【秋田県にかほ市】ってどんなとこ?芭蕉の象潟と白瀬の南極【地元民のリアルな声あり】

秋田県にかほ市の中島台・獅子ヶ鼻湿原:鳥海山の麓に広がり、奇形巨木「あがりこ大王」や湧水群、苔の群生が見られる神秘的な湿原です。

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にかほ市(にかほし)は、秋田県の南西端、日本海に面する人口約2万人のまちです。南には標高2,236mの鳥海山がそびえ、県内で最も雪が少なく春の訪れが早い温暖な沿岸部にあります。

にかほ市の見どころを5つに絞ると、こうなります:

  • 象潟・九十九島──松尾芭蕉が「おくのほそ道」最北の地として目指した歌枕。国の天然記念物
  • 鳥海山(出羽富士)──海岸から山頂まで直線わずか16km。伏流水と滝の宝庫で「鳥海山・飛島ジオパーク」の一角
  • 白瀬矗(しらせのぶ)の故郷──日本人で初めて南極探検に挑んだ探検家。金浦地区の出身
  • TDKの企業城下町──製造品出荷額の8割超が電子部品。県内随一のハイテク工業地
  • 漫画『ルックバック』『チェンソーマン』の作者・藤本タツキの出身地──書店のモデルも市内に

「文学や歴史の背景を味わいながら旅したい人」「火山と水の地形に興味がある人」「アニメ・漫画の聖地を巡りたい人」に向いたまちです。この記事では、序盤で見どころを整理し、中盤で歴史と暮らし、終盤で海と山の食を、地元目線で紹介します。

人口20,996 人 ※2026年6月1日時点(推計人口)
面積241.11 km²
人口密度87.1 人/km²

地理的には、東から北にかけて由利本荘市と接し、南は鳥海山を境に山形県の遊佐町と隣り合い、西は日本海に開けています(出典:にかほ市公式サイト)。2005年に仁賀保町・金浦町・象潟町が合併して生まれた、秋田県で唯一のひらがな表記の市です。

鉄道はJR羽越本線が通り、象潟駅・金浦駅・仁賀保駅の3駅が各地区の玄関口。文学・地学・産業・食と、小さな市域に「日本初」や「歌枕」が凝縮されています。ひとつずつ見ていきましょう。

目次

にかほ市の推しポイント

海と山が16kmで出会う地形が、にかほ市の個性の源です。かつて潟湖だった象潟、独立峰の鳥海山、その恵みの伏流水と海の幸。そこに、南極に挑んだ探検家や現代のヒット漫画家といった「人」の物語が重なります。以下の5つは、それぞれ自然・歴史・人・産業・文化と異なる角度からまちを語るものです。

推しポイント1:象潟・九十九島──芭蕉が目指した最北の歌枕

田んぼの中に100以上の小島が点在する不思議な風景が「九十九島(くじゅうくしま)」です。もとは紀元前の鳥海山の山体崩壊でできた入り江で、松尾芭蕉が1689年に「おくのほそ道」最北の目的地として訪れ、「象潟や雨に西施がねぶの花」の句を残しました。1804年の大地震で海底が隆起し、現在の陸地の姿になりました。国の天然記念物に指定されています(出典:にかほ市観光協会)。

推しポイント2:鳥海山──海抜0mからそびえる出羽富士

標高2,236mの鳥海山は、日本海の海岸線から山頂まで直線でわずか16km。富士山に似た姿から「出羽富士」と呼ばれます。その伏流水が市内のあちこちで湧き、元滝伏流水や奈曽の白滝といった水景をつくります。鳥海山と飛島の一帯は2016年に日本ジオパークネットワークへの加盟が認められ、「鳥海山・飛島ジオパーク」となりました(出典:由利本荘市公式サイト)。

推しポイント3:白瀬矗と南極探検──金浦が生んだ挑戦者

日本人で初めて南極探検に挑んだ白瀬矗は、1861年にこの地の金浦(このうら)で生まれました。国の援助を受けられないまま、204トンの木造船「開南丸」で南極海を往復し、一人の犠牲も出さずに帰還した挑戦は世界から称賛されました。金浦地区の白瀬南極探検隊記念館は、建築家・黒川紀章の設計で1990年に開館しています(出典:白瀬南極探検隊記念館)。南極観測船「しらせ」の名も、この白瀬にちなみます。

推しポイント4:TDKの企業城下町──県内随一のハイテク工業地

旧仁賀保町を中心に、電子部品大手TDKの工場や関連会社が集まる企業城下町です。市の製造品出荷額のうち8割以上を電子部品・デバイス・電子回路製造業が占め、秋田県内でも屈指のハイテク産業の集積地となっています(出典:にかほ市公式サイト/平成28年経済センサス)。海と芭蕉の古典的なイメージの裏に、精密電子産業という現代の顔があるのが、このまちの二面性なんですよ。

推しポイント5:漫画『ルックバック』の聖地──藤本タツキのふるさと

『チェンソーマン』『ルックバック』で知られる漫画家・藤本タツキは、1992年生まれのにかほ市出身。市内の書店が『ルックバック』の作中に登場する書店のモデルとされ、映画公開後は「聖地巡礼」で訪れるファンが続いています(出典:秋田魁新報)。市は市内の風景をまとめた巡礼マップも公開しています。作品を観てから歩くと、田園や海岸の見え方が変わりますよ。

にかほ市の歴史

にかほの歴史は、鳥海山がつくった地形と、日本海が運んだ人・物の流れで説明できます。古くは潟湖の景勝地として歌に詠まれ、近世には北前船の港として栄え、近代には南極探検と電子産業という新しい物語を加えました。3つの時代の層を順に見ていきます。

古代〜近世──歌枕の象潟と芭蕉の旅

象潟は平安時代から和歌に詠まれた歌枕の地で、「新古今和歌集」にも登場します。かつては「東の松島、西の象潟」と並び称される潟湖の景勝地でした。1689年(元禄2年)、松尾芭蕉が「おくのほそ道」の最北の目的地としてここを訪れ、舟で島々を巡って句を残しました(出典:にかほ市観光協会)。

近世──北前船と金浦の港町、そして象潟地震

金浦や象潟の塩越湊は、江戸から明治にかけて北前船が寄る港として栄えました。物と一緒に上方の文化も運ばれ、港町の暮らしを形づくりました。一方、1804年(文化元年)の象潟大地震では地盤が約2m隆起し、舟で巡っていた潟湖が一夜にして陸地へと姿を変えました。

近代〜現代──南極、電子産業、そして平成の大合併

1912年、金浦出身の白瀬矗が南極探検を成し遂げ、まちの誇りとなりました。戦後は仁賀保地区を中心にTDKの工場が展開し、電子産業のまちへと変わっていきます。2005年10月1日、仁賀保・金浦・象潟の3町が合併してにかほ市が誕生し、由利郡はこのとき姿を消しました。

にかほ市の文化・風習

方言と話し方の特徴

にかほは秋田弁の中でも「由利方言」と呼ばれる地域で、県境で接する山形県・庄内地方の言葉の影響を受けているのが特徴です。ほかの東北地方で多用される推量の「〜べ」をあまり使わない点が、県内の他地域と違うところなんですよ。

耳にする言葉としては、相づちのんだ(そうだ・その通り)、めんけ(かわいい)、おがる(育つ・大きくなる)、別れ際のへば(それじゃあ)などがあります。理由を言うとき、本荘以南では「〜だから」にあたる〜サゲ/〜ハゲを使うのも、庄内寄りのこの地域らしい言い回しです。

海と山に寄り添う季節の暮らし

夏は日本海の岩ガキ、冬は鳥海山からの寒風の中で獲れる寒鱈と、季節がそのまま食卓に出ます。鳥海山の伏流水が生活のすぐそばに湧いていて、水を汲みに立ち寄る風景も日常の一部です。県内では雪が少なく春が早いので、桜や田植えの季節が来ると、水を張った田に九十九島が浮かぶ景色が広がります。

掛魚まつりに見る漁師町の気質

金浦地区に300年以上続く「掛魚(かけよ)まつり」は、毎年2月4日の立春に行われる漁師の祭りです。10kg以上の大きな寒鱈を2人1組で担いで金浦山神社まで練り歩き、海上安全と豊漁を祈って奉納します(出典:にかほ市観光協会)。2026年も2月4日に開催され、神社向かいの勢至公園ではタラ汁がふるまわれました。海の恵みへの感謝を、まちぐるみで形にする気質が根づいています。

にかほ市の特産品・食

特産品1:天然岩ガキ

にかほの夏といえば、まずは天然岩ガキ。鳥海山の伏流水が注ぐ海で育つため身が大きく、濃厚でミネラルの利いた味わいなんですよ。旬はおおむね6月から8月ごろで、生でつるりといくのが王道です。これを目当てに夏場だけ訪れる人がいるほどの人気ものです(出典:秋田県(由利地域振興局))。

特産品2:寒鱈(金浦鱈)とタラ汁

冬の主役は、金浦漁港で揚がる寒鱈です。1月から2月にかけて脂がのり、地元では「金浦鱈」と呼ばれます。定番は、アラと肝を水から煮出し、身・豆腐・ネギを加えて味噌を溶く「タラ汁」。芯まで冷えた体に染みる一杯です。オスの白子は「だだみ」と呼ばれ、天ぷらにするのが地元流のごちそうです。

特産品3:秋田にかほ本ズワイ

にかほで水揚げされるズワイガニのうち、高品質な雄は「秋田 にかほ本ズワイ」としてブランド化されています。身の甘さと締まりが持ち味で、冬の日本海の恵みを代表する一品です。岩ガキの夏、カニと寒鱈の冬と、季節ごとに海の主役が入れ替わるのが、この港町の食の楽しみ方なんですよ。


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にかほ市の観光スポット

にかほ市の見どころは、大きく3つの方向に分かれます。芭蕉が歩いた象潟の海と文学、鳥海山が生む水と森、そして南極や漫画へとつながる「人」の物語です。海沿いから山へ、そして人の記憶へと、テーマを変えながら巡ると一日があっという間ですよ。まずは象潟の海側から見ていきましょう。

海と文学を味わうスポット

  • 九十九島(象潟) – 田んぼの中に100以上の小島が浮かぶ、象潟ならではの風景。松尾芭蕉が「おくのほそ道」最北の地として訪れ、1804年の地震で隆起して現在の姿になりました。国の天然記念物に指定されています(出典:にかほ市観光協会)。田植えの時期は水を張った田に島が映り、まるで海に浮かんでいるように見えるんですよ。
  • 蚶満寺(かんまんじ) – 九十九島の一角にある、「おくのほそ道」最北の地とされる古刹。境内には芭蕉像や句碑が立っています。住職の愛猫がのんびり過ごす「猫寺」としても親しまれていて、静かな時間が流れています。
  • 道の駅 象潟「ねむの丘」 – 東北最大級の道の駅。6階の展望塔は無料で、日本海・鳥海山・九十九島を360度見渡せます。4階の展望温泉「眺海の湯」は9:00〜21:00(最終受付20:30)、物産館は9:00〜18:30です(出典:道の駅象潟「ねむの丘」)。夏はレストランに天然岩ガキが並び、夕方は日本海に沈む夕日が名物です。

鳥海山の水と森を歩くスポット

  • 元滝伏流水(もとたきふくりゅうすい) – 幅約30mの岩肌一帯から、鳥海山の伏流水が一日およそ5万トン湧き出す滝。環境省の「平成の名水百選」に選ばれています(出典:にかほ市観光協会)。白い水しぶきと緑の苔のコントラストが美しく、夏でもひんやりと涼しい、天然のクーラーのような場所なんですよ。
  • 奈曽の白滝(なそのしらたき) – 奈曽川の中流にかかる、高さ約26m・幅約11mの水量豊かな名瀑(出典:にかほ市観光協会)。金峰神社の境内から石段を降りて滝つぼ近くまで行くと、轟音と飛沫を全身で感じられます。
  • 中島台・獅子ヶ鼻湿原 – 鳥海山北西麓のブナ原生林に広がる約26haの湿原。国の天然記念物に指定されています。樹齢約300年・幹回り7.62mの奇形ブナ「あがりこ大王」は林野庁「森の巨人たち百選」の一本で、湧水中に育つ「鳥海マリモ」はここでしか見られません(出典:にかほ市観光協会)。歩道が整備され、初心者でも神秘の森歩きが楽しめます。
  • 鳥海山5合目・鉾立(ほこだて)展望台 – 標高2,236m、東北で2番目に高い独立峰の5合目。展望台からは日本海とV字の奈曽渓谷を一望できます。鉾立まで通じる鳥海ブルーラインは例年4月下旬〜10月の開通で、鳥海鉾立ビジターセンターは入場無料です(出典:にかほ市観光協会)。

人と物語に出会うスポット

  • 白瀬南極探検隊記念館 – 日本人で初めて南極探検に挑んだ、金浦出身の白瀬矗をたたえる記念館。開館時間は3〜10月が9:00〜17:00、11〜2月が9:00〜16:00、休館は月曜(祝日の場合は次の平日)と年末年始、入館料は一般300円・中学生200円です(出典:白瀬南極探検隊記念館)。黒川紀章が設計した円錐形のオーロラドームや、南極点到達に使われた雪上車も見どころです。
  • 文林堂書店(平沢) – 漫画『ルックバック』に登場する書店のモデルとされる、地域で60年以上続く現役の書店。作者・藤本タツキの出身地であることから、映画公開後は聖地巡礼で訪れるファンが続いています(出典:秋田魁新報)。店内には作品コーナーもあり、物語の空気をそのまま感じられます。
  • 仁賀保高原・土田牧場 – 鳥海山北麓、標高約500mに広がる草原地帯。ジャージー牛がのんびり草をはみ、15基以上の風車が回る、北海道のような開放的な風景です。土田牧場では牧場産の乳製品も味わえます。眼下に日本海、振り返れば鳥海山という360度のパノラマが気持ちいいんですよ。

にかほ市の観光ルート

計算中…

にかほ市は南北に細長く、車があれば海も山も一日で回れます。象潟駅を起点に「海と文学+南極」をたどるルート、鳥海山の水と森に絞った半日ルート、そして県境を越える広域ドライブの3本を組んでみました。目的に合わせて選んでみてくださいね。

【車・1日】象潟の海と南極ルート

9:00 象潟駅 → 9:10 九十九島・蚶満寺(車5分)→ 10:30 道の駅象潟ねむの丘 → 12:30 白瀬南極探検隊記念館(車15分)→ 15:00 象潟海岸(車15分)

九十九島・蚶満寺(90分)→ 朝の澄んだ空気の中、芭蕉が歩いた島々を散策。人が少なく写真も撮りやすい時間帯です。

道の駅象潟ねむの丘(120分)→ 展望塔で全景を眺めてから、夏なら岩ガキで早めの昼食を。海を見ながらの温泉もおすすめです。

白瀬南極探検隊記念館(120分)→ 午後は金浦へ。オーロラ映像と雪上車で、南極に挑んだ物語にじっくり浸れます。

象潟海岸(自由)→ 締めくくりは日本海に沈む夕日。天気がよければ、旅の記憶に残る一枚が撮れますよ。

【車・半日】鳥海山の水と森ルート

9:00 象潟駅 → 9:20 元滝伏流水(車20分)→ 11:00 奈曽の白滝 → 12:30 中島台・獅子ヶ鼻湿原

元滝伏流水(60分)→ 駐車場から森の小道を歩くと、岩肌から湧く水のカーテンが現れます。朝は光が差し込んで幻想的です。

奈曽の白滝(60分)→ 石段を降りて滝つぼへ。水量が多く、近づくほど迫力と涼しさが増します。

中島台・獅子ヶ鼻湿原(90分〜)→ あがりこ大王や鳥海マリモを巡る森歩き。木道が整い、初心者でも安心して歩けます。

④仕上げに仁賀保高原・土田牧場へ足を伸ばせば、高原の風とソフトクリームで一日を締められます。

【車・1日】広域ルート:環鳥海ドライブ

9:00 象潟駅 → 鉾立展望台(鳥海ブルーライン経由)→ 山形県側へ下山 → 遊佐町酒田市

鉾立展望台(60分)→ 鳥海ブルーラインで一気に標高を上げ、5合目から日本海と奈曽渓谷を見渡します(開通は例年4月下旬〜10月)。

②山形県の遊佐町へ → 鳥海山を挟んで隣り合う県境の町。湧水や海沿いの景勝が点在し、環鳥海エリアの南の玄関口です。

酒田市へ → 北前船で栄えた港町。山居倉庫など歴史的な町並みが残り、鳥海山を囲むドライブの締めにぴったりです。

鳥海山をぐるりと一周する「環鳥海」の旅は、秋田と山形をまたいで水と大地の物語を体感できるコースなんですよ。


ここまで見てきたとおり、見どころが少し離れた場所に点在していることもあります。気になるスポットをまとめて回るなら、レンタカーがあると一気に動きやすくなりますよ。料金は会社や時期でけっこう変わるので、まとめて比較できるサイトでサッと見ておくのがおすすめです。

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そして遠方から訪れるなら、思いきって一泊するのもおすすめです。日帰りでは通り過ぎてしまう夜や朝の時間に、その町ならではの静けさや表情に出会えます。お祭りやイベントの時期は宿が一気に埋まるので、早めの確保が安心ですよ。

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にかほ市の年間イベント

にかほ市のイベントは、季節と自然に寄り添っています。春は県内で最も早い桜、夏は海辺の花火、冬は立春の漁師の祭り。どれも海と山の恵みへの感謝が根っこにあります。季節ごとに顔を変えるまちの表情を、順に見ていきましょう。

春:勢至公園の観桜会

金浦の勢至公園は、約600本のソメイヨシノが観音潟・竹嶋潟を囲む、秋田県内でも有数の桜の名所です。県内で最も早く桜が楽しめる場所として知られ、毎年4月ごろに観桜会が開かれます(出典:にかほ市観光協会)。残雪の鳥海山を背にした桜は、この時期だけの絶景。水面に映る桜を眺めながらの散策が気持ちいいんですよ。

夏:にかほの花火

にかほの夏の風物詩が、象潟海水浴場で毎年8月に開かれる「にかほの花火」です。観覧は無料で、JR象潟駅から徒歩約5分とアクセスも良好です(出典:にかほ市観光協会)。見どころは、波打ち際から間近で打ち上がる花火。海面に映る光と、砂浜に響く音を全身で感じられる大会なんですよ。

冬:掛魚まつり

金浦地区に300年以上続く漁師の祭りが「掛魚(かけよ)まつり」です。毎年2月4日の立春に、10kg以上の大きな寒鱈を担いで金浦山神社まで練り歩き、海上安全と豊漁を祈って奉納します(出典:にかほ市観光協会)。神社向かいの勢至公園では、あつあつのタラ汁がふるまわれます。雪の舞う中で味わう一杯は、体の芯まで温まりますよ。

にかほ市のエリア別の顔

にかほ市は、2005年に合併した象潟・金浦・仁賀保の旧3町がそのまま3つの顔になっています(出典:にかほ市公式サイト)。文学と海の象潟、漁港と南極の金浦、産業と高原の仁賀保。それぞれ玄関口となる駅も違うので、旅の目的で入口を選ぶと動きやすいですよ。

象潟エリア──文学と海の玄関口

市の南側、象潟駅を中心とするエリアです。九十九島や蚶満寺、道の駅ねむの丘が集まり、鳥海山の登山口にも近い観光の起点。芭蕉の足跡と海の景色をゆっくり味わいたい人に向いています。田園に浮かぶ島々を眺めながら歩く時間が、ここならではの贅沢なんですよ。

金浦エリア──漁港と南極の記憶

象潟と仁賀保の間に位置する、金浦漁港を中心とした港町エリアです。冬の掛魚まつり、白瀬南極探検隊記念館、桜の勢至公園と、海の暮らしと「人」の物語が濃く残ります。漁師町の空気や歴史をたどりたい人におすすめのエリアですよ。

仁賀保エリア──産業と高原の広がり

市の北側、仁賀保駅を玄関口とするエリアです。TDKの工場が集まる産業の中心であり、山側には仁賀保高原・土田牧場の草原が広がります。『ルックバック』の聖地・文林堂書店もこのエリア。海・工業・高原と表情が豊かで、ドライブでの散策向きです。

にかほ市の気候・季節の暮らし

にかほ市は、秋田県の中では春の訪れが最も早く、降雪量も最も少ない温暖な地域として知られています(出典:にかほーむ(にかほ市移住ポータル))。鳥海山の山すそが海岸近くまで迫り、人口は海沿いの平野部に集中しています。日本海側の雪国ではありますが、県内の内陸部に比べると雪は軽め。とはいえ冬の風は強く、季節ごとに表情がはっきり変わる土地なんですよ。

春〜夏──4月〜8月の暮らし

春は県内でいち早く桜が咲き、勢至公園には残雪の鳥海山を背にした桜が広がります。田植えの時期には九十九島が水鏡に浮かび、暮らしのすぐそばに絶景がある季節です。

夏は海のシーズン。象潟海水浴場がにぎわい、天然岩ガキが旬を迎えます。海風が入るぶん、内陸ほどの蒸し暑さは感じにくく、夕方は日本海に沈む夕日が日課の楽しみになりますよ。

秋──9月〜11月の暮らし

秋は鳥海山や元滝伏流水の紅葉が見頃を迎え、山の色づきが暮らしの背景になります。海が荒れ始めると、冬の足音が近づく合図。空気が澄んで、鳥海山がくっきり見える日が増える季節です。

冬──12月〜3月の暮らし

冬は北西の季節風が強く、地吹雪に見舞われる日もあります。県内では雪が少ないとはいえ、まとまって降る日には除雪も必要になります。

それでも、立春の頃には金浦で掛魚まつりが開かれ、寒鱈のタラ汁で体を温める文化が根づいています。厳しさと楽しみが背中合わせにあるのが、この土地の冬なんですよね。

にかほ市の移住・暮らし情報

にかほ市は、海と山に囲まれた自然の近さと、TDKを核とする働き口の両方があるまちです。市は移住・Uターン支援に力を入れていて、住まいや子育ての助成もそろっています。ここでは「暮らす視点」で、通勤や住宅、買い物、子育て、医療を見ていきましょう。

通勤・通学

市内はTDMの工場や関連会社をはじめとする製造業の職場が多く、市内で働く人が中心です。海沿いの平野部に住宅と職場がまとまっているため、車での通勤がしやすい環境と考えられます。鉄道通勤なら、JR羽越本線で由利本荘市や秋田市方面へ出る人もいます。

住宅環境

賃貸物件の家賃相場は、SUUMOの集計でおよそ4.5万円前後です(出典:SUUMO)。都市部に比べると住居費を抑えやすく、一戸建てや空き家を選ぶ人もいます。市は移住者向けに「定住奨励金」や、40歳未満世帯を対象とした家賃補助などを用意しています(出典:にかほーむ)。

買い物環境

国道7号沿いを中心に、スーパーやドラッグストア、ロードサイド店が並びます。日常の買い物は市内で完結しやすく、大型店へ出たいときは車で由利本荘市方面へ足を延ばす人も多いと考えられます。海の幸は、道の駅象潟ねむの丘の直売所や漁協直売所で新鮮なものが手に入りますよ。

子育て・教育

市内には小学校から高校までの公立学校があり、保育園・認定こども園も整っています。共働き世帯向けに放課後の学童保育もあり、待機児童はゼロとされています(出典:にかほーむ)。子育て世帯向けの空き家購入奨励金やリフォーム補助もあります。

医療環境

市内には内科・小児科などの医院・診療所があり、象潟地区の象潟病院などが地域医療を支えています。夜間や緊急時は、近隣の総合病院で受診できる体制です(出典:にかほーむ)。介護サービスや介護施設も整っていて、高齢期まで見据えて暮らせる環境と考えられます。

エリア別の暮らし視点

象潟エリアは市役所本庁舎や病院、道の駅が集まる生活・行政の中心で、暮らしの利便を重視する人に向いています。金浦エリアは漁港のある落ち着いた住宅地。仁賀保エリアはTDK関連の雇用が多く、働く場所の近さで住まいを選びたい人に合っています。

にかほ市へのアクセス

にかほ市は、国道7号・日本海東北自動車道・JR羽越本線が通る、秋田県南西部の玄関口です(出典:にかほーむ)。秋田市方面からも山形県の庄内方面からもアクセスしやすく、鉄道は特急も停まります。交通手段ごとに見ていきましょう。

車でのアクセス

日本海東北自動車道の象潟IC・金浦IC・仁賀保ICが市内の出入口です。秋田空港からは高速道路経由で仁賀保まで約50分です(出典:環鳥海地域観光情報発信サイト)。山形県側からは国道7号を北上すれば、鳥海山の裾野を回って市内に入れます。

鉄道+バスでのアクセス

JR羽越本線の象潟駅・仁賀保駅が主要駅で、特急いなほも停車します。JR秋田駅から仁賀保駅までは約60分です(出典:環鳥海地域観光情報発信サイト)。東京方面からは、秋田新幹線で秋田駅へ出てから羽越本線で南下するルートが分かりやすいですよ。

飛行機でのアクセス

最寄りの空港は秋田空港です。空港からはレンタカーで高速道路を使うか、リムジンバスで秋田駅へ出て羽越本線に乗り継ぐ方法があります。首都圏からは、羽田空港から秋田空港へ飛び、そこから車や鉄道で南下するのが現実的な選択肢です。

町内移動の現実的アドバイス

市内は南北に細長く、観光スポットも海沿いから鳥海山麓まで点在しています。鉄道は本数が限られるため、市内をしっかり巡るなら車が便利です。空港や近隣都市でレンタカーを借りて回ると、海も山も一日で無理なくつなげられますよ。


交通手段ごとに見てきましたが、「結局いちばん安く行くにはどうすれば?」と迷う方も多いはず。飛行機で向かうなら、航空券は予約のタイミングや会社によって料金が大きく変わります。複数の航空会社・LCCをまとめて比較できるサイトで、いちど最安値をチェックしておくと安心ですよ。

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【地元住民に直撃!】にかほ市の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。

仕事は山で木を伐り出す林業をやっています。鳥海山の裾野には昔からのブナや杉の森が広がっていて、その手入れと素材の生産が主な仕事です。

獅子ヶ鼻湿原のあがりこ大王を見れば分かる通り、この辺りの人間は昔から木と付き合って暮らしてきました。山の恵みで生きている実感がありますね。

Q2.にかほ市に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?

有名どころなら、まずは象潟の九十九島ですね。田んぼに小島が浮かぶ景色は芭蕉も歩いた場所で、にかほ市の観光の顔です。白瀬南極探検隊記念館も外せません。

地元の人間としては、鳥海山の水源そのものみたいな元滝伏流水を推したい。森の奥で岩肌から水が湧く音だけが響いて、夏でもひやりと鳥肌が立つ静けさですよ。

Q3.にかほ市でお土産を買うとしたらなんですか?

オーソドックスなら、やっぱり海のものですね。夏の岩ガキは生が一番ですが、持ち帰るなら水産加工品や、鳥海山の水で仕込んだ地酒あたりが無難で喜ばれます。

地元の人間がひそかに好きなのは、仁賀保高原の牧場でつくる乳製品と、いちじくの加工品。素朴だけど、この土地の有名なものとして胸を張れる味です。

Q4.外から人が来たときに、にかほ市でまず連れていく店はどこですか?

店の名前で案内するというより、海の見える場所に連れて行きます。日本海を眺めながら、旬の岩ガキや寒鱈のタラ汁を出してくれる海辺の食事処ですね。

冬なら、湯気の立つタラ汁をすすりながら外を見ると、荒れた日本海と鳥海山が同時に目に入る。あの油と出汁の匂いが、にかほの冬そのものなんですよ。

Q5.にかほ市はどんな気質だと思いますか?

派手さはないけれど、芯の強い人が多いと思います。海と山の両方で自然相手に働いてきた土地なので、口数は少なくても粘り強いんです。

掛魚まつりで大きな寒鱈を担いで神社に奉納する姿を見ると、この町の気質がよく分かります。無償で汗をかくことをいとわない、白瀬中尉を生んだ土地らしい気概がありますね。

Q6.昔に比べて、にかほ市の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?

正直、人は減りました。子どもの頃より店も家も少なくなって、静かになったと感じます。若い働き手が都会に出ていくのは、林業の現場でも同じ課題です。

その一方で、市民センターに人が集まる催しや、ジオパークを通じた観光の動きは続いています。派手ではないけれど、地に足のついた活気は残っていると思いますよ。

Q7.にかほ市のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?

大きな施設ができるという確かな話は聞きませんが、期待はあります。市長も移住や観光に力を入れていて、空き家を活かした受け入れが少しずつ進んでいます。

運動公園に家族連れが集まる週末や、漫画の聖地を訪ねて若い人が歩く姿を見ると、外の風が入ってくる手応えを感じます。この流れが続けばいいなと思いますね。

にかほ市の関連リンク

本記事は、全国1741市町村を応援するために徹底調査して作成していますが、地元の方だからこそ知る最新情報や、記述の誤りなどがあれば、ぜひこちらのお問い合わせフォームよりお気軽にお知らせください。地域の皆様と一緒に、より素晴らしい紹介ページを作っていきたいと考えております。

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