由利本荘市(ゆりほんじょうし)は、秋田県の南西部・日本海に面した市です。南に標高2,236メートルの秀峰・鳥海山(ちょうかいさん)を背負い、面積は秋田県内で最も広く、県全体のおよそ10分の1を占めます。人口は67,708人です。
この町の顔を5つに凝縮すると、こうなります:
- ✅ 鳥海山──「出羽富士」と呼ばれる東北第2の高峰(標高2,236m)を市の南に望む
- ✅ 日本ロケット発祥の地──道川海岸で1955年に日本初の本格的なロケット飛翔実験が始まった
- ✅ 秋田由利牛──鳥海山麓の高原で育つ、きめ細かい黒毛和牛のブランド
- ✅ 本荘ごてんまり──色鮮やかな手まりの伝統工芸。秋には全国ごてんまりコンクールが開かれる
- ✅ 鳥海山・飛島ジオパーク──2県4市町にまたがる大地の公園の一角、名瀑・法体の滝も
「山も海も川もある土地でのびのび暮らしたい人」「鳥海山を眺めながら地酒と和牛を味わいたい人」「日本の宇宙開発の原点に触れたい人」に響く町です。この記事では、序盤で町の推しポイントを、中盤で歴史と文化・風習を、終盤で特産品・食を、地元目線で紹介していきます。
| 人口 | 67,708 人 ※2026年6月1日時点(推計人口) |
|---|---|
| 面積 | 1,209.59 km² |
| 人口密度 | 56 人/km² |
地理的には、北は秋田市、南(沿岸側)はにかほ市、東は大仙市・横手市・湯沢市・羽後町に接しています(出典:由利本荘市公式ウェブサイト)。さらに南は鳥海山を挟んで、山形県の酒田市・遊佐町・真室川町とも境を接します。
市域は日本海の海岸平野、子吉川(こよしがわ)流域、鳥海山と出羽丘陵の山間地帯という3つの地帯からなり、地目の約7割を山林が占める広大な市です。海の幸、川の恵み、山の産物がひとつの市の中でそろう、めずらしい町なんですよ。まずは町の顔となる推しポイントから見ていきましょう。
由利本荘市の推しポイント

由利本荘市の魅力は、「鳥海山」という大きな自然の軸と、「日本のロケットが最初に飛んだ砂浜」という科学史の一場面が同居しているところです。そこに鳥海山麓で育つ和牛、江戸時代から続く手まりの工芸、大地の成り立ちを丸ごと楽しめるジオパークが加わります。ここからは、その5つを少し掘り下げて紹介します。
鳥海山──「出羽富士」と呼ばれる東北第2の高峰
市の南にそびえる鳥海山は標高2,236メートル。東北地方では2番目に高い山で、雪をまとった姿が富士山に似ていることから「出羽富士」とも呼ばれます(出典:由利本荘市公式ウェブサイト)。矢島地区からの登拝道は古くからの信仰の道で、麓には豊富な湧き水が流れ出しています。晴れた日に市街地から眺める残雪の鳥海山は、地元の人でも思わず足を止める景色なんですよ。
道川海岸──日本のロケットが飛び立った砂浜
岩城地区の道川海岸は、「日本のロケット・宇宙開発の父」糸川英夫博士のチームが、1955年(昭和30年)から本格的なロケット飛翔実験を行った「秋田ロケット実験場」があった場所です。ペンシルロケットに始まり、閉鎖されるまでの数年間で数十機のロケットがこの砂浜から打ち上げられました。現在は跡地に「日本ロケット発祥記念之碑」が建っています。何もない静かな砂浜が日本の宇宙時代の出発点だったと知ると、少し見え方が変わってきます。
秋田由利牛──鳥海山麓で育つ黒毛和牛
鳥海山麓の高原で、良質な水と牧草に育まれて飼育される黒毛和種が「秋田由利牛」です。きめ細かなサシ(霜降り)と肉質の良さで知られる、由利地域を代表するブランド牛です(出典:由利本荘市観光協会)。市内には秋田由利牛を出す店が点在していて、ステーキでも焼肉でも、脂の甘さがしっかり伝わってきます。
本荘ごてんまり──色鮮やかな手まりの伝統工芸
「ごてんまり」は、絹糸で幾何学模様を刺していく色鮮やかな手まりで、由利本荘を代表する伝統工芸です(出典:由利本荘市観光協会)。毎年秋には「全国ごてんまりコンクール」が開かれ、全国から力作が集まります。手のひらにのる小さな球体に、これほど緻密な世界が広がるのかと驚かされますよ。
鳥海山・飛島ジオパークと法体の滝
由利本荘市は、秋田県にかほ市、山形県酒田市・遊佐町とともに「鳥海山・飛島ジオパーク」を構成しています(出典:日本ジオパークネットワーク)。鳥海山がつくった大地と湧き水、海と暮らしのつながりを丸ごと楽しめるのが魅力です。鳥海町の法体の滝(ほったいのたき)は「日本の滝百選」に選ばれた名瀑で、三段に流れ落ちる水の迫力は一見の価値があります。
由利本荘市の歴史

由利本荘市の歴史は、大きく3つの流れで捉えられます。古代には出羽国の交通の要衝として拓け、中世には「由利十二頭」と呼ばれる領主たちが割拠しました。近世には本荘・亀田・矢島の3つの藩が置かれ、城下町として発展します。そして近代の鉄道開通と産業化を経て、2005年に1市7町が合併し、現在の広大な由利本荘市が生まれました。
古代〜中世──由理柵と由利十二頭
子吉川の河口付近には、8世紀に出羽国府の出先機関「由理柵(ゆりのさく)」が置かれ、この地は早くから交通と統治の拠点でした。中世には、応仁の乱の頃に信濃から移ってきたとされる「由利十二頭」と呼ばれる領主たちが、由利地域に割拠したと伝えられています。「由利」という地名は、今も市の名として受け継がれています。
近世──本荘・亀田・矢島の三藩と城下町
関ヶ原の戦いの後、由利地域は最上氏の支配となり、家臣の楯岡満茂が1613年ごろ本城城(のちの本荘城)を築いて城下町の基礎を作りました。1623年には常陸国から六郷氏が入って本荘藩を立藩。あわせて亀田には岩城氏の亀田藩、矢島には生駒氏の矢島藩が置かれ、由利地域は3つの藩によって治められました。この三藩体制が、今も残る地区ごとの個性のもとになっています。
近現代──合併で生まれた県内最大の市
明治期の廃藩置県を経て、1922年には羽越本線の羽後本荘駅が開業し、鉄道の町として発展します。1954年に本荘町が周辺の村を編入して本荘市となり、2005年(平成17年)3月22日、本荘市と由利郡の7町(矢島町・岩城町・由利町・西目町・鳥海町・東由利町・大内町)が合併して、現在の由利本荘市が誕生しました。中心の羽後本荘駅からは、鳥海山ろくを走る由利高原鉄道が内陸の矢島へと延びています。
由利本荘市の文化・風習

方言と話し方の特徴
由利本荘の言葉は、秋田弁の中でも「由利方言(子吉川流域方言)」と呼ばれ、山形県の庄内弁の影響を受けているのが特徴です。おもしろいのは、東北の多くの地域で使う推量の「〜べ」を、この由利地方ではあまり使わないこと。同じ秋田県内でも、地元の人が聞くと出身地がわかると言われるほど個性があるんですよ。
実際に耳にする言葉としては、んだ(そうだ・そうだね)、へば(それじゃあ・またね)、まんず(まあ・本当に)、はんて(〜だから・〜ので)などがあります。会話の中では、語頭以外のカ行・タ行が濁って聞こえるのも東北らしいところ。昔話を締めるときのとっぴんからりのさんしょのみ(これでおしまい、の意)は、本荘・由利地方ならではの言い回しです。
食卓と季節の暮らし
食卓には、海・川・山の幸がバランスよく並びます。冬の集まりでは秋田由利牛のすき焼きや、コシの強い本荘うどん、そして地元の地酒が定番。鳥海山からの湧き水で育った米と水は、そのまま暮らしの豊かさに直結しています。海沿いの本荘は雪が比較的少ない一方、内陸の矢島・鳥海・東由利は特別豪雪地帯に指定されるほどの雪国で、同じ市内でも冬の景色がずいぶん違います。
人の気質と地域のつながり
言葉数は多くないけれど芯のある——そんな穏やかな気質が、由利本荘の人の印象です。もともと3つの藩に分かれていた地域が合併してできた市なので、矢島には城下町の風情、亀田には港町の名残、というように、地区ごとに違う文化と誇りが息づいています。祭りの季節には、本荘八幡神社祭典の大名行列や矢島の八朔まつりなど、地域ごとの行事が今も大切に受け継がれています。
由利本荘市の特産品・食

特産品1:秋田由利牛
やっぱり外せないのが秋田由利牛。鳥海山麓の高原で、きれいな水と牧草を食べて育った黒毛和種で、脂に甘みがあり、赤身にもうまみがしっかり乗っています(出典:由利本荘市観光協会)。ステーキや焼肉で味わうのはもちろん、冬はすき焼きにすると、鳥海山の水で育った意味がじんわり伝わってきますよ。
特産品2:本荘うどん
本荘うどんは、天然の湧水と小麦で作られる、80年ほどの歴史をもつ地元の麺です。昔ながらの自然乾燥で仕上げるため、シコシコとしたまろやかな歯ごたえが自慢。冷やしても温めてもコシがしっかり残るので、夏はざる、冬は温かい汁でと一年を通して食卓に登場します。旅の途中でお腹を満たすなら、まず試してほしい一杯です。
特産品3:由利本荘の地酒
鳥海山の伏流水と地元の米に恵まれた由利本荘は、江戸時代から知られる酒どころ。市内には現在4つの酒蔵があり、山廃仕込みで知られる「雪の茅舎(齋彌酒造店)」や、矢島の「天寿(天寿酒造)」などが酒を醸しています(出典:由利本荘市公式ウェブサイト)。ワイングラスで楽しむコンクールで金賞を受けた銘柄もあり、由利牛や海の幸と合わせる一杯は格別です。
特産品4:西目のりんご
西目地区は古くからりんご栽培が盛んで、木を低く仕立てる「わい化栽培」の比率が秋田県内トップの産地です(出典:由利本荘市観光協会)。海に近い畑で日本海の風を受けて育つりんごは、秋から冬にかけてが旬。すっきりした甘さと締まった果肉で、そのまま丸かじりしたくなる味わいです。
現地に行くのはなかなか難しい方もいますよね。でもふるさと納税なら、実質2,000円の自己負担で全国の特産品が返礼品として届きます。
会社員ならワンストップ特例で確定申告も不要です。
返礼品は数万点あるので、迷ったらAmazonの【今みんなが選んでいる人気返礼品ランキング】から見るのが失敗しないコツですよ。
楽天ユーザーの方は【返礼品ランキング総合TOP100】でチェックしてみてくださいね。
由利本荘市の観光スポット

広い由利本荘市の見どころは、大きく「鳥海山ろくの大自然」「日本の宇宙開発の原点」「木と鉄道で遊ぶ体験」「三藩の城下町」の4つに分けて回ると迷いません。海・川・山・高原がそろっているので、目的を1つ決めてから動くのがおすすめですよ。まずはカテゴリごとに押さえておきたいスポットを紹介します。
鳥海山ろくの大自然を味わうスポット
- 鳥海山 – 標高2,236メートル、東北で2番目に高い「出羽富士」。日本百名山のひとつで、市の南にどっしりと構えています(出典:由利本荘市公式ウェブサイト)。矢島口からの登山道や鳥海高原のドライブは、夏でも雪渓が残る雄大な景色が広がります。晴れた朝、麓から仰ぐ姿はほんとうに気持ちがいいんですよ。
- 法体の滝(ほったいのたき) – 鳥海町にある落差約57メートルの名瀑で、一の滝・二の滝・三の滝からなり「日本の滝百選」に選ばれています。鳥海山・飛島ジオパークのジオサイトでもあります(出典:由利本荘市観光協会)。末広がりに流れ落ちる白い水と紅葉のコントラストは圧巻です。なお百宅(ももやしき)方面からのアクセス道は2024年の大雨で通行止めが続いているため、ホテルフォレスタ鳥海方面から向かうのが安心です。
日本の宇宙開発の原点にふれるスポット
- 日本ロケット発祥記念之碑 – 岩城地区の道川海岸に立つ記念碑。1955年(昭和30年)から糸川英夫博士のチームがこの砂浜でロケットの飛翔実験を重ね、日本の宇宙開発が本格的に始まりました。碑の中央にはペンシルロケットが描かれています。何もない静かな海辺に立つと、ここが出発点だったのかと不思議な気持ちになりますよ。
木と鉄道で遊ぶスポット
- 鳥海山 木のおもちゃ館 – 国登録有形文化財の旧鮎川小学校を活用した木育施設で、2018年7月に開館しました。入館料は一般でおとな810円・こども(小学生以下)610円、開館時間は9時〜16時(最終入館15時30分、冬期は10時〜16時)、休館日は木曜(12〜2月は水・木曜)と年末年始です(出典:由利本荘市公式ウェブサイト)。木造校舎に響く子どもの声と木の香りに、大人の方が懐かしくなってしまうかもしれません。
- 由利高原鉄道 鳥海山ろく線 – 羽後本荘駅から鳥海山ろくの矢島駅までを結ぶ全長23キロのローカル線。絣の着物姿の「秋田おばこ」アテンダントが沿線を案内する「まごころ列車」や、地元の木材を使った「鳥海おもちゃ列車 なかよしこよし」が人気です(出典:由利高原鉄道株式会社)。前郷駅では今では珍しい「タブレット交換」も見られます。のんびりした車窓に、時間の流れがゆるむ路線なんですよ。
三藩の城下町を歩くスポット
- 本荘公園 – 本荘城(本城城)の跡地に整えられた公園で、春には約1,000本のソメイヨシノが咲き誇ります。ライトアップも行われ、桜の季節はとくに華やぎます(出典:由利本荘市観光協会)。市街地のすぐそばで気軽に歴史散歩ができるのがうれしいところです。
- 天鷺村(てんさぎむら) – 岩城地区にある「史跡保存伝承の里」。旧亀田藩の城下町をテーマに、移築した武家住宅や古民家、岩城歴史民俗資料館が並び、天鷺ぜんまい織の見学・体験もできます(出典:由利本荘市公式ウェブサイト)。施設によって事前予約や利用料が必要な場合があるので、訪問前に確認しておくと安心です。
由利本荘市の観光ルート

広い市域なので、1日で欲張るより「海側」か「山側」に寄せると回りやすいです。ここでは車で自然を巡る1日ルート、海と宇宙史をたどる半日ルート、鉄道でのんびり途中下車する1日ルート、そして鳥海山をぐるりと囲む広域ルートを紹介します。どれも羽後本荘駅を起点にしていますよ。
【車・1日】鳥海山ろく自然満喫ルート
9:00 羽後本荘駅 → 9:15 鳥海山 木のおもちゃ館(車15分)→ 11:30 矢島の城下町(車40分)→ 14:00 法体の滝(車60分)→ 16:30 猿倉温泉
①鳥海山 木のおもちゃ館(90分)→ 木のボールプールや大型遊具で、朝いちばんの空いた時間にたっぷり遊べます。
②矢島の城下町(120分)→ 昼は矢島駅の「駅カフェおばこ」や地酒の蔵元を巡り、旧矢島藩の風情を味わいます。
③法体の滝(60分)→ 午後の光で水しぶきが輝く時間帯。紅葉期なら赤と白のコントラストが見事です。
④猿倉温泉(宿泊・入浴)→ 一日の締めに鳥海山を望む湯で疲れをほぐせます。
【車・半日】海と宇宙史をたどる岩城ルート
13:00 羽後本荘駅 → 13:20 道の駅岩城(車20分)→ 14:00 日本ロケット発祥記念之碑(車10分)→ 15:00 天鷺村(車10分)→ 16:30 羽後本荘駅
①道の駅岩城(40分)→ 日本海に面したロケーションで、海を眺めながら海産物や地元グルメを楽しめます。
②日本ロケット発祥記念之碑(30分)→ 夕方前の静かな砂浜で、日本の宇宙開発の原点にそっと触れられます。
③天鷺村(60分)→ 旧亀田藩の城下町の名残を歩き、資料館で藩政時代の暮らしをのぞけます。
④ 海沿いを北上する道は夕日が美しく、帰り道そのものがごほうびになりますよ。
【鉄道・1日】由利高原鉄道 途中下車ルート
9:00 羽後本荘駅 →(まごころ列車)→ 9:12 鮎川駅 → シャトルバスで木のおもちゃ館 → 前郷駅 → 12:00 矢島駅
①まごころ列車(乗車)→ 秋田おばこ姿のアテンダントの案内を聞きながら、子吉川沿いの田園をゆっくり進みます。
②鮎川駅・木のおもちゃ館(120分)→ 駅からシャトルバスで木育施設へ。おもちゃ列車と合わせて木づくしの一日にできます。
③前郷駅(15分)→ 珍しい「タブレット交換」の様子を間近で見学。鉄道好きにはたまらない瞬間です。
④矢島駅(90分)→ 終点の駅カフェで一息。城下町散策や酒蔵見学へとつなげられます。
【車・1日】広域ルート:鳥海山をぐるり一周
9:00 由利本荘(法体の滝)→ にかほ市(元滝伏流水)→ 山形県遊佐・酒田(鳥海ブルーライン方面)→ 由利本荘へ
①法体の滝(60分)→ 鳥海山北麓の名瀑からスタート。ジオパークの大地を実感できます。
② にかほ市の元滝伏流水(60分)→ 鳥海山の湧き水が苔むした岩肌を流れ落ちる、涼やかな名所です。
③ 山形県の遊佐町・酒田市側(半日)→ 鳥海山を挟んだ南側の景色は表情がまるで違い、同じ山とは思えません。
④ 鳥海山・飛島ジオパークは由利本荘市・にかほ市・酒田市・遊佐町で構成されており、県境を越えて一つの大地を体感できるルートです。
ここまで見てきたとおり、見どころが少し離れた場所に点在していることもあります。気になるスポットをまとめて回るなら、レンタカーがあると一気に動きやすくなりますよ。料金は会社や時期でけっこう変わるので、まとめて比較できるサイトでサッと見ておくのがおすすめです。
【エアトリ
】でレンタカーをまとめて比較する
そして遠方から訪れるなら、思いきって一泊するのもおすすめです。日帰りでは通り過ぎてしまう夜や朝の時間に、その町ならではの静けさや表情に出会えます。お祭りやイベントの時期は宿が一気に埋まるので、早めの確保が安心ですよ。
【じゃらんnet
】でこのエリアの宿を探す
由利本荘市の年間イベント

由利本荘市のイベントは、春の桜、夏の花火、秋の手まりと紅葉、冬の高原あそびと、季節ごとに顔が変わります。城下町の伝統行事から高原のアクティビティまで幅が広いので、旅の時期に合わせて狙いを定めてみてくださいね。
春〜夏:桜と花火の季節
春にぜひ見てほしいのが、本荘公園の本荘さくらまつり。例年4月中旬ごろ、約1,000本のソメイヨシノが咲き、夜のライトアップも楽しめます(出典:由利本荘市観光協会)。
夏の主役は本荘川まつり花火大会。毎年7月下旬に、子吉川河川敷の友水公園(ボートプラザアクアパル前)で開かれます(出典:由利本荘市観光協会)。約3,000発の花火に加え、子吉川をまたぐナイアガラや灯籠流しが見どころ。川面に映る光が二重に夜空を彩る、夏の夜のごちそうですよ。
秋:手まりと紅葉の季節
秋の名物が全国ごてんまりコンクール。1970年に始まった歴史ある催しで、毎年10月に文化交流館カダーレや鶴舞会館などを会場に、全国の愛好者が作った色鮮やかな手まりが並びます(出典:由利本荘市公式ウェブサイト)。手のひらサイズの緻密な世界に、思わず時間を忘れます。
同じころ、鳥海町では法体の滝 紅葉まつりが毎年10月中旬から下旬に法体園地で開かれます(出典:由利本荘市公式ウェブサイト)。燃えるような紅葉に包まれた滝は、この時期だけの絶景です。
冬:雪国の暮らしと高原あそび
冬は南由利原の高原が遊び場になります。青少年旅行村ではスノーモビルや歩くスキー、雪合戦やかまくらづくりを楽しめ、雪国ならではの一日を過ごせます(出典:由利本荘市観光協会)。
矢島地区では冬に「矢島冬まつり・酒蔵開放」が行われ、蔵元の酒に出会える楽しみもあります。凍てつく1月ごろには、新山神社で若者たちが冷水をかぶって山を駆け上がる勇壮な裸参りも受け継がれています。雪と湯気と掛け声が立ちのぼる、冬の由利本荘の風物詩です。
由利本荘市のエリア別の顔

由利本荘市は、2005年に合併した旧1市7町がそのまま8つの地域(本荘・矢島・岩城・由利・西目・鳥海・東由利・大内)となっており、それぞれに総合支所が置かれています(出典:由利本荘市公式ウェブサイト)。旅の視点で見ると、海辺・城下町・高原と表情がはっきり分かれます。ここでは主要な5つのエリアの顔を紹介します。
本荘エリア──市の玄関口、子吉川と桜の中心地
羽後本荘駅を中心にした市街地で、本荘公園の桜、文化交流館カダーレ、夏の川まつり花火大会と、旅の起点にちょうどいいエリアです。本荘うどんの店も点在しています。まず町の空気をつかみたいときに歩くのがおすすめですよ。
岩城エリア──日本海とロケットの海辺、亀田の城下町
道川海岸のロケット発祥記念之碑や、日本海に面した道の駅岩城、旧亀田藩の城下町を再現した天鷺村が集まる海側のエリアです。夕日ドライブと歴史散歩を組み合わせたい人にぴったり。海風を感じながらのんびり過ごせます。
矢島エリア──鳥海山ろくの終着、酒蔵の城下町
由利高原鉄道の終点・矢島駅があり、旧矢島藩の城下町の風情と地酒の蔵元が残るエリアです。鳥海山矢島口の登山口もここ。鉄道旅や登山、酒蔵巡りを楽しみたい人に向いています。駅カフェでの一服も旅情を誘います。
鳥海エリア──法体の滝と鳥海高原の別天地
市の南端、鳥海山の懐にあたるエリアで、法体の滝や鳥海高原、猿倉温泉が点在します。紅葉や登山、静かな山あいの温泉を目当てにする人向け。市街地とは気温も景色もがらりと変わる、避暑にも紅葉狩りにもいい別天地です。
里山エリア(大内・由利・西目・東由利)──高原と道の駅ののどかな内陸
南由利原の高原、西目のりんご畑や道の駅にしめ、東由利の温泉など、里山ののどかさが魅力のエリアです。ドライブしながら道の駅を巡り、地元の野菜や果物を味わうのに向いています。あちこちに湧く水と田園風景に、心がほどけていきますよ。
由利本荘市の気候・季節の暮らし

由利本荘市の中心部(本荘)の年平均気温はおよそ12℃、年間降雪量は約315センチで、真冬日は年に4〜5日ほどです(出典:気象庁)。日本海側の雪国ですが、東北の内陸ほど気温は下がりません。ただし市域は広く、海沿いと山あいで冬の表情がまるで違うんですよ。
夏──7月〜8月の暮らし
夏は真夏日が年に20日あまりで、猛暑日は年に1日程度と、比較的過ごしやすい方です(出典:気象庁)。子吉川の川風や日本海の海風が入り、夕方には涼しくなります。7月下旬の花火大会や海水浴と、水辺で過ごす季節ですよ。
秋──9月〜11月の暮らし
秋は鳥海山ろくの紅葉が主役になります。10月中旬から下旬にかけて、法体の滝や鳥海高原が赤や黄色に染まります。朝晩の冷え込みが増して、そろそろ暖房やタイヤ交換の準備を始める時季でもあります。空気が澄んで鳥海山がくっきり見える日が増えてきますよ。
冬──12月〜3月の暮らし
冬は市全域が豪雪地帯で、旧矢島・鳥海・東由利は特別豪雪地帯に指定されています。海沿いの本荘地域の最深積雪はおよそ42センチですが、山あいの矢島地域では約113センチと差が大きくなります(出典:由利本荘市公式ウェブサイト)。雪かきや冬タイヤは必需品ですが、その分、酒蔵開放や高原の雪あそびといった冬ならではの楽しみもあります。
春──4月〜6月の暮らし
春は本荘公園の桜から始まります。4月中旬には約1,000本のソメイヨシノが咲き、雪解けの鳥海山を背景にした花見が楽しめます。日本海側らしく風の強い日もありますが、田んぼに水が張られ、里山が一気に色づく気持ちのいい季節ですよ。
由利本荘市の移住・暮らし情報

由利本荘市は、羽後本荘駅を中心とした市街地に生活機能が集まり、少し車を走らせれば海も山も高原もある町です。買い物・医療・教育がひととおりそろい、家賃も手ごろなので、地方移住の現実的な選択肢になりますよ。ここでは暮らしの視点で見ていきます。
通勤・通学
市内の勤め先に通う人が多く、市外へは県都の秋田市方面へ通勤する人もいます。羽後本荘駅から秋田駅までは羽越本線でおよそ40〜50分、特急いなほなら30分台です(出典:JR東日本)。車通勤が中心の町なので、通勤導線は道路事情に左右されます。
住宅環境
賃貸はアパートの2LDK・3DKでおよそ6万円前後、単身向けの1K・1DKでおよそ4万円前後と、全体に4万〜6万円台が中心です(出典:SUUMO)。石脇・川口・中梵天など羽後本荘駅周辺に物件が多く、駅徒歩圏の部屋も見つかります。都市部に比べると、同じ家賃で広い部屋に住めるのがうれしいところです。
買い物環境
羽後本荘駅周辺にはスーパーやドラッグストア、ロードサイド店が並び、日常の買い物はほぼ市内で完結します。大きな買い物や専門店を求めるなら、車で秋田市方面へ足を延ばす人も。海沿いや山あいの地域では、道の駅が新鮮な地元食材の買い場になっています。
子育て・教育
市内には小・中・高校がそろい、少人数ならではのきめ細かい環境で子育てができます。市は空き家バンクや移住体験住宅、奨学金返還助成などの支援を移住支援課がワンストップで案内しています(出典:由利本荘市公式ウェブサイト)。本荘地区には秋田県立大学の本荘キャンパスもあり、学生の姿もある町です。
医療環境
中核となるのは、川口にある由利本荘市・にかほ市の医療圏をカバーする由利組合総合病院です。病床数は399床、24の診療科を持つ救急告示病院で、いざというときの安心につながります(出典:JA秋田厚生連)。市内には診療所も点在し、日常の通院はしやすい環境です。
エリア別の暮らし視点
羽後本荘駅を中心とした本荘エリアが最も生活利便が高く、買い物も通勤もしやすい町なかです。岩城や西目の海沿いは静かで開放的、矢島や鳥海の山あいは雪は多いものの自然が近い暮らしになります。利便性を取るか、自然の近さを取るかで住むエリアを選ぶといいですよ。
由利本荘市へのアクセス

由利本荘市は日本海沿いにあり、鉄道・車・空港のいずれでもアクセスできます。県都の秋田市とは20〜60キロメートルの圏内で、秋田市経由で入るのが基本ルートです(出典:由利本荘市公式ウェブサイト)。
車でのアクセス
秋田市中心部からは国道7号や日本海東北自動車道で40分〜1時間ほど、本荘ICが市街地の玄関口です。市域が広いので、観光でも移住の下見でも、車があると動きやすいですよ。冬場は雪道になるため、時間に余裕をもった運転が安心です。
鉄道+バスでのアクセス
中心駅は羽後本荘駅で、JR羽越本線と由利高原鉄道の接続駅です。特急いなほが停車します(出典:JR東日本)。秋田駅からは羽越本線でおよそ40〜50分。駅からの二次交通は羽後交通の路線バスや市の循環バスが担っています(出典:羽後交通株式会社)。
飛行機でのアクセス
最寄りの空港は秋田空港で、東京(羽田)からは飛行機でおよそ1時間です。秋田空港から由利本荘市の中心部までは車で約1時間ほど。遠方から来る場合は、空港でレンタカーを借りて市内へ向かうのが動きやすいです。
町内移動の現実的アドバイス
市域は東西約32キロ・南北約65キロと広く、鉄道やバスの本数は都市部ほど多くありません。海沿いから鳥海高原まで一日で巡るなら、車を使うのが現実的です。鉄道旅を楽しむなら、由利高原鉄道沿線に的をしぼって回るのがおすすめですよ。
交通手段ごとに見てきましたが、「結局いちばん安く行くにはどうすれば?」と迷う方も多いはず。飛行機で向かうなら、航空券は予約のタイミングや会社によって料金が大きく変わります。複数の航空会社・LCCをまとめて比較できるサイトで、いちど最安値をチェックしておくと安心ですよ。
【トラベリスト】
で航空券をまとめて比較する
【地元住民に直撃!】由利本荘市の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。
山で木を伐り出す仕事をしています。この由利本荘市は面積の大半が山林で、鳥海山ろくの森は昔から暮らしを支えてきました。
冬は雪との闘いですが、間伐した木が家具や建材になって世に出ていくのを見ると、やっぱりこの土地の仕事だなと思います。地味ですけど、誇りを持っていますよ。
Q2.由利本荘市に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?
まずは鳥海山ろくの法体の滝ですね。三段に落ちる白い水と紅葉のコントラストは、観光の目玉として胸を張れます。
地元の人間としては、道川海岸も外せません。日本のロケットが最初に飛んだ砂浜で、何もない静けさの中に立つと、時間の流れが違って感じられるんですよ。夕日もきれいです。
Q3.由利本荘市でお土産を買うとしたらなんですか?
定番なら、鳥海山の伏流水で仕込んだ地酒ですね。市内に蔵がいくつもあって、外の人にも喜ばれます。
地元ならではで言うと、色鮮やかな手まりの「ごてんまり」。飾りものですが、この土地の顔みたいなものです。あとは秋田由利牛。鳥海山ろくで育った牛は、贈ると間違いなく話が弾みますよ。
Q4.外から人が来たときに、由利本荘市でまず連れていく店はどこですか?
気取らず、昔ながらの手打ちうどんの店に連れていきます。天然の水で打った太めの麺は、コシがしっかりしていて、この町の味なんですよ。
あとは秋田由利牛を出す焼肉屋ですね。脂に甘みがあって、山仕事帰りに食べると力が湧きます。まずは腹ごしらえ、それからゆっくり景色を見せる。それが私の流れです。
Q5.由利本荘市はどんな気質だと思いますか?
口数は多くないけれど、芯の強い人が多いですね。もともと三つの城下町がひとつになった市なので、地域ごとに違う誇りがあります。
雪深い土地で助け合ってきたからか、いざとなると身内みたいに世話を焼く。とっつきにくく見えても、一度懐に入ればとことん面倒を見てくれる。そういう温かさがありますよ。
Q6.昔に比べて、由利本荘市の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?
正直、人は減りましたね。若い人が仕事を求めて外へ出て、山の担い手も年々少なくなっている。これは隠さず言わないといけない現実です。
ただ、市民が集える交流の場が整い、子育て世代の移住も少しずつ増えてきました。市長も林業や自然を活かした町づくりに力を入れていて、暗い話ばかりではないんですよ。
Q7.由利本荘市のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?
鳥海山ろくでは大きなダムの工事が進んでいて、水と暮らしの新しい拠点になるんじゃないかと期待しています。
個人的には、市の面積の大半を占める森をもっと活かしてほしい。木のおもちゃで子どもが遊ぶ取り組みのように、山の恵みが次の世代につながっていく。運動公園や水源のある里山と一緒に、この自然を守り育てたいですね。

