【山形県上山市】ってどんなとこ?城下町の温泉と加勢鳥【地元民のリアルな声あり】

山形県上山市の上山城:上山市街地の丘に建つ上山城は、城下町の歴史を伝える郷土資料館であり、蔵王連峰を一望できる景勝地です。

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上山市(かみのやまし)は、山形県の南東部・山形盆地の南端にある人口26,350人の市です。県庁所在地の山形市の南隣に位置し、山形新幹線「かみのやま温泉駅」が市の玄関口になっています。

この街の魅力を5つに凝縮すると、こうなります:

  • かみのやま温泉──城下町・宿場町・温泉街の3つを同時に兼ねた、全国でも珍しい温泉のまち
  • 加勢鳥(かせどり)──藁蓑姿の若者に祝い水を浴びせる、江戸初期から続く小正月の民俗行事(毎年2月11日)
  • 上山城(月岡城)──市街地の丘に建つ、上山藩の歴史を伝える郷土資料館
  • ✅ くだものとワインの里──さくらんぼ・ラ・フランス・紅柿に、2016年認定の「かみのやまワイン特区」
  • ✅ 歌人斎藤茂吉のふるさと──アララギ派を代表する歌人を生んだ金瓶(かなかめ)地区

「温泉でゆっくりしたい旅行者」「城下町の町歩きや歴史が好きな人」「くだものやワインを味わいたい人」に向いた街です。この記事では、観光・歴史から食・文化、方言や暮らしの空気まで、地元目線で紹介していきます。

人口26,350 人 ※2026年6月1日時点(推計人口)
面積240.93 km²(境界未定部分あり)
人口密度109 人/km²

地理的には、北で県庁所在地の山形市、西で南陽市、南で高畠町と接します。東側は蔵王連峰の稜線を境に、宮城県の川崎町蔵王町七ヶ宿町と向かい合っています(蔵王連峰は両県6市町にまたがります/出典:上山市公式サイト)。市の中央を国道13号とJR奥羽本線(山形線)が南北に貫き、東京からのルート距離は約350kmです。

城下町・宿場町・温泉街という3つの顔をひとつの街に持つのが、上山のいちばんの個性です。ひとつずつ見ていきましょう。

目次

上山市の推しポイント

上山の顔は、なんといってもかみのやま温泉です。上山城の城下町、羽州街道の宿場町、そして温泉街──この3つを同時に兼ね備えた街は全国的にも珍しいとされています。さらに冬の奇習「加勢鳥」、くだものとワイン、そして歌人・斎藤茂吉のふるさとという顔もあります。ここからは、その一つひとつを少し掘り下げていきますね。

推しポイント1:かみのやま温泉──城下町・宿場町・温泉街の三位一体

かみのやま温泉の開湯は長禄2年(1458年)とされ、570年近い歴史があります。旅の僧・月秀上人が、鶴が湯で傷を癒すのを見て湧出を発見した、という伝説が残っています。

泉質はやわらかく、「健康の湯・美肌の湯・温まりの湯」と呼ばれてきました。城下町の風情、宿場町の街道筋、温泉街の湯けむりが一つの街に溶け合っているのは、ここならではです。

推しポイント2:上山城(月岡城)

市街地の小高い丘に建つ上山城は、別名・月岡城。室町期に上山氏がこの地に城を移し、江戸時代には上山藩の居城として城下町の中心になりました。

現在の天守は1982年(昭和57年)に再建されたもので、郷土資料館として上山の歴史や文化を伝えています。隣接する月岡公園は桜の名所としても知られています。

推しポイント3:加勢鳥(かせどり)

毎年2月11日、藁で編んだ蓑「ケンダイ」をかぶった若者が「カッカッカーのカッカッカー」と声を上げ、城下町を練り歩きます。沿道の人々が浴びせるのは、冷たい「祝い水」。五穀豊穣・商売繁盛・火伏せを願う、江戸初期から続く民俗行事です(出典:やまがたへの旅(山形県観光情報))。

2026年は38人が加勢鳥に扮し、県内外から参加者が集まりました。真冬に水を浴びる姿は圧巻で、上山の冬を象徴する光景なんですよ。

推しポイント4:くだものとワインの里

盆地特有の昼夜の寒暖差と水はけのよい傾斜地は、果樹づくりにうってつけ。さくらんぼ、ぶどう、ラ・フランス、そして上山発祥の渋柿「紅柿」から作る紅干し柿が名産です。

2016年には「かみのやまワイン特区」の認定を受け、ぶどう栽培から醸造まで手がける街づくりが進んでいます(出典:上山市公式サイト)。1920年創業のタケダワイナリーをはじめ、個性的なワイナリーが点在しています。

推しポイント5:歌人・斎藤茂吉のふるさと

アララギ派を代表する歌人斎藤茂吉は、上山市の金瓶(かなかめ)地区の生まれです。市内には斎藤茂吉記念館があり、その次男は作家の北杜夫。文学好きなら訪ねておきたい土地です。

上山市の歴史

上山の歴史は、中世の山城に始まり、江戸時代の城下町・宿場町として花開き、明治以降は温泉と鉄道の街として今の姿を整えてきました。「山方」の上方を意味する「上山方」が地名の由来という説が伝わり、古くは「神山」とも呼ばれたとされます。以下、時代を追って見ていきます。

中世──山城と上山氏

室町時代の応永年間、斯波満長がこの地に分封され、虚空蔵山に高楯城を築きました。以後、この一族は「上山」を名字とし、上山氏と称されました。天文4年(1535年)には、高楯城から月岡(現在の上山城付近)へと城が移されています。

近世──上山藩の城下町と宿場町

江戸時代初期、上山藩初代藩主の松平重忠が前川の流れを付け替え、城下町の整備を始めました。歴代藩主がこれを引き継ぎ、現在の市街地の原形が形づくられました。

上山は羽州街道の宿場町でもありました。城下町・宿場町・温泉街が重なり合う独特の街並みは、この時代に基礎ができています。紫衣事件で流罪となった沢庵宗彭が、約3年間を上山で過ごしたことも知られています。

近現代──温泉・鉄道・そして現在

1954年(昭和29年)、上山町など1町5村が合併して上山市が誕生しました。1992年(平成4年)には山形新幹線が開業し、駅名が「上ノ山駅」から「かみのやま温泉駅」へと改称されました。

近年は、ドイツ発祥の健康保養地づくり「クアオルト」に力を入れ、温泉と自然を生かした街づくりを進めています。城下町の面影と新幹線が同居するのが、今の上山です。

上山市の文化・風習

方言と話し方の特徴

上山市は山形県の村山地方にあたり、話される方言は「村山弁」です。抑揚が少なく、さらりと流れるように話すのが特徴で、語尾の「ず」に感情がこもります。

たとえばんまい(おいしい)、んだ(そうだ)、んね(違う)のように「ん」で始まる言葉が多いんですよ。ほかにもめ〜んこい(かわいい)、さすけね(大丈夫だよ・気にしないで)、なげる(捨てる)、わらわら(急いで)など、初めて聞くと戸惑う言い回しがたくさんあります(出典:山形県 やまがた子育て応援サイト(村山弁))。「ん、く〜」(はい、食べます)のように、短いやりとりで会話が成立するのも面白いところです。

食卓と季節の暮らし

秋が深まると、農家の軒先に皮をむいた柿がびっしりと吊るされ、街のあちこちに「柿のれん」と呼ばれるオレンジ色のカーテンが並びます。蔵王からの寒風「蔵王おろし」が、甘みの詰まった紅干し柿を仕上げてくれるんですよね。

初夏にはさくらんぼ、秋にはぶどうやラ・フランスと、食卓は果物とともに季節が巡ります。夏は暑くても夜は涼しく、冬は雪が積もる──寒暖差の大きさが、この土地の味を育てています。

人の気質と地域のつながり

加勢鳥の日には、商店や旅館の人たちが総出で祝い水をかけ、街全体でひとつの行事を守り続けます。近年は県外や海外からの参加者も温かく迎え入れていて、「開かれた祭り」として受け継ごうとする柔らかさが上山らしさです。

城下町ならではの落ち着きと、温泉街のもてなしの気質が同居する街。訪れると、どこか懐かしい距離感で迎えてもらえるはずです。

上山市の特産品・食

特産品1:紅柿(紅干し柿)

上山を語るなら、まずは紅柿。その名のとおり果肉が鮮やかな紅色の在来種の渋柿で、干し柿にすると甘みがぎゅっと凝縮します。硬いとも柔らかいとも言えない絶妙な食感で、切ると羊羹のよう、揉むと餡のようにしっとり。まるで和菓子みたいなんですよ。

起源は古く、1748年(寛延元年)に旧上関根村(現在の上山市)の川口久右衛門の庭で実った渋柿がはじまりとされ、天保年間には地名を取って「関根柿」と呼ばれ名産番付に載るほどでした(出典:農林水産省)。旬は仕上がる12月頃。年末年始の贈り物にぴったりです。

特産品2:さくらんぼ・ラ・フランス

盆地の寒暖差と水はけのよい傾斜地が、上質な果物を育てます。初夏はさくらんぼ、晩秋はとろけるように甘いラ・フランス。観光果樹園も多く、もぎたてをその場で味わえるのが産地ならではの楽しみです。

味の濃さは、昼と夜の気温差が糖度を押し上げてくれるおかげ。旬の時期にフルーツ狩りへ出かければ、上山の気候そのものを口の中で感じられますよ。

特産品3:かみのやまワイン

ぶどうの生育期に雨が少なく、昼夜の寒暖差が大きい上山は、ワイン用ぶどうの栽培にも恵まれた土地です。2016年の「かみのやまワイン特区」認定以降、新しいワイナリーの開設が相次いでいます(出典:上山市公式サイト)。

1920年創業のタケダワイナリーは上山ワインの元祖として知られ、全国にファンを持ちます。カベルネ・ソーヴィニヨンなどヨーロッパ系品種の評価も高く、温泉のあとの一杯にちょうどいいご当地ワインです。


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上山市の観光スポット

序盤で触れた城下町・温泉・果樹・文学の顔を、ここからは実際に歩ける場所として紹介していきます。上山市の観光は、かみのやま温泉駅を中心にした城下町エリアと、山あいの楢下宿、そして東の蔵王坊平高原に大きく分かれます。半日あれば街なかの城と温泉を、一日あれば楢下や高原まで足を延ばせますよ。まずは代表的なスポットから見ていきましょう。

城下町の顔を歩く(上山城と武家屋敷)

  • 上山城(上山城郷土資料館) – 天文4年(1535年)に月岡へ築かれ、元禄5年(1692年)に幕命で取り壊されたのち、1982年に望楼型3層の天守として再建されました。現在は郷土資料館で、開館は9:00〜17:15(最終入館16:45)、休館日は毎週木曜(祝日の場合は直前の平日)と年末、入館料は大人600円・高校大学生500円・小中学生200円です(2025年5月改定/出典:やまがたへの旅(山形県公式観光サイト))。最上階の展望室に立つと、蔵王連峰と城下町がぐるりと見渡せます。敷地内には無料の足湯もあって、散策の締めにちょうどいいんですよ。
  • 上山藩武家屋敷 – 森本家・三輪家・山田家・旧曽我部家の4軒が並ぶ通りで、茅葺屋根の佇まいが江戸の空気を残しています。三輪家と旧曽我部家は内部が一般公開され、三輪家はガイドの案内付きです(出典:やまがたへの旅)。石畳の通りは静かで、城からの徒歩圏。武士の暮らしを想像しながらゆっくり歩ける場所です。
  • 春雨庵 – 1629年の紫衣事件で流罪となった沢庵宗彭が、上山でおよそ3年を過ごした庵です。現在の建物は1953年に復元されたもの。沢庵和尚ゆかりの静かな庭が、城下町の喧噪からふっと離れた時間を与えてくれます。

温泉街と足湯めぐり

  • かみのやま温泉 – 開湯は長禄2年(1458年)と伝わり、湯町・新湯・十日町・河崎・葉山・高松などの温泉地区が市街に点在しています。城下町と宿場町の風情が湯けむりと溶け合う街並みは、ここならでは。旅館の日帰り入浴や共同浴場で、気軽にお湯を楽しめます。
  • 足湯(上山城の足湯・前川足湯など) – 温泉街のあちこちに無料の足湯があり、散歩の合間に立ち寄れます。上山城の足湯は蔵王連峰を眺めながら、前川沿いの足湯は川風を感じながら。手ぶらでふらりと寄れるのが温泉町の贅沢なんですよね。

街道の歴史とこんにゃく(楢下宿)

  • 羽州街道 楢下宿 – 参勤交代の宿場として栄えた集落で、茅葺の古民家や金山川に架かる石造の眼鏡橋(覗橋・新橋)が往時の姿を伝えています。大黒屋・山田屋・庄内屋・旧武田家などは無料で見学でき、国指定史跡にもなっています(出典:やまがたへの旅)。時間がゆっくり流れる町並みで、街道歩きの気分に浸れます。
  • 楢下宿 丹野こんにゃく(こんにゃく番所) – 昭和61年創業のこんにゃく専門店で、焼き鳥風や刺身風に姿を変えるこんにゃく懐石が名物です。売店は9:00〜16:30(土日は17:00まで)、お食事は11:00〜15:00、カフェ「日々蒟蒻」は10:30〜15:30、定休は火曜(カフェは火・水)です(出典:楢下宿 丹野こんにゃく)。玉こんにゃくを頬張りながらの試食めぐりも楽しいですよ。

文学と高原(斎藤茂吉記念館・蔵王坊平)

  • 斎藤茂吉記念館 – みゆき公園内にあり、金瓶生まれの歌人・斎藤茂吉の遺墨や遺品を収蔵・展示しています。開館は9:00〜17:00(入館受付16:45)、入館料は大人600円・高校生300円・小中学生100円です(出典:斎藤茂吉記念館)。隣の駅名が「茂吉記念館前駅」というのも、地元での愛され方が伝わってきます。屋上からは蔵王連峰がすぐそこに見えます。
  • 蔵王高原坊平(蔵王坊平アスリートヴィレッジ) – 標高約1,000mの準高地で、高地トレーニングの拠点やスキー場、クアオルトの認定コースがあります。かみのやま温泉駅から車で約30分、夏の「グリーンエコー号」・冬の「ホワイトエコー号」という無料シャトルバスも走っています(出典:やまがたへの旅)。新緑も紅葉も雪原も、季節ごとに表情を変える高原です。
  • かみのやま温泉クアオルト健康ウォーキング – 里山から高原まで、ミュンヒェン大学の鑑定を受けた気候性地形療法のコースが整備されています。ガイドと一緒に「がんばらずに運動効果が上がる」歩き方を教わりながら、無理のないペースで歩けます(出典:上山市公式サイト)。温泉のあとに歩くと、体がじんわりほぐれていくんですよ。

上山市の観光ルート

計算中…

上山は、かみのやま温泉駅を起点にすると動きやすい町です。街なかは徒歩でめぐれて、楢下宿や蔵王坊平へは車が便利。ここでは、城下町を歩く半日コースから、山あいや高原まで足を延ばす一日コースまで、目的別に組んでみました。

【徒歩+車・1日】温泉城下町と楢下宿ルート

9:00 かみのやま温泉駅 → 9:15 上山城(徒歩約12分)→ 武家屋敷 → 温泉街 → 11:30 楢下宿(車約20分)→ 午後 果樹園・ワイナリー

上山城(60分)→ まずは天守の展望室へ。朝いちばんは光がやわらかく、蔵王連峰がくっきり見えます。

武家屋敷(30分)→ 城から歩いてすぐ。静かな石畳の通りで、江戸の暮らしを想像しながら歩きましょう。

楢下宿・丹野こんにゃく(90分)→ 昼はこんにゃく懐石を。眼鏡橋や古民家の町並みは、食後の散歩にぴったりです。

果樹園・ワイナリー(90分)→ 旬ならフルーツ狩り、通年ならワイナリー見学へ。一日の締めに温泉へ戻る流れが気持ちいいですよ。

【徒歩+車・半日】文学と温泉ルート

13:00 かみのやま温泉駅 → 13:15 斎藤茂吉記念館(車約10分)→ 14:30 上山城 → 15:30 温泉街の足湯

斎藤茂吉記念館(60分)→ みゆき公園の静けさの中で、茂吉の歌の世界にひたります。午後は逆光が少なく屋上からの蔵王がきれいです。

上山城(45分)→ 城下町の全体像をつかむなら展望室から。記念館とセットで上山の「人と歴史」が見えてきます。

足湯(30分)→ 締めは温泉街の足湯で。夕方の湯けむりの中、一日の疲れをそっと流しましょう。

【車・1日】広域ルート:蔵王坊平とクアオルト

9:00 かみのやま温泉駅 → 9:30 蔵王坊平高原(車約30分)→ クアオルト健康ウォーキング → 午後 温泉街へ戻る

蔵王高原坊平(120分)→ 標高約1,000mの高原へ。夏でも空気がひんやりして、朝の森はとても清々しいです。

クアオルト健康ウォーキング(90分)→ ガイドと一緒に高原の森を歩きます。会話しながら歩ける負担のないペースなので、初心者でも安心ですよ。

かみのやま温泉(60分)→ 歩いたあとは温泉へ。緑の季節なら、さらに東の蔵王エコーライン経由で御釜(宮城県川崎町蔵王町)まで足を延ばすのもおすすめです。ただしエコーラインは冬期通行止めなので、時期に注意してくださいね。


ここまで見てきたとおり、見どころが少し離れた場所に点在していることもあります。気になるスポットをまとめて回るなら、レンタカーがあると一気に動きやすくなりますよ。料金は会社や時期でけっこう変わるので、まとめて比較できるサイトでサッと見ておくのがおすすめです。

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そして遠方から訪れるなら、思いきって一泊するのもおすすめです。日帰りでは通り過ぎてしまう夜や朝の時間に、その町ならではの静けさや表情に出会えます。お祭りやイベントの時期は宿が一気に埋まるので、早めの確保が安心ですよ。

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上山市の年間イベント

上山の一年は、冬の加勢鳥と春のワインバルという2つの大きな行事が背骨になっています。真冬に水を浴びる勇壮な祭りと、城下町がワイングラスで埋まる祭典。季節ごとに顔ぶれが変わるので、訪れる時期で楽しみ方も変わりますよ。

冬:加勢鳥(2月)

毎年2月11日に開かれる、江戸初期から続く民俗行事です。藁蓑「ケンダイ」をかぶった加勢鳥が「カッカッカーのカッカッカー」と声を上げ、城下町を練り歩きます(出典:やまがたへの旅)。

沿道から浴びせられる「祝い水」で、真冬の街に湯気と歓声が立ちのぼります。2026年は38人が加勢鳥に扮しました。冷たい水に負けず跳ね回る姿は、一度見ると忘れられません。火伏せと商売繁盛を願う、上山の冬の主役です。

春:山形ワインバル(5月)

毎年5月に上山城周辺と月岡公園で開かれる、東北最大級のワインイベントです。2026年も5月に開催され、かみのやま産をはじめ全国のワイナリーが集まります(出典:山形ワインバル公式サイト)。

坂道の会場を上りながら、グラス片手にワイナリーとフード屋台をはしごする2日間。新緑の城下町に笑い声が響き、飲み比べながら「お気に入りの一本」を探す時間はたまりません。イベント後はそのまま温泉へ、という流れが上山らしい楽しみ方なんですよ。

秋:かかし文化と柿のれんの季節

上山の秋を長く彩ってきた「かみのやま温泉全国かかし祭」は、作り手の減少などにより2024年を最後に幕を下ろしました。それでも、かかしは市のシンボルマークやマンホールに残り、街に息づいています。

秋が深まると、今度は農家の軒先に紅柿が吊るされ、「柿のれん」と呼ばれるオレンジ色のカーテンが街のあちこちに広がります。蔵王おろしに揺れる柿すだれは、上山の晩秋ならではの風景。祭りが姿を変えても、季節の営みは変わらず続いています。

上山市のエリア別の顔

ひとくちに上山市と言っても、旅する視点で見ると町の表情はいくつかに分かれます。温泉と城が集まる中心市街地、文学の香る北のみゆき公園一帯、街道の面影を残す南の楢下、そして東の蔵王坊平高原。どこを目当てにするかで、旅の色が変わりますよ。ここでは目的別に、それぞれの顔を紹介します。

温泉城下町エリア──街歩きと湯めぐりの中心

かみのやま温泉駅から上山城にかけての一帯が、旅の拠点になるエリアです。城、武家屋敷、温泉街、共同浴場、足湯が徒歩圏に集まっています。荷物を宿に置いて、そぞろ歩きしながら湯めぐりを楽しみたい人にぴったり。夕方の温泉街に立つ湯けむりが、城下町の風情を引き立てます。

みゆき公園・金瓶エリア──文学と静けさに浸る北部

斎藤茂吉記念館のあるみゆき公園周辺は、蔵王連峰を望む静かな一角です。喧噪から離れて短歌の世界に浸りたい人、写真を撮りながらのんびり過ごしたい人に向いています。冬に満開を迎える啓翁桜など、季節の花も楽しめるエリアです。

楢下エリア──街道歩きと食を味わう南部

市の南、山あいに位置する楢下宿は、茅葺の古民家と眼鏡橋が残る宿場町エリアです。歴史の町並みをゆっくり歩き、こんにゃく懐石を味わう食べ歩きにぴったり。観光客でにぎわう中心部とは違う、時間がゆっくり流れる空気が魅力です。

蔵王坊平高原エリア──自然と健康を楽しむ東部

東の山側、標高約1,000mの蔵王坊平高原は、高原歩きやスキー、クアオルトを楽しむアウトドアのエリアです。夏はひんやり涼しく、冬は雪原と樹氷の世界に。体を動かしてリフレッシュしたい人、暑さを避けて過ごしたい人におすすめですよ。

果樹園エリア──味覚狩りとワイナリーの丘陵地

皆沢フルーツラインなど、丘陵地に果樹園やワイナリーが点在するエリアです。初夏のさくらんぼ、秋のぶどうやラ・フランスと、旬に合わせたフルーツ狩りが楽しめます。ワイナリーをめぐって上山産ワインを味わいたい人は、このエリアを目当てに訪れるのがおすすめです。

上山市の気候・季節の暮らし

上山市は山形盆地の南端にあり、夏は暑く冬は雪が積もる、内陸らしいメリハリのある気候です。市内に気象庁の観測所はありませんが、すぐ北隣の山形(山形地方気象台)の平年値では、年平均気温は約12.1℃、年間降水量はおよそ1,207mm、年間の降雪量はおよそ285cm、平年の最深積雪は約51cmです(出典:気象庁)。序盤で触れたとおり特別豪雪地帯ですが、県内の置賜・最上地方に比べれば雪は多くありません。四季の移ろいがはっきりしていて、暮らしのリズムも季節でくっきり変わりますよ。

夏──6月〜8月の暮らし

盆地なので夏は暑く、8月の平均気温は約25℃、日中は30℃を超える日もあります(出典:気象庁)。ただ夜になると気温が下がり、この寒暖差がさくらんぼやぶどうの甘みを育てます。

市街地はエアコンが要る暑さでも、蔵王坊平高原まで上がれば別世界。標高約1,000mの高原はひんやり涼しく、夏の避暑やクアオルト歩きにちょうどいいんですよ。

秋──9月〜11月の暮らし

秋は果物の季節。ぶどうやラ・フランスが実り、11月に入ると農家の軒先に紅柿が吊るされて、街に「柿のれん」が広がります。

朝晩は冷え込みが強まり、蔵王おろしが吹き始めます。この冷たい風が干し柿の甘みを凝縮させる、上山の秋ならではの風物詩です。

冬──12月〜2月の暮らし

冬は雪と付き合う季節です。1月の平均気温は約0℃、最低気温の平年値は氷点下まで下がり、1月だけで100cm前後の雪が降ります(出典:気象庁)。雪かきや冬タイヤは冬の必需品です。

それでも、冷えた体を温める温泉が街の中にあるのが上山の強み。2月には加勢鳥の掛け声が雪の城下町に響き、真冬でも街に熱気が生まれます。寒さと温かさが背中合わせにある暮らしなんですよね。

春──3月〜5月の暮らし

春は雪どけとともに一気に華やぎます。4月には上山城周辺や須川河川敷、権現堂のしだれ桜が咲き、花見でにぎわいます。

5月には山形ワインバルが開かれ、新緑の城下町がワイングラスで埋まります。長い冬を越えた分だけ、春の光と花のありがたみが身にしみる季節です。

上山市の移住・暮らし情報

上山市で暮らす大きな利点は、県庁所在地の山形市がすぐ隣にあることです。通勤・通学・買い物は山形市と行き来しながら、住まいは温泉のある落ち着いた城下町に構える。そんな暮らし方ができる町なんですよ。ここからは、住む視点で具体的に見ていきましょう。

通勤・通学

山形市までは電車でも車でも約15分と近く、山形市へ通勤・通学しながら上山に住む人が多くいます。JR奥羽本線でかみのやま温泉駅から山形駅までは数駅、国道13号や東北中央自動車道でも短時間で移動できます。

山形新幹線も停まるので、出張や帰省で首都圏へ出るのもスムーズ。「地方に住みつつ、いざという時は新幹線で東京へ」という使い方ができるのは心強いですよね。

住宅環境

家賃は都市部よりぐっと抑えられます。SUUMOの集計では、上山市の家賃相場はアパートの1LDK〜2DKクラスでおよそ5万円台、2LDK〜3DKクラスでおよそ6万円前後です(出典:SUUMO)。

物件はかみのやま温泉駅や茂吉記念館前駅の周辺、南町・金生・河崎などに多く見られます。中古一戸建てや土地も出ており、温泉付きや家庭菜園向きの物件を探す人にも向いています。

買い物環境

日常の買い物は市内で完結できます。ヤマザワやおーばん、ヨークベニマルといったスーパーが市内にあり、国道沿いにはロードサイド店も並びます。

専門店やより大きな商業施設を使いたいときは、車で15分ほどの山形市へ。普段は上山、まとめ買いは山形、という使い分けが現実的です。

子育て・教育

市内には複数の小中学校と、県立の上山明新館高等学校があります。移住や子育ての相談・支援情報は上山市が公式サイトで案内しています(出典:上山市公式サイト)。

クアオルトの取り組みで市民の健康づくりが根づいているのも、子育て世代には心強いところ。自然の中を歩く習慣が身近にある町です。

医療環境

市内には救急告示病院のみゆき会病院をはじめ、上山病院・かみのやま病院などの病院と、内科・小児科などの診療所があります。休日当番医の情報は上山市医師会や市の公式サイトで確認できます(出典:上山市公式サイト)。

より専門的な医療が必要なときは、車で15分ほどの山形市の総合病院も選択肢になります。日常の医療は市内、いざという時は山形市、という安心感があります。

エリア別の暮らし視点

中心市街地は駅・スーパー・病院が近く、車がなくても暮らしやすいエリアです。金瓶やみゆき公園周辺の北部は静かで、落ち着いた住環境を求める人向き。楢下など南の山あいは自然が濃く、田舎暮らし志向の人に向いています。

蔵王坊平高原の側は別荘・ペンション地の趣で、暮らすというより通って楽しむエリア。家賃感や生活の便利さで選ぶなら、まずは駅周辺の中心市街地が無難ですよ。

上山市へのアクセス

上山市は、山形新幹線が停まり高速道路のインターチェンジもある、アクセスの良い町です。首都圏からは乗り換えなしの新幹線一本、仙台方面からは車が便利。玄関口はいずれも「かみのやま温泉駅」です。

鉄道でのアクセス

東京からは乗り換えなしの山形新幹線「つばさ」で、かみのやま温泉駅までおよそ2時間40分です。運賃と特急料金の合計は、隣の山形駅までで通常期およそ12,000円前後になります(出典:えきねっと(JR東日本))。

かみのやま温泉駅は山形駅の一つ手前。福島駅で東北新幹線から山形新幹線に分かれますが、直通列車なら乗り換え不要です。指定席は混雑期に埋まりやすいので、早めの予約が安心ですよ。

車でのアクセス

東北中央自動車道の山形上山ICとかみのやま温泉ICがあり、高速を降りて市街地まで約10分です。仙台方面からは車でおよそ1時間、隣の山形市までは約15分でつながっています(出典:山形県移住・定住ポータルサイト)。

冬は路面が凍結・積雪するので、冬タイヤは欠かせません。雪道の運転に慣れていない人は、冬場は新幹線利用に切り替えるのが無難です。

飛行機でのアクセス

最寄りの空港は山形空港で、上山市から車でおよそ35分です(出典:山形県移住・定住ポータルサイト)。遠方から向かう場合は、山形空港着の空路も選択肢になります。

便数や行き先は限られるので、本数の多い新幹線と比べて使いやすい方を選ぶとよいですよ。仙台空港を使い、そこから車や鉄道で入るルートも現実的です。

町内移動の現実的アドバイス

街なかの城下町エリアは徒歩でめぐれますが、楢下宿や蔵王坊平高原まで足を延ばすなら車があると便利です。坊平へは夏の「グリーンエコー号」・冬の「ホワイトエコー号」という無料シャトルバスも走っています。

観光なら、駅で降りて城下町を歩き、車やシャトルで郊外へ、という組み立てがスムーズ。暮らすなら、日常の足として一台あると生活の幅が広がります。


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【地元住民に直撃!】上山市の本当の魅力を聞いてみた

Q1.あなたのご職業を教えてください。

ぶどう畑で栽培をやりながら、ワインを仕込む仕事をしています。上山は昼と夜の寒暖差が大きくて、水はけのいい傾斜地が多いので、ぶどうにはいい土地なんですよ。

朝は畑で葉を見て、収穫期は一日じゅう土まみれです。地味な作業の積み重ねですけど、この土地の味をそのまま瓶に閉じ込めたいと思ってやっています。

Q2.上山市に来て絶対行くべき場所はどこだと思いますか?

まずは市街地の丘に建つ上山城ですね。展望室から蔵王連峰と城下町が一望できて、この町の全体像がつかめます。近くの武家屋敷通りの静けさもいい。

地元目線だと、蔵王坊平高原の朝を推したいです。標高千メートルの森は空気がひんやりして、鳥の声と木漏れ日だけの時間が流れる。観光地とは違う上山を感じられますよ。

Q3.上山市でお土産を買うとしたらなんですか?

定番はやっぱり紅干し柿です。上山発祥の在来種で、蔵王おろしに干されて甘みが凝縮する。和菓子みたいな上品さで、年配の方にも喜ばれます。

あとは、当然ですが地元のワイン。市内には個性の違うワイナリーがいくつもあるので、飲み比べて好みの一本を選ぶのがおすすめです。市観光物産協会で扱う特産品も外れがないですよ。

Q4.外から人が来たときに、上山市でまず連れていく店はどこですか?

南の楢下宿にある、こんにゃく料理の店に連れていくことが多いです。茅葺の古民家が残る宿場町で、玉こんにゃくを頬張りながら眼鏡橋のあたりを歩くと、時間の流れが違って感じます。

そのあとは温泉街に戻って、共同浴場や無料の足湯へ。城下町を歩いて湯につかる、というのが上山らしいもてなしなんですよね。

Q5.上山市はどんな気質だと思いますか?

城下町と宿場町の血筋なのか、落ち着いていて、よそから来た人にも構えすぎない土地柄だと思います。派手さはないけど、芯は温かい。

加勢鳥の日なんかは象徴的で、商店も旅館も総出で祝い水をかける。県外や海外から来た参加者も自然に輪の中へ入れてしまう、そういう懐の深さがありますよ。

Q6.昔に比べて、上山市の雰囲気や活気はどう変わったと感じますか?

正直に言うと、少子高齢化で担い手が減っているのは感じます。長年親しまれてきた秋の行事が続けられなくなったのも、寂しい変化でした。

ただ、その一方でワインを軸にした動きは確実に増えていて、若い就農者や新しいつくり手が入ってきています。春のワインの祭典には全国から人が集まる。町の顔が少しずつ入れ替わっている感覚です。

Q7.上山市のこれから新しくできる施設や、期待している活動などはありますか?

期待しているのは、やっぱりワインの郷づくりです。栽培から醸造、味わう場までが町の中でつながってきていて、この流れがもっと太くなればと思っています。

あとはクアオルトの健康ウォーキング。温泉と歩く文化を組み合わせた取り組みが根づいてきているので、市長にもここは腰を据えて育ててほしい。市民センターのような場も使いながら、住む人も訪れる人も元気になる町であってほしいですね。

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