丸森町(まるもりまち)は、宮城県の最南端に位置し、福島県側へ突き出すような形をした人口10,363人の町です。町域の約7割が山林で、北部を東北第二の大河・阿武隈川が流れています。
丸森町の魅力を5つに凝縮すると、こうなります:
- ✅ 猫神さま──養蚕の守り神として祀られた猫の石碑が80基以上、その数は日本一
- ✅ 阿武隈ライン舟下り──宮城県で唯一、阿武隈川の渓谷を屋形船で下れる
- ✅ 齋理屋敷(さいりやしき)──七代続いた豪商の蔵屋敷で、登録有形文化財12棟
- ✅ へそ大根・ころ柿──寒暖差が育む筆甫(ひっぽ)・耕野(こうや)の山里の味
- ✅ 2019年の台風19号からの復興が進む、阿武隈川の町
「ねこ好き」「養蚕や民俗信仰に興味がある人」「川と山あいの静かな里をのんびり旅したい人」に特におすすめの町です。本記事では、観光・歴史・文化・特産まで、丸森ならではの「顔」を地元目線で紹介していきます。
| 人口 | 10,363 人 ※2026年5月1日時点(推計人口) |
|---|---|
| 面積 | 273.30 km² |
| 人口密度 | 37.9 人/km² |
地理的には、北は角田市、西は白石市、東は亘理郡山元町と接し、南西から南東にかけては福島県の伊達市・相馬市・相馬郡新地町と県境を接しています(出典:丸森町公式サイト)。総面積273.30km²のうち約7割が山林という、盆地状の地形が特徴です。
鉄道は阿武隈急行線が町内を通り、丸森駅から仙台駅へは約1時間、福島駅へは約50分。車では常磐自動車道・新地ICから約25分でアクセスできます。猫・川・養蚕と、小さな町に独特の見どころが詰まっています。ひとつずつ見ていきましょう。
丸森町の推しポイント

丸森町といえば、まず思い浮かぶのが「猫神さま」。かつて養蚕が盛んだったこの町で、蚕を守る猫が信仰の対象になりました。さらに、宮城県唯一の阿武隈ライン舟下り、豪商の蔵屋敷齋理屋敷、山里の保存食といった見どころが続きます。それぞれ深掘りしていきますね。
推しポイント1:日本一の「猫神さま」
町内のあちこちに、猫のシルエットや「猫」の文字を刻んだ石碑が点在しています。これが猫神さま(猫碑)。研究者の調査で町内の数は80基を超え、日本一とされています(出典:宮城県観光連盟)。
養蚕の大敵であるネズミから蚕や繭を守る存在として、猫が神格化されたのが起源と考えられています。なぜ丸森にこれほど多いのかは、今も解明されていないそうですよ。
推しポイント2:阿武隈ライン舟下り
阿武隈川の舟運の名残を伝えるのが阿武隈ライン舟下り。宮城県内で唯一、舟下りができるスポットです(出典:阿武隈ライン舟下り公式サイト)。
四季折々の渓谷美を、屋形船からゆったり眺められます。秋には紅葉を見ながら芋煮を味わう「いも煮舟」、冬にはこたつを乗せた「こたつ舟」が登場。寒い日にこたつでぬくぬくしながらの舟下りなんて、なかなか味わえないですよね。
推しポイント3:齋理屋敷
江戸後期から昭和初期にかけて、呉服・太物の商いや味噌・醤油の醸造などで七代にわたり栄えた豪商・齋藤家の屋敷が齋理屋敷(さいりやしき)です。歴代当主が「齋藤理助」を名乗ったことから「齋理」と呼ばれています。
2011年1月には、12の建造物が国の登録有形文化財に登録されました(出典:丸森町観光案内所)。門をくぐると、大正時代の暮らしぶりがそのまま残る空間が広がっています。
推しポイント4:山里の保存食「へそ大根」と「ころ柿」
標高300〜500mの山あいにある筆甫(ひっぽ)地区や耕野(こうや)地区では、昼夜の寒暖差を生かした保存食づくりが今も続いています。輪切りの大根を干したへそ大根、軒先につるすころ柿(干し柿)は、冬の風物詩です。
どちらも、丸森の厳しい寒さがあってこそ生まれる味。詳しくは特産品のセクションでたっぷり紹介しますね。
推しポイント5:阿武隈川と2019年台風からの復興
2019年(令和元年)10月12日、令和元年東日本台風(台風19号)で阿武隈川の支流堤防が決壊し、町内は大きな浸水被害を受けました。11人の死者・行方不明者が出たことから、町は翌年、10月12日を「鎮魂の日」と定めています。
現在は復旧・復興が進み、川とともに生きる町の暮らしが戻りつつあります。猫神さまをかたどった大きなピザ窯「ねこ窯様」も、復興のシンボルとして親しまれています。
丸森町の歴史

丸森の歴史は、大きく三つの時代で捉えられます。戦国期には伊達氏の城が築かれた軍事の要衝でした。江戸から明治・昭和初期にかけては阿武隈川の舟運と養蚕で繁栄しました。そして現代は、2019年の水害を乗り越え、復興の歩みを進めています。古くから人と川が深く結びついてきた町です。
戦国期──伊達氏の城が築かれた要衝
町内には陸奥金山城や丸森城などの城跡が残っています。小斎(こさい)地区は、伊達政宗の初陣の主戦場として知られる場所です。福島県側に突き出した地形のため、仙台藩にとって南の防衛の要となっていました。
江戸〜昭和初期──舟運と養蚕で栄える
江戸時代の丸森は仙台藩領で、阿武隈川の舟運の拠点として発展しました。年貢米に始まり、明治以降は木材や木炭、石材などが舟で運ばれ、舟運は昭和の初めまで続きました。
齋理屋敷の齋藤家が呉服商を始めたのは1804年(文化元年)のこと。やがて養蚕へと事業を広げ、生糸の相場で財を成しました(出典:丸森町観光案内所)。養蚕は町全体に広がり、昭和初期には町内で2,100戸を超える養蚕農家がいたとされています。
現代──台風19号と「鎮魂の日」
2019年10月の台風19号は、丸森町に甚大な被害をもたらしました。阿武隈川支流の堤防が決壊し、町役場周辺まで浸水して一時孤立する事態となりました。
町はこの災害を忘れないため、発災日の10月12日を「鎮魂の日」と定めました。災害の記憶を語り継ぎながら、町の復興は着実に進んでいます。
丸森町の文化・風習

方言と話し方の特徴
丸森町で話される言葉は、仙台藩の言葉をルーツとする仙台弁系の方言です。県南部にあたるため、やわらかく親しみのある響きが特徴ですよ。地元の人が使う言葉をいくつか紹介しますね。
たとえばいずい(しっくりこない・違和感がある)は、宮城を代表する方言。服のタグが首にあたるときや、靴に小石が入ったときなどに使います。おらほ(私たちの地域・うちのあたり)も日常的に登場する言葉です。
ほかにもめんこい(かわいい)、ごしゃがれる(怒られる)、語尾につける〜っちゃなど。耳にすると、なんだかほっとする温かさがありますよね。
食卓と季節の暮らし
丸森は「暑くて寒い町」。夏は最高気温が35℃を超え、冬は最低気温が-10℃を下回ることもあります。この大きな寒暖差が、農作物のおいしさをぎゅっと閉じ込めてくれるんです。
冬になると、家々の軒先にころ柿がつるされ、寒風のなかでへそ大根が干される光景が広がります。戻したへそ大根を煮しめにして、こたつでいただく──そんな山里らしい食卓が、今も季節とともにあります。
猫とともにある町の気質
猫神さまの町だけあって、丸森には猫を大切にする空気が流れています。毎年2月、猫の日(2月22日)にあわせて猫神祭(ねこがみさい)が開かれ、2026年で5回目を迎えました(出典:宮城県観光連盟)。
御朱印の頒布や猫神さまめぐりの散策など、町ぐるみで楽しむお祭りです。古くから猫に感謝してきた人々の気質が、こうした行事に受け継がれているんですね。
丸森町の特産品・食

特産品1:へそ大根
丸森を代表する保存食がへそ大根。輪切りにした大根を茹でてから串に刺し、1か月ほど寒風で干した凍み大根です。串の跡が「おへそ」のように見えることから、この名がつきました。
主産地は標高300mを超える筆甫(ひっぽ)地区。夜に凍り、昼に解けるのを繰り返すことで、天然のフリーズドライ状態になります。旬は冬。40℃ほどのぬるま湯で戻し、たけのこや凍み豆腐と一緒に煮しめにするのが定番です。出汁を吸ってふくらんだへそ大根の、ギュッとした歯ごたえがクセになりますよ。焼酎「黒霧島」のCMに登場して全国的に知られるようになりました。
特産品2:ころ柿(干し柿)
秋から冬にかけての特産がころ柿。大粒の「蜂谷柿(はちやがき)」を使った、ぽってりとふくよかな干し柿です。耕野(こうや)地区が産地として知られています。
とろけるような自然の甘さが特徴で、11月頃には家々の軒下に柿がずらりとぶら下がる、丸森らしい秋の風景が見られます。硫黄で燻蒸した鮮やかなオレンジ色のものも、昔ながらの燻さないタイプも、それぞれに人気なんですよ。
特産品3:たけのこ
春を代表する味覚が、耕野地区のたけのこ。やわらかく、えぐみが少ないのが自慢で、毎年ゴールデンウィークの頃には「耕野たけのこ祭り」も開かれます。
採れたてを煮物や炊き込みご飯にすると、香りとシャキッとした食感がたまりません。山の恵みがそのまま味わえる、春のごちそうです。
特産品4:えごま
寒暖差の大きい気候を生かして、えごまの栽培も盛んです。えごま油やえごまドレッシング、えごまの実といった加工品が、地元の直売所などで販売されています。
香ばしい風味と栄養価の高さから人気の食材。地元の直売所では、えごまを使ったパンやシュークリームといった手づくりスイーツに出会えることもありますよ。
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丸森町の観光スポット

丸森町を旅するなら、まず押さえたいのが阿武隈川沿いの町なかです。豪商の蔵屋敷、川を下る屋形船、そして町中に点在する猫神さま。さらに少し足をのばせば、阿武隈渓谷の自然のなかでサウナやキャンプも楽しめます。歴史・川・猫・自然と、テーマごとにめぐるのがおすすめですよ。
歴史と町なかを感じるスポット
- 蔵の郷土館 齋理屋敷 – 七代続いた豪商・齋藤家の蔵屋敷で、国の登録有形文化財12棟が残ります。開館は9:30から、休館日は月曜(祝日の場合は翌日)で、入館料は企画展により異なります(出典:蔵の郷土館 齋理屋敷公式サイト)。門をくぐると、大正ロマンの空気がそのまま残る座敷や蔵が広がっていて、ゆっくり歩くだけでタイムスリップした気分になれますよ。
- まるもりふるさと館 – 縄文・弥生の出土品から阿武隈川の舟運資料、伊達政宗ゆかりの品まで、町の歩みを時代ごとにたどれる資料館です。猫碑めぐりの解説本もこちらで手に入ります。旅のはじめに立ち寄ると、町の見どころが立体的に見えてきます。
阿武隈川と自然を楽しむスポット
- 阿武隈ライン舟下り – 宮城県内で唯一、阿武隈川の渓谷を屋形船で下れるアクティビティです。丸森町観光交流センター発着で、乗船料金は大人2,500円(出典:宮城県観光連盟)。秋は紅葉を眺めながらの「いも煮舟」、冬はこたつを乗せた「こたつ舟」が登場します。川面をすべるように進む舟から見上げる奇岩や紅葉は、ここでしか味わえない景色なんですよ。運行状況は阿武隈ライン舟下り公式サイトで確認できます。
- 不動尊公園キャンプ場 – 阿武隈渓谷県立自然公園内にある通年営業のキャンプ場で、コテージや貸切のテントサウナ「MARUMORI-SAUNA」、カフェ「MORI+」を併設しています(出典:不動尊公園キャンプ場公式サイト)。場内には内川のせせらぎが流れ、サウナのあとに自然のなかでととのう時間は格別。Wi-Fiも完備していて、ワーケーションにも向いています。
猫神さまにまつわるスポット
- 猫神さま(猫碑) – 養蚕の守り神として祀られた猫の石碑が、町内に80基以上点在しています。その数は日本一とされ、なかでも大内地区に多く集まっています(出典:宮城県観光連盟)。観光案内所では「猫神さま小道さんぽ」のガイドも用意されているので、町歩きしながら一基ずつ探すのが楽しいですよ。
丸森町の観光ルート

丸森は、町なかをぎゅっとめぐる1日コースから、山里の特産地をたどる半日コース、福島県側まで足をのばす広域コースまで、いろんな組み立て方ができます。阿武隈急行線の丸森駅を起点に、車での動き方を中心にご紹介しますね。
【車・1日】町なか満喫ルート
9:30 丸森駅 → 9:35 齋理屋敷(車5分) → 11:00 阿武隈ライン舟下り → 12:30 まるもり食堂で昼食 → 14:00 猫神さま小道さんぽ → 15:30 不動尊公園キャンプ場
①齋理屋敷(約90分)
→ 開館直後の静かな時間に、蔵と座敷をじっくり。朝のやわらかい光が差す座敷がいちばん絵になります。
②阿武隈ライン舟下り(約70分)
→ 川風を受けながら渓谷をめぐります。お昼前の便は光がきれいで、写真も撮りやすいですよ。
③まるもり食堂(約60分)
→ 観光交流センター内で、名物の椎茸ラーメンを。舟下りの余韻にひたりながらの一杯がうれしいです。
④猫神さま小道さんぽ(約90分)
→ 町なかに点在する猫碑を歩いて探します。午後のやわらかな日差しのなか、のんびり巡るのが似合います。
⑤不動尊公園キャンプ場(約90分)
→ 旅の締めにサウナとカフェでリラックス。夕方の渓谷は空気が澄んでいて、心までほどけます。
【車・半日】猫神さまと直売所ルート
10:00 丸森駅 → 10:20 大内地区(車20分) → 11:30 いきいき交流センター大内 → 13:00 齋理屋敷
①大内地区の猫神さま(約60分)
→ 町内でいちばん猫碑が多いエリア。集落のあちこちにたたずむ石碑を探すと、養蚕の里の暮らしが見えてきます。
②いきいき交流センター大内(約60分)
→ 地場産の野菜や、えごまを使った手づくりパン・スイーツが並ぶ直売所。季節の山の幸が買えるのが楽しいです。
③齋理屋敷(約90分)
→ 半日の締めに豪商の蔵屋敷へ。午後の落ち着いた光のなかで、ゆっくり時間旅行を楽しめます。
【車・1日】山里の特産地めぐりルート
9:30 丸森駅 → 10:10 耕野地区(車40分) → 11:30 筆甫地区 → 13:30 金山地区 → 15:00 小斎地区
①耕野(こうや)地区(約80分)
→ 春はたけのこ、秋から冬はころ柿の里。軒先に柿がつるされる季節の風景は、ここでしか見られません。
②筆甫(ひっぽ)地区(約90分)
→ 標高300mを超える山あいの集落。冬は軒先でへそ大根が干され、澄んだ空気のなかに山里の暮らしが息づいています。
③金山地区(約60分)
→ 戦国期の陸奥金山城があった一帯。山あいの城跡からは、伊達の南の守りだった頃の面影がしのばれます。
④小斎(こさい)地区(約60分)
→ 伊達政宗の初陣の主戦場として知られる地。物見櫓からは阿武隈川や水田が見渡せ、旅の締めにぴったりです。
ここまで見てきたとおり、見どころが少し離れた場所に点在していることもあります。気になるスポットをまとめて回るなら、レンタカーがあると一気に動きやすくなりますよ。料金は会社や時期でけっこう変わるので、まとめて比較できるサイトでサッと見ておくのがおすすめです。
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丸森町の年間イベント

丸森町のイベントは、季節ごとに表情が変わります。初夏には東北屈指の「いち」でにぎわい、夏は絵とうろうの灯りに包まれ、冬は猫の日に町じゅうが猫一色に。どれも町の暮らしや歴史と結びついた、丸森らしいお祭りなんですよ。
春〜初夏:全国丸森いち
毎年5月に、丸森町役場前周辺で開かれる町最大のイベントが「全国丸森いち」です。昭和47年(1972年)から続く東北屈指の「いち」で、2026年で第53回を迎えました(出典:宮城県観光連盟)。
会場には仙南地域各市町の特産品コーナーや飲食店、キッチンカーがずらりと並びます。植木や種苗の出店、伝統のミニ上棟式、ステージイベントもあって、家族で1日中楽しめる熱気にあふれていますよ。
夏:齋理幻夜
丸森の夏の風物詩が「齋理幻夜(さいりげんや)」。齋理屋敷とその周辺を舞台に、例年8月上旬に開かれる一夜限りのお祭りです(出典:丸森町観光案内所)。
町の人たちが手づくりした約1,000基の絵とうろうに火が灯り、屋敷一帯が幻想的な光に包まれます。子どもや一般の人が描いた灯ろうの素朴なあたたかさと、太鼓やよさこいの躍動感。静と動が溶け合う夜は、浴衣で訪れたくなる特別な時間です。
冬:猫神祭と「こたつ舟」
2月22日の「猫の日」にあわせて開かれるのが「猫神祭(ねこがみさい)」。2026年で第5回を迎え、御朱印の頒布や猫神さまめぐりなど、町ぐるみで猫に感謝するお祭りです(出典:宮城県観光連盟)。
同じ冬の時期には、阿武隈ライン舟下りの「こたつ舟」も運航しています。あたたかいこたつに入りながら、雪景色の渓谷を下る体験は、寒い季節ならでは。冷えた体に、舟で味わうしし鍋がしみますよ。
丸森町のエリア別の顔

現在の丸森町は、昭和29年(1954年)に2町6村が合併して生まれた町です(出典:丸森町公式サイト)。そのため、今も地区ごとに違った顔を持っています。町なか、猫神さまの里、特産地、城跡の里──旅の目的に合わせて、めぐるエリアを選んでみてくださいね。
丸森エリア──齋理屋敷と舟下りの町なか
阿武隈川沿いに広がる町の中心部で、観光の起点になるエリアです。齋理屋敷、舟下りの発着場、観光交流センターが徒歩圏に集まっています。
まずどこへ行くか迷ったら、このエリアから。町なかを歩きながら猫神さまを探すのにも向いていますよ。
大内エリア──猫神さまが一番多い里
町内でもっとも猫碑が集まる、養蚕の里の面影が残るエリアです。集落の道沿いに猫神さまが点在しています。
直売所「いきいき交流センター大内」もあり、猫神さまめぐりと地元グルメをあわせて楽しみたい人にぴったりです。
耕野エリア──たけのこところ柿の山里
阿武隈川の対岸に広がる山あいのエリアで、春のたけのこ、秋から冬のころ柿の産地として知られています。
季節の特産を味わいたい人や、軒先に柿が並ぶ里山の風景を写真に収めたい人におすすめのエリアです。
筆甫エリア──へそ大根の隠れ里
町の中心部から南へ車で20分ほど、標高300mを超える山あいにある「宮城の隠れ里」と呼ばれるエリアです。冬の保存食・へそ大根の本場です。
軒先で大根が干される冬の風景は、ここでしか出会えないもの。静かな山里をのんびり旅したい人に向いています。
金山・小斎エリア──城跡が語る伊達の歴史
戦国期に陸奥金山城が築かれた金山地区と、伊達政宗の初陣の地として知られる小斎地区。福島県側に突き出した、歴史の要衝だったエリアです。
城跡や物見櫓から町を見下ろせば、南の守りを担った頃の丸森が想像できます。歴史好きの人にこそ歩いてほしいエリアです。
丸森町の気候・季節の暮らし

丸森町は、山々に囲まれた盆地状の地形で、一年の寒暖差がとても大きい町です。年平均気温は12.2℃、1月の平均気温は1.3℃、8月は24.0℃です(出典:気象庁)。夏は暑く冬は冷え込む、この落差こそが農作物のおいしさを生む土地柄なんですよ。
夏──6月〜8月の暮らし
夏はしっかり暑くなる町です。平年で真夏日が27.7日、猛暑日も2.0日あり、過去には37.6℃(2015年7月)を記録しています(出典:気象庁)。
盆地特有の蒸し暑さがあるので、夏の日中は冷房が頼りになります。一方で阿武隈川のせせらぎや山あいの夜は涼しく、川遊びやキャンプが気持ちいい季節です。
秋──9月〜11月の暮らし
秋は阿武隈渓谷が色づき、舟下りやハイキングがいちばん映える季節です。朝晩は冷え込みはじめ、軒先にころ柿がつるされる風景が町のあちこちで見られます。
日中はまだ過ごしやすく、紅葉と特産の柿を楽しめる、いちばん旅心地のいい時期かもしれませんね。
冬──12月〜2月の暮らし
冬は冷え込みが厳しく、平年で冬日(最低気温0℃未満)が108.7日もあります。過去には-16.7℃(1990年2月)まで下がったこともあります(出典:気象庁)。
ただし真冬日(最高気温0℃未満)は平年で0.8日とごくわずか。朝はぐっと冷え込んでも日中は0℃以上に上がる日が多く、豪雪地帯ではありません。この昼夜の寒暖差が、へそ大根づくりに欠かせない気候なんですよ。朝の凍てつく空気と、日中のやわらかな日差しが同居する冬です。
春──3月〜5月の暮らし
春は桜とともに、耕野地区のたけのこが旬を迎えます。山々が萌黄色に包まれ、阿武隈川沿いを歩くのが心地よい季節です。
5月には町最大のイベント「全国丸森いち」も開かれ、町がいちばん活気づく時期。冬の寒さが緩むと、一気に外へ出かけたくなりますよ。
丸森町の移住・暮らし情報

丸森町は、自然のなかでゆったり暮らしたい人に向いた町です。人口は10,363人と小さな町ですが、移住・子育て支援に力を入れていて、相談窓口や補助金も整っています。ここでは「住む現実」を、項目ごとに見ていきましょう。
通勤・通学
町内には阿武隈急行線が通り、丸森駅から福島方面・仙台方面へ通勤・通学する人がいます。福島市へは阿武隈急行で直通、仙台市へは槻木駅で東北本線に乗り換えるルートが一般的です。
車通勤も多く、隣接する角田市や白石市の職場へ通う人も少なくありません。山あいの地区から中心部へは車移動が基本になります。
住宅環境
丸森駅周辺の賃貸物件の家賃相場は、ひと月およそ5万円台が一つの目安です(出典:SUUMO)。ただし賃貸物件の数自体は多くないため、空き家の活用も選択肢になります。
町では空き家のマッチングや、住宅取得・リフォーム、空き家改修への補助金を用意しています(出典:丸森町公式サイト)。移住相談は「まるもり移住・定住サポートセンター(じゅーぴたっ)」が窓口です。
買い物環境
日常の買い物は、丸森地区の中心部にあるスーパーや商店が中心になります。各地区には「いきいき交流センター大内」のような直売所もあり、地場野菜や手づくり品が手に入ります。
まとまった買い物は、車で角田市や白石市まで足をのばす人が多いです。山里暮らしでは、車があると生活の幅がぐっと広がります。
子育て・教育
町は子育て支援に力を入れていて、新生児聴覚検査費用の助成、一時保育利用料の助成、高校生への町産米の提供、阿武隈急行線の通学定期・乗車券購入費の補助などを行っています(出典:丸森町公式サイト)。
教育環境では、2022年(令和4年)4月に町内5つの小学校が再編され、丸森小学校が開校しました。町立の小・中学校に加え、県立の伊具高等学校があります。少人数で、ゆとりある環境で学べるのが特徴です。
医療環境
町の中核となる医療機関は、町立の丸森町国民健康保険丸森病院です(出典:丸森町公式サイト)。外来は原則予約制で運営されています。
専門的な医療が必要なときは、隣接する角田市や白石市、福島市の病院を利用する人もいます。日常の健康管理は町内、いざというときは近隣都市、という使い分けが現実的です。
エリア別の暮らし視点
中心部の丸森地区は、役場・病院・スーパー・駅が近く、いちばん生活導線がコンパクトなエリアです。はじめての移住で利便性を重視するなら、このあたりが安心です。
耕野・筆甫などの山あいの地区は、自然の近さと引き換えに車が必須になります。静かな環境でのびのび暮らしたい人や、農のある生活を求める人に向いたエリアですよ。
丸森町へのアクセス

丸森町へは、仙台・福島の両方面からアクセスできます。鉄道は阿武隈急行線、車は東北自動車道や常磐自動車道が使えます。町内にインターチェンジはないので、近隣ICからの乗り継ぎが基本です。
車でのアクセス
仙台市からは国道4号・349号で約1時間、福島市からも約1時間です。高速利用なら、東北自動車道・白石ICから約40分、常磐自動車道・新地ICから約25分でアクセスできます(出典:丸森町公式サイト)。
山あいの地区へ足をのばすなら、車があるとぐっと動きやすくなります。観光でも、車があると特産地めぐりが組みやすいですよ。
鉄道+バスでのアクセス
鉄道は阿武隈急行線が便利です。福島駅からは丸森駅まで約50分の直通、仙台駅からは槻木駅で乗り換えて約1時間です(出典:丸森町公式サイト)。
町内の移動には丸森町民バスもあります。観光スポットによっては本数が限られるので、駅からタクシーを併用すると安心です。最新のダイヤや運賃は阿武隈急行株式会社で確認できます。
飛行機でのアクセス
最寄りの空港は仙台空港です。仙台空港から丸森町までは、車でおよそ1時間前後と考えられます。
公共交通なら、仙台空港アクセス線で名取・仙台方面へ出て、阿武隈急行線に乗り継ぐルートになります。レンタカーを借りて南下するのも、現実的な選択肢です。
町内移動の現実的アドバイス
丸森町は約7割が山林という広い町なので、観光でも暮らしでも車があると移動がスムーズです。中心部だけなら鉄道+徒歩でも回れますが、山あいの地区はバス本数が限られます。
レンタカーやタクシーをうまく組み合わせると、行動範囲が一気に広がりますよ。
交通手段ごとに見てきましたが、「結局いちばん安く行くにはどうすれば?」と迷う方も多いはず。飛行機で向かうなら、航空券は予約のタイミングや会社によって料金が大きく変わります。複数の航空会社・LCCをまとめて比較できるサイトで、いちど最安値をチェックしておくと安心ですよ。
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【地元住民に直撃!】丸森町の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。
養蚕をやっています。といっても、今は丸森でも蚕を飼う家はほとんど残っていません。父や祖父の代から続けてきた仕事を、細々とですが守っている感じですね。
あとは、この町に多い猫神さまの石碑を守り伝える活動にも関わっています。蚕を鼠から守ってくれた猫への感謝が、今も町のあちこちに残っているんですよ。
Q2.丸森町に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?
まずは齋理屋敷ですね。七代続いた豪商の蔵屋敷で、門をくぐると大正の空気がそのまま残っている。地元の人間でも、しんとした座敷に座ると背筋が伸びます。
あとは町なかの猫神さま巡り。観光地じゃない路地裾に、ふっと猫の石碑が立っている。あれを探して歩くと、養蚕で生きてきた町なんだと体で分かりますよ。
Q3.丸森町でお土産を買うとしたらなんですか?
定番なら、やっぱり干し柿のころ柿ですね。蜂谷柿を干したぽってり甘いやつで、冬になると軒先にずらっと吊るされる、丸森の秋冬の顔みたいなものです。
地元の人間が推すなら、へそ大根。筆甫の寒さで凍らせて干した大根で、戻して煮しめにすると驚くほど旨味が出る。山里の知恵が詰まった保存食ですよ。
Q4.外から人が来たときに、丸森町でまず連れていく店はどこですか?
阿武隈川沿いの、舟下りの発着場のそばにある食堂ですね。椎茸を効かせたラーメンが名物で、川を眺めながらすするとほっとします。
欲を言えば、地元の直売所にも寄ってほしい。季節の山菜やえごまの加工品が並んでいて、土地の暮らしぶりがそのまま棚に出ているような場所なんです。
Q5.丸森町はどんな気質だと思いますか?
派手さはないけれど、辛抱強くて手を抜かない人が多いと思います。寒暖差の厳しい土地で、時間をかけて柿や大根を干してきた、そういう気質が染みついている。
よそ者に冷たいわけじゃなくて、最初は静かに様子を見て、馴染んだら一気に距離が縮まる。猫を可愛がる町らしく、根っこは優しい人が多いですね。
Q6.昔に比べて、丸森町の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?
正直、人は減りました。養蚕の家も商店も少なくなって、静かになったのは否めません。何年か前の大きな水害も、町には深い傷を残しました。
ただ、阿武隈川の渓谷も水源の山も昔のままで、自然の豊かさは変わらない。猫神さまを掲げた催しに若い人や移住者が関わり始めて、小さな火が灯ってきた気もします。
Q7.丸森町のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?
渓谷の公園にあるキャンプ場が、サウナやカフェを取り入れて少しずつ姿を変えてきています。川のせせらぎの中でととのう、ああいう新しい楽しみ方は嬉しいですね。
あとは猫神さまを軸にした活動に期待しています。日本一の数を持つこの町ならではの宝ですから、それをきっかけに人が訪れ、また町に活気が戻ればと思っています。

