秋田市(あきたし)は、秋田県の沿岸中部に位置する県庁所在地で、人口約29万人。東北で最初に中核市に指定された、日本海側を代表する城下町です。東京から秋田新幹線「こまち」で結ばれています。
秋田市の魅力を5つに絞ると、こうなります:
- ✅ 竿燈まつり──東北三大祭りのひとつ。約280本の光の稲穂が夜空を彩る国指定重要無形民俗文化財
- ✅ 佐竹二十万石の城下町──久保田城(千秋公園)を核に発展した秋田県の県都
- ✅ 土崎神明社祭の曳山行事──港町・土崎に伝わるユネスコ無形文化遺産の夏祭り
- ✅ 日本酒の街──新政・高清水・ゆきの美人など市街地に酒蔵が集まり、川反は県内随一の飲み屋街
- ✅ 秋田グルメの玄関口──きりたんぽ・比内地鶏・ハタハタが集まる県内一の食の集積地
「祭りや伝統文化が好きな旅行者」「城下町の歴史を歩きたい人」「日本酒とご当地グルメを味わい尽くしたい人」に特におすすめの街です。本記事では、観光・歴史・特産・食から、暮らしや方言まで、地元目線で順に紹介していきます。
| 人口 | 289,817 人 ※2026年6月1日時点(推計人口) |
|---|---|
| 面積 | 906.07 km² |
| 人口密度 | 320 人/km² |
地理的には、北は潟上市・井川町・五城目町、北東は上小阿仁村、東は仙北市・大仙市、南は由利本荘市に接しています(出典:秋田市公式サイト)。日本海に面した沿岸部から東の奥羽山脈のふもとまで広がり、市街地の一角には八橋油田が広がる、産油地としても知られた土地です。
秋田駅からは秋田新幹線「こまち」で東京と直通し、県の政治・経済・交通の中心となっています。祭り・城下町・港・酒と、この街には見どころがぎゅっと詰まっています。ひとつずつ見ていきましょう。
秋田市の推しポイント

秋田市の顔は、なんといっても夏の祭りと城下町の歴史です。竿燈まつりと土崎の曳山行事という2つの重要無形民俗文化財を持ち、その中心には佐竹氏が築いた久保田城があります。さらに市街地には全国区の酒蔵が集まり、県内一のグルメ集積地でもあります。ここからは、そんな秋田市の見どころを5つに分けて紹介しますね。
竿燈まつり──光の稲穂が揺れる夏の夜
秋田市を代表する夏祭りが秋田竿燈まつりです。毎年8月3日から6日まで、竿燈大通りを会場に開催され、青森ねぶた祭・仙台七夕まつりと並ぶ東北三大祭りのひとつに数えられています(出典:秋田市観光・イベント情報総合サイト アキタッチ+)。稲穂に見立てた約280本の竿燈が大通りに立ち並ぶ光景は圧巻です。もっとも大きな「大若」は提灯を46個下げて高さ約12メートル、重さ約50キロにもなり、差し手が手のひらや額、肩、腰で自在に操ります。約270年の歴史を持ち、五穀豊穣を願う「ねぶり流し」の行事を起源とする、国指定重要無形民俗文化財です(出典:秋田市竿燈まつり実行委員会)。
久保田城と千秋公園──佐竹二十万石の城下町
秋田市の街の骨格をつくったのが久保田城です。関ヶ原の戦いののち常陸国から国替えとなった佐竹義宣が、1603年に築城を始め、翌1604年に入城しました(出典:秋田市公式サイト)。石垣をほとんど使わず堀と土塁で守り、天守を築かなかった「土造りの城」で、日本100名城にも選ばれています。現在は千秋公園として整備され、春の桜の名所として親しまれています。城歩きのあとに公園を散策すれば、二十万石の城下町の空気を感じられますよ。
土崎神明社祭の曳山行事──港町のユネスコ遺産
港町・土崎に伝わるのが土崎神明社祭の曳山行事です。毎年7月20日・21日に行われ、勇壮な曳山が町内を練り歩きます。1997年に国の重要無形民俗文化財に指定され、2016年には「山・鉾・屋台行事」のひとつとしてユネスコ無形文化遺産に登録されました(出典:文化庁 文化遺産オンライン)。土崎港は北前船の寄港地として栄えた港で、この祭りも宝永元年(1704年)に北前船の船乗りが神輿を寄進したことが始まりと伝えられています。
新政と川反──市街地で息づく日本酒文化
秋田は酒どころですが、その顔となる酒蔵がいくつも市街地にあるのが秋田市の面白いところです。清酒酵母「きょうかい6号」の発祥蔵で、いまや全国区の人気を誇る新政(新政酒造・1852年創業)、「高清水」の秋田酒類製造、マンションの1階で醸す都市型酒蔵「ゆきの美人」の秋田醸造などが集まっています(出典:美酒王国秋田(秋田県酒造協同組合))。旭川沿いの川反エリアは秋田随一の飲み屋街。造られる場所と飲まれる場所が近い、酒の街ならではの魅力があります。
秋田新幹線「こまち」──県都の玄関口
秋田市は秋田県の県庁所在地であり、政治・経済・交通の中心です。市制施行は1889年で、日本で最初に市制を施行した31都市のひとつ。1997年には東北で初めて中核市に指定されました。秋田駅からは秋田新幹線「こまち」が東京へ直通し、秋田港には北海道や本州を結ぶフェリーも発着します。県内各地への玄関口として、旅の拠点にしやすい街です。
秋田市の歴史

秋田市の歴史は、古代に置かれた城柵、近世に佐竹氏が築いた城下町、そして近代以降の県都としての発展という3つの時代で大きく形づくられました。港と城を軸に人と物が集まり、現在の市街地の姿ができあがっていきます。時代を追って見ていきましょう。
古代〜中世──城柵と港のはじまり
秋田の地には古代から人の営みがありました。日本海に注ぐ雄物川や旭川の河口部は水運の要衝で、港を中心に集落が発展していきます。戦国期には秋田(安東)氏がこの地を治め、その居城であった湊城が土崎の近くに置かれていました。港と結びついた土地の性格は、この頃からすでに定まっていたといえます。
近世──佐竹氏の入部と久保田城下町
街の姿を決定づけたのが、江戸時代初めの佐竹氏の入部でした。関ヶ原の戦いののち、常陸国から出羽国秋田へ国替えとなった佐竹義宣は、手狭な湊城に代えて神明山に久保田城を築きます。築城は1603年に始まり、1604年に義宣が入城、城下町の整備は約30年をかけて進められました(出典:秋田市公式サイト)。以後、久保田藩(秋田藩)は佐竹氏12代の居城として明治まで続き、武士が住む内町と町人の町が広がる城下町として発展しました。港の土崎は北前船の寄港地として栄え、城下と港がともに街を支える構図ができあがります。
近代から現代──県都へ、そして平成の合併
明治に入ると、1880年の大火で久保田城内の建物の多くが焼失し、その跡地の中通は県の官庁街へと姿を変えました。1889年には市制を施行し、日本で最初の市のひとつとなります。太平洋戦争末期の1945年8月14日から15日にかけては、石油施設を狙った土崎空襲があり、終戦間際の大きな被害を受けました。戦後は県都として発展を続け、1997年に東北初の中核市に。2005年には河辺町・雄和町を編入し、現在の市域となりました。城跡は1896年に千秋公園として整備され、いまも市民の憩いの場となっています。
秋田市の文化・風習

方言と話し方の特徴
秋田市で耳にする言葉は、やわらかい響きの秋田弁です。特徴は、カ行・タ行が濁音になりやすいこと、そして短い表現が多いこと。冬の寒さで口を大きく開けずに話すうちに省略が進んだ、という説もあるんですよ。代表的な言葉を挙げると、んだ(そうだね)、め(ん)け(かわいい)、しったげ(とても・すごく)、しゃっけ(冷たい)、なんも(どういたしまして・大丈夫)、がっこ(漬物)、へば(それじゃあね)などがあります。方向を表すときは助詞の「さ」を使い、「秋田さ行ぐ」(秋田へ行く)のように言います。旅先で「んだ」「なんも」と返ってきたら、それだけで距離がぐっと縮まる感じがしますよ。
食卓と季節の暮らし
秋田市は日本海側の気候で、夏は短く冬が長い雪国です。冬の食卓に欠かせないのが、燻したたくあん「いぶりがっこ」をはじめとする各種の「がっこ」。秋に漬け込んで春まで食べつなぐ保存食の知恵が、いまも暮らしに息づいています。寒い季節には、鍋を囲んで地酒を一杯というのが定番。造り手と飲み手が近い街だけあって、日本酒が生活のすぐそばにあるのも秋田市らしい風景です。
人の気質と地域のつながり
言葉数は多くないけれど、芯にあたたかさがある。そんな県民性がよく語られます。城下町として長い歴史を持つ一方、竿燈まつりや土崎の曳山行事のように、町内単位で祭りを担い受け継いでいく文化が根づいているのも特徴です。祭りの季節になると、ふだんは静かな町がぐっと一体感を帯びます。地域のつながりを大切にする気質は、こうした行事の中で世代を超えて受け継がれてきたものなんですね。
秋田市の特産品・食

特産品1:日本酒
秋田市の食を語るなら、まずは日本酒から。市街地には全国区の酒蔵が集まっていて、飲み比べの楽しさは格別です。伝統的な生酛造りや木桶仕込みにこだわり、清酒酵母「きょうかい6号」を生んだ蔵として知られる新政、日常酒として安定した人気の「高清水」、透明感のあるモダンな味わいの「ゆきの美人」——それぞれ個性が違うんですよ(出典:美酒王国秋田(秋田県酒造協同組合))。川反の居酒屋でお通しをつまみながら、冷酒でも燗でも、その日の気分で一杯。造られる街で飲む一杯は、やっぱり格別です。
特産品2:きりたんぽ鍋と比内地鶏
秋田を代表する郷土料理といえばきりたんぽ。硬めに炊いた新米をすり鉢でこね、杉の棒に巻きつけて焼き、食べやすく切ったものです(出典:秋田県公式サイト)。これを、日本三大地鶏のひとつ比内地鶏でとった濃厚な出汁の鍋に入れれば、体の芯まであたたまる冬のごちそうに。もちもちのきりたんぽが出汁を吸って、たまらないおいしさです。県内一の飲食店の集まる秋田市は、本場のきりたんぽ鍋を味わえるお店が多いのもうれしいところ。旅の締めにぜひどうぞ。
特産品3:ハタハタとしょっつる
秋田の魚として県民から選ばれたのがハタハタです(出典:秋田県公式サイト)。うろこがなく身がやわらかい魚で、塩焼きや鍋(しょっつる鍋)、飯ずしなどで親しまれています。ハタハタを塩で発酵させた魚醤「しょっつる」は、秋田の食卓を支える調味料。冬に旬を迎える生のハタハタは、居酒屋でもよく登場します。淡白であっさりした身は、辛口の地酒との相性が抜群なんですよ。秋田港のある秋田市で味わう、日本海の恵みです。
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秋田市の観光スポット

秋田市の見どころは、城下町の歴史・港町の風景・アートの3つに大きく分かれます。しかも中心部の主要スポットは、秋田駅から歩いて回れる距離にぎゅっとまとまっているんですよ。まずは千秋公園を起点に、そこから海側へ足を延ばしていくのがおすすめです。ここからはカテゴリ別に紹介していきますね。
城下町・歴史を感じるスポット
- 千秋公園(久保田城跡)・久保田城御隅櫓 – 佐竹二十万石の城下町の中心です。本丸北西に建つ御隅櫓は市制100周年を記念して復元された建物で、開館時間は午前9時から午後4時30分、観覧料は一般100円・高校生以下無料です(12月から3月は休館)(出典:秋田市公式サイト)。最上階の展望室からは秋田の市街地が一望できます。土塁と堀に囲まれた園内を歩くと、天守を持たなかった「土造りの城」の独特の構えが体で分かりますよ。
- 秋田市立佐竹史料館 – 千秋公園内にある、佐竹氏と久保田城の歴史を伝える資料館です。リニューアルされた館内には展望テラスやミュージアムショップもあり、城下町歩きの拠点にぴったり。御隅櫓との共通観覧もでき、甲冑や古文書から二十万石の時代を感じられます(出典:秋田市公式サイト)。
- 秋田市立赤れんが郷土館 – 明治45年(1912年)完成の旧秋田銀行本店本館を活用した郷土館です。外観はルネサンス様式、内装はバロック調で、国の重要文化財に指定されています。観覧料は大人310円・高校生以下無料(出典:秋田市公式サイト)。天井のレリーフや白大理石の階段は圧巻で、明治の秋田の豊かさが伝わってきます。
アートと文化にふれるスポット
- 秋田県立美術館 – パリで活躍した画家・藤田嗣治の大壁画「秋田の行事」(1937年・高さ3.65m×幅20.5m)を常設展示する美術館です。開館時間は午前10時から午後6時、観覧料は一般310円・高校生以下無料です(特別展により変動)(出典:秋田県立美術館)。安藤忠雄設計の静かな館内で、20メートルの大壁画の前に立つと、その迫力に思わず見入ってしまいますよ。
- 秋田市民俗芸能伝承館(ねぶり流し館) – 竿燈まつりをはじめ、秋田市の民俗行事を紹介する施設です。本物の竿燈を間近で見られ、日によっては実演も行われます(出典:秋田市観光・イベント情報総合サイト アキタッチ+)。夏の祭り本番に行けなくても、ここなら一年を通して竿燈の世界を体験できるんです。
港と自然を楽しむスポット
- ポートタワーセリオン – 秋田港のシンボルとなっている、全高143メートルのガラス張りタワーです。地上100メートルの展望台は入場無料で、営業時間は午前9時から午後9時(出典:道の駅あきた港 セリオン)。日本海に沈む夕日から夜景まで、時間帯によって表情が変わります。道の駅も併設していて、地元の海の幸やお土産も揃いますよ。
- 秋田市大森山動物園(あきぎんオモリンの森) – 沼と森に囲まれた動物園で、ユキヒョウやアムールトラのいる「王者の森」が人気です。通常開園は午前9時から午後4時30分、入園料は大人730円・高校生以下無料(出典:秋田市大森山動物園)。飼育員の解説つきで食事風景が見られる「まんまタイム」もあり、子ども連れでも一日楽しめます。
秋田市の観光ルート

秋田市は、中心部だけなら歩いて、海や山まで足を延ばすなら車で、と楽しみ方を変えられる街です。城下町さんぽ・みなと巡り・広域ドライブの3つのルートを用意しました。滞在時間に合わせて選んでみてくださいね。
【徒歩・半日】秋田駅発 城下町さんぽルート
9:30 秋田駅西口 → 9:45 千秋公園(徒歩15分)→ 11:30 赤れんが郷土館 → 12:30 秋田県立美術館 → 夜 川反
①千秋公園(久保田城御隅櫓・佐竹史料館)(90分)
→ 朝の澄んだ空気のなかで城跡を登り、御隅櫓の展望室から街を見渡します。人が少ない午前中がおすすめです。
②赤れんが郷土館(60分)
→ 公園から街なかへ下りて、明治の洋館へ。重厚な内装をゆっくり眺めると、時間を忘れます。
③秋田県立美術館(60分)
→ 藤田嗣治の大壁画「秋田の行事」と対面。20メートルの画面の前は、一日の中でも静かな昼下がりが落ち着いて見られます。
④川反(夜)
→ 日が暮れたら旭川沿いの飲み屋街へ。造り手の近い地酒を一杯、秋田の夜はここから始まります。
【車・半日】みなと土崎ルート
13:00 秋田駅 → 13:20 ポートタワーセリオン(車20分)→ 14:30 土崎地区 → 16:30 秋田港で夕日
①ポートタワーセリオン(60分)
→ まずは無料展望台で秋田港と日本海を一望。工場地帯と海が広がる、港町らしい眺めです。
②土崎(土崎神明社周辺)(60分)
→ 北前船で栄えた港町を歩きます。ユネスコ無形文化遺産の曳山行事のふるさとで、路地に港町の名残が漂います。
③道の駅あきた港(40分)
→ セリオンのふもとで海の幸やお土産探し。うどんの自動販売機など、レトロな名物も楽しめます。
④秋田港の夕暮れ(30分)
→ 締めは日本海に沈む夕日。夕方から夜へ、セリオンのライトアップに切り替わる時間帯が狙い目です。
【車・1日】海と動物園+太平山遠望ルート
9:00 秋田駅 → 9:30 大森山動物園(車30分)→ 12:00 日本海沿岸 → 14:00 太平山を望む東部へ
①秋田市大森山動物園(120分)
→ 開園直後の涼しい時間に。動物たちが活発に動く午前中が観察に向いています。
②日本海の砂浜(新屋・下浜方面)(60分)
→ 動物園から海はすぐ。広い砂浜と水平線が続き、潮風で頭がすっきりします。
③太平山を望む東部エリア(90分)
→ 市街地の東にそびえる太平山へ向かって走ると、田園と山並みの景色に変わります。「秋田の奥座敷」と呼ばれる自然が広がります。
④川反で夕食(夜)
→ 一日の締めはやっぱり中心部へ戻って地酒とご当地グルメ。移動の疲れを温かい鍋で癒やします。
ここまで見てきたとおり、見どころが少し離れた場所に点在していることもあります。気になるスポットをまとめて回るなら、レンタカーがあると一気に動きやすくなりますよ。料金は会社や時期でけっこう変わるので、まとめて比較できるサイトでサッと見ておくのがおすすめです。
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秋田市の年間イベント

秋田市の一年は、春の桜、夏の二大祭り、そして雪の季節の楽しみで彩られます。とくに夏は、7月と8月に立て続けに大きな祭りがやってくる、街がいちばん熱くなる季節。季節ごとに見ていきましょう。
春:千秋公園桜まつり
春に訪れるなら、まず紹介したいのが千秋公園桜まつり。久保田城跡の千秋公園で、毎年4月中旬から下旬にかけて開催されます(出典:秋田観光コンベンション協会)。ソメイヨシノを中心に約630本の桜が城跡を淡く染め、「日本さくら名所100選」にも選ばれています。期間中は露店が並び、夜はライトアップも。御隅櫓の展望台から見下ろす桜のアーチは、ここならではの眺めですよ。
夏:土崎神明社祭の曳山行事と竿燈まつり
夏は祭りが続きます。まず港町・土崎では土崎神明社祭の曳山行事が毎年7月に行われます。国の重要無形民俗文化財で、2016年にはユネスコ無形文化遺産にも登録された勇壮な祭りです(出典:文化庁 文化遺産オンライン)。曳山を曳く掛け声とお囃子が、港町の路地に響きわたります。
続いて中心部では、毎年8月上旬に秋田竿燈まつりが開催されます(出典:秋田市観光・イベント情報総合サイト アキタッチ+)。約280本の竿燈が竿燈大通りに立ち並び、「ドッコイショー」の掛け声とともに光の稲穂が揺れます。差し手が竿燈を額や腰で支える瞬間は、観客から思わず歓声が上がるんですよ。
秋〜冬:紅葉と大森山「雪の動物園」
秋には千秋公園がふたたび表情を変え、堀の水面に紅葉が映り込みます。祭りの喧騒が去った静かな園内を歩くのも、この季節ならではの楽しみです。
冬に楽しみたいのが、大森山動物園の雪の動物園。毎年1月から2月の土曜・日曜・祝日に開園し、雪のなかで暮らす動物たちの姿を見られます(出典:秋田市大森山動物園)。雪国・秋田らしい、しんと静まった冬景色のなかで動物と向き合える貴重な機会です。
秋田市のエリア別の顔

秋田市は、行政的には中央・北部・西部・南部・東部・河辺・雄和の各区域に分かれています(出典:秋田市公式サイト)。旅の視点で見ると、県都らしい中心市街地、港町の土崎、自然豊かな海側と山側で、それぞれ表情がまるで違います。エリアごとの顔を紹介しますね。
中央エリア(秋田駅・中通・川反)──県都の顔
秋田駅を中心とする街の心臓部です。千秋公園や美術館などの観光スポットが徒歩圏に集まり、旭川沿いの川反は県内随一の飲み屋街。昼は城下町さんぽ、夜は地酒とグルメと、一日を通して楽しめます。初めての秋田市なら、まずこのエリアを拠点にするのがおすすめですよ。
土崎・秋田港エリア──港町とタワーのまち
市街地の北西、日本海に面した港町エリアです。北前船で栄えた歴史を持ち、ポートタワーセリオンがランドマークとして立っています。曳山行事のふるさとでもあり、祭りの熱気と潮の香りが混ざり合う独特の空気があります。海と港の風景を味わいたい人に向いています。
新屋・大森山エリア(西部)──動物園と砂浜
市街地の南西、日本海の砂浜に近いエリアです。大森山動物園があり、家族連れでにぎわいます。海岸沿いには広い砂浜が続き、夕日を眺めるドライブにぴったり。街の喧騒から少し離れて、のんびり過ごしたい時に訪れたいエリアです。
太平山・仁別エリア(東部)──奥座敷の自然
市街地の東に広がる山側のエリアです。太平山のふもとには温泉や渓谷があり、「秋田の奥座敷」とも呼ばれています。街なかからそう遠くないのに、緑の濃い別世界。自然のなかでリフレッシュしたい人や、温泉でゆっくりしたい旅におすすめです。
河辺・雄和エリア(南東部)──田園と空の玄関口
2005年に秋田市と一緒になった、田園風景の広がるエリアです。雄和には秋田空港があり、空からの玄関口となっています。のどかな農村の景色が続き、県都の中心部とはまた違った、ゆったりした時間が流れています。ドライブがてら立ち寄ると、秋田のもうひとつの顔に出会えますよ。
秋田市の気候・季節の暮らし

秋田市は日本海側の気候で、年平均気温は約12℃、年間の降雪量は約273cm、最深積雪の平年値は約38cmです(出典:気象庁 秋田地方気象台)。雪国というイメージがありますが、沿岸部にあるため積雪は内陸の湯沢市などより少なめなんですよ。とはいえ冬は曇りや雪の日が続き、夏は蒸し暑くなるのが特徴です。
冬──12月〜3月の暮らし
冬は曇天と雪の日が続きます。真冬日(一日中気温が0℃未満の日)は平年で約7日ほど(出典:気象庁)。厳寒というより「湿った雪と鉛色の空」が秋田市の冬の顔です。
市街地の積雪はひざ下程度のことが多く、除雪も行き届いていますが、暖房と冬タイヤは必須です。海沿いは風が強く、体感温度がぐっと下がる日もあります。厚手のコートと滑りにくい靴があると安心ですよ。
春──4月〜5月の暮らし
雪がとけると、街は一気に花の季節へ。千秋公園の桜が4月中旬から下旬に見ごろを迎え、長い冬を越えた喜びが街にあふれます。日ざしはやわらかいものの、日本海から吹く風はまだ冷たく、上着が手放せない時期です。
夏──6月〜8月の暮らし
夏は高温多湿で、蒸し暑さを感じる日が多くなります。奥羽山脈からの風でフェーン現象が起き、気温が上がることもあるんですよ。8月上旬の竿燈まつりは、そんな短い夏の盛りに行われる、街いちばんの熱い季節です。
秋──9月〜11月の暮らし
秋は空気が澄み、千秋公園の紅葉や堀に映る木々が美しい季節です。過ごしやすい日が続きますが、11月に入ると日本海側特有の時雨れ空が増え、冬の足音が近づきます。この時期は羽織るものを一枚持って出かけると安心です。
秋田市の移住・暮らし情報

秋田市は約29万人が暮らす秋田県最大の都市で、県内の仕事・買い物・医療・教育が集まる場所です。県都ならではの便利さと、地方都市らしい家賃の手ごろさが両立しているのが暮らしの魅力といえます。ここからは住む視点で見ていきましょう。
通勤・通学
秋田市は県庁や主要企業の本社が集まる場所なので、市内で働く人が多いエリアです。中心部は路線バスが走り、車がなくても通勤できる地域もあります。ただ郊外の住宅地では車通勤が一般的で、一家に一台以上の車があると生活しやすいと考えられます。
住宅環境
家賃相場は間取りごとに幅がありますが、目安として1Kでおよそ4.3万円、2LDKでおよそ6万円台です(出典:アットホーム)。県庁所在地としては手ごろな水準で、駅から離れた郊外なら同じ家賃でより広い部屋も見つけやすくなります。
買い物環境
買い物環境は充実しています。秋田駅周辺には商業施設が集まり、御所野地区には大型ショッピングモールがあって、休日の買い出しに便利です。郊外の幹線道路沿いにはロードサイド店が並び、車があれば日用品の調達で困ることはほとんどないでしょう。
子育て・教育
秋田市には秋田大学や、雄和地区の国際教養大学など高等教育機関があり、学びの選択肢が広い街です。子育て支援の制度や相談窓口も市が整えています(出典:秋田市公式サイト)。詳しい支援内容は市の窓口で確認するのが確実ですよ。
医療環境
医療面でも秋田市は県内の中心地です。秋田大学医学部附属病院や、救命救急センターを持つ秋田赤十字病院など、高度医療を担う病院が集まっています。いざという時に頼れる医療機関が市内にそろっているのは、暮らすうえで大きな安心材料といえます。
エリア別の暮らし視点
中央エリアは便利さが魅力で、車なしでも生活しやすい一方、家賃はやや高めです。新屋など西部は住宅地が広がり、海や動物園が身近でファミリー向き。河辺・雄和エリアは家賃が抑えめで田園が広がり、車があれば空港も近く、のびのび暮らせます。
秋田市へのアクセス

秋田市へは、東京方面からは秋田新幹線か飛行機、東北各地からは高速道路が主な選択肢です。県都だけあって交通の便は整っており、目的に合わせてルートを選べます。それぞれ見ていきましょう。
鉄道でのアクセス
東京駅から秋田駅までは、秋田新幹線「こまち」で乗り換えなし、所要時間は約3時間50分です。運賃・料金は普通車指定席で片道およそ18,000円前後が目安です(出典:JTB)。盛岡までは東北新幹線と連結し、盛岡から秋田までは在来線を走る「ミニ新幹線」区間になります。田沢湖や角館を車窓に眺めながら向かえるのが、この路線の楽しいところです。
飛行機でのアクセス
飛行機なら、羽田空港から秋田空港まで約1時間です(出典:秋田空港ターミナルビル)。秋田空港から秋田駅西口へはリムジンバスが運行しており、所要時間は約40分、運賃は大人片道950円です(出典:秋田中央交通)。バスは飛行機の到着に合わせて運行されるので、乗り遅れる心配が少ないのも安心です。
車でのアクセス
車では、秋田自動車道と日本海東北自動車道が市内を通り、東北各地とつながっています。仙台方面からは東北自動車道を経由してアクセスできます。県内の男鹿や角館、田沢湖まで足を延ばすなら、レンタカーがあると移動の自由度が高まりますよ。
市内移動の現実的アドバイス
市内の主要観光スポットは秋田駅周辺に集まっているので、中心部だけなら徒歩とバスで回れます。ただ、土崎の港や大森山動物園、太平山方面まで行くなら車が便利です。冬場は積雪で所要時間が延びやすいので、時間に余裕を持って動くのがおすすめです。
交通手段ごとに見てきましたが、「結局いちばん安く行くにはどうすれば?」と迷う方も多いはず。飛行機で向かうなら、航空券は予約のタイミングや会社によって料金が大きく変わります。複数の航空会社・LCCをまとめて比較できるサイトで、いちど最安値をチェックしておくと安心ですよ。
【トラベリスト】
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【地元住民に直撃!】秋田市の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。
秋田市の酒蔵で蔵人をしています。仕込みの時期は朝が早くて、水と米と麹に向き合う毎日です。この街は昔から城下町として栄えて、飲み屋街も近くにあるので、造る場所と飲まれる場所が近いんですよ。
秋田は米どころで水にも恵まれていて、酒造りには本当に恵まれた土地だと思っています。地元で生まれた酒を、地元の人が普通に飲んでくれる。それがこの仕事の一番の誇りですね。
Q2.秋田市に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?
まずは千秋公園ですね。佐竹のお殿様の久保田城跡で、堀と土塁に囲まれた城下町の中心です。桜の時期はもちろん、朝早く歩くと空気が澄んでいて、街なかとは思えない静けさがあります。
地元の人間として推したいのは、土崎の港の空気感です。北前船で栄えた古い港町で、路地を歩くと潮の匂いと祭りの気配が残っている。観光地然としていない、素の秋田を感じられる場所ですよ。
Q3.秋田市でお土産を買うとしたらなんですか?
やっぱり地酒ですね。市内にいくつも蔵があって、味の個性もそれぞれ違うので、飲み比べると面白いです。あとは、ちくわのように棒に巻いて焼いたきりたんぽも、鍋にすると喜ばれる定番のお土産です。
地元の人間がよく買うのは、たくあんを燻したいぶりがっこですね。酒の肴に最高なんですよ。お土産屋さんに並ぶ華やかなものより、こういう素朴な保存食のほうが、秋田の暮らしがそのまま伝わる気がします。
Q4.外から人が来たときに、秋田市でまず連れていく店はどこですか?
まずは川反の飲み屋街に連れていきます。旭川沿いに店が並ぶ、秋田随一の繁華街です。地酒を置いている店が多くて、比内地鶏やハタハタを肴に一杯やれば、それだけで秋田を味わってもらえます。
特別な高い店じゃなくていいんです。カウンターで地元の常連に混じって、出汁の効いた郷土料理をつつく。そういう気取らない一軒のほうが、この街の空気は伝わると思っています。
Q5.秋田市はどんな気質だと思いますか?
口数は多くないけれど、芯にあたたかさがある人が多いですね。最初はそっけなく見えても、一度打ち解けると距離がぐっと近くなる。長い冬を一緒に越えてきた土地ならではの気質だと思います。
城下町の落ち着きと、祭りの時の熱さ、その両方があるのが面白いところです。竿燈や土崎の曳山になると、普段静かな人ほど本気になる。控えめだけど、内に熱を秘めた街だと感じています。
Q6.昔に比べて、秋田市の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?
正直に言うと、人口は年々減っていて、街の活気という点では寂しさを感じる場面もあります。中心部でも空いた区画が目につくようになって、昔のにぎわいを知る人ほど、その変化は感じていると思います。
ただ、悪いことばかりでもないんですよ。若い造り手が地酒で全国から注目されたり、街なかを大事にしようという動きも出てきている。規模より中身で勝負する街に変わりつつあると感じています。
Q7.秋田市のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?
大きな箱物というより、今ある資源をどう生かすかに期待しています。千秋公園や土崎の港、市民が集う運動公園や交流施設を軸に、街の人が普段から楽しめる場が増えていくといいなと思います。
個人的には、やっぱり酒を通した動きに期待していますね。蔵を巡ってもらったり、水と米の恵みを外の人に知ってもらったり。秋田の暮らしそのものを味わってもらう取り組みが、もっと広がってほしいです。

