東根市(ひがしねし)は、山形県のほぼ中央・村山盆地に位置する人口47,273人の市です。さくらんぼの最高級品種「佐藤錦」が生まれた町として知られています。
東根市の魅力を5つに凝縮すると、こうなります:
- ✅ 佐藤錦発祥の地──さくらんぼ生産量は全国の市町村で日本一(全国のおよそ2割)
- ✅ 東根の大ケヤキ──樹齢1500年以上、ケヤキとして日本一の巨樹(国の特別天然記念物)
- ✅ 環境省の名水百選「小見川(おみがわ)」──湧水がこんこんと湧く水の里
- ✅ 六田(むた)地区の麩──江戸末期から続く麩づくりの町
- ✅ 山形新幹線「さくらんぼ東根駅」+山形空港+高速ICがそろい、子育て世代が集まる町
「果物や自然が好きな旅行者」「巨木や歴史のロマンにひかれる人」「新幹線・空港・高速が近い便利な移住先を探している人」に特におすすめの町です。序盤では観光・自然の見どころ、そのあと歴史、暮らしや方言、最後に特産と食まで、地元目線で紹介します。
| 人口 | 47,273 人 ※2026年6月1日時点(推計人口) |
|---|---|
| 面積 | 206.94 km² |
| 人口密度 | 228 人/km² |
(出典:東根市公式サイト)
地理的には、南で山形市・天童市、西は最上川をはさんで河北町、北は村山市・尾花沢市、そして東は奥羽山脈の関山峠を越えて宮城県仙台市(青葉区)と接しています。市域の西半分は乱川(みだれがわ)などがつくった扇状地で、東半分は御所山(ごしょざん)へ続く山地です。
新幹線が停まるさくらんぼ東根駅や山形空港、高速道路の東根ICがそろう県内交通の要衝でもあります。果物・水・巨木・歴史と、この一つの市に「日本一」が何本も詰まっています。ひとつずつ見ていきましょう。
東根市の推しポイント

東根市といえば、まずは何といってもさくらんぼ。高級品種「佐藤錦」はこの町で生まれ、市町村別のさくらんぼ生産量は日本一です。それに加えて、校庭にそびえる日本一の大ケヤキ、環境省お墨付きの湧き水、そして新幹線・空港・高速がそろう利便性まで揃っています。ここでは、その中から4つを少し深掘りしていきますね。
推しポイント1:佐藤錦発祥の地──さくらんぼ生産量日本一
さくらんぼの代名詞ともいえる「佐藤錦」は、この東根市で生まれました。山形県全体で全国のおよそ7割を生産していますが、そのなかでも東根市は単独で全国の約2割を占め、市町村別では日本一です(出典:東根市公式サイト)。平成29年には「東根さくらんぼ」が農林水産省の地理的表示(GI)にも登録されています(出典:東根市公式サイト)。町のシンボルは、駅名が「さくらんぼ東根」になるほど徹底しています。
推しポイント2:東根の大ケヤキ──日本一の巨樹
東根小学校の校庭に、樹高およそ28メートル、幹周りおよそ16メートルの巨大なケヤキがそびえています。樹齢は1500年以上と推定され、ケヤキとしては日本一の巨樹といわれ、1957年(昭和32年)に国の特別天然記念物に指定されました(出典:東根市公式サイト)。学校の校庭に日本一の巨木が立っているというのも、なんだか不思議で面白いですよね。根元には空洞があり、くぐると子宝に恵まれるという言い伝えも残っています。
推しポイント3:名水百選「小見川」の湧水地帯
市の西部、大富・羽入(はにゅう)地区は昔から湧き水が豊かな土地です。地蔵池を源とする小見川(おみがわ)は、1985年(昭和60年)に環境省の名水百選に選ばれました(出典:環境省 名水百選)。清流にしかすまない希少な魚イバラトミヨが生息するほど水がきれいで、この水がさくらんぼや麩、わさびといった特産を支えています。
推しポイント4:新幹線・空港・高速がそろう暮らしやすい町
さくらんぼ東根駅には山形新幹線が停車し、市の南西部には山形空港、市街地には東北中央自動車道の東根ICがあります。交通の便がよく、大型商業施設や工業団地の整備も進んだことから、若い世代の移住・定住が増えているのが特徴です。人口構成でも若年層の割合が高く、子育て世代に選ばれる町になっています。
東根市の歴史

東根市の歩みは、扇状地の恵みとともにありました。縄文時代前期には奥羽山脈から流れ出た川がつくる平野に人々が住み始め、中世には荘園と城が置かれます。近世は天領や小さな藩による支配を受け、明治以降の合併を経て、1958年(昭和33年)に市が誕生しました。大きく3つの時代に分けて見ていきます。
古代〜中世──小田島荘と東根城
和銅5年(712年)に出羽国が成立すると、この地は最上郡、のちに村山郡に属しました。平安時代の書物『延喜式』に見える「村山駅」や村山郡の役所は、市内の郡山付近にあったと推定されています。11世紀半ばには荘園「小田島荘」が成立します。南北朝時代の正平2年(1347年)には、武将・小田島長義が東根城(小田島城)を築きました。前述の大ケヤキが立つ東根小学校一帯が、その城跡にあたります。
近世──天領と長瀞藩
戦国時代、この地は天童氏の一族が治め東根氏を名乗りましたが、最上義光によって天童氏が滅ぶと最上氏に仕えました。江戸時代に最上氏が改易となると幕府の直轄地(天領)となり、東根代官陣屋が置かれます。寛政10年(1798年)には米津氏が長瀞藩として入り、長瀞陣屋を構えました。陣屋の大手門は、いまも移築されて残っています。
近代〜現代──東根市の誕生と果樹の町へ
1889年(明治22年)の町村制で東根村が成立し、1896年(明治29年)に町制を施行して東根町となりました。1954年(昭和29年)に周辺の村と合併し、1958年(昭和33年)11月に市制を施行して東根市が誕生します。この間、佐藤栄助氏が生み出した「佐藤錦」が全国区の品種へと育ち、果樹の町としての土台ができあがっていきました。近年はさくらんぼ東根駅周辺の区画整理で市街地が大きく姿を変え、新しい住宅地や商業地が広がっています。
東根市の文化・風習

方言と話し方の特徴
東根市で話されるのは、山形の内陸で使われる村山弁です。抑揚(よくよく)が少なく、淡々と流れるように話すのが特徴で、「ズーズー弁」と呼ばれることもあります。たとえば「そうだ」はんだ(そうだ)、「そうですよね」はんだず(そうです)といった具合。食べることをすすめるときはけ(食べて・食べなさい)とごく短く言います。ほかにもんまい(おいしい)、ごしゃぐ(怒る)、じぇんこ(お金)、ありがどさま(ありがとう)などが使われます(出典:やまがた子育て応援サイト(山形県))。電話で名乗るとき「〇〇でした」と過去形で言う独特のクセもあるんですよ。
食卓と季節の暮らし
果樹王国だけあって、食卓には季節の果物が当たり前のように並びます。6月はさくらんぼ、夏は桃やぶどう、秋はりんごやラ・フランスと、一年を通してフルーツが途切れません。冬は雪深い土地なので、漬物や麩といった保存のきく食材が暮らしを支えてきました。芋煮やそばといった山形らしい食文化も根づいていて、旬をていねいに味わう暮らしが今も続いています。
人の気質と雪国のつながり
東根市は豪雪地帯に指定されるほど雪が多い土地です。冬の厳しさを分かち合ってきたぶん、地域の助け合いやおもてなしの気持ちが今も色濃く残っています。市を挙げて開かれるマラソン大会で、沿道の人たちがランナーを温かく迎える光景は、その気質をよく表していると言えるでしょう。派手さより誠実さを大事にする、そんな空気が流れる町です。
東根市の特産品・食

特産品1:さくらんぼ「佐藤錦」
やっぱり主役はこれ。「佐藤錦」は、甘さのなかにさわやかな酸味が同居した、バランスの良さが身上の品種です。大正時代にこの町の佐藤栄助氏が「黄玉」と「ナポレオン」を交配して生み出しました(出典:東根さくらんぼ 地理的表示(GI)保護制度)。旬は6月上旬〜下旬とごく短く、届いたその日が食べごろ。冷やして口に入れると、みずみずしい果汁がはじけます。雨よけハウスもこの地で普及した技術で、完熟の真っ赤な実が味わえるのはその工夫のおかげなんですよ。
特産品2:ラ・フランスと四季の果物
さくらんぼが終わっても、東根の果物は止まりません。夏は桃とぶどう、秋は「果物の女王」とも呼ばれる洋なしのラ・フランスやりんごが実ります。ラ・フランスはねっとりとろける果肉と上品な香りが魅力で、追熟させて食べごろを見極めるのも楽しみのひとつ。ひとつの町で四季それぞれの果物狩りができるのは、扇状地の水はけの良さと昼夜の寒暖差があるからこそです。
特産品3:六田(むた)の麩
意外に思われるかもしれませんが、東根の六田地区は江戸末期から続く麩の産地です。奥羽山系から湧き出る良質な水と小麦のたんぱく質を使い、口どけのいい生麩や香ばしい焼き麩がつくられてきました(出典:東根市観光物産協会)。煮物や汁物はもちろん、麩を使ったお菓子やお惣菜もあって、手みやげにもぴったり。麩づくり体験ができるお店もあるので、旅の思い出づくりにもおすすめです。
特産品4:名水が育む啓翁桜・本わさび
きれいな水は、ユニークな特産も生みます。冬に楽しむ桜として人気の「啓翁桜(けいおうざくら)」は高崎地区を中心に生産が盛んで、その生産量は日本一とされています(出典:東根市観光物産協会)。正月飾りや店先を彩る花として重宝されています。ほかにも名水百選「小見川」の清流を生かした本わさびやニジマスもこの土地ならでは。水の恵みが、そのまま食卓の彩りになっているんですね。
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東根市の観光スポット

序盤で触れた「日本一の大ケヤキ」「佐藤錦」「名水百選」を、ここからは実際に歩ける場所として紹介していきます。東根市の見どころは、城下町の歴史・湧き水と果物・家族でくつろげる文化施設の3つにざっくり分けられます。どれも車なら短時間で回れる距離感なので、気になったところから覗いてみてくださいね。
町のシンボルと歴史を感じるスポット
- 東根の大ケヤキ – 東根小学校の校庭にそびえる、樹齢1500年以上・樹高およそ28メートルの巨木。ケヤキとしては日本一の巨樹で、1957年(昭和32年)に国の特別天然記念物に指定されています(出典:東根市公式サイト)。校庭という日常の場に日本一が立っている光景は不思議で、見上げると幹の太さに圧倒されます。若葉が一斉に芽吹く5月中旬ごろが特にきれいですよ。
- 東の杜(ひがしのもり) – 城下町の面影が残る一帯にある文化施設。歴史資料館・伝承館は9:00〜17:00で、入館は無料です。館内の「杜のCAFÉ」では地元名物の麩を使った料理が味わえます(出典:ひがしねどっとこむ(東根市観光物産協会))。大ケヤキを見たあと、昔の暮らしの道具を眺めながらひと息つくのにちょうどいい場所なんです。
名水と果物、東根の恵みを味わうスポット
- 名水百選「小見川(おみがわ)」 – 市西部の大富・羽入地区を流れる、環境省の名水百選に選ばれた清流。水源の地蔵池から水がこんこんと湧き出しています(出典:環境省 名水百選)。清流にしかすまない魚イバラトミヨがいるほど水がきれいで、ひんやりした空気と水音に、夏でも涼を感じられます。
- 観光果樹園(さくらんぼ狩り) – 温室のさくらんぼ狩りは4月下旬〜6月上旬、露地物は6月上旬〜7月上旬が目安で、各園のオープンは9:00〜16:00ごろです(出典:ひがしねどっとこむ(東根市観光物産協会))。枝から直接もいで頬張る完熟の佐藤錦は、贈答品とはまた違うみずみずしさ。夏の桃・ぶどう、秋のりんご狩りもできるので、季節を変えて通いたくなります。
- 六田(むた)の麩処 – 江戸末期から麩づくりが続く六田地区には、文四郎麩や奥山製麸所など老舗が並びます。予約制で麩づくり体験ができるお店もあります(出典:東根市観光物産協会)。焼きたての香ばしい麩や、麩を使ったお菓子は手みやげにぴったり。水の町ならではの、やさしい味に出会えますよ。
家族でくつろぐ文化・温泉スポット
- まなびあテラス – 図書館・美術館・市民活動支援センターが一つになった複合文化施設で、2016年(平成28年)11月にオープンしました。図書館は月〜土曜9:00〜20:00・日祝9:00〜19:00、美術館は9:00〜18:00、休館は第2・第4月曜です(出典:東根市公益文化施設まなびあテラス)。高さ7メートルのガラス張りエントランスは開放感たっぷりで、雨の日の避難先にも心強い場所です。
- さくらんぼタントクルセンター – 市の総合保健福祉施設で、館内の「けやきホール」は大ケヤキをモチーフにした大型遊具が主役の遊び場です。3階から滑り降りるすべり台や天井ネットがあり、けやきホールは9:00〜18:30で利用できます(出典:東根市さくらんぼタントクルセンター)。小さな子ども連れの旅の休憩スポットとして、地元でも仙台方面からも人気なんですよ。
- さくらんぼ東根温泉 – 明治末期に開湯した、市街地に近い温泉地。琥珀色をしたナトリウム塩化物泉で、体の芯から温まります。オオタ湯やこまつの湯など日帰りで入れる湯もそろっています(出典:ひがしねどっとこむ(東根市観光物産協会))。果物狩りや散策で歩き回ったあと、ふらりと立ち寄って汗を流すのにちょうどいい距離感です。
東根市の観光ルート

スポットが街なかにまとまっているので、車があれば半日でも十分楽しめます。ここでは、歴史と食を欲ばりに回る1日ルート、名水と果物にしぼった半日ルート、隣の天童市まで足をのばす広域ルートの3つを組んでみました。旅のスタイルに合わせて選んでみてくださいね。
【車・1日】歴史と食を味わう東根まるごとルート
9:00 さくらんぼ東根駅 → 9:15 東根の大ケヤキ(車10分)→ 10:30 東の杜 → 12:00 六田の麩処 → 14:00 観光果樹園 → 16:00 さくらんぼ東根温泉
① 東根の大ケヤキ(40分)→ まずは町のシンボルを見上げてスタート。朝の光の中の巨木は静かで、城下町の空気ごと味わえます。
② 東の杜(60分)→ 昔の暮らしの道具を眺めつつ、杜のCAFÉで麩料理の軽めのランチ前休憩を。
③ 六田の麩処(90分)→ 麩づくり体験やお昼をここで。焼きたての香りに包まれる時間です。
④ 観光果樹園(90分)→ 6〜7月ならさくらんぼ狩りの最盛期。真っ赤な実を枝からそのまま頬張れます。
⑤ さくらんぼ東根温泉(60分)→ 歩き疲れた体を琥珀色の湯でしめくくり。夕方の湯はことのほか気持ちいいですよ。
【車・半日】名水と果物をめぐるルート
9:00 さくらんぼ東根駅 → 9:20 名水百選「小見川」(車15分)→ 10:30 観光果樹園 → 12:00 JAファーマーズマーケット よってけポポラ → 13:00 まなびあテラス
① 名水百選「小見川」(40分)→ 湧き水の澄んだ空気で一日を始めます。朝は光が水面に反射してきれいです。
② 観光果樹園(60分)→ 名水が育てた果物を狩って味わう流れが自然です。午前中は比較的すいています。
③ よってけポポラ(40分)→ 地元の旬の果物や野菜をおみやげに。直売ならではの鮮度と値ごろ感が魅力です。
④ まなびあテラス(60分)→ 最後はガラス張りの空間でひと休み。美術館の巡回展をのぞくのもおすすめです。
【車・1日】広域ルート:東根+天童
9:00 さくらんぼ東根駅 → 9:15 東根の大ケヤキ → 11:00 天童・舞鶴山(車25分)→ 12:30 天童の将棋駒工房 → 14:30 天童温泉 → 16:30 さくらんぼ東根温泉
① 東根の大ケヤキ(40分)→ まずは東根市のシンボルから。歴史の入り口として外せません。
② 天童・舞鶴山(60分)→ 隣の天童市へ。将棋駒の産地として知られ、山頂からは盆地が一望できます。
③ 将棋駒工房(60分)→ 全国的に有名な天童の将棋駒づくりを見学。旅の記念になる逸品に出会えます。
④ 天童温泉・さくらんぼ東根温泉(各60分)→ 2つの温泉地をはしごできるのも、この距離感ならでは。好みの湯を選んでください。
ここまで見てきたとおり、見どころが少し離れた場所に点在していることもあります。気になるスポットをまとめて回るなら、レンタカーがあると一気に動きやすくなりますよ。料金は会社や時期でけっこう変わるので、まとめて比較できるサイトでサッと見ておくのがおすすめです。
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東根市の年間イベント

東根市のイベントは、やっぱり果物と縁が深いのが特徴です。初夏はさくらんぼ、夏は伝統の夏まつり、秋はグルメ、冬はイルミネーションと雪まつりへ。季節ごとに町の表情ががらりと変わるので、季節を変えて訪れるのが楽しいんですよ。
春〜夏:さくらんぼマラソンとひがしね祭
初夏の名物が、毎年6月上旬に開かれる「果樹王国ひがしねさくらんぼマラソン大会」です(出典:ひがしねさくらんぼマラソン大会)。陸上自衛隊神町駐屯地を発着し、さくらんぼ畑が広がるフルーツラインを走る珍しいコースで、参加賞に佐藤錦が振る舞われます。沿道の応援が温かいことでも知られています。
同じくさくらんぼの時期には、種を飛ばして距離を競う「さくらんぼ種飛ばし大会」も開かれ、子どもから大人まで盛り上がります。
そして毎年8月に行われるのが、100年以上の歴史をもつ夏まつり「ひがしね祭」です(出典:東根市公式イベントサイト 東根四季祭)。全国的にも珍しい田楽提灯行列や大型山車、おどりの競演が繰り広げられ、提灯の灯りが夜の町を彩ります。太鼓の響きと熱気に、夏の東根が一番にぎわう二日間です。
秋:た~んとほおバルフェスタ
秋の楽しみは、毎年9月に開かれる肉グルメの祭典「た~んとほおバルフェスタ in ひがしね」です(出典:東根市公式イベントサイト 東根四季祭)。山形牛をはじめ県内外のお肉メニューのお店が集まり、香ばしい煙と匂いに食欲を刺激されます。「たんと(たくさん)召し上がれ」という名前のとおり、お腹いっぱいになる3日間なんですよ。
冬:ウィンターフェスティバルと雪まつり
冬は光と雪のイベントが続きます。年末から冬にかけて開かれる「ひがしねウィンターフェスティバル」では、イルミネーションやクリスマスマーケットが夜を彩ります(出典:東根市公式イベントサイト 東根四季祭)。冷たい空気の中で光がいっそう澄んで見えるのが冬ならではです。
さらに毎年2月ごろには、東根温泉を舞台に「ひがしね雪まつり」が開かれます(出典:やまがたへの旅(山形県公式観光サイト))。節分の豆まきや冬空への花火、子どもたちのスノーキャンドルに、個性豊かな出店が集まる「くせの市」までそろい、雪国の夜が温かくにぎわいます。
東根市のエリア別の顔

東根市は、扇状地の平野部と東の山地でずいぶん表情が変わります。旅の視点で見ると、玄関口となる駅周辺、歴史と湯の城下町、麩の里・六田、果樹園が広がる神町、名水の大富・羽入といった顔があります。どのエリアがどんな旅に向いているか、順に見ていきましょう。
さくらんぼ東根駅・中央エリア──旅の玄関口
山形新幹線が停まるさくらんぼ東根駅を中心とした、いちばん新しい市街地です。駅の観光物産協会で旬のおすすめを聞いてから動くと効率的。まなびあテラスやタントクルセンターもこのエリアで、雨の日や子ども連れの旅にも安心して過ごせます。まずここを起点にすると、町全体が回りやすいですよ。
城下町・東根温泉エリア──歴史と湯をゆっくり
大ケヤキや東の杜がある城下町と、すぐ北に広がる東根温泉のエリアです。歴史のみちを歩いて巨木や城跡の面影に触れ、そのまま温泉で疲れをほぐす──そんな流れが自然に組めます。派手さより落ち着いた時間を求める人、のんびり散策したい人に向いています。
六田エリア──麩の里を味わう
江戸末期から麩づくりが続く、街道筋の面影が残るエリアです。老舗をめぐって焼きたての麩を買ったり、麩づくり体験をしたりと、食を軸にした旅にぴったり。奥羽山系の湧き水が育てた、素朴でやさしい味を目当てに立ち寄る価値があります。
神町・フルーツラインエリア──果物と果樹園
さくらんぼ畑が一面に広がる、果樹王国らしさが濃いエリアです。さくらんぼマラソンの舞台となるフルーツラインもここ。6〜7月のさくらんぼ狩りはもちろん、夏から秋にかけて桃・ぶどう・りんごと狩りものが途切れません。果物目当ての旅なら、まずこの一帯を目指すのがおすすめです。
大富・羽入エリア──名水と空の玄関
名水百選「小見川」の湧水地帯と、山形空港があるエリアです。澄んだ湧き水の風景は、都会の喧騒から離れてほっとしたい人にぴったり。空港が近いので、飛行機で山形入りする旅の最初や最後に立ち寄る場所としても便利です。水と果物の恵みを実感できる一帯です。
東根市の気候・季節の暮らし

東根市の年平均気温は11.4℃、8月の平均は24.7℃、1月の平均は-1.1℃で、夏と冬の寒暖差が大きい内陸の気候です(出典:気象庁 過去の気象データ)。この昼夜・季節の寒暖差こそが、甘い果物を育てる土台になっています。冬は雪が多く豪雪地帯に指定されていて、四季がくっきり分かれるのが暮らしの実感です。
夏──6月〜8月の暮らし
夏は8月の日最高気温の平年値が30.2℃と、しっかり暑くなります(出典:気象庁 過去の気象データ)。ただ夜は気温が下がるので、朝晩は過ごしやすいのが救いです。この寒暖差が、さくらんぼや桃の甘みを引き出してくれるんですよ。
秋──9月〜11月の暮らし
秋は空気が澄んで、りんごやラ・フランスが実る実りの季節です。朝晩の冷え込みが少しずつ強まり、10月の平均気温は13.4℃まで下がります。果樹園が色づき、収穫の香りが町を包む、いちばん過ごしやすい時期かもしれません。
冬──12月〜2月の暮らし
冬は1月の日最低気温の平年値が-5.3℃まで下がり、雪も多く積もります(出典:気象庁 過去の気象データ)。豪雪地帯なので、除雪や雪かきは冬の暮らしの一部です。スタッドレスタイヤは必須ですが、雪をあかりで彩る雪まつりなど、雪と楽しく付き合う工夫も根づいています。
春──3月〜5月の暮らし
春は雪どけとともに一気に花がほころびます。5月の平均気温は15.5℃と過ごしやすく、温室のさくらんぼ狩りも始まります。冬の長さを越えたぶん、若葉や花の芽吹きがまぶしく感じられる季節です。大ケヤキの若葉が芽吹くのもこの頃ですよ。
東根市の移住・暮らし情報

中盤では旅の視点でエリアを見てきましたが、ここからは「暮らす視点」で東根市を見ていきます。新幹線・空港・高速がそろう便利さに加えて、子育て支援に力が入っているのが特徴で、若い世代の移住・定住が進んでいる町です。実際の暮らしを項目ごとに見てみましょう。
通勤・通学
県都の山形市や隣の天童市へ通う人が多いと考えられます。車社会なので通勤はマイカーが中心ですが、新幹線通勤もしやすい立地です。市内は平野部が広く、道路も走りやすいので、移動のストレスは少なめです。
住宅環境
家賃相場は、ワンルームでおよそ5万円前後が目安です(物件の築年数や駅からの距離で幅があります)(出典:SUUMO)。さくらんぼ東根駅の周辺は区画整理された新しい住宅地が広がり、若い世代のマイホームも増えています。持ち家+車という暮らし方が主流です。
買い物環境
さくらんぼ東根駅の周辺にイオン東根店などの大型店が集まり、日常の買い物に困ることはほとんどありません。加えてJAのファーマーズマーケット「よってけポポラ」もあり、旬の果物や野菜を新鮮なまま手に入れられます。都会の便利さと産地の豊かさが両立しているのが、この町らしいところです。
子育て・教育
子育ての拠点になっているのが、さくらんぼタントクルセンターです。館内には子育て支援センターやファミリー・サポート・センター、大型遊具のけやきホールがそろっています(出典:東根市さくらんぼタントクルセンター)。健診や育児相談の窓口も一つにまとまっていて、子育て世代に選ばれる理由がよく分かります。
医療環境
市内には、東根市・村山市・尾花沢市・大石田町の三市一町が組合で運営する北村山公立病院があり、地域の中核病院として機能しています。外来受付は月〜金曜の午前7時30分〜11時30分です(出典:北村山公立病院)。総合的な診療を受けられる病院が市内にあるのは、暮らすうえで心強いですよね。
エリア別の暮らし視点
駅周辺の中央エリアは、買い物・子育て施設・住宅がそろう、暮らしやすさで人気の一帯です。城下町・温泉エリアは落ち着いた住環境、六田や神町は果樹園に近く、大富・羽入は名水と空港が近い立地。旅で回ったエリアも、住む目線で見るとまた違った顔が見えてきます。
東根市へのアクセス

東根市は、新幹線の駅・空港・高速道路のインターチェンジがすべて市内にそろう、県内でも交通の便がいい町です。首都圏からも仙台圏からもアクセスしやすく、車でも公共交通でも動きやすいのが強みです。交通手段ごとに見ていきましょう。
車でのアクセス
市内には東北中央自動車道の東根IC・東根北ICがあり、東根ICは山形空港のすぐ近くに接続しています。仙台方面からは国道48号で山を越えて入るルートが一般的です。市街地はほぼ平坦で道幅も広く、車での移動はしやすい町です。
鉄道+バスでのアクセス
東京駅からは山形新幹線つばさが乗り換えなしでさくらんぼ東根駅まで直通し、所要はおよそ3時間です。仙台方面へは、さくらんぼ東根駅前から高速バス「特急48ライナー」が出ていて、仙台駅まで約1時間12分・運賃1,650円で結ばれています(出典:山交バス)。仙台と山形の間は直通鉄道がないので、このバスが便利なんですよ。
飛行機でのアクセス
うれしいことに、山形空港は東根市内にあります。空港から市街地までは車で10分ほどで、東京(羽田)や大阪(伊丹)などと結ばれています。飛行機で山形入りするなら、降りてすぐ東根、という近さはかなりの強みです。
町内移動の現実的アドバイス
観光でも暮らしでも、町内はやはり車があると便利です。スポットどうしが車で10〜20分の距離にまとまっているので、レンタカーがあれば1日で無理なく回れます。冬は路面が凍るので、運転にはスタッドレスタイヤと余裕をもったスケジュールをおすすめします。
交通手段ごとに見てきましたが、「結局いちばん安く行くにはどうすれば?」と迷う方も多いはず。飛行機で向かうなら、航空券は予約のタイミングや会社によって料金が大きく変わります。複数の航空会社・LCCをまとめて比較できるサイトで、いちど最安値をチェックしておくと安心ですよ。
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【地元住民に直撃!】東根市の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。
果樹農家をやっています。ここ東根はさくらんぼの生産量が日本一で、佐藤錦が生まれた土地でもあるので、うちも代々さくらんぼを中心に育ててきました。
桃やぶどう、ラ・フランス、りんごと、一年を通して果物が途切れないのがこの町の強みですね。奥羽山系の水はけのいい扇状地と昼夜の寒暖差が、甘い実を育ててくれるんです。
Q2.東根市に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?
まずは東根の大ケヤキですね。小学校の校庭に樹齢千五百年以上の巨木がどんと立っていて、国の特別天然記念物です。見上げると幹の太さに圧倒されますよ。
あとは地元の人間としては、名水百選の小見川の湧水地帯。夏でもひんやりした空気と水音が気持ちよくて、観光地というより暮らしの隣にある場所です。
Q3.東根市でお土産を買うとしたらなんですか?
やっぱり旬のさくらんぼが一番でしょう。六月から七月なら、贈って喜ばれないことはまずないです。時期を外すなら、りんごやラ・フランスの果物もいいですね。
地元の人間がよく買うのは、六田の焼き麩です。江戸の末期から続く麩どころで、香ばしくて日持ちもする。派手さはないけど、水のいい町らしいお土産ですよ。
Q4.外から人が来たときに、東根市でまず連れていく店はどこですか?
店の名前を挙げるより、まずは観光果樹園に連れていきます。枝からもいだ完熟のさくらんぼを頬張る顔は、みんな決まってほころびますね。
そのあとは麩料理を出す落ち着いた店で、出汁のきいた料理をゆっくり味わってもらう。歩き回ったら、市街地に近い温泉で汗を流してもらうのが定番の流れです。
Q5.東根市はどんな気質だと思いますか?
派手さより、こつこつ誠実にやる人が多い土地だと思います。果物づくりは手間を惜しんだら終わりなので、そういう気質が根づいているのかもしれません。
雪の多い土地で助け合ってきたぶん、人を迎えるときの温かさもある。マラソン大会で沿道の応援が温かいと言われるのは、たぶん普段の気質そのままなんですよ。
Q6.昔に比べて、東根市の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?
新幹線の駅ができてから、駅周辺がずいぶん新しくなりました。大型の店や住宅が増えて、若い世代が移り住んでくるのを実感しています。
ただ、その一方で昔からの温泉街や駅周辺の古い地区は静かになって、高齢化も進んでいます。にぎわいが一か所に集まってきた、という正直な感覚はありますね。
Q7.東根市のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?
市民が集まれる文化施設や、子育てを支える施設が充実してきたのはありがたいことです。図書館と美術館が一緒になった場所は、市長も力を入れてきた所だと感じます。
これからも果物という軸を大事にしながら、若い就農者が続いてくれることを一番期待しています。市民センターや運動公園を拠点にした催しも、もっと盛り上がってほしいですね。

