井川町(いかわまち)は、秋田県のほぼ中央、南秋田郡に位置する人口3,984人の小さな町です。県都・秋田市から車で約40分、距離にして約25kmの近さにあります。
この町の魅力を5つに凝縮すると、こうなります:
- ✅ 日本国花苑──日本各地から集めた200種2,000本の桜が咲く、約40haの桜の公園
- ✅ 41体の野外彫刻──苑内に点在する「桜と彫刻」の景観が名物
- ✅ JR井川さくら駅──町のシンボル・桜を名前に冠した請願駅(1995年開業)
- ✅ 子育ての町──日本でも早い認定こども園と、県内初の義務教育学校がある
- ✅ あきたこまちの産地──八郎潟(八郎湖)に注ぐ井川沿いに広がる水田地帯
「桜や花の名所をゆっくり巡りたい人」「子育て環境を重視して移住先を探している人」「秋田市近郊で静かに暮らしたい人」に向いた町です。この記事では、序盤で観光の推しポイント、中盤で歴史と暮らしの文化、終盤で特産品まで、地元目線で紹介します。
| 人口 | 3,984 人 ※2026年6月1日時点(推計人口) |
|---|---|
| 面積 | 47.95 km²(境界未定部分あり) |
| 人口密度 | 83.1 人/km² |
地理的には、秋田市・潟上市、南秋田郡の五城目町・八郎潟町に隣接し、西に広がる八郎潟(八郎湖)調整池を挟んで大潟村とも接しています(出典:井川町公式サイト)。町は東西約14km・南北約4kmと細長く、東部は段丘、西部は広い水田地帯です。
秋田駅からはJR奥羽本線の井川さくら駅まで約30分。桜・花・子育て・米づくりと、小さな町ながら見どころは多彩です。ひとつずつ見ていきましょう。
井川町の推しポイント

井川町を語るうえで外せないのが「桜」です。日本各地から集めた200種2,000本の桜が咲く日本国花苑を中心に、彫刻、そして桜を名に冠した駅まで、町のあちこちに桜のモチーフが息づいています。ここでは自然・交通・暮らしの4つの角度から、町の顔を紹介します。
日本国花苑──200種2,000本の桜と彫刻の公園
井川町の一番の顔が、この日本国花苑です。1972年(昭和47年)に日本各地から集められた約200種2,000本の桜が2年がかりで植えられた、全国でも数か所しかない貴重な公園なんですよ(出典:井川町公式サイト)。
総面積は約40ヘクタール。ソメイヨシノだけでなく、晩秋や初冬に咲く珍しい桜まで見られるので、見頃の幅が長いのが特徴です。例年の桜まつりはゴールデンウィーク前後(4月下旬〜5月上旬)に開かれ、遅咲きの八重桜が主役になります。バラ園やツツジもあり、四季を通じて花が楽しめます。
41体の野外彫刻──「桜と彫刻」の散歩道
日本国花苑のもうひとつの見どころが、苑内に点在する野外彫刻です。桜をテーマにした彫刻コンクールの入選作など41体が展示され、花と造形が調和した独特の景観をつくっています(出典:秋田県移住・定住ポータルサイト)。
芝生広場やパターゴルフ場、テニスコート、子どもの遊戯広場なども整備されているので、花を見ながら一日ゆっくり過ごせます。桜の時期以外でも、彫刻めぐりと散歩を目当てに訪れる人が多い公園です。
JR井川さくら駅──町の桜を名前にした請願駅
町の玄関口が、その名も「井川さくら駅」。1995年(平成7年)12月に地元の要望で開業した請願駅で、パークアンドライド方式を採り入れて町内外からの利用を伸ばしてきました(出典:井川町公式サイト)。
駅名にわざわざ「さくら」を入れているあたりに、桜を町のシンボルにしてきた気持ちが表れていますよね。秋田駅からは約30分でアクセスできます。
子育ての町──認定こども園と義務教育学校
井川町は、子育て支援に力を入れてきた町でもあります。幼保一体型の「井川こどもセンター」は、認定こども園制度が始まった2006年に、全国でも早い時期に認定を受けた施設として知られています。
さらに2018年には、小中一貫の教育を行う「井川義務教育学校」が開校しました。これは秋田県内で初めての義務教育学校で、向かいには子育て支援と多世代交流の拠点も設けられています(出典:秋田県移住・定住ポータルサイト)。移住先を探す子育て世代には、心強いポイントです。
井川町の歴史

井川町の歩みは、大きく3つの時期に分けられます。地名の由来がさかのぼる古代・中世、2つの村が合併して町へと育った昭和の時期、そして桜の里と子育ての町として今の姿を整えた現代です。順にたどっていきます。
古代〜中世──『吾妻鏡』に記された「湯河」
鎌倉時代の歴史書『吾妻鏡』には「出羽国秋田郡湯河」という記述があり、これが現在の井川にあたると考えられています。町を流れる井川は出羽丘陵に源を発し、八郎潟の残存湖に注ぐ全長約11.6kmの川で、古くから人々の暮らしを支えてきました(出典:井川町公式サイト)。
近代の開拓と発展──村から町へ
1955年(昭和30年)2月、南秋田郡の上井河村と下井河村が合併して井川村が誕生しました。この年の人口は7,763人で、これが町の歴史上もっとも多い数字です。
その後、1972年(昭和47年)に日本国花苑が開園し、桜の里づくりが本格化します。そして1974年(昭和49年)6月1日に町制が施行され、井川村は「井川町」となりました。
現代──桜の里と、単独の道を選んだ町
2005年(平成17年)、井川町は近隣町との法定合併協議会から離脱し、合併ではなく単独での町政を選びました。これが一つの転機となり、以降は桜の里と子育ての町という個性を磨いていきます。
1995年の井川さくら駅開業、2006年の認定こども園、2018年の義務教育学校開校と、駅・保育・教育の環境を段階的に整えてきました。桜と暮らしやすさを軸にした町づくりが、今の井川町の姿につながっています。
井川町の文化・風習

ここからは、井川町で暮らすとどんな空気に包まれるのか、言葉・食卓・人の気質という3つの角度からのぞいてみましょう。秋田らしいやわらかな言葉づかいと、雪国の一年の巡りが、この町の暮らしをつくっています。
方言と話し方の特徴
井川町で耳にするのは、やわらかい響きの秋田弁です。濁音が多く、言葉が短くまとまるのが特徴で、慣れると一文字でも会話が成り立ってしまうほど。旅先で少し知っておくと、地元の人との距離がぐっと縮まりますよ。よく使われる言葉を挙げてみます。
相づちのんだ(そうだ・そうだね)、かわいいを表すめんけ/めんけぇ(かわいい)、程度を強めるしったげ(とても・すごく)。「疲れた」を意味するこえ(疲れた)は、標準語の「怖い」と間違えやすいので要注意です。
ほかにも、助詞の「に・へ」を表すさ(例:秋田さ行ぐ=秋田へ行く)、「食べなさい」のけ、気づかいのなんも(どういたしまして・気にしないで)、別れ際のへばな(それじゃあね)など。名詞に「っこ」を付けて「お茶っこ」「わらしっこ(子ども)」のように言うのも、東北らしい温かみのある言い回しです。
食卓と季節の暮らし
雪国の食卓に欠かせないのが、漬物のがっこ(漬物)です。秋にとれた野菜を漬け込み、雪に閉ざされる冬から翌春までの保存食にしてきた文化で、種類も豊富。炊きたての秋田米と一緒に、お茶を飲みながらつまむのが日常の風景なんですよ。
西部に広がる水田は、この町の暮らしそのもの。春は田植え、夏は青々とした稲、秋は黄金色の刈り取り、冬は一面の雪と、田んぼの色で季節が分かります。冬は雪かきが日課になりますが、その分、春に一斉に咲く桜の喜びはひとしおです。
人の気質と地域のつながり
秋田の内陸部は、農業を中心とした共同体のつながりが長く続いてきた土地です。短くても温かい相づちや気づかいの言葉が根づいているのは、人と人との距離を大切にしてきた表れだと考えられます。
桜まつりやまちの行事は、そうしたつながりが表に出る場面。派手さより、顔の見える距離感で助け合う空気が残る町だといえます。移住してきた人にも、こうした人の温かさは伝わりやすいはずです。
井川町の特産品・食

井川町の産業の中心は、なんといっても稲作です。ここでは、町の食卓と経済を支える米を軸に、秋田を代表する枝豆やねぎ、地鶏の名物まで紹介します。数字や産地の話は正確に、味の話は地元目線でお伝えします。
あきたこまち──水田地帯が育てる主役
井川町の西部は、八郎潟(八郎湖)に向かって開けた広い水田地帯。町の農業は稲作を中心に営まれています(出典:秋田県農業公社(秋田就農ナビ))。
秋田県の米の生産量は全国3位。代表品種「あきたこまち」は、甘みと粘りのバランスがよく、冷めても美味しいのが持ち味です(出典:秋田県農業公社)。炊きたてを地元のがっこと一緒に頬張れば、それだけでご馳走ですよ。旬は新米が出回る秋です。
えだまめ──夏に食べたい秋田の実力派
秋田は、実はえだまめの一大産地。2015年と2016年には、東京都中央卸売市場の取扱量で秋田県産えだまめが日本一になったこともあります(出典:秋田県農業公社)。井川町でも稲作とあわせて生産されています。
旬は夏。ぷりっとした粒を塩ゆでして、冷たいビールと合わせるのが王道です。「あきた香り五葉」など県オリジナル品種は、香りとうま味がしっかりしていて、一度食べると手が止まりません。
ねぎ──寒さが甘みを引き出す雪国の味
ねぎも井川町で作られる農産物のひとつ。秋田では雪の中から掘り起こして出荷する「雪中ネギ」があり、寒さにさらされることで甘みがぐっと増すのが特徴です(出典:秋田県農業公社)。
とろりと甘くなった冬のねぎは、鍋物にぴったり。首都圏の冬の鍋需要にも応える、雪国ならではの味わいなんです。焼いてもよし、鍋でくたっと煮てもよし、寒い季節に食べたい一品です。
きりたんぽ・比内地鶏──秋田を代表する鍋の相棒
井川町の特産品には、きりたんぽと比内地鶏も挙げられています(出典:秋田県農業公社)。ご飯をつぶして棒に巻いて焼いたきりたんぽに、比内地鶏の濃いだしが染みる鍋は、秋田の冬の定番です。
比内地鶏は、日本三大地鶏のひとつに数えられる地鶏(出典:秋田県農業公社)。かむほどにうま味が出る歯ごたえと、深いだしが持ち味です。地元の米・ねぎ・地鶏がひと鍋に集まる、井川町の食を象徴するような料理ですよ。
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井川町の観光スポット

井川町で旅の中心になるのは、やっぱり日本国花苑です。ただ、桜の公園というだけでは終わらないのがこの町の面白いところ。彫刻、バラ、キャンプ場、そして八郎湖を望む展望台まで、一つの公園で何度も楽しめます。ここでは「花と芸術」「駅と歴史」「水辺と田園」という3つの切り口で、押さえておきたいスポットを紹介していきますね。
花と芸術を楽しむスポット
- 日本国花苑 – 1972年(昭和47年)に日本各地から集めた200種2,000本の桜が植えられた、全国でも数か所しかない学術的にも貴重な公園です。総面積は約40ヘクタール(出典:日本国花苑公式サイト(井川町))。ソメイヨシノだけでなく、晩秋や初冬に咲く珍しい桜まであるので、見頃の幅が長いのが魅力なんですよ。広い芝生に寝転んで、ゆっくり桜を見上げる時間はぜいたくそのものです。
- 日本国花苑の野外彫刻 – 苑内には、桜をテーマにした彫刻コンクールの入選作など41体の彫刻が点在しています(出典:秋田県移住・定住ポータルサイト)。散歩しながら次はどんな作品に出会えるかと歩くのが楽しくて、花のない季節でも十分に見応えがあります。
- 日本国花苑 バラ園 – 桜のあとにやってくるのがバラの季節。ポピュラーな品種から珍しいものまで、200種以上のバラが咲き、入場は無料です(出典:日本国花苑公式サイト(井川町))。例年6月頃が見頃で、写真好きにはたまらない撮影スポットになります。
玄関口と歴史を感じるスポット
- JR井川さくら駅 – 1995年(平成7年)12月に地元の要望で開業した、町名の桜を冠した請願駅です(出典:井川町公式サイト)。秋田駅から約30分。駅名を目にした瞬間に「桜の町に来たんだな」と実感できる、旅の入り口にふさわしい駅なんです。
- 井川町歴史民俗資料館 – 井川さくら駅から歩いて行ける場所にあり、町の生い立ちや、近くの洲崎遺跡から出土した資料などを展示しています。小さな町がどう歩んできたのかを、じっくり知ることができる場所です。開館日時は変わることがあるので、訪ねる前に町へ確認しておくと安心ですよ。
水辺と田園を味わうスポット
- 日本国花苑 展望台・キャンプ場 – 苑内の高台からは、西に広がる八郎湖(八郎潟)を望めます。キャンプ場も併設されていて、バーベキューやソロキャンプが楽しめます。利用の際は定住促進センターかふれあいプラザ管理棟で申請してください(出典:日本国花苑公式サイト(井川町))。桜と彫刻を見たあと、そのまま夜まで自然の中で過ごせるのがうれしいところです。
- 国道285号のサルスベリ並木 – 日本国花苑の入り口から五城目町境界までの約2.8kmにわたって、サルスベリの街路樹が続きます(出典:井川町公式サイト)。夏の強い日差しの下、濃いピンクの花が延々と続く景色は、車で通るだけでも気分が上がりますよ。
- 八郎湖(八郎潟)の水辺 – 町の西側は、八郎潟調整池に面した田園地帯。夕方には水面が茜色に染まり、田んぼと湖と空が一続きになる、東北らしいおおらかな風景が広がります。写真や散歩に向いた、静かな時間が流れる場所です。
井川町の観光ルート

井川町はコンパクトな町なので、日本国花苑を軸にすれば移動に迷いません。ここでは、町内をじっくり回る1日ルート、子ども連れ向けの半日ルート、そして隣接する町や村まで足をのばす広域ルートの3つを用意しました。旅のスタイルに合わせて選んでみてくださいね。
【車・1日】桜と八郎湖を味わう井川満喫ルート
9:30 井川さくら駅 → 9:35 日本国花苑(車5分) → 12:30 苑内で昼食・休憩 → 13:30 井川町歴史民俗資料館 → 15:00 八郎湖の水辺 → 16:00 国道285号サルスベリ並木(夏)
①日本国花苑(約3時間)
→ 桜・彫刻・展望台をゆっくり巡ります。午前中は光がやわらかく、写真も撮りやすい時間帯です。
②井川町歴史民俗資料館(約1時間)
→ 午後は室内でひと休みしながら、町の歴史と遺跡の出土品にふれます。花苑とセットで町の輪郭が見えてきますよ。
③八郎湖の水辺(約30分)
→ 夕方に向かう時間に湖畔へ。田園と湖が茜色に染まる景色は、この町ならではの締めくくりです。
【車・半日】花と子どもと過ごす半日ルート
10:00 日本国花苑 ちびっこ広場 → 11:00 バラ園(6月頃) → 12:00 キャンプ場でバーベキュー → 14:00 解散
①日本国花苑 ちびっこ広場(約1時間)
→ 遊具がそろい、料金は無料。授乳室や多目的トイレも近くにあるので、小さな子ども連れでも安心して遊べます。
②バラ園(約1時間)
→ 6月頃なら、200種以上のバラが見頃。花の香りに包まれながらのんびり散歩できます。
③キャンプ場でバーベキュー(約2時間)
→ そのまま苑内のキャンプ場でお昼を。炊事場やテーブルがあり、手軽にアウトドア気分を味わえます。
【車・1日】広域ルート:桜と潟をめぐる周遊
9:00 日本国花苑 → 10:30 五城目朝市 → 12:00 八郎潟町(湖東エリア) → 14:00 大潟村 桜・菜の花ロード(4〜5月)
①日本国花苑(約1時間30分)
→ 朝いちばんの静かな苑内で、桜と彫刻を軽く楽しんでからスタートします。
②五城目朝市(約1時間)
→ 隣の五城目町で500年以上続くとされる朝市へ。地元の野菜や山菜が並び、旅の途中の買い物が楽しいんです。
③大潟村 桜・菜の花ロード(約1時間30分)
→ 八郎潟を挟んで接する大潟村まで足をのばすと、春には県道沿いに桜と菜の花が長く続く道が待っています。桜づくしの一日を締めくくるのにぴったりです。
ここまで見てきたとおり、見どころが少し離れた場所に点在していることもあります。気になるスポットをまとめて回るなら、レンタカーがあると一気に動きやすくなりますよ。料金は会社や時期でけっこう変わるので、まとめて比較できるサイトでサッと見ておくのがおすすめです。
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そして遠方から訪れるなら、思いきって一泊するのもおすすめです。日帰りでは通り過ぎてしまう夜や朝の時間に、その町ならではの静けさや表情に出会えます。お祭りやイベントの時期は宿が一気に埋まるので、早めの確保が安心ですよ。
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井川町の年間イベント

井川町のイベントは、日本国花苑を舞台にしたものが中心です。桜が主役の春の大きなおまつりから、初夏のバラ、夏から秋のアウトドアシーズンまで、公園の表情が季節ごとに変わっていきます。町の一年を、花の移ろいとともにたどってみましょう。
春:日本国花苑さくらまつり
町の一番のにぎわいが、この日本国花苑さくらまつり。例年ゴールデンウィーク頃(4月下旬〜5月上旬)に日本国花苑で開かれます(出典:日本国花苑公式サイト(井川町))。
ぜひ味わってほしいのがね、遅咲きの八重桜が満開になるタイミングで開かれること。会期中には音楽ステージや大道芸、そして夜空を彩る打ち上げ花火も行われます。ライトアップされた桜と花火が重なる夜は、小さな町とは思えない華やかさなんですよ。
初夏:バラ園の開園
桜が終わると、次は例年6月頃にバラ園が見頃を迎えます。200種以上のバラが咲きそろい、入場は無料(出典:日本国花苑公式サイト(井川町))。桜の混雑が落ち着いた分、静かにゆっくり花を楽しめるのがこの時期の良さです。香りに包まれながらの散歩は、初夏ならではのごほうびですよね。
夏〜秋:アウトドアと花の季節
夏になると、国道285号沿いのサルスベリ並木が濃いピンクに染まり、車で走るだけでも気持ちが弾みます。日本国花苑のキャンプ場やバーベキュー広場も、この季節がいちばんの出番です。
秋には木々が色づき、桜の名所が紅葉の名所へと表情を変えていきます。人出が落ち着いた季節に、広い苑内をのんびり歩くのもおすすめですよ。
冬:雪と冬桜の静けさ
冬の日本国花苑は、雪に包まれて静まりかえります。じつはこの公園、晩秋から初冬に咲くフユザクラや十月桜もあるのが特徴。雪景色の中でひっそり咲く桜に出会えることもあります。にぎやかな春とはまったく違う、澄んだ空気の井川町を味わえる季節です。
井川町のエリア別の顔

井川町は、東西に約14km・南北に約4kmと細長い町。東部は段丘状の地形、西部は八郎湖に向かって開けた水田地帯という、はっきりした二つの顔を持っています(出典:井川町公式サイト)。旅の視点で、町を3つのエリアに分けて歩いてみましょう。
浜井川エリア──旅の玄関口と桜の中心
JR井川さくら駅と日本国花苑があるのが、この浜井川エリアです。町を訪れる人の多くが、まずここに足を運びます。駅から桜の公園までが近く、旅の起点として動きやすいのが魅力。はじめて井川町を訪ねるなら、まずこのエリアから回るのがおすすめですよ。
東部の丘陵エリア──段丘と自然の広がり
町の東側は、波状の段丘が続く自然豊かなエリアです。東端には俎山があり、田畑と林が織りなす、のどかな内陸の風景が広がります。人の少ない静かな道をゆっくりドライブしたい人や、里山の空気を味わいたい人に向いています。
西部の水田・八郎湖エリア──田園と湖畔の風景
西へ進むと、八郎潟調整池に面した平坦な水田地帯に出ます。あきたこまちを育てる広い田んぼと、その先に光る八郎湖。夕方の茜色に染まる時間帯が特に美しく、写真を撮りながらのんびり過ごすのに向いたエリアです。旅の締めくくりに立ち寄ると、井川町らしいおおらかな風景に出会えます。
井川町の気候・季節の暮らし

井川町には気象台がないため、暮らしの目安になるのは隣接する秋田市の観測値です。秋田地方気象台の平年値では、年平均気温は12.1℃、年間の降雪量の合計は273cm、年降水量は1741.6mmです(出典:気象庁)。日本海側らしく、冬の雪と一年を通じた雨の多さが特徴なんですよ。四季それぞれの暮らしぶりをのぞいてみましょう。
夏──6月〜8月の暮らし
いちばん暑い8月でも、平均気温は25.0℃、日中の最高は平均29.2℃ほど(出典:気象庁)。真夏でも朝晩は比較的過ごしやすく、水田を渡る風が気持ちいい季節です。
この時期は、国道285号沿いのサルスベリ並木が濃いピンクに染まり、日本国花苑のキャンプ場もにぎわいます。田んぼの緑がぐんぐん濃くなっていく様子を眺めながら過ごせるのが、夏の井川町の楽しみですね。
冬──12月〜3月の暮らし
冬は雪の季節。1月の平均気温は0.4℃で、平年の年間降雪量は273cmです(出典:気象庁)。県内では内陸南部ほどの豪雪ではありませんが、それでも本格的な雪国の冬になります。
暮らしには雪かきが欠かせず、車の運転も冬タイヤが前提です。とはいえ、雪に包まれて静まりかえった日本国花苑や田園の風景は、この季節ならではの美しさ。冬桜が雪の中でひっそり咲く姿に出会えることもあります。
春と秋──花と実りの季節
春は、町じゅうが桜色に染まる季節。4月下旬から日本国花苑の桜が見頃を迎え、ゴールデンウィークには町最大のにぎわいがやってきます。長い冬を越えたあとだけに、春の訪れの喜びはひとしおなんですよ。
秋は、西部の水田が黄金色に染まり、あきたこまちの収穫期を迎えます。空気が澄み、日本国花苑の木々が色づく、穏やかで実り豊かな季節です。
井川町の移住・暮らし情報

井川町で暮らす魅力は、なんといっても秋田市への近さと、子育て支援の手厚さです。町なかは静かな田園地帯ですが、車で40分ほど走れば県都の便利さも手に入ります。「田舎の暮らしと都市の利便性、両方ほしい」という人に向いた町なんですよ。実際の暮らしを項目ごとに見ていきましょう。
通勤・通学
秋田市へ通勤する人が多く、車ならおよそ40分、距離にして約25kmです(出典:井川町公式サイト)。JR井川さくら駅はパークアンドライド方式に対応していて、車を駅に置いて秋田駅まで電車で向かう通勤スタイルも根づいています。
住宅環境
井川町内の賃貸物件は数が限られているため、家賃の目安は近隣が参考になります。アットホームによると、隣接する潟上市でおよそ4万円台、秋田市でおよそ5万円が相場です(出典:アットホーム)。町内は一戸建て中心で、庭付きのゆったりした住まいを探しやすいエリアです。
買い物環境
町内には井川さくら駅前のコンビニなどがあり、日常の買い物はまかなえます。まとまった買い物は、車で隣の潟上市や秋田市のロードサイド店・ショッピング施設まで足をのばすのが一般的です。車があれば不便さはあまり感じないでしょう。
子育て・教育
井川町は子育て支援が手厚い町です。令和7年(2025年)4月からは、こどもセンター(幼保連携型認定こども園)の保育料を全額助成しており、副食費の全額助成も行っています(出典:井川町公式サイト)。
学校は、2018年(平成30年)に開校した井川義務教育学校が、秋田県内で最初の義務教育学校です(出典:井川義務教育学校)。小中一貫でのびのび学べる環境に、高校の通学費助成なども加わり、子育て世代を支えています。
医療環境
町内には井川町診療所があり、日常的な診療を受けられます。入院を伴う医療は、隣接する八郎潟町の湖東厚生病院などが担い、町では通院を支える無料の巡回バス(さくら号・ゆうゆう号)も運行しています(出典:井川町公式サイト)。より高度な医療が必要なときは、車圏内の秋田市の病院を利用できます。
エリア別の暮らし視点
住む視点で見ると、玄関口の浜井川エリアは駅や日本国花苑に近く、生活の利便性が高い場所です。東部の丘陵エリアは静かで、庭付きの戸建てを構えたい人向き。西部の水田・八郎湖エリアは、広い空と田園に囲まれてのびのび暮らしたい人に向いています。
井川町へのアクセス

井川町は、秋田市のすぐ隣という立地の良さが魅力です。鉄道・車・飛行機のいずれでも、秋田市を経由すれば迷わずたどり着けます。首都圏からのアクセスも含めて、交通手段ごとに整理していきましょう。
車でのアクセス
秋田市からは車でおよそ40分、約25kmです(出典:井川町公式サイト)。秋田自動車道が町内を通っており、最寄りは南側の昭和男鹿半島IC(潟上市)と北側の五城目八郎潟IC(五城目町)。昭和男鹿半島ICからは日本国花苑まで10分ほどで着きます。
鉄道でのアクセス
首都圏からは、東京駅から秋田駅まで秋田新幹線「こまち」で約4時間、秋田駅からJR奥羽本線に乗り換えて井川さくら駅まで約30分です(出典:井川町公式サイト)。乗り換えは秋田駅の1回だけなので、遠方からでも分かりやすいルートですよ。
飛行機でのアクセス
空路の場合は秋田空港が玄関口です。秋田空港と秋田駅の間はリムジンバスで約40分(出典:秋田空港ターミナルビル)。そこから奥羽本線か車で井川町へ向かいます。関西や中京方面から向かうなら、この空路ルートが便利です。
町内移動の現実的アドバイス
町内の移動は、基本的に車が中心になります。鉄道は井川さくら駅が生活の足になりますが、日本国花苑など駅から少し離れた場所へは車があると安心です。車がない場合は、町が運行する巡回バス(さくら号・ゆうゆう号)が通院や移動を支えてくれます。
交通手段ごとに見てきましたが、「結局いちばん安く行くにはどうすれば?」と迷う方も多いはず。飛行機で向かうなら、航空券は予約のタイミングや会社によって料金が大きく変わります。複数の航空会社・LCCをまとめて比較できるサイトで、いちど最安値をチェックしておくと安心ですよ。
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【地元住民に直撃!】井川町の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。
日本国花苑で、桜の木の世話をしています。剪定をしたり、弱った木に手を入れたり、若い苗を育てたり。二百種もあると、それぞれ性質が違うんですよ。
もう長いこと関わっていますが、木は毎年違う顔を見せます。花が終わったあとの、誰も見ていない時期の手入れがいちばん大事なんです。
Q2.井川町に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?
やっぱり日本国花苑ですね。二百種二千本の桜と、点在する彫刻。観光の方は満開の頃にいらっしゃいますが、私が好きなのは早朝の、まだ人のいない時間です。
地元の人間は、展望台から八郎湖を眺めに行きます。田んぼと湖と空が一続きになる夕方は、何度見ても飽きません。運動公園やちびっこ広場も、地元の子の遊び場ですよ。
Q3.井川町でお土産を買うとしたらなんですか?
無難なところなら、やっぱりあきたこまちのお米です。西の水田で採れたものは、冷めても美味しいので間違いありません。
地元の人間がよく買うのは、その年に漬けた漬物ですね。家ごとに味が違って、秋から春まで食卓に欠かせないんです。枝豆やねぎも、旬の時期は本当に甘いですよ。
Q4.外から人が来たときに、井川町でまず連れていく店はどこですか?
特別なお店というより、まず国花苑に連れて行って、苑内でお弁当を広げるのが定番です。桜を見ながら食べると、それだけでご馳走になりますから。
あとは町なかの、昔ながらの定食屋さん。出汁の匂いのする店で、地元の米で炊いたご飯を食べてもらうと、みなさん喜んでくれますね。
Q5.井川町はどんな気質だと思いますか?
派手さはないけれど、面倒見のいい人が多い町です。農業で長くやってきた土地なので、困ったときに助け合う空気が今も残っています。
言葉数は少なくても、根は温かい。町民センターや公民館の集まりに行くと、そういう人と人の距離の近さを感じますよ。
Q6.昔に比べて、井川町の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?
正直に言えば、人は減りました。私が若い頃に比べると、子どもの数もずいぶん少なくなって、それは寂しいことです。
ただ、駅ができて秋田市へ通いやすくなり、子育ての支援にも町が力を入れています。桜を守り続けてきたことも含めて、静かに踏ん張っている町だと思います。
Q7.井川町のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?
大きな箱物ができるような町ではありません。でも、町長をはじめ、子育て世代を呼び込もうという動きは続いています。義務教育学校や交流館は、その芽だと思っています。
私としては、国花苑のキャンプ場に若い人が来てくれるのが嬉しくて。桜の里を次の世代へつなぐこと、それが一番の願いですね。

