【秋田県羽後町】ってどんなとこ?西馬音内盆踊りと茅葺の里【地元民のリアルな声あり】

秋田県羽後町のゆきとぴあ七曲:羽後町の豪雪と難所・七曲峠を舞台に、幻想的なミニかまくらや伝統行事を楽しめる冬の代表的なお祭りです。

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羽後町(うごまち)は、秋田県の南部・雄勝郡に位置する人口約1万2千人の町です。出羽丘陵に抱かれた豪雪地帯で、主産業は米と黒毛和牛を柱とする農業です。

羽後町の魅力を5つに凝縮すると、こうなります:

  • 西馬音内盆踊り──ユネスコ無形文化遺産に登録された日本三大盆踊りの一つ
  • 鈴木家住宅──東北の鈴木姓発祥の地、県内最古級の茅葺き民家(国の重要文化財)
  • 西馬音内そば──冬でも「冷やがけ」で食べる、布海苔つなぎの200年続く味
  • 羽後牛とあきたこまち──「農畜循環」が育てる黒毛和牛とブランド米
  • 美少女イラストの町おこし──アニメ調イラストを特産品や祭りに活用した先駆けの町

「伝統文化や民俗芸能が好きな人」「日本の原風景である茅葺き集落を歩きたい人」「そば好き・肉好きの食いしんぼう」に特におすすめの町です。序盤で観光・歴史、中盤で文化・暮らし、終盤で特産と食まで、地元目線で紹介します。

人口11,957 人 ※2026年6月1日時点(推計人口)
面積230.78 km²
人口密度51.8 人/km²

地理的には、東は雄物川を境に湯沢市、北から北東は横手市、西から北西は由利本荘市と接しています(出典:羽後町公式サイト)。町内に鉄道は通っておらず、最寄りはJR奥羽本線の湯沢市・湯沢駅です。

踊り・そば・古民家・雪と、この小さな町には「日本三大」「東北最古級」の要素がぎゅっと詰まっています。ひとつずつ見ていきましょう。

目次

羽後町の推しポイント

羽後町の顔は、なんといっても夏の西馬音内盆踊り。編み笠や頭巾で顔を隠した踊り手が篝火のなかで舞う姿は、全国的にも知られています。そこに、東北の鈴木姓が始まった茅葺き民家、冬でも冷たいつゆで食べる名物そば、そしてアニメ調イラストを使った異色の町おこしが加わります。ここでは5つに絞って、その入り口をご案内しますね。

推しポイント1:西馬音内盆踊り──篝火に舞う「亡者の美」

羽後町最大の行事が、毎年8月16〜18日に本町通りで開かれる西馬音内盆踊りです。徳島の阿波おどり、岐阜の郡上おどりと並ぶ日本三大盆踊りの一つに数えられます。

1981年に国の重要無形民俗文化財に指定され、2022年には「風流踊」の一つとしてユネスコ無形文化遺産に登録されました(出典:文化遺産オンライン)。顔を隠して静かに舞う様子から「亡者踊り」とも呼ばれ、10万人を超えるともいわれる人出でにぎわいます。

推しポイント2:東北の鈴木姓発祥・鈴木家住宅と茅葺き集落

飯沢地区にある鈴木家住宅は、17世紀後半の建築と推定される中門造りの茅葺き民家で、秋田県内でも最古級。1973年に国の重要文化財に指定されました(出典:文化遺産オンライン)。

源義経の家臣・鈴木三郎重家を祖と伝え、「東北の鈴木姓発祥の地」とされています。羽後町は茅葺き民家が県内で最も多く残る町でもあり、田園に溶け込む古民家の風景は「日本の原風景」と呼ばれるほどなんですよ。

推しポイント3:冬でも「冷やがけ」西馬音内そば

羽後町のそばは、冬でも冷たいつゆをかけて食べる「冷やがけ」が定番。つなぎに布海苔を使ったコシの強い麺が特徴です。文政元(1818)年創業の「弥助そばや」を源流に、200年以上の歴史があります(出典:羽後町公式サイト)。

町内にはこの味を守るそば店がいくつも点在していて、食べ比べを楽しむ人も多いんです。

推しポイント4:美少女イラストが仕掛けた町おこし

羽後町は、アニメ調の「美少女イラスト」を特産品パッケージや観光ポスターに取り入れた町おこしで知られています。地元書店の企画から広がり、JAうごのあきたこまちのパッケージにも採用されるなど、全国的に話題になりました。

伝統文化とポップカルチャーが同居する、ちょっと不思議な魅力がある町なんですよね。

推しポイント5:「緑と踊りと雪の町」──県内屈指の豪雪地帯

羽後町のキャッチフレーズは「緑と踊りと雪の町」。周囲を山に囲まれ、特別豪雪地帯に指定されている県内屈指の雪国です(出典:羽後町)。

冬は真っ白な雪景色が広がり、雪と踊りが暮らしの中心にある。その厳しさと美しさが、この町の文化を育ててきたと考えられます。

羽後町の歴史

羽後町の歩みは、中世に小野寺氏の城下町として栄えた時代にさかのぼります。近世には交通と商業の要地として発展し、昭和の合併で現在の「羽後町」が誕生しました。そして平成の大合併では、あえて単独の道を選びました。時代の節目ごとに、自分たちの文化を守る選択をしてきた町です。

小野寺氏の城下町として

中心の西馬音内一帯は、戦国期まで小野寺氏が治め、西馬音内城が置かれた城下町でした。治世が比較的安定していたため治安がよく、芸術性の高い文化が育つ素地になったと伝えられています。

西馬音内盆踊りの起源にも、この時代に滅んだ城主・小野寺一族を偲んで家臣が踊ったという言い伝えが残っています。

1町6村の合併と羽後町の誕生

現在の羽後町は、1955年(昭和30年)4月1日に西馬音内町・三輪村・新成村・明治村・元西馬音内村・田代村・仙道村の1町6村が合併して誕生しました(出典:羽後町)。

その後、1981年には西馬音内盆踊りが盆踊りとして全国で初めて国の重要無形民俗文化財に指定され、町の名を全国に知らしめる存在となりました。

現代──平成の大合併で選んだ「単独立町」

2003年、羽後町は湯沢市などとの合併話に対し、県内でいち早く合併に加わらない「単独立町」を宣言しました。地域の伝統文化が衰退することへの懸念などが理由だったと記されています。

この選択が、盆踊りや茅葺き民家といった独自の文化を今に伝える一因になったといえます。

羽後町の文化・風習

方言と話し方の特徴

羽後町で話されるのは、山形寄りの響きを持つ県南の秋田弁です。濁音が多く、言葉を短くまとめてテンポよく話すのが特徴。みなさんも、こんな言葉を聞くかもしれません。

相づちのんだ(そうだね・そうです)、しったげ(とても・すごく)、めんけ(かわいい)、別れ際のへば(それじゃあね)などが定番です。冷やがけそばの町らしく、しゃっけ(冷たい)という言葉も生活に根づいています。

そばの食べ比べ企画「びゃっこ冷やかけめぐり」で使われるびゃっこ(ちょっと・少し)も、この地域らしい言い回し。短くて温かい響きが、人との距離をふっと近づけてくれます。

篝火と盆踊りに生きる夏

お盆の3日間、本町通りは西馬音内盆踊りの会場に一変します。日が落ちて篝火が灯ると、端縫い衣装や藍染めをまとった踊り手が、しなやかに手を振りながら夜通し舞い続けます。

この端縫い衣装は、古いものでは江戸時代から家々に受け継がれてきたもの。町の人にとって盆踊りは「見る祭り」であると同時に、先祖を供養する大切な行事なんですよね。

雪とともにある暮らし

特別豪雪地帯の冬は、雪かきが日常の一部。屋根の雪下ろしや道路の除雪など、雪と付き合う知恵が暮らしに染みついています。

一方で春には福寿草が咲き、夏は緑の田園、秋は新そばと、四季の移ろいがはっきりしています。厳しい冬があるからこそ、雪どけの春がひときわ待ち遠しく感じられるのだと思います。

人の気質と地域のつながり

農業を中心とした共同体が長く続いてきた土地柄で、人と人との結びつきが強いのも羽後町の特徴です。盆踊りや祭りを地域総出で支える文化が、今も息づいています。

移住者向けの体験住宅が整えられているのも、外から来た人を迎え入れようという町の姿勢のあらわれといえるでしょう。

羽後町の特産品・食

特産品1:西馬音内そば

羽後町といえば、やっぱり西馬音内そば。冬でも冷たいつゆをかける「冷やがけ」が代表的なスタイルで、布海苔をつなぎに使ったコシの強い麺が身上です(出典:羽後町公式サイト)。

文政元(1818)年創業の弥助そばやを源流に、200年以上受け継がれてきた味。甘めの煮干しだしがきいた冷たいつゆに、するすると麺が進みます。旬の山菜や天ぷらを添えれば、季節の恵みもいっしょに楽しめますよ。

特産品2:羽後牛(うご牛)

羽後町産の稲わらで牛を育て、その堆肥で田んぼを潤す──この「農畜循環」から生まれる黒毛和牛が羽後牛です。中でもA4等級以上のものだけが「うご牛」を名乗ります(出典:羽後町公式サイト)。

年間の出荷はごくわずかで、県外にはほとんど出回らない知る人ぞ知るブランド牛。脂の甘みと赤身の旨みのバランスがよく、五輪坂温泉「としとらんど」ではステーキで味わえます。とろけるような一口は、ちょっと特別なごほうびにぴったりなんです。

特産品3:あきたこまち

出羽丘陵の清らかな水と、家畜由来の有機肥料で育つ羽後町産のあきたこまち。大きめのふるいで選別されるため粒が大きく、炊き上がりがふっくら・もっちりしているのが特徴です(出典:羽後町公式サイト)。

JAうごでは、話題になった美少女イラストのパッケージでも販売されています。炊きたてを一膳、まずは何もかけずに味わってみてください。

特産品4:羽後すいかと夏の味覚

夏には羽後すいかやメロンも実ります。昼夜の寒暖差が大きい内陸の気候が、果実にしっかりとした甘みをのせてくれます。

そばに牛、米に果物と、羽後町は小さな町ながら食の宝庫。旅の途中で道の駅うご「端縫いの郷」に立ち寄れば、そばと産直の旬をまとめて楽しめますよ。


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羽後町の観光スポット

序盤で触れた盆踊り・茅葺き民家・そばは、実際に足を運ぶともっと深く味わえます。羽後町の見どころは、盆踊りの舞台となる中心市街地、山あいの「鎌鼬の里」、そして味とくつろぎの拠点の3方向に分かれます。どこも車があれば1日で回れる距離感なので、気になるところから訪ねてみてくださいね。

踊りと町家にふれるスポット

  • 西馬音内盆踊り会館 – 盆踊りの活動・観光交流拠点として2005年8月にオープンした施設です。100年を超える古い踊り衣装や、本番を模した50体のミニチュア人形、200インチの大型スクリーンで映像資料を鑑賞できます(出典:羽後町公式サイト)。夏の本番に行けなくても、端縫い衣装の緻密さをここでじっくり眺められるんですよ。
  • 西馬音内本町通り – 盆踊りの舞台になる目抜き通りで、昔ながらの古い町家が今も軒を連ねています。江戸時代から続く朝市が定期的に開かれ、通りを歩くだけで町の時間の流れを感じられます。日が高いうちにそぞろ歩きするのがおすすめです。
  • 羽後町歴史民俗資料館 – 先土器時代から近世までの遺跡や、地域の民俗・自然に関する資料を集めた資料館です。町の暮らしの歩みを静かにたどれる場所で、盆踊りの背景を知ってから訪ねると理解がぐっと深まります。

茅葺きと舞踏の里・田代/飯沢

  • 鈴木家住宅 – 17世紀後半の建築と推定される県内最古級の茅葺き民家で、国の重要文化財です。源義経の家臣を祖と伝える「東北の鈴木姓発祥の地」で、現在も当主家族が暮らしています。見学は事前連絡が望ましく、入館料は大人500円です(出典:国指定重要文化財 鈴木家住宅・染付蔵)。囲炉裏を囲んで当主のお話を聞ける時間が、何よりの贅沢なんです。
  • 鎌鼬美術館(旧長谷山邸) – 舞踏家・土方巽と写真家・細江英公による写真集『鎌鼬』の舞台、田代地区にある美術館です。2016年10月に旧長谷山邸の土蔵を改修して開館し、開館は土・日・祝のみ、11月後半〜4月は冬季休業、入館料は300円(高校生以下無料)です(出典:鎌鼬美術館)。稲架掛けの田園に囲まれた集落そのものが作品世界のようで、独特の空気に包まれます。

味わい・くつろぎスポット

  • 道の駅うご「端縫いの郷」 – 2016年開業の道の駅で、藍染め衣装をイメージした外観が目印。農産物直売所の営業は4〜10月が9:00〜18:00、11〜3月が9:00〜17:00で、1月1日以外は無休です(出典:道の駅うご 端縫いの郷)。名物の冷がけそば、羽後町産生乳のジェラート、そば打ち体験まで揃うので、旅の起点にぴったりですよ。
  • 五輪坂温泉としとらんど – 横手盆地を見おろす丘の上に建つ天然温泉施設です。日帰り入浴もでき、営業時間は10:00〜21:00、定休日は第3水曜日(出典:羽後町公式サイト)。館内レストランでは希少な羽後牛のステーキも味わえます。田園を一望する露天風呂で、旅の締めくくりにほっと一息つけます。

羽後町の観光ルート

計算中…

スポットが点在する羽後町は、車での移動が便利です。踊りとそばを味わう町なかルート、山あいの鎌鼬の里ルート、そして隣町までつなぐ広域ルートの3本をご用意しました。滞在時間に合わせて選んでみてくださいね。

【車・1日】踊りとそば満喫ルート

9:00 道の駅うご → 9:20 西馬音内盆踊り会館 → 10:30 本町通り散策・そば昼食 → 13:30 鈴木家住宅 → 16:00 五輪坂温泉としとらんど(各移動10〜20分)

道の駅うご(40分)→ 直売所で旬の野菜をチェックし、ジェラートで小腹を満たしてスタート。朝いちばんは品揃えが豊富です。

西馬音内盆踊り会館(60分)→ 端縫い衣装と人形を見て、夏の本番のイメージをふくらませましょう。

本町通り(90分)→ 古い町家を眺めながら、冷やがけそばのお店へ。昼どきは行列ができることもあります。

鈴木家住宅(60分)→ 午後の光が差し込む茅葺きの室内が美しい時間帯。事前予約を忘れずに。

五輪坂温泉としとらんど(90分)→ 夕方の田園を見ながらの湯上がりが、この日の最高のごほうびになります。

【車・半日】鎌鼬の里ルート

9:00 道の駅うご → 9:40 鎌鼬美術館(七曲峠経由)→ 11:00 田代の里さんぽ → 12:00 みはらし荘方面(移動20〜30分)

道の駅うご(30分)→ 山あいへ向かう前に、飲み物や軽食を調達しておくと安心です。

鎌鼬美術館(60分)→ つづら折りの七曲峠を越えた先の集落へ。土・日・祝のみの開館なので、訪問日に注意してくださいね。

田代の里(40分)→ 稲架掛けの風景や茅葺き民家が残る集落を、ゆっくり歩いてみましょう。

みはらし荘方面(40分)→ 高台からの眺めで半日の締めくくり。晴れた朝なら雲海に出会えることもあります。

【車・1日】広域ルート:羽後町から県南へ

9:00 道の駅うご → 9:20 本町通り → 11:30 湯沢市・稲庭うどんの里(昼食)→ 15:00 五輪坂温泉としとらんど(各移動20〜40分)

道の駅うご(30分)→ まずは羽後町の恵みを直売所で。お土産はここでまとめ買いすると便利です。

本町通り(60分)→ 盆踊りの舞台と古い町家をひと巡り。町の空気を吸い込んでから隣町へ。

湯沢市・稲庭うどんの里(90分)→ 日本三大うどんの一つ、稲庭うどん発祥の地でつるりとした喉ごしを味わいます。羽後町のそばと食べ比べるのも一興です。

五輪坂温泉としとらんど(90分)→ 羽後町に戻って温泉でしめ。移動続きの一日も、ここでゆっくりほぐせます。


ここまで見てきたとおり、見どころが少し離れた場所に点在していることもあります。気になるスポットをまとめて回るなら、レンタカーがあると一気に動きやすくなりますよ。料金は会社や時期でけっこう変わるので、まとめて比較できるサイトでサッと見ておくのがおすすめです。

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そして遠方から訪れるなら、思いきって一泊するのもおすすめです。日帰りでは通り過ぎてしまう夜や朝の時間に、その町ならではの静けさや表情に出会えます。お祭りやイベントの時期は宿が一気に埋まるので、早めの確保が安心ですよ。

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羽後町の年間イベント

羽後町の一年は、やっぱり夏の盆踊りが中心。でも、その前後にも踊りや味覚を楽しむ行事が用意されています。夏の熱気、秋の新そば、そして通年で踊りに触れられる場まで、季節ごとの楽しみを見ていきましょう。

夏:藍と端縫いまつり・西馬音内盆踊り

夏の入り口を告げるのが藍と端縫いまつり。毎年8月第1日曜日の午前10時〜午後4時に開かれ、踊り衣装を持つ家々が藍染めと端縫いを一斉に展示し、町全体がひとつの美術館のようになります(出典:羽後町公式サイト)。本番前の「虫干し」が起源というのも、この町らしいところです。

そして最大の行事が西馬音内盆踊り。毎年8月16日から18日まで本町通りで開かれます(出典:羽後町観光物産協会)。日が落ちて篝火が灯ると、編み笠や彦三頭巾で顔を隠した踊り手が、寄せ太鼓の囃子に合わせて夜通し舞います。屋台の煙と篝火のにおい、静かに揺れる衣装──その幻想的な空気は、ぜひ現地で体感してほしいんですよね。

秋:西馬音内新そばまつり

秋には、打ちたて・茹でたての新そばを味わえる西馬音内新そばまつりが、例年10月下旬から11月上旬ごろに羽後町活性化センターで開かれます(出典:羽後町公式サイト)。200年を超える弥助流の冷がけそばが1杯600円ほどで、数量限定で振る舞われます。実りの季節の香り高い新そばは、ここでしか出会えない一杯です。

通年:西馬音内盆踊り定期公演

「夏に来られない」という方に知ってほしいのが、西馬音内盆踊り会館で毎月1回行われている定期公演です(出典:羽後町公式サイト)。雪に閉ざされる冬でも、生の囃子と踊りを間近で見られます。観光客が少ない時期にじっくり味わえるのは、むしろ贅沢な時間かもしれませんよ。

羽後町のエリア別の顔

羽後町は、出羽丘陵の内陸に広がる町です。雄物川水系の東部と子吉川水系の西部に分かれ、平地の中心市街地から山あいの集落まで表情が豊か(出典:羽後町公式サイト)。旅する視点で、主なエリアの顔を見ていきましょう。

西馬音内エリア──踊りとそばが集まる町の中心

町の政治・経済・文化の中心で、盆踊りの舞台となる本町通りがあるエリアです。古い町家、そば屋、朝市、盆踊り会館がコンパクトにまとまっています。

歩いて回れる範囲に見どころが集まっているので、まちなか散策やそば巡りをしたい人に向いています。旅の拠点にするならまずここですね。

田代・飯沢エリア──茅葺きと「鎌鼬の里」の山あい

七曲峠の先に広がる山あいの集落で、稲架掛けの田園と茅葺き民家が残る「日本の原風景」のエリアです。鎌鼬美術館や鈴木家住宅など、静かに歴史と向き合えるスポットが点在します。

喧噪から離れてのんびり過ごしたい人、古民家や写真・芸術に惹かれる人におすすめ。時間がゆっくり流れる場所です。

五輪坂・足田エリア──温泉とアウトドアの丘

横手盆地を見おろす小高い丘に、温泉施設や公園、グラウンドゴルフ場などが集まるエリアです。田園を一望する露天風呂やコテージがあり、家族連れやアクティブに過ごしたい人にぴったり。

観光のあと、体をほぐして締めくくるのに向いた場所なんですよ。

田園エリア(三輪・高瀬ほか)──米と牛を育む里

あきたこまちの水田や、羽後牛を育てる畜産が広がる農村エリアです。派手な観光地ではありませんが、四季の田園風景そのものが見どころ。

車窓からのどかな景色を楽しみたい人や、道の駅で地元の恵みを味わいたい人に向いています。この町の食を支える背景を感じられるエリアです。

羽後町の気候・季節の暮らし

羽後町は、四季がくっきりと分かれる内陸の気候です。町に隣接する湯沢の観測値では、年平均気温は10.8℃、年間の降雪量の合計は754cmにのぼります(出典:気象庁)。特別豪雪地帯に指定された、県内でも指折りの雪国なんですよ。

夏と冬の気温差が大きいのも特徴です。いちばん暑い8月は日最高気温の平年値が29.2℃、いちばん寒い1月は日最低気温が-5.0℃まで下がります(出典:気象庁)。同じ町でこれだけ表情が変わります。

夏──6月〜8月の暮らし

夏は日中30℃を超える日もありますが、都市部と違って夜は気温が下がりやすく、熱帯夜になりにくいのが救いです(出典:羽後町公式サイト)。

お盆には盆踊りで町が熱気に包まれますが、8月中旬を過ぎると夜はTシャツ一枚だと肌寒く感じ始めます。朝晩の涼しさに、秋の気配を早めに感じられる土地なんですよね。

秋──9月〜10月の暮らし

秋は新そばや実りの季節。10月の日最高気温は平年で18.6℃ほどで、過ごしやすい日が続きます(出典:気象庁)。

田んぼが黄金色に染まり、山あいでは稲架掛けの風景が広がります。日中と朝夕の寒暖差が大きくなり、そのぶん野菜や果物に甘みがのる時季でもあります。

冬──11月〜3月の暮らし

冬は11月下旬ごろから雪が降り始め、3月上旬ごろまで続きます。2月中旬が降雪のピークで、平野部でも積雪が1mを超え、山間部では2〜3mに達します(出典:羽後町公式サイト)。一晩で40cm以上積もることも珍しくありません。

雪かきは冬の日常です。移住を考えるなら、除雪の手間と車の運転は覚悟しておきたいところ。ただ、静かに降り積もる雪の朝の凛とした空気は、雪国ならではの美しさがありますよ。

春──4月〜5月の暮らし

雪解けとともに、町の花・福寿草が顔を出します。3月中旬以降は日中と朝夕の寒暖差が10℃以上になる日も多く、体調管理に気をつけたい時期です(出典:羽後町公式サイト)。

長い冬を越えたぶん、春の訪れはひときわうれしく感じられます。田畑が動き出し、町全体がふっと明るくなる季節です。

羽後町の移住・暮らし情報

羽後町は、日常の買い物や医療が西馬音内地区を中心にまとまった、暮らしやすさと不便さが同居する町です。子育て支援や移住支援が手厚い一方、車がないと動きにくい面もあります。ここでは「住む現実」を具体的に見ていきましょう。

通勤・通学

町内に鉄道駅はなく、路線バスも範囲が限られるため、通勤・通学は車が基本です(出典:羽後町公式サイト)。隣の湯沢市や横手市へ通う人も多いと考えられます。

冬場は雪道の運転が前提になるので、スタッドレスタイヤと時間の余裕は欠かせません。

住宅環境

賃貸物件は数が限られ、民間サイトでは2DKで月3万円台からの物件も見られます(出典:SUUMO)。中古一戸建てや空き家を探す方が現実的で、数百万円台からの物件もあります。

町は空き家バンクを運営し、住宅取得には最大100万円の奨励金も用意しています(出典:羽後町公式サイト)。まずは1泊2,500円(冬季3,000円)の体験住宅で暮らしを試せるのも心強いところです。

買い物環境

町内にはスーパーマーケットが2カ所、ドラッグストアが1カ所、コンビニが3店あります(出典:羽後町公式サイト)。道の駅や農産物直売所では、地場産の野菜が手に入ります。

大型ショッピングモールは車で1時間ほどの距離にあり、休日はそちらへまとめ買いに出かける人も多いようです。

子育て・教育

小学校4校、中学校1校、県立高校1校があり、全校で学校給食を実施しています(出典:羽後町公式サイト)。待機児童はゼロで、子育て支援センターや放課後児童クラブも整っています。

0歳から18歳までは医療費が無料で、妊娠・出産時にはそれぞれ5万円の「にじいろギフト」も支給されます(出典:羽後町公式サイト)。子育て世帯には心強い環境ですよね。

医療環境

一般診療所が3院、歯科医院が5院、そして地域の中核となる羽後町立羽後病院があります(出典:羽後町公式サイト)。羽後病院は町内全域を無料の送迎バスで巡回しており、車の運転が難しい方にも配慮されています。

エリア別の暮らし視点

西馬音内エリアは、スーパーや病院、役場が近く、いちばん生活しやすいエリアです。買い物や通院の導線を重視するなら、まずここが候補になります。

田代・飯沢の山あいや、五輪坂・田園エリアは、静けさと自然が魅力。ただし車移動が前提で、冬の除雪負担も大きめです。暮らしの利便性と環境のどちらを取るかで、選ぶエリアが変わってきます。

羽後町へのアクセス

羽後町には鉄道が通っていないため、玄関口は隣の湯沢市・JR湯沢駅になります。首都圏からは秋田新幹線、空路なら秋田空港が起点です。交通手段ごとに整理しました。

車でのアクセス

湯沢横手道路の湯沢ICで降り、国道398号を北上すると15分ほどで町の中心・西馬音内に着きます(出典:羽後町公式サイト)。町内はスポットが点在するため、現地でも車があると便利です。

鉄道+バスでのアクセス

東京からは秋田新幹線「こまち」で大曲駅へ向かい、JR奥羽本線に乗り換えて湯沢駅へ。東京〜大曲はおよそ3時間15分ほどです。「こまち」は全車指定席なので、事前の予約がおすすめです(出典:JR東日本)。

湯沢駅からは羽後交通の路線バス「西馬音内線」で20〜25分ほど(出典:羽後交通)。ただし運行は1〜2時間に1本ほどで、土日祝は本数が半減するため、時刻表の確認は欠かせません。

飛行機でのアクセス

空路なら秋田空港が最寄りです。空港からリムジンバスで秋田駅へ出て、JR奥羽本線で湯沢駅へ向かうルートになります(出典:羽後町公式サイト)。羽田からの直行便があるので、遠方からでもアクセスしやすいですよ。

町内移動の現実的アドバイス

路線バスの沿線以外は、登録・予約制の「うごおでかけバス」「うご乗合タクシー」が中心です(出典:羽後町公式サイト)。観光で回るなら、湯沢駅でレンタカーを借りるのが現実的です。

盆踊りの時期はJR湯沢駅まで臨時列車が運行されるので、公共交通で訪れる場合はその期間を狙うのも一つの手ですね。


交通手段ごとに見てきましたが、「結局いちばん安く行くにはどうすれば?」と迷う方も多いはず。飛行機で向かうなら、航空券は予約のタイミングや会社によって料金が大きく変わります。複数の航空会社・LCCをまとめて比較できるサイトで、いちど最安値をチェックしておくと安心ですよ。

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【地元住民に直撃!】羽後町の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。

祖父の代から続くそば屋を継いで、三代目として毎日そばを打っています。うちは冷やがけが看板で、布海苔をつなぎに使うこの土地ならではの製法を守り続けているんです。

正直、手間はかかりますよ。でも、この味を目当てに町外から通ってくれるお客さんもいる。そういう顔を見ると、続けてきてよかったなと思いますね。

Q2.羽後町に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?

やっぱり夏の西馬音内盆踊りですね。篝火が灯って、顔を隠した踊り手が静かに舞う。あの幻想的な空気は、映像では絶対に伝わりません。地元の人間でも毎年ぞくっとします。

あと地元目線で言うと、山あいの田代のあたり。茅葺きの民家と稲架掛けの風景が残っていて、朝の霧がかかった時間なんて、時間が止まったみたいですよ。

Q3.羽後町でお土産を買うとしたらなんですか?

まずは乾麺のそばですね。家でもあの冷やがけの味を楽しんでもらえるので、間違いないです。それと羽後牛。数が少なくてなかなか外には出回らないんですが、贈り物にすると喜ばれます。

地元の人間としては、道の駅で並ぶ田舎まんじゅうもおすすめ。素朴だけど、これがまた懐かしい味なんですよ。

Q4.外から人が来たときに、羽後町でまず連れていく店はどこですか?

やっぱりそば屋に連れていきます。冬でも冷たいつゆをかけて食べる。初めての人はみんな驚きますね、「冬なのに冷たいの?」って。でも一口食べると納得してくれるんです。

そのあとは温泉ですね。高台の湯から田園を見下ろしながら浸かって、地元の黒毛和牛のステーキで締める。これが羽後町らしいもてなしだと思っています。

Q5.羽後町はどんな気質だと思いますか?

控えめで、口数は多くないですね。派手なことは苦手だけど、その分こつこつ物事を続ける粘り強さがある。盆踊りにしろ茅葺きの家にしろ、地道に守り継いできた土地柄です。

よそから来た人には最初そっけなく見えるかもしれません。でも一度懐に入ると、とことん面倒を見てくれる。そういう温かさのある町なんですよ。

Q6.昔に比べて、羽後町の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?

正直に言うと、人はずいぶん減りました。中心の商店街も、子どもの頃はもっとにぎやかだったんです。空き店舗が増えたのは寂しいですね。

ただ、盆踊りがユネスコに登録されてから、外から訪ねてくる人は明らかに増えました。移住してくる人もぽつぽついて、新しい風も少しずつ入ってきている感じはします。

Q7.羽後町のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?

大きな施設がどんどんできる町ではないですけど、空き家を活かして移住者を受け入れる動きには期待しています。古い民家がまた人の住む家に戻るのは、いいことですよね。

そばにしろ盆踊りにしろ、若い世代がどう受け継いでいくか。自分もその一人として、次の代に渡せるものを残していきたいと思っています。

羽後町の関連リンク

本記事は、全国1741市町村を応援するために徹底調査して作成していますが、地元の方だからこそ知る最新情報や、記述の誤りなどがあれば、ぜひこちらのお問い合わせフォームよりお気軽にお知らせください。地域の皆様と一緒に、より素晴らしい紹介ページを作っていきたいと考えております。

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