【岩手県八幡平市】ってどんなとこ?安代りんどうとドラゴンアイ【地元民のリアルな声あり】

八幡平頂上にあるドラゴンアイ:八幡平頂上付近の鏡沼で、5月下旬〜6月上旬の雪解け時にだけ現れる、龍の眼のような神秘的な絶景です。

八幡平市(はちまんたいし)は、岩手県の北西部に位置する人口21,660人のまちです。青森・秋田・岩手の北東北3県のほぼ中心にあり、盛岡市の北西約34kmに広がっています。

八幡平市の魅力を5つに凝縮すると、こうなります:

  • 八幡平ドラゴンアイ──初夏の鏡沼に現れる「龍の眼」と呼ばれる雪解けの絶景
  • 安代りんどう──栽培面積・生産量・販売額が日本一の花の産地
  • 安比高原──東北有数のスノーリゾートと、日本初の英国式全寮制スクール
  • スキージャンプの里──五輪金メダリスト・小林陵侑ら一家を輩出した地
  • 松川地熱発電所──1966年稼働、日本で最初の商業用地熱発電所

「火山や地学に興味がある人」「雪山・温泉を楽しみたい旅行者」「自然のなかで暮らせる移住先を探している人」に特におすすめのまち。この記事では、観光・特産・歴史から文化・暮らしまで、八幡平市の素顔を順に紹介します。

人口21,660 人 ※2026年5月1日時点(推計人口)
面積862.30 km²
人口密度25.1 人/km²

地理的には、東は二戸市一戸町岩手町、南は盛岡市滝沢市雫石町、西は秋田県の仙北市鹿角市、北は青森県の田子町と、3県9市町村に接しています(出典:八幡平市公式サイト)。

市内を東北自動車道・国道282号・JR花輪線が縦貫し、3つのインターチェンジを擁する交通の要衝です。南には県内最高峰の岩手山(2,038m)がそびえ、西には八幡平の山々が連なります。

火山・地熱・花・スキー・温泉と、ひとつのまちに「日本一」「日本初」がいくつも詰まっています。ひとつずつ見ていきましょう。

目次

八幡平市の推しポイント

八幡平市の見どころは、奥羽山脈の大自然と、そこから生まれた産業・文化に集約されます。初夏だけ現れる神秘の絶景、日本一の花、世界クラスのスノーリゾート、五輪選手を生んだジャンプ文化、そして日本のエネルギー史に名を刻む地熱発電所。性格の異なる5つの顔を、ここで少し掘り下げます。

八幡平ドラゴンアイ──初夏だけの「龍の眼」

標高約1,600mの八幡平山頂付近にある鏡沼(かがみぬま)では、雪解けの時期だけ、雪と水がドーナツ状になり、まるで龍の眼のように見える「ドラゴンアイ」が現れます。見頃は例年5月下旬〜6月上旬ごろ(出典:いわての旅(岩手県観光協会))。その年の雪や天候しだいで姿が変わるので、出会えたら幸運な絶景なんですよ。

安代りんどう──日本一の花の里

八幡平市の安代(あしろ)地区は、りんどうの栽培面積・生産量・販売額がいずれも日本一。全国生産量の35%以上を占めています(出典:安代りんどう)。市内のあちこちでりんどう畑が見られる、まさに「花のまち」です。

安比高原──東北有数のスノーリゾート

市の北部に広がる安比高原(あっぴこうげん)は、良質なパウダースノーで知られる県内最大級のスキーリゾート。2022年には日本初の英国式全寮制インターナショナルスクール「ハロウインターナショナルスクール安比ジャパン」も開校し、世界から生徒が集まる土地になりました。冬はもちろん、夏のリゾートとしても楽しめます。

スキージャンプの里──小林陵侑のふるさと

旧松尾村(現・八幡平市松尾)は、2022年北京五輪ジャンプ男子ノーマルヒル金メダリスト・小林陵侑選手の出身地です(出典:日本オリンピック委員会)。兄の潤志郎さん、姉の諭果さん、弟もジャンプ選手という、まさに「ジャンプ一家」を生んだまち。冬の長い土地ならではの文化ですよね。

松川地熱発電所──日本初の地熱発電

松川温泉にある松川地熱発電所は、1966年に運転を開始した日本で最初の商業用地熱発電所です(出典:JOGMEC地熱資源情報)。半世紀以上たった今も稼働しており、2016年には日本機械学会の機械遺産に認定されました(出典:日本機械学会)。

八幡平市の歴史

八幡平市の歴史は、「南北で性格の異なる地域が、交通網の発達でひとつに結びついた物語」として読み解けます。江戸時代には市域の北半が二戸郡、南半が岩手郡に分かれ、結びつきは薄いものでした。その後、鉄道や自動車道が南北を貫き、生活圏が一体化。2005年に旧西根町・松尾村・安代町が合併して、現在の八幡平市が誕生しました。

火山がつくった大地

市の地形は火山活動と深く結びついています。1719年、岩手山の噴火で流れ出た溶岩が冷え固まってできたのが焼走り熔岩流で、国の特別天然記念物に指定されています。黒い溶岩が斜面を流れ下った姿が今も残り、火山と人が隣り合って暮らしてきた歴史を伝えています。

硫黄鉱山「雲上の楽園」の時代

1914年、松尾鉱業による硫黄の採掘と精錬が始まりました。最盛期の1960年代には国内の硫黄産出量のおよそ3分の1を生産し、山上に「雲上の楽園」と呼ばれる一大鉱山町が形成されました。しかし1972年に廃鉱となり、町は役目を終えています。

地熱とともに歩む現代

鉱山の時代に培われた「地下資源を生かす」姿勢は、地熱開発へと受け継がれました。1966年には日本初の松川地熱発電所が稼働。近年も松尾八幡平地熱発電所(2019年)、安比地熱発電所(2024年)が運転を開始し、火山と共生する産業のまちであり続けています。

八幡平市の文化・風習

方言と話し方の特徴

八幡平市は旧南部藩の地域にあたり、話される言葉は南部弁(岩手県北中部の方言)です。やわらかなイントネーションに、東北らしい言い回しが混ざります。たとえば相づちのんだ(そうだ)、めごい(かわいい)、方向を表す〜さ(〜へ。「山さ行く」で「山へ行く」)などが日常で使われます(出典:岩手県立図書館)。

面白いのが、たった一文字で通じる言葉。(食べなさい)や、量を表すわんつか(少し)など、知らないと置いてけぼりになりそうですよね。耳にしたら、ぜひ意味を当ててみてください。

雪と温泉のある暮らし

冬は厳しく、12月から2月は平均気温が氷点下、近年でも-20℃近くまで下がる日があります。旧松尾村域は特別豪雪地帯に指定されているほど。でも、その寒さがあるからこそ、温泉が暮らしに根づいています。松川温泉や八幡平温泉郷など、地熱の恵みを生かした湯が点在し、通い続ける常連さんも少なくないんですよ。

火山と地熱を生かす知恵

このまちの暮らしには、地熱を使いこなす工夫が息づいています。地熱発電の蒸気を利用した「地熱染め」では、硫化水素が染料を脱色する作用を使い、鮮やかなグラデーションが生まれます。発電所の熱水はビニールハウスの暖房にも回され、真冬の野菜づくりを支えています。自然の力を無駄なく使う、八幡平らしい知恵ですね。

八幡平市の特産品・食

特産品1:安代りんどう(日本一の花)

まず外せないのが、日本一の生産量を誇る安代りんどう。1971年に旧安代町で本格的な栽培が始まり、寒暖差の大きい気候が発色のよい深い青を生みます(出典:安代りんどう)。出荷の旬は夏から秋。食べるものではありませんが、切り花は3〜4週間も日持ちするので、お土産やギフトにぴったりなんですよ。

特産品2:八幡平牛(ブランド牛)

豊かな自然のなかで育てられる八幡平牛は、市が誇るブランド牛です(出典:八幡平市公式サイト)。きめ細やかな霜降りと、やわらかな旨みが特長。焼肉やステーキでシンプルに味わうのがおすすめです。冷涼な高原の風土が育てた一頭を、ぜひ地元で。

特産品3:夏秋ほうれんそう

標高が高く涼しい八幡平市は、暑さに弱いほうれんそうの夏秋どりに向いた土地。夏から秋にかけて、肉厚でみずみずしいほうれんそうが出荷されます。さっとゆでておひたしにすると、葉のしっかりした甘みが感じられます。暑い時期に旬を迎える、ちょっと珍しい産地なんです。

特産品4:地熱バジルと名水のクラフトビール

地熱の熱水で温めたハウスでは、岩手県では珍しいバジルがスマート農業で栽培され、首都圏にも出荷されています。さらに、名水百選に選ばれた金沢清水(かなざわしみず)の水と地熱由来の電力で醸すクラフトビールも生まれています。火山の恵みが、食卓の楽しみに変わっているんですよ。


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八幡平市の観光スポット

八幡平市の見どころは、ざっくり言うと「火山がつくった大地」と「そこに根づいた高原リゾート・温泉・歴史」に分かれます。序盤で触れたドラゴンアイや松川地熱発電所も、ここでじっくり掘り下げていきますね。山の上から麓まで、標高ごとに表情が変わるのがこのまちの面白いところなんですよ。

火山と地球を体感するスポット

  • 八幡平山頂・八幡平ドラゴンアイ(鏡沼) – 標高約1,600mの八幡平山頂付近にある鏡沼では、雪解けの時期に「龍の眼」のような姿が現れます。見頃は例年5月下旬〜6月上旬ごろ(出典:いわての旅(岩手県観光協会))。山頂レストハウスから歩いて20分ほど。残雪の上を進んで青い瞳に出会えた瞬間は、思わず声が出ますよ。
  • 焼走り熔岩流 – 1700年代の岩手山噴火で流れ出た溶岩が固まった岩原で、国の特別天然記念物に指定されています(出典:環境省 十和田八幡平国立公園)。全長約2kmの観察路を歩くと、黒い溶岩の海の向こうに岩手山がそびえます。300年たっても木が育たない大地の迫力は、ほかではなかなか味わえません。
  • 松川地熱館 – 日本で最初の商業用地熱発電所「松川地熱発電所」のPR施設で、地熱発電の仕組みや実際のタービンを見学できます(出典:東北自然エネルギー株式会社)。発電所の巨大な冷却塔が山あいから立ち上る光景は、ちょっと不思議で印象に残るんですよね。

高原リゾートと雪の楽しみ

  • 安比高原 – 上質なパウダースノーで知られる、東北でも有数のスノーリゾート。冬はスキー・スノーボード、夏はトレッキングやゴルフと、一年を通して楽しめます。2022年には日本初の英国式全寮制インターナショナルスクールも開校し、国際色のある高原リゾートになりました。雪のない季節の、なだらかな緑の丘もきれいなんですよ。
  • 八幡平リゾート(パノラマ・下倉スキー場) – 岩手山の麓に広がるスキーリゾートで、ドラゴンアイ観察の拠点としても便利です。春になると、麓のホテルから山頂のドラゴンアイ観察ツアーへ向かう人でにぎわいます。スキーシーズンは例年冬から春先にかけてなので、訪れる時期は最新の営業情報を確認してから出かけてくださいね。

歴史と温泉にふれるスポット

  • 八幡平市松尾鉱山資料館 – かつて「雲上の楽園」と呼ばれた松尾鉱山の暮らしを伝える資料館です。開館は9:00〜16:30(入館は16:00まで)、入館無料(出典:八幡平市公式サイト)。屋外には当時の電気機関車も。山上に1万人を超える町があった時代の写真や道具を前にすると、しみじみとした気持ちになります。
  • 岩手山焼走り国際交流村 – 焼走り熔岩流のすぐそばにある、キャンプ場やコテージ、天文台、日帰り温泉「焼走りの湯」がそろったアウトドア拠点で、通年営業しています(出典:八幡平市観光協会)。星のきれいな夜、岩手山を眺めながらの温泉は格別ですよ。
  • 松川温泉・八幡平温泉郷 – 地熱の恵みを生かした湯が点在するエリアです。松川温泉は開湯260年ほどの歴史をもつ秘湯。さらに山を上がると、東北でも標高の高い場所にある藤七温泉があります(季節営業のため、冬季の通行止め前後は最新情報の確認を)。乳白色の湯に浸かりながら見る山並みは、わざわざ来る価値があります。

なお、岩手山では火口周辺の規制(噴火警戒レベル)が出る時期があり、登山口からの入山が規制されることがあります。周辺の観光施設は警戒区域外で通常どおり楽しめますが、岩手山に登る予定がある方は最新情報を確認してくださいね(出典:八幡平市観光協会)。

八幡平市の観光ルート

計算中…

八幡平市は南北に長く、見どころが標高ごとに散らばっています。だからこそ、車で「麓から山頂へ」と高さを上げていくルートが組みやすいんですよ。ここでは町内をぐるっと回る2本と、県境を越える広域ルートを1本紹介します。

【車・1日】麓から山頂へ・八幡平満喫ルート

9:00 西根IC → 9:20 焼走り熔岩流(車20分)→ 10:30 松尾鉱山資料館 → 12:00 松川温泉(昼食・入浴)→ 13:30 松川地熱館 → 14:30 八幡平アスピーテライン → 15:30 八幡平山頂・ドラゴンアイ

焼走り熔岩流(60分)→ 朝のうちは観察路がすいていて、岩手山もくっきり見えます。光が低い時間帯は溶岩の陰影がきれいです。

松尾鉱山資料館(45分)→ 山に上がる前に、このまちの近代史を頭に入れておくと景色の見え方が変わります。

松川温泉・松川地熱館(120分)→ 秘湯でひと風呂浴びて、日本初の地熱発電の仕組みも学べます。火山のまちらしい昼の過ごし方ですね。

八幡平アスピーテライン〜八幡平山頂(90分)→ 締めくくりは雲上のドライブと山頂散策。春なら、この流れでドラゴンアイまでたどり着けます。

【車・半日】安代・安比のんびりルート

9:00 安代IC → 9:15 荒屋新町(安代地区中心部)→ 10:00 安比高原 → 11:30 田山方面の高原ドライブ → 12:30 安代ICへ戻る

荒屋新町(30分)→ 旧鹿角街道の宿場町として栄えたエリア。落ち着いた町並みを散策できます。

安比高原(90分)→ 緑の季節は丘のトレッキング、冬は雪遊び。高原リゾートの空気をたっぷり吸い込めます。

高原ドライブ(60分)→ りんどう畑が点在する道を抜けていきます。夏から秋なら、青い花の連なりに出会えるかもしれません。

半日でも、安代地区の「花と高原の顔」がぎゅっと味わえるルートなんですよ。

【車・1日】広域ルート:八幡平から鹿角・八幡平温泉郷へ

9:00 八幡平市街 → 9:40 八幡平温泉郷 → 11:00 八幡平アスピーテライン → 12:30 八幡平山頂(県境)→ 13:30 秋田・鹿角方面へ抜ける

八幡平温泉郷(60分)→ 地熱でつくられた温泉地。朝風呂で体を温めてから山へ向かいます。

八幡平アスピーテライン(90分)→ 岩手側から山頂をめざす絶景の登り。残雪期は雪の回廊が現れます。

八幡平山頂(60分)→ 岩手と秋田の県境。八幡沼を巡る木道を歩けば、高山植物の季節は花畑が広がります。

鹿角方面へ → 山を越えれば秋田県。北東北3県の真ん中という、八幡平市の地理が体で分かるルートです。


ここまで見てきたとおり、見どころが少し離れた場所に点在していることもあります。気になるスポットをまとめて回るなら、レンタカーがあると一気に動きやすくなりますよ。料金は会社や時期でけっこう変わるので、まとめて比較できるサイトでサッと見ておくのがおすすめです。

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そして遠方から訪れるなら、思いきって一泊するのもおすすめです。日帰りでは通り過ぎてしまう夜や朝の時間に、その町ならではの静けさや表情に出会えます。お祭りやイベントの時期は宿が一気に埋まるので、早めの確保が安心ですよ。

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八幡平市の年間イベント

八幡平市のイベントは、季節の移ろいとぴったり連動しているのが特徴です。春は雪解け、夏は花火とスポーツ、秋はグルメの祭り、そして冬はスノーシーズン。一年を通して「今このまちで何が旬か」が分かるラインナップなんですよ。

春〜初夏:雪解けと山開き

春は、毎年4月中旬の八幡平アスピーテライン開通とともに観光シーズンが始まります。そして、まちが最も華やぐのが八幡平ドラゴンアイ。例年5月下旬〜6月上旬ごろに鏡沼で見頃を迎えます(出典:いわての旅(岩手県観光協会))。

6月初旬には、シーズン中の安全を祈る八幡平山開きも行われます(出典:いわての旅(岩手県観光協会))。残雪の山に春が来る、その節目を地元の人と一緒に味わえるんですよね。

夏:花火とスポーツの季節

夏は、毎年8月中旬に八幡平ふるさと花火まつりが開かれ、高原の夜空に花火が上がります。8月下旬には、アスピーテラインを駆け上がる自転車レース「八幡平ヒルクライム」も。標高差のあるこのまちならではの、汗と歓声のイベントが続きます。

涼しい高原の夜に響く花火の音は、夏の盆地とはまた違った趣がありますよ。

秋:まちが一番盛り上がる「山賊まつり」

秋の主役は、毎年10月にさくら公園イベント広場で開かれる八幡平山賊まつりです(出典:いわての旅(岩手県観光協会))。八幡平牛をはじめとする地元の肉や特産品、姉妹都市・宮古市の海の幸、友好都市・名護市の沖縄グルメまで並びます。

八幡平太鼓や民謡のステージもあって、3日間でおよそ18,000人以上が訪れる、まさにまち最大の祭り。秋の味覚を一気に楽しめる、外せないイベントなんですよ。

冬:安比と八幡平のスノーシーズン

冬は、安比高原や八幡平リゾートのスキー場がシーズンを迎えます。上質なパウダースノーを求めて、国内外からスキーヤー・スノーボーダーが集まる時期です。営業期間は年により前後するので、訪れる前に各スキー場の最新情報を確認してくださいね。

雪と温泉と地熱──冬の八幡平市は、寒さも含めて楽しむのがいちばんです。

八幡平市のエリア別の顔

八幡平市は、2005年に旧西根町・松尾村・安代町が合併して生まれたまちです(出典:八幡平市公式サイト)。今もこの3つの地区がそれぞれ違う「顔」を持っているので、旅する視点でエリアごとの個性を紹介しますね。どこを起点にするかで、旅の色がけっこう変わります。

西根エリア──まちの玄関口とアウトドア

市の南東部にあり、盛岡市と接する玄関口です。中心駅の大更駅や道の駅、ロードサイドの店が集まり、旅の補給拠点として便利。岩手山の麓に広がる焼走り熔岩流もこのエリアです。買い出しをして、そのまま自然のなかへ繰り出したい人に向いています。

松尾エリア──火山・地熱・温泉の中心

市の南西部に位置し、八幡平温泉郷や松川温泉、松尾鉱山跡、日本初の松川地熱発電所が集まる「火山と地熱」のエリアです。スキージャンプの小林陵侑選手を生んだ地でもあります。温泉でじっくり過ごしたい人、地学や産業の歴史に興味がある人にぴったりですよ。

安代エリア──花と高原、街道の宿場町

市の北部にあたり、安比高原や日本一の安代りんどう、漆器づくりの伝統が息づくエリアです(出典:安代りんどう)。旧鹿角街道の宿場町・荒屋新町の落ち着いた町並みも魅力。高原リゾートと、ものづくりの文化にふれたい人におすすめのエリアです。

八幡平市の気候・季節の暮らし

八幡平市は、奥羽山脈の高原に広がる寒暖差の大きいまちです。旧松尾村域(岩手松尾)の年平均気温は9.4℃、真冬日が年に約26日、冬日は143日にのぼり、年間降雪量は392cmに達します(出典:気象庁)。夏は涼しく、冬は雪と寒さが主役。季節がくっきり分かれるのが、このまちの暮らしの土台なんですよ。

夏──6月〜8月の暮らし

標高が高いぶん、夏は盆地の盛岡より過ごしやすいのが八幡平市の夏です。真夏日は年に18日ほどで、エアコンなしでもしのげる日が少なくありません。朝晩はひんやりするので、夏でも薄手の上着が一枚あると安心ですよ。

避暑地のような空気のなか、高原の緑や花火、トレッキングを楽しめるのが、この時期の暮らしの醍醐味です。

秋──9月〜10月の暮らし

秋は山から駆け足でやってきます。八幡平の山頂付近から紅葉が始まり、麓へと色が降りてくる様子を毎日眺められるのは、山あいのまちならでは。山賊まつりなど、実りを祝うイベントも続きます。

朝晩の冷え込みが一気に進むので、10月にはもう暖房の準備を始める家庭が多いんですよ。

冬──11月〜3月の暮らし

冬は雪と寒さがまちを包みます。近年でも-20℃近くまで下がる日があり、2021年1月には-19.3℃を記録しました(出典:気象庁)。旧松尾村域は特別豪雪地帯に指定されているほどで、雪かきは冬の日課になります。

その代わり、スキーや温泉が暮らしのすぐそばにあります。寒さを楽しみに変えるのが、八幡平流の冬の過ごし方ですね。

春──4月〜5月の暮らし

春は遅めですが、来たときの喜びは格別です。4月中旬にアスピーテラインが開通すると、いよいよ観光と農の季節が動き出します。りんどう畑の準備が始まり、山にはまだ雪が残る──冬と春が同居する景色が見られます。

風が強い日も多いので、春先はしっかりした上着がまだ手放せません。

八幡平市の移住・暮らし情報

暮らす視点で見ると、八幡平市は「車があれば不便はないけれど、雪との付き合いは必須」というまちです。盛岡都市圏に属するエリアもあり、自然と利便性のバランスが取りやすいのが特徴。中盤では旅の視点で紹介したエリアを、ここでは住む視点で見ていきますね。

通勤・通学

市の南東部(西根・松尾エリア)は盛岡都市圏に含まれ、盛岡市へ車で通勤する人も多いエリアです。盛岡から西根まで車で約30分、松尾八幡平まで約40分が目安です(出典:八幡平市観光協会)。JR花輪線も市内を縦貫しているので、鉄道通学もできます。

住宅環境

家賃は都市部よりかなり手ごろです。賃貸マンションの相場はワンルームでおよそ5万円台からが目安(出典:SUUMO)。市では空き家バンクにも力を入れており、温泉付き物件や農地付き物件など、このまちならではの住まいが見つかることもあるんですよ。

買い物環境

大更などの市街地には大型スーパーやコンビニがそろい、市内のどこからでも車でおよそ30分あれば日用品が手に入ります(出典:岩手県移住定住ポータルサイト)。地元の野菜が並ぶ産直も各地にあり、新鮮な食材を身近に買えるのは産地ならではの強みです。

子育て・教育

八幡平市は子育て支援に力を入れており、妊娠届出時に10万円、出産後に50万円の出産・子育て応援ギフトを支給しています(出典:岩手県移住定住ポータルサイト)。市内には小・中学校と県立高校があり、産婦人科・小児科のオンライン相談も導入されています。

医療環境

地域医療の中心は八幡平市立病院です(出典:八幡平市公式サイト)。市内には東八幡平病院などもありますが、専門的な診療は盛岡圏の医療機関を利用する場面もあります。盛岡まで車で40分前後という距離感を、頭に入れておくと安心ですよ。

エリア別の暮らし視点

西根エリアは生活利便がいちばん高く、買い物も通勤も便利。初めての移住なら住みやすいエリアです。松尾エリアは温泉と自然が身近で、のんびり暮らしたい人向き。安代エリアは高原と花の里で、雪は深めですが、ものづくりや農の暮らしに憧れる人に向いています。

八幡平市へのアクセス

八幡平市は、北東北3県のほぼ中心という立地を生かし、車・鉄道・飛行機のどれでもアクセスできます。盛岡を起点にすると分かりやすいので、主要なルートを整理しますね。

車でのアクセス

東北自動車道が市内を通り、西根IC・松尾八幡平IC・安代ICの3つの出入口があります。盛岡からは西根まで約30分、松尾八幡平まで約40分、安代まで約50分が目安です(出典:八幡平市観光協会)。冬季は路面凍結に備えて、時間に余裕をもって動くのがおすすめです。

鉄道+バスでのアクセス

東京方面からは、東北新幹線で盛岡駅まで2時間台。盛岡からはJR花輪線に乗り換え、中心駅の大更駅まで約50分です(出典:八幡平市観光協会)。安比高原へ向かう場合は、花輪線の安比高原駅が便利ですよ。

飛行機でのアクセス

最寄り空港はいわて花巻空港です。新千歳空港から約1時間、伊丹空港から約1時間20分で結ばれています(出典:モリハチ旅(盛岡・八幡平広域観光エリア公式サイト))。空港から盛岡駅まではアクセスバスで約45分、運賃1,500円です(出典:いわて花巻空港)。冬季は安比高原への直行バスも運行されます。

町内移動の現実的アドバイス

市内は南北に長く、見どころも生活施設も点在しているので、移動は車が基本になります。鉄道やコミュニティバスもありますが、本数は多くありません。観光でも暮らしでも、レンタカーやマイカーがあると行動範囲がぐっと広がりますよ。


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【地元住民に直撃!】八幡平市の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。

りんどうを育てる農家をしています。この八幡平市の安代は、りんどうの生産量も栽培面積も日本一の土地なんですよ。夏から秋にかけて、青い花を一本一本見ながら出荷していきます。

寒暖差の大きい気候が、深い青を生んでくれる。きつい仕事ですけれど、自分の育てた花が全国に届くのは、何度経験しても誇らしいものですね。

Q2.八幡平市に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?

やっぱり八幡平の山頂でしょうね。雪解けのころに鏡沼へ現れるドラゴンアイは、地元の私が見ても毎年息をのみます。青い瞳が雪の中に浮かぶ、あの静けさは格別です。

あとは焼走り熔岩流。黒い溶岩の海の向こうに岩手山がそびえて、風の音しかしない。観光地というより、地球の昔をそのまま見ているような場所なんですよ。

Q3.八幡平市でお土産を買うとしたらなんですか?

定番なら、やっぱりりんどうの切り花ですね。三、四週間は日持ちするので、贈り物に喜ばれます。市民センターや産直に寄れば、地元の野菜やほうれんそうも手に入りますよ。

地元の人間としては、温泉の熱を使って育てたバジルや、八幡平牛もおすすめ。火山の恵みを生かした、このまちらしい味なんです。

Q4.外から人が来たときに、八幡平市でまず連れていく店はどこですか?

店の名前というより、まずは温泉の食堂へ連れていきます。地熱でわいた湯に浸かったあと、山菜やそばをいただく。それがいちばん八幡平らしいもてなしだと思っているんです。

出汁の匂いと、窓の外の山並み。派手さはないけれど、来た人はみんな「ここに来てよかった」と言ってくれますね。

Q5.八幡平市はどんな気質だと思いますか?

口数は多くないけれど、芯の温かい人が多い土地です。雪深い冬を毎年越してきたからか、困っている人をそっと助ける、そういう距離感の取り方が自然なんですよ。

派手に売り込むのは苦手。でも一度心を開くと、とことん面倒を見てくれる。この不器用さが、私はこのまちのいいところだと思っています。

Q6.昔に比べて、八幡平市の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?

正直に言えば、人は減りました。鉱山で栄えた時代の話を聞くと、山の上に大きな町があったなんて、今では信じられないくらいです。若い人も外へ出ていきます。

その一方で、安比には海外からのお客さんが増えて、まちに新しい風も入ってきました。寂しさと明るさが、半分ずつ同居しているような感じですね。

Q7.八幡平市のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?

地熱や水力を生かしたエネルギーの取り組みには期待しています。火山と一緒に暮らしてきたこの土地らしい産業が、若い人の仕事につながればうれしいんです。

市長さんにも、観光と農業をうまくつないでほしいと思っています。りんどうの里であることを、これからも誇りにしていける八幡平市であってほしいですね。

八幡平市の関連リンク

本記事は、全国1741市町村を応援するために徹底調査して作成していますが、地元の方だからこそ知る最新情報や、記述の誤りなどがあれば、ぜひこちらのお問い合わせフォームよりお気軽にお知らせください。地域の皆様と一緒に、より素晴らしい紹介ページを作っていきたいと考えております。

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