大玉村(おおたまむら)は、福島県のほぼ中央・中通り地方にある人口8,933人の村です。安達郡でただ一つの自治体で、郡山と二本松のちょうど中間に位置します。
大玉村の見どころを5つに絞ると、こうなります:
- ✅ 世界で初めてマチュピチュ村と友好都市──村出身の野内与吉が縁を結んだ
- ✅ 日本百名山安達太良山の裾野──「フォレストパークあだたら」も村内
- ✅ 「日本で最も美しい村」連合に加盟する小さな村
- ✅ 過疎に逆行、人口が増え続ける村──子どもの割合は福島県一位
- ✅ コシヒカリ・ひとめぼれが実る福島県有数の米どころ
「地学や自然が好きな旅行者」「静かな田舎で子育てや移住を考えている人」「ちょっと変わった町の物語に惹かれる人」におすすめの村です。序盤では、村の顔である推しポイント・歴史・文化・食を、地元目線で紹介していきます。
| 人口 | 8,933 人 ※2026年6月1日時点(推計人口) |
|---|---|
| 面積 | 79.44 km² |
| 人口密度 | 112 人/km² |
大玉村は福島県のほぼ中央、中通り地方に位置し、安達郡でただ一つの自治体です。北西に日本百名山の安達太良山、東端に阿武隈川が流れ、その裾野に扇状地が広がります。
周囲は郡山市、二本松市、本宮市の3市と接しています(出典:大玉村公式サイト)。国道4号と東北自動車道が村を貫きますが、村内に高速道路のインターチェンジと鉄道駅はなく、最寄りは本宮IC・二本松IC、JR東北本線本宮駅です。
火山があり、米どころがあり、そして遠くペルーとの縁がある。小さな村に詰まった物語を、ひとつずつ見ていきましょう。
大玉村の推しポイント

大玉村の魅力は「意外性」に尽きます。空中都市マチュピチュと世界で初めて手を結んだのも、日本の村では珍しく人口が増え続けているのも、この村です。背後には日本百名山の安達太良山がそびえ、その水で米が実る。自然・産業・暮らし・人の物語が、それぞれに強い個性を持っています。ここでは4つに絞って紹介します。
推しポイント1:マチュピチュと結ばれた村
ペルーの世界遺産マチュピチュ村と、大玉村は2015年に世界初の友好都市協定を結びました(出典:大玉村公式サイト)。きっかけは、村の玉井地区出身の移民・野内与吉さん。マチュピチュ集落に水を引き、ホテルを開き、1948年に初代村長を務めた人物です(出典:福島民報)。世界中から協定の申し入れを受けてきたマチュピチュ村が、初めて選んだ相手がこの小さな村だったんですよ。
推しポイント2:安達太良山とフォレストパークあだたら
村の北西にどっしり構えるのが、日本百名山の一つ安達太良山です。福島市・郡山市・二本松市・本宮市・猪苗代町・大玉村の6市町村にまたがる活火山でもあります(出典:大玉村公式サイト)。高村光太郎の詩集『智恵子抄』に詠まれた山としても知られています。裾野には国内でも屈指の規模の森林公園「フォレストパークあだたら」があり、キャンプや森歩きが気軽に楽しめます。晴れた日にこの山を眺めていると、時間を忘れてしまいます。
推しポイント3:人口が増え続ける「大いなる田舎」
全国の村が人口減少に悩むなか、大玉村は1975年から2020年の国勢調査まで人口が一貫して増加してきました。人口に占める子どもの割合は、福島県内で一位です(出典:福島県移住ポータルサイト ふくしまぐらし。)。福島市や郡山市へ通勤できる立地の良さと、第一子からの保育料無料化といった手厚い子育て支援が、若い世代を惹きつけているんですよね(出典:大玉村公式サイト)。
推しポイント4:安達太良の水が育てる米どころ
安達太良山の伏流水と扇状地の土に恵まれた大玉村は、福島県でも有数の米どころとされています。コシヒカリやひとめぼれ、福島県オリジナル品種の天のつぶなどが作られ、村内の生産者はおいしいお米のコンクールでの受賞も重ねています。田んぼの向こうに安達太良山が映る風景は、この村ならではの一枚です。
大玉村の歴史

大玉村の歴史は、大きく3つの流れで整理できます。縄文の昔から人が暮らした古代、二本松藩の一部として田畑を広げた近世、そして2つの村が合併して現在の村が生まれた昭和です。安達太良山の恵みと阿武隈川の水を土台に、農の暮らしが続いてきました。
古代──縄文からの定住の地
大玉村域には原始・古代から人々が定住し、縄文・弥生・古墳時代の遺跡が各所に分布しています(出典:大玉村公式サイト)。村内には二子塚古墳や傾城壇古墳などが残り、いずれも福島県指定の史跡となっています(出典:大玉村公式サイト)。「玉井(たまのい)」という地名は、村指定文化財の湧き水「玉の井」に由来すると伝えられています。
近世──二本松藩の玉井組
江戸時代に二本松藩が成立すると、この地域は玉井・大江・椚山などからなる「玉井組」として編成されました。元禄13年の藩統計では、村域の人口は3,861人、戸数は725戸と記録されています(出典:大玉村公式サイト)。山林から萱や炭を得て、平坦部で米を作る暮らしが、この時代に形づくられました。
現代──2つの村が「大玉」になる
明治の町村制施行を経て、この地域には玉井村と大山村の2村が置かれました。そして町村合併促進法を受け、1955年(昭和30年)3月31日、両村が合併して大玉村が誕生しました。「大玉」の名は、大山村と玉井村から一字ずつ取ったものです。合併から現在まで、村は一度も他自治体と合併せず、安達郡唯一の村として歩み続けています。
大玉村の文化・風習

方言と話し方の特徴
大玉村は福島県の中通りにあり、話し言葉もこの地方の特徴を色濃く持っています。全体にやわらかく、濁音(がぎぐげご)が多いのが耳に残ります。会話に出てくる言葉を、いくつか標準語訳と一緒に紹介しますね。
相づちのんだ/んだな(そうだ・そうだね)、推量や勧誘の〜だべ/〜っぺ(〜だろう・〜しよう)、なじょした(どうした)などが日常でよく使われます。夕方の挨拶はおばんです(こんばんは)。方向を示すときには〜さ(〜へ・〜に。例:「山さ行ぐ」=山へ行く)という助詞が付きます。
ほかにも、疲れたことをこわい(疲れた・だるい)と言ったり、「〜だから」を〜がら(例:「うまいがら」=おいしいから)と発音したり。標準語に近いようでいて、語尾のあたたかさがぐっと違うんですよ。
250年続く「本揃の田植え踊り」
玉井地区に伝わる本揃の田植え踊りは、250〜300年前から続く村指定の無形民俗文化財です(出典:大玉村公式サイト)。もとは小正月に、豊作祈願や厄払いのため各家に呼ばれて演じられたものでした。田んぼと生きてきた村の記憶が、踊りのなかに今も残っています。
秋祭りと太鼓台のにぎわい
秋になると、玉井神社の例大祭で太鼓台が町内を練り歩きます。玉井二区の太鼓台は、明治時代に二本松藩ゆかりの旧太鼓台を譲り受けたのが始まりで、100年を超えて受け継がれてきました(出典:大玉村公式サイト)。囃子の音が近づくと、村の空気が一気に華やぎます。こういう季節の行事が、住民同士のつながりを今も強く保っているんですよね。
安達太良を眺めて暮らす四季
この村では、みなさん安達太良山を見て季節を知ります。春は裾野にレンゲの花、夏はそば畑に白い花、秋は黄金色の田んぼ、冬は雪をかぶった山。田園に囲まれてはいますが、村内には東北でも大型の商業施設があり、日常の買い物に不自由しない暮らしやすさも兼ね備えています。
大玉村の特産品・食

特産品1:安達太良の水で育つ米
大玉村といえば、まずお米。安達太良山の伏流水と粘土質の土が、粒のしっかりした甘みのある米を育てます。主役はコシヒカリで、炊きたてはもちろん、冷めても甘みが落ちないのが特徴です。旬は新米が出回る9〜10月。塩むすびにして頬張ると、この村の水と土の力がそのまま伝わってきますよ。
特産品2:そば
夏に白い花が一面に咲くそば畑も、大玉村の景色の一部です。秋に収穫された新そばは、香りが高く、のどごしもきりっとしています。安達太良山を眺めながらすする一杯は格別。毎年秋には村内でそば祭りも開かれ、打ちたて・ゆでたてのそばを目当てに人が集まります。
特産品3:田園が育てる季節の野菜
米づくりの村らしく、田畑では季節の野菜もよく育ちます。ミニトマトやねぎ、枝豆、小玉スイカなど、安達太良の水で育った野菜が直売所に並びます。どれも「近くの畑で採れたもの」だからこそのみずみずしさ。旅の途中で立ち寄って、その日の朝どれ野菜を選ぶ楽しみもあります。
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大玉村の観光スポット

大玉村の見どころは、安達太良山の裾野にぎゅっと集まっています。森で遊んで温泉に浸かる一日も、村の歴史や古墳の出土品にじっくり向き合う半日も選べるんですよ。序盤で触れた安達太良山とフォレストパークを軸に、自然・歴史・温泉の3方向から紹介していきます。
安達太良山と森を楽しむスポット
- 安達太良山 – 日本百名山に数えられる標高1,700m級の連峰で、今も火口から噴気を上げる活火山です(出典:大玉村公式サイト)。高村光太郎『智恵子抄』の「ほんとの空」がある山としても知られ、晴れた日は稜線の向こうまで視界が抜けます。県民の森側の登山口から登ると、森の匂いと鳥の声のなかを歩けますよ。
- ふくしま県民の森 フォレストパークあだたら – 標高約600mの森に広がる、福島県の大型森林公園です。キャンプやコテージ泊のほか、日帰り温泉は12:00〜21:00、料金は大人810円・小人330円、泉質は炭酸水素塩温泉です(出典:フォレストパークあだたら公式サイト)。森を眺める露天風呂に浸かると、体の芯からじんわりほぐれていきます。
- 大名倉山 – 村内にある初心者向けの里山で、頂上からは村と安達太良山を一望できます。元旦にはご来光を望む登山イベントも行われ、澄んだ冬の朝の空気が格別です。ふらっと登って景色を楽しむのに、ちょうどいい山なんですよ。
歴史と文化に触れるスポット
- あだたらふるさとホール(大玉村歴史民俗資料館) – 村内の古墳群から出た装飾品や曲玉、古民家を移築した農家の室内などが見られる資料館です。開館は9:30〜18:30(入館は18:00まで)、休館は毎週火曜と年末年始、入館料はおとな100円・高校生以下50円です(出典:大玉村公式サイト)。序盤で触れた縄文からの歴史を、ここで実物から確かめられます。
- 馬場ザクラ – 大山地区にある一本桜で、国の天然記念物に指定されています(出典:大玉村公式サイト)。4月に咲く姿は、安達太良山を背にして立つ堂々とした一本。満開の時期に見上げると、その大きさに圧倒されます。
- 玉井神社 – 村の中心・玉井地区の鎮守で、秋には太鼓台が町内を練り歩く例大祭でにぎわいます。ふだんは静かな境内ですが、地名「玉井」の由来にもつながる、村の歴史の核になる場所なんですよね。
温泉と地場グルメのスポット
- あだたらの里直売所 – 安達太良山の水で育った米や、季節の野菜が並ぶ産直所です。朝どれのミニトマトやねぎ、枝豆などがその日のうちに手に入ります。旅の途中で立ち寄って、地元の食材を選ぶ時間そのものが楽しいんですよ。
- 大玉温泉 金泉閣・安達太良温泉 – フォレストパークとは別に、村内には安達太良山麓の湯を楽しめる温泉施設があります。とろみのある湯で「美肌の湯」とも呼ばれ、日帰りでも立ち寄れます。田園を眺めながらの湯上がりは、旅の締めにぴったりです。
- 森の民話茶屋 – 森のなかで昔話や語りに触れられる、村ならではの静かなスポットです。例年は冬期に休業し、春に再オープンします。木々に囲まれてゆっくり物語に耳を傾ける、他ではなかなかできない時間が流れています。
大玉村の観光ルート

大玉村には駅がないので、旅の基本は車です。本宮ICや二本松ICを起点に、村内をぐるっと回る一日ルートも、安達太良山を越えて二本松市側までつなぐ広域ルートも組めます。歴史・森・温泉をどう並べるか、3パターンで紹介しますね。
【車・1日】安達太良まるごとルート
9:30 本宮IC → 9:50 あだたらふるさとホール → 11:00 玉井神社 → 12:00 あだたらの里直売所 → 14:00 フォレストパークあだたら → 17:00 大名倉山ふもと
①あだたらふるさとホール(60分)→ まず村の歴史と古墳の出土品を予習。ここを先に見ると、あとの風景の見え方が変わります。
②玉井神社(30分)→ 地名の由来にふれ、村の成り立ちを体で感じます。静かな午前中がおすすめです。
③あだたらの里直売所(40分)→ 昼どきに立ち寄り、地場野菜や軽食を調達。旬のものを選ぶ時間が楽しいんですよ。
④フォレストパークあだたら(150分)→ 森を歩いてから温泉へ。日が傾く前の森は光が柔らかく、いちばん心地よい時間帯です。
【車・半日】森と温泉のんびりルート
13:00 本宮IC → 13:20 フォレストパークあだたら(森歩き→森Café→日帰り温泉)→ 16:30 直売所で買い物
①フォレストパークあだたら(180分)→ 森の遊歩道を歩き、カフェで一息ついてから温泉へ。半日でも十分に森を満喫できます。
②あだたらの里直売所(30分)→ 帰り際に地場の食材を買って帰ります。湯上がりの体に、村の空気がしみます。
時間が限られている日は、フォレストパーク1か所に絞るのが正解。ここだけで森・カフェ・温泉が完結するんですよね。
【車・1日】広域ルート:安達太良山を越えて二本松へ
9:00 二本松IC → 9:30 フォレストパークあだたら → 12:00 あだたらの里直売所(昼)→ 14:00 二本松市・あだたら高原(ロープウェイ・岳温泉)
①フォレストパークあだたら(120分)→ 大玉村側の森からスタート。朝の澄んだ空気のうちに森を歩きます。
②あだたらの里直売所(40分)→ 昼は村の産直で。旅の途中に地元の味を挟むと満足度が上がります。
③二本松市・あだたら高原(半日)→ 安達太良山は二本松市や郡山市にもまたがる山。二本松側のロープウェイや岳温泉まで足を延ばすと、同じ山の別の顔に出会えます。
ここまで見てきたとおり、見どころが少し離れた場所に点在していることもあります。気になるスポットをまとめて回るなら、レンタカーがあると一気に動きやすくなりますよ。料金は会社や時期でけっこう変わるので、まとめて比較できるサイトでサッと見ておくのがおすすめです。
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大玉村の年間イベント

大玉村のイベントは、春の山開きに始まり、夏の花火、秋のグルメ祭りへと季節をたどるように続きます。友好都市マチュピチュとの縁が顔を出すのも、この村ならでは。季節ごとに見ていきましょう。
春〜夏:安達太良山山開きとおおたま夏まつり
春の訪れを告げるのが、毎年5月に行われる安達太良山の山開きです(出典:二本松市観光連盟)。山頂では「ほんとの空」の宣言が行われ、登山者でにぎわいます。新緑の稜線を歩く、一年でいちばん清々しい季節なんですよ。
夏の主役は、毎年8月上旬に開かれるおおたま夏まつりです(出典:大玉村公式サイト)。安達太良太鼓やステージで盛り上がり、フィナーレは約1,000発の花火。会場の近くから打ち上がるので、音とともに体に響く迫力があります。友好都市ペルーにちなんだブースが出るのも、ぜひ探してみてほしいところです。
秋:おおたまうまいもの祭りとそば祭り
秋の楽しみは、毎年10月のおおたまうまいもの祭り。村内産の高級和牛が味わえるBBQや、友好都市の特産品販売でにぎわう食のお祭りです(出典:ふくしまの旅(福島県観光物産交流協会))。安達太良おろしの涼しい風のなかで頬張る一皿は、ほんとうにおいしいんですよ。
秋が深まる11月ごろには、村の新そばを味わえるそば祭りも開かれます。玉井神社の秋祭りでは太鼓台が町を練り歩き、囃子の音で村がいちばん華やぐ季節です。実りの秋と収穫の喜びが、村じゅうに満ちていきます。
春・冬:桜まつりと里山のご来光
4月には、村の桜の名所をめぐる春のまつりが開かれ、国の天然記念物・馬場ザクラも見頃を迎えます。安達太良山にはまだ雪が残り、桜と雪山を一度に眺められるのがこの時期ならでは。
冬は、元旦に大名倉山の頂上でご来光を望むイベントが村の一年の始まりを飾ります。澄みきった冬の朝、安達太良山の向こうから昇る光を仰ぐと、背筋がしゃんと伸びますよ。
大玉村のエリア別の顔

大玉村は、1955年に玉井村と大山村が合併して生まれた村です(出典:大玉村公式サイト)。旅する視点で見ると、村は大きく「東の玉井」「西の大山」「安達太良山麓」の3つの顔に分けられます。それぞれ雰囲気がかなり違うので、順に紹介しますね。
玉井エリア──村の中心、歴史と暮らしの顔
役場やあだたらふるさとホール、玉井神社が集まる、村の中心エリアです。国道4号沿いには東北でも大型の商業施設があり、静かな田舎でありながら買い物にも困りません。歴史をたどりたい人、村の日常の空気に触れたい人に向いています。まず村を知るなら、ここから歩き始めるのがおすすめですよ。
大山エリア──田園と夏まつりの顔
旧大山村にあたる西寄りのエリアで、田んぼと安達太良山の眺めが広がります。夏まつりの会場となるふれあい広場や、国の天然記念物・馬場ザクラもこちら側。のどかな田園風景のなかをドライブしたい人、季節の風景を写真に収めたい人にぴったりです。夕方、田んぼに安達太良山が映る時間がとくにきれいなんですよね。
安達太良山麓エリア──森と温泉のアウトドアの顔
フォレストパークあだたらを中心とした、標高の高い森のエリアです。キャンプ・森歩き・温泉と、村のアウトドアはここに集約されています。体を動かして自然に浸りたい人、静かに森時間を過ごしたい人に向いた場所。日帰りでも一泊でも、都会の喧騒をきれいに忘れられますよ。
大玉村の気候・季節の暮らし

大玉村は福島県の中通り内陸にあり、四季のメリハリがはっきりしています。最寄りの二本松観測所の平年値では、年平均気温はおよそ12℃、年間降水量はおよそ1,200mmです(出典:気象庁)。夏は蒸し暑い日もありますが、冬は会津側のような豪雪地帯ではありません。安達太良山を眺めながら季節の移ろいを感じられる、そんな土地なんですよ。
夏──6月〜8月の暮らし
盆地に近い内陸のため、夏の日中は蒸し暑くなる日があります。ただ、朝晩は安達太良山からの風で少し和らぐのが救いです。
田んぼが一面に青々と茂り、夕方には山影が水面に映ります。8月上旬のおおたま夏まつりと花火が、この季節のいちばんの楽しみですよね。
冬──12月〜2月の暮らし
冬は冷え込み、朝は氷点下になる日もあります。とはいえ積雪は会津ほど多くなく、暮らしが雪で止まるような土地ではありません。
それでも道路が凍る朝はあるので、車のスタッドレスタイヤは必須です。雪化粧した安達太良山を見上げる冬の朝は、空気がぴりっと澄んでいます。
春・秋──花と実りの季節
春は、残雪の安達太良山を背に馬場ザクラや村内の桜が咲きそろいます。雪山と桜を一度に眺められるのは、この時期ならではです。
秋は紅葉と新そばの季節。安達太良おろしの涼しい風のなかで、実りの秋がゆっくり深まっていきます。
大玉村の移住・暮らし情報

大玉村は、村としては珍しく人口が増え続けている土地です。福島市と郡山市のほぼ中間にあり、通勤圏の田舎として若い世代に選ばれてきました。ここでは「暮らす視点」で、通勤・住宅・買い物・子育て・医療を見ていきますね。
通勤・通学
大玉村は福島市や郡山市への通勤圏で、両市のベッドタウンとして発展してきました(出典:福島県移住ポータルサイト ふくしまぐらし。)。国道4号と東北自動車道が使えるので、車通勤の便が良いのが選ばれる理由なんですよね。
住宅環境
賃貸物件はそれほど多くなく、地価の安さを生かして宅地を取得し、家を建てる人が中心です。村は定住促進のため宅地造成を進め、住宅取得への補助も用意しています(出典:大玉村公式サイト)。アパートを探す場合は、隣接する本宮市や二本松市まで視野を広げると選択肢が増えます。
買い物環境
村内には東北でも大型のホームセンター系商業施設があり、日常の買い物はほぼ村内で完結します。地場の食材なら、あだたらの里直売所で朝どれの野菜や米が手に入ります。「田舎だけど不便ではない」──この絶妙なバランスが、暮らしやすさの核なんですよ。
子育て・教育
村内には幼稚園・保育所と小・中学校がそろい、第一子からの保育料無料化や給食費の減免など、手厚い子育て支援があります(出典:福島県移住ポータルサイト ふくしまぐらし。)。人口に占める子どもの割合は福島県内で一位。子育て世帯が集まる村ならではの、にぎやかさがあります。
医療環境
村内には日常のかかりつけとなる診療所があり、入院や専門的な医療が必要なときは、隣接する本宮市・二本松市・郡山市の病院が受け皿になります。都市が近いぶん、いざというときの選択肢が確保しやすい環境と考えられます。
エリア別の暮らし視点
玉井エリアは役場や商業施設が近く、暮らしの利便性を重視する人向け。大山エリアは田園に囲まれ、宅地造成も進む静かな住宅地です。安達太良山麓は自然との距離がいちばん近く、アウトドア好きに向いています。中盤で旅の視点として紹介した3エリアは、住む視点で見るとこんな顔になります。
大玉村へのアクセス

大玉村に鉄道駅はなく、移動の基本は車です。東北自動車道と国道4号が通り、郡山市や福島市の都市圏に近いので、県外からのアクセスも意外とスムーズなんですよ。
車でのアクセス
東北自動車道の本宮ICから約8km、二本松ICから約9kmで、いずれもインターから20分ほどです(出典:大玉村公式サイト)。村内を国道4号が縦貫しているので、周辺市への移動も速い。車があれば、生活も観光もいちばん自由に動けます。
鉄道+バスでのアクセス
首都圏からは、東北新幹線で東京駅から郡山駅までおよそ80分。郡山市でJR東北本線に乗り換え、本宮駅で下車します(出典:大玉村公式サイト)。本宮駅から村中心部までは約3km、車やタクシーで約10分です。駅から先は車移動が前提になる、と考えておくと安心ですよ。
飛行機でのアクセス
空路の場合は福島空港が最寄りです。福島空港ICからあぶくま高原道路と東北自動車道を経由し、矢吹IC・本宮ICへと進むルートになります(出典:大玉村公式サイト)。西日本方面から向かうときは、この空路も選択肢になります。
村内移動の現実的アドバイス
これまで運行していた広域生活バスは2022年3月末で終了し、現在は予約制のデマンドタクシー「たまちゃんタクシー」が村民の足になっています(出典:大玉村公式サイト)。旅行でも暮らしでも、村内をしっかり回るなら車が前提です。レンタカーを郡山駅で借りてくると、動きやすいですよ。
交通手段ごとに見てきましたが、「結局いちばん安く行くにはどうすれば?」と迷う方も多いはず。飛行機で向かうなら、航空券は予約のタイミングや会社によって料金が大きく変わります。複数の航空会社・LCCをまとめて比較できるサイトで、いちど最安値をチェックしておくと安心ですよ。
【トラベリスト】
で航空券をまとめて比較する
【地元住民に直撃!】大玉村の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。
米を作っています。安達太良山の伏流水と、この扇状地の粘土質の土でね、コシヒカリやひとめぼれを育てています。田んぼの向こうに山が映る、あの景色を見ながら働けるのはありがたいですよ。
大玉村は昔から福島でも指折りの米どころで、水と土に恵まれた土地です。親から受け継いだ田んぼを守りながら、毎年同じ味を出せるように手をかけています。
Q2.大玉村に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?
まずは安達太良山の裾野に広がる森林公園ですね。県民の森として整備された場所で、森を歩いて温泉に浸かれる。木々を抜ける風の音を聞いていると、時間を忘れます。
地元の人間としては、村の運動公園あたりから見上げる安達太良山も推したい。夕方、田んぼに山の影が落ちる時間帯が一番きれいで、ここで暮らす良さが詰まっています。
Q3.大玉村でお土産を買うとしたらなんですか?
やっぱり米です。この村の一番の名産ですから、迷ったらお米を持って帰ってほしい。塩むすびにするだけで、水と土の力が分かってもらえると思います。
あとは地元の人間なら、秋の新そば。直売所に並ぶ季節の野菜も、朝どれで安くて質がいい。観光客はなかなか目を向けないけれど、これが一番の掘り出し物ですよ。
Q4.外から人が来たときに、大玉村でまず連れていく店はどこですか?
村で採れたそばを出す、昔ながらのそば屋に連れていきます。打ちたて、ゆでたてを、安達太良山を眺めながらすすってもらう。それが一番この土地らしい迎え方だと思うので。
店構えは派手じゃないけれど、出汁の匂いとそばの香りで、来た人はたいてい黙って食べ始めます。うちの村の空気ごと味わってもらえる場所です。
Q5.大玉村はどんな気質だと思いますか?
物静かで、余計な干渉はしないけれど、いざとなれば助け合う。農村らしい距離感の土地です。田植えや祭りの時期になると、自然と人が集まってくる。
ペルーのマチュピチュ村と縁を結んだ話にも表れていますが、小さな村なりに外へ開いていく気概もある。控えめだけど、芯は通っている人が多いですね。
Q6.昔に比べて、大玉村の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?
正直に言うと、農業そのものは昔より縮んでいます。田畑で生きる人は減った。ただ、この村は不思議と人口が増え続けていて、若い世帯がずいぶん移り住んできました。
村内で買い物も済むようになり、暮らしやすさは上がりました。子どもの声が聞こえる田舎というのは、案外めずらしい。そこは誇りに思っています。
Q7.大玉村のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?
大きな施設をどんどん建てるより、この田園と安達太良山の景観を守っていく方向に期待しています。村もメガソーラーには慎重で、景色を大事にする姿勢がありますから。
マチュピチュとの交流も続いていますし、住民センターや運動公園を核にした、村ぐるみの催しがもっと広がるといい。人が集まる仕掛けが、静かに育っている最中です。

