八郎潟町(はちろうがたまち)は、秋田県の北西部・八郎湖の東岸にある人口4,965人の町です。面積17.00km²は秋田県内で一番小さく、県都・秋田市から北へおよそ30kmに位置します。
八郎潟町の魅力を5つに凝縮すると、こうなります:
- ✅ 秋田県で面積が一番小さい町──17.00km²に暮らしがぎゅっと詰まったコンパクトな町
- ✅ 一日市盆踊り──毛馬内・西馬音内と並ぶ「秋田三大盆踊り」、仮装で踊る参加型(毎年8月18〜20日)
- ✅ 願人踊──寸劇入りで笑いが起きる約300年続く民俗芸能(毎年5月5日)
- ✅ 八郎湖のワカサギ佃煮──漁獲地でしか作れない「生炊き」の味と、八郎湖畔のあきたこまち
- ✅ アスリートを育てた野球どころ──元プロ野球選手・石井浩郎さんの出身地
「祭りや民俗芸能が好きな人」「湖畔ののどかな田園風景に癒やされたい人」「秋田市に近い落ち着いた移住先を探している人」に向いた町です。この記事では、序盤で町の推しポイントを、その後に歴史・文化・特産品を、それぞれ地元目線で掘り下げていきます。
| 人口 | 4,965 人 ※2026年6月1日時点(推計人口) |
|---|---|
| 面積 | 17.00 km² |
| 人口密度 | 292 人/km² |
地理的には、北は三種町、東から南にかけて五城目町、南は井川町に接し、西は東部承水路(八郎湖)を挟んで大潟村と向かい合っています(出典:三種町公式サイト)。町の中心はJR奥羽本線・八郎潟駅の前で、国道7号が南北に走り、秋田自動車道の五城目八郎潟ICも近くて交通の便は良好です。
湖とともに歩んできた小さな町には、「秋田県一小さい」「秋田三大盆踊り」といった顔がぎゅっと詰まっています。ひとつずつ見ていきましょう。
八郎潟町の推しポイント

八郎潟町のいちばんの個性は「小ささ」と「伝統文化の濃さ」です。県内最小の面積に、秋田三大盆踊りに数えられる一日市盆踊りと、笑いの起きる民俗芸能・願人踊という2つの県指定無形民俗文化財を抱えています。さらに八郎湖のワカサギ佃煮、湖畔のあきたこまち、そして多くのアスリートを送り出してきた野球文化まで。ここからは5つのポイントを順番に紹介します。
推しポイント1:秋田県で一番小さい町
八郎潟町は面積17.00km²と、秋田県内で最も小さな自治体です(出典:八郎潟町公式サイト)。町のほとんどが平地で、八郎潟駅前に商店街・図書館・病院・役場がコンパクトに集まっています。歩いて用が足りる距離感は、この町ならではの心地よさなんですよ。
推しポイント2:一日市盆踊り──仮装で踊る秋田三大盆踊り
毎年8月18〜20日に一日市商店街で開かれる一日市盆踊りは、毛馬内・西馬音内と並ぶ「秋田三大盆踊り」のひとつで、秋田県の無形民俗文化財に指定されています(出典:八郎潟町公式サイト)。見物客も飛び入りで輪に加われる「踊る踊り」で、手作りの仮装で通りが埋まる光景は圧巻です。踊りが好きな人は、ぜひ一度輪の中へ。
推しポイント3:願人踊──笑いが起きる民俗芸能
5月5日の一日市神社の祭典で奉納される願人踊は、約300年前に伝わったとされる県指定無形民俗文化財です(出典:八郎潟町公式サイト)。力強い踊りの合間に、歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」の山賊・定九郎と与市兵衛のコミカルな寸劇が入り、会場が笑いに包まれるのが特徴です。門付けで町を練り歩くので、観客との距離がとても近いんですよ。
推しポイント4:八郎湖のワカサギ佃煮
冬に凍る八郎湖はワカサギ釣りでにぎわい、そのワカサギを使った佃煮・甘露煮が町の特産品です(出典:八郎潟町公式サイト)。鮮度が落ちやすいため水揚げ地でしか作れない「生炊き製法」が守られていて、ここでしか味わえない一品。湖畔で育つあきたこまちと合わせれば、ご飯が止まりません。
推しポイント5:アスリートを育てた野球の町
元プロ野球選手で現在は参議院議員の石井浩郎さんは、この町の出身です(出典:参議院)。八郎潟中学校の野球部は石井さんや後藤光尊さんをはじめ多くのアスリートを送り出しており、小さな町ながらスポーツの土壌が根づいています。
八郎潟町の歴史

八郎潟町の歩みは、大きく3つの時代に分けられます。羽州街道の宿場町として栄えた近世、鉄道の開通で町の骨格ができた近代、そして昭和の大合併と八郎潟の干拓で今の姿になった現代です。湖とともにあった暮らしが、時代ごとに形を変えてきました。
近世──羽州街道の宿場町「一日市」
町の中心・一日市は、近世に羽州街道の宿場町として発展しました。宿場と御伝馬所が置かれた寛文2年(1662年)ごろには、一日市盆踊りが現在の形に近づいたと伝えられています(出典:八郎潟町公式サイト)。八郎潟でとれたワカサギやフナの佃煮づくりも、この地の生業として根づいていきました。
近代──鉄道開通と町の骨格
1902年(明治35年)に奥羽本線が開通し、一日市に駅(現在の八郎潟駅)ができたことで、町は交通の要衝となりました。1925年(大正14年)には一日市村が町制を施行して一日市町に。一方で1945年(昭和20年)には一日市大火が起こり、多くの家屋が焼失する被害も経験しています。
現代──合併と八郎潟の干拓
1956年(昭和31年)、昭和の大合併で一日市町と面潟村が合併し、八郎潟町が誕生しました。翌年から始まった八郎潟の干拓事業は1977年に完了し、湖の大部分が陸地となって隣の大潟村が生まれます。この干拓で漁業は姿を消し、代わりに整備された水田で米作が町の基幹産業になりました。
八郎潟町の文化・風習

方言と話し方の特徴
この地域で話されているのは秋田弁です。代表的な言葉には、んだ(そうだ・その通り)、がっこ(漬物)、めんこい(かわいい)などがあります。おもしろいのがこわい(疲れた・だるい)で、標準語の「恐い」とは意味が違うので、初めて聞くと戸惑うかもしれません。やわらかく、ゆったりとしたイントネーションも秋田弁ならではです。
踊りと祭りが刻む一年
八郎潟町の一年は、祭りとともに巡ります。元旦の一日市裸参りに始まり、5月5日の願人踊、夏の一夜市、そして8月の一日市盆踊りへ。とくに盆踊りは町内外の誰でも輪に入れるので、旅行の途中にふらっと参加してみるのもいいですよね。踊りが暮らしのそばにある町なんです。
冬は湖が凍り、雪は少なめ──暮らしの四季
秋田県内では積雪が比較的少ない地域とされ、平地が多いことも相まって暮らしやすい環境です。それでも冬になると八郎湖の湖面は凍り、ワカサギ釣りの人影が点々と並びます。春の田植え、夏の盆踊り、秋の稲刈り、冬の湖上と、四季の移ろいが暮らしのリズムをつくっています。
八郎潟町の特産品・食

特産品1:八郎湖のワカサギ佃煮・甘露煮
町を代表する味が、八郎湖でとれたワカサギの佃煮・甘露煮です(出典:八郎潟町公式サイト)。甘辛くしっとり炊き上げられていて、旬は秋。ワカサギは鮮度が落ちやすく、水揚げから数時間で加工しないと良い製品にならないため、漁獲地であるこの町でしか作れない味なんです。炊きたてのご飯にのせれば、それだけでごちそうになります。
特産品2:あきたこまち(八郎湖畔の良質米)
八郎湖畔に広がる田園は良質米の産地で、あきたこまちが主力です。八郎湖の水質を守るため肥料や農薬の使用を抑えた米づくりが行われており、粒がしっかりして冷めても甘みが残るのが持ち味。ワカサギ佃煮との相性は言うまでもありません。新米が出回る秋は、いちばんの食べどきです。
特産品3:畠栄菓子舗のあんごま餅
甘いもの好きに知ってほしいのが、畠栄菓子舗の「あんごま餅」です。ふわふわの餅にあんことすりごまをたっぷりのせた和スイーツで、性別や年齢を問わず親しまれています。冷凍で届いても自然解凍でやわらかく食べられるので、おみやげにもぴったり。素朴だけれど後を引く、この町らしいおやつですよ。
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八郎潟町の観光スポット

八郎潟町は面積17.00km²の小さな町なので、見どころは半日あればぐるっと回れます。キーワードは「水辺」「町なか」「高台」の3つ。八郎湖の水辺で遊び、駅前でひと息つき、丘の上から町を見わたす──この流れで歩くと、湖とともに生きてきた町の輪郭がすっと見えてきますよ。
水辺で遊ぶ・眺める
- 八郎湖(八郎潟残存湖)でのワカサギ釣り – 冬に湖面が凍ると、氷に穴をあけて楽しむワカサギの氷上釣りが名物になります。用具のレンタルはないので持参が必要です(出典:八郎潟町公式サイト)。氷点下の湖上で、七輪を囲みながら糸を垂らす時間はなんとも贅沢。日が暮れても灯りを点して糸と向き合う釣り人の姿は、この町の冬そのものです。
- 八郎湖のバスフィッシング – 春から秋にかけては、霞ヶ浦・琵琶湖と並び称される釣りのメッカとして、ブラックバスや巨鯉・鮒を狙う釣り人でにぎわいます(出典:八郎潟町公式サイト)。承水路沿いに車を停めて、朝もやの水面に糸を投げる。全国からわざわざ通うファンがいるのも、うなずける環境なんですよ。
- 三倉鼻公園 – かつての八郎湖を一望できる景勝地で、幸田露伴や正岡子規といった文人が訪れ、園内には正岡子規の句碑「秋高う入海晴れて鶴一羽」が建っています(出典:八郎潟町公式サイト)。地平線・大空・湖のコントラストが気持ちよく、とくに夕暮れどきがおすすめ。まっすぐ伸びる「光の道」が水面に落ちる瞬間は、思わず息をのみます。
町なかで過ごす
- えきまえ交流館はちパル – JR八郎潟駅前に2015年に開館した複合施設で、町立図書館・子育て支援センター・交流ホール・カフェなどが入っています。駅から徒歩約1分、五城目八郎潟ICから車で約7分です(出典:はちパルウェブサイト)。館内の図書館は干拓前の八郎潟を行き交った「うたせ舟」をイメージした吹き抜けの空間。旅の途中にふらっと立ち寄って、コーヒー片手にひと休みするのにちょうどいい場所です。
- 一日市神社 – 願人踊が奉納され、正月の一日市裸参りの出発点にもなる、町の暮らしの中心にある神社です。祭りのない日は静かなものですが、境内に立つと、この場所から踊りや掛け声が町へ広がっていく光景が想像できます。
高台から町を見わたす
- 塞ノ神農村公園 – 2002年(平成14年)12月に整備された公園で、町を一望できる展望台があります(出典:八郎潟町公式サイト)。小学校の「なべっこ遠足」の定番でもある地元密着スポット。丘の上から見下ろすと、17km²に田んぼと家並みがコンパクトに収まっているのがよく分かって、この町の小ささが愛おしくなります。
- 田んぼアート – 2016年(平成28年)から八郎潟町地域振興協議会によって続けられている取り組みで、色の違う稲で水田に絵を描きます(出典:八郎潟町公式サイト)。見ごろは稲が色づく夏。高い位置から眺めると絵が浮かび上がる仕掛けなので、展望スポットと合わせて楽しむのがおすすめですよ。
八郎潟町の観光ルート

コンパクトな八郎潟町は、駅前を起点にすると回りやすい町です。鉄道で来て駅前を歩くプランも、車で水辺と丘をつなぐプランも組めます。時間があれば、隣の大潟村や五城目町まで足をのばす湖東地区の周遊もおすすめ。3つのルートを紹介しますね。
【鉄道+徒歩・半日】駅前まちあるきルート
10:00 八郎潟駅 → 徒歩すぐ はちパル → 一日市商店街 → 一日市神社(徒歩圏)
①えきまえ交流館はちパル(60分)
→ まずは駅前の複合施設で町の空気に慣れましょう。図書館やカフェで旅の計画を立て直すのにちょうどいい時間帯です。
②一日市商店街(40分)
→ 昔ながらの商店が並ぶ通りをのんびり歩きます。夏の盆踊りの舞台になる通りだと思うと、静かな昼間の表情も味わい深いですよね。
③一日市神社(20分)
→ 願人踊や裸参りの舞台に立ち寄って、祭りの熱気を想像しながらしめくくり。車がなくても成立する、気軽な半日コースです。
【車・半日】水辺と高台めぐりルート
13:00 八郎潟駅 → 車 塞ノ神農村公園 → 三倉鼻公園 → 八郎湖畔
①塞ノ神農村公園(30分)
→ 展望台に登って、町の全体像を頭に入れます。小さな町がどう広がっているか分かると、この後の移動がぐっと楽しくなりますよ。
②三倉鼻公園(40分)
→ かつての八郎湖を望む景勝地へ。句碑を読みながら、埋め立て前の広大な湖に思いをはせる時間です。
③八郎湖畔(40分)
→ 締めは水辺で夕景を。地平線に日が沈むころに合わせると、湖面が茜色に染まる光景に出会えます。夕方スタートにする理由はここにあります。
【車・1日】湖東地区の広域周遊ルート
9:00 八郎潟町 → 車 大潟村 → 五城目町 → 八郎潟町
①八郎潟町(午前)
→ 駅前と三倉鼻で町の顔を押さえたら、干拓地へ向かいます。
②大潟村(昼)
→ 八郎潟を干拓して生まれた広大な村へ。干拓の歴史を伝える資料館や、春の桜と菜の花の並木道が見どころです。まっすぐ続く農道の開放感は、隣り合う小さな町との対比が鮮やかですよね。
③五城目町(午後)
→ 500年以上の歴史を持つ朝市が立つ町へ。買い物や食事を楽しんで、夕方に八郎潟町へ戻る流れが無理なくおすすめです。
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八郎潟町の年間イベント

八郎潟町の一年は、祭りと踊りで彩られています。冬の裸参りに始まり、春の願人踊、夏の盆踊り、そして秋の一夜市へ。小さな町ながら、季節ごとに人が集まる行事がそろっているのが魅力です。ぜひ足を運んでみてほしいものを、季節順に紹介しますね。
冬(1月):一日市裸参りと氷上のワカサギ釣り
約100年続く一日市裸参りは、元旦に行われる勇壮な行事です。水垢離で身を清めた男たちが、白帯姿で「ジョヤサ」の掛け声とともに一日市神社をはじめ町内の神社を駆け巡り、五穀豊穣や家内安全を祈願します(出典:八郎潟町公式サイト)。凍てつく夜に上がる白い息と掛け声の迫力は、正月ならではの見ものです。同じころ、八郎湖では氷上のワカサギ釣りも最盛期を迎えます。
春(5月):願人踊
毎年5月、一日市神社の祭典に合わせて奉納されるのが願人踊です。秋田県指定無形民俗文化財で、力強い踊りの合間に、歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」の定九郎と与市兵衛によるコミカルな寸劇が入ります(出典:八郎潟町公式サイト)。門付けで町を練り歩くので、観客との距離がとにかく近いんですよ。近年は八郎潟駅前での公演もあり、記念撮影に応じてくれることもあります。
夏(8月):一日市盆踊り
夏の主役は、秋田三大盆踊りに数えられる一日市盆踊りです。毎年8月に一日市商店街を会場に開かれ、秋田県指定無形民俗文化財に指定されています(出典:八郎潟町公式サイト)。最大の特徴は手作りの仮装。ナマハゲから時事ネタまで思い思いの衣装をまとった踊り子が通りを埋め、見物客も飛び入りで輪に入れます。「踊る踊り」の名の通り、見るより加わったほうが断然楽しい夜ですよ。
秋(9月):一夜市と実りの季節
秋には、町の若者有志が中心となって開く一夜市があります。近年は9月ごろにはちパルの駐車場を会場として開かれ、お笑いライブや音楽ステージ、打ち上げ花火などでにぎわう、比較的新しいお祭りです。一夜限りの明かりと花火が駅前を包む光景は、この町の新しい風物詩になりつつあります。稲刈りを控えた田んぼアートの見納めどきでもあり、実りの季節ならではの表情が楽しめます。
八郎潟町のエリア別の顔

小さな八郎潟町にも、歩いてみると表情の違いがあります。にぎわいの中心である駅前・一日市、湖と絶景の広がる西側の水辺、そして町の大半を占める田園。旅の目的に合わせてエリアを選ぶと、この町をもっと立体的に楽しめます。旅する視点で、3つの顔を紹介しますね。
駅前・一日市エリア──町のにぎわいが集まる中心
JR八郎潟駅前とその周辺は、町でいちばん人の流れがあるエリアです。えきまえ交流館はちパルを中心に、昔ながらの一日市商店街や一日市神社が徒歩圏に収まっています。祭りのときは、この一帯が踊りと掛け声で一気に熱を帯びます。車がなくても回れるので、鉄道旅で立ち寄りたい人や、町の日常の空気に触れたい人に向いていますよ。
八郎湖・三倉鼻エリア──水辺と絶景を味わう西側
町の西側、八郎湖と承水路に面したエリアは、釣りと眺望の舞台です。三倉鼻公園からの湖の眺めや、冬のワカサギ釣り、春から秋のバスフィッシングと、水辺の遊びがそろっています。人の手が加わっていない開けた景色が好きな人、夕景を静かに眺めたい人におすすめ。時間帯は、光が柔らかくなる夕方がとくに気持ちいいエリアです。
田園エリア──米どころの原風景が広がる
町の大半を占めるのが、平坦に広がる水田地帯です。塞ノ神農村公園の展望台や田んぼアートは、この田園があってこそ。夏の青々とした稲、秋の黄金色と、季節ごとに色を変える風景が魅力です。派手さはありませんが、秋田平野の北端らしいのどかな原風景に癒やされたい人には、いちばん響くエリアかもしれませんね。
八郎潟町の気候・季節の暮らし

最寄りの気象官署である秋田地方気象台(秋田市)の平年値では、年平均気温は12.1℃、年間降水量は1741.6mm、年間降雪量は273cmです(出典:気象庁)。八郎潟町はその北約30kmの平野部にあり、秋田県内では積雪が比較的少ない地域とされています。四季がはっきりしていて、湖のそばならではの表情がある町なんですよ。
春──3月〜5月の暮らし
3月に入ると雪がゆるみ、田んぼに水が張られる田植えの季節へと向かいます。5月の平均気温は15.2℃で、日中は上着がいらない日も増えてきます(出典:気象庁)。ただ春先は風の強い日もあるので、羽織れる一枚があると安心です。5月5日には願人踊が町を彩ります。
夏──6月〜8月の暮らし
いちばん暑い8月でも平均気温は25.0℃ほどで、猛烈な酷暑にはなりにくい土地です。ただし7月の平均湿度は約79%と高めで、蒸し暑さは感じます。田んぼの緑がぐんと濃くなり、田んぼアートが見ごろを迎えるのもこの時期。8月には一日市盆踊りで町がいちばん熱くなる季節ですよね。
秋──9月〜11月の暮らし
10月の平均気温は14.5℃と過ごしやすく、稲刈りで田園が黄金色に染まります。9月ごろの一夜市や、実りの季節ならではの食が楽しめるのもこの時期。朝晩は冷え込みが増していくので、11月に入ったら冬支度を始めるのが地元の暮らしのリズムです。
冬──12月〜2月の暮らし
いちばん寒い1月は平均気温0.4℃、日最低気温の平年値は-2.1℃まで下がります(出典:気象庁)。県内では雪が少ないほうとはいえ、暖房や冬タイヤは必須です。湖面が凍ればワカサギ釣りが始まり、元旦には裸参りの掛け声が響く──寒さの中にこそ、この町らしい風景が詰まっています。
八郎潟町の移住・暮らし情報

秋田市に近く、駅を中心に暮らしがコンパクトにまとまっているのが八郎潟町の住み心地です。県内最小の面積だからこそ、通勤・買い物・通院の動線が短く、車があれば日々の用事はほぼ町内と近隣で完結します。ここでは「暮らす視点」で町を見ていきますね。
通勤・通学
秋田市に近いことから、通勤や通学で秋田市方面へ向かう人が少なくありません。JR八郎潟駅から秋田駅までは奥羽本線で約30分、乗り換えなしで通えます。車通勤なら、秋田自動車道の五城目八郎潟ICも近くて便利です。
住宅環境
八郎潟駅周辺の賃貸は、2LDKでおよそ5〜6万円前後が目安です(出典:SUUMO)。平地が多く、駅前から少し離れると田園に囲まれた住宅地が広がります。都市部に比べて家賃を抑えつつ、駅近の利便性も選べるのがうれしいところですよね。
買い物環境
町なかは昔ながらの商店が中心で、大規模な商業施設はありません。日常の大きな買い物は、5kmほどの範囲にある隣の五城目町のイオンスーパーセンターなどを使うのが現実的です。ふだんの食材は町内、まとめ買いは近隣、という使い分けになります。
子育て・教育
町内には保育園・幼稚園のほか、八郎潟町立八郎潟小学校と八郎潟町立八郎潟中学校がそろっています(出典:八郎潟町公式サイト)。小学校と中学校は同じ敷地にあり、駅前のはちパルには子育て支援センターも入っています。小さな町ならではの、目の届きやすい環境で子育てができます。
医療環境
町内にはJA秋田厚生連の湖東厚生病院があり、総合病院として内科・小児科・整形外科など複数の診療科と約100床を備えています(出典:JA秋田厚生連 湖東厚生病院)。人口5千人規模の町に総合病院があるのは心強く、五城目町・井川町・大潟村を含む湖東地区の医療を支える存在です。
エリア別の暮らし視点
駅前・一日市エリアは、車がなくても暮らしやすい町の中心。買い物と通勤の利便を重視するならここが候補です。田園エリアは、静けさと広い空を求める人向き。水辺の西側は、釣りや自然が生活のそばにある暮らしになります。目的に合わせて選べる幅があるんですよ。
八郎潟町へのアクセス

八郎潟町は、秋田市から北へ約30kmの位置にあります。JR奥羽本線と国道7号が南北に貫き、秋田自動車道の五城目八郎潟ICも近いため、鉄道でも車でもアクセスしやすい町です。主要な行き方を整理しておきますね。
車でのアクセス
秋田市方面からは国道7号を北上するルートが分かりやすく、高速なら秋田自動車道の五城目八郎潟ICが最寄りです。ICから八郎潟駅前のはちパルまでは車で約7分です(出典:八郎潟町公式サイト)。町内は平地で道も分かりやすいので、運転の負担は少なめです。
鉄道でのアクセス
鉄道ではJR奥羽本線の八郎潟駅が玄関口です。秋田駅からは普通列車で約30分、乗り換えなしで到着します。東京方面からは、秋田新幹線で秋田駅まで来て奥羽本線に乗り継ぐのが基本ルート。駅前にはちパルがあるので、着いてすぐ休めるのも助かります。
飛行機でのアクセス
遠方からは秋田空港が最寄りの空港になります。空港は秋田市の南東にあるため、空港から秋田市を経由して北上する流れです。飛行機+レンタカー、または空港から秋田駅へ出て奥羽本線に乗る方法が現実的ですよ。
町内移動の現実的アドバイス
町内は小さくまとまっているので、観光でしっかり回るなら車が便利です。公共交通では、五城目町と大潟村を結ぶ南秋地域広域マイタウンバスが八郎潟駅を経由します。鉄道旅の場合は、駅前を徒歩で楽しみ、遠出はバスや車と組み合わせるのがおすすめです。
交通手段ごとに見てきましたが、「結局いちばん安く行くにはどうすれば?」と迷う方も多いはず。飛行機で向かうなら、航空券は予約のタイミングや会社によって料金が大きく変わります。複数の航空会社・LCCをまとめて比較できるサイトで、いちど最安値をチェックしておくと安心ですよ。
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【地元住民に直撃!】八郎潟町の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。
八郎湖でワカサギを獲っています。冬、湖が凍る前後がいちばんの勝負どきですね。朝は暗いうちから船を出して、獲れたてを佃煮屋さんに渡すまでが仕事です。
この湖と一緒に生きてきた家の生まれなので、水の匂いや氷の張り具合で、その日の獲れ方がなんとなく分かる。手間はかかりますが、性に合っている仕事だと思っています。
Q2.八郎潟町に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?
まずは三倉鼻。かつての八郎湖を見わたせる高台で、地平線と空と水面がまっすぐ並ぶ景色は、何度見ても飽きません。夕方、湖面に光の帯が伸びる時間がいちばんです。
あとは地元の人間としては、丘の上の農村公園から町を見下ろすのが好きですね。田んぼと家並みが小さくまとまっていて、ああ自分の町はこれだけの広さなんだな、と妙に落ち着くんですよ。
Q3.八郎潟町でお土産を買うとしたらなんですか?
やっぱり八郎湖のワカサギの佃煮や甘露煮ですね。獲れた場所でしか作れない味なので、ここらしい土産だと思います。ご飯のお供にも、お茶請けにもいい。
地元の人間がよく手に取るのは、餅にあんことすりごまをのせた素朴な和菓子。派手さはないけれど、子どもから年寄りまで喜ぶ味で、うちでも来客のときはこれを出します。
Q4.外から人が来たときに、八郎潟町でまず連れていく店はどこですか?
駅前に、昔ながらの商店が並ぶ通りがあるので、まずはそこをぶらっと歩いてもらいます。派手な店はないけれど、出汁や漬物の匂いが漂う、生活のにおいのする通りなんです。
それから駅前の交流館へ。図書館やカフェが入った、町の人が自然と集まる場所で、ここで一息つきながら町の空気を感じてもらうのが、自分の定番の案内ですね。
Q5.八郎潟町はどんな気質だと思いますか?
小さい町だから、みんな顔見知りみたいなものです。おせっかいなくらい世話焼きで、困っている人を放っておけない。祭りとなると一気にまとまるのも、この町らしさですね。
盆踊りや裸参りを、みんなで代々つないできた土地なので、派手じゃないけれど芯の通った人が多い。よそ者にも、慣れれば身内みたいに接してくれる温かさがあります。
Q6.昔に比べて、八郎潟町の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?
正直に言えば、湖で漁をする人はずいぶん減りました。干拓で漁場も変わったし、佃煮屋の数も昔とは比べものにならない。人が減っていくのは、肌で感じています。
ただ、駅前に人が集まる場所ができてから、若い家族やよその町の人を見かけるようになった。町長も暮らしやすさを掲げていて、静かながら踏ん張っている、というのが今の実感です。
Q7.八郎潟町のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?
大きな施設がぽんとできる町ではないですが、駅前の交流館を中心にした催しには期待しています。町の内外から人が集まる場になってきているので、あの流れは続いてほしい。
あとは若い人たちが始めた夏の市。音楽や花火で駅前がにぎわう夜は、正直うれしいですね。ワカサギも盆踊りも、次の世代に渡していけたら、それがいちばんの願いです。

