富谷市(とみやし)は、宮城県中部、仙台市の北に隣接する人口5万人台のベッドタウンです。仙台市地下鉄・泉中央駅から車で約20分。市内に鉄道駅はありません。
富谷市の魅力を5つに凝縮すると、こうなります:
- ✅ 奥州街道・富谷宿──2020年に開宿400年を迎えた宿場町「しんまち地区」が今も残る
- ✅ 内ヶ崎酒造店──1661年創業、現役では宮城県最古の酒蔵(銘柄「鳳陽」)
- ✅ とみやブルーベリー──1983年に栽培開始、農薬不使用栽培でG7サミットにも提供された特産品
- ✅ 45年で人口10倍──1970年に約5千人だった町が、丘陵の宅地開発で5万人都市へ
- ✅ 富谷宿観光交流ステーション「とみやど」──醤油店跡を活用した宿場町の観光拠点
「歴史ある宿場町を歩きたい人」「日本酒や発酵文化が好きな人」「仙台に近い住みやすい移住先を探している人」に向いた町です。本記事では、観光・歴史・特産・文化まで、序盤で町の顔を地元目線で紹介します。
| 人口 | 51,435 人 ※2026年5月1日時点(推計人口) |
|---|---|
| 面積 | 49.18 km² |
| 人口密度 | 1,046 人/km² |
地理的には、南を仙台市(泉区・宮城野区)、南東の一部を宮城郡利府町、そして東・北・西の三方を黒川郡大和町に囲まれています(出典:富谷市公式サイト)。大和町の中に富谷市が南から突き出すような、少し変わった形をしています。
仙台市地下鉄南北線・泉中央駅から車で約20分、仙台北部道路の富谷ICからは約10分。市内に鉄道は通っておらず、宮城県内で唯一、鉄軌道線のない市です。江戸時代の宿場町という古い顔と、仙台のベッドタウンという新しい顔が同居しているのが、この町の面白いところ。さっそく見ていきましょう。
富谷市の推しポイント

富谷市の顔は、大きく分けて二つあります。ひとつは奥州街道の宿場町として400年以上の歴史を刻んできた「しんまち地区」、もうひとつは1970年代以降の宅地開発で人口が一気に膨らんだベッドタウンとしての姿です。歴史・お酒・果物・人口急増という異なる切り口から、この町を象徴する5つのポイントを順に紹介します。
富谷宿──開宿400年の宿場町「しんまち地区」
富谷宿は、奥州街道の72番目の宿場として元和4年(1618年)に設置されました(出典:※富谷宿の概要)。2020年には開宿400年を迎えた、由緒ある宿場町なんですよ。県道沿いの約400mの通りに旧家が建ち並ぶ「しんまち地区」は、白壁の土蔵や格子戸の商家が往時の面影を残していて、歩いているだけで江戸時代の旅人気分になれます。
内ヶ崎酒造店──宮城県最古の酒蔵「鳳陽」
しんまち地区にある内ヶ崎酒造店は、寛文元年(1661年)創業、現役の酒蔵としては宮城県最古です(出典:宮城県酒造組合)。代表銘柄の「鳳陽(ほうよう)」は、奥州街道を行き交う大名や地元の人々に親しまれてきた地酒で、今では海外コンクールでの受賞歴も重ねています。富谷宿を開いた内ヶ崎家が、そのまま酒造りも担ってきたという歴史の連続性がたまりません。
とみやブルーベリー──G7サミットに出された果実
富谷市の特産といえばブルーベリーです。水田の転作として1983年に栽培が始まり、農薬不使用・化学肥料節減で育てられたブルーベリーは、宮城県から特別栽培農産物として認証されています(出典:富谷市公式サイト)。2016年のG7伊勢志摩サミットでは、各国首脳へのおもてなしにブルーベリージュースが振る舞われたという栄誉もあるんですよ。
45年で人口10倍──仙台のベッドタウン
1970年(昭和45年)には約5千人だった人口が、2015年には5万人を超えました。45年でおよそ10倍という、全国でも珍しい急成長です(出典:※国勢調査に基づく推移)。1971年の東向陽台団地を皮切りに、国道4号沿いの丘陵地に新興住宅地が次々と造られ、仙台市都心部への通勤の便のよさから今も人口が増え続けています。
とみやど──宿場町の今を楽しむ拠点
2021年にオープンした富谷宿観光交流ステーション「とみやど」は、内ヶ崎酒造店の分家が営んでいた醤油店の跡地を活用した施設です。明治の偉人・内ヶ崎作三郎の記念館や、地元産ブルーベリーを使ったジェラットを味わえるカフェなどが入っていて、しんまち散策の入口にぴったり。古い建物を生かしながら、新しい賑わいを生んでいる場所です。
富谷市の歴史

富谷市の歩みは、大きく三つの時代に分けられます。奥州街道の宿場町として開かれた江戸時代初期、11の村が合併して富谷村が生まれた明治、そして仙台のベッドタウンとして人口が急増した昭和後半から現代です。宿場町の古い記憶と、新興住宅地という新しい層が重なり合って、今の富谷市ができあがりました。
近世──奥州街道・富谷宿の誕生
元和4年(1618年)、吉岡黒川氏の家老だった内ヶ崎筑後(のちの織部)が、仙台藩主・伊達政宗から宿場の開設を命じられ、富谷宿が誕生しました(出典:※富谷宿の沿革)。当初の戸数はわずか13戸ほどでしたが、2年後の元和6年(1620年)には正式に宿場として発足しました。寛文元年(1661年)には二代目が酒造業を創業しています。また、この一帯は「富谷茶」の産地としても知られ、奥道中歌に「富谷茶のんで味は吉岡」と詠まれたほどでした。
近代──11村が合併して富谷村へ
明治22年(1889年)、町村制の施行により、富谷村・志戸田村など11の村が合併して黒川郡富谷村が発足しました。明治24年(1891年)には内ヶ崎家の好意でしんまち地区の丘に富ヶ岡公園が開設され、丘の上からは七ツ森や泉ヶ岳などの山々を望むことができます。昭和38年(1963年)には町制を施行し、富谷町となりました。
現代──人口急増と単独市制
昭和46年(1971年)の東向陽台団地の分譲を皮切りに、丘陵地で計画的な宅地開発が進み、人口が急増しました。仙台市との合併も選択肢にありましたが、富谷町は単独での市制施行を選び、平成28年(2016年)10月10日、宮城県下14番目の市として富谷市が誕生しました。市の総面積のうち新興住宅地は18%ほどですが、そこに市民の9割以上が暮らしているのが、ベッドタウンらしい特徴です。
富谷市の文化・風習

方言と話し方の特徴
富谷市で話されるのは、宮城県全域で使われる仙台弁(宮城弁)です。県外の人に一番通じにくい代表格がいずい(しっくりこない・違和感がある)。服のタグが首にあたるときや、靴に小石が入ったときの、あの「なんとなく落ち着かない感じ」を一言で表せる便利な言葉なんですよ。
ほかにも、相手の話に深くうなずくときのだから(だからね)(そうそう・そうだよね、という共感)、ゴミを「捨てる」を意味するなげる、夜のあいさつのおばんです(こんばんは)などがあります。語尾の〜だっちゃ(〜だよ)も宮城らしい響きです。仙台に近い都市部のため、若い世代では標準語に近い話し方も増えていますが、こうした言葉がふとした拍子に顔を出します。
発酵と宿場町の食文化
富谷市は、酒・味噌・醤油といった発酵文化が根づいた町です。しんまち地区には宮城県最古の酒蔵があり、かつては味噌・醤油屋も軒を連ねていました。その縁で、2025年10月には全国の発酵食品が集まる「全国発酵食品サミット」が富谷市で開かれ、宿場町の歴史と発酵文化が結びついた町であることを全国に発信しました。みなさんも、しんまちを歩きながら地酒や発酵食品をのぞいてみてください。
新旧の住民が混じり合う気質
富谷市は、昔ながらの宿場町・農村部の住民と、移住してきた新興住宅地の住民が混在しているのが特徴です。人口の9割以上が新しく移り住んだ層なので、移住者にとって溶け込みやすい空気があると考えられます。一方で、しんまち地区では「街道まつり」のように、地域の歴史を受け継ぐ行事も大切にされています。
富谷市の特産品・食

特産品1:とみやブルーベリー
富谷市を代表する特産品がブルーベリー。爽やかな甘酸っぱさと、粒の大きさが自慢です。旬は7月。水田の転作として1983年に栽培が始まり、農薬不使用・化学肥料節減で育てられ、宮城県から特別栽培農産物として認証されています(出典:富谷市公式サイト)。摘み取り農園ではその場で口に入れられるので、太陽を浴びて熟した一粒を頬張る贅沢が味わえます。ジャムやジュース、黒酢などの加工品も人気です。
特産品2:とみやブルーベリースイーツ
7月には、市内のスイーツ店やベーカリーが富谷産ブルーベリーを使ったオリジナルスイーツを一斉に販売する「とみやブルーベリースイーツフェア」が開かれます。2026年は6月25日から7月15日まで、17回目の開催で、14店舗のスイーツ店・ベーカリーと髙橋ブルーベリーつみとり園が参加します(出典:富谷市公式サイト)。この時期しか食べられない限定スイーツを食べ歩くのが、初夏の楽しみ方なんですよ。
特産品3:地酒「鳳陽」
宮城県最古の酒蔵・内ヶ崎酒造店が醸す「鳳陽(ほうよう)」は、スッキリとした中にも旨味がある地酒です。南部杜氏の手づくりで、厳冬の中で仕込まれます。寛文元年(1661年)の創業以来360年以上の歴史を持ち、近年はアメリカやヨーロッパなど海外にも輸出され、各国のコンクールで受賞を重ねています(出典:宮城県酒造組合)。宿場町で休む大名たちが味わった酒を、今も同じ場所で飲めるというのは贅沢な体験です。
特産品4:とみやはちみつ
少し変わった特産品がとみやはちみつ。なんと市役所の屋上で採蜜されている、富谷に咲くさまざまな花の蜜を集めた「百花蜜」です。熟成されたまろやかな甘さが自慢で、地域の自然環境の豊かさを物語る一品。ブルーベリーやスイーツと並ぶ、富谷の新しい顔として育てられています。
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富谷市の観光スポット

富谷市の観光は、奥州街道の宿場町「しんまち地区」を軸に考えると分かりやすいです。江戸の面影を残す通りを歩いて歴史と発酵文化に触れ、少し足を延ばせば丘陵の自然や大型商業施設も楽しめます。歴史散策・自然・買い物という3つの顔を、エリアごとに押さえていきましょう。
宿場町の歴史と発酵文化にふれるスポット
- しんまち地区(富谷宿) – 奥州街道の72番目の宿場として元和4年(1618年)に開かれた宿場町で、2020年に開宿400年を迎えました。県道沿いの約400mの通りに、白壁の土蔵や格子戸の旧家が建ち並びます。車の少ない通りをゆっくり歩くと、江戸時代の旅人になったような気分にひたれますよ。
- 富谷宿観光交流ステーション「とみやど」 – 内ヶ崎家の分家が営んでいた醤油店の跡地をリノベーションした観光交流施設です。営業時間は10:00〜17:00、定休日は火曜日(祝日の場合は営業し翌日休み)で、テナントは11:00開店です(出典:富谷宿観光交流ステーション「とみやど」)。内ヶ崎作三郎記念館や飲食店、はちみつ専門店、陶芸体験ができる工房が集まっていて、しんまち散策の出発点にぴったりです。
- 内ヶ崎酒造店 – 寛文元年(1661年)創業、現役では宮城県最古の酒蔵です(出典:宮城県酒造組合)。代表銘柄「鳳陽(ほうよう)」は今も同じしんまち通りで醸され続けています。宿場を開いた内ヶ崎家がそのまま酒造りを担ってきた歴史を、建物の佇まいから感じてみてください。
- 熊野神社 – 富谷宿が開設された際、宿場の入口にあたる場所へ移されたと伝わる神社です。木々に囲まれた静かな境内は、散策の合間にひと息つくのにちょうどいい場所。毎年10月には例大祭が開かれ、しんまち通りで神輿渡御が行われます。
丘陵の自然を楽しむスポット
- 大亀山森林公園 – 標高118mの大亀山にある、無料で楽しめるアウトドアスポットです。展望台は令和6年(2024年)4月にリニューアルされ、晴れた日には蔵王連峰や仙台平野、その向こうの太平洋まで見渡せます(出典:富谷市公式サイト)。総延長800mのフィールドアスレチックや人工芝のちびっこゲレンデもあり、家族で1日遊べます。
- 鹿島天足別神社(亀石) – 大亀山の山頂に祀られた神社で、黒川郡に四座しかない延喜式の式内社の一座です(出典:※鹿島天足別神社の概要)。境内には亀に似た巨石「亀石」があり、これが「大亀」という地名の由来になったとされています。森林公園と合わせて立ち寄れる距離です。
- 富ヶ岡公園 – 明治24年(1891年)に内ヶ崎家の好意で開設された、しんまち地区の丘の上の公園です。丘の上からは七ツ森や泉ヶ岳、船形山などの山々が見渡せます。桜の季節には地元の人で賑わう、昔ながらの花見スポットでもあります。
大型商業施設でゆったり過ごすスポット
- イオンモール富谷 – 国道4号沿い、大清水エリアにある大型ショッピングモールです。専門店やフードコート、映画館がそろい、雨の日や寒い時期でも一日過ごせます。隣接地域からも買い物客を集める、富谷の新しい商業の顔なんですよ。
- コストコ富谷倉庫店 – アメリカ発の会員制ホールセールクラブで、大容量の食品や日用品をお得に買えるスポットです。仙台都市圏からの集客力も大きく、休日には多くの車で賑わいます。旅の締めに、地元では手に入りにくいおみやげ探しにのぞいてみるのもいいですよね。
富谷市の観光ルート

富谷市には鉄道駅がないので、観光は車での移動が基本になります。歴史散策に絞った半日コースから、自然や買い物まで盛り込んだ1日コース、仙台と組み合わせた広域コースまで、目的に合わせて組み立てられます。代表的な3つのルートを紹介しますね。
【車・半日】しんまち歴史散策ルート
10:00 とみやど → 10:40 内ヶ崎酒造店 → 11:20 熊野神社 → 12:00 富ヶ岡公園(しんまち地区は徒歩で回遊)
①とみやど(60分)
→ まずは観光交流ステーションで富谷宿の歴史をつかみます。内ヶ崎作三郎記念館を見て、はちみつやブルーベリーのおみやげをチェック。開店直後の落ち着いた時間帯がおすすめです。
②内ヶ崎酒造店(30分)
→ とみやどの向かいにある県内最古の酒蔵。宿場町の通りに溶け込む蔵の佇まいを眺めながら、地酒「鳳陽」の歴史に思いを馳せます。
③熊野神社(30分)
→ 通りを歩いて、宿場の入口に移されたという静かな神社へ。木立に包まれた境内で、散策の足を休めます。
④富ヶ岡公園(30分)
→ 丘を上ると七ツ森や泉ヶ岳が見渡せます。晴れた日の昼前後、明るい光の中で眺める景色が気持ちいいですよ。
【車・1日】歴史と自然を楽しむ満喫ルート
10:00 とみやど → 11:30 しんまち散策・昼食 → 13:30 大亀山森林公園 → 15:30 イオンモール富谷
①とみやど・しんまち地区(午前)
→ 午前中は宿場町の散策と食事にあてます。とみやど内のカフェで、ブルーベリーを使ったジェラートを味わうのも楽しみのひとつ。
②大亀山森林公園(120分)
→ 午後は車で丘陵地へ。リニューアルした展望台に登り、アスレチックやちびっこゲレンデで体を動かします。家族連れなら昼過ぎからの時間帯がたっぷり遊べます。
③イオンモール富谷(120分)
→ 夕方は大型モールで買い物と休憩。一日の締めくくりに、フードコートや専門店でゆっくり過ごせます。
【車・1日】仙台と組み合わせる広域ルート
9:00 仙台市中心部 → 9:40 とみやど・しんまち地区 → 12:30 イオンモール富谷・昼食 → 14:00 コストコ富谷倉庫店 → 16:00 仙台へ戻る
①しんまち地区(午前)
→ 仙台市中心部から車で40分ほど。午前のうちに宿場町の散策と歴史見学を済ませます。
②イオンモール富谷(90分)
→ 国道4号沿いに移動して昼食と買い物。ロードサイドの賑わいから、ベッドタウンとしての富谷の今が見えてきます。
③コストコ富谷倉庫店(120分)
→ 大容量のおみやげ探しに立ち寄ります。仙台都市圏からアクセスしやすい立地なので、帰り道に組み込みやすいですよ。
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富谷市の年間イベント

富谷市のイベントは、特産のブルーベリーと、宿場町・しんまちの歴史を軸に展開します。初夏はスイーツ、秋は宿場町のお祭りと、季節ごとに町の表情が変わります。ぜひ足を運んでほしい行事を、季節順に紹介していきますね。
初夏:とみやブルーベリースイーツフェア
毎年6月下旬から7月にかけて開かれるのが「とみやブルーベリースイーツフェア」です。2026年は6月25日から7月15日まで、市内の14店舗のスイーツ店・ベーカリーと髙橋ブルーベリーつみとり園が参加します(出典:富谷市公式サイト)。各店が腕をふるった限定スイーツを食べ歩く、初夏ならではのお楽しみ。ブルーベリーの爽やかな甘酸っぱさを、ケーキやパンで味わえます。
秋:富谷宿街道まつり
毎年10月、しんまち通りを会場に開かれるのが「富谷宿街道まつり」です(出典:富谷宿街道まつり)。とみやマーチングエコーズを先頭にしたパレードや、とみやどでのステージイベント、復活した「富谷茶」のお振る舞いなどで、宿場町がいちばん華やぐ日です。同日には熊野神社の例大祭も開かれ、しんまち通りを神輿が練り歩きます。マーチングの音と人の熱気が、江戸の通りに響きわたります。
秋:とみやマーチングフェスティバル
富谷市は「マーチングのまち」としても知られ、秋にはマーチングバンドの祭典「とみやマーチングフェスティバル」が開かれてきました(出典:※とみやマーチングフェスティバルの概要)。市内の小中学校や富谷高校、地元バンドが演奏と演技を披露します。子どもたちが揃って奏でる音と動きは、見ていて胸が高鳴りますよ。最新の開催情報は市の告知で確認してから出かけるのがおすすめです。
富谷市のエリア別の顔

富谷市は、大きく3つの顔に分けて歩くと面白い町です。歴史が息づく「しんまち地区」、ロードサイドが賑わう国道4号沿いの商業エリア、そして丘陵に広がる新興住宅地。それぞれ町並みの表情がまったく違うので、旅の目的に合わせて選んでみてください。
しんまち地区──江戸の宿場町が残る歴史の顔
市の中心部、西川の北岸に広がるのがしんまち地区です。約400mの通りに旧家が建ち並び、宮城県最古の酒蔵やとみやどが点在します。歴史散歩や、宿場町の風情を味わいたい人にぴったりのエリア。ゆっくり歩いて、江戸からの時間の積み重ねを感じるのがおすすめの過ごし方です。
国道4号沿い(大清水ほか)──買い物と賑わいの顔
市の西部を縦断する国道4号沿いは、イオンモール富谷やコストコ富谷倉庫店などの大型商業施設が集まるエリアです。隣接地域からも人が訪れる、富谷でいちばん賑やかな場所。雨の日や、家族でゆったり買い物と食事を楽しみたいときに訪れるのが向いています。
丘陵の新興住宅地──ベッドタウンの今の顔
南西部の丘陵地には、1971年の東向陽台を皮切りに造られた新興住宅地が広がります。市の総面積の18%ほどに、市民の9割以上が暮らすエリアです(出典:富谷市公式サイト)。整然と区画された街並みは、45年で人口10倍に成長した町の歩みそのもの。富谷の「現在」を眺めながらドライブするのに向いた地域です。
富谷市の気候・季節の暮らし

富谷市は宮城県中部の内陸に位置し、四季のメリハリがはっきりした気候です。隣接する仙台市の観測点(気象台)では、年平均気温は12.8℃、年間降水量は1276.7mm、年間の降雪量の合計は59cmです(出典:気象庁)。富谷市は海から離れた内陸にあるぶん、仙台市中心部より冷涼・寒冷で、冬は日本海側からの雪雲の影響も受けやすいと考えられます。季節ごとの暮らしを見ていきましょう。
夏──6月〜8月の暮らし
夏は蒸し暑さがありますが、内陸の丘陵地のため、海沿いより朝晩は過ごしやすく感じられます。7月にはブルーベリーが旬を迎え、スイーツフェアで町が彩られる季節。摘み取り農園に出かけるなら、暑くなりすぎない午前中がおすすめですよ。
秋──9月〜11月の暮らし
秋は空気が澄んで、丘陵地からの眺めがいちばん気持ちいい季節です。大亀山森林公園の展望台からは、紅葉に染まる七ツ森や蔵王連峰がくっきり見えます。10月には富谷宿街道まつりが開かれ、宿場町が祭りの熱気に包まれます。
冬──12月〜2月の暮らし
冬は冷え込み、雪も積もります。仙台市中心部より内陸で寒冷なので、車のスタッドレスタイヤや雪かきの備えは欠かせません。朝、丘陵の住宅地から見渡す雪景色は静かで澄んでいて、寒さの中にも凛とした美しさがあります。暖房をしっかり効かせて過ごす季節です。
春──3月〜5月の暮らし
春は富ヶ岡公園の桜が見頃を迎え、丘の上から春霞の山々を眺められます。新興住宅地が多い町なので、新生活で引っ越してくる家族も多い時期。穏やかな陽気の中、しんまち散歩がいちばん心地よい季節でもあります。
富谷市の移住・暮らし情報

富谷市は、仙台市のベッドタウンとして人口を伸ばしてきた町です。45年で人口が10倍に増えた背景には、仙台都心部への通いやすさと、マイホームを持ちやすい環境があります。実際に暮らすとどんな感じか、項目ごとに見ていきますね。
通勤・通学
富谷市民の多くは、仙台市中心部や泉区、あるいは黒川郡の工場集積地へ通勤しています。鉄道駅がないため、通勤は車か、仙台市地下鉄・泉中央駅へのバス利用が中心です。市は地下鉄南北線の富谷方面への延伸も長年検討してきましたが、現時点では実現しておらず、バスと車が生活の足になっています。
住宅環境
住宅は丘陵地の新興住宅地が中心で、戸建てを持ちやすいのが富谷の魅力です。賃貸の場合、SUUMOの掲載物件を見ると2LDKはおよそ5.5万〜7万円前後が中心です(出典:SUUMO)。整然と区画された住宅地は、子育て世代がのびのび暮らせる環境と考えられます。
買い物環境
買い物環境は、富谷の暮らしやすさを支える大きな強みです。国道4号沿いにはイオンモール富谷やコストコ富谷倉庫店があり、日常の買い物から大容量のまとめ買いまで完結します。ロードサイド店舗も充実しているので、車があれば不自由はほとんど感じないでしょう。
子育て・教育
富谷市は子育て世代の多い町で、支援拠点も整っています。妊娠期から子育て期までを支える「とみや子育て支援センター(とみここ)」が平成29年(2017年)に開所し、母子健康手帳の交付や健診、育児相談を行っています(出典:富谷市公式サイト)。市内には複数の小・中学校があり、平均年齢の若い町ならではの活気があります。
医療環境
市内には診療所やクリニックがありますが、入院を伴う中核的な医療は、隣接する大和町の公立黒川病院が担っています。同病院は富谷市を含む黒川医療圏の2次医療機関で、病床数は170床です(出典:地域医療振興協会)。仙台市の医療機関へも車でアクセスしやすい立地です。
エリア別の暮らし視点
住む視点で見ると、丘陵の新興住宅地(東向陽台・明石台・成田など)は子育て世代向けで、買い物にも便利なエリアです。国道4号沿いは商業施設が近く生活導線が短いのが利点。一方、しんまち地区や農村部は昔ながらの落ち着いた住環境で、歴史ある町並みの中で静かに暮らしたい人に向いています。
富谷市へのアクセス

富谷市には鉄道駅がないため、アクセスは車か、仙台市地下鉄・泉中央駅からのバスが基本になります。仙台市の北隣という立地なので、仙台駅からの距離は近く、観光でも移住検討でも訪れやすい町です。交通手段ごとに整理します。
車でのアクセス
車の場合、東北自動車道の大和ICから国道4号経由で富谷市役所まで約20分、仙台北部道路の富谷ICからは約10分です(出典:富谷市公式サイト)。仙台市中心部からも国道4号で直結しているので、車があればいちばんスムーズに動けます。
鉄道+バスでのアクセス
鉄道利用の場合は、東北新幹線で仙台駅まで来て、仙台市地下鉄南北線で泉中央駅へ(約15分)。そこから宮城交通バスに乗り換えて富谷方面へ向かいます(同上)。しんまち地区の最寄りは「富谷」バス停で、泉中央駅からバスで30分前後です。乗り換えがあるので、時刻表を事前に確認しておくと安心ですよ。
飛行機でのアクセス
遠方からは仙台空港が玄関口になります。仙台空港から仙台空港アクセス線で仙台駅へ出て、地下鉄とバスを乗り継ぐルートが一般的です。空港でレンタカーを借りて、国道4号で北上するのも分かりやすい方法です。
町内移動の現実的アドバイス
富谷市内は車移動が前提の町です。観光なら、しんまち地区・大亀山森林公園・イオンモール富谷を車でつなぐと効率よく回れます。バス中心で動く場合は本数に限りがあるので、泉中央駅を起点に時間に余裕を持った計画にするのがおすすめです。
交通手段ごとに見てきましたが、「結局いちばん安く行くにはどうすれば?」と迷う方も多いはず。飛行機で向かうなら、航空券は予約のタイミングや会社によって料金が大きく変わります。複数の航空会社・LCCをまとめて比較できるサイトで、いちど最安値をチェックしておくと安心ですよ。
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【地元住民に直撃!】富谷市の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。
この町で代々続く酒蔵で、酒造りをしております。冬になると朝早くから蔵にこもって、米と水と向き合う毎日です。
この土地の水と気候があってこその仕事でしてね。先祖がこの宿場町で蔵を構えてから三百年以上、味を守りながら少しずつ新しいことにも挑戦しています。
Q2.富谷市に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?
まずは奥州街道の宿場町だった、しんまち地区を歩いてほしいですね。白壁の土蔵や格子戸の旧家が残っていて、車の少ない通りをゆっくり歩くと、江戸の旅人になったような気分になります。
地元の人間としては、大亀山森林公園の展望台もすすめたい。晴れた日に丘の上から蔵王連峰まで見渡せて、あの澄んだ空気は格別なんですよ。
Q3.富谷市でお土産を買うとしたらなんですか?
定番はやはり、この町の地酒ですね。宿場町で休む旅人に親しまれてきた酒で、贈り物にすると喜ばれます。手前味噌で恐縮ですが。
地元の人間が好きなのは、特産のブルーベリーを使ったジャムやジュース。それと、市役所の屋上で採れるはちみつもありましてね。知る人ぞ知る一品ですよ。
Q4.外から人が来たときに、富谷市でまず連れていく店はどこですか?
宿場町の通りにある、古い建物を生かした交流施設へ連れていくことが多いですね。地元の食材を使った飲食店や、はちみつの専門店、陶芸を体験できる工房まで集まっていて、ここだけで富谷の今と昔の両方が味わえます。
散策の合間に、地元産ブルーベリーを使った冷たい甘味で一休みするのが、私の定番の案内コースです。
Q5.富谷市はどんな気質だと思いますか?
昔ながらの宿場や農村の住民と、移り住んできた新しい住民が混じり合った町なので、よそ者を排除しない、おおらかな気質だと感じます。
人口の九割以上が新しく来た人ですからね。新参者にも自然と居場所ができる。一方で、しんまちの祭りのように、古くからのものを大事に守る芯の強さも残っているんですよ。
Q6.昔に比べて、富谷市の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?
私が子どもの頃は田畑と宿場町しかない静かな町でしたが、丘陵地に次々と住宅地ができて、人口が一気に増えました。国道沿いに大きな商業施設も並んで、すっかり賑やかになりましたね。
便利になった一方で、宿場町の旧来の暮らしは静かになりました。だからこそ、しんまちの歴史を残す動きが大事だと思っています。
Q7.富谷市のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?
仙台への鉄道をどうつなぐか、市が長年いろいろな方法を検討していましてね。実現はまだ先でしょうが、移動が楽になれば町はもっと変わると期待しています。
あとは、この土地に根づいた発酵文化を全国へ発信する取り組みにも力が入っています。酒や味噌、醤油の蔵が育てた文化が見直されるのは、つくり手として嬉しい限りです。

